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{
"201020811_0": "大怪獣空中決戦ッ!?",
"201020811_1": "「未来たち、大丈夫かな? 未知の世界の調査に行ったまま、\\n 報告にも戻ってきてないみたいだし」",
"201020811_2": "「便りがないのは元気な証拠って言うけど、\\n やっぱり気になるよ……」",
"201020811_3": "「あ、あの立花さん……、\\n ちょっと聞いてもいいかな?」",
"201020811_4": "「えっと、あなたたちは弓美ちゃんの……」",
"201020811_5": "「そっか、ちゃんと話すのは初めてだったね。\\n わたしは秋川彩で、こっちの子は……」",
"201020811_6": "「佐々山春奈です。よろしく」",
"201020811_7": "「わたしは立花響だよ。よろしくね。\\n それで、聞きたいことっていうのは?」",
"201020811_8": "「雪音先輩がどこにいるのか知りたくて。\\n ここ数日は登校してないらしいんだけど」",
"201020811_9": "「さっき板場ちゃんに聞いたら、\\n 立花さんだったら知ってるかもって言われたんだ」",
"201020811_10": "「そうなんだ。でも連絡は……すぐには無理かな。\\n クリスちゃん、今は遠いところにいるから」",
"201020811_11": "「でも、困ってることがあるなら聞くよッ!\\n わたしにできることならなんでも言って」",
"201020811_12": "「いいのッ!?」",
"201020811_13": "「もちろんッ!」",
"201020811_14": "「実は今、自主制作映画を作ってるんだけど、\\n 役者をやってくれる人が見つからなくて困ってるんだ」",
"201020811_15": "「それで前に雪音先輩と風鳴さんに手伝ってもらったことを\\n 思い出して、また相談しようと……」",
"201020811_16": "「そういえば、前に2人から聞いたような気がする。\\n あなたたちのことだったんだ」",
"201020811_17": "「うん……撮影自体は短い時間で済むから、\\n また少しだけお願いできないかなと思って」",
"201020811_18": "「そういうことならわたしが手伝うよッ!\\n 短いなら、覚える台詞も多くないよね」",
"201020811_19": "「本当にッ!? ありがとうッ!」",
"201020811_20": "「これで、もう1人見つかれば撮影ができるよ」",
"201020811_21": "「そっか、2人必要なんだね。\\n だったら、もう人もわたしが見つけてくるよッ!」",
"201020811_22": "「そんな……そこまで甘えちゃってもいいの?」",
"201020811_23": "「大丈夫、大丈夫、心当たりはたくさんあるからさ」",
"201020811_24": "「ええッ!? みんなダメなんですかッ!」",
"201020811_25": "「切歌ちゃんたちはまだ任務中だし、\\n マリアさんも別の任務で今朝出ちゃったわ」",
"201020811_26": "「そ、そんな……どうしよう。\\n 約束したのにこのままじゃ……」",
"201020811_27": "「何か問題が起きたのか?」",
"201020811_28": "「あッ、師匠。ええっと、実は……」",
"201020811_29": "「それじゃあ、おふたりともよろしくお願いしますッ!」",
"201020811_30": "「思う存分、暴れてくださいッ!」",
"201020811_31": "(ま、まさか、着ぐるみの撮影だったなんて。\\n これ、なんか亀っぽいけど……)",
"201020811_32": "「……」",
"201020811_33": "(師匠のほうは、大きな鳥なのかな……?)",
"201020811_34": "「……」",
"201020811_35": "(師匠、着ぐるみは着てくれたけど、さっきから黙ってるし、\\n 変なことさせられて、怒ってるんじゃ――)",
"201020811_36": "「ギャオオオオッ!\\n こんな感じでどうだあああッ!」",
"201020811_37": "「う、うわああッ! びっくりしたッ!」",
"201020811_38": "「弦十郎さん、勢いがあってとってもいいですよ。\\n もっと翼をバタバタさせてくださいッ!」",
"201020811_39": "「ああ、任せておけッ!」",
"201020811_40": "「すっごくノリノリだったッ!?」",
"201020811_41": "「何をしているんだッ! お前は今、敵対する怪獣から\\n 攻撃を受けているんだぞ、反撃しないかッ!」",
"201020811_42": "「は、はいッ!\\n ……え、ええっと、こんな感じかな?」",
"201020811_43": "「違うッ! 巨大怪獣はそんなに素早く動いてはダメだッ!\\n もっと重量感のある動きをしないかッ!」",
"201020811_44": "「じゅ、重量感?」",
"201020811_45": "「わかりますッ!\\n 巨大な怪獣同士の重量感ある戦い、いいですよねッ!」",
"201020811_46": "「うむ。怪獣映画での戦いの鉄則は、\\n 動きを大きく、ゆっくりと、かつ力強くだッ!」",
"201020811_47": "「最近は変わってきてますけど、\\n 昔ながらのどっしりとした動きはやっぱりいいですね」",
"201020811_48": "「ああ、俺にとって怪獣映画といえば、この動きだ。\\n 画面越しでも地響きが感じられそうな……」",
"201020811_49": "「こ、こうですかッ!」",
"201020811_50": "「ダメだッ! それではゆっくり動いているだけで\\n 力強さが表現できていないぞッ!」",
"201020811_51": "「人類兵器を壊すときはド派手にやれッ!」",
"201020811_52": "「難しいですよ、師匠……」",
"201020811_53": "「考えるんだ。これは着ぐるみだが今はお前自身、\\n 怪獣になりきって戦えッ!」",
"201020811_54": "「大きくなったことはあるけど、\\n 怪獣になったことないからわかりませんよー……」",
"201020811_55": "「さ、さすが立花さんが連れてきた助っ人ッ!」",
"201020811_56": "「わたしたちが言いたいことを言ってくれる。\\n こんなに心強い人は他にいませんッ!」",
"201020811_57": "「な、なんか意気投合してるッ!?」",
"201020811_58": "「俺の動きをよく見ろ。\\n 怪獣とはこうやって動くんだッ!」",
"201020811_59": "「うわあああッ!?」",
"201020811_60": "「ダメだ、受け身を取るなッ!\\n 怪獣は建造物に突っ込むことなど気にしないッ!」",
"201020811_61": "「そんな無茶をッ!?」",
"201020811_62": "「いいですよ、どんどんやっちゃってくださいッ!」",
"201020811_63": "「さあ、立つんだ。\\n まだまだ怪獣たちの戦いは始まったばかりだぞッ!」",
"201020811_64": "「そんなーッ!」",
"201020811_65": "「今日はありがとうございました。\\n おかげですごくいい映像が撮れましたッ!」",
"201020811_66": "「いや、こちらこそすまなかった。\\n ついつい熱が入って演出を加えてしまったな」",
"201020811_67": "「そんなことありませんッ!」",
"201020811_68": "「空を飛ぶ怪獣を叩き落とすときの攻撃方法や、\\n 映像の見せ方のアドバイスなんて、さすがだと思いましたッ!」",
"201020811_69": "「そして、空へ逃げず、あえて地上で戦い始めたりとかッ!」",
"201020811_70": "「おお、わかってくれるかッ!」",
"201020811_71": "「なんだか師匠、すごく楽しんでる……。",
"201020811_72": " わたしはもうヘトヘト……へいき、へっちゃらじゃないよ……」",
"201020811_73": "「ところで空を飛ぶ怪獣と呼んでいたが、\\n 正式な名前はないのか?」",
"201020811_74": "「それが今思案中で……」",
"201020811_75": "「何かよさそうな名前、ありませんかね?」",
"201020811_76": "「怪獣の名前か。悩ましいところだが……」",
"201020811_77": "「師匠がギャオーと鳴いていたので、\\n もう鳥のほうはギャオスでいいんじゃないですかね……」",
"201020811_78": "「ギャオス……? なるほどッ!\\n いいセンスをしてるなッ!」",
"201020811_79": "「うん。一度聞いたら、\\n もうギャオス以外には考えられないよッ!」",
"201020811_80": "「え……」",
"201020811_81": "「じゃあ、もう一方はどうかな?」",
"201020811_82": "「こっちの怪獣は亀っぽいから\\n 濁点をつけて強い感じにしてガメラとか……」",
"201020811_83": "「ガメラか……それもいい名前だなッ!」",
"201020811_84": "「ええッ!?」",
"201020811_85": "「わたしもわかりやすくていいと思いますッ!」",
"201020811_86": "「さすが立花さんだよッ!」",
"201020811_87": "「い、今ので本当によかったのかな……」",
"201020811_88": "「では、以後、カメに似た怪獣をガメラ、\\n 鳥型の怪獣をギャオスと呼称しようッ!」",
"201020811_89": "「はいッ!」",
"201020811_90": "「おふたりのおかげで迫力のある映像も撮れて、\\n 名前も決まりました。本当にありがとうございますッ!」",
"201020811_91": "「何か困ったことがあれば、いつでも頼るといい。\\n 俺でよければ力になるぞ」",
"201020811_92": "「はぁ、すごく疲れた……。\\n 怪獣映画を撮るのって大変なんだなぁ……」",
"201020811_93": "「やはり、怪獣映画は最高だな。\\n 次に撮る機会があれば、ぜひまた我々に声をかけてくれ」",
"201020811_94": "「わ、わたしもッ!?\\n ちょっと、勝手に決めないでくださいよーッ!」"
}

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@ -0,0 +1,83 @@
{
"201020911_0": "夢の中のごあいさつ",
"201020911_1": "「それじゃ、わたしは調べておきたいことがあるから失礼するね。\\n みんなもそろそろ自分の部屋で休んだほうがいいよ」",
"201020911_2": "「ああ、そうさせてもらう」",
"201020911_3": "「部屋に戻ったら、今日は早めに寝ようか。\\n 色々あって、ちょっと疲れちゃった……」",
"201020911_4": "「そうだな。\\n あたしもやたらと疲れてるし……」",
"201020911_5": "「ずっと緊張の連続で、\\n 休む暇がほとんどなかったですから」",
"201020911_6": "「こっちの世界のやつらは、\\n ずっとこの環境で生きてきたってのか……」",
"201020911_7": "「そうですね……」",
"201020911_8": "「考えることはあるが、今は身体を休めよう。\\n いつギャオスが襲ってくるかわからないからな」",
"201020911_9": "「夜行性ってのが厄介だよな……。\\n 眠れない日が続くのは勘弁だ……」",
"201020911_10": "(……ダメだ、眠れない)",
"201020911_11": "(寝床は悪くないけど、この世界を見てると\\n 色んなことを考えちまって……)",
"201020911_12": "(そういや、ガメラってどんな怪獣なんだろうな……。\\n 明日、もう少しあいつに聞いてみるか……)",
"201020911_13": "「んん……もう朝か?\\n 先輩、今何時……あれ、先輩?」",
"201020911_14": "「ん? ここは……外か?\\n 確か部屋で寝たはずなのに……」",
"201020911_15": "「おっはよおおおおおッ!\\n クリスちゃんッ!!」",
"201020911_16": "「朝っぱらからうるさ――えッ!?",
"201020911_17": " なな、なんでお前がここにいるんだよッ!」",
"201020911_18": "「なんでって、わからない?」",
"201020911_19": "「わかるわけないだろ。\\n お前はこっちの世界に来てないはずだッ!」",
"201020911_20": "「うん、そうだね。\\n 今クリスちゃんたちがいる世界にわたしはいないよ」",
"201020911_21": "「じゃあ、なんで……」",
"201020911_22": "「だって、ここはクリスちゃんの夢の中だもんッ!」",
"201020911_23": "「……バカにしてんのか?」",
"201020911_24": "「そう、ここは夢の世界。\\n だから、わたしがいても大丈夫ッ!」",
"201020911_25": "「なんか目眩がしてきた……」",
"201020911_26": "「はい、時間がないからサクサク進めていくよ。\\n 夢は朝になると覚めちゃうからね」",
"201020911_27": "「あたしを置いてけぼりにすんなッ!」",
"201020911_28": "「というわけで、今日の夢にはゲストが来ています」",
"201020911_29": "「ゲスト? なんだよ、ゲストって……」",
"201020911_30": "「それじゃクリスちゃんは、ちょっとこっちに来て座っててね」",
"201020911_31": "「は? どうしてだよ?」",
"201020911_32": "「今連れてくるからーッ!」",
"201020911_33": "「おい、ちょっと待てッ!\\n 何から何までわかんねえよッ! 少しは説明しやがれッ!」",
"201020911_34": "「はい、今日は特別ゲストに\\n ガメラさんが来てくれましたーッ!」",
"201020911_35": "「……は?」",
"201020911_36": "「…………」",
"201020911_37": "「ほら、ガメラさんがこんにちはって言ってるよ。\\n 答えてあげなくちゃ」",
"201020911_38": "「えっと……そいつがガメラなのか?」",
"201020911_39": "「…………」",
"201020911_40": "「ガメラだぞー、って言ってるよ」",
"201020911_41": "「お前はそいつの言ってることがわかるのかよッ!\\n 夢だからって都合がよすぎないか」",
"201020911_42": "「…………」",
"201020911_43": "「ほら、ガメラさんが仲良くしようねって」",
"201020911_44": "「……これは付き合わないと、\\n 永遠に夢から覚めないやつだ」",
"201020911_45": "「ああ、コホン……、\\n あたしは雪音クリスだ、よろしくな」",
"201020911_46": "「…………」",
"201020911_47": "「…………」",
"201020911_48": "「じゃあ、仲良くなるために\\n みんなで手を繋いで輪になって唄って踊ろうッ!」",
"201020911_49": "「マイム・マイムでも始めるつもりかッ!」",
"201020911_50": "「じゃあ、クリスちゃんが好きな歌を唄っていいよ」",
"201020911_51": "「だからなんでだよッ!」",
"201020911_52": "「…………」",
"201020911_53": "「ガメラさんもクリスちゃんの歌が聴きたいって」",
"201020911_54": "「……そうかよ。まあどうせ夢の中だし、別にいいけどさ。\\n 誰かに聴かれるわけでもないしな」",
"201020911_55": "「〜〜♪ 〜〜♪」",
"201020911_56": "「やっぱりクリスちゃんの歌声は綺麗だね。\\n ガメラさんもそう思うでしょ?」",
"201020911_57": "「…………」",
"201020911_58": "「ガメラさんも気に入ったみたいだよ。\\n よかったねッ!」",
"201020911_59": "(表情はわからないけど、\\n 確かになんかッてる気がするような……)",
"201020911_60": "「聴いてたら、なんだかわたしも唄いたくなってきた。\\n 一緒に唄ってもいいよねッ!」",
"201020911_61": "「もう、勝手にしろ」",
"201020911_62": "「じゃあ、みんなで唄おう。ガメラさんも一緒にッ!」",
"201020911_63": "「…………」",
"201020911_64": "(吠えてるだけな気がするけど、\\n 不思議と一緒に唄ってるって感じがする……)",
"201020911_65": "(夢の中のガメラはこんなだけど、本物もこういう可愛いやつ\\n だったら仲良くなれるかもしれないな)",
"201020911_66": "「んん……あれ? ここは……」",
"201020911_67": "「楽しい夢でも見ていたのか?\\n 寝ながら鼻歌を唄っていたようだが」",
"201020911_68": "「夢……? ああ、なんか変な夢を見た……」",
"201020911_69": "「どんな夢だったの?」",
"201020911_70": "「別にどんなのでもいいだろ。\\n くだらない、ヘンテコな夢なんだからな」",
"201020911_71": "「おッ、ようやく起きたか。\\n 真琴が用があるらしいから、広場に行ってくれ」",
"201020911_72": "「……わかった。ところで、\\n あんたにガメラのことでちょっと聞いていいか?」",
"201020911_73": "「ん? まあ、別に構わないけど」",
"201020911_74": "「ガメラって人間くらいの大きさで\\n 歌が好きだったりするか?」",
"201020911_75": "「人間と一緒に楽しく歌を唄ったりとか……」",
"201020911_76": "「はあ? そんなわけあるか。\\n ガメラは多くの死闘を繰り広げたデカイ怪獣だ」",
"201020911_77": "「人間と仲良くするなんて聞いたこともないし、\\n 歌だって唄うわけないだろ」",
"201020911_78": "「そ、そうか……。変なこと聞いて悪かった」",
"201020911_79": "(結局、ガメラってどんなやつなんだ……?)",
"201020911_80": "(よくわからないけど……まあいいか。\\n どうせ現実では会うこともないだろうしな)"
}

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@ -0,0 +1,71 @@
{
"201021111_0": "あーしがプレゼント",
"201021111_1": "「今日はクリスマスッ! 日頃の感謝を込めて\\n サンジェルマンにとびっきりのプレゼントを用意しなくっちゃ」",
"201021111_2": "「フフッ、彼女は任務でしばらく戻ってこない。\\n やるなら今夜しかないわ」",
"201021111_3": "(あら? あれは……プレラーティ?)",
"201021111_4": "(研究室なんかに籠ってどうしたのかしら?)",
"201021111_5": "「……」",
"201021111_6": "「……フフ、これなら間違いないワケダ」",
"201021111_7": "(何か作ってるみたいね……。\\n もしかして、プレラーティもプレゼントの準備をッ!?)",
"201021111_8": "「これなら文句のつけようがないワケダ」",
"201021111_9": "(ずいぶん自信満々みたいね……ッ!\\n これは、あーしも負けてられないわッ!)",
"201021111_10": "「うーん、なかなかいいものが思いつかないわね。\\n お洋服やアクセサリーなんかが定番なんだけど……」",
"201021111_11": "「こうしてる間にもプレラーティは\\n どんどんプレゼントを完成させちゃう……ッ!」",
"201021111_12": "「あーしより器用だし、\\n きっといいものを作ってるに違いないわ」",
"201021111_13": "「あーん、何が1番いいのッ!?」",
"201021111_14": "「ここまで聞こえていたよ、大きな声が。\\n あるのかな、悩みごとでも」",
"201021111_15": "「局長ッ!?」",
"201021111_16": "「悩んでるは悩んでるけど、\\n これはあーしが解決しなきゃいけないことなの」",
"201021111_17": "「だから、今はお呼びじゃ――」",
"201021111_18": "「知りたいのだね、何が1番いいものかを。\\n でも簡単さ、その答えは」",
"201021111_19": "「…………」",
"201021111_20": "「なんだって劣るのさ、この身体には……ッ!」",
"201021111_21": "「もう、こんなところで脱がないでよ。\\n みんな見慣れちゃってるけど、やっぱり問題が――」",
"201021111_22": "「はッ!?」",
"201021111_23": "「こ、これはもしかしたら……」",
"201021111_24": "「たどり着いたようだね、求める答えに」",
"201021111_25": "(任務が終わったら部屋に来てくれと\\n 言っていたけど、何か問題でもあったのかしら)",
"201021111_26": "「戻ったわ、いるの?」",
"201021111_27": "「入ってきていいわよッ!」",
"201021111_28": "「部屋に呼び出すなんて、一体なんの――」",
"201021111_29": "「サンジェルマン、メリークリスマースッ!」",
"201021111_30": "「日頃の感謝を込めて、あなたにクリスマスプレゼント。\\n 中身はなんと……あーしよッ!」",
"201021111_31": "「ッ!?」",
"201021111_32": "「……ありがとう、気持ちだけ貰っておくわ」",
"201021111_33": "「あ、あら?」",
"201021111_34": "「暖房があるとはいえ、この時期にその格好は寒いでしょう。\\n 服は着たほうがいいわよ」",
"201021111_35": "「ちょ、ちょっと、なんなのその反応はッ!\\n もっとこう……あるじゃないのッ!」",
"201021111_36": "「とにかく、お腹を冷やすのはよくないわ」",
"201021111_37": "「そうね、そうなんだけど……って\\n なんか違くないッ!?」",
"201021111_38": "「これはどういう大惨事なワケダ」",
"201021111_39": "「あッ、来たわね、プレラーティッ!\\n どうよ、あーしのクリスマスプレゼントはッ!」",
"201021111_40": "「なんだその格好は……、\\n 早く服を着たほうがいいワケダ」",
"201021111_41": "「そうじゃなくてッ!\\n あなたのプレゼントよりずっといいでしょって話ッ!」",
"201021111_42": "「なんの話?」",
"201021111_43": "「だって、あなたも何か作ってたじゃない。\\n あれってクリスマスプレゼントでしょ」",
"201021111_44": "「ああ、あれなら完成して、\\n もう局長に渡してあるワケダ」",
"201021111_45": "「え? 局長へのクリスマスプレゼントだったのッ!?」",
"201021111_46": "「そんなのありえないワケダ。\\n あれは頼まれて進めていた錬金術の研究」",
"201021111_47": "「ええッ!? そうだったのッ!」",
"201021111_48": "「どういう事情か知らないけど、\\n 何か勘違いしていたようね」",
"201021111_49": "「何よ、クリスマスを楽しみにしてたのって、\\n 結局あーしだけだったってこと……」",
"201021111_50": "「……いや、そうでもないわ。\\n 私もこうして用意をしてきているから」",
"201021111_51": "「どういうこと?」",
"201021111_52": "「クリスマスケーキよ。今日は特別な日だから、\\n あなたたちと一緒に過ごそうと思って、買ってきたの」",
"201021111_53": "「そうだったのッ!?」",
"201021111_54": "「わたしも今日のために研究を終わらせてきたワケダ」",
"201021111_55": "「聞いてないわよッ!」",
"201021111_56": "「示し合わせたわけじゃないんだけどね。\\n 偶然そうなってしまったのよ」",
"201021111_57": "「んもう、プレゼントにこだわってたあーしがバカみたいね。\\n 結局、一緒にいられることが番なんじゃない」",
"201021111_58": "「そんなことはないわ。\\n 私のために色々考えてくれてたってことは嬉しいわよ」",
"201021111_59": "「だが、結果がこれでは目も当てられないワケダ」",
"201021111_60": "「ちょっと、その話はいいでしょッ!」",
"201021111_61": "「じゃあ、飲み物を用意しましょうか。\\n ケーキに合うものがあればいいけど」",
"201021111_62": "「準備ならあーしたちがするから、\\n あなたは座ってて。任務から戻ってきたばかりなんだから」",
"201021111_63": "「でも……」",
"201021111_64": "「カリオストロの言うとおりなワケダ。\\n 準備はしておくから」",
"201021111_65": "「わかったわ。\\n なら、今日くらいは甘えさせてもらおうかしら」",
"201021111_66": "「さあ、ぱぱっと支度しちゃうわよッ!」",
"201021111_67": "「まず服を着てほしいワケダ」",
"201021111_68": "(フフ、こんなに賑やかなクリスマスは久しぶりね)"
}

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@ -0,0 +1,102 @@
{
"201021211_0": "クリスのバースデー2020",
"201021211_1": "「今日はクリス先輩とおでかけデースッ!」",
"201021211_2": "「カラオケに、ゲームセンターに、ご飯ッ!\\n 行きたいところがたくさんデスよ」",
"201021211_3": "「うん、楽しみだね」",
"201021211_4": "「でも、待ち合わせ時間までずいぶん余裕があるんだけど\\n 来るのが早すぎたんじゃないかな?」",
"201021211_5": "「フフン、あえてそうしたんデスよ」",
"201021211_6": "「次の休暇の予定もあやふやですし、\\n 遊びに行く前にやっておきたいことがあるデス」",
"201021211_7": "「……?」",
"201021211_8": "「ほら、もうすぐクリス先輩の誕生日じゃないデスかッ!」",
"201021211_9": "「それじゃもしかして……、\\n プレゼントを今日、決めるつもりなの?」",
"201021211_10": "「さすが調、話が早いデースッ!\\n 先輩がアッと驚く、トンデモプレゼントを選ぶデスよッ!」",
"201021211_11": "「ああ、全然何も思いつかないデースッ!?\\n ピンチデスよ、調ッ!」",
"201021211_12": "「落ち着いて、切ちゃん。\\n まだ見てないお店もあるから」",
"201021211_13": "「あッ、クラッカー50連発なんてどうデス。",
"201021211_14": " 先輩に一気にバーンッ! ってやってもらうデスよッ!」",
"201021211_15": "「うん、派手でいいんじゃないかな。",
"201021211_16": " だけど、ご近所迷惑になるかもしれないよ」",
"201021211_17": "「じゃあ、着ぐるみに入って\\n 好きなだけモフってもらうってのはどうデス?」",
"201021211_18": "「大きい着ぐるみに抱きつくの気持ちいいよね。\\n でもわたしたちが入ってると、先輩は恥ずかしがりそう……」",
"201021211_19": "「うぅ、確かに。抱きついてください、って言っても\\n 先輩は嫌だって言いそうデース……」",
"201021211_20": "「プレゼントを考えるのって難しい」",
"201021211_21": "「うーん、困ったデスね……」",
"201021211_22": "「おーそうか、あたしとの待ち合わせを忘れるほど\\n 困っている理由を、ぜひ教えてもらおうか」",
"201021211_23": "「なな、なんデスとーッ!?\\n どうして、ここに先輩がいるデスかッ!」",
"201021211_24": "「思い出せないのなら、ガツンと1発、\\n ショック療法を試してやってもいいぞ」",
"201021211_25": "「あッ、待ち合わせの時間過ぎてる……」",
"201021211_26": "「ご、ごめんなさいデスッ!\\n ええっと……これには事情があってデスね」",
"201021211_27": "「――事情だ?\\n 楽しく買い物をしているようにしか見えなかったが?」",
"201021211_28": "「違うんデスよッ! これは買い物とか、\\n 先輩のプレゼントを選んでたとかじゃないデスッ!」",
"201021211_29": "「……あッ」",
"201021211_30": "「は――ッ!?」",
"201021211_31": "「…………」",
"201021211_32": "(コイツら、あたしのプレゼント選んでたのかよ。\\n おまけにそれを本人に言っちまうなんて……)",
"201021211_33": "「あッ、いや、今のは言葉の綾というか、\\n なんと言いますか……」",
"201021211_34": "(そりゃ誕生日のことは嬉しいけど……、\\n こっちは今、一応怒ってる状態なんだぞ……)",
"201021211_35": "「ほ、ほう、そいつはいいことを聞いたな」",
"201021211_36": "「約束に遅刻までして選んでくれるんだから、\\n さぞかし、とんでもないプレゼントなんだろ?」",
"201021211_37": "「ええッ!?」",
"201021211_38": "「それは、その……」",
"201021211_39": "「期待してるからな。精々、驚かせてくれよ」",
"201021211_40": "「も、もちろんデース……」",
"201021211_41": "「ああッ! もうピンチどころか、大ピンチデスよッ!\\n 何も決まらないまま、先輩の誕生日はもう目前デスッ!」",
"201021211_42": "「一体どうすればいいんデスかッ!」",
"201021211_43": "「切ちゃん、焦るのもわかるけど、ちゃんと前を見ないと。\\n 信号もう変わってるよ」",
"201021211_44": "「おおっと、早く渡っちゃうデスッ!」",
"201021211_45": "「な、なんで車がッ!? 信号、まだ青デスよッ!」",
"201021211_46": "「切ちゃん、あそこに横断中のお爺さんが――」",
"201021211_47": "「うわあ――ッ!?」",
"201021211_48": "「轢かれちゃうッ!」",
"201021211_49": "「助けるデスよッ!」",
"201021211_50": "「お爺さんッ!\\n こっちに手を伸ばして――ッ!」",
"201021211_51": "「――ッ!!」",
"201021211_52": "「ふう……なんとか間に合ったデスけど……」",
"201021211_53": "「うう……」",
"201021211_54": "「あの車、行っちゃったね……」",
"201021211_55": "「許せないデスッ!\\n あと少しで大事故になってたところデスよッ!」",
"201021211_56": "「あの、大丈夫ですか?」",
"201021211_57": "「ああ、どうにか怪我は無く済んだみたいだ……、\\n 君たちのおかげだな。ありがとう」",
"201021211_58": "「よかったら、お礼をさせてくれないかな」",
"201021211_59": "「お礼なんていりません。\\n わたしたちは咄嗟に動いただけで……」",
"201021211_60": "「いやいや、君たちは命の恩人なんだ。\\n このままでは、私の気がおさまらない」",
"201021211_61": "「そこまで言われたら……、",
"201021211_62": " じゃあ調、せっかくだし、ちょっと相談してみるデス?」",
"201021211_63": "「うん、それもいいかもしれないね」",
"201021211_64": "「なんでも言ってくれたまえッ!」",
"201021211_65": "「――それで? あたしを呼び出したってことは、\\n とんでもないプレゼントの約束を果たしてくれるんだろうな?」",
"201021211_66": "「はい、用意できたデスよッ!」",
"201021211_67": "「……という割に何も無いじゃないか」",
"201021211_68": "「これからですよ。お爺さん、始めてください」",
"201021211_69": "「始めてくださいって、一体何が……」",
"201021211_70": "「ハッピーバースデーッ!」",
"201021211_71": "「……」",
"201021211_72": "「あ、あれ? 反応が無いデスよ?」",
"201021211_73": "「名前、間違えてないよね」",
"201021211_74": "「――な、なんだこりゃッ!?」",
"201021211_75": "「え? 何って、ハッピーバースデーデースッ!」",
"201021211_76": "「ハッピーバースデー、じゃねえよッ!\\n なんでビルにデカデカとあたしの名前が書かれてるんだッ!」",
"201021211_77": "「それは私が説明しますよ」",
"201021211_78": "「誰だよッ!?」",
"201021211_79": "「この人はアタシと調が助けたお爺さんデス。\\n あのビルのオーナーさんなんデスよ」",
"201021211_80": "「お、おう……」",
"201021211_81": "「実は先日、彼女たちから相談を受けましてね。\\n 大切な人の誕生日を祝うためのいい方法は無いかと」",
"201021211_82": "「そこでこのビルを使っての窓文字を提案したんですよ」",
"201021211_83": "「今日入っていた窓文字の予約のキャンセルがあって、\\n ちょうどよく空いていましたから」",
"201021211_84": "「いやいや、おかしいだろッ!\\n というか、恥ずかしいからいい加減消してくれッ!」",
"201021211_85": "「何言ってるんデスか。\\n まだ記念写真を撮ってないデスよッ!」",
"201021211_86": "「写真なんて撮るんじゃねーッ!\\n こんなもん、絶対に残さないからなッ! 早く消せッ!」",
"201021211_87": "「たくさんの人に協力してもらったから、\\n すぐに消すのはもったいないです」",
"201021211_88": "「実はちょっと人手が足りなかったから、\\n マリアとか、他のみんなにも手伝ってもらってるデスッ!」",
"201021211_89": "「それホントかッ!?」",
"201021211_90": "「みなさん、先輩の誕生日を祝うためならって、\\n 協力してくれたんです」",
"201021211_91": "「……わかったよ。ただし、写真は1枚だけだからな。\\n アイツらに見せる用だけだぞ、いいな?」",
"201021211_92": "「やったデースッ!」",
"201021211_93": "「では、僭越ながら私がカメラマンを務めましょうか」",
"201021211_94": "「よろしくお願いしますデースッ!」",
"201021211_95": "「……ホントにとんでもないプレゼントを\\n 用意してくれたもんだ」",
"201021211_96": "「驚いてくれましたか?」",
"201021211_97": "「ああ、飛び上がるほどにな……。\\n ただ、こういう恥ずかしいのはこれっきりにしてくれ」",
"201021211_98": "「いいですか。では、撮りますよ。\\n はい、チーズ――」",
"201021211_99": "「……ありがとう」"
}

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@ -0,0 +1,3 @@
{
"201021311_0": "Happy New Year 2021"
}

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@ -0,0 +1,3 @@
{
"201021411_0": "不器用な笑顔"
}

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@ -0,0 +1,3 @@
{
"201021511_0": "魔物討伐クエスト"
}

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@ -0,0 +1,35 @@
{
"208002511_0": "超覚醒:天羽奏【PLEIADES∞SMASHER】",
"208002511_1": "「さてと、残ってた仕事はこんなもんかな。\\n そろそろ行ってきていいか、ダンナ」",
"208002511_2": "「おいおい、やけに落ち着きが無いな」",
"208002511_3": "「だって、今日は翼とのデートだからな。\\n クリスマス・イブに予定が合うなんてそれこそ奇跡だろ?」",
"208002511_4": "「なんだと?」",
"208002511_5": "「まあ、あくまでそれっぽくってことなんだけどさ」",
"208002511_6": "「あんなに忙しい翼が、\\n 今日みたいな日に予定を空けられるって言うんだ」",
"208002511_7": "「それならデートっぽく\\n 街のツリーの下で待ち合わせしようって決めて――」",
"208002511_8": "「本当かッ!?\\n クリスマス・イブなのに予定空いてるなんて」",
"208002511_9": "「ええ。今年は緒川さんが時間を作ってくれたの。\\n だから、奏さえよければ人で過ごせないかなって」",
"208002511_10": "「いいに決まってるじゃんかッ!\\n しかも、ちょうど定期報告のタイミングだ」",
"208002511_11": "「大手を振って、こっちの世界に来られる日だ。\\n ちょっとの長居だってダンナなら許してくれるだろ」",
"208002511_12": "「それじゃあ、決まりね。\\n クリスマス・イブの日に人で」",
"208002511_13": "「なぁ、それならあのツリーの下で待ち合わせしないか?\\n そのほうがデートっぽいだろ」",
"208002511_14": "「で、デートって……」",
"208002511_15": "「あくまで雰囲気だけだよ。\\n せっかくのクリスマス・イブなんだしさ」",
"208002511_16": "「うん、楽しみ……」",
"208002511_17": "「あたしもすっごく楽しみだッ!」",
"208002511_18": "「デートだなんてって恥ずかしがってたけど、\\n やっぱ嬉しそうにしてたな。翼のやつ」",
"208002511_19": "「おいおい、お前の目的はあくまで定期報告だぞ。\\n それだけは忘れるなよ」",
"208002511_20": "「心配するなって、ダンナ。\\n きっちり漏らさず報告してくるからさ」",
"208002511_21": "「なんだッ!?」",
"208002511_22": "「街にノイズ出現の反応ですッ!」",
"208002511_23": "「わかった。すぐに向かってくれッ!」",
"208002511_24": "「クソッ、なんだって今日に限って出てくるんだよッ!\\n せっかくの……ああもうッ!」",
"208002511_25": "「よりにもよって、こんな日に出てきやがって……、\\n 覚悟しやがれッ!!」",
"208002511_26": "「Croitzal ronzell Gungnir zizzl――」",
"208002511_27": "「ああ、やっぱりこのギアになっちまったな。\\n それだけ待ち遠しかったってことか」",
"208002511_28": "(翼もきっと今頃は待ちぼうけで……、\\n 寂しい思いをさせちまってるな……)",
"208002511_29": "(……まあ案外、向こうでも問題が起きて、\\n 推して参るッ! なんてことを言ってるかもしれないけど)",
"208002511_30": "「そういや、この広場にあるツリーって\\n 向こうの世界にあるやつと似てるような……」",
"208002511_31": "「だとしたら、世界は違えど\\n 同じツリーの下で肩を並べて戦ってるようなもんか……」",
"208002511_32": "「フッ、ならそれもありだな。\\n ツヴァイウィングとして、そんなクリスマス・イブも悪くないッ!」"
}

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@ -0,0 +1,63 @@
{
"208002611_0": "超覚醒:小日向未来【福音】",
"208002611_1": "「響、今日は帰ってこれないの?」",
"208002611_2": "「うん、ごめん……。\\n まだ任務から離れられなくて」",
"208002611_3": "「今、ちょっとだけ時間をもらって\\n 連絡したんだ」",
"208002611_4": "「そっか……。じゃあ、これ以上は迷惑になっちゃうから\\n そろそろ切るね」",
"208002611_5": "「本当にごめんッ! 今日は美味しいご飯を作って\\n 待っててくれるって言ってたのに……」",
"208002611_6": "「ううん、大丈夫だよ。\\n 響は気にせず、任務がんばってね」",
"208002611_7": "「うん……」",
"208002611_8": "「……響、帰ってこれないんだ」",
"208002611_9": "「準備したお料理、どうしよう。\\n 日持ちしそうなものは残しておいて、ほかはわたしが……」",
"208002611_10": "「…………」",
"208002611_11": "「はぁ、ダメだ。\\n なんだか食欲が湧かないな……」",
"208002611_12": "「やっぱり、響が隣にいないと……」",
"208002611_13": "(ん? 窓の外、何か動いて……)",
"208002611_14": "「……あッ、雪ッ!」",
"208002611_15": "「気づかなかった……。\\n 降ってたんだ」",
"208002611_16": "「もうベランダに、ちょっとだけ積もってるみたい」",
"208002611_17": "「よし……できたッ!\\n 小さいけど、雪だるまッ!」",
"208002611_18": "「あなたもわたしと同じで独りぼっちだね。\\n もう人作ってあげたいけど……」",
"208002611_19": "「あんまり雪積もってないな。\\n ごめんね、独りにしちゃって……」",
"208002611_20": "「…………」",
"208002611_21": "「……ちゃんと帰ってくるよね?\\n 響……」",
"208002611_22": "「んんッ……もう、朝か……」",
"208002611_23": "「そういえば、雪はどうなったかな?」",
"208002611_24": "「……もう止んだんだ。\\n でも結構、積もって……」",
"208002611_25": "「えッ!? 雪だるまが2人になってるッ!」",
"208002611_26": "『そうだよ。もう1人じゃないのッ!』",
"208002611_27": "『未来も、一緒だよッ!』",
"208002611_28": "「え……」",
"208002611_29": "「なーんちゃって……ッ!\\n どう? 雪だるまが喋ってるのかと思った?」",
"208002611_30": "「響ッ!」",
"208002611_31": "「予定より任務が早く終わったから、さっき帰ってきたんだ。\\n ただいま、未来」",
"208002611_32": "「もうッ!\\n 帰ってきたなら、起こしてくれればよかったのに」",
"208002611_33": "「気持ちよさそうに寝てたから起こしちゃ悪いかなって」",
"208002611_34": "「そっか……。おかえり、響」",
"208002611_35": "「響が、もう1人の雪だるまを作ってくれたの?」",
"208002611_36": "「うんッ! ベランダにこの子がいるのを見つけて。\\n ちょっと寂しそうだったから……」",
"208002611_37": "「ごめん、未来も寂しかったよね?」",
"208002611_38": "「ううん、ちゃんと帰ってきてくれたからいいの」",
"208002611_39": "「怪我も無いみたいだし……」",
"208002611_40": "「うん、元気いっぱいだよッ!」",
"208002611_41": "「それにね……」",
"208002611_42": "「……?」",
"208002611_43": "「師匠が、今回の任務で頑張ったから、\\n クリスマスはゆっくり休めってッ!」",
"208002611_44": "「……ッ!」",
"208002611_45": "「もちろん、それどころじゃない事件が起きちゃったら\\n しょうがないけど……」",
"208002611_46": "「だけど、2人でゆっくり過ごせるはずだよ。\\n あの雪だるまたちみたいにッ!」",
"208002611_47": "「嬉しいッ!\\n よーし、ごちそうを作らないと……ッ!」",
"208002611_48": "「計画もしっかり練って……」",
"208002611_49": "「アハハ、喜んでもらえてよかった」",
"208002611_50": "「通信が……」",
"208002611_51": "「はい、小日向です」",
"208002611_52": "「未来ちゃん、アルカ・ノイズを使う錬金術師が現れたわ。\\n すぐに現場へ向かってちょうだい」",
"208002611_53": "「錬金術師がッ!?\\n わかりました、すぐに向かいますッ!」",
"208002611_54": "「だったら、わたしもッ!」",
"208002611_55": "「響ちゃんは待機命令よ。\\n さっき帰ったばかりなんだから、少し休みなさい」",
"208002611_56": "「そうだよ。今度はわたしががんばってくるから」",
"208002611_57": "「でも……」",
"208002611_58": "「大丈夫。\\n あの雪だるまみたいに必ず響の隣に帰ってくるから」",
"208002611_59": "「……ッ!\\n うん、わかった」",
"208002611_60": "「それじゃあ行ってくるね、響」"
}

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@ -0,0 +1,39 @@
{
"208002711_0": "超覚醒:セレナ・カデンツァヴナ・イヴ【TOMTE†BLESSING】",
"208002711_1": "「すっかり街もクリスマスの装いになってきてるね……」",
"208002711_2": "(クリスマスって、こんなに祝うようなことなのか?\\n 誰かの誕生日だと聞いたが)",
"208002711_3": "(今はそういうのを抜きにして、イベントとして楽しむの。\\n 大切な人と過ごす、特別な日なんだよ)",
"208002711_4": "(そうか。どうりでみんな楽しそうなわけだ)",
"208002711_5": "(こうやって幸せそうな人たちを見てるとね、\\n わたしも早くクリスマス来ないかなって気分になるんだ)",
"208002711_6": "(ほら。特別な日に誰かと一緒に過ごせるのって、\\n とっても幸せなことだしね)",
"208002711_7": "(そういうもんかね)",
"208002711_8": "(……で? お前は大切な人と過ごさないのか?)",
"208002711_9": "(マムやF.I.S.の人たちとお祝いできたらいいんだけど、\\n マムはそういうのが苦手だから……)",
"208002711_10": "「おかえりなさい、セレナ。\\n ゆっくり休むことはできましたか?」",
"208002711_11": "「街へ気分転換に行ったんですけど、\\n 街中、クリスマスの飾りがされていてとってもきれいでした」",
"208002711_12": "「……そうですか」",
"208002711_13": "「どうかしたんですか?」",
"208002711_14": "「いえ、なんでもありません」",
"208002711_15": "「休めるときに休んでおきなさい。\\n いつ出撃になるか、わかりませんからね」",
"208002711_16": "「はいッ!」",
"208002711_17": "「……」",
"208002711_18": "「マム、この近くですかッ!?」",
"208002711_19": "「ええ、ノイズはその付近に発生しました。\\n 見つけ次第、排除しなさい」",
"208002711_20": "「了解ですッ!」",
"208002711_21": "「……クリスマス・イブなのに、街に誰もいない。\\n 避難勧告が出てるから当たり前なんだけど」",
"208002711_22": "「今日を楽しみに待ってた人たちがたくさんいたはずなのに……、\\n こんなことになるなんて」",
"208002711_23": "(だったら、さっさとノイズを片付けて、\\n みんなが出歩けるようにしてやればいい)",
"208002711_24": "「うん、そうだね。わたしがノイズを倒して\\n 幸せなクリスマス・イブを取り返すッ!」",
"208002711_25": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"208002711_26": "(お前、そのギアッ!)",
"208002711_27": "「……クリスマスベルの音色には魔を祓い、\\n 幸せの到来を告げるって意味があるの」",
"208002711_28": "「だから、わたしがノイズを祓って、\\n みんなに幸せを届けてみせるッ!」",
"208002711_29": "「セレナ、あなたに1つ伝えていなかったことがあります」",
"208002711_30": "「今日はF.I.S.でもクリスマスを祝おうと準備を進めています」",
"208002711_31": "「えッ?」",
"208002711_32": "「だから、あなたにも手伝ってもらいたいのです」",
"208002711_33": "「マム……ッ!」",
"208002711_34": "「無事に帰ってきなさい、セレナ。\\n あなたの帰りを、皆で待っていますよ」",
"208002711_35": "「ありがとうございます……ッ!」",
"208002711_36": "「絶対に帰りますッ!\\n みんなを幸せにして、みんなと幸せになるためにッ!」"
}

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@ -31,7 +31,7 @@
"344000911_29": "「世界各地に、スヴァフラーメの転送を確認――ッ!」",
"344000911_30": "「これまでにない規模です……ッ!\\n 装者たちでも、いつまで持つか……」",
"344000911_31": "「みんなが……ッ!」",
"344000911_32": "「止める方法はきっと、呪いの中、\\n ドヴァリンさんを止めることだけ――」",
"344000911_32": "「止める方法はきっと、呪いの中、\\n ドヴァリンさんを止めることだけ――」",
"344000911_33": "「だったら、あの邪魔くさい装甲を引っ剥がして\\n 中から引っ張り出すぞッ!」",
"344000911_34": "(方法は、ドヴァリンさんを止める、\\n 倒すことだけ……ッ!)"
}

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@ -0,0 +1,44 @@
{
"351000111_0": "もうひとつの2020年",
"351000111_1": "――11月27日 16:00――",
"351000111_2": "――旧都庁跡地・ポイントZ――",
"351000111_3": "「装置の設置は完了した。\\n 『奴ら』に見つかる前にここを離れるぞッ!」",
"351000111_4": "「アレックス隊長、10時の方向に――ッ!」",
"351000111_5": "「嘘だろ、もう来やがったのかッ!?」",
"351000111_6": "「くッ……。リアム、佐竹、撤退だッ!\\n 撤退しろッ!」",
"351000111_7": "「うわあああ――ッ!?」",
"351000111_8": "「隊長、秋山が――、\\n 味方が名やられましたッ!」",
"351000111_9": "「止まるな、走り続けろッ!\\n お前もあんな風になりたいのかッ!」",
"351000111_10": "「あの野郎……よくも仲間をッ!」",
"351000111_11": "「やめろッ! そんなことしたら物音を聞きつけて\\n 他の奴らも――」",
"351000111_12": "「く、くそ――」",
"351000111_13": "「がは――ッ!?」",
"351000111_14": "「もうダメだ……。\\n 俺たちはここで死ぬんだ……ッ!」",
"351000111_15": "「無用な迎撃は避けて、後退しろッ!」",
"351000111_16": "「任務は既に完了してるんだ。\\n 急いで、砦に戻るぞッ!」",
"351000111_17": "「りょ、了解し――」",
"351000111_18": "「ぐは――ッ!?」",
"351000111_19": "「お、おいッ!」",
"351000111_20": "「隊員3名が……あっという間に……」",
"351000111_21": "「なッ……」",
"351000111_22": "「か、囲まれたッ!?」",
"351000111_23": "「くッ……このまま全滅するのか……」",
"351000111_24": "「死んでたまるかッ!\\n 俺にはやらなきゃいけないことがあるんだッ!」",
"351000111_25": "「隊長ッ! 命令をッ!」",
"351000111_26": "「俺たち、どうすればいいんですかッ!?」",
"351000111_27": "「…………」",
"351000111_28": "(なんでだよ……こんな……、\\n くそッ……足が震えて……俺は……)",
"351000111_29": "「隊長ッ!!」",
"351000111_30": "(わからない……俺にどうすればいいかなんて……)",
"351000111_31": "「に、逃げろ……、とにかく逃げるんだッ!」",
"351000111_32": "(死にたくないッ! 死にたくないッ!)",
"351000111_33": "(死にたくないッ! 死にたくないッ!\\n 死にたくないッ! 死にたくないッ!)",
"351000111_34": "「死にたくないッ!!」",
"351000111_35": "「――ッ!?」",
"351000111_36": "「い、今の攻撃は……ッ!?\\n どこの部隊だッ!? 援軍なのかッ!?」",
"351000111_37": "「この地点に展開しているのは我々の部隊だけです。\\n もしかして、八坂司令が援軍を……?」",
"351000111_38": "「救援要請は出せていない。そんなはずは――」",
"351000111_39": "「あ、あれはッ!?\\n 隊長、上を見てくださいッ!」",
"351000111_40": "「な、なんだ、あれは……鳥か?」",
"351000111_41": "「いや、違う……。\\n あれは、少女……?」"
}

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@ -0,0 +1,31 @@
{
"351000121_0": "――11月27日 15:30――",
"351000121_1": "――旧都庁跡地・ポイントZ――",
"351000121_2": "「ここが、目的の並行世界?」",
"351000121_3": "「一体なんだってんだよ……この世界は……」",
"351000121_4": "「空が赤い……、街もボロボロ……。\\n わたしたちの世界と全然違う……」",
"351000121_5": "「ああ、まるで戦争の後だな」",
"351000121_6": "「もしかして、\\n 世界蛇に滅ぼされた世界のつなんでしょうか……」",
"351000121_7": "「その可能性はある……」",
"351000121_8": "「とにかく、ギャラルホルンがアラートを発したんだ。\\n この並行世界に何かしらの原因となる問題があるはずだ」",
"351000121_9": "「まずはそれを調査するぞ」",
"351000121_10": "「はい」",
"351000121_11": "「…………」",
"351000121_12": "「な、何今の音ッ!?」",
"351000121_13": "「獣か何かの鳴き声に聞こえたがッ!?」",
"351000121_14": "「お、おい……嘘だろ……?\\n なんなんだよ、アイツらはッ!?」",
"351000121_15": "「鳥……、いや、恐竜ッ!?」",
"351000121_16": "「プテラノドンッ!?\\n この世界では恐竜が生きているというのかッ!?」",
"351000121_17": "「いや、よく見ろッ!\\n 姿は似てるかもしれないけど、明らかに別物だろッ!」",
"351000121_18": "「あれが、ギャラルホルンのアラートの原因なの?」",
"351000121_19": "「さあな。\\n だけど、あたしらに喧嘩を売るってなら買ってやるッ!」",
"351000121_20": "「Killter Ichaival tron――」",
"351000121_21": "「来るぞッ!\\n 散れッ!」",
"351000121_22": "「この距離なら、目を瞑っていても外さねーッ!\\n 全弾、受け取れッ!」",
"351000121_23": "「こっちの攻撃は効くみたいだな」",
"351000121_24": "「なッ、レーザーだとッ!?」",
"351000121_25": "「遠距離攻撃もお手の物ってわけかッ!」",
"351000121_26": "「耳が……キーンって……。\\n 何、あの攻撃……」",
"351000121_27": "「ビルのコンクリートをやすやすと切断する威力、\\n それにこの感覚……。ただのレーザーではないみたいだな」",
"351000121_28": "「気を付けろ、わらわらと集まって来やがったぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"351000122_0": "「次から次へと……。\\n 一体どれだけの数がいやがるんだッ!」",
"351000122_1": "「……おかしい。\\n 先ほどからこちらの攻撃が効きにくくなってきている」",
"351000122_2": "「わたしも感じました。\\n それに、なんだか戦いにくいような……」",
"351000122_3": "「小日向もか?」",
"351000122_4": "「あたしらの知らない、何かがあるみたいだな」",
"351000122_5": "「理由はどうあれ、このまま戦い続けるのは危険だ。\\n 一度S.O.N.G.へ戻るぞッ!」",
"351000122_6": "「敵に背を向けるのはしゃくだが、しかたないッ!」",
"351000122_7": "「ダメッ! あれを見てッ!\\n ギャラルホルンのゲートがッ!」",
"351000122_8": "「な――」",
"351000122_9": "「ゲートが、あの怪獣の群れに……。\\n あれでは、近づくことができない」",
"351000122_10": "「まるであそこが\\n 怪獣たちの巣みたい……」",
"351000122_11": "「アイツらの巣の近くにゲートが繋がってたってことか。\\n 襲われたのも納得だな」",
"351000122_12": "「とにかく、この場から離脱するべきだ。\\n 奴らを相手にするには圧倒的に情報が足りていないッ!」",
"351000122_13": "「でも、こんな怪獣がたくさんいる世界で、\\n 無事な人を見つけるのは簡単じゃ……」",
"351000122_14": "「銃撃音だッ!」",
"351000122_15": "「近くに人がいるのッ!?」",
"351000122_16": "「しかも、銃をぶっ放してるってことは、\\n 怪獣に襲われてる可能性が高いってことだッ!」",
"351000122_17": "「急ぐぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,57 @@
{
"351000131_0": "――11月27日 16:05――",
"351000131_1": "――旧都庁跡地・ポイントZ――",
"351000131_2": "「あそこだッ! 兵士が戦ってるぞッ!」",
"351000131_3": "「急いで助けようッ!」",
"351000131_4": "「ちッ! あたしが蹴散らしてやるッ!」",
"351000131_5": "「この数なら、行けるッ!」",
"351000131_6": "「あ、あれはッ!?\\n 隊長、上を見てくださいッ!」",
"351000131_7": "「な、なんだ、あれは……鳥か?」",
"351000131_8": "「いや、違う……。\\n あれは、少女……?」",
"351000131_9": "「残るはこいつだけだッ!」",
"351000131_10": "「よし、なんとかなったな」",
"351000131_11": "「そうだね、あの人たちも無事みたい」",
"351000131_12": "「この世界にも、ちゃんと人間がいてくれたか」",
"351000131_13": "「あの子たちがギャオスを倒したのか……?」",
"351000131_14": "「俺は、夢でもみてるんじゃ……」",
"351000131_15": "「…………」",
"351000131_16": "「ま、まただッ! またギャオスが来たぞッ!\\n 応戦しろッ!」",
"351000131_17": "「ギャオス……、\\n あの怪獣の名前か?」",
"351000131_18": "「それより、また集まって来やがったッ!」",
"351000131_19": "「くそッ……こんなところで……」",
"351000131_20": "「こいつらはあたしたちが引きつける。\\n あんたたちは後ろから援護してくれッ!」",
"351000131_21": "「あんたらは一体何者なんだッ!」",
"351000131_22": "「んなことは今はどうでもいいッ!\\n 死にたくなけりゃ下がれッ!」",
"351000131_23": "「リアム、今は彼女の言う通りにしよう。\\n 隊長、それでいいですよね?」",
"351000131_24": "「……あ、ああ」",
"351000131_25": "「なんとかなったな……」",
"351000131_26": "「ああ、みな無事だ」",
"351000131_27": "「まさか、ギャオスと対等に戦える人間がいるなんて……」",
"351000131_28": "「夢じゃなかった……」",
"351000131_29": "「あの、すみません。\\n 教えていただきたいことがあるんですが……」",
"351000131_30": "「本当に、少女だぞ……」",
"351000131_31": "「あの装備はなんだ? どこから出している?」",
"351000131_32": "「信じられない技術だ……」",
"351000131_33": "「まさか、他国からの援軍?」",
"351000131_34": "「こんな状況だぞ、あり得ない」",
"351000131_35": "「あの……」",
"351000131_36": "「おい、責任者……じゃなくて、リーダーは誰だ?」",
"351000131_37": "「……俺だ」",
"351000131_38": "「お前……」",
"351000131_39": "(こいつ、一番先に逃げてなかったか?)",
"351000131_40": "「……わたしたちのことを怪しむ気持ちもわかります。\\n ですが、敵ではありません」",
"351000131_41": "「……信用はまだできない。\\n だが、助けてくれたことには感謝する」",
"351000131_42": "「お前たちはなぜこんな場所にいる?\\n 親玉を討伐にでも来たのか?」",
"351000131_43": "「親玉……?」",
"351000131_44": "「ここは、最も危険な場所……、\\n ポイントだぞ」",
"351000131_45": "「ポイントZ?」",
"351000131_46": "「ま、待ってくれ、何もわからないんだ。\\n 教えてくれ、この世界は――」",
"351000131_47": "「今の声は……」",
"351000131_48": "「くッ……やっぱり来たかッ! 奴だッ!」",
"351000131_49": "「この羽音は、これまでのものとは違う……?\\n もっと大きな――」",
"351000131_50": "「もしかして、さっき言っていた親玉って……アレ?」",
"351000131_51": "「な、なんだよ、あのデカブツは……ッ!?」",
"351000131_52": "「あ……ああ……見つかってしまった……」",
"351000131_53": "「他の怪獣とは、\\n まるで比較にならないほどの巨体だ……」",
"351000131_54": "「あいつこそが、ここギャオスの巣の主……、\\n ジズだッ!」"
}

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@ -0,0 +1,60 @@
{
"351000132_0": "「――くそッ!\\n 本当に効いてんのかッ!?」",
"351000132_1": "「ちっこい奴らに比べて、\\n 力もスピードもダンチじゃねえかッ!」",
"351000132_2": "「そもそもどんだけ馬鹿デッカイんだよ、\\n こいつッ!!」",
"351000132_3": "「気圧されるなッ!\\n 攻撃を続けるんだッ!」",
"351000132_4": "「わかってます、でもッ!」",
"351000132_5": "「こうなったら、全弾ぶち込んでやるッ!」",
"351000132_6": "「なッ!? 羽ばたき1つでこの風圧かッ!」",
"351000132_7": "「雪音ッ!?」",
"351000132_8": "「しま――ッ!?」",
"351000132_9": "「危ないッ!」",
"351000132_10": "「ぐあ――ッ!?」",
"351000132_11": "「お前、あたしを庇ったのかッ!?」",
"351000132_12": "「ギャオスとの戦いを……この目で見て……思った……、\\n 君たちは、この戦いに必要だと……」",
"351000132_13": "「もういい、喋るな。\\n すぐに医者のところに連れてってやるからッ!」",
"351000132_14": "(傷が深い……これでは……)",
"351000132_15": "「こいつ……やりやがったなッ!」",
"351000132_16": "「ダメだ、まるで通じてないッ!」",
"351000132_17": "「戦うのは無駄だ……」",
"351000132_18": "「何が無駄だっていうんだよッ!」",
"351000132_19": "「アレは空を支配する鳥の王……」",
"351000132_20": "「その頭は天にまで届き、翼を広げると太陽を覆い隠す、\\n 旧約聖書にも伝わるその名は……『<ruby=ジズ></ruby>』」",
"351000132_21": "「ジズ……?」",
"351000132_22": "「俺たちはそう呼んでいる……」",
"351000132_23": "「そして、その名がポイントZの由来にもなったほどだ。\\n アレには、誰も勝てない……」",
"351000132_24": "「だからって、お前……、\\n 戦う前から、諦めるのかッ!」",
"351000132_25": "「今のは……?」",
"351000132_26": "「照明弾だ。これで少しは時間を稼げるはず……ッ!」",
"351000132_27": "「時間なんて稼いだところで――」",
"351000132_28": "「アレックス隊長、彼女の言う通りです……。\\n 諦めては、いけない……」",
"351000132_29": "「リアム……」",
"351000132_30": "「お前は無理にしゃべるなッ!\\n 死んじまうぞッ!」",
"351000132_31": "「死んでたまるか……こんなところで……」",
"351000132_32": "「俺は……、あいつに……、プレゼントするんだ。\\n 少しでも平和な世界を……」",
"351000132_33": "「プレゼント……?」",
"351000132_34": "「それまで、死んで……たまるか……。\\n 俺は……、絶対に、諦めないぞ……」",
"351000132_35": "「リアム……お前……」",
"351000132_36": "「おいッ! 何寝てんだッ! 目を開けろッ!」",
"351000132_37": "「……無駄だよ」",
"351000132_38": "「何が無駄なんだッ!」",
"351000132_39": "「雪音、その人はもう……」",
"351000132_40": "「…………」",
"351000132_41": "「そんな……」",
"351000132_42": "「……こいつ、あたしを助けて……」",
"351000132_43": "「急いで逃げるぞッ!\\n 俺たちも死んじまうッ!」",
"351000132_44": "「――ッ!?\\n お前ッ! 仲間が死んだってのに――」",
"351000132_45": "「よせ、雪音ッ!」",
"351000132_46": "「クリス、今は……」",
"351000132_47": "「な、なんだよ……俺が悪いってのか?」",
"351000132_48": "「くそッ!\\n アイツだけは絶対に許さねえッ!」",
"351000132_49": "「落ち着け、雪音ッ!\\n 今、成すべきことがあるはずだッ!」",
"351000132_50": "「だけど――」",
"351000132_51": "「これ以上ここに留まり、\\n 犠牲者を増やすわけにはいかないッ!」",
"351000132_52": "「先ほど亡くなられた御仁のためにも」",
"351000132_53": "「くッ……」",
"351000132_54": "「隊長、ジズの気が逸れてますッ!\\n 今なら、逃げられますッ!」",
"351000132_55": "「殿はこちらに任せてもらおう。\\n 勝機はなくとも時は稼げるはずだッ!」",
"351000132_56": "「わかった……。悪いが頼む」",
"351000132_57": "(自分が情けない……。\\n 逃げることしかできないなんて……ッ!)"
}

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@ -0,0 +1,72 @@
{
"351000141_0": "「ジズは追ってきているか?」",
"351000141_1": "「……目視では確認できません。\\n どうやら逃げ切れたようですッ!」",
"351000141_2": "「奴と交戦して生きていられるとは……、\\n まさに奇跡だな」",
"351000141_3": "「2人とも無事か?」",
"351000141_4": "「……ああ、なんとかな」",
"351000141_5": "「でも、みなさんのお仲間が犠牲に……」",
"351000141_6": "「……残念だ。\\n だが彼らのおかげで俺たちは生き残れた」",
"351000141_7": "「ジズと遭遇して全滅しなかったのはまさに奇跡。\\n ……そのことは素直に喜ぼう」",
"351000141_8": "「……こんなんで、喜べるかよ……」",
"351000141_9": "「…………」",
"351000141_10": "「隊長、人類戦線へ帰還する、で問題ないでしょうか?」",
"351000141_11": "「そうだな、帰還しよう。\\n 君たちも来てくれるだろう?」",
"351000141_12": "「人類戦線?」",
"351000141_13": "「ギャオスのこともそうだが、人類戦線も知らないなんてな。\\n 本当にどこからきたのやら」",
"351000141_14": "「とにかく、ついてきてほしい。\\n 君たちに役立つ情報などを提供できるかもしれないぞ」",
"351000141_15": "「それはありがたいです。\\n ぜひ、同行させてください」",
"351000141_16": "「2人とも、構わないな?」",
"351000141_17": "「はい」",
"351000141_18": "「……ああ」",
"351000141_19": "「手が足りないッ! 誰かこっちを手伝ってくれッ!」",
"351000141_20": "「重傷者はC棟へ、悪いが軽傷の者は後回しにさせてもらう」",
"351000141_21": "「麻酔が足りない、もっと麻酔を持ってきてくれッ!」",
"351000141_22": "「うあああんッ!」",
"351000141_23": "「どうしたの? 泣かないで」",
"351000141_24": "「ここが……」",
"351000141_25": "「人類……戦線……?」",
"351000141_26": "「マジで、戦争中みたいだな……」",
"351000141_27": "「……戦争中か。確かにそうだな」",
"351000141_28": "「ここ、人類戦線は人類を護るために結成されたコミュニティだ」",
"351000141_29": "「そこかしこに自衛隊の装備が見受けられる……」",
"351000141_30": "「その通りだ。\\n 元自衛隊員らが中心となり構成されているからね」",
"351000141_31": "「俺たちの目的は、人類を存続させること。\\n そのために怪獣と戦っている」",
"351000141_32": "「怪獣ってのは、あのギャオスって奴か」",
"351000141_33": "「ああ、そうだ」",
"351000141_34": "「ここの他にも拠点はあるのですか?」",
"351000141_35": "「もちろんだ」",
"351000141_36": "「日本国内に計7箇所、国外にも仲間たちの基地はある。\\n 昔は、協力し合って、ギャオスと戦っていたんだが……」",
"351000141_37": "「今は各々の基地を護ることで精一杯でね。\\n 互いの連絡も途切れがちで……」",
"351000141_38": "「本当に……わたしたちの知っている世界とは、違うんだ……」",
"351000141_39": "「君たちの世界……? それはどういう――」",
"351000141_40": "「アレックスッ! ちょうどいいところに帰ってきた。\\n 外で真琴を見なかったか?」",
"351000141_41": "「真琴を? いや、見てないが?」",
"351000141_42": "「朝、外へ出ていくところを見たのを最後に、\\n それから戻ってきてないらしいのよッ!」",
"351000141_43": "「なんだってッ!?」",
"351000141_44": "「ええっと、真琴っていうのは?」",
"351000141_45": "「八坂真琴、アイツは――」",
"351000141_46": "――同日 16:00――",
"351000141_47": "――(旧)市ヶ谷駐屯地付近――",
"351000141_48": "「はあ、はあ……ッ!\\n どうしてこんなことに……」",
"351000141_49": "「それに、あの鳥みたいな怪獣はなんなんだろう?」",
"351000141_50": "(マリア姉さんに会おうとS.O.N.G.に向かったはずなのに……。\\n 気づいたらどこだかわからない場所に放り出されるし)",
"351000141_51": "(ヴェイグさんも全く反応しない……、一体何が起きてるの?)",
"351000141_52": "「もしかして、この間来たとき、知らずに暁さんのプリンを\\n 食べちゃった罰が当たったのかな……」",
"351000141_53": "「それとも、マリア姉さんの寝顔の写真を黙って撮ったから?」",
"351000141_54": "「うう……、ごめんなさい。\\n 謝りますから、誰か……マリア姉さん、助けてー」",
"351000141_55": "「……」",
"351000141_56": "「えッ……あれって――」",
"351000141_57": "「女の子だッ! \\n よかった……ちゃんと人がいるんだッ!」",
"351000141_58": "「……」",
"351000141_59": "(でもあの子……、\\n あそこでじっと動かずに何をしてるんだろ?)",
"351000141_60": "(鳥の怪獣ッ!?\\n 女の子が襲われちゃうッ!)",
"351000141_61": "「早く逃げてくださいッ!」",
"351000141_62": "「……」",
"351000141_63": "「なんでッ!?\\n どうして逃げないんですかッ!?」",
"351000141_64": "「気づいてない?\\n でも、ここからなら――」",
"351000141_65": "「間に合うッ!」",
"351000141_66": "「ん……?」",
"351000141_67": "「こんなところで、危ないですよッ!」",
"351000141_68": "「……あなたは、誰?」",
"351000141_69": "「わたしのことは後で説明しますから。\\n 今は、ここから早く逃げましょうッ!」"
}

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@ -0,0 +1,66 @@
{
"351000142_0": "「な、なんとか倒せた……。でも、\\n いつもより力が出せなかったような……」",
"351000142_1": "「すごいッ! すごいッ!\\n ギャオスを倒しちゃうなんてッ!」",
"351000142_2": "「ギャオス……? あの怪獣のことですか?」",
"351000142_3": "「そうだよー。\\n ねえ、あなたは誰?」",
"351000142_4": "「わたしはセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。\\n 怪我はありませんでしたか?」",
"351000142_5": "「わたしねー。真琴。八坂真琴っていうの。\\n 怪我もないよ。あなたが助けてくれたからね」",
"351000142_6": "「よかったです。\\n あの、あなたはここで何をしていたんですか?」",
"351000142_7": "「あ、また来るよー」",
"351000142_8": "「え?」",
"351000142_9": "「戦闘音で気づかれたッ!?\\n 早く逃げましょうッ!」",
"351000142_10": "「うん」",
"351000142_11": "「はあ、はあ、はあ……」",
"351000142_12": "「セレナ、すごいッ!\\n わたしを抱いてこんなに早く走れるなんてッ!」",
"351000142_13": "「わたしと同い年くらいなのに、力持ちなんだね」",
"351000142_14": "「いえ、力持ちというわけでは……」",
"351000142_15": "「それに、その服も可愛いね。\\n わたしの軍服とは大違い、いいなー」",
"351000142_16": "「え、いや、えーと……」",
"351000142_17": "(なんだろう、この子……?\\n 不思議な感じがする)",
"351000142_18": "「そんなことよりもッ!\\n どうしてあなたはこんなところに人でいたんですか?」",
"351000142_19": "「大きな怪獣がいるのに、怖くないんですか?」",
"351000142_20": "「うーん……、1つ目の答えは、\\n 必要なものがあったからそれを取りにきてたの」",
"351000142_21": "「2つ目の答えは、怖いけど大丈夫、だよ」",
"351000142_22": "「だって、もうすぐ『ガメラ』が助けに来てくれるもんッ!」",
"351000142_23": "「ガメラ……?」",
"351000142_24": "「セレナは、ガメラ知らないの?」",
"351000142_25": "「は、はい……」",
"351000142_26": "「ガメラはね、人類の救世主だよ。\\n セレナも、真琴の救世主だけどね」",
"351000142_27": "「そんな、わたしは……」",
"351000142_28": "「あの、えーと真琴さん?」",
"351000142_29": "「なーに?」",
"351000142_30": "「どこか、人が沢山いる安全な場所を知りませんか?」",
"351000142_31": "「人類戦線のこと?」",
"351000142_32": "「人類戦線? そこは安全なんですか?」",
"351000142_33": "「うんッ!\\n わたしもこれから帰るところだったから案内してあげるよ」",
"351000142_34": "「ありがとうございます」",
"351000142_35": "「あの……少し、お話しいいですか?」",
"351000142_36": "「もちろんッ! なんでも聞いてー」",
"351000142_37": "「先ほど言っていた、ガメラとはなんですか?」",
"351000142_38": "「これ……」",
"351000142_39": "「それは、何かの鱗?」",
"351000142_40": "「ガメラの鱗の破片。わたしのお守りなの」",
"351000142_41": "「鱗……、\\n では、ガメラも怪獣なんですか?」",
"351000142_42": "「そう。でもガメラは、人類の守護者なんだよ」",
"351000142_43": "「わたしたち人類を助けてくれるカッコいい怪獣。\\n だからわたしは、祈るの、ガメラにわたしたちを護ってって」",
"351000142_44": "「そ、そうなんですね……」",
"351000142_45": "「ガメラが来てくれれば、ギャオスなんて怖くない。\\n 人類はまた光を取り戻せる」",
"351000142_46": "「そんなに熱心にお祈りしてるんですから、\\n きっとガメラにも届いてますよ」",
"351000142_47": "「……」",
"351000142_48": "「あ、あれ? わたし、変なこと言いました?」",
"351000142_49": "「ううん、ガメラのことを信じてくれるんだね」",
"351000142_50": "「それってどういう……」",
"351000142_51": "「ちょっと待って。\\n 近くにギャオスがいるよ」",
"351000142_52": "「え? どこに? わたしには何も……」",
"351000142_53": "「……静かに」",
"351000142_54": "「はい……」",
"351000142_55": "「…………」",
"351000142_56": "「……うん、もう大丈夫」",
"351000142_57": "「あ、本当にギャオスが飛んで行った……」",
"351000142_58": "「どうしてわかったんですか?」",
"351000142_59": "「うーん、なんとなくかなー」",
"351000142_60": "「昔からこういう感覚は当たるんだ。\\n 危機回避能力が高いってよく言われるの」",
"351000142_61": "(本当に不思議な女の子……)",
"351000142_62": "「セレナ、行こうッ!」",
"351000142_63": "「は、はいッ!」"
}

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@ -0,0 +1,133 @@
{
"351000151_0": "「ここが人が住んでる場所?\\n 『人類戦線』でしたっけ?」",
"351000151_1": "「うん、そう。中を案内してあげるよ」",
"351000151_2": "「ここまでの街があんな様子だったから、\\n 人も少ないのかなって思ってたけど、大勢いるんですね」",
"351000151_3": "「大人も、子供もたくさん。\\n あそこにいる人なんてどこかで見たことあるような――」",
"351000151_4": "「あッ!」",
"351000151_5": "「えッ!?」",
"351000151_6": "「セレナちゃんッ!?」",
"351000151_7": "「な、なんでみなさんがここにッ!?」",
"351000151_8": "「そりゃ、こっちのセリフだッ!」",
"351000151_9": "「あれ、セレナの知り合い?」",
"351000151_10": "「真琴ッ!?\\n お前、一体どこへ行ってたんだッ!」",
"351000151_11": "「少し東の街の方に行ってたの。\\n 危ないところをセレナに助けてもらったんだよ」",
"351000151_12": "「セレナ? 彼女のことか?\\n ということは、君も戦えるのか?」",
"351000151_13": "「おおッ! アレックスも知ってるんだね。\\n あのカッコ可愛いのー」",
"351000151_14": "「あ、ああ。俺も彼女たちに助けられたんだ」",
"351000151_15": "「真琴ちゃんじゃないかッ!\\n 無事だったんだなッ!」",
"351000151_16": "「もう、どこ行ってたのよ。みんな心配してたのよッ!」",
"351000151_17": "「ごめん、ごめん。心配させちゃって。\\n でも、わたしは大丈夫だよー」",
"351000151_18": "「すごい人気だな」",
"351000151_19": "「あの、すみません。わたし状況がわからなくて……。\\n 教えていただいてもいいですか?」",
"351000151_20": "「ちょうどその話をするところだったんだ」",
"351000151_21": "「ここでは騒がしすぎるだろう?\\n 落ち着ける場所を用意したからついて来てくれ」",
"351000151_22": "「ありがとうございます」",
"351000151_23": "「わたしもいくー」",
"351000151_24": "「並行世界にシンフォギアだと……」",
"351000151_25": "「まるで物語の中のお話みたい」",
"351000151_26": "「作り話と決めつけるには、\\n ギャオスと渡り合うだけの力を実際に見せられているからな」",
"351000151_27": "「だが、残念だ。話を聞く限りでは\\n シンフォギアの技術は到底、俺たちに扱えるものじゃない」",
"351000151_28": "「櫻井了子という人物も聞いたことがない」",
"351000151_29": "「国外では、どうですか?」",
"351000151_30": "「海外も日本とさほど状況はかわらない。\\n 間違いなく、そんな技術はないだろうな」",
"351000151_31": "「そっか……」",
"351000151_32": "「すみません、この世界の話も聞かせてもらえますか?」",
"351000151_33": "「ああ、人類戦線のことはもう話したな。\\n なら、俺たちが置かれた状況を話そう」",
"351000151_34": "「今からだいたい20年前のことだ……。\\n ギャオスの大量発生により、人類の文明は幕を閉じたんだ」",
"351000151_35": "「20年も前からあんなのがいるのか」",
"351000151_36": "「そのせいで日本は分断され、国単位の政治機構もなくなり、\\n いくつかの小さなコミュニティ内で人々は生活してる」",
"351000151_37": "「俺たちは旧自衛隊の装備を使って武装し、\\n ギャオスと戦いながら、どうにか社会を維持している状態だ」",
"351000151_38": "「過酷って一言で表せるものじゃないけど、\\n 大変な世界なんですね……」",
"351000151_39": "「人の住める場所も限られているの。\\n あなたたちもしばらくはここにいるといいよー」",
"351000151_40": "「そう言ってもらえるとありがたい。今のわたしたちは、\\n 帰ることもできず、行くあてもないからな……」",
"351000151_41": "「あのギャオスの巣がなくならないと、\\n 元の世界に戻ることはできないですもんね……」",
"351000151_42": "「ポイントZのことだな。\\n 俺たちはあの巨大な巣を破壊するために長年戦ってきたんだ」",
"351000151_43": "「巣を破壊できれば、活動範囲も拡大できるし、\\n 他の基地との連携も取りやすくなる」",
"351000151_44": "「俺たちの勝利へと大きく前進するための要因なんだ」",
"351000151_45": "「それほどまでに重要な場所だったんですね」",
"351000151_46": "「これはなんの騒ぎだ」",
"351000151_47": "「あなたは?」",
"351000151_48": "「や、八坂司令ッ!?」",
"351000151_49": "「貴様たち、見ない顔だが外から来たのか?」",
"351000151_50": "(この人がこの基地の司令官……)",
"351000151_51": "「報告が遅れてしまい申し訳ありません。\\n 彼女たちは我々を救ってくれた協力者ですッ!」",
"351000151_52": "「協力者、だと?」",
"351000151_53": "「はい、彼女たちはあのギャオスを退けただけではなく、\\n 我々の部隊をジズから逃してくれたんです」",
"351000151_54": "「ガメラほどではありませんが、\\n 対ギャオスとなり得る人類の希望ですよ」",
"351000151_55": "「こんな年端もいかぬ小娘たちが……人類の希望だと?\\n とても信じられないな」",
"351000151_56": "「自分もこの目で見るまでは信じられませんでした。\\n ですが、事実です」",
"351000151_57": "「お前が私に嘘を吐く理由は無いし、まあいいだろう。\\n その力、後で見させてもらおう」",
"351000151_58": "「<size=20>なんか、やけに偉そうだな……</size>」",
"351000151_59": "「<size=20>兵士たちを束ねる者だ。こういう人もいるだろう</size>」",
"351000151_60": "「それと……」",
"351000151_61": "「ガメラなどという過去の遺物にすがるのはやめろ」",
"351000151_62": "「――ッ!?」",
"351000151_63": "「え?」",
"351000151_64": "「ううん、ガメラは、来るよ」",
"351000151_65": "「………」",
"351000151_66": "「ガメラは、必ずわたしたちを助けに来る」",
"351000151_67": "「真琴、お前はまた、砦を抜け出したらしいな」",
"351000151_68": "「……これを、見つけて、取りに行っていたんだよー」",
"351000151_69": "「それは、まさか、イリスの勾玉?」",
"351000151_70": "「うん、それに殻もある」",
"351000151_71": "「この解析がうまく行けば、ガメラを――」",
"351000151_72": "「ガメラはいない。20年前に死んだのだ」",
"351000151_73": "「そんなくだらないことを続けていないで、\\n お前も人類のために何かやったらどうだ?」",
"351000151_74": "「わからず屋……」",
"351000151_75": "「…………」",
"351000151_76": "「――アレックス、任務の報告をしろ」",
"351000151_77": "「は、はいッ!\\n 作戦は無事に完了いたしましたッ!」",
"351000151_78": "「よくやってくれた。\\n お前に任せた私の判断は間違っていなかったようだな」",
"351000151_79": "「ありがとうございます。\\n ですが、今回の任務で部隊の半数が犠牲に……」",
"351000151_80": "「……そうか。\\n だが、我々の戦いに犠牲は付き物だ」",
"351000151_81": "「犠牲は付き物だとッ!\\n あんたは人の命をなんだと思ってるんだよッ!」",
"351000151_82": "「…………」",
"351000151_83": "「……アレックス、報告は以上か?」",
"351000151_84": "「は、はい……」",
"351000151_85": "「おいッ! 無視するんじゃねえよッ!」",
"351000151_86": "「あんたも何か言うことがあるだろッ!\\n 知らねえ人間が死んだってわけじゃないだろうッ!」",
"351000151_87": "「……俺も、司令の言う通り、必要な犠牲だと思う」",
"351000151_88": "「こいつ……ッ!」",
"351000151_89": "「雪音ッ!」",
"351000151_90": "「なんだよ、それ……。軽い、軽すぎる……。\\n 人の命なんだぞ……」",
"351000151_91": "「軽くなど見ていない。\\n 人類の勝利のため礎なのだからな」",
"351000151_92": "「行くぞ、アレックス」",
"351000151_93": "「は、はいッ!」",
"351000151_94": "「ガメラは、いるのに……」",
"351000151_95": "「真琴さん……」",
"351000151_96": "「もうじき切り札となる新兵器\\n バスター』が完成する」",
"351000151_97": "「……シンフォギアといったか。\\n ここで新たな戦力の登場とは、我々にも運が向いてきたな」",
"351000151_98": "「司令。彼女たちの協力があれば、\\n Zバスターを無理に使用する必要はないのでは?」",
"351000151_99": "「いくら戦えるとはいえ、先ほど聞いた報告では、\\n ジズには歯が立たなかったと言っていなかったか?」",
"351000151_100": "「それは、そうですが……」",
"351000151_101": "「別の世界から来たなどということはこの際どうでもいい。\\n 彼女たちには、Zバスター完成までの時間稼ぎをしてもらう」",
"351000151_102": "「…………」",
"351000151_103": "「不満があるのなら、お前が時間稼ぎをするか?\\n 兄のように、戦闘機に乗って」",
"351000151_104": "「……いえ、俺には無理です」",
"351000151_105": "「だろうな。お前は何も考えず、\\n 私の命令に従っていればいいのだ」",
"351000151_106": "「そうすれば、兄の仇も討てるだろう」",
"351000151_107": "「…………」",
"351000151_108": "「ここ、ここッ!\\n ここがセレナたちのお部屋だよ」",
"351000151_109": "「ありがとうございます」",
"351000151_110": "「こんな状況の中で、\\n わたしたちに部屋を提供してもらえるのはありがたい」",
"351000151_111": "「そうですね」",
"351000151_112": "「気にしないで。実のところ部屋は結構余ってるんだー」",
"351000151_113": "「そうなんだね。なんか意外……」",
"351000151_114": "「数年前は、ぎゅうぎゅうだったんだけど、\\n 今はもう、だいぶ減っちゃったからね」",
"351000151_115": "「…………」",
"351000151_116": "「気にしないでいいよ。\\n ここでは、驚くことじゃないから」",
"351000151_117": "「それより、あとで、セレナたちの世界のお話を聞かせてッ!」",
"351000151_118": "「はい、わたしでよければ」",
"351000151_119": "「やったッ! それじゃーわたしはやることがあるからこれで。\\n ゆっくりしていってねー」",
"351000151_120": "「本当に、大変なところにきちゃったね」",
"351000151_121": "「はい……」",
"351000151_122": "「早く現状を打開して、S.O.N.G.に連絡しなければな」",
"351000151_123": "「…………」",
"351000151_124": "「……クリス、大丈夫?」",
"351000151_125": "「え? あ、ああ、なんだ?\\n なんか言ったか?」",
"351000151_126": "「さっきから黙ったままだけど、\\n 何か気になることでもあった?」",
"351000151_127": "「いや、マジで戦争中みたいでさ……、なんか……」",
"351000151_128": "(そうか、雪音は、バルベルデの時の自分を重ねて……)",
"351000151_129": "「わりぃ、でも大丈夫だ……」",
"351000151_130": "(くそッ! 嫌なこと思い出しちまう……)"
}

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@ -0,0 +1,23 @@
{
"351000211_0": "人類戦線にて",
"351000211_1": "「……さて、これからどうするか」",
"351000211_2": "「帰還ゲートを使うためにも\\n ギャオスをどうにかしないといけませんよね」",
"351000211_3": "「ポイントZでしたっけ?\\n あそこはギャオスの巣になってるって聞きましたけど……」",
"351000211_4": "「ああ、そのせいでいくら倒してもキリが無い。\\n それにあのジズってデカブツもいるしな」",
"351000211_5": "「奴はかなりの強敵だ。\\n こちらの攻撃はほとんど効果がなかった」",
"351000211_6": "「何か、対策を考えないといけませんね……」",
"351000211_7": "「あ、あんたたち、ここにいたのかッ!」",
"351000211_8": "「あなたは昨日の部隊にいた……」",
"351000211_9": "「悪いが、君たちの力を貸してくれないか?\\n 警戒線の内側に、ギャオスが侵入してきたんだッ!」",
"351000211_10": "「このままじゃ、この砦にも被害が出ちまうッ!」",
"351000211_11": "「――ッ!?」",
"351000211_12": "「1匹ならなんとかなると迎撃に出たんだが、\\n どんどん数が増えて……もう俺たちの戦力だけじゃ……」",
"351000211_13": "「わかりました、すぐに向かいますッ!\\n 案内してください」",
"351000211_14": "「感謝するッ! こっちだッ!」",
"351000211_15": "「これ以上、近づけさせるなッ!」",
"351000211_16": "「うわあああ――ッ!?」",
"351000211_17": "「兵士さんたちがあんなに傷ついてッ!?」",
"351000211_18": "(また、誰か死ぬ……いや、そんなことさせるかッ!)",
"351000211_19": "「Killter Ichaival tron――」",
"351000211_20": "「あたしたちが相手だッ!」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"351000212_0": "「これで終いだッ! 墜ちやがれッ!」",
"351000212_1": "「はぁ、はぁ……。\\n どうやら、倒せたようだな」",
"351000212_2": "「相手が少なかったから助かりましたが、\\n これ以上の数になったら……」",
"351000212_3": "「やっぱり、ギアの力が\\n 思うように振るえないような」",
"351000212_4": "「アイツらが、あのレーザーを吐き始めると\\n 途端にそんな感じがするな」",
"351000212_5": "「とはいえ、受ける攻撃の威力は、\\n ギアで軽減できているようだが……」",
"351000212_6": "「確かに。\\n スッパリ切断されないだけでも、シンフォギア様様だな」",
"351000212_7": "「……どうやらこれ以上の増援はないみたいだ……」",
"351000212_8": "「あんたたちのおかげで助かったよ。\\n 下手すりゃ、俺たち全滅してたからな」",
"351000212_9": "「隊長から話は聞いてたけど、\\n 本当にあんたたちは人類の希望なのかもな」",
"351000212_10": "「人類の希望なんて、そんな大それたものじゃ……」",
"351000212_11": "「勝てたのは、あなた方の援護のおかげでもあります」",
"351000212_12": "「ギャオスの攻撃を牽制してくれただけで大助かりだ」",
"351000212_13": "「これでも、ギャオスとの戦いは慣れてるからな。\\n いい連携ができてよかったよ」",
"351000212_14": "「なあ、こっちの被害はどうなんだ……?」",
"351000212_15": "「負傷者はいるが、幸いなことに死者は0だ」",
"351000212_16": "「そうか、よかった……」",
"351000212_17": "(1度目は護れなかった。だから、2度目はなしだ。\\n 絶対に誰も死なせやしない……!)",
"351000212_18": "「ギャオスはこんな風によく襲ってくるんですか?」",
"351000212_19": "「いや、そう頻繁に来るものじゃない。\\n だけど、前触れもなく現れやがるんだ……」",
"351000212_20": "「でしたら、またギャオスが襲ってきた時は\\n わたしたちを呼んでください」",
"351000212_21": "「いいのか?」",
"351000212_22": "「はい、力になりたいですから」",
"351000212_23": "「助かるよ。あんたたちのおかげで、\\n こっちの被害も多少は減りそうだ」",
"351000212_24": "「そうじゃないと、あたしらがいる意味がないんだ……」"
}

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@ -0,0 +1,139 @@
{
"351000221_0": "「みんな、おかえりー。\\n 大活躍だったみたいだねー」",
"351000221_1": "「あたしたちにできることなんて、\\n それくらいしかないからな……」",
"351000221_2": "「その『それくらい』がすごいことなんだけどねー」",
"351000221_3": "「あ、そうだ、1つ聞きたいことがあるんです」",
"351000221_4": "「ギャオスが口から吐くレーザーみたいな攻撃のことを\\n 知ってますか?」",
"351000221_5": "「おおッ! 知ってるよー。\\n 怪獣のことならなんでも聞いてくれたまえッ!」",
"351000221_6": "「お前は、怪獣オタクか?」",
"351000221_7": "「オタク……、それは今や失われた言葉だよ」",
"351000221_8": "「そ、そうなのか……」",
"351000221_9": "「それで、それで。続きを話してッ!」",
"351000221_10": "「あの攻撃を放たれると、シンフォギアの力が\\n 弱くなるような感じがするんです」",
"351000221_11": "「その原因がなんなのかわからなくて……」",
"351000221_12": "「なるほどー。\\n ちょっと思い当たることがあるから調べてみるよ」",
"351000221_13": "「ありがとうございます。\\n よろしくお願いします」",
"351000221_14": "「本当にわかるのだろうか……?」",
"351000221_15": "「さ、さあ……、でも怪獣のことについては詳しそうですよね」",
"351000221_16": "「……なあ、何かあたしたちに手伝えることはないか?」",
"351000221_17": "「え? 手伝えることって、十分に手伝ってもらってるよー」",
"351000221_18": "「いや、その、なんつーか、\\n じっとしてると落ち着かないんだ」",
"351000221_19": "「……いいの?」",
"351000221_20": "「うん、お手伝いさせてほしいな」",
"351000221_21": "「ええっと、それなら……。\\n うん、あの仕事ならみんなにお願いできるかも」",
"351000221_22": "「みんな、ここだよ」",
"351000221_23": "「おい、ここって……」",
"351000221_24": "「あッ、真琴姉ちゃんだッ!」",
"351000221_25": "「一緒に遊んでくれるの?」",
"351000221_26": "「今日はね、このお姉ちゃんたちも一緒に遊んでくれるよ」",
"351000221_27": "「あッ、変身して戦う人たちだッ!」",
"351000221_28": "「まさか、仕事って子供と遊ぶこと、\\n なんて言わないよな」",
"351000221_29": "「正解。ここも人手が足りなくて困ってたんだよね」",
"351000221_30": "「なるほど、確かにこれも立派な仕事だ。\\n 忙しい親の代わりに、子供の相手をするんだな」",
"351000221_31": "「託児所みたいな場所ってことですね」",
"351000221_32": "「親かあ……、ここの子供たちは\\n ほとんどが親を戦闘で亡くしてるんだー」",
"351000221_33": "「じゃあ……孤児ってことか……?」",
"351000221_34": "「うん」",
"351000221_35": "「こんなにたくさんの子供たちが……」",
"351000221_36": "「おかしな話じゃないさ。砦にいる大人は\\n ほとんどみんな、人類戦線の兵士として戦うんだからな」",
"351000221_37": "「お前、なんでここに」",
"351000221_38": "「俺もここに用があったんだよ。\\n 君たちが来ているとは思わなかったけど」",
"351000221_39": "「みんな、兵士に……」",
"351000221_40": "「ここにいる子供たちも、あと数年したら立派な兵士だ」",
"351000221_41": "「数年ということは、まさか、学生の年齢で兵士に?」",
"351000221_42": "「学生……学校……懐かしい響きだな。\\n まあ、そういうことだ」",
"351000221_43": "「無論、強制はしていない。\\n みんな、自ら志願して戦線に加わってくれるんだ」",
"351000221_44": "「親をギャオスに殺されて、仇を討ちたいと思う子も多いからな」",
"351000221_45": "「くッ……」",
"351000221_46": "「命は大事にしてほしいよね」",
"351000221_47": "「それより聞いたぞ、ギャオスの迎撃に協力してくれたらしいな。\\n 本当に頭が下がるよ」",
"351000221_48": "「じっとしてられなかっただけだ」",
"351000221_49": "「ねえ、お話長いよー」",
"351000221_50": "「一緒に遊ぼうよッ!」",
"351000221_51": "「うん、そうだね。\\n お姉ちゃんたちと一緒に遊ぼっか?」",
"351000221_52": "「やったーッ!」",
"351000221_53": "「わたしはあまりこういうことが得意ではないのだが」",
"351000221_54": "「風鳴さんなら大丈夫ですよ」",
"351000221_55": "「あたしもどちらかと言えば苦手なんだけどな……。\\n ん? あの隅っこにいる男の子はこっちに来ないのか?」",
"351000221_56": "「ああ、見当たらないと思ったら……。\\n 実は、あの子のことを探してたんだ」",
"351000221_57": "「あの子がどうしたんだ?」",
"351000221_58": "「彼は、リアムの子供なんだ」",
"351000221_59": "「リアム……」",
"351000221_60": "「リアムは、先日、戦死した俺の部隊の兵士だ。\\n 君も会っているだろう?」",
"351000221_61": "「しま――ッ!?」",
"351000221_62": "「危ないッ!」",
"351000221_63": "「ぐあ――ッ!?」",
"351000221_64": "「お前、あたしを庇ったのかッ!?」",
"351000221_65": "「ギャオスとの戦いを……この目で見て……思った……、\\n 君たちは、この戦いに必要だと……」",
"351000221_66": "「もういい、喋るな。\\n すぐに医者のところに連れてってやるからッ!」",
"351000221_67": "「アレックス隊長、彼女の言う通りです……。\\n 諦めては、いけない……」",
"351000221_68": "「リアム……」",
"351000221_69": "「お前は無理にしゃべるなッ!\\n 死んじまうぞッ!」",
"351000221_70": "「死んでたまるか……こんなところで……」",
"351000221_71": "「俺は……、あいつに……、プレゼントするんだ。\\n 少しでも平和な世界を……」",
"351000221_72": "「プレゼント……?」",
"351000221_73": "「それまで、死んで……たまるか……。\\n 俺は……、絶対に、諦めないぞ……」",
"351000221_74": "「――ッ!\\n あたしをかばって死んだ、あいつの……?」",
"351000221_75": "「ああ、俺も隊長として面倒を見てやらないと、って思ってね。\\n だけど、なんて声をかけていいのか……」",
"351000221_76": "「何か励ませるようなことができればと思ったんだがな……」",
"351000221_77": "「……」",
"351000221_78": "「お、おい、どこへ――」",
"351000221_79": "「なあ、お前もこっちに来て一緒に遊ばないか?」",
"351000221_80": "「いい……」",
"351000221_81": "「じゃあ、何かやりたいことはあるか?」",
"351000221_82": "「…………」",
"351000221_83": "「なあ……」",
"351000221_84": "「邪魔、どっか行って……」",
"351000221_85": "「お前のお父さんだけど……」",
"351000221_86": "「お父さんなんて大っ嫌いだ」",
"351000221_87": "「なんだとッ!」",
"351000221_88": "「約束したのに……。\\n 一緒に誕生日お祝いしてくれるって……」",
"351000221_89": "「すごいプレゼントくれるって、約束したのに……」",
"351000221_90": "「誕生日……」",
"351000221_91": "「その子、ジョシュアっていうんだけど、\\n もうすぐ歳の誕生日だったんだ」",
"351000221_92": "「それを楽しみにしていた矢先にな……」",
"351000221_93": "「…………」",
"351000221_94": "(くそ……、なんなんだよッ!\\n なんで、こんな子供が……)",
"351000221_95": "(ちっくしょう……)",
"351000221_96": "(どうすりゃいいんだ……。\\n あたしは、この子に何をしてやれるってんだ……)",
"351000221_97": "「お姉ちゃん、どうしたの?\\n 悲しい顔してるよー」",
"351000221_98": "「あ……」",
"351000221_99": "「お姉ちゃんもこっち来て一緒に遊ぼう」",
"351000221_100": "「いや、あたしは……」",
"351000221_101": "「お姉ちゃんもお歌を唄いながら悪い奴をやっつけるんだよね?」",
"351000221_102": "「わたし、お姉ちゃんのお歌聴いてみたいなー」",
"351000221_103": "「おおッ! それはいい案だねー」",
"351000221_104": "「クリス、どうしたの?」",
"351000221_105": "「何かいい遊びでも思いついたんですか?」",
"351000221_106": "「なんだよ、急に集まってくるなよ」",
"351000221_107": "「お姉ちゃんのお歌を聴くのー」",
"351000221_108": "「いや、こんな時に歌なんて……」",
"351000221_109": "「こんな時だからこそ、だろう?\\n 俺も是非聞いてみたいな」",
"351000221_110": "「雪音、唄ってやったらどうだ?」",
"351000221_111": "「ボクも聴きたい―」",
"351000221_112": "「マ、マジかよ……」",
"351000221_113": "「…………」",
"351000221_114": "(そうだ、言葉がダメなら歌で……。\\n 唄うことで、あいつに何か伝えられれば……)",
"351000221_115": "「……わかったよ、唄ってやるよッ!」",
"351000221_116": "「やったーッ!」",
"351000221_117": "「あ、ちょっと準備するから待っててー」",
"351000221_118": "「準備……?」",
"351000221_119": "「――これでよしッ!」",
"351000221_120": "「〜〜♪ 〜〜♪」",
"351000221_121": "「わあ……」",
"351000221_122": "「綺麗……」",
"351000221_123": "「これが、彼女の歌なのか……」",
"351000221_124": "「…………」",
"351000221_125": "(さっきまでとは表情が変わってきた気がする。\\n あたしの歌がそうさせてるのか?)",
"351000221_126": "(あたしの歌がこの子たちのためになるのなら、\\n もう少しだけ……)",
"351000221_127": "「こんな優しい歌、聴いたの初めてだよー」",
"351000221_128": "「みんなは、歌を唄わないの?」",
"351000221_129": "「もう歌なんて唄ってる人いないよ。\\n そういうものは全部、必要のないものになったから」",
"351000221_130": "「歌が必要ないとは……、\\n それは、寂しく感じてしまうな」",
"351000221_131": "「寂しく感じる、か……。\\n 俺たちにはその感覚はわからない。でも――」",
"351000221_132": "(人が生で唄う歌なんて、久しぶりに聴いたけど……。\\n こんなにも……、胸に来るものなのか……?)",
"351000221_133": "「あの、真琴さん? 何か光ってるよ」",
"351000221_134": "「ん?」",
"351000221_135": "「勾玉が光ってるッ!? それに、ガメラの鱗もッ!\\n 両方かすかにだけど、光ってるッ!」",
"351000221_136": "「これって……」"
}

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@ -0,0 +1,69 @@
{
"351000231_0": "――翌日――",
"351000231_1": "「あッ、お歌のお姉ちゃんたちだ。\\n 今日も遊んでくれるの?」",
"351000231_2": "「うん、もちろん。\\n 君たちは何がしたいかな?」",
"351000231_3": "「ええっとね……また歌が聴きたいッ!」",
"351000231_4": "「また唄うのかよ?」",
"351000231_5": "「うん、聴きたいッ!」",
"351000231_6": "「そんなにレパートリーがあるわけじゃないんだけどな」",
"351000231_7": "「わたしの歌を唄ってくれてもいいんだぞ」",
"351000231_8": "「いやいやいや、そりゃ、ハードルが高いですってッ!」",
"351000231_9": "「クリスがカラオケでよく唄うあの歌は?\\n 振付け有りで唄ったら、子供たち喜ぶと思うよ」",
"351000231_10": "「わたしも聴きたいですッ!」",
"351000231_11": "「確か、怪傑――」",
"351000231_12": "「やめろ、ここで唄ったら、あたしの心がすり減る……」",
"351000231_13": "「…………」",
"351000231_14": "(あいつは……まだ無理か……)",
"351000231_15": "「ここにいたのか、随分楽しそうだな」",
"351000231_16": "「あッ、この前の……えーと、確か佐竹さん?」",
"351000231_17": "「名前を憶えてくれるなんて、光栄だね」",
"351000231_18": "「もしかして、ギャオスが出たんですか?」",
"351000231_19": "「いや、今日はただの見回りだよ」",
"351000231_20": "「しかし、こう見ると、\\n 君たちがギャオスと戦ってるなんて本当に信じられないな」",
"351000231_21": "「昨日聴かせてもらった歌もすごいよかった。\\n とても優しくて、あんな歌を聴いたのは初めてだ」",
"351000231_22": "「え? でも昨日あの場にいましたっけ?」",
"351000231_23": "「いや、真琴ちゃんだよ。\\n あの子が、録音していてくれたんだ」",
"351000231_24": "「だから、あの場にいなかったやつも\\n 結構聴いてるんじゃないかな」",
"351000231_25": "「ちょっと待てッ!\\n 黙って録音してただとッ!?」",
"351000231_26": "「ああ、さっきも3番倉庫で、\\n 君の歌を兵士たちが聴いていたぞ」",
"351000231_27": "「お前……。\\n って、そんなに出回っているのか?」",
"351000231_28": "「こんなご時世だからな、ギャオスと戦う少女の唄って聴いたら、\\n みんな聴いてみたくなるだろう?」",
"351000231_29": "「…………」",
"351000231_30": "「雪音、顔が真っ赤だぞ」",
"351000231_31": "「もしかして、このままどんどん広がって行って、\\n クリスの歌が、この世界を変えるかも?」",
"351000231_32": "「雪音さん、すごいですッ!」",
"351000231_33": "「唄うんじゃなかった……」",
"351000231_34": "「た、隊長ッ! ギャオスがッ!」",
"351000231_35": "「ギャオスがどうしたッ!」",
"351000231_36": "「砦へ接近中ですッ!\\n 至急、防衛線を引くようにと、八坂司令からの命令ですッ!」",
"351000231_37": "「わかった、すぐに向かう。\\n お前たちは子供たちをシェルターに避難させろッ!」",
"351000231_38": "「了解ですッ!」",
"351000231_39": "「あたしたちも行くぞッ!」",
"351000231_40": "「頼むッ!」",
"351000231_41": "「お姉ちゃんたち、行っちゃうの……?」",
"351000231_42": "「うん。みんなは隊員さんたちの言うことを聞いて\\n 早く避難してね」",
"351000231_43": "「わかった……」",
"351000231_44": "「お姉ちゃんたちは無事に帰ってきてね……」",
"351000231_45": "「ああ、もちろんだッ!」",
"351000231_46": "「…………」",
"351000231_47": "「わりぃ、先輩たちは、先に行っててくれ」",
"351000231_48": "「……承知した」",
"351000231_49": "「……ジョシュアって言ったな。\\n お前も早く避難しろ」",
"351000231_50": "「……ボクはいい」",
"351000231_51": "「どうせみんなギャオスに殺されちゃうんだから……」",
"351000231_52": "「そんなことは、あたしが絶対にさせない」",
"351000231_53": "「無理だよ……。\\n お父さんだって死んじゃったんだから……」",
"351000231_54": "「誰も、ギャオスには勝てない」",
"351000231_55": "「お前の親父さんな……、\\n あたしのことを助けて、死んだんだ……」",
"351000231_56": "「――ッ!?」",
"351000231_57": "「お姉ちゃんを助けて、お父さんが死んだ……?」",
"351000231_58": "「あたしを恨んでも構わない」",
"351000231_59": "「でも、あたしは、\\n お前の親父さんから遺志を受け取ったんだ」",
"351000231_60": "「お父さんの、遺志……?」",
"351000231_61": "「ジョシュア、あたしを見てろッ!\\n あたしが、お前の親父さんがやろうとしたことをやってやるッ!」",
"351000231_62": "「理由は、なんだっていい……。\\n あたしを恨んでもいい……」",
"351000231_63": "「だけど……、\\n 生きるのだけは、諦めるな」",
"351000231_64": "「…………」",
"351000231_65": "「……行ってくる」",
"351000231_66": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"351000232_0": "「数が多いッ!」",
"351000232_1": "「やっぱり、思うように攻撃が通らないッ!」",
"351000232_2": "「調律が、邪魔されているような……」",
"351000232_3": "「くそッ、明らかにパワーが落ちてるッ!\\n このままじゃ、また――」",
"351000232_4": "「彼女たちを援護しろッ!」",
"351000232_5": "「んー……なるほど……」",
"351000232_6": "「んッ!?\\n また鱗と勾玉が光ってるッ!」",
"351000232_7": "「真琴ッ!? お前、なんでここにッ!」",
"351000232_8": "「気になったことがあったんだー。\\n 大丈夫、大丈夫ー。危ないことはしないから」",
"351000232_9": "「わかった。十分に気を付けろよ。\\n それと、できれば、怪我人の手当をしてやってくれ」",
"351000232_10": "「うん、任せてー」",
"351000232_11": "「なんとか撃退できたか」",
"351000232_12": "「前回よりも数が多かったですね。\\n またこんな風に襲われたら……」",
"351000232_13": "「大丈夫かッ!?\\n かなり苦戦していたように見えたが……」",
"351000232_14": "「あたしたちは大丈夫だよ。\\n ……そっちはどうなんだ?」",
"351000232_15": "「……また数人の犠牲が出た」",
"351000232_16": "「そんな……。\\n また、護れなかった……」",
"351000232_17": "「君が悔やむことじゃない。あの数のギャオスに襲われたのに\\n 数人で済んだのは不幸中の幸いだ……」",
"351000232_18": "「数の問題じゃないだろ……」",
"351000232_19": "「あたしは……。\\n もう、ジョシュアみたいな子を増やすのは嫌なんだよッ!」",
"351000232_20": "「わかってるッ! 俺だって悔しい想いは同じだッ!\\n だけど、今は耐えるしかない……」",
"351000232_21": "「今耐えれば、もう少しで……」",
"351000232_22": "「……何か策があるのか?」",
"351000232_23": "「……実はな」",
"351000232_24": "「ギャオスの巣の掃討作戦を進めてるんだ。\\n それが成功すれば、確実に流れが変わる」",
"351000232_25": "「掃討作戦……?」",
"351000232_26": "「あと少しなんだ……あと少しで新兵器が完成する。\\n それを使えば、ギャオスの巣を掃討できるはずだから……」",
"351000232_27": "「そんな兵器が……?」",
"351000232_28": "「ああ……アレさえ完成すれば、\\n みんなが安心して暮らせる世界になるはずだッ!」",
"351000232_29": "「リアムも、そう信じていたんだ……」",
"351000232_30": "「…………」",
"351000232_31": "「とにかく、そのためにも君たちの力が必要なんだよ」",
"351000232_32": "「……わかった」",
"351000232_33": "「それじゃあ、俺は行くぞ。後処理があるからな」",
"351000232_34": "「掃討作戦って言ってましたけど、\\n 一体どういうものなんでしょう?」",
"351000232_35": "「詳細はわからないけど、上手くいけば、\\n ギャラルホルンのゲートも使えるようになるよね」",
"351000232_36": "「作戦内容が気になるが、今は上手くいくことを願おう」",
"351000232_37": "「みんなー、ギャオスと戦ってくれてありがとう」",
"351000232_38": "「真琴さんッ!?」",
"351000232_39": "「お前、こんなところで何やってんだッ!?」",
"351000232_40": "「ちょっと気になることがあって。\\n みんなの戦いを見ようと思ったんだ」",
"351000232_41": "「危険すぎるよッ!」",
"351000232_42": "「大丈夫、大丈夫ー。\\n いざとなったらガメラが助けに来てくれるから」",
"351000232_43": "「またそれか……。\\n で、気になることってのは?」",
"351000232_44": "「今の戦闘を見てて気づいたことがあるの。\\n もしかしたら、ギャオスとの戦いに役立つかも」",
"351000232_45": "「マジかッ!?」",
"351000232_46": "「だから、わたしに協力して。\\n 試したいことがあるんだー」"
}

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@ -0,0 +1,85 @@
{
"351000311_0": "反転攻勢",
"351000311_1": "「ここは?」",
"351000311_2": "「わたしのお城。\\n 人類戦線の研究開発室だよー」",
"351000311_3": "「お城……には見えませんが?」",
"351000311_4": "「そうかな?\\n キラキラしたものいっぱいあるのにー」",
"351000311_5": "「キラキラっていうか、片付いていないっていうか、\\n 工具や資料が散乱していて……えっと、この本は――」",
"351000311_6": "「長峰真弓著『怪鳥と遭遇した日』?」",
"351000311_7": "「ギャオスについて書いてある本。\\n それはお気に入りなんだー」",
"351000311_8": "「あーそうそう、この部屋は自由に見ていいけど、\\n 他の研究室はなるべく入らないでね」",
"351000311_9": "「やはり、手を触れてはいけない物などが\\n 置いてあるのでしょうか?」",
"351000311_10": "「というよりも見て気持ちのいいモノじゃない、\\n っていうのが理由かなー」",
"351000311_11": "「資料として、20年前の怪獣の遺骸が\\n そのまま保管してあるんだ」",
"351000311_12": "「確かに、それはあまり見たくないですね……」",
"351000311_13": "「それで協力してほしいことってなんだ?」",
"351000311_14": "「それは少し待って。\\n その前にー」",
"351000311_15": "「ギャオスとの戦いでシンフォギアの力に違和感が出る原因、\\n 知りたくなーい?」",
"351000311_16": "「――ッ!?」",
"351000311_17": "「何かわかったのかッ!?」",
"351000311_18": "「うん」",
"351000311_19": "「ギャオスのあの攻撃だけど、\\n アレはね、『超音波メス』っていうんだよ」",
"351000311_20": "「超音波……レーザーじゃないの?」",
"351000311_21": "「見た目はレーザーだけど、\\n アレは、可視できる音波なの」",
"351000311_22": "「音波は、空気の振動、\\n そして、シンフォギアの歌も空気の振動で伝わるよね?」",
"351000311_23": "「つまりギャオスの出す音波で、わたしたちの歌が妨害されていたと?」",
"351000311_24": "「そういうことー」",
"351000311_25": "「歌の妨害……。納得。\\n 戦っている時、まさにそんな感じだったから」",
"351000311_26": "「では、その超音波メスを撃たれる前に\\n 倒せばいいってことですか?」",
"351000311_27": "「いや、1体ならともかく、あれだけの数が相手だと、\\n さすがにそれは厳しいな……」",
"351000311_28": "「ギャオスは群れでいることも多いからねー。\\n すべて超音波メスを出させる前に倒すのは難しいんじゃない?」",
"351000311_29": "「その通りだ。実際に経験しているからな」",
"351000311_30": "「では、どうすれば……?」",
"351000311_31": "「だから、わたしの実験に協力してほしいのッ!」",
"351000311_32": "「実験?」",
"351000311_33": "「わたしは前から、怪獣が残したものを使って、\\n 怪獣たちと交感できる装置の研究をしていたの」",
"351000311_34": "「交感……そんなことできるのか?」",
"351000311_35": "「『草薙浅黄』――」",
"351000311_36": "「過去にガメラと交感していた人間だよ。\\n わたしは、その人の事例を参考にして研究してるんだー」",
"351000311_37": "「昔にも真琴さんみたいな人がいたんだ……」",
"351000311_38": "「それで、実際どうやるんだ?」",
"351000311_39": "「簡単に説明するよー。\\n えーとねー」",
"351000311_40": "「過去の戦いで怪獣から剥離した肉片の一部を使い、\\n そこに残っている微弱な電気信号を解析してデータ化――」",
"351000311_41": "「そして、人の脳から発する電気パルスと結合させて――」",
"351000311_42": "「待て待て待て……」",
"351000311_43": "「どうしたのー?」",
"351000311_44": "「全然わからん」",
"351000311_45": "「えー……」",
"351000311_46": "「それとお前……ただの不思議ちゃんだと思っていたけど、\\n めちゃくちゃ頭よかったんだな」",
"351000311_47": "「うん、なんだかエルフナインちゃんみたい……」",
"351000311_48": "「わたしと変わらない歳なのに、真琴さんすごいです」",
"351000311_49": "「おおー、わたし褒められてるー」",
"351000311_50": "「それで、すまないが、\\n わかりやすく、かいつまんで聞かせてもらえないだろうか?」",
"351000311_51": "「了解、了解ー」",
"351000311_52": "「まあつまり、そういう研究が好きでいろいろやってきたんだけど、\\n いまいち、成果が上がらなかったんだー」",
"351000311_53": "「お父さんもいい加減にしろッ!ってうるさいしー」",
"351000311_54": "「…………」",
"351000311_55": "「でもね、希望が見えたの」",
"351000311_56": "「希望……?」",
"351000311_57": "「この前クリスが歌を唄ったでしょう?\\n その時、ガメラの鱗が反応したの」",
"351000311_58": "「あたしの歌に?」",
"351000311_59": "「そうそう、それに今日の戦いでも確かに反応してたんだ」",
"351000311_60": "「この鱗が反応するってことはガメラは生きてるし、\\n 意思疎通もできるってことッ!」",
"351000311_61": "「なんでそうなるのかわからねーけど……。\\n まあいいか……」",
"351000311_62": "「だからね、みんなの歌は特別なんだと思うッ!\\n 解明できれば交感機だって完成させられるはずだよッ!」",
"351000311_63": "「言ってることが無茶苦茶過ぎて\\n あたしにはよくわからないな」",
"351000311_64": "「わからなくても大丈夫だよー。\\n もう一度、歌を唄ってくれれば証明できるから」",
"351000311_65": "「あたしが唄うのか?」",
"351000311_66": "「うん、お願いッ!」",
"351000311_67": "「乗りかかった船だ、雪音」",
"351000311_68": "「雪音さん、お願いします」",
"351000311_69": "「クリス……」",
"351000311_70": "「はあ……。\\n 仕方ない、回だけだからな……」",
"351000311_71": "「ありがとうッ!」",
"351000311_72": "「録音もばっちりしないとね。\\n 前よりもクリアに、高音質で……」",
"351000311_73": "「ん? なんか言ったか?」",
"351000311_74": "「ううん、気にしないでー」",
"351000311_75": "「やっぱりッ! ほら見て、ガメラの鱗が反応したッ!」",
"351000311_76": "「わたしたちの歌に反応するとは\\n どういう原理なんだ?」",
"351000311_77": "「原理はどうでもいいんだよ。\\n この鱗、ガメラの残滓が反応したってことが重要なの」",
"351000311_78": "「でも、反応したのは一瞬だったよな」",
"351000311_79": "「もしかしたら、クリス以外の歌にも反応するかも。\\n よしッ! 他のみんなも唄ってみようー」",
"351000311_80": "「なんだか、完全にイニシアチブ取られているような……」",
"351000311_81": "「とりあえず、順番にやってみようか」",
"351000311_82": "「ああ」"
}

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@ -0,0 +1,139 @@
{
"351000321_0": "「みんな、ありがとねー。\\n おかげでどの怪獣の残滓が誰の歌に反応するかわかったよ」",
"351000321_1": "「怪獣の残滓……?」",
"351000321_2": "「えーと、さっき説明したと思うけど、\\n 剥がれ落ちた怪獣の身体の一部……遺物のことだよ」",
"351000321_3": "「……お前、そんなものを集めていたのかよ」",
"351000321_4": "「しかし、まさか、1人1人の歌に、\\n それぞれ違う怪獣の残滓が反応するとは思いもしなかったな」",
"351000321_5": "「というか、そもそも怪獣の残滓に\\n そんなに種類があることに驚いたよ」",
"351000321_6": "「今ここにある怪獣の残滓は\\n ガメラ、イリス、ギャオス……のつ」",
"351000321_7": "「わたしの歌に反応したのは、\\n その卵の殻の欠片……。イリスの残滓でしたっけ?」",
"351000321_8": "「そう、セレナがわたしを助けてくれた時に\\n 回収してきたやつだよ。なんだか縁を感じるねー」",
"351000321_9": "「はい。それにしてもイリスってなんだか可愛い名前ですね。\\n とても怪獣の名前には思えないです」",
"351000321_10": "「資料によると、イリスって名前は、\\n 第一発見者の『比良坂綾奈』って人が付けたみたい」",
"351000321_11": "「当時、可愛がっていた猫の名前から取ったんだって」",
"351000321_12": "「そうなんですね。\\n それじゃ、怪獣も可愛い怪獣なんでしょうか?」",
"351000321_13": "「映像があるから見せてあげるよー」",
"351000321_14": "「これがイリスだよ。\\n ちなみにイリスは、ギャオスの変異体って言われてるんだー」",
"351000321_15": "「…………」",
"351000321_16": "「これは、可愛いのか?」",
"351000321_17": "「……。\\n 見方によっては……」",
"351000321_18": "「…………」",
"351000321_19": "「クリス? どうかした?」",
"351000321_20": "「いや、もしかして、この映像に映ってる\\n デカいカメみたいなやつが……ガメラなのか?」",
"351000321_21": "「そうだよ。これがガメラだよー。\\n でも……カメってなに?」",
"351000321_22": "「え? カメだよカメ。\\n 甲羅を背負って、ゆっくり歩くあのカメ」",
"351000321_23": "「そんな生き物見たことないよ」",
"351000321_24": "「カメを知らないのか……?」",
"351000321_25": "「……?」",
"351000321_26": "「……映像も見終わったところだし、\\n 続きをやるか?」",
"351000321_27": "「うんッ!」",
"351000321_28": "「それじゃ、わたしね」",
"351000321_29": "「わたしは見覚えのあるこの牙みたいなものだけど、\\n これってやっぱり……」",
"351000321_30": "「それはギャオスの牙。\\n 研究のためにサンプルとして持ち帰ったものなんだ」",
"351000321_31": "「……わたしはどれも反応はなし、か」",
"351000321_32": "「他の怪獣の残滓は……ないんだよね?」",
"351000321_33": "「実験に使えそうなのはその3つだけかな」",
"351000321_34": "「協力できず、申し訳ない」",
"351000321_35": "「ううん、そんなことないよ。それぞれ反応するものが\\n 違うってわかっただけでも十分なんだから」",
"351000321_36": "「しかし、他の残滓はしっかり反応してたのに、\\n ガメラは反応が一瞬だけだったのが気になるな」",
"351000321_37": "「それはこれから調べるよー」",
"351000321_38": "「力を秘めた怪獣の遺物……。\\n この怪獣の残滓って、見方を変えれば聖遺物ですよね……」",
"351000321_39": "「確かにそうだな」",
"351000321_40": "「わたしもそれに近いものだと考えていた。\\n 聖遺物の中には、伝承の生物由来のものも存在しているしな」",
"351000321_41": "「なるほど、確かにその見立てはアリかもしれない」",
"351000321_42": "「どういうこと?」",
"351000321_43": "「ガメラは超古代文明によって、\\n 人工的に作られた怪獣だって見解もあったみたいなの」",
"351000321_44": "「超古代文明……つまり、我々の世界の先史文明のことか?」",
"351000321_45": "「もしかして、フィーネやアヌンナキが絡んでいたりしてな……」",
"351000321_46": "「なにそれ、なにそれッ! すっごく興味あるッ!\\n 詳しく教えてー」",
"351000321_47": "「今話したらこんがらがるから後にしてくれッ!」",
"351000321_48": "「うー……残念……」",
"351000321_49": "「話を戻すが、本当に聖遺物と変わらないなら、\\n ギアに組み込むこともできるかもしれないな」",
"351000321_50": "「ギアって、みんなが戦う時に装備してるものだよね?\\n 組み込むってどういうこと?」",
"351000321_51": "「デュオレリックっていって、わたしたちのギアに、\\n もうつ聖遺物の力を乗せられることがあるんです」",
"351000321_52": "「そんなことできるのッ!?\\n じゃあ、さっそくやってみてッ!」",
"351000321_53": "「簡単に言ってくれるな……」",
"351000321_54": "「デュオレリックは、かなり危険なんです……。\\n 前にもいろいろあったので……」",
"351000321_55": "「そっか……」",
"351000321_56": "「また下らんことをしているな」",
"351000321_57": "「お父さんッ!?」",
"351000321_58": "「お前は、残り少ない資源と時間をまた無駄に使用しているのか?」",
"351000321_59": "「…………」",
"351000321_60": "「無駄になんかしてないよー。\\n それに、今、わたしの研究が一歩前進したところだったんだ」",
"351000321_61": "「前進した?」",
"351000321_62": "「うん、このお姉さんたちの歌と、怪獣の残滓が反応したの。\\n これって、交感ができるってことだよねッ!」",
"351000321_63": "「だから、もうすぐだよ。もうすぐガメラと――」",
"351000321_64": "「やめろ」",
"351000321_65": "「…………」",
"351000321_66": "「交感ができて何が起きる。ギャオスに、ジズに勝てるのか?」",
"351000321_67": "「……それは……まだ、わからないけど……」",
"351000321_68": "「我々人類の目的は、生き残ることだ。\\n それ以外は一切不要」",
"351000321_69": "「とっくに死んだガメラの助けを期待するなど、もってのほかだ。\\n 例え生き延びていたとしても、所詮はギャオスと同じ怪獣」",
"351000321_70": "「我々と意思疎通ができる相手だとは到底思えない」",
"351000321_71": "「人類が生き残るには、人類の力でどうにかするしかないのだ。\\n なぜそれがわからない?」",
"351000321_72": "「…………」",
"351000321_73": "「おい、おっさん。あんたはここに何しに来たんだ?\\n こいつに文句を言うために来たのか?」",
"351000321_74": "「お前の研究は、いたずらに仲間たちを混乱させるだけだ。\\n ここにあるものはすべて破棄する。それを伝えに来たのだ」",
"351000321_75": "「なんだとッ!?」",
"351000321_76": "「そんなッ! もう少しなのに――」",
"351000321_77": "「真琴、これはお前のためでもあるのだ。現実に目を向けろ。\\n やるべきことはこんなお遊びではないはずだ」",
"351000321_78": "「待ってッ! お父さん――」",
"351000321_79": "「決定したことだ。\\n 明日の朝には、撤去のために部下を寄越すからな」",
"351000321_80": "「くそッ! なんだよあいつはッ!」",
"351000321_81": "「真琴ちゃん……」",
"351000321_82": "「…………」",
"351000321_83": "「もう少しだと思ったんだけど……。\\n 残念、ここまでかなー」",
"351000321_84": "「…………やりましょう」",
"351000321_85": "「え?」",
"351000321_86": "「デュオレリック、ですよッ!\\n やってみましょうッ!」",
"351000321_87": "「でも、危険なんじゃ……」",
"351000321_88": "「わたしは、真琴さんの研究を信じますッ!」",
"351000321_89": "「セレナ……」",
"351000321_90": "「だな。あーまで言われちゃ見返してやりたくなるよなッ!」",
"351000321_91": "「デュオレリックが成功すれば、\\n 真琴ちゃんの研究も続けられるよね」",
"351000321_92": "「ああ、やってみよう」",
"351000321_93": "「ありがとう、みんな……」",
"351000321_94": "「それじゃ、言い出しっぺのわたしから。\\n そのイリスの残滓を貸してもらっていいですか?」",
"351000321_95": "「うんッ!\\n でも、気を付けてね」",
"351000321_96": "「それじゃあ、イリスの残滓とアガートラームで、\\n デュオレリックを試してみます」",
"351000321_97": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"351000321_98": "「あッ……本当に組み込めて――」",
"351000321_99": "「これは――ッ!?」",
"351000321_100": "「まさか、聖遺物が反発しているのかッ!?」",
"351000321_101": "「マジかよ。\\n 本当にデュオレリックだっていうのかッ!」",
"351000321_102": "「な、なになに、何が起こってるのッ!?」",
"351000321_103": "「落ち着いて、大丈夫だから。\\n 聖遺物同士は反発して、ああいう反応が出るの」",
"351000321_104": "「そ、そんなッ!? じゃあ、セレナはッ!」",
"351000321_105": "「だい、じょうぶ……これくらいなら……」",
"351000321_106": "(デュオレリックや、イグナイトモジュールだって\\n できたんだからッ!)",
"351000321_107": "「せ、セレナがさらに変身したッ!?」",
"351000321_108": "「これが……イリスの力を得たギアなんですね……」",
"351000321_109": "「さすがだな、しっかり制御してみせたか」",
"351000321_110": "「ふう……なんとかなりました。\\n 映像を見たおかげかもしれませんね」",
"351000321_111": "「その見た目……間違いない、本当にイリスみたい……」",
"351000321_112": "「纏った感じはどうなの?」",
"351000321_113": "「本当にデュオレリックと同じ感じです」",
"351000321_114": "「イグナイトモジュールや、心象変化とも違って、\\n 何かの意志が流れ込んでくることもありませんし……」",
"351000321_115": "「ただ、力はしっかりと感じます」",
"351000321_116": "「なるほど。単純にこの残滓は意志がない。\\n 本当に聖遺物と変わらないな」",
"351000321_117": "「やったッ!\\n 成功した……成功ってことでいいのかな?」",
"351000321_118": "「はい、成功です」",
"351000321_119": "「よし、じゃあ、次はギャオスの残滓を……。\\n あッ、でも、またこういうことになるなら……」",
"351000321_120": "「大丈夫、わたしも真琴ちゃんを信じてるから。\\n ギャオスの残滓を貸してくれる?」",
"351000321_121": "「……これだよ。\\n でも、気を付けてね」",
"351000321_122": "「へいき、へっちゃらだよ。\\n それじゃあ、始めるね……」",
"351000321_123": "「Rei shen shou jing rei zizzl――」",
"351000321_124": "「聖遺物同士の反発、それに近いかもしれない。\\n でも、これくらいなら……ッ!」",
"351000321_125": "「よし、できたッ!」",
"351000321_126": "「わたしのときよりも制御するのが早い……。\\n さすがですッ!」",
"351000321_127": "「言い方はあれだが、くぐってきた修羅場が違うからな」",
"351000321_128": "「ううん、それだけじゃない。セレナちゃんが先にやってくれた\\n おかげで心構えができたからだよ」",
"351000321_129": "「それじゃあ、次はあたしの番だな。\\n ガメラの残滓を貸してくれるか」",
"351000321_130": "「うん、わかった。それじゃあ――」",
"351000321_131": "「よかった。君たち、ここにいたのかッ!\\n またギャオスの一群が、この砦に迫っているんだッ!」",
"351000321_132": "「また来やがったのかッ!」",
"351000321_133": "「ああ、だから――うわッ!?\\n 君、その姿はなんだ、まるでギャオスじゃないかッ!」",
"351000321_134": "「え、ええっと、これには事情があって……」",
"351000321_135": "「そのことはまた後で話そう。\\n 今、優先すべきはギャオスの撃退だろう」",
"351000321_136": "「あ、ああ、そうだな。\\n 頼む、一緒に来てくれッ!」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"351000322_0": "「このギアの力、思ってたよりもずっと強いッ!」",
"351000322_1": "「はい。依然としてギアの出力に影響は受けているものの、\\n それを補って余るくらいの力を感じますッ!」",
"351000322_2": "「あれが怪獣の力なのか。\\n これまで苦戦していたのが嘘のようだ」",
"351000322_3": "「今ので最後みたいだけど……、\\n 他の兵士さんたちは大丈夫だったかな」",
"351000322_4": "「ああ、大丈夫みたいだぞ」",
"351000322_5": "「犠牲者は0。怪我人も少ない。\\n これも彼女たちのおかげか」",
"351000322_6": "「おまけに、いつも以上に弾薬を節約できている。\\n これはかなりいい傾向だ」",
"351000322_7": "「よかった……」",
"351000322_8": "「はい、本当に……。\\n 真琴さんの研究が正しかったと証明できましたね」",
"351000322_9": "「セレナたちのおかげだよッ!\\n でも、わたしもうれしい―ッ!」",
"351000322_10": "「フフ、真琴ちゃん、すごい喜んでる」",
"351000322_11": "「父の反対を押しきり、1人で研究してきたことが、\\n 報われた瞬間だからな、気持ちはわかる」",
"351000322_12": "「そうだ、次はガメラを試さないと。",
"351000322_13": " ほら、早く戻るよー」",
"351000322_14": "「わかったから、引っ張るなよッ!」"
}

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@ -0,0 +1,90 @@
{
"351000331_0": "「Killter Ichaival tron――」",
"351000331_1": "「……ん? なんだ、反発が全くないぞ」",
"351000331_2": "「うおッ! いきなりギアが変化しやがったッ!?\\n 反発もなく、あっさりと……」",
"351000331_3": "「――ッ!」",
"351000331_4": "「しかし、反発が全くないのは少々気になるな……」",
"351000331_5": "「他の怪獣と違って、ガメラは人類の味方だから……かな?」",
"351000331_6": "「きっとそうだよッ!\\n ガメラが応えてくれたんだよッ!」",
"351000331_7": "「…………」",
"351000331_8": "「やっぱり、ガメラは――」",
"351000331_9": "「あれ? もう解いちゃうの?」",
"351000331_10": "「いや、違うッ!\\n あたしが解いたんじゃない、勝手に解けたんだッ!」",
"351000331_11": "「勝手に?」",
"351000331_12": "「それじゃあ、もう一度纏えば……」",
"351000331_13": "「……ダメだ。反応しないッ!」",
"351000331_14": "「え……どうして、ガメラ……」",
"351000331_15": "「もしかしたら、ガメラの残滓だけ\\n 何か問題があるのかもしれないね」",
"351000331_16": "「確かに歌を唄った時も、\\n ガメラの残滓だけは反応がわずかだったな」",
"351000331_17": "「じゃあ、この残滓には力が残ってないってことか」",
"351000331_18": "「そ、そんなー」",
"351000331_19": "「……そう落ち込むなって、また後で試してみるよ」",
"351000331_20": "「他にも怪獣の残滓があれば、わたしも試せるのだが……」",
"351000331_21": "「…………」",
"351000331_22": "「ちょっといいだろうか?\\n ここに来たときから気になっていたのだが……」",
"351000331_23": "「なーに?」",
"351000331_24": "「あの隅にあるものはなんだ?\\n ギャオスの牙とも違う……まるで刃のような……」",
"351000331_25": "「あれかー……」",
"351000331_26": "「あれも怪獣のモノなの?」",
"351000331_27": "「一応そうだよ。\\n あれは、レギオンっていう怪獣の一部なんだ」",
"351000331_28": "「レギオン……?」",
"351000331_29": "「しかし、怪獣の残滓は3つしかないと言っていなかったか?」",
"351000331_30": "「んーとー。\\n 実はね、レギオンは、他の怪獣とちょっと違うんだー」",
"351000331_31": "「違うとは……?」",
"351000331_32": "「ガメラ、ギャオス、イリスは、\\n 地球で生まれたとされている怪獣なんだけど――」",
"351000331_33": "「レギオンは、宇宙から飛来した怪獣なの。\\n だから、他の怪獣に比べて情報も少なくて……」",
"351000331_34": "「宇宙怪獣ってことかッ!?」",
"351000331_35": "「ギャオスやイリスだけでも大変なのに、\\n 宇宙怪獣までいるなんて……」",
"351000331_36": "「シンフォギアも無しで、よく人類の世界が残っていたな……」",
"351000331_37": "「ガメラがいたからだよ」",
"351000331_38": "「ガメラが、わたしたちを護ってくれていたの。\\n だから、わたしたち人類は今日まで生き残れた」",
"351000331_39": "「……ガメラってすごいんですね」",
"351000331_40": "「うんッ!」",
"351000331_41": "「みんな、もうガメラのことはあきらめちゃってるけど、\\n わたしは、絶対にあきらめないッ!」",
"351000331_42": "「ガメラは来るよ、きっとッ!」",
"351000331_43": "「わたしも、信じます」",
"351000331_44": "「ありがとー、セレナ」",
"351000331_45": "「レギオンが他の怪獣とは違う存在であることはわかった。\\n だが、だからとて、デュオレリックができないとは限らない」",
"351000331_46": "「え……?」",
"351000331_47": "「わたしに、試させてくれないか?」",
"351000331_48": "「先輩……」",
"351000331_49": "「でも、すごく危険かもしれないよ……」",
"351000331_50": "「強い反発が起きたらすぐやめる。\\n それならいいだろう?」",
"351000331_51": "「わかった」",
"351000331_52": "「でもその前にもう1つ、レギオンについてだけど……」",
"351000331_53": "「なんだ?」",
"351000331_54": "「過去の資料によると、\\n レギオンは、ガメラにとって最強の敵だったらしい」",
"351000331_55": "「ガメラは、レギオンを倒すために、\\n 一度きりしか使えない必殺技を使用したらしいの」",
"351000331_56": "「でも、その代償は、\\n 計り知れなかったと記述されている」",
"351000331_57": "「レギオンは、そんな怪獣なんだよ」",
"351000331_58": "「…………」",
"351000331_59": "「それを聞いてもやる?」",
"351000331_60": "「もちろんだ」",
"351000331_61": "「……本当に、あなたたちってすごいねー。\\n もうわたしから言うことはないよ」",
"351000331_62": "「では、試してみよう」",
"351000331_63": "(危険を冒してきたのは、今に始まったことではない。\\n 僅かでも可能性が残っているのなら試すだけの価値はある)",
"351000331_64": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」",
"351000331_65": "「なッ、これは――」",
"351000331_66": "「先輩、大丈夫かッ!?」",
"351000331_67": "「あ、ああ……」",
"351000331_68": "「これが、レギオン……?」",
"351000331_69": "「こんな簡単にレギオンの力を取り込めるなんてすごいよッ!\\n どうやったの?」",
"351000331_70": "「さすがです」",
"351000331_71": "「それがわたしにもわからないんだ。\\n ただ触れただけでこうなってしまったからな」",
"351000331_72": "「――ッ!?」",
"351000331_73": "「大変だッ!\\n 保管していたレギオンの遺骸が再生したッ!」",
"351000331_74": "「レギオン?」",
"351000331_75": "「再生? なんでー?」",
"351000331_76": "「俺にはわからん」",
"351000331_77": "「すまないが手を貸してくれッ!」",
"351000331_78": "「ここで怪獣に暴れらたら大変な被害が出るッ!」",
"351000331_79": "「行くぞッ!」",
"351000331_80": "「ああ、案内してくれッ!」",
"351000331_81": "「こっち、すぐ近くだ」",
"351000331_82": "「これが……レギオン?」",
"351000331_83": "「なんだ? 空を見上げて……何をしてるんだ?」",
"351000331_84": "「なんだか嫌な予感がする。\\n 早くやっつけた方がいいよー」",
"351000331_85": "「真琴さんの勘は当たるんです」",
"351000331_86": "「なら、早く倒しましょうッ!」",
"351000331_87": "「ちょうどいい、この力を試してやろう」"
}

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@ -0,0 +1,26 @@
{
"351000332_0": "「これで終いだッ!」",
"351000332_1": "「まだだッ! アイツ、何かやるぞッ!」",
"351000332_2": "「…………」",
"351000332_3": "「また、空を見上げてる……?」",
"351000332_4": "「……待ってください。\\n もう動いてない、今度こそ死んだみたいです」",
"351000332_5": "「一体、何をしようとしていたんだ?」",
"351000332_6": "「そんなことより、なんでここに怪獣がいるんだ?」",
"351000332_7": "「過去に人類戦線が、調査目的のため、\\n レギオンの遺骸を回収し、そのまま保管していたんだ」",
"351000332_8": "「10年ほど前は、研究に熱を入れていたんだけど――」",
"351000332_9": "「八坂司令の命令で調査は中止され、\\n そのままずっと倉庫に眠らせていたんだ」",
"351000332_10": "「さっき、デュオレリックってのに使用したのは、\\n そいつの一部だよー」",
"351000332_11": "「それが、急に息を吹き返したと?」",
"351000332_12": "「ああ」",
"351000332_13": "「…………」",
"351000332_14": "「しかし、何はともあれ、怪我人を出さずに解決できた。\\n 本当に感謝するよ」",
"351000332_15": "「いえ……」",
"351000332_16": "「それにしてもその姿……。\\n それも真琴の研究成果なのか?」",
"351000332_17": "「そうですよッ!」",
"351000332_18": "「なるほど。研究が上手くいってよかったな。\\n おかげで、八坂司令も君の研究成果の破棄を止めたみたいだし」",
"351000332_19": "「ここにいるみんなのおかげでね。\\n 感謝、感謝」",
"351000332_20": "「これで、あとはガメラだけだね」",
"351000332_21": "「ったく、なんであたしだけ……」",
"351000332_22": "「大丈夫。原因を調べて、ちゃんと使えるようにするから。\\n ガメラのことはわたしに任せてッ!」",
"351000332_23": "「……だといいんだけどな」"
}

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@ -0,0 +1,55 @@
{
"351000341_0": "「はぁ……。結局、あたしだけが戦力アップに\\n 貢献できていないのか。くそッ……」",
"351000341_1": "「わかってるよ……兄貴……、\\n 俺だって……」",
"351000341_2": "「ん? この声は……。誰かいるのか?」",
"351000341_3": "「なんだ、君か……。\\n こんな遅い時間に何をやってるんだ」",
"351000341_4": "「別に。ちょっと眠れなかっただけだ。\\n あんたこそ、誰かと話してたと思ったけど人か?」",
"351000341_5": "「あ、ああ、ちょっとな……」",
"351000341_6": "「それ、戦闘機だよな?\\n あんたのか?」",
"351000341_7": "「……一応な。昔、兄貴と一緒に\\n この<ruby=-15>イーグル</ruby>でギャオスと戦ったんだ」",
"351000341_8": "「ん? 兄貴がいたのか?」",
"351000341_9": "「ああ。だけど、5年前にギャオスとの戦いで命を落としちまった」",
"351000341_10": "「……そうか」",
"351000341_11": "「君たちは、ギャオスと戦えてすごいけど……」",
"351000341_12": "「俺の兄貴も空軍のエースパイロットで、英雄だったんだぜ。\\n ガメラと一緒に並んで飛んで、ギャオスと戦ったこともある」",
"351000341_13": "「ガメラと一緒に、並んで飛んだッ!? マジかよ……」",
"351000341_14": "「ああ」",
"351000341_15": "(ガメラと一緒に飛ぶ……。\\n ガメラって本当に人類の味方だったんだな……)",
"351000341_16": "「東京、ハワイ、サンフランシスコ、香港……。\\n 本当に色んな所でガメラと共に戦ってたんだ」",
"351000341_17": "「兄貴にとってガメラは戦友だったんだよ」",
"351000341_18": "「あんたは、ガメラと並んで飛んだりしてないのか?」",
"351000341_19": "「20年以上前の話だぞ。俺はまだ子供だ」",
"351000341_20": "「だけどさ、\\n 兄貴からガメラの話を聞かされるたびに思ったもんだ」",
"351000341_21": "「俺もいつか兄貴とガメラの隣で、\\n 戦闘機を駆って並んで飛びたいってな」",
"351000341_22": "「そして念願叶って、俺は戦闘機乗りになった」",
"351000341_23": "「だけど、ガメラはいなくなり、\\n 兄貴もギャオスにやられた……」",
"351000341_24": "「俺自身も、ギャオスとの戦いで撃墜されたんだ」",
"351000341_25": "「こいつはコクピットと右翼に軽微な損傷だけで済んだけど、\\n 俺は大怪我を負っちまった……」",
"351000341_26": "「それ以来、このざまさ。\\n 戦闘機に乗ろうとしても身体が震えちまう」",
"351000341_27": "「そうだったのか……」",
"351000341_28": "「君たちはすごいな。\\n あんな恐ろしいギャオスと戦えて」",
"351000341_29": "「それに、歌で人を励まして、元気にすることもできる……」",
"351000341_30": "「いや、あたしなんか……」",
"351000341_31": "(ギャオスの大群が攻めてきたら\\n このままじゃ、みんなの足を引っ張りかねない……)",
"351000341_32": "「戦闘機には乗れないけど、俺は俺にできることをやる」",
"351000341_33": "「もうすぐ、Zプランの切り札が完成するんだ」",
"351000341_34": "「Zプラン……?」",
"351000341_35": "「ポイントZの元凶、\\n ジズとその眷属を葬り去るための作戦だ」",
"351000341_36": "「あれが完成すれば、ジズもギャオスにも勝てる。\\n そうすれば他の地域の人類戦線とだって……」",
"351000341_37": "「なあ、その切り札って、八坂司令がかんでるんだろう?」",
"351000341_38": "「そうだけど……」",
"351000341_39": "「あたしには、その切り札がなんなのかわかんねーけど、\\n 軍人のトップが考える切り札なんて、いい印象がない」",
"351000341_40": "「ましてや、あいつが考える物なんて……」",
"351000341_41": "「八坂司令は、人類のことを第一に考えている立派な司令だ。\\n あの人についていけば間違いない」",
"351000341_42": "「そうなのか……?」",
"351000341_43": "「だとしても、本当にそれが正しいかの判断は、\\n 自分自身ですべきだな」",
"351000341_44": "「……俺自身で?」",
"351000341_45": "「…………」",
"351000341_46": "「そんじゃ、あたしは行くよ。\\n あんたと話せてなんだかすっきりした」",
"351000341_47": "「あーそうそう、最後に一言言わせてくれ」",
"351000341_48": "「なんだ?」",
"351000341_49": "「隊長なんだから、\\n 真っ先に逃げようとする癖はやめた方がいいぞ」",
"351000341_50": "「そ、それは……」",
"351000341_51": "「じゃあな」",
"351000341_52": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"351000351_0": "「……ということなの。\\n 見てくれたでしょ、あの人たちの活躍をッ!」",
"351000351_1": "「……」",
"351000351_2": "「わたしの研究が役に立った証拠だよねー。\\n 実験は無駄じゃなかってッ!」",
"351000351_3": "「……言いたいことはそれだけか?」",
"351000351_4": "「それだけって……」",
"351000351_5": "「確かにギャオスに対して戦果はあった。\\n お前の研究が役立ったのも認めよう」",
"351000351_6": "「――だが、あれは彼女らの力があってこそだ」",
"351000351_7": "「それは……」",
"351000351_8": "「それに、\\n 彼女たちは近いうちに自身の世界へ帰るのだろう?」",
"351000351_9": "「そうしたら、誰が怪獣の力を使ってギャオスと戦う?\\n 我々にそれができるのか?」",
"351000351_10": "「それともお前が、\\n 彼女たちを永遠にこの世界へ繋ぎ留めておくのか?」",
"351000351_11": "「……」",
"351000351_12": "「わかったら出ていけ」",
"351000351_13": "「……うん」",
"351000351_14": "(もっと、もっと証明しないとッ!)"
}

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@ -0,0 +1,47 @@
{
"351000411_0": "ガメラ捜索",
"351000411_1": "「おーい、いるか?」",
"351000411_2": "「あれー? みんなと子供たちのところへ\\n 行ったんじゃなかったの?」",
"351000411_3": "「ちょっと聞きたいことがあったからな。\\n なあ、ガメラについて詳しく教えてくれないか?」",
"351000411_4": "「ガメラのことを……詳しく……?」",
"351000411_5": "「ガメラに対して、興味が湧いて――」",
"351000411_6": "「フフ……」",
"351000411_7": "「ん?」",
"351000411_8": "「わたしに任せてッ! ちょー詳しく教えてあげるよー」",
"351000411_9": "「時間はどのくらい大丈夫ッ!?\\n 最低時間は見てもらいたいけど――」",
"351000411_10": "「あ、いや……お手柔らかに頼むわ」",
"351000411_11": "「なるほどな……」",
"351000411_12": "「なあ、ガメラは今も生きてると思うか?」",
"351000411_13": "「そんなの当然だよー。\\n ……まだ、本物は見たことないけど」",
"351000411_14": "「ガメラは、人類を助けるために戦ってるんだろ?\\n 生きてるなら、なんで今出てこないんだ?」",
"351000411_15": "「今こそ、人類のピンチだろう?」",
"351000411_16": "「それはわたしにもわからない。\\n でも、もしかしたら地球のマナが減ったのが原因かも……」",
"351000411_17": "「マナ……?」",
"351000411_18": "「世界が荒廃する前の話だけど、メラネシアや太平洋諸島では\\n 万物に宿る超自然的な力のことをマナと呼んでいたんだって」",
"351000411_19": "「ガメラは、そのマナの力を使って\\n 戦ってると言われているんだー」",
"351000411_20": "「マナは、なんで減っちまったんだ?」",
"351000411_21": "「それは、この地球がすごく傷ついちゃったからだよ」",
"351000411_22": "「なるほど、この赤い空と荒れた大地を見れば納得か……」",
"351000411_23": "「…………」",
"351000411_24": "「もしかすると、クリスたちが使うフォニックゲインも\\n マナによく似たエネルギーかもしれないね」",
"351000411_25": "「あたしらのフォニックゲインが……?」",
"351000411_26": "「ん? ちょっと待て。マナが減っているなら、\\n それが原因でガメラが死んでるなんてことはないのか?」",
"351000411_27": "「だからー、ガメラは、絶対に死んだりしないよ。\\n わたしたちを、必ずギャオスから護ってくれるはずだから」",
"351000411_28": "「……そうか」",
"351000411_29": "「……そういえば、ギャオスはなんで大量発生したんだ?\\n この資料では、イリスを倒した後、急に発生したってあるけど」",
"351000411_30": "「諸説あるんだけど、濃厚なのは、ガメラがレギオンを\\n 倒す時に使用した必殺技が影響してるみたいなんだよねー」",
"351000411_31": "「この間、言ってたやつか?」",
"351000411_32": "「ガメラの放った『ウルティメイトプラズマ』。それが、\\n 地球のマナの全体量に影響を及ぼし、生態系が変化した」",
"351000411_33": "「待てよ。それじゃ、ギャオスの発生は、ガメラが原因なのか?」",
"351000411_34": "「……そうしなければ、\\n レギオンに勝てなかったってことだと思うよ」",
"351000411_35": "「もしあそこで、レギオンを倒せてなければ、\\n 地球がレギオンの星になっていたかもしれない」",
"351000411_36": "「…………」",
"351000411_37": "(こいつがガメラを信じたい気持ちはスゲー伝わってくる。\\n だけど、今聞いた感じだと、ガメラはもう……)",
"351000411_38": "「その顔は、もうガメラはいないって思ってる?」",
"351000411_39": "「お前には悪いけど……」",
"351000411_40": "「よしッ! それじゃ、行ってみよー」",
"351000411_41": "「な、なんだ急に?\\n 行くってどこへ?」",
"351000411_42": "「いいところだよー」",
"351000411_43": "「もしかしたら、ガメラに会えるかも?」",
"351000411_44": "「はあッ!?」"
}

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@ -0,0 +1,21 @@
{
"351000421_0": "「20年前のガメラの目撃情報、最近に至るまでの噂話……。\\n いくつか目星は付けてある」",
"351000421_1": "「これまで集めてきた資料と地図を照らし合わせて……」",
"351000421_2": "「あー、いろいろと聞きたいことがあるんだけどよ……」",
"351000421_3": "「少し、静かにしてて、舌かんじゃうよー」",
"351000421_4": "「わたしがガメラを見つけて、\\n みんなに証明するんだからッ!」",
"351000421_5": "「ガメラが本当にいて、\\n そして、わたしたちの味方だってことをッ!」",
"351000421_6": "「急にトラックに乗って、飛び出したと思えば、\\n 何言ってんだ?」",
"351000421_7": "「つーか、お前。その歳でトラックなんて運転できるのかッ!?\\n 免許は?」",
"351000421_8": "「そんなものないよー。\\n 代なら普通に運転できるし」",
"351000421_9": "「兵士としての教育の1つだね」",
"351000421_10": "「…………」",
"351000421_11": "「あッ!?」",
"351000421_12": "「なんだ?」",
"351000421_13": "「ギャオスに見つかったみたい……」",
"351000421_14": "「お前は……」",
"351000421_15": "「注意してたんだけどな……」",
"351000421_16": "「数は少ないな……。\\n これならあたしでも片付けられる」",
"351000421_17": "「お前は運転席から外に出るなよ」",
"351000421_18": "「あたしは仲間を呼ばれる前に\\n アイツらを片付けるッ!」"
}

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@ -0,0 +1,22 @@
{
"351000422_0": "「ふぅ、なんとかなったみたいだ。\\n 別のギャオスに見つかる前にここを離れるぞ」",
"351000422_1": "「うん」",
"351000422_2": "「ここまで来れば大丈夫だな」",
"351000422_3": "「助けてくれてありがとー」",
"351000422_4": "「はあ……。そんで、説明してくれ。\\n ガメラを見つけるってどういうことだ?」",
"351000422_5": "「20年間、誰もガメラを見ていないんだろう?」",
"351000422_6": "「痕跡はあるんだ。それを誰もガメラと結びつけなかったってだけ。\\n みんな、ギャオスと戦うのに必死だからね」",
"351000422_7": "「西から逃げてきた人たちが、洞窟で巨大な影を見たんだって。\\n 関東近辺にいるのは間違いないと思う」",
"351000422_8": "「どうして今になって行動を起こしたんだ?」",
"351000422_9": "「砦からかなりの距離があるからねー。\\n 流石にわたしも危険かなーって思って自重してたの」",
"351000422_10": "「お父さんや他の人に言っても絶対協力してくれないし……」",
"351000422_11": "「でも、クリスと一緒なら見つけられるかもーって思ったの」",
"351000422_12": "「お前、あたしを利用したのか?」",
"351000422_13": "「……迷惑だった?」",
"351000422_14": "「当たり前だッ!",
"351000422_15": " 全く、お前といると本当に調子が狂うな……」",
"351000422_16": "「わたしはクリスと一緒にいると楽しいよー。\\n もちろんセレナや他の人たちも好きだけどね」",
"351000422_17": "「はあ……」",
"351000422_18": "「もういいわ……付き合うからとっとと終わらせて帰るぞ」",
"351000422_19": "「うん」"
}

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@ -0,0 +1,55 @@
{
"351000431_0": "――2日経過――",
"351000431_1": "「…………」",
"351000431_2": "「なあ、もう洞窟だけで5箇所は探したぞ。\\n まだ見つからないのか?」",
"351000431_3": "「……おかしいなー。\\n わたしの資料が間違ってたのかな……」",
"351000431_4": "「…………」",
"351000431_5": "「わたしのデータの解析が甘かったのかも。\\n クリス、ごめんなさい……」",
"351000431_6": "「……怒った?」",
"351000431_7": "「……はあ、\\n 別に怒ってねーよ」",
"351000431_8": "「それより、ここまで頑張ったんだから、\\n そう簡単に諦めんじゃねー」",
"351000431_9": "「クリス……」",
"351000431_10": "「今回はダメだったかもしれないけど、\\n また今度付き合ってやるよ」",
"351000431_11": "「ほんとうー?」",
"351000431_12": "「ああ、だから今回は一旦ここまでにして帰ろう。\\n 雲行きも怪しくなってきたしな」",
"351000431_13": "「あッ……なら、そこの洞窟で休んでいこう。\\n もう雨が降ってくるから」",
"351000431_14": "「わたしも少し疲れたし、土砂降りの中、\\n 荒れた道を運転するのはちょっと恐いから」",
"351000431_15": "「土砂降りって、まだパラついても――」",
"351000431_16": "「本当に降ってきやがった……。\\n あの洞窟だったな、早く入るぞ」",
"351000431_17": "「ふう、少し濡れちまった。\\n 拭くものがあればよかったんだけどな」",
"351000431_18": "「わたし、タオル持ってきてるよ。\\n はい、どうぞ」",
"351000431_19": "「ああ、サンキュな。\\n ……そのリュック、何が入ってんだ?」",
"351000431_20": "「数日分の食料や地図とかだよ。\\n まあ、食料はだいぶ減っちゃったけどね」",
"351000431_21": "「あとは……あッ!?」",
"351000431_22": "「ん、なんだこれ? プレーヤー?」",
"351000431_23": "「……『クリスの歌』?」",
"351000431_24": "「いい歌だよねー、それ」",
"351000431_25": "「いい歌だよねー、じゃねーッ!」",
"351000431_26": "「思い出したぞッ! お前、あたしの歌を勝手に録音して、\\n 流してたらしいなッ!」",
"351000431_27": "「ん? ダメだった?」",
"351000431_28": "「ダメに決まってんだろッ!」",
"351000431_29": "「これは没収だッ!\\n これ以上広まったらたまったもんじゃないからな」",
"351000431_30": "「没収してもいいけど、広まるのを止めるのは無理だと思うよ」",
"351000431_31": "「……なんだって?\\n 一体、どういうことだ?」",
"351000431_32": "「実は、他の人類戦線支部からも聴きたいッ!\\n って言われたから、データを送ってあげたんだー」",
"351000431_33": "「もしかしたら今頃、各地でクリスの歌が話題になってるかも」",
"351000431_34": "「なー、なー、なー……」",
"351000431_35": "「あれ? ダメだった?」",
"351000431_36": "「……もういい、一旦忘れることにする」",
"351000431_37": "「思えば、とっととギャオスの巣をぶっ潰して\\n 自分の世界へ帰れば済むことだしな」",
"351000431_38": "「そんな寂しいこと言わずに、ゆっくりしていってよ」",
"351000431_39": "「うるせーッ!」",
"351000431_40": "「そんなに怒らなくても――、\\n あ……」",
"351000431_41": "「今度はなんだ?」",
"351000431_42": "「見て、勾玉が光ってるッ!」",
"351000431_43": "「……本当だ。でも、あたしは唄ってないぞ」",
"351000431_44": "「ねえ……、\\n この洞窟、奥まで行ってみよう」",
"351000431_45": "「だから1人で先に行くなってのッ!」",
"351000431_46": "「ずいぶんと深い洞窟だな。\\n ちゃんと出口に戻れるのか?」",
"351000431_47": "「見て、あそこ明るいよッ!」",
"351000431_48": "「なんだか、開けた場所に出たみたいだな。\\n 結局、この洞窟は一体……」",
"351000431_49": "「あ、あれ……ねえ、見てよ」",
"351000431_50": "「見てよって、何が――うわッ!?」",
"351000431_51": "「怪獣……?\\n いや、こいつ見覚えがあるぞッ!」",
"351000431_52": "「ガメラ……」"
}

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@ -0,0 +1,57 @@
{
"351000441_0": "「本当にいたんだな……」",
"351000441_1": "「それにしてもガメラのやつ、やけに静かだな。\\n もしかして眠ってんのか?」",
"351000441_2": "「なあ、おい、お前はどう思う?」",
"351000441_3": "「あれ? あいつ、どこに――」",
"351000441_4": "「って、バカ、お前何ガメラに抱き着いてんだよッ!?」",
"351000441_5": "「う―……やっと会えたよー。\\n ガメラ、会いたかったよー」",
"351000441_6": "「本当にいたよー」",
"351000441_7": "「あぶねーから、離れろッ!」",
"351000441_8": "「頬をすりすりするなッ!」",
"351000441_9": "「あ――」",
"351000441_10": "「本当に無茶苦茶すぎるぞ……」",
"351000441_11": "「それより、ね、本当にいたでしょッ!\\n わたしが言った通り、ガメラはちゃんといたんだッ!」",
"351000441_12": "「やっと、やっと見つけた……」",
"351000441_13": "「見てよッ! 見て見てッ! ガメラだよ、ガメラッ!\\n 本当にガメラはいたんだよッ!」",
"351000441_14": "「わかったから泣くなよ。\\n こいつが起きて動き出したらどうするんだ?」",
"351000441_15": "「そしたらもちろんわたしの想いを伝えるよッ!」",
"351000441_16": "「ガメラにプロポーズでもすんのか?」",
"351000441_17": "「……それにしても」",
"351000441_18": "「……動かないね」",
"351000441_19": "「これ、生きてるのか?」",
"351000441_20": "「生きてるに決まってるよッ!\\n ちょっと調べてくるから待ってて」",
"351000441_21": "「お、おい、気を付けろよッ!」",
"351000441_22": "「……眠ってるだけみたいだね。\\n 起こさないようにしないと」",
"351000441_23": "「……よく見ると身体中、傷だらけじゃないか」",
"351000441_24": "「ギャオスにレギオン、イリス……。\\n ガメラは今までたくさん人類のために戦ってくれたから」",
"351000441_25": "「長い間、戦い続けてきたから、消耗して、\\n 今はきっと休んでるんだと思う」",
"351000441_26": "「そういや、映像の中のこいつも、\\n ボロボロになりながら怪獣たちと戦ってたな……」",
"351000441_27": "「右腕の先だけ傷がない……」",
"351000441_28": "「……あたしに、何かしてやれることがあればいいんだけど」",
"351000441_29": "「やれること……」",
"351000441_30": "「あるよッ! クリスにできることッ!」",
"351000441_31": "「ん?」",
"351000441_32": "「歌だよッ! 歌ッ!\\n クリスの歌を、ガメラに聴かせてあげようよッ!」",
"351000441_33": "「なんでだよッ!\\n せっかく静かに眠ってるのに歌なんて――」",
"351000441_34": "「マナとフォニックゲインは似てるって言ったよね?」",
"351000441_35": "「だから、クリスの歌を聴かせてあげれば、\\n ガメラの傷も早く癒えるかもしれないよー」",
"351000441_36": "「まさか……」",
"351000441_37": "「いや、だけど、もし少しでも可能性があるなら……」",
"351000441_38": "「…………」",
"351000441_39": "「わかったよ。やってやるよ」",
"351000441_40": "「やったー」",
"351000441_41": "「~~♪ ~~♪」",
"351000441_42": "(……お前はなんで、こんな姿になりながらも\\n 人類のために戦ってるんだ……)",
"351000441_43": "(それも、たった1人で……)",
"351000441_44": "(お前は、あたしたち人類のために戦ってくれた。\\n だから、あたしはお前の力になりたい……)",
"351000441_45": "(あたしにはこれくらいしかできないけど……)",
"351000441_46": "(この歌で、お前の傷が少しでも癒えてくれるなら……)",
"351000441_47": "「…………」",
"351000441_48": "「……どうだ?」",
"351000441_49": "「うん、きっと喜んでるよ」",
"351000441_50": "「そっか」",
"351000441_51": "「…………」",
"351000441_52": "「それじゃ、帰るか。\\n きっとみんな心配してるぞ」",
"351000441_53": "「うん」",
"351000441_54": "「ガメラ、早くよくなってね」"
}

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@ -0,0 +1,34 @@
{
"351000451_0": "「やっと砦に着いたな。\\n とりあえず無事に帰ってこれてよかった」",
"351000451_1": "「付き合ってくれて、ありがとう。\\n おかげでガメラに出会えたッ!」",
"351000451_2": "「……まあ、あたしはいいんだけど、\\n あいつらには頭下げといたほうがよさそうだな」",
"351000451_3": "「え?」",
"351000451_4": "「帰りは真っすぐだから早かったとはいえ、\\n 日も黙って外出したんだからな」",
"351000451_5": "「真琴ッ! 君はまた勝手に外へ出たのかッ!\\n トラックまで持ち出して、本当に心配したんだぞッ!」",
"351000451_6": "「ご、ごめんなさい……」",
"351000451_7": "「クリス……」",
"351000451_8": "「いやー、ちょっと外を見て回りたくなって……」",
"351000451_9": "「ちょっとって……3日も連絡無かったんだよ。\\n 本当に心配したんだから」",
"351000451_10": "「わ、悪かった……」",
"351000451_11": "「とにかく、おふたりとも無事でよかったです」",
"351000451_12": "「ああ、雪音ならば心配はいらないと思ったが、\\n こんな世界だからな」",
"351000451_13": "「……真琴」",
"351000451_14": "「お父さん……」",
"351000451_15": "「なぜ、この重大な作戦前に勝手な行動をした。\\n その行いがいかに私たちへ迷惑をかけるか考えないのかッ!」",
"351000451_16": "「重大な作戦って……」",
"351000451_17": "「Zプランの準備が整ったんだよ……。\\n 近日中にギャオスの巣の掃討作戦が開始される」",
"351000451_18": "「そうか……」",
"351000451_19": "「人類の未来を懸けた戦いが控えているんだ。\\n なのにお前はくだらない理由で無断外出したんだぞッ!」",
"351000451_20": "「もし、お前を探すために兵を出して、\\n 不要な犠牲がでたらどうするつもりだったんだ」",
"351000451_21": "「ごめんなさい。でもくだらない理由なんかじゃないよ。\\n わたしはガメラを探すために――」",
"351000451_22": "「何がガメラだ、馬鹿馬鹿しい。\\n そんな過去の遺物などに頼っていては未来は切り開けない」",
"351000451_23": "「ふざけんな、ちゃんとガメラは――」",
"351000451_24": "「待ってッ! ……ごめんなさい、お父さん。\\n 以後、気を付けます」",
"351000451_25": "「……今日は随分と素直だな。\\n わかればいいんだ」",
"351000451_26": "「……おい、どうしてだよ?\\n ガメラのことを証明するんじゃなかったのか?」",
"351000451_27": "「下手をしたらガメラを攻撃するって言いだしかねない。\\n 目覚めるまでは、ゆっくり休んでてほしいんだ……」",
"351000451_28": "「……ったく」",
"351000451_29": "「傷が癒えたらガメラはきっと助けに来てくれる。\\n だから、その時を待つの」",
"351000451_30": "(そこまでガメラのことを信じてるのか……)",
"351000451_31": "(……あたしはまだガメラのことは何もわかってないけど、\\n こいつの想いは本物だ)"
}

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@ -0,0 +1,40 @@
{
"351000511_0": "決戦ッ! Zプラン",
"351000511_1": "――12月5日 11:00――",
"351000511_2": "――人類戦線第一防衛基地――",
"351000511_3": "「人類戦線の同志諸君ッ!\\n 今日は我々にとって特別な日となるだろう」",
"351000511_4": "「20年前の地上が、一切の戦いの無い\\n 平和な世界であったということは断言はできない」",
"351000511_5": "「だが少なくとも、怪獣どもが<ruby=ばっこ>跋扈</ruby>する世界は無く\\n 人間が人間らしく生きる社会がそこにはあった」",
"351000511_6": "「取り戻そうッ! あの頃の世界をッ!」",
"351000511_7": "「うおおおおお――ッ!!」",
"351000511_8": "「この戦いは、我々人類が、怪獣どもから\\n 世界を取り戻すための大きな一歩となるだろうッ!」",
"351000511_9": "「す、すごい気合いの入りようですね……」",
"351000511_10": "「少し、怖いような……」",
"351000511_11": "「そりゃそうだろ。新兵器、Zバスターが完成したって、\\n 兵士たちの士気も上がってるんだ」",
"351000511_12": "「司令は本当に今日で決着をつけるつもりだ。\\n リアムもこの日を待っていたからな、いないのが残念だよ」",
"351000511_13": "「…………」",
"351000511_14": "「おい、大丈夫か?」",
"351000511_15": "「あ、ああ……大丈夫だ」",
"351000511_16": "「あたしたちや作戦部隊は本当に安全なんだよな?」",
"351000511_17": "「使用時には全部隊へ避難命令が出るから大丈夫だ。\\n Zバスターの効果範囲も正確に計算されているからな」",
"351000511_18": "「本当に、君らには頼りっぱなしで悪いけど、\\n 作戦の方、頼むよ」",
"351000511_19": "「えーと、Zバスター発射の準備を整えている間に、\\n わたしたちが目標地点にギャオスやジズをおびき出す……」",
"351000511_20": "「わたしたちは囮であり、殿でもある。\\n ということですね」",
"351000511_21": "「作戦の成功確率を上げるため、被害を最小限に抑えるため、\\n わたしたちに託すということだったな」",
"351000511_22": "「ああ、バッチリだ」",
"351000511_23": "「……」",
"351000511_24": "「緊張してるの?」",
"351000511_25": "「あたしはまだ怪獣の力を纏えていないからな。\\n 戦闘要員として、どこまで役に立てるかわからない……」",
"351000511_26": "「難しければ、砦の防衛にも回れるが、どうする?」",
"351000511_27": "「はん、冗談も大概にしやがれ。\\n あたし人だけお留守番なんてまっぴらごめんだ」",
"351000511_28": "(仲間だけを危険な目に遭わせることなんて、\\n できるかよッ!)",
"351000511_29": "「わたしもちゃんとサポートで同行するからね」",
"351000511_30": "「お前こそ砦に戻ってろよッ!」",
"351000511_31": "「怪獣の知識は誰にも負けないんだから。\\n いざっていう時、必要になるかもしれないよ?」",
"351000511_32": "「…………」",
"351000511_33": "「大丈夫、戦場からは少し離れた場所にいるよ。\\n 何かあった時、伝言は他の誰かに任せるから」",
"351000511_34": "「……お前は危なっかしいところがある。\\n あんまり無茶はすんなよ」",
"351000511_35": "「うんッ!」",
"351000511_36": "「――これより作戦を開始する。全隊、進行せよッ!\\n 目標地点、ギャオス営巣地ポイントZッ!」",
"351000511_37": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"351000512_0": "――12月5日 12:00――",
"351000512_1": "――ポイントZ(旧都庁跡地)付近――",
"351000512_2": "「わたしたちの目的はギャオスの撃破ではない。\\n 皆、絶対に深追いはするなッ!」",
"351000512_3": "「はいッ!」",
"351000512_4": "「みなさん、下がってください。\\n わたしが攻撃を防ぎますッ!」",
"351000512_5": "「助かったッ!」",
"351000512_6": "「いえ、今のうちに追撃をッ!」",
"351000512_7": "「次から次へと湧いてきやがるッ!\\n こんなのどこを狙っても当たるじゃねえかッ!」",
"351000512_8": "「クリス、あんまり乱射したら、\\n 流れ弾がどこにいくかわからないよッ!」",
"351000512_9": "「バカにすんなよッ!\\n どれだけ数がいようが、全弾狙い撃ちだッ!」",
"351000512_10": "(くッ、今のあたしの出力じゃやっぱり決定打にならねえか。\\n だったらッ!)",
"351000512_11": "「できるだけ怪獣どものヘイトを、あたしに集めるッ!」",
"351000512_12": "「雪音ッ!」",
"351000512_13": "「今だ、先輩ッ! ぶった斬れッ!」",
"351000512_14": "「相変わらず無茶を言う。\\n だが、この並びなら、わたしの一閃でッ!」",
"351000512_15": "「よし、この調子で集めてくるから、\\n 叩き落とすのはそっちに任せるぞッ!」",
"351000512_16": "「わかった、でも気を付けてね」",
"351000512_17": "「ああッ!」"
}

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@ -0,0 +1,30 @@
{
"351000521_0": "――12月5日 13:00――",
"351000521_1": "――Zバスター発射ポイント――",
"351000521_2": "(なんであんな風に戦えるんだ……。\\n 相手は人を喰う怪獣だぞ、怖くないのか?)",
"351000521_3": "(自分の世界へ帰るため?\\n そのために命を懸けてるのか……)",
"351000521_4": "(あんな少女たちが……)",
"351000521_5": "「アレックス隊長、どうしましたか?」",
"351000521_6": "「……いや、なんでもない」",
"351000521_7": "「この信管をセットすれば、準備のほとんどは完了です」",
"351000521_8": "「わかった。俺がやる」",
"351000521_9": "「どうぞ」",
"351000521_10": "(俺には、彼女たちのような力はない……。\\n 兄貴のような勇敢さも……)",
"351000521_11": "(だったら俺にできることをするしかないじゃないかッ!\\n この『核』を、ギャオスの巣に打ち込んでやるッ!)",
"351000521_12": "「くッ……」",
"351000521_13": "(……本当にいいのか?\\n この判断は正しいのか……)",
"351000521_14": "(核は、星を蝕む最悪の兵器……。\\n 昔、兄貴はそう言っていた)",
"351000521_15": "(核を使わせないために、\\n 自分やガメラが戦うのだとも言っていた……)",
"351000521_16": "(俺は……どうすればいい?)",
"351000521_17": "「アレックス、手が止まっているぞ。\\n どうした?」",
"351000521_18": "「八坂司令ッ!?」",
"351000521_19": "「念願を果たす時だ。緊張する気持ちはわかる」",
"351000521_20": "「だが、わかっているな?\\n ミスは許されないぞ」",
"351000521_21": "「はい」",
"351000521_22": "(そうだ、これで戦況が変わる。\\n 八坂司令の言う通りにしておけば……)",
"351000521_23": "「八坂司令は、人類のことを第一に考えている立派な司令だ。\\n あの人についていけば間違いない」",
"351000521_24": "「そうなのか……?」",
"351000521_25": "「だとしても、本当にそれが正しいかの判断は、\\n 自分自身ですべきだな」",
"351000521_26": "「……俺自身で?」",
"351000521_27": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,26 @@
{
"351000522_0": "「まだZバスターの準備は終わらないんですかッ!?」",
"351000522_1": "「恐らくなッ! 準備ができたら、\\n 人類戦線から通信が入るはずだッ!」",
"351000522_2": "「だがッ! これだけの数だ……、\\n 新たなギアの力を持ってしてもいつまで耐えられるか……」",
"351000522_3": "「はぁ、はぁ……」",
"351000522_4": "「辛いなら、ちょっと下がってろ。\\n ぶっ倒れても、護ってやれる状況じゃないからな」",
"351000522_5": "「だ、大丈夫です、まだやれますッ!」",
"351000522_6": "「その意気があるなら大丈夫だ。\\n もうひと踏ん張りするぞッ!」",
"351000522_7": "「はいッ!」",
"351000522_8": "(とは言ったものの、さすがにヤバいか……)",
"351000522_9": "「なんだッ!?」",
"351000522_10": "「あれは、人類戦線の兵士さんたち?」",
"351000522_11": "「なぜこんな前にッ!」",
"351000522_12": "「お前ら、何やってんだッ!\\n 殺されるぞッ!」",
"351000522_13": "「俺たちも、お前たちと一緒に戦わせてもらう」",
"351000522_14": "「俺の娘と同じ年頃の子が前戦で戦っているのに、\\n それを放って帰ったら、俺は娘に会わす顔がない」",
"351000522_15": "「なーに、自分たちのできることは把握している。\\n 君たちの後ろから、みっともないエスコートをさせてもらう」",
"351000522_16": "「みなさん……」",
"351000522_17": "「くそッ! わかったよ。\\n だけど、絶対に死ぬんじゃねーぞッ!」",
"351000522_18": "「当然だッ!\\n まだまだそんな予定はないッ!」",
"351000522_19": "「全くあいつらは……」",
"351000522_20": "「心強い味方が来ましたね」",
"351000522_21": "「まあな」",
"351000522_22": "「わたしたちも気を引き締めてゆくぞッ!」",
"351000522_23": "「はいッ!」"
}

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@ -0,0 +1,26 @@
{
"351000531_0": "「なんだってッ!?\\n 一部の兵士が最前線に出ただとッ!」",
"351000531_1": "「はい、自分たちも彼女たちと共に戦いたいと。\\n ……だから、俺も行ってきますッ!」",
"351000531_2": "「お、おい、待てッ!」",
"351000531_3": "「アレックス、お前にはやるべきことがあるだろうッ!」",
"351000531_4": "「くッ……」",
"351000531_5": "「それよりも、Zバスターの発射に集中しろ。\\n たった発、度きりのチャンスなんだぞ」",
"351000531_6": "(兄貴……兄貴ならどうした。\\n 自分も一緒に戦うと、ここを飛び出していったか……?)",
"351000531_7": "(世界を汚してしまった核を使うなんて許さないと、\\n 断固反対していたか……?)",
"351000531_8": "「…………」",
"351000531_9": "(本当に使ってしまっていいのか、こんなものを……ッ!)",
"351000531_10": "「アレックス」",
"351000531_11": "(俺は、俺はどうすればいい……)",
"351000531_12": "「おい、どうした。返事をしろッ!」",
"351000531_13": "(いいや、違うだろッ!\\n 決めるべきは、俺自身――)",
"351000531_14": "「……セット完了しました。\\n あとは発射コードを入力するのみです……」",
"351000531_15": "「よし、コードは私が入力する。\\n ついに奴らを焼き尽くす時がきたな……」",
"351000531_16": "「き、緊急連絡ッ!」",
"351000531_17": "「ど、どうしたッ!?」",
"351000531_18": "「じ、ジズですッ! ジズが出現しましたッ!」",
"351000531_19": "「とうとう現れたか……。\\n だが、これで奴も最後だ」",
"351000531_20": "「…………」",
"351000531_21": "「ついに出てきやがったかッ!」",
"351000531_22": "「出会わないこともちょっとは期待してたけど……」",
"351000531_23": "「だが、すべては想定の内……、\\n 行くぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,59 @@
{
"351000532_0": "「ジズ……。\\n やはり、他のギャオスとは比べ物にならない強さだッ!」",
"351000532_1": "「ぐあ――ッ!?」",
"351000532_2": "「翼さんッ!?」",
"351000532_3": "「わたしのことよりも\\n 戦線を維持することを考えろッ!」",
"351000532_4": "「は、はいッ!」",
"351000532_5": "「こちらの攻撃は当たっているはずなのに、\\n どうしてッ!」",
"351000532_6": "「堅い外皮で、攻撃が内まで通らないんだッ!\\n そもそもこれほどの質量の差では……」",
"351000532_7": "「くッ――ッ!」",
"351000532_8": "「お、おい、大丈夫かッ!?」",
"351000532_9": "「ああ、なんとかな……」",
"351000532_10": "「怪我人を後ろへ下げろッ!\\n いいか、フォーメーションは崩すなよッ!」",
"351000532_11": "「了解」",
"351000532_12": "「ジズだけじゃねえ、奴の勢いに鼓舞されて、\\n 他のギャオスまで突っ込んできやがるッ!」",
"351000532_13": "「砦からの連絡はどうなったッ!」",
"351000532_14": "「それがまだッ!」",
"351000532_15": "「何をモタモタやってんだよッ!」",
"351000532_16": "「前線の戦闘員に告ぐ。\\n これまでよくぞ耐えてくれた」",
"351000532_17": "「やっと来たかッ!」",
"351000532_18": "「発射準備は整ったッ!\\n すぐにその場から退避せよッ!」",
"351000532_19": "「よし、<ruby=しんがり>殿</ruby>はわたしたちが務める。\\n できるだけ、ギャオスやジズを抑えるぞッ!」",
"351000532_20": "「よしッ! 全員退避ッ!\\n 君たちも――」",
"351000532_21": "「いいからさっさと逃げるんだ。\\n お前たちよりあたしらのほうが足が速い」",
"351000532_22": "「わ、わかった。だが、必ず戻ってこいよッ!」",
"351000532_23": "「はい……ッ!」",
"351000532_24": "「簡単には逃がしてくれないみたい」",
"351000532_25": "「でも、隙さえ作ればッ!」",
"351000532_26": "「全員で一斉にジズを攻撃をするんだッ!」",
"351000532_27": "「わかりましたッ!」",
"351000532_28": "「落ちたッ! やったのかッ!?」",
"351000532_29": "「いや、あの程度では無理だッ!\\n だが隙はできたッ!」",
"351000532_30": "「急いで退避しましょうッ!」",
"351000532_31": "「アレックスさんにも合図を――ッ!」",
"351000532_32": "「合図が来ましたッ!\\n 各隊も予定退避地点に到達してますッ!」",
"351000532_33": "「発射コードの入力も完了した。\\n 発射スイッチは、お前が押すんだ、アレックスッ!」",
"351000532_34": "「……はい」",
"351000532_35": "「よし――、発射だッ!」",
"351000532_36": "「……」",
"351000532_37": "「アレックス、どうしたッ!? なぜスイッチを押さないッ!」",
"351000532_38": "「……ッ!」",
"351000532_39": "「早く押すんだッ!\\n それで全てが救われるんだぞッ!」",
"351000532_40": "「…………」",
"351000532_41": "「……もういい、お前には失望した。\\n 私がこの手で未来を切り開くッ!」",
"351000532_42": "「あ――ッ!?」",
"351000532_43": "「見えたッ! あのミサイルがZバスターかッ!」",
"351000532_44": "「さっき戦ってた場所に向かって\\n 真っ直ぐ飛んでいきますッ!」",
"351000532_45": "「止まるなッ!\\n 巻き込まれないように、もっと退避するぞッ!」",
"351000532_46": "「は、はいッ!」",
"351000532_47": "(Zバスターは、やっぱミサイルだったか……。\\n あの入念な準備のもと放たれたところを見ると……)",
"351000532_48": "(いや、そうと決まったわけじゃ……、\\n あいつだって……)",
"351000532_49": "「ここまで離れれば問題はないはずだ」",
"351000532_50": "「あ、あそこ……」",
"351000532_51": "「ミサイルが……落ちるッ!」",
"351000532_52": "「衝撃に備えろッ!」",
"351000532_53": "「……」",
"351000532_54": "「……」",
"351000532_55": "「……どういうことだ。\\n 落ちたはずだが、なぜ爆発しない?」",
"351000532_56": "「不発……?」"
}

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@ -0,0 +1,39 @@
{
"351000611_0": "審判の日",
"351000611_1": "「なぜ、Zバスターが起爆しないッ!?」",
"351000611_2": "「起爆しなくて当然です……」",
"351000611_3": "「貴様……何をしたッ!」",
"351000611_4": "「……最終確認の際に、\\n 俺が信管を抜いたんです……」",
"351000611_5": "「なぜそんなことを……」",
"351000611_6": "「……やはり核の使用は間違っています」",
"351000611_7": "「八坂司令もご存じのはずです」",
"351000611_8": "「この星の空を赤く染めたのは、\\n ギャオスを倒すために、乱発した核が原因だということを」",
"351000611_9": "「兄貴やガメラは、世界を護るために戦った。\\n その世界を傷つける兵器を使うなんて間違っているッ!」",
"351000611_10": "「なら人類は、ギャオスによって滅ぼされるのを\\n 待てばいいというのかッ!」",
"351000611_11": "「それは……」",
"351000611_12": "「貴様を信用した私がバカだった」",
"351000611_13": "「…………」",
"351000611_14": "「し、司令、緊急事態ですッ!」",
"351000611_15": "「今度はなんだッ!」",
"351000611_16": "「大量のギャオスがこちらに向かっていますッ!」",
"351000611_17": "「なんだとッ!?」",
"351000611_18": "「恐らく隊員たちが退避したため――」",
"351000611_19": "「理由などどうでもいい。\\n 今すぐ戦線を立て直せッ!」",
"351000611_20": "「は、はいッ!」",
"351000611_21": "「貴様への処分は全てが終わってからだ。\\n 覚悟しておけッ!」",
"351000611_22": "「……ッ!」",
"351000611_23": "「どうやらZバスターとやらは不発、\\n 作戦は失敗したようだ……」",
"351000611_24": "「……これがあいつなりの答えってわけか」",
"351000611_25": "「どういう意味?」",
"351000611_26": "「いや……なんでもない」",
"351000611_27": "「それより――」",
"351000611_28": "「ジズッ!?」",
"351000611_29": "「ジズだけじゃないッ!\\n ギャオスも大量に来るぞッ!」",
"351000611_30": "「このギャオスの数、さっきよりも増えてませんか?」",
"351000611_31": "「間違いなく増えてますッ!\\n でも、どうして――」",
"351000611_32": "「増えた理由を考えるのはあとだ。\\n 倒して倒して倒しまくれッ!」",
"351000611_33": "「先輩、ジズの相手は任せるぞ。\\n あたしの力じゃ歯が立たないどころか足手まといだ」",
"351000611_34": "「その代わり、ギャオスどもはあたしが引き受ける。\\n そっちには絶対に行かせねえッ!」",
"351000611_35": "「わかった、だが気を付けろッ!」",
"351000611_36": "「ああッ!」"
}

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@ -0,0 +1,37 @@
{
"351000621_0": "「どうなってる? このギャオスの数は異常だぞ。\\n 何度か偵察をしていたが、これほどではなかったはずだ」",
"351000621_1": "「うお――ッ!?」",
"351000621_2": "「こんなところで……くそッ!」",
"351000621_3": "「人類戦線の人たちだけじゃ、\\n この数のギャオスを相手にするのは無理ですッ!」",
"351000621_4": "「カバーしないとッ!」",
"351000621_5": "「待て、小日向ッ!」",
"351000621_6": "「きゃああ――ッ!」",
"351000621_7": "「ぐッ……、\\n 大丈夫かッ!?」",
"351000621_8": "「はい、でもこれじゃ、人類戦線の人たちが……。\\n クリスは大丈夫かな……」",
"351000621_9": "「大丈夫だと信じるしかない……」",
"351000621_10": "「しかし、この状況は……。\\n 一旦退いて、態勢を立て直すべきだッ!」",
"351000621_11": "「それはできないッ!」",
"351000621_12": "「そんな意地を張ってる状況ではッ!」",
"351000621_13": "「意地などではないッ!\\n 俺たちが退けば、このギャオスの群れはどうなる?」",
"351000621_14": "「砦に向かうことは目に見えてるだろッ!」",
"351000621_15": "「あそこには俺たちの家族や仲間……、\\n 戦えない病人、怪我人がいるんだッ!」",
"351000621_16": "「自らの命を犠牲にするつもりか……ッ!」",
"351000621_17": "「俺たちは人類戦線の一員だッ!\\n 未来のため、人類のために戦い続けるッ!」",
"351000621_18": "「これが、この人たちの覚悟なの……」",
"351000621_19": "「はぁ、はぁ……、\\n 騙し騙し戦うのもそろそろ限界だな……」",
"351000621_20": "「だけど、だいぶギャオスの群れとジズを引き離せたな……」",
"351000621_21": "「……ん? なんだ、この先の空間は。\\n アイツらの巣の真下だよな……?」",
"351000621_22": "「奥からギャオスの声が聞こえる……」",
"351000621_23": "「なッ!? なんだよ、これは……ッ!?」",
"351000621_24": "「巨大な卵……? 床や壁、そこら中に……。\\n ……これはまさか……」",
"351000621_25": "「ギャオスが生まれたッ!?\\n やっぱり、ここにある卵、全部アイツらのかよッ!」",
"351000621_26": "「生まれたばかりの奴はまだ小さい……。\\n 今のうちに仕留めてやる」",
"351000621_27": "「悪く思うなよ……」",
"351000621_28": "「嘘だろッ!? もうでかくなりやがった。\\n 成長スピードが早いってレベルじゃないぞッ!」",
"351000621_29": "「もし、ここにある卵がすべて孵化して……、\\n 一斉に襲いかかってきたとしたら……」",
"351000621_30": "「……ダメだッ! あたしらだけで倒せるわけがないッ!\\n いくらなんでも、でたらめすぎる……」",
"351000621_31": "「……やっぱり、\\n Zバスターで焼き尽くすべきだったのか……?」",
"351000621_32": "「まずい、見つかったかッ!」",
"351000621_33": "「こんなところで戦ってたら命がいくつあっても\\n 足りねえぞッ!」",
"351000621_34": "「早く戻ってみんなに伝えないとッ!」"
}

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@ -0,0 +1,24 @@
{
"351000622_0": "「どこまで追ってくる気だッ!\\n いい加減諦めやがれッ!」",
"351000622_1": "「よしッ! 先輩たちが見えてきたッ!」",
"351000622_2": "「雪音ッ!」",
"351000622_3": "「無事だったんだね、よかった……」",
"351000622_4": "「ジズの野郎は……まだピンピンしてやがるな……」",
"351000622_5": "「なんとか戦線は維持できていますが、\\n 足止めするのが精一杯で……」",
"351000622_6": "「人類戦線のやつらは?」",
"351000622_7": "「……彼らもかろうじて耐えてはいるようだが、\\n 長くは持たないだろう」",
"351000622_8": "「くッ……」",
"351000622_9": "「ギャオスも減るどころか増えてきてる。\\n もう、わたしたちの力でも対処しきれなくなりそうだよ」",
"351000622_10": "「……ここの地下で無数の卵を見た。\\n 奴らが増えたのはそれが孵ったからだ」",
"351000622_11": "「え? じゃあ……」",
"351000622_12": "「こんなもんじゃない……。\\n 奴らはまだまだ湧いてくるぞッ!」",
"351000622_13": "「……嘘」",
"351000622_14": "「もはや、ここまでか……」",
"351000622_15": "「じゃあ人類は、もう……」",
"351000622_16": "「ふざけんなッ!」",
"351000622_17": "「死んでたまるか……こんなところで……」",
"351000622_18": "「俺は……、あいつに……、プレゼントするんだ。\\n 少しでも平和な世界を……」",
"351000622_19": "「プレゼント……?」",
"351000622_20": "「それまで、死んで……たまるか……。\\n 俺は……、絶対に、諦めないぞ……」",
"351000622_21": "「……そうだ。諦めてたまるかッ!\\n あたしは、絶対に諦めねーぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,56 @@
{
"351000631_0": "「ぐあああ――ッ!」",
"351000631_1": "「撤退だッ! 撤退しろッ!」",
"351000631_2": "「撤退って言われても、後ろにもギャオスが――ッ!?」",
"351000631_3": "「がは……、ここまでか……」",
"351000631_4": "「おいッ! しっかり――」",
"351000631_5": "「ぎゃあああ――ッ!」",
"351000631_6": "「人類戦線の人たちが――」",
"351000631_7": "「はあ、はあ、はあ……、\\n 全く、終わりが見えない……」",
"351000631_8": "「このまま、みんなやられちゃうのかな……?」",
"351000631_9": "「死んでたまるか、諦めてたまるかッ!」",
"351000631_10": "「もう、あいつみたいな犠牲者は出したくねえのにッ!」",
"351000631_11": "「ガメラッ! あたしに力を貸してくれッ!」",
"351000631_12": "「…………」",
"351000631_13": "(くそッ! どうしてガメラは応えないッ!?\\n あたしに力を貸してくれないッ!?)",
"351000631_14": "(あたしが、弱いからなのか……)",
"351000631_15": "「ギャオスが、ギャオスが――ッ!\\n ぐああ――ッ!」",
"351000631_16": "「こんなの無理じゃないかッ!\\n 全滅しちまうッ!」",
"351000631_17": "「…………」",
"351000631_18": "「うおおおおお――ッ!」",
"351000631_19": "「Gatrandis babel ziggurat edenal――」",
"351000631_20": "「なッ!? 絶唱ッ!?\\n 雪音――」",
"351000631_21": "「クリスッ! そんな身体で絶唱したら――ッ!」",
"351000631_22": "「雪音さん……」",
"351000631_23": "(もうこれ以上、\\n 悲しむ人が増えるのには耐えられねえんだよッ!)",
"351000631_24": "「Emustolronzen fine el baral zizzl――」",
"351000631_25": "「クリス、ダメッ!」",
"351000631_26": "「……そんなこと、させませんッ!」",
"351000631_27": "「風鳴さん、小日向さんッ!\\n わたしたちも絶唱を――」",
"351000631_28": "「えッ!?」",
"351000631_29": "「考えている時間はないッ! セレナを信じるんだッ!」",
"351000631_30": "(姉さん、わたしに力を貸してッ!)",
"351000631_31": "「はああああ――ッ!」",
"351000631_32": "(雪音さんの、みなさんの……絶唱のエネルギー負荷を――ッ!)",
"351000631_33": "「はあ、はあ、はあ……」",
"351000631_34": "「クリス、大丈夫ッ!?」",
"351000631_35": "「ああ、なんとかな……」",
"351000631_36": "「ん? だけど、なんでだ?\\n やけに絶唱のダメージが少ないぞ」",
"351000631_37": "「セレナに感謝するんだな。\\n 雪音が無事なのは、彼女のおかげだ」",
"351000631_38": "「なんだって?」",
"351000631_39": "「わたしたちも一緒に絶唱して、\\n その負荷をセレナちゃんが分散させたんだよ」",
"351000631_40": "「はい、アガートラームの絶唱特性、ベクトル操作で。\\n 土壇場でしたが、上手くいってよかったです」",
"351000631_41": "「そうだったのか……、ありがとな」",
"351000631_42": "「いえ、無事で何よりです」",
"351000631_43": "「それにしても雪音、\\n まさか死ぬつもりだったのではないだろうな?」",
"351000631_44": "「そんなわけあるかッ!\\n まあ、ちょっとばかし怪我する覚悟はしてたけどよ」",
"351000631_45": "「雪音は本当に無茶をする……」",
"351000631_46": "「それよりも――」",
"351000631_47": "「今の絶唱で、ジズとギャオスも倒せたのかな?」",
"351000631_48": "「ギャオスを全滅させることはさすがに無理だったが、\\n これで戦況はかなり変わるだろう」",
"351000631_49": "「あのデカブツを墜とせたんなら、\\n 無茶をした甲斐があったってもんだ」",
"351000631_50": "「はい、ですが――」",
"351000631_51": "「ああ、我々の体力も限界だな」",
"351000631_52": "「流石に、疲れました……」",
"351000631_53": "(だけど、まだ終わりじゃない……)"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"351000641_0": "「お、おい、アレを見たか。\\n 彼女たちがジズを倒したぞッ!」",
"351000641_1": "「や、やった、俺たちは勝ったんだッ!」",
"351000641_2": "「よっしゃああッ!\\n ついにポイントZの主を倒したんだッ!」",
"351000641_3": "「これで……俺たち人類にも、\\n ようやく希望が――」",
"351000641_4": "「い、今の声は……?」",
"351000641_5": "「ち、違うッ! そんなわけ……、\\n 今のは――ッ!」",
"351000641_6": "「ジ、ジズだあああ――ッ!?」",
"351000641_7": "「う、嘘だろ、あの攻撃を受けて、\\n まだ死んでないのかよッ!?」",
"351000641_8": "「ぐあああああ――ッ!?」",
"351000641_9": "「そ、そんな……」",
"351000641_10": "「アイツ、生きてやがったのか……」",
"351000641_11": "「早く、助けに行かないと……」",
"351000641_12": "「うッ、くッ……、\\n だ、ダメ、もう足が動かないです……」",
"351000641_13": "「絶唱でも倒せない相手だとは……」",
"351000641_14": "「取り巻きまで来やがった。\\n これもあの卵から孵った奴らか……」",
"351000641_15": "「このままじゃ大量のギャオスが砦に……」",
"351000641_16": "「もう、少しだけ、動いて……ッ!」",
"351000641_17": "「力を貸してくれ、天羽々斬――ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,15 @@
{
"351000642_0": "「くそッ! もう本当に身体が動かねー……」",
"351000642_1": "「待て、行くな……。\\n そっちには子供たちが……」",
"351000642_2": "「あたしが、護らなきゃ……。\\n 護らなきゃいけないんだ――」",
"351000642_3": "「くそおおおッ!」",
"351000642_4": "「えッ……あれは?\\n 空から何か降ってくる……?」",
"351000642_5": "「本当だ……あれって、隕石ッ!?」",
"351000642_6": "「こっちに来るぞッ!\\n ――速いッ!」",
"351000642_7": "「みんな、逃げろ――ッ!」",
"351000642_8": "「なッ!?」",
"351000642_9": "「隕石が、ジズに直撃したッ!?」",
"351000642_10": "「落ちるぞッ!」",
"351000642_11": "「衝撃に備えろッ!」",
"351000642_12": "「<size=40>うわあああああ――ッ!?</size>」"
}

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@ -0,0 +1,68 @@
{
"351000651_0": "「う、うぅ……」",
"351000651_1": "「おい、大丈夫かッ!」",
"351000651_2": "「大丈夫なわけ無いだろ……」",
"351000651_3": "「手を貸す、掴まれ」",
"351000651_4": "「悪い……一体何があったんだ?」",
"351000651_5": "「確認中だ。\\n あの落下物のせいで砂煙が酷くて」",
"351000651_6": "「……はッ!? 先輩たちはッ!」",
"351000651_7": "「心配はいらない。傍にいる」",
"351000651_8": "「どうやら全員無事だったようだな……」",
"351000651_9": "「歩くのもやっとですけど、なんとか……」",
"351000651_10": "「あの隕石はなんだったんでしょう?」",
"351000651_11": "「天が味方してくれたのかな」",
"351000651_12": "「そんな偶然があってたまるか……」",
"351000651_13": "「あのあと、ジズの姿は確認されていない。\\n 俺たちは落下物の確認へ向かう。君らはどうする?」",
"351000651_14": "「一緒に行くよ。\\n まだ、ギャオスが近くにいるかもしれないからな」",
"351000651_15": "「ああ。それに、何が起きたのか、\\n できればこの目で確認しておきたい」",
"351000651_16": "「じゃあ車両を回すとしよう。手配してくる」",
"351000651_17": "「ここが落下地点だ」",
"351000651_18": "「お、おい、見ろアレッ!」",
"351000651_19": "「ジズ、なのか……?」",
"351000651_20": "「うッ……酷い状態ですね……。\\n ギャオスの死骸もたくさん……それに、すごい臭い……」",
"351000651_21": "「隕石の直撃と落下時の衝撃であんな風に……」",
"351000651_22": "「しかし、たとえ肉塊になろうとも、\\n あの姿だけは見間違えないな」",
"351000651_23": "「ジズの死亡を確認、ギャオスの巣も完全に壊滅……」",
"351000651_24": "「……俺たち、勝ったのか?」",
"351000651_25": "「いや、待てッ! まだ生き残ったギャオスがいるぞッ!\\n 総員、戦闘準備ッ!」",
"351000651_26": "「 あれは……。\\n こちらには向かってきていないようだ」",
"351000651_27": "「なッ!? 生き残ったギャオスが\\n ジズを喰ってるのか……ッ!」",
"351000651_28": "「うッ……」",
"351000651_29": "「大丈夫ですか?」",
"351000651_30": "「すみません、ちょっと気分が……」",
"351000651_31": "「わたしも……」",
"351000651_32": "「あんなもん見せられたら仕方ねえよな……」",
"351000651_33": "「しかし、なぜ共食いなど……」",
"351000651_34": "「生存本能……」",
"351000651_35": "「奴らも生物ならば、種を継ぐために\\n 行動しているのかもしれない」",
"351000651_36": "「共食いで種を残すのか?」",
"351000651_37": "「そういえばギャオスは単為生殖だと、\\n 司令から聞いたことがあったな……」",
"351000651_38": "「色々な意味でわたしたちの想像を絶する生物なのだな」",
"351000651_39": "「あ……ギャオスが飛び去っていく……」",
"351000651_40": "「助かったのか……」",
"351000651_41": "「ああ……た、助かったんだッ!」",
"351000651_42": "「ギャオスの巣は壊滅したッ!\\n 俺たちの勝利だッ!!」",
"351000651_43": "「うおおおおお――ッ!」",
"351000651_44": "「これこそ俺たち人類に、\\n 生きろっていう天からのメッセージだッ!」",
"351000651_45": "「ざまあみろ、ギャオスどもッ!」",
"351000651_46": "「……どうやら、終わったみたいだな」",
"351000651_47": "「いや、あくまでこの戦いがだ。\\n 人類とギャオスの戦いは続くのだろう」",
"351000651_48": "「でも、今くらいは喜んでもいいですよね」",
"351000651_49": "「ああ、そうだな……」",
"351000651_50": "「これでゲートに近づけるようになりましたし、\\n わたしたちも元の世界に戻れますね」",
"351000651_51": "「……そうだな。\\n だけど――」",
"351000651_52": "「余計なお世話かもしれないけど、\\n あたしは少し復興を手伝っていきたい」",
"351000651_53": "「うん、いいと思うよ」",
"351000651_54": "「何はともあれ、まずは休息が必要だ。\\n 砦に戻って、一度――」",
"351000651_55": "「ん? なんだ、あれ?」",
"351000651_56": "「黒い波が、こっちに向かってくるような……?」",
"351000651_57": "「黒い波? なんのことを言って――」",
"351000651_58": "「……ッ! あれはッ!?」",
"351000651_59": "「おい……、あれって、\\n 人類戦線がサンプルで保管していた……」",
"351000651_60": "「れ、レギオンだあああ――ッ!?」",
"351000651_61": "「レギオンの大群だッ! こっちへ来るぞッ!」",
"351000651_62": "「皆が最後の力まで振り絞ってジズを倒し、\\n ようやく、Zポイントを制圧したというのに……」",
"351000651_63": "「ここにきて、新たな敵の出現……?\\n そんなのって……」",
"351000651_64": "「もう、わたしたちに戦う力なんて……」",
"351000651_65": "「まるで覚めない悪夢みたいだ……、\\n くそったれがッ!!」"
}

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@ -0,0 +1,28 @@
{
"351000711_0": "レギオン襲来",
"351000711_1": "――12月5日 15:00――",
"351000711_2": "――ポイントZ(旧都庁跡地)――",
"351000711_3": "「あ、あれはレギオンだッ!\\n 全隊、武器を構えろッ!」",
"351000711_4": "「なぜ、レギオンがッ!?\\n それも、これほどの数が突然どうしてッ!」",
"351000711_5": "「うわあああ――ッ!」",
"351000711_6": "「た、退却だッ!\\n この数を相手にするのは無理――」",
"351000711_7": "「ぐが――ッ!?」",
"351000711_8": "「くそッ! こいつらも群れで攻めてくるのかよッ!」",
"351000711_9": "「早く、彼女たちを避難させろ。\\n ここは俺たちが足止めするッ!」",
"351000711_10": "「バカ野郎ッ! そんなことさせられるかよッ!」",
"351000711_11": "「君たちはもう戦えないだろうッ!」",
"351000711_12": "「まだ戦えるッ!」",
"351000711_13": "「そう言いながら、疲労で足も動かせないんじゃないか?\\n 隠せてないぞ」",
"351000711_14": "「くッ!」",
"351000711_15": "「君たちは俺たちにとっての希望だ。\\n ここで死なせるわけにはいかないッ!」",
"351000711_16": "「違います。希望は、あなた方も同じです。\\n わたしたちだけ退くことはできませんッ!」",
"351000711_17": "「し、しかしッ!」",
"351000711_18": "「そういうこった。\\n 動きが鈍ったとしても、弾を撃つぐらいはできるってな」",
"351000711_19": "「少し休めましたから。わたしも戦えますッ!」",
"351000711_20": "「わたしも大丈夫ですッ!」",
"351000711_21": "「君たち……」",
"351000711_22": "「無論、わたしたちも、ここで力尽きるつもりはありません。\\n だから、急いで退却を始めてください」",
"351000711_23": "「……了解した。\\n 何度も<ruby=しんがり>殿</ruby>を任せてすまないッ!」",
"351000711_24": "「これ以上の犠牲を増やすわけにはいかない。\\n 最後の力を振り絞るんだッ!」",
"351000711_25": "「はいッ!」"
}

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@ -0,0 +1,21 @@
{
"351000712_0": "「邪魔しないでッ!」",
"351000712_1": "「個体の力はギャオスほどではないみたいですね」",
"351000712_2": "「超音波メスの干渉もないから、\\n あたしの攻撃もしっかり効くみたいだしなッ!」",
"351000712_3": "「だが、数が多い……」",
"351000712_4": "「先輩ッ!」",
"351000712_5": "「すまない、不意を突かれてしまった……ッ!」",
"351000712_6": "「いや、あの激戦の後だ。しょうがねーだろう。\\n あたしだって、もう……」",
"351000712_7": "「……なんとか、このまま逃げ切るぞッ!」",
"351000712_8": "(……なんだ、この違和感は。\\n 疲労とはまた違う、妙な感じ……)",
"351000712_9": "「はあ、はあ、はあ……」",
"351000712_10": "「……レギオン、追って来なくなりましたね」",
"351000712_11": "「奴らに縄張りがあるかはわからないが、\\n どちらにしろ助かっ――」",
"351000712_12": "「お、おいッ!?」",
"351000712_13": "「悪い、もう限界なんだ……。\\n 運ぶの、任せた、ぞ……」",
"351000712_14": "「わたしも、さすがに限界かも……」",
"351000712_15": "「すみません……」",
"351000712_16": "「……ああ、わかった。ゆっくり休んでくれ」",
"351000712_17": "「みんなー、迎えに来たよーッ!\\n 無事でよかったッ!」",
"351000712_18": "「あいつの声、久しぶりに聞いた気がするな……、\\n なんだか、気が抜けてくるわ……」"
}

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@ -0,0 +1,43 @@
{
"351000721_0": "「ん、んん……いつつ……。\\n あれ、ここは……?」",
"351000721_1": "「目が覚めた? 砦の医療テントだよ。\\n 病室は重傷者でいっぱいで、ごめんね」",
"351000721_2": "「砦……?\\n そうか、あのあとぶっ倒れたのか」",
"351000721_3": "「……クリス、ずっと起きなくて心配したよ」",
"351000721_4": "「クリス、大丈夫?」",
"351000721_5": "「よかった。みんなも無事だったんだな……」",
"351000721_6": "「医療スタッフから、全員しばらく安静にしろと言われてな」",
"351000721_7": "「それはともかく、あれからどうなったッ!?\\n 状況は――ッ!?」",
"351000721_8": "「うん、人的被害がかなり多くて。\\n 態勢を立て直すのにも、時間かかるらしいよ」",
"351000721_9": "「そんなに犠牲者が……」",
"351000721_10": "「ジズとの決戦での死傷者以外に、\\n 新しく現れたレギオンの被害も大きいんだ……」",
"351000721_11": "「あのレギオンは一体どこから来たんですか?」",
"351000721_12": "「人類戦線の斥候部隊の情報だと、\\n 落ちてきたのは隕石じゃなかったみたい」",
"351000721_13": "「隕石じゃないなら、なんなんだ?」",
"351000721_14": "「レギオンの草体だよ」",
"351000721_15": "「草体?」",
"351000721_16": "「レギオンが繁殖に使う、植物に似た生命体で、\\n いわばレギオンの巣なんだって」",
"351000721_17": "「それじゃ、そいつがあると、\\n レギオンは無限に出てくるってことかよ」",
"351000721_18": "「そういうこと」",
"351000721_19": "「でも、どうして今になって、\\n 再びレギオンが地球にやってきたんでしょうか?」",
"351000721_20": "「わたしもずっと考えてたんだけど……みんな、覚えてるよね。\\n 少し前にもレギオンと戦ったのを」",
"351000721_21": "「わたしがレギオンのギアを纏った時のことだな」",
"351000721_22": "「そう、あのレギオンだけど、死に際に空を見上げていたよね?\\n 今思えば、あの時に仲間を呼んでいたんじゃないかな」",
"351000721_23": "「確かなことまではわからないけど。\\n あの時、なんだかすごく嫌な予感がしてたんだよね……」",
"351000721_24": "「…………」",
"351000721_25": "「問題は、その草体というものが、\\n ポイントのすぐ近くにあるってことなんだ……」",
"351000721_26": "「つまり、今度はその草体とやらが、\\n ギャラルホルンのゲートを塞いでいるということか」",
"351000721_27": "「それじゃ、敵がギャオスからレギオンに変わっただけで\\n 状況はあんまり変わらないな」",
"351000721_28": "「お父さんが今、草体をどうするかって\\n 人類戦線のみんなと対策を話し合ってるよ」",
"351000721_29": "「た、大変だ、小型のレギオンが攻めてきたッ!」",
"351000721_30": "「またッ!?」",
"351000721_31": "「またとはどういうことだ」",
"351000721_32": "「あれから散発的に小型のレギオンが砦を襲ってきてるの」",
"351000721_33": "「数は多くないから、俺たちでも対処できるが、\\n 念のために避難してくれ」",
"351000721_34": "「ならば、わたしたちが行きましょう」",
"351000721_35": "「何を言ってるんだ。\\n 君たちは病み上がりだろうッ!」",
"351000721_36": "「心配する相手を間違えてないか?」",
"351000721_37": "「十分、休ませてもらいました。\\n だから、大丈夫ですよ」",
"351000721_38": "「わたしたちもみなさんを護るお手伝いをします」",
"351000721_39": "「……わかった。\\n 正直、君たちが協力してくれるのはありがたい」",
"351000721_40": "「あたしらに任せとけッ!」"
}

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@ -0,0 +1,62 @@
{
"351000722_0": "「これで、最後ッ!」",
"351000722_1": "「……なんとか防ぎきれたようだな」",
"351000722_2": "「君たちが協力してくれたからこそだ。\\n ありがとう」",
"351000722_3": "「お、終わったのか……?」",
"351000722_4": "「よかった、わたしたち助かったのね……」",
"351000722_5": "(防衛線がここまで下がっているとは……)",
"351000722_6": "「今回は助かった。\\n でも、いつまでここを守れるかわからないな……」",
"351000722_7": "「え……そうなんですか?」",
"351000722_8": "「だって、見ろよ。今戦ってた隊員の数を……。\\n しかも増える見込みはなく、減るばかりだ……」",
"351000722_9": "「……」",
"351000722_10": "「みんな、諦めちゃダメだよ。\\n きっとガメラがもうすぐ助けに来てくれるからッ!」",
"351000722_11": "「真琴ちゃん……。\\n 悪いけど、ガメラのことはもう言わないでくれないか?」",
"351000722_12": "「え、どうして? あと少しだよ。\\n あと少しでガメラが助けに――」",
"351000722_13": "「ガメラ、ガメラって、いつまで言ってんだよ……」",
"351000722_14": "「え……」",
"351000722_15": "「おい、やめろ」",
"351000722_16": "「うるさいッ! 何がガメラだッ!\\n そんなものがどこにいるっていうんだよッ!」",
"351000722_17": "「――ッ! どこかは言えないけど……、\\n でもガメラはいる、絶対に助けに来てくれるッ!」",
"351000722_18": "「だったら、なんで今、助けに来ないんだ。\\n どれだけの仲間が死んだと思ってるんだよッ!」",
"351000722_19": "「そうだッ!\\n 助けに来るんだったら、とっくに来てるはずだろ」",
"351000722_20": "「そ、それは……」",
"351000722_21": "「真琴ちゃん、君がガメラを信じるのは構わない。\\n しかし、ありもしない希望を、俺たちに押し付けないでくれ」",
"351000722_22": "「わ、わたしは……」",
"351000722_23": "「俺だって最初は信じてたよ。\\n 子供の頃に聞かされたガメラのことを」",
"351000722_24": "「だけど、目の前で死んでいく仲間たちを見るうちにわかったよ。\\n そんなものは、とっくにいなくなったんだってなッ!」",
"351000722_25": "「私の夫だって戦いの中で死んだわ。\\n でも、あなたの言うガメラは助けに来なかったじゃないッ!」",
"351000722_26": "「ガメラは……」",
"351000722_27": "「ガメラがなんだッ! そんなわけのわかんないものを\\n 信じるから、こんな目に遭うんだよッ!」",
"351000722_28": "「司令の娘だからって、好き勝手にふるまってッ!\\n あの人を返してよッ!」",
"351000722_29": "「ご、ごめんなさい……」",
"351000722_30": "「やめろ……」",
"351000722_31": "「君は……。君からも言ってやってくれ。\\n ガメラなんて――」",
"351000722_32": "「ガメラは来る。あたしもそう信じてる」",
"351000722_33": "「…………」",
"351000722_34": "「なんだって……?」",
"351000722_35": "「君たちだって、あんなボロボロになるまで戦っているのに、\\n ガメラは現れないんだぞッ! どうして信じれる」",
"351000722_36": "「大変な状況なのはわかります。\\n でも、この子に当たるのは間違ってますッ!」",
"351000722_37": "「真琴さんは、みなさんを勇気づけるために言ったんですよ。\\n それを、こんなのあんまりです……」",
"351000722_38": "「くッ……」",
"351000722_39": "「…………」",
"351000722_40": "「……ほら、行くぞ」",
"351000722_41": "「う、うん……」",
"351000722_42": "「…………」",
"351000722_43": "「災難だったな。\\n だけどよ――」",
"351000722_44": "「わかってるよー。誰も悪気はないって。\\n ただ、みんなイライラしてるだけ……」",
"351000722_45": "「少しでもみんなが前向きになれたらなーって思ったんだけど。\\n 失敗しちゃった」",
"351000722_46": "「真琴さん……」",
"351000722_47": "「ああー、早くガメラ来てくれないかなー」",
"351000722_48": "「お前は、それでいい」",
"351000722_49": "「え?」",
"351000722_50": "「ガメラを信じ続けろ。あいつは必ず来てくれるッ!」",
"351000722_51": "「いやいやー、\\n そんな当たり前のこと言われなくても、わかってるよー」",
"351000722_52": "「フフ、真琴ちゃんは本当にすごいね」",
"351000722_53": "「はい、真琴さんはすごいです」",
"351000722_54": "「えー、何がー?」",
"351000722_55": "「…………」",
"351000722_56": "「ん? 先輩どうかしたのか?\\n なんか、顔色が悪そうだけど……」",
"351000722_57": "「そ、そうか?\\n 特に何もないが……」",
"351000722_58": "「まあ、あんな戦いの後だし、しょうがないか」",
"351000722_59": "(なんだ……この感覚は……。\\n 何か、違和感が広がって行くような……)"
}

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@ -0,0 +1,66 @@
{
"351000731_0": "「さて、頭は冷えたか?」",
"351000731_1": "「……」",
"351000731_2": "「結果的にギャオスの巣が潰され、\\n ジズが倒れたまではよかったが……」",
"351000731_3": "「だが、次はレギオンが\\n 新たな脅威となってしまった」",
"351000731_4": "「……アレックス、貴様には失望した。\\n 今後一切、我々の作戦に参加するな」",
"351000731_5": "「…………」",
"351000731_6": "「拘束しないんですか?\\n 規定の罰則では確か……」",
"351000731_7": "「これは慈悲だ……と言いたいところだが、\\n 今の我々にはそんな余裕もない」",
"351000731_8": "「せいぜい雑用にでも励むんだな」",
"351000731_9": "「……」",
"351000731_10": "「何か申し開きはないのか?」",
"351000731_11": "「……命令違反をしたことは謝ります。\\n ですが俺は、間違ったことをしたとは思っていません」",
"351000731_12": "「……ッ!",
"351000731_13": " 貴様の顔は見たくない。消えろ」",
"351000731_14": "「はい……、失礼します」",
"351000731_15": "「……」",
"351000731_16": "「アレックス、ここにいたのー」",
"351000731_17": "「またしけた面してるな」",
"351000731_18": "「…………」",
"351000731_19": "「今回は、何をやったんだ?」",
"351000731_20": "「人類存亡をかけた重大任務をぶち壊した。\\n 俺の独断でな……」",
"351000731_21": "「おお、アレックスらしからぬ、\\n すごい思い切ったことをしたねー」",
"351000731_22": "「じゃあ、あのZバスターってやつが起爆しなかったのは、\\n やっぱり、お前が原因だったのか」",
"351000731_23": "「あれ? でもお父さんは機材のチェックミスだって\\n 言っていたような……」",
"351000731_24": "「きっと兵士たちの士気を意識したんだろ」",
"351000731_25": "「隊長の俺が反逆まがいなことをやらかしたなんて\\n 他の兵士たちに知られたらどうなるか……」",
"351000731_26": "「要約すると、\\n つまりは、あのおっさんの出鼻をくじいたってことだな」",
"351000731_27": "「まあ、そうも言えるか……」",
"351000731_28": "「なあ、教えてくれないか。\\n あの新兵器……Zバスターについて」",
"351000731_29": "「…………」",
"351000731_30": "「新兵器の正体は、やっぱり核だったのか……」",
"351000731_31": "「……ああ」",
"351000731_32": "(知らなかった……。\\n お父さん、核を使おうとしていたなんて……)",
"351000731_33": "「あんたのこと、見直したよ」",
"351000731_34": "「は?」",
"351000731_35": "「この間までのあんたは、なんつーか、あのおっさんの命令を\\n ただ忠実に実行するだけのロボットみたいに思えてたんだ」",
"351000731_36": "「それがあの土壇場で、自分で考えて、行動したんだろ?」",
"351000731_37": "「それは、そうだけど……。\\n でも、そのせいで、君たちにきつい戦いを強いてしまった」",
"351000731_38": "「それに、人類戦線の兵士たちにも……」",
"351000731_39": "「核は使っちゃ絶対ダメだよッ!!」",
"351000731_40": "「うおッ! びっくりしたッ!\\n 急に叫ぶなよ」",
"351000731_41": "「あ、ごめんごめん。\\n でも、核は絶対にダメなの」",
"351000731_42": "「ダメなのはわかるけど……、なんかあるのか?」",
"351000731_43": "「……わからないけど、核は、絶対にダメ……。\\n ガメラが、悲しんじゃう……」",
"351000731_44": "「ガメラが、悲しむ……?」",
"351000731_45": "「……ガメラもこの星がこれ以上汚染されるのは嫌なのかもな」",
"351000731_46": "「…………」",
"351000731_47": "「あんたはこれからどうするんだ?\\n 隊長じゃなくなったんだろう」",
"351000731_48": "「あの戦闘機にでも乗って戦うか?」",
"351000731_49": "「戦闘機に乗る……か……。\\n それは無理だ……」",
"351000731_50": "「コクピットに入ろうとすると、身体が震えて動かなくなるんだ。\\n 俺はもう、戦闘機には乗れない……」",
"351000731_51": "「…………」",
"351000731_52": "「俺なりに、やれることを探すよ」",
"351000731_53": "「……そっか」",
"351000731_54": "「隊長、ここにいたんですね。\\n 緊急の報告があって、探していたんです」",
"351000731_55": "「俺を? だが、俺は作戦から外されて……。\\n それにもう隊長では――」",
"351000731_56": "「これは作戦ではなく報告なので問題ありませんよ」",
"351000731_57": "「お前……」",
"351000731_58": "「それで先程、2度目の斥候部隊が戻ってきたんですが\\n 草体の周りに大量のレギオンが出現したとのことです」",
"351000731_59": "「まさか本格的に地球を侵略するつもりなんじゃ……」",
"351000731_60": "「これから砦で対策を練るのですが、\\n 今のうちに隊長から何か助言をいただこうと」",
"351000731_61": "「そう言われてもな。\\n 対策を練るにしても相手の特性がわからなければ――」",
"351000731_62": "「な、なんだ、今の音はッ!?」",
"351000731_63": "「爆発音……レギオンがもう攻めてきたのかッ!」"
}

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@ -0,0 +1,52 @@
{
"351000741_0": "「爆発は、あそこかッ!」",
"351000741_1": "「あッ! 今、大きな音がして……」",
"351000741_2": "「わかってる。行くぞッ!」",
"351000741_3": "「爆発があったのはこの辺りだなッ!」",
"351000741_4": "「なッ!?\\n 車が炎上してるじゃねえかッ!」",
"351000741_5": "「……」",
"351000741_6": "「ギアを纏って、どうしたんだ先輩?\\n まさか、レギオンが攻めてきたのかッ!?」",
"351000741_7": "「待て、近づくなッ! 燃えている装甲車の傷、\\n アレはシンフォギアによって……」",
"351000741_8": "「それじゃ……」",
"351000741_9": "「……」",
"351000741_10": "「風鳴さん……?」",
"351000741_11": "「あの人に近づかないでッ!」",
"351000741_12": "「なに?」",
"351000741_13": "「嫌な予感がするよ」",
"351000741_14": "「クリス、今の爆発は何ッ!?」",
"351000741_15": "「……あたしよりも先輩に聞いたほうがよさそうだ」",
"351000741_16": "「え? それって……」",
"351000741_17": "「お前たち、わたしに、近づく、な……ッ!」",
"351000741_18": "「どういうことなんだよッ!?」",
"351000741_19": "「身体が、言うことを、聞かない……。\\n このままでは、お前たちを、斬って……」",
"351000741_20": "「ギアが暴走してるッ!?」",
"351000741_21": "「ぐッ……ガアアア――ッ!\\n わたしを、止めろ……まだ、意識がある、うちに……」",
"351000741_22": "「そんな……」",
"351000741_23": "「頼む、誰かを、傷つける、前に……ッ!」",
"351000741_24": "「……翼さん、落ち着いてください。\\n きっと大丈夫ですから」",
"351000741_25": "「がああああ――ッ!\\n 逃げろッ――」",
"351000741_26": "「きゃッ!」",
"351000741_27": "「す、すまない……わたしはなんてことを……、\\n 頼む……もう自分ではどうすることも……」",
"351000741_28": "「わたしは大丈夫です。かすり傷ですから」",
"351000741_29": "「一体何が起きてやがんだッ!?」",
"351000741_30": "「レギオンだよ。\\n レギオンに乗っ取られそうになってる」",
"351000741_31": "「そんな……」",
"351000741_32": "「先輩、気をしっかり持てッ!」",
"351000741_33": "「翼さんッ!」",
"351000741_34": "「彼女は、もうダメだってのか……?」",
"351000741_35": "「いや、先輩なら大丈夫だッ!」",
"351000741_36": "「だがッ!」",
"351000741_37": "「あたしの知ってる先輩は、\\n こんなんに屈するような先輩じゃないッ!」",
"351000741_38": "「そうだよ。\\n もっと大変な戦いを潜り抜けてきてるんだからッ!」",
"351000741_39": "「くッ……、そうだな……その通りだ。\\n この程度、大したことはない……」",
"351000741_40": "「風鳴さん……」",
"351000741_41": "「わたしは……、この衝動を抑え込むことに集中する。\\n その間、身体が勝手に動くかもしれない……」",
"351000741_42": "「任せろ、先輩。\\n あたしらが受け止めてやるッ!」",
"351000741_43": "「はいッ!」",
"351000741_44": "(本当に、なんなんだこの子たちは……)",
"351000741_45": "「あの……、人が来ないように手配をお願いできますか?」",
"351000741_46": "「あ、ああ、そっちは任せろ。\\n 人払いしておく。だが、そんなに長い時間は誤魔化せないぞ」",
"351000741_47": "「ありがとうございます」",
"351000741_48": "「では……、頼んだぞッ!」",
"351000741_49": "「ああ、来い、先輩ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"351000742_0": "「わたしの身体を好き勝手させて、\\n なるものかあああッ!」",
"351000742_1": "「よし、ギアが解けたッ!」",
"351000742_2": "「翼さんッ!」",
"351000742_3": "「はあ、はあ、はあ……大丈夫だ」",
"351000742_4": "「心配をかけてしまったな。\\n 恐らく、抑え込めたと思う」",
"351000742_5": "「よかったです……」",
"351000742_6": "「翼さんならできるって信じてました」",
"351000742_7": "「デュオレリックによる聖遺物の反発が\\n 遅れてきたってことか……?」",
"351000742_8": "「でも、どうして急に……」",
"351000742_9": "「たぶんだけど、草体が降ってきたから、\\n レギオンの残滓に多少なりとも影響したのかも……」",
"351000742_10": "「……なるほど。\\n レギオンとの戦いで覚えた違和感はそれが原因か」",
"351000742_11": "「詳しいことは調べてみないとわからない。\\n レギオンも、あなたたちの装備も未知数だからねー」",
"351000742_12": "「また暴走してしまう可能性もあるわけか」",
"351000742_13": "「先輩なら何度だって抑え込められるさ、\\n それに、あたしたちもいるしな」",
"351000742_14": "「わたしもそう思います」",
"351000742_15": "「ああ……みんなの想いに誓って、\\n 何度だって必ず抑えてみせる……ッ!」",
"351000742_16": "「あとはこの騒ぎをどうするかですけど……」",
"351000742_17": "「それなら心配しなくていい。\\n 俺のほうでなんとかできそうだ」",
"351000742_18": "「本当か?」",
"351000742_19": "「隊員に協力してもらってな。先の戦闘による損傷が原因で、\\n 装甲車が爆発したということにした」",
"351000742_20": "「消火作業を君たちに手伝ってもらったという話になっているので、\\n 口裏を合わせてくれ」",
"351000742_21": "「ありがとうございます」",
"351000742_22": "「大変だッ!」",
"351000742_23": "「今、斥候部隊から草体が急激に成長していると連絡がッ!」",
"351000742_24": "「なんだとッ!?」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"351000751_0": "「過去の資料を見るまでもない、私も経験している。\\n 草体の危険性、その恐ろしさを」",
"351000751_1": "「早急に対処しなければ、草体が花を咲かせ、\\n 種子の発射に伴う酸素爆発で周辺が消滅することになる」",
"351000751_2": "「消滅ッ!?」",
"351000751_3": "「かつて私は、草体の爆発で、\\n 仙台が消滅したのをこの目で見た」",
"351000751_4": "「その時の爆破範囲は、6キロ四方だったと聞いている」",
"351000751_5": "「範囲が6キロ四方なら、ここは大丈夫ですよね?\\n この砦は、キロ以上は離れてますし……」",
"351000751_6": "「そうとは言えない、あの草体は、\\n 仙台で見たそれよりも大きいように思える」",
"351000751_7": "「爆発範囲を6キロと決めつけるのは危険だ」",
"351000751_8": "「じゃあ、花が咲いたらここも……」",
"351000751_9": "「砦を放棄して逃げる策もあるが、\\n 我々に多くの傷病者を輸送する手段はない」",
"351000751_10": "「何より、レギオンがいつ砦に押し寄せてくるか\\n わからない状況で、輸送のために戦力を割く余裕は無い」",
"351000751_11": "「さらに悪いことに、\\n 斥候によればギャオスの姿も確認されたという……」",
"351000751_12": "「こんな時にアイツら……ッ!」",
"351000751_13": "「私たちには草体を破壊できるほどの火力はない。\\n そもそも、近づくことすらできないだろう」",
"351000751_14": "「わたしたちもレギオンの群れを突破して、\\n 草体を破壊するのは至難の業だと思う」",
"351000751_15": "「おまけに、ギャオスもいるんだよね……」",
"351000751_16": "「Zバスターも使えない……」",
"351000751_17": "「くッ……、\\n 何か少しでも我々が生き残る術を見つけねば……」",
"351000751_18": "「失礼しますッ! 司令ッ!」",
"351000751_19": "「レギオンですッ!\\n レギオンが、砦に向かって来てますッ!」",
"351000751_20": "「それだけじゃありません、\\n ギャオスも確認されていますッ!」",
"351000751_21": "「ついに来たか……」",
"351000751_22": "「……」",
"351000751_23": "「……大丈夫」",
"351000751_24": "「きっと、ガメラが来てくれるから……」"
}

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@ -0,0 +1,16 @@
{
"351000811_0": "星の守護者",
"351000811_1": "「こっちは爆発しそうな巨大植物のことで\\n 手一杯だってのに……」",
"351000811_2": "「まさかレギオンと、\\n ギャオスが同時に襲ってくるとはな……」",
"351000811_3": "「でも仲間同士ってわけではないみたいですよ……ッ!」",
"351000811_4": "「というより、お互いを攻撃し合ってるッ!?」",
"351000811_5": "「そりゃちょうどいいッ!\\n 攻撃し合って弱ったところを叩くッ!」",
"351000811_6": "「ギャオスは任せたぞッ!\\n ソイツらは今のあたしだと相性が悪すぎるッ!」",
"351000811_7": "「ああッ!」",
"351000811_8": "「任せてッ!」",
"351000811_9": "「みなさん、危ないときは下がってください。\\n わたしたちはもう戦えますから……ッ!」",
"351000811_10": "「大丈夫だ、こちらは気にしないでくれッ!」",
"351000811_11": "「あんたらと一緒に戦うのも慣れてきたからな、\\n できる限り援護をさせてもらうッ!」",
"351000811_12": "「いい弾幕だ、あたしのも持っていけッ!」",
"351000811_13": "「残りはわずかだ、一気に仕留めるぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"351000812_0": "「電磁波を発生させる機材類はすべて停止しろッ!\\n レギオンは、電磁波を発するものを攻撃する」",
"351000812_1": "「通信でのやり取りも最低限にとどめろッ!」",
"351000812_2": "「了解です」",
"351000812_3": "「真琴、お前の研究施設には、その手の機材が多い。\\n すべて止めろッ!」",
"351000812_4": "「大丈夫だよ。もう止めてるから」",
"351000812_5": "「…………」",
"351000812_6": "「アレックス、お前はここで何をしている?」",
"351000812_7": "「八坂司令……、俺は……」",
"351000812_8": "「ただ突っ立っているだけならどこか隅の方にいろ。\\n 邪魔だ」",
"351000812_9": "「俺に……、何かできることはありませんか?」",
"351000812_10": "「忘れたのか? お前がしでかしたことを」",
"351000812_11": "「私はお前が信用できない。\\n そんなやつに任せられる仕事などないッ!」",
"351000812_12": "「くッ……」",
"351000812_13": "「どうしても何かしたいというのなら、\\n 前線で戦っている彼女たちの所へ行け」",
"351000812_14": "「だけど、俺の力じゃ……」",
"351000812_15": "「……やはりお前は腰抜けだ。\\n ろくに任務もこなせず、敵と戦う勇敢さもない」",
"351000812_16": "「今の姿を、死んだお前の兄が見たらなんて言うだろうな?」",
"351000812_17": "「…………」",
"351000812_18": "「私の前から消えろ。目障りだッ!」",
"351000812_19": "「…………」",
"351000812_20": "「アレックス、気にしない方がいいよー。\\n お父さん、いつもあんな感じだし」",
"351000812_21": "「…………」",
"351000812_22": "「大丈夫、大丈夫。\\n きっとガメラが助けに来てくれるから―」",
"351000812_23": "「そうしたらアレックスも――」",
"351000812_24": "「うるさいッ! 黙れッ!」",
"351000812_25": "「…………」",
"351000812_26": "「何がガメラだよ……」",
"351000812_27": "「俺たちがこんなにも苦しんでいるのに全く現れない。\\n ガメラなんてもういないんだよ」",
"351000812_28": "「あんなに立派だった兄貴だって、もういないんだ……」",
"351000812_29": "「アレックスは、ガメラが助けに来てくれるって、\\n 信じてないの?」",
"351000812_30": "「そんなの信じてるわけ……」",
"351000812_31": "「じゃあ、なんで――」",
"351000812_32": "「なんだよッ!」",
"351000812_33": "「なんで、ずっとあの戦闘機を整備してるの?\\n 人類戦線には、アレックス以外乗れる人いないのに」",
"351000812_34": "「それは……」",
"351000812_35": "「アレックスはさ、ずっと待ってるんじゃないの?\\n ガメラが来るのを」",
"351000812_36": "「お兄さんみたいに\\n ガメラと一緒に、空を飛べる時を」",
"351000812_37": "「…………」",
"351000812_38": "「これで最後だッ!」",
"351000812_39": "「……どうやら、両者ともにいなくなったようだな。\\n 一旦砦へ戻って休もう」",
"351000812_40": "「そうですね、少し疲れました……」",
"351000812_41": "「くッ、いつまであんな奴らと\\n 戦わないといけないんだ……」",
"351000812_42": "「このまま戦ってて、俺たち生き残れるのか……」",
"351000812_43": "「だいぶ、士気が下がってきてるみたいだな」",
"351000812_44": "「わたしたちも同じだ。\\n 心身ともに疲労が限界に近くなってきている」",
"351000812_45": "「この間にも草体は成長してるんですよね」",
"351000812_46": "「何かできることがあれば……」"
}

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@ -0,0 +1,64 @@
{
"351000821_0": "「重傷患者はこちらへ運べッ!」",
"351000821_1": "「一般の者も手が空いていたら手伝ってくれッ!」",
"351000821_2": "「わかった。俺に手伝わせてくれッ!」",
"351000821_3": "「私も包帯を巻くくらいならできるわ」",
"351000821_4": "「こっちはこっちで戦場だな……」",
"351000821_5": "「うん……」",
"351000821_6": "「お疲れさん。\\n 君たちは、こっちへ来て休んでくれ」",
"351000821_7": "「ありがとうございます」",
"351000821_8": "「飲み物持ってきたよー」",
"351000821_9": "「お姉ちゃんたち、お疲れ様ー」",
"351000821_10": "「あ、ありがとうございます」",
"351000821_11": "「この子たちも、\\n 自分にできることを探して、手伝ってくれてるんだ」",
"351000821_12": "「……そっか」",
"351000821_13": "「お姉ちゃん、これ……」",
"351000821_14": "「お、サンキューッ!",
"351000821_15": " って――」",
"351000821_16": "「お前、確か、ジョシュア……?」",
"351000821_17": "「それじゃ……。\\n お姉ちゃん、負けないでね」",
"351000821_18": "「あ、おいッ!」",
"351000821_19": "「…………」",
"351000821_20": "「あの子も頑張ってるよ。\\n 父を亡くしたばかりだっていうのに……」",
"351000821_21": "「それに、兵士たちに聞いて回ってるんだぜ」",
"351000821_22": "「聞く? 何をだ?」",
"351000821_23": "「君のことだよ。\\n 君の戦いっぷりや君が怪我してないかどうか」",
"351000821_24": "「そう、だったのか……」",
"351000821_25": "「さて、俺はもう行くよ。\\n 君たちはゆっくり身体を休めておいてくれ」",
"351000821_26": "「ああ……」",
"351000821_27": "「…………」",
"351000821_28": "「どうした雪音、やけに嬉しそうだな?」",
"351000821_29": "「せ、先輩ッ! 顔を覗くのやめてくれッ!\\n なんでもねーからッ!」",
"351000821_30": "「…………」",
"351000821_31": "「ん? あいつは……」",
"351000821_32": "「先輩、悪い。ちょっと行ってくる」",
"351000821_33": "「…………」",
"351000821_34": "「また、しけた面してんなー」",
"351000821_35": "「……君か」",
"351000821_36": "「また、なんかあったのか……?」",
"351000821_37": "「教えてくれ、\\n 君たちは……どうしてそこまで戦えるんだ」",
"351000821_38": "「……急になんだよ」",
"351000821_39": "「どうしてもわからないんだ。\\n なんでそんなになってまで戦えるのかが」",
"351000821_40": "「俺は今も、何もすることができないでいるのに……」",
"351000821_41": "「……もちろん、元の世界に帰るために戦ってる」",
"351000821_42": "「あれをどうにかしなきゃ、\\n あたしたちは全員、帰れないわけだし」",
"351000821_43": "「元の世界に帰るためか、そうだよな……」",
"351000821_44": "「だけど、例え帰れるようになったとしても、\\n あたしには、帰る前にやらなきゃいけないことがある」",
"351000821_45": "「やらなきゃいけないこと……?」",
"351000821_46": "「この飲み物、ジョシュアが持ってきてくれたんだ」",
"351000821_47": "「ジョシュア……? リアムの息子の?」",
"351000821_48": "「ああ、あいつはすげーやつだよ。\\n 親父さんが亡くなってつらいはずなのに」",
"351000821_49": "「もう乗り越えようと努力している」",
"351000821_50": "「あたしは、あいつがあの子にプレゼントしようとした物を、\\n 代わりにプレゼントするって決めたんだッ!」",
"351000821_51": "「プレゼント……?」",
"351000821_52": "「俺は……、あいつに……、プレゼントするんだ。\\n 少しでも平和な世界を……」",
"351000821_53": "「――ッ!?」",
"351000821_54": "「君は、そのために……」",
"351000821_55": "(リアムは、俺の部下だった……。\\n 彼がやろうとしていることは、本来は俺の仕事だ)",
"351000821_56": "(俺は、本当に何をやっているんだ……)",
"351000821_57": "(八坂司令の言う通り、\\n 今の俺を、兄貴が見たらきっと幻滅するだろうな……)",
"351000821_58": "「おい、大丈夫か……」",
"351000821_59": "「あ、ああ……」",
"351000821_60": "「なんつーか、あんまり悩むなよ」",
"351000821_61": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,69 @@
{
"351000822_0": "「ダメだ、これ以上はもたない。\\n 戦線を下げるぞッ!」",
"351000822_1": "「待て、砦は目と鼻の先だッ!\\n これ以上後退すれば、砦に被害が及ぶ可能性が出てくるッ!」",
"351000822_2": "「だが、ここに留まっても\\n 犠牲者が増えていくだけだッ!」",
"351000822_3": "「もう持ちこたえるのは限界か……ッ!」",
"351000822_4": "「最終防衛線が突破されましたッ!」",
"351000822_5": "「司令ッ!\\n 退避命令を出すなら今しかありませんッ!」",
"351000822_6": "「…………」",
"351000822_7": "(何か、何かあるはずだッ!\\n 我々、人類が生き延びる方法が……)",
"351000822_8": "「お父さん……」",
"351000822_9": "「真琴、何をしている。\\n お前は逃げろ、ここはもう……」",
"351000822_10": "「お父さん、信じて。\\n ガメラは絶対に助けに来てくれるからッ!」",
"351000822_11": "「まだそんなことを言っているのか……」",
"351000822_12": "「何を言われても、わたしは信じるって決めたの。\\n だから、最後まで諦めない……ッ!」",
"351000822_13": "「うわあああ――ッ!?」",
"351000822_14": "「雪音さんッ!? すぐに助けに――ッ!」",
"351000822_15": "「邪魔しないでッ!」",
"351000822_16": "「これじゃあ、クリスに近づけないッ!」",
"351000822_17": "「くッ、こんなところで……」",
"351000822_18": "「まずいッ! 砦にレギオンが侵入したッ!」",
"351000822_19": "「なんだとッ!?」",
"351000822_20": "「真琴ちゃんたちがッ!」",
"351000822_21": "「砦まで戻るぞッ!」",
"351000822_22": "「はいッ!」",
"351000822_23": "「くそッ! これ以上暴れられてたまるかッ!」",
"351000822_24": "「非戦闘員の避難をッ!」",
"351000822_25": "「やっているが、敵との距離が近すぎるッ!」",
"351000822_26": "「砦の防壁が破壊されたッ!?」",
"351000822_27": "「そんな、ギャオスまでッ!」",
"351000822_28": "「みなさん、早く逃げてくださいッ!」",
"351000822_29": "「くそッ! こんな時だってのに、足が震えて動かないッ!」",
"351000822_30": "「どうして俺は、こうも何もできないんだ……」",
"351000822_31": "「兄貴、俺は、どうすればいいんだ……」",
"351000822_32": "「……砦が、落ちる……」",
"351000822_33": "「大丈夫だよ」",
"351000822_34": "「真琴、まだいたのかッ!\\n 早く逃げろと言っただろうッ!」",
"351000822_35": "「…………」",
"351000822_36": "「待てッ! そっちはダメだッ! 真琴ッ!」",
"351000822_37": "「ぐああ――ッ!」",
"351000822_38": "「もうダメだ――ッ! 終わりだッ!」",
"351000822_39": "「嘘だろ……、本当に、ここまでなのかよ……」",
"351000822_40": "「あれは、真琴ちゃんッ!?」",
"351000822_41": "「あっちにはレギオンがッ!」",
"351000822_42": "「なんだとッ!」",
"351000822_43": "「…………」",
"351000822_44": "「あのバカッ! 何やってんだッ!」",
"351000822_45": "「…………」",
"351000822_46": "「おいッ! お前死ぬ気かッ!?」",
"351000822_47": "「……来る」",
"351000822_48": "「何?」",
"351000822_49": "「……ついに、来てくれた――」",
"351000822_50": "「……まさかッ!?」",
"351000822_51": "「真琴、どこへ行った……?」",
"351000822_52": "「司令ッ!」",
"351000822_53": "「今度は、なんだッ!?」",
"351000822_54": "「レーダー外から飛翔体が高速で接近していますッ!」",
"351000822_55": "「ギャオスではないのか?」",
"351000822_56": "「大きさがまるで違いますッ!\\n これは、ジズよりも巨大ですッ!」",
"351000822_57": "「この窮地にまた新たな怪獣が現れたとでもいうのかッ!?」",
"351000822_58": "「不明ですッ! 速度はマッハ3……、\\n いえ、それ以上ですッ!」",
"351000822_59": "「おい、どういうことだッ! 来たってまさかッ!」",
"351000822_60": "「そうだよッ! 来てくれたんだよッ!」",
"351000822_61": "「なんだッ!?\\n ギャオスとレギオンが吹き飛んだぞッ!」",
"351000822_62": "「アレは何――ッ!?」",
"351000822_63": "「大きい……、こっちへ降りてきますッ!」",
"351000822_64": "「レギオンが潰されて……」",
"351000822_65": "「お前は……嘘だろ……本当に来たのか……」",
"351000822_66": "「<size=40>ガメラッ!!</size>」"
}

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@ -0,0 +1,37 @@
{
"351000831_0": "「ここにきて新たな怪獣だとッ!?」",
"351000831_1": "「クリス、早く逃げてッ!」",
"351000831_2": "「今なら、わたしが助けにッ!」",
"351000831_3": "「待て、こいつを攻撃するなッ!」",
"351000831_4": "「どういうことだ?」",
"351000831_5": "「こいつだッ!\\n こいつがガメラなんだッ!」",
"351000831_6": "「そうだ、前に映像で見た巨大な……。\\n これが、本物のガメラ……」",
"351000831_7": "「す、すごい……」",
"351000831_8": "「あれだけの数を一度に蹴散らすとはッ!?」",
"351000831_9": "「これがガメラの力……」",
"351000831_10": "「あ、あれが、ガメラ……。\\n ガメラが俺たちを助けに来てくれたんだッ!」",
"351000831_11": "「本当に、本物のガメラなのかッ!\\n 来てくれたのか、俺たちのためにッ!」",
"351000831_12": "「まさか、確かにガメラだ……。\\n 信じられん……」",
"351000831_13": "「ガメラは絶対に助けに来てくれるって言ったでしょッ!\\n わたしの呼びかけに答えてくれたんだッ!」",
"351000831_14": "「ほらほら、見てよ、クリスッ!」",
"351000831_15": "「あ、ああ……」",
"351000831_16": "「もうわたしたちは大丈夫だよ。\\n だって、ガメラが来てくれたんだからッ!」",
"351000831_17": "「ガメラ……本物だ……」",
"351000831_18": "「どうして……」",
"351000831_19": "「確かにあの力、助っ人としては十分すぎるくらいだ。\\n わたしたちも負けてはいられないッ!」",
"351000831_20": "「はいッ!」",
"351000831_21": "「クリスッ!」",
"351000831_22": "「ああ、わかってる」",
"351000831_23": "「……ったく、来るのが遅すぎるんだよ。\\n でも、来てくれてよかった」",
"351000831_24": "「お前の力を貸してくれ。\\n あたしは、精一杯、援護してやるから」",
"351000831_25": "「…………」",
"351000831_26": "「言ってることが通じてんのかわからねえけど、\\n いい雄叫びだッ!」",
"351000831_27": "「だったら、たまにはあたしも……、\\n 柄じゃないが、吠えてやろうじゃねえかッ!」",
"351000831_28": "「――ッ!?\\n なんだ、ギアが変化したッ!?」",
"351000831_29": "「クリス、その姿ッ!?」",
"351000831_30": "「ああ……感じる。これがガメラの力なんだな」",
"351000831_31": "「もしかして、\\n あの時聴かせてあげたクリスの歌へのお礼かな?」",
"351000831_32": "「そうなのか……?\\n わからないけど、確かなことがつある――」",
"351000831_33": "「これなら誰にも負ける気がしねえ。\\n 全員、ぶち抜いて――いや……」",
"351000831_34": "「焼き尽くしてやるッ!!」"
}

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@ -0,0 +1,90 @@
{
"351000832_0": "「見てくださいッ!\\n ギャオスとレギオンが撤退していきますッ!」",
"351000832_1": "「本当だ、奴ら逃げていくぞッ!」",
"351000832_2": "「やった、勝ったんだッ!\\n ガメラあああッ!」",
"351000832_3": "「ガメラが俺たちを護りに来てくれたんだ」",
"351000832_4": "「本当に、本当に来てくれるなんて……」",
"351000832_5": "(ガメラ、まさか本当に来てくれるなんて……)",
"351000832_6": "「…………」",
"351000832_7": "「ガメラ、ありがとうッ!\\n ずっと待ってたよッ!」",
"351000832_8": "「ガメラ……」",
"351000832_9": "「ガメラ……怪我してる……?」",
"351000832_10": "「お、おい、どこへ行くんだッ!?」",
"351000832_11": "「戦いが終わったので、帰ったのでしょうか?」",
"351000832_12": "「いいや、ガメラが向かった先はッ!」",
"351000832_13": "「そうだ。ガメラはポイントZを目指している。\\n レギオンの草体がある場所だ」",
"351000832_14": "「確かに、まだ終わっていないんですよね。\\n あの草体をなんとかしないと」",
"351000832_15": "「お父さん、わたしたちも行こうッ!\\n ガメラと一緒にッ!」",
"351000832_16": "「……」",
"351000832_17": "「何言ってんだ、真琴ちゃん。\\n ガメラが行ったんだから、俺たちが行く理由がないだろ」",
"351000832_18": "「……え?」",
"351000832_19": "「だって、見ただろ。\\n あの力があれば草体だって倒してくれるよ」",
"351000832_20": "「それは、そうかもしれないけど……」",
"351000832_21": "「夢にまで見たガメラの復活ッ!\\n これで人類は助かるッ!」",
"351000832_22": "「ええ、あとはガメラに託しましょう」",
"351000832_23": "「今まで休んでいた分、頑張ってもらわないとな」",
"351000832_24": "「そんな、ガメラ1人に戦わせちゃ可哀想だよッ!」",
"351000832_25": "「わたしたちも戦わないとッ!\\n そうだよね、お父さんッ!」",
"351000832_26": "「……我々にはもう、戦う力が残されていない」",
"351000832_27": "「周りを見てみろ、人類戦線の今の状況を」",
"351000832_28": "「誰もが疲弊し、兵士も武器も残りわずか。\\n 今は、我々が生き残ることだけを考えるべきだ」",
"351000832_29": "「でも……ガメラ、怪我してた……。\\n なのに人で戦わせるなんて、そんなのダメだよ」",
"351000832_30": "「……司令、俺も真琴の言っていることに賛成です。\\n 我々人類も、ガメラと共に戦うべきかと……」",
"351000832_31": "「何度も言わせるな。\\n これ以上、犠牲を出すわけにはいかない」",
"351000832_32": "「……お前も兄のように命を散らすようなことは\\n したくないだろう」",
"351000832_33": "「…………」",
"351000832_34": "「……急いでここを離れる。\\n 全員準備をしろ」",
"351000832_35": "「離れる……?」",
"351000832_36": "「ガメラが草体を破壊できると決まったわけじゃない。\\n 負傷しているのなら、なおさらな……」",
"351000832_37": "「ガメラが敗北し、草体が爆発すれば、我々も無事では済まない」",
"351000832_38": "「ガメラが時間を稼いでいる間に、\\n 我々はできる限り草体から離れるんだ」",
"351000832_39": "「了解しました」",
"351000832_40": "「お父さんッ!」",
"351000832_41": "「真琴、お前も準備をしろ」",
"351000832_42": "「おい、ちょっと待てッ!」",
"351000832_43": "「さっきから聞いてればふざけたことをッ!」",
"351000832_44": "「今までガメラのことを誰も信じなかったのに、\\n いざ現れたら手のひら返して、丸投げすんのかッ!」",
"351000832_45": "「では聞くが、君は、我々にさらに犠牲を払えというのかね」",
"351000832_46": "「なんとか繋ぎ止めた命を捨てろと」",
"351000832_47": "「話をすり替えんじゃねーッ!\\n そういうことじゃねーだろッ!」",
"351000832_48": "「ガメラを見ただろッ!\\n あいつ怪我してたんだよッ!」",
"351000832_49": "「それなのに、この砦を助けるためにやってきて、\\n さらにたった人で草体へ向かって行ったんだぞッ!」",
"351000832_50": "「命を捨てて戦えなんていわねーよッ!」",
"351000832_51": "「だけど、何かガメラのためにしてやれることが\\n あるんじゃねーのかッ!」",
"351000832_52": "「…………」",
"351000832_53": "「クリス……」",
"351000832_54": "「みんな、ガメラがどうして今まで\\n 助けに来てくれなかったかわかる?」",
"351000832_55": "「わかるわけないだろッ! そんなの……」",
"351000832_56": "「ガメラは、地球上のマナを力にしてるんだよ」",
"351000832_57": "「マナ……?」",
"351000832_58": "「マナは、この地球にある生命の源。\\n エネルギーだよ」",
"351000832_59": "「昔は沢山あふれていたんだけど、\\n 今はすごく減っちゃってるの……」",
"351000832_60": "「どうして……」",
"351000832_61": "「核だよ。ギャオスを倒すために世界中で\\n 使用した核が、空を赤く染め、マナを激減させたんだ」",
"351000832_62": "「うん……」",
"351000832_63": "「だからガメラは、20年前の傷が癒えず、\\n ずっと出てこれなかったんだと思う」",
"351000832_64": "「そしてわたしたちを助けに来てくれた今もなお、\\n 傷は完全には癒えていない……」",
"351000832_65": "「わたしね。ずっと怖かったの」",
"351000832_66": "「ガメラがわたしたちのことを、\\n 嫌いになっちゃったんじゃないかって」",
"351000832_67": "「でも、ガメラは来てくれた。\\n わたしたちを見捨てなかった……」",
"351000832_68": "「わたしは、ガメラに嫌われたくない」",
"351000832_69": "「真琴……」",
"351000832_70": "「……ボクは戦うよ」",
"351000832_71": "「――ッ!? お前」",
"351000832_72": "「……ボクも、ガメラやお姉ちゃんたちと一緒にッ!」",
"351000832_73": "「ボクも戦うッ!」",
"351000832_74": "「わたしもッ!\\n だって、ガメラに嫌われたくないもんッ!」",
"351000832_75": "「お前たち……」",
"351000832_76": "「あたしは行くよ。ガメラが待ってるからなッ!」",
"351000832_77": "「お姉ちゃん……」",
"351000832_78": "「ジョシュア、お前、今日誕生日なんだろう?」",
"351000832_79": "「え? どうしてそれを……」",
"351000832_80": "「あたしとガメラで、\\n 『少しでも平和な世界』をお前にプレゼントしてやるよッ!」",
"351000832_81": "「それ、お父さんが言っていた……」",
"351000832_82": "「だから、ちゃんと生きて待ってろよッ!」",
"351000832_83": "「うん……お姉ちゃんも気を付けて」",
"351000832_84": "「雪音、行ってしまったな……」",
"351000832_85": "「それじゃ、わたしたちもッ!」",
"351000832_86": "「はい、行きましょうッ!」",
"351000832_87": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,30 @@
{
"351000841_0": "(ガメラが、あの子たちが戦っているのに俺は……)",
"351000841_1": "「ガメラと彼女たちを追いたい者はいるか?」",
"351000841_2": "「俺は行くぞッ! 親父から聞かされ続けたガメラと\\n 一緒に戦えるなんて、こんな光栄なことはない」",
"351000841_3": "「俺もだッ!」",
"351000841_4": "「よし、装備を整えたら東門に集合だ」",
"351000841_5": "(これだけか……、まあこの状況じゃ、しょうがないよな)",
"351000841_6": "「佐竹……」",
"351000841_7": "「アレックス隊長、俺たちはガメラと彼女たちを追います。\\n リアムのためにも、もうひと頑張りしてきますよ」",
"351000841_8": "「いや、だから俺はもう隊長じゃ……」",
"351000841_9": "「隊長は、隊長にできることを……。\\n 俺は信じてますから」",
"351000841_10": "「…………」",
"351000841_11": "「……くそ、また足が震える。\\n なんでだよ……」",
"351000841_12": "「アレックス、ここにいたんだね」",
"351000841_13": "「真琴……」",
"351000841_14": "「もしかして、その戦闘機に乗って、\\n ガメラと一緒に戦ってくれるの?」",
"351000841_15": "「……そうしたいのに、\\n 乗ろうとすると身体が動かなくなるんだよ」",
"351000841_16": "「それじゃ、危ないからやめた方がいいよー。\\n アレックスには死んでほしくないし」",
"351000841_17": "「ああ、本当は乗りたくねーよッ!\\n めちゃめちゃ怖いんだからなッ!」",
"351000841_18": "「うん……」",
"351000841_19": "「だけど、ガメラが現れたんだぞッ!\\n あの、ガメラが、本当にッ!」",
"351000841_20": "「そんなの、もう乗るしかないだろッ!!」",
"351000841_21": "「……弾薬も、人も残り少ない。\\n こんな状況の中、我々に何ができる……」",
"351000841_22": "「八坂司令ッ!」",
"351000841_23": "「……どうした?」",
"351000841_24": "「人類戦線第六支部からの通信ですッ!」",
"351000841_25": "「第六? こんな時になんだ?」",
"351000841_26": "「人類戦線第三支部からも通信が入っていますッ!\\n いえ、それだけじゃありませんッ! その他の支部からも」",
"351000841_27": "「要件はなんだ?」"
}

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@ -0,0 +1,23 @@
{
"351000911_0": "大怪獣絶唱",
"351000911_1": "「……ガメラが見えたッ!\\n やっと、追いついたぞッ!」",
"351000911_2": "「…………」",
"351000911_3": "「…………」",
"351000911_4": "「…………」",
"351000911_5": "「…………」",
"351000911_6": "(この距離で攻撃してこないわけだから……、\\n あたしのこと、敵視はしてないんだよな……?)",
"351000911_7": "「…………」",
"351000911_8": "「まさかこんなでかいやつと、\\n 一緒に並んで飛行することになるなんてな」",
"351000911_9": "「さっきの戦いでもそうだが、\\n 頼もしすぎて、こっちまで力が湧いてくるッ!」",
"351000911_10": "「あいつの兄貴も、こんな気持ちだったのか……」",
"351000911_11": "「おいガメラ、こんな状況で言うのもなんだけど、\\n あんま人で無茶すんなよ」",
"351000911_12": "「…………」",
"351000911_13": "「草体が見えてきたぞッ!\\n それに、レギオンもうじゃうじゃいやがる……」",
"351000911_14": "「すげー威力だな。\\n レギオンたちが吹き飛んじまいやがったッ!」",
"351000911_15": "「まあ、そう来るよな」",
"351000911_16": "「…………」",
"351000911_17": "「そんじゃあたしも暴れるかッ!」",
"351000911_18": "「戦いが始まっちゃってますッ!」",
"351000911_19": "「クリスったら、1人で勝手に行っちゃうんだから」",
"351000911_20": "「わたしたちも加勢するぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"351000912_0": "「このギア、なかなかの火力だな。\\n こいつがあればッ!」",
"351000912_1": "「少しずつではあるが、草体に近づいている。\\n このままガメラと共に進むぞッ!」",
"351000912_2": "「はいッ!」",
"351000912_3": "「み、みなさんッ!\\n 向こうから黒い影がこちらに迫ってきてますッ!」",
"351000912_4": "「まさか――」",
"351000912_5": "「嘘……、あれ全部レギオンなのッ!?」",
"351000912_6": "「草体を護るために集まってきたのか?\\n それにしても、なんて数だ……」",
"351000912_7": "「……あたしは、絶対諦めねーぞッ!」",
"351000912_8": "「砲撃ッ!? どこから――」",
"351000912_9": "「あそこだ、人類戦線の者たちだッ!」",
"351000912_10": "「すごい数の兵士さんが……」",
"351000912_11": "「うおおおおお――ッ!」",
"351000912_12": "「進めッ! 彼女たちに後れを取るなッ!」",
"351000912_13": "「ガメラ、みんなーッ! 助けに来たよーッ!」",
"351000912_14": "「真琴さんッ!?」",
"351000912_15": "「だけど、人類戦線って、\\n まだあんなに戦力残っていたのか?」",
"351000912_16": "「いや、そんなはずは……」",
"351000912_17": "「それはねー。\\n クリスのファンが駆けつけてくれたんだよー」",
"351000912_18": "「はあ?」",
"351000912_19": "「人類戦線の他の支部からの援軍だ。\\n 君たちと共に戦いたいと集まって来たのだ」",
"351000912_20": "「まさかの援軍……。\\n これなら希望はあるぞッ!」",
"351000912_21": "「でも、雪音さんのファンというのは……?」",
"351000912_22": "「あの歌だよ。クリスが人類戦線で唄った歌。\\n あの歌で勇気をもらったんだってッ!」",
"351000912_23": "「無論、それだけが理由ではないだろうが、\\n あの歌が我々、人類戦線の活力になったのは事実だ」",
"351000912_24": "「…………」",
"351000912_25": "「やったな雪音。\\n 顔を真っ赤にしてないで、手でも振ってやったらどうだ」",
"351000912_26": "「そんな場合じゃねーだろッ!\\n あいつ、勝手に人の歌をバラまきやがってッ!」",
"351000912_27": "「フフ、でもなんだか……」",
"351000912_28": "「はい、これならいくらでも戦えるような気がしますッ!」",
"351000912_29": "「ガメラ、お前は1人じゃねーぞッ!\\n あたしらがついてるッ!」",
"351000912_30": "「ガメラに通じてるのかな……?」",
"351000912_31": "「フッ、さあな。\\n だが、通じてると思ってもいいだろう」",
"351000912_32": "「はい、わたしは通じていると思います」",
"351000912_33": "「――ッ!? 」",
"351000912_34": "「この感覚は――」",
"351000912_35": "「よし、行くぞ――ッ!」",
"351000912_36": "「待て、雪音ッ!」",
"351000912_37": "「どうした、先輩?」",
"351000912_38": "「何かが……来るッ!」",
"351000912_39": "「下からだッ! みんな、さがれッ!」",
"351000912_40": "「な――」",
"351000912_41": "「なんだ……、\\n この巨大な……」",
"351000912_42": "「総員、緊急退避だッ! 急げッ!\\n 押しつぶされるぞッ!」",
"351000912_43": "「先輩の警告がなかったらヤバかったな……」",
"351000912_44": "「うん、でも、地中から出てきたけど……」",
"351000912_45": "「これもレギオンなんでしょうか?\\n 他のとは比べ物にならないくらい大きいですよ」",
"351000912_46": "「ああ、間違いない、これはレギオンだ」"
}

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@ -0,0 +1,74 @@
{
"351000921_0": "「おいッ! どうなってるッ!?\\n あのレギオンはなんなんだッ!」",
"351000921_1": "「奴も間違いなくレギオンだ」",
"351000921_2": "「みんな、気を付けて……。\\n アレが、過去にガメラが苦戦した最強の怪獣――」",
"351000921_3": "「マザーレギオンだからッ!」",
"351000921_4": "「最強の怪獣か……、\\n 相手がなんであれ、やるしかあるまい……」",
"351000921_5": "「ああ、あのマザーレギオンはあたしたちが相手する。\\n 兵士たちを近づかせるなッ!」",
"351000921_6": "「よし、兵士たちは、小型レギオンに火力を集中させろ。\\n だが、余裕があれば、ガメラや彼女たちを援護するんだ」",
"351000921_7": "「了解です」",
"351000921_8": "「お父さん……」",
"351000921_9": "「なんだ?」",
"351000921_10": "「なんかちょっと変わったようなー。\\n もう戦わないって言ってたのに」",
"351000921_11": "「Zバスターの失敗、レギオンの襲来、\\n それらにより、私は弱気になっていた……」",
"351000921_12": "「だが今、ガメラの出現、彼女たちの存在、\\n そして他の人類戦線からの援軍――」",
"351000921_13": "「我々はまだ負けてはいないと気づかされたのだ」",
"351000921_14": "「……砦の子供たちにも教えられた」",
"351000921_15": "「そうだよ、みんなで力を合わせればきっと勝てるよッ!」",
"351000921_16": "「ああ」",
"351000921_17": "「それにしても、アレックスのやつは、ダメだったか……。\\n 結局最後まで腰抜けのまま……」",
"351000921_18": "「さー、それはどうかなー」",
"351000921_19": "「……?」",
"351000921_20": "「なんだあの攻撃はッ!?\\n これじゃ、思うように近づけねー」",
"351000921_21": "「小型のレギオンを生み出したぞッ!」",
"351000921_22": "「本当に倒しても倒しても\\n どんどん増やしてくるんだねッ!」",
"351000921_23": "「ガメラにも小型のレギオンが張り付いてますッ!」",
"351000921_24": "「ちょっとだけ、動かないでくださいねッ!」",
"351000921_25": "「どういたしまして」",
"351000921_26": "「おい、あの草体、さらにでかくなってないか?」",
"351000921_27": "「みんなもう時間が無いよッ!\\n このままだと種子が発射されちゃうッ!」",
"351000921_28": "「やっぱそうか、早くあれをぶっ壊さねえとッ!」",
"351000921_29": "「くッ……だが、邪魔が多い……ッ!\\n このマザーレギオンを仕留めねば、草体へは届かないぞッ!」",
"351000921_30": "「レーダーにこちらに向かってくる無数の飛翔物アリッ!\\n これはギャオスの群れ……いや、それだけじゃないッ!」",
"351000921_31": "「さらに後方より、\\n 超高速で大型の何かがこちらに迫って来てますッ!」",
"351000921_32": "「速度、マッハ9ッ!?」",
"351000921_33": "「大型のって……」",
"351000921_34": "「え……な、何あれッ!?」",
"351000921_35": "「あの姿は、もしかして――」",
"351000921_36": "「イリスだ……ッ!」",
"351000921_37": "「間違いない。\\n イリス……かつて京都を壊滅させた怪獣だ……」",
"351000921_38": "「イリス……本物……」",
"351000921_39": "「……私も直接見たわけではないが、\\n イリスの恐ろしさはリアルタイムで聞かされていた……」",
"351000921_40": "「なんでギャオスと仲良く一緒にやってきてんだよッ!」",
"351000921_41": "「イリスは、ギャオスの変異体って言われてるから、\\n 仲良くするのも当然かも」",
"351000921_42": "「ギャオス自体が環境に応じてものすごい速度で\\n 進化することが確認されている」",
"351000921_43": "「さらにイリスは、あらゆる生物の遺伝子を取り込み、\\n 自在に進化する性質を持っていた」",
"351000921_44": "「人間の遺伝子を取り込み、凄まじい速さで進化したイリスは、\\n 当時ガメラと死闘を演じたのだ」",
"351000921_45": "「それじゃ、やっぱり、わたしたちの敵……」",
"351000921_46": "「ふざけんじゃねーッ!」",
"351000921_47": "「雪音ッ! 何をするつもりだッ!」",
"351000921_48": "「全部相手にするのは、流石に無茶だってわかる。\\n ならせめて、草体だけでもぶっ壊してやるッ!」",
"351000921_49": "「クリスに小型のレギオンの群れがッ!」",
"351000921_50": "「くそッ! 邪魔だ、どけ――」",
"351000921_51": "「――ッ!?」",
"351000921_52": "「なんだッ! ギャオスが……」",
"351000921_53": "「ギャオスが、雪音を助けた……?」",
"351000921_54": "「嘘ッ!?」",
"351000921_55": "「みなさん、見てくださいッ!\\n ギャオスが、レギオンを攻撃してますッ!」",
"351000921_56": "「どうなっている? ギャオスが、我々人類に目もくれず、\\n レギオンを攻撃するなど……」",
"351000921_57": "「わたしにも、わからない……」",
"351000921_58": "「ナイスだ、ガメラッ!\\n 草体までの道ができたッ!」",
"351000921_59": "「雪音さんッ! 後ろからイリスがッ!」",
"351000921_60": "「うおッ!」",
"351000921_61": "「イリスが、草体に向かって飛んでいく……。\\n まさかッ!」",
"351000921_62": "「イリスが草体を攻撃し始めたッ!?」",
"351000921_63": "「ギャオスも小型レギオンと戦ってる。\\n 一体、この状況はなんなの?」",
"351000921_64": "「ガメラとイリス、ギャオスが協力し合っている……?」",
"351000921_65": "「バカなッ! そんなはずはないッ!\\n 過去にそんなことは一度も起きていないッ!」",
"351000921_66": "「……もしかして、\\n わたしの考えは間違っていたのかも……」",
"351000921_67": "「ガメラもギャオスも本当は……」",
"351000921_68": "「うおおお――ッ!\\n 草体が破壊されたぞッ!」",
"351000921_69": "「イリスが、やってくれたッ!」",
"351000921_70": "「あいつ、1人で草体を壊しやがったッ!?\\n なんてパワーだよッ!」",
"351000921_71": "「だが、これで後顧の憂いは消えた。\\n あとはあのレギオンを仕留めるだけだッ!」"
}

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@ -0,0 +1,31 @@
{
"351000932_0": "「俺たちが押してるぞッ!」",
"351000932_1": "「昨日まで敵だったギャオスが、\\n 我々につくなんて夢でも見ているかのようだ……」",
"351000932_2": "「ああ、だが油断するなよ……」",
"351000932_3": "「ギャオスとイリスが味方になるなどあり得ないッ!\\n これまで、ずっと人類の敵だったんだぞッ!」",
"351000932_4": "「……もしかして、ギャオスは、\\n この星を護りたいんじゃないかな?」",
"351000932_5": "「ギャオスが、この星を護る……?」",
"351000932_6": "「うん、レギオンは、地球を滅ぼすために\\n 宇宙から来た怪獣でしょ?」",
"351000932_7": "「ギャオスは、地球で生まれた怪獣……。\\n その変異体のイリスも同じ。そしてもちろんガメラも」",
"351000932_8": "「まさか、地球外の怪獣を倒すために、\\n ガメラとギャオス、イリスが手を組んだと?」",
"351000932_9": "「ガメラとギャオスは宿敵とされてきたけど、\\n でも、もしかしたら、根本は同じで、地球を護りたいのかも……」",
"351000932_10": "「それでは、ガメラ、ギャオス、イリスは、\\n 地球の……『星の守護者』?」",
"351000932_11": "「星の守護者、そうだよッ! 星の守護者なんだよッ!」",
"351000932_12": "「…………」",
"351000932_13": "「お父さん、わたしたちもガメラたちに負けてられないよねッ!」",
"351000932_14": "「ああ……」",
"351000932_15": "「なるほど、星の守護者か……」",
"351000932_16": "「ギャオスもイリスもみんなこの星を護るために……」",
"351000932_17": "「戦況は一進一退か。\\n お互いに決め手に欠けているようだ……」",
"351000932_18": "「向こうにも加勢に行きたいけど、\\n こっちの連中をどうにかしないことにはな……ッ!」",
"351000932_19": "「少しずつだけど、\\n 小型レギオンの数は減ってきてると思います」",
"351000932_20": "「でもマザーレギオンをなんとかしないと、\\n また生まれてくるんだよね……」",
"351000932_21": "「ガメラも頑張ってくれてはいるが……」",
"351000932_22": "「上手く防がれちまってるッ!\\n あたしらの攻撃もあれじゃ通じない」",
"351000932_23": "「イリスでも難しいみたい……」",
"351000932_24": "「でも、ガメラは過去に一度、\\n あのマザーレギオンを倒しているんですよね?」",
"351000932_25": "「ああ、なんでもヤバい必殺技を使ったらしい。\\n だけど、その技はもう……」",
"351000932_26": "「…………」",
"351000932_27": "「ガメラは、何をするつもりだ……?」",
"351000932_28": "「まさか、アレを使うのか――」"
}

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@ -0,0 +1,29 @@
{
"351000941_0": "「地球のマナが騒いでいる……。\\n ガメラは、『ウルティメイトプラズマ』を使う気かも」",
"351000941_1": "「それって、もう撃てないって言ってなかったかッ!?」",
"351000941_2": "「ウルティメイトプラズマとはなんだ……?」",
"351000941_3": "「過去に、ガメラがレギオンを葬った際に使用した、\\n 強力なプラズマ光線だ」",
"351000941_4": "「ガメラが、地球上のマナを自身の身体に収束し放つ大技」",
"351000941_5": "「それじゃ、それを使えばレギオンに勝てるんですね?」",
"351000941_6": "「そんな簡単にはいかないよ。\\n アレを撃つ力は、ガメラにはもう残されていないはずだし……」",
"351000941_7": "「それに、地球のマナも減っちゃってる……」",
"351000941_8": "「仮に撃てたとしても、地球のマナに多大な影響を与え、\\n 生態系がさらに変化する可能性もある」",
"351000941_9": "「そんなに怖い技なの……」",
"351000941_10": "「もしかしてガメラは、\\n 自身の命と引き換えに撃つつもりかも……」",
"351000941_11": "「そんな……」",
"351000941_12": "「ガメラは、なんとしてもこの星を護りたいと思っている。\\n そのためなら、なんだって……」",
"351000941_13": "「そんなこと、させてたまるかッ!」",
"351000941_14": "「何はともあれ、ガメラを護るぞッ!\\n 今のガメラは、無防備すぎるッ!」",
"351000941_15": "「はいッ!」",
"351000941_16": "「総員に通達だ。\\n ガメラを護れッ!」",
"351000941_17": "「了解ですッ!」",
"351000941_18": "「お父さん……ガメラは……」",
"351000941_19": "「我々の兵器では、\\n レギオンを倒せるほどの火力を持ち合わせていない」",
"351000941_20": "「それは、彼女たちも同様だろう」",
"351000941_21": "「……選択の余地はない。この場はガメラに託す。\\n あとはガメラを信じるしかない……」",
"351000941_22": "「ガメラ……」",
"351000941_23": "「イリスもガメラを護ってるッ!?」",
"351000941_24": "「イリスもギャオスも、ガメラのあの技に託すってこと……?」",
"351000941_25": "「人類戦線もガメラを護るためにフォーメーションを取っている。\\n 皆が、ガメラのために」",
"351000941_26": "「……だとしてもだッ!\\n ガメラを、死なせてたまるかッ!」"
}

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@ -0,0 +1,84 @@
{
"351000942_0": "「…………」",
"351000942_1": "「ガメラに、マナが集まっていってる……。\\n ガメラは本当に……」",
"351000942_2": "「ダメだよ……ガメラ、死んじゃダメ……」",
"351000942_3": "「おいッ! 聞いてるかッ!」",
"351000942_4": "「クリス?」",
"351000942_5": "「お前確か、マナとフォニックゲインは\\n 似てるところがあるっていってたよなッ!?」",
"351000942_6": "「うん、完全一致はしないけど、\\n 同じエネルギーとして似てるよ」",
"351000942_7": "「でも、どうして?」",
"351000942_8": "「ガメラを助けるんだよッ!」",
"351000942_9": "「え――」",
"351000942_10": "「雪音、何をするつもりだ?」",
"351000942_11": "「絶唱だ」",
"351000942_12": "「え?」",
"351000942_13": "「マナとフォニックゲインは似てるところがある。\\n なら、絶唱で高めたフォニックゲインをガメラに渡すんだ」",
"351000942_14": "「なるほど……。それなら、ガメラの負担も減って、\\n もしかしてガメラも助けられるかもしれない?」",
"351000942_15": "「ああ。わかんねーけど、何もしないよりはいいッ!」",
"351000942_16": "「フッ、本当に今回の戦いは稀にみる激戦だな。\\n 最初から最後まで……」",
"351000942_17": "「先輩……」",
"351000942_18": "「やろう、雪音。\\n ガメラと共に、この星を護ろうッ!」",
"351000942_19": "「やりましょうッ!\\n わたしができる限り力を分散させます」",
"351000942_20": "「うん」",
"351000942_21": "「お前ら……いいのか?」",
"351000942_22": "「何度も言わすな、やるぞ」",
"351000942_23": "「ああッ!」",
"351000942_24": "「ねえー、ガメラを助けるってどういうこと?」",
"351000942_25": "「あたしらのフォニックゲインをガメラに渡すんだよッ!」",
"351000942_26": "「フォニックゲイン……?」",
"351000942_27": "「おっさん、頼みがあるッ!」",
"351000942_28": "「少しの間だけ、あたしらを護ってくれッ!\\n ガメラを助ける準備をする」",
"351000942_29": "「……考えている時間はなさそうだな。\\n 了解した。各隊に通達しよう」",
"351000942_30": "「クリス、みんな、お願いッ!\\n ガメラを助けてあげてッ!」",
"351000942_31": "「ああ、わかってるよッ!」",
"351000942_32": "「そんじゃ、始めるぞッ!」",
"351000942_33": "「ああ、やろうッ!」",
"351000942_34": "「いつでもいいよッ!」",
"351000942_35": "「わたしも大丈夫ですッ!」",
"351000942_36": "(ガメラ……1人で無茶すんじゃねー、あたしらがついてるッ!)",
"351000942_37": "「Gatrandis babel ziggurat edenal――」",
"351000942_38": "「まずいッ! ガメラに小型レギオンの群れがッ!」",
"351000942_39": "「イリスにも群がってやがるッ!」",
"351000942_40": "「いかんッ! ガメラを護れッ!」",
"351000942_41": "「ダメですッ! 数が多すぎますッ!」",
"351000942_42": "「奴ら、俺たちやギャオスを無視してガメラをッ!」",
"351000942_43": "「ガメラのあの技に気づいたのかも……」",
"351000942_44": "「まさか、過去にやられたのを学習しているのか?」",
"351000942_45": "「ダメーッ! ガメラが死んじゃうッ!」",
"351000942_46": "(くそッ! あたしらが動けないことをいいことにッ!)",
"351000942_47": "(このままじゃ、ガメラが……)",
"351000942_48": "(なんだ、この音は……)",
"351000942_49": "「司令、上空を見てくださいッ!」",
"351000942_50": "「なんだとッ!」",
"351000942_51": "「あれは、<ruby=-15>イーグル</ruby>……、\\n まさか、隊長ッ!?」",
"351000942_52": "「アレックス……」",
"351000942_53": "「遅くなってすみませんッ!」",
"351000942_54": "(あいつ、飛びやがったのかッ!?)",
"351000942_55": "「アレックスッ!? お前何をやっているッ!」",
"351000942_56": "「久しぶりのフライトだったので、\\n だいぶ、時間がかかってしまいました」",
"351000942_57": "「小型レギオンは、俺が受け持ちますッ!」",
"351000942_58": "「受け持つ……? どういうことだ?」",
"351000942_59": "「レギオンども、こっちだッ!」",
"351000942_60": "「小型レギオンが、隊長の方へ……」",
"351000942_61": "「一体、何をやったんだ……?」",
"351000942_62": "「電磁波だよ。\\n レギオンは、電磁波に引き付けられる」",
"351000942_63": "「あの戦闘機には、超強力な電磁波の発生装置を積んでるの。\\n わたしも手伝ったんだ」",
"351000942_64": "「アレックス……」",
"351000942_65": "「…………」",
"351000942_66": "「ガメラ……」",
"351000942_67": "「俺は、やっとここへ来ることができた。\\n 随分時間がかかっちまったけど……」",
"351000942_68": "「アレックスッ! 気を付けろッ!\\n 小型レギオンの大群がそっちへ行くぞッ!」",
"351000942_69": "「そのための俺ですよッ!」",
"351000942_70": "「各員、戦闘機が引き連れている小型レギオンを狙えッ!\\n 集中砲火だッ!」",
"351000942_71": "「了解ですッ!」",
"351000942_72": "「アレックスッ! レギオンに追いつかれちゃうッ!」",
"351000942_73": "「アレックスッ!」",
"351000942_74": "(やっぱり、敵の方がわずかに速い……。\\n それでも、できる限りガメラから引き離すッ!)",
"351000942_75": "(くッ、もう追いつかれる……)",
"351000942_76": "(ガメラ、後は頼んだッ!)",
"351000942_77": "「うおおおおおお―――ッ!」",
"351000942_78": "「兄貴ッ! 俺は帰ってきたぞ――ッ!!」",
"351000942_79": "「アレックスッ!」",
"351000942_80": "「隊長――ッ!」",
"351000942_81": "(まさか、あいつッ!?)"
}

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@ -0,0 +1,51 @@
{
"351000951_0": "「フォニックゲインがガメラに流れていく……」",
"351000951_1": "「成功……?」",
"351000951_2": "「そうみたいです」",
"351000951_3": "「マナを吸収するガメラが、わたしたちのフォニックゲインも\\n 一緒に吸収してくれたので、負荷もほとんどなく成功しました」",
"351000951_4": "「…………」",
"351000951_5": "「おいッ! あいつはどうしたッ!\\n アレックスはッ!」",
"351000951_6": "「…………」",
"351000951_7": "「小型レギオンによって、撃墜された……」",
"351000951_8": "「くッ……、バカ野郎……」",
"351000951_9": "「そんな……」",
"351000951_10": "「…………」",
"351000951_11": "「…………」",
"351000951_12": "「…………」",
"351000951_13": "「……ウルティメイトプラズマの準備が整ったみたいです」",
"351000951_14": "「終わらせる気だ」",
"351000951_15": "「――ッ!?\\n ガメラ、今は撃っちゃダメッ!」",
"351000951_16": "「なんだッ! アレは……」",
"351000951_17": "「シールド……?」",
"351000951_18": "「ガメラなら、破壊できますよね……?」",
"351000951_19": "「わからない……、\\n だが、もし防がれたら後がない」",
"351000951_20": "「あたしたちでシールドをぶち壊すぞッ!」",
"351000951_21": "「ああッ!」",
"351000951_22": "「人類戦線も総攻撃を仕掛けるッ!\\n 各隊、マザーレギオンのシールドを破壊せよッ!」",
"351000951_23": "「ダメですッ! 全く効果ありませんッ!」",
"351000951_24": "「なんと強固な……」",
"351000951_25": "「くそッ! なんだよあれッ!\\n あたしらの集中攻撃でもビクともしないなんてッ!」",
"351000951_26": "「あれではガメラの攻撃も通るかわからないぞ……」",
"351000951_27": "「イリスの攻撃も通ってません。\\n それに、全身傷だらけに……」",
"351000951_28": "「ガメラを護りながら、\\n マザーレギオンと小型レギオンの集中攻撃を受けてたから……」",
"351000951_29": "「あとちょっとだってのにッ!」",
"351000951_30": "「イリスが叫んでる……」",
"351000951_31": "「やつの最後の叫びか……」",
"351000951_32": "「……いえ、これはただの叫びじゃありません」",
"351000951_33": "「嘘……これって、もしかして……」",
"351000951_34": "「ば、バカな……こんなことありえないッ!?」",
"351000951_35": "「でも、これは間違いなく……」",
"351000951_36": "「絶唱……ッ!?」",
"351000951_37": "「なんだ……、何が起きている。\\n これは、彼女たちの……」",
"351000951_38": "「そうか、以前、ジズとの戦いの時に、\\n クリスがギャオスたちに同じ技をやってた……」",
"351000951_39": "「もしかしたら、その時に、ギャオスが記憶したのかも」",
"351000951_40": "「あの時のギャオスが、イリスに進化したと……」",
"351000951_41": "「司令ッ!\\n マザーレギオンのシールドが――ッ!」",
"351000951_42": "「よっしゃッ! シールドが消えたッ!」",
"351000951_43": "「よし、各隊に通達ッ!\\n ありったけの弾薬を、マザーレギオンにぶち込めッ!」",
"351000951_44": "「雪音ッ!」",
"351000951_45": "「クリスッ!」",
"351000951_46": "「雪音さんッ!」",
"351000951_47": "「ああッ! まさしくここが正念場だッ!\\n この機を逃す手はないッ!」",
"351000951_48": "「今こそ証明する時だッ!\\n あたしたち人類も、星の守護者だってなッ!」"
}

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@ -0,0 +1,71 @@
{
"351000952_0": "「――これでどうッ!?」",
"351000952_1": "「シールドを張ることもできなくなっているみたいだッ!」",
"351000952_2": "「この機を逃したら次は無いッ!」",
"351000952_3": "「ガメラッ!」",
"351000952_4": "「来るぞッ!\\n 各隊、衝撃に備えろッ!」",
"351000952_5": "「やっちゃえ、ガメラッ!!」",
"351000952_6": "「…………」",
"351000952_7": "「これが、ウルティメイトプラズマッ!」",
"351000952_8": "「なんだか、フォニックゲインを感じますッ!」",
"351000952_9": "「わたしたちの力がガメラに渡った証拠だよ」",
"351000952_10": "「それにしたって、なんてデタラメなパワーだッ!」",
"351000952_11": "「あのマザーレギオンが、木っ端みじんに……」",
"351000952_12": "「ああ、小型のレギオンも一緒に吹き飛んじまった……」",
"351000952_13": "「俺たちの勝ちだ」",
"351000952_14": "「やっと、終わった……」",
"351000952_15": "「そうだ、イリスは?」",
"351000952_16": "「イリスが、消えていく……」",
"351000952_17": "「絶唱で、全ての力を使い果たしたんだ……」",
"351000952_18": "「ありがとうな、イリス……」",
"351000952_19": "「レギオンは消滅した……、\\n だが、ウルティメイトプラズマの反動が……」",
"351000952_20": "「いや、それも我々人類が選択したことだな」",
"351000952_21": "「お父さん。この波動は……」",
"351000952_22": "「ん……?」",
"351000952_23": "「ウルティメイトプラズマから放たれた波動、\\n これは、その余韻か……?」",
"351000952_24": "「なんだ? 妙な温もりを感じる……」",
"351000952_25": "「どこか懐かしい感覚がします……」",
"351000952_26": "「包まれているというか、\\n 安心するような気持ちになってくる……」",
"351000952_27": "「これは、マナ……」",
"351000952_28": "「…………」",
"351000952_29": "「お、おい、見ろッ!\\n ギャオスたちが飛び去っていくぞッ!」",
"351000952_30": "「なぜだ? 今、確かにこっちを見たのに……、\\n なんで攻撃してこない……」",
"351000952_31": "「マナが地球へ還っていく……」",
"351000952_32": "「真琴、やはりお前はあの文明の血を……」",
"351000952_33": "「え?」",
"351000952_34": "「……いや、なんでもない」",
"351000952_35": "「そうだ、あいつはッ!?\\n あいつの戦闘機はどこに落ちたッ!?」",
"351000952_36": "「クリス……、アレックスさんは……」",
"351000952_37": "「…………」",
"351000952_38": "「まだわからねーだろッ!\\n もしかしたらまだ生きてるかもしれないッ!」",
"351000952_39": "「戦闘機は、どこに落ちたんだッ!\\n 早く探すぞッ!」",
"351000952_40": "「その必要はないよ」",
"351000952_41": "「アレックスッ!?」",
"351000952_42": "「お、お前……ッ!\\n 無事だったのかッ!?」",
"351000952_43": "「ああ、墜落前になんとか脱出できたよ」",
"351000952_44": "「まあ、敵のど真ん中に降り立った時は、\\n 流石に、死を覚悟したけど、佐竹たちが助けに来てくれたんだ」",
"351000952_45": "「俺たちがいなきゃ、隊長は100回は死んでますからね」",
"351000952_46": "「……そうだったのか、全く心配かけさせおって」",
"351000952_47": "「うんうん、でも、無事でよかったよー」",
"351000952_48": "「すみません……」",
"351000952_49": "「アレックス、今回の仕事、よくやってくれた。\\n 我々が勝利できたのは、お前のおかげだ」",
"351000952_50": "「そんな、俺は……」",
"351000952_51": "「きっとお兄さんも喜んでるよー」",
"351000952_52": "「だといいけどな」",
"351000952_53": "「お、おい、空を見てみろッ!」",
"351000952_54": "「まさか……」",
"351000952_55": "「なんだ……?」",
"351000952_56": "「青空が、見える……」",
"351000952_57": "「おおー、空が青い。\\n 空って、青かったんだー」",
"351000952_58": "「ああ、俺も忘れてたよ。\\n 空がこんなにも青かったんだって……」",
"351000952_59": "「すごい綺麗ー」",
"351000952_60": "「わたしもすごい久しぶりに青い空を見た気がする。\\n ほんの数日のはずなのに……」",
"351000952_61": "「わたしもです」",
"351000952_62": "「本当に終わったんだな……」",
"351000952_63": "「…………」",
"351000952_64": "「もう行くのか?」",
"351000952_65": "「ガメラッ! ありがとうッ!\\n また会おうねー」",
"351000952_66": "「ゆっくり休んで傷を癒しておいてくれッ!\\n そして、今度、一緒に空を飛ぼうッ!」",
"351000952_67": "「またなッ!」",
"351000952_68": "「総員、ガメラに敬礼ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,79 @@
{
"351001011_0": "晴れた空",
"351001011_1": "「本当に手伝わなくていいのか?\\n あたしらに遠慮してるなら……」",
"351001011_2": "「気持ちだけもらっておくよー。\\n あとは自分たちでなんとかしないとね」",
"351001011_3": "「これはこの世界に生きる俺たち、\\n いや、人類でやらなきゃいけないことなんだ」",
"351001011_4": "「君たちに散々頼っておいて言うのもなんだけどな」",
"351001011_5": "「そうか……」",
"351001011_6": "「どれだけ長い時間をかけてでも、\\n 自分たちの力でこの星を蘇らせないとね」",
"351001011_7": "「ガメラにも後押ししてもらったし」",
"351001011_8": "「それに簡単な方法を選べば、あの兵器を使った時のように\\n 人類は、また過ちを犯してしまうかもしれない」",
"351001011_9": "「ならば、わたしたちが手を貸しては、\\n 余計なお世話になってしまうな」",
"351001011_10": "「真琴ちゃんなら心配いらないと思うけど頑張ってね」",
"351001011_11": "「わたしたちも応援してますッ!」",
"351001011_12": "「ありがとうー」",
"351001011_13": "「……だけど、もうお前たちの歌が聴けなくなるのは残念だな。\\n 子供たちも悲しむ……」",
"351001011_14": "「だったら、代わりにあんたが唄ってやったらどうだ?」",
"351001011_15": "「冗談言うな。そういうのは真琴に任せるよ」",
"351001011_16": "「えー、わたしなのー?\\n 唄ったことなんてないよー」",
"351001011_17": "「でも、真琴ちゃんの歌、聴いてみたいなー」",
"351001011_18": "「はい、聴いてみたいです」",
"351001011_19": "「不思議系電波ソングを唄いそうな気がするな……」",
"351001011_20": "「なんだそれは?」",
"351001011_21": "「お姉ちゃーんッ!」",
"351001011_22": "「あいつら……」",
"351001011_23": "「すまない、\\n どうしてもお別れが言いたいとせがまれてしまって」",
"351001011_24": "「もう帰っちゃうって本当なのッ!?」",
"351001011_25": "「もっと一緒にいよー……」",
"351001011_26": "「悪いな、あたしたちにもやらなきゃいけないことが\\n 山ほど残ってんだ」",
"351001011_27": "「……それじゃ、また会いに来てくれる?」",
"351001011_28": "「それは……」",
"351001011_29": "「こら、お姉ちゃんたちを困らせるんじゃない」",
"351001011_30": "「じゃあ、また会えたときは一緒に遊ぼうね」",
"351001011_31": "「ああ、その時は必ず遊ぼう」",
"351001011_32": "「うん」",
"351001011_33": "「お姉ちゃん……。\\n ボク、お父さんやお姉ちゃんみたいに強くなるよ」",
"351001011_34": "「強くなって、この世界を護るんだ」",
"351001011_35": "「そっか、頑張れよ」",
"351001011_36": "「うんッ!\\n お姉ちゃん……、平和な世界をありがとう」",
"351001011_37": "「ああッ!」",
"351001011_38": "「クリス、そろそろ……」",
"351001011_39": "「そうだな」",
"351001011_40": "「ほんの数日だったのに……」",
"351001011_41": "「ああ、かなり長い間いた気がするな……」",
"351001011_42": "「……」",
"351001011_43": "「本当にありがとよ。子供たちのことは任せてくれ。\\n 俺たちが必ず護ってみせるッ!」",
"351001011_44": "「……ああッ! 頼んだぞ」",
"351001011_45": "「……やっぱり、寂しいなー悲しいなー」",
"351001011_46": "「真琴さん……」",
"351001011_47": "「何言ってんだ、お前にはガメラがいるだろ?」",
"351001011_48": "「……うん、そうだね」",
"351001011_49": "「クリスたちに出会えて、\\n すごく大変だったけど、それ以上にすごく楽しかったッ!」",
"351001011_50": "「みんな、一緒に戦ってくれて、\\n 本当にありがとうね」",
"351001011_51": "「こちらこそ、ありがとなッ!」",
"351001011_52": "(ガメラ――)",
"351001011_53": "(この星のこと、頼んだぞ)",
"351001011_54": "――12月10日 11:00――",
"351001011_55": "――旧都庁跡地――",
"351001011_56": "「よっと……くッ、この資材は重いな。\\n なかなか腰に来る……」",
"351001011_57": "「し、司令、何をしているんですか?\\n こういった作業は自分たちがやりますからッ!」",
"351001011_58": "「いや、これは私にやらせてくれ」",
"351001011_59": "「しかし……」",
"351001011_60": "「お前たちには自分の仕事があるだろ。\\n そっちはどうなっているんだ?」",
"351001011_61": "「し、失礼しましたッ!」",
"351001011_62": "「あ、いや……急ぐ必要はない」",
"351001011_63": "「お父さん、わたしも手伝うよー」",
"351001011_64": "「ああ、助かるよ、真琴」",
"351001011_65": "「戦いじゃない肉体労働は気持ちがいいなー」",
"351001011_66": "「隊長、なんだか生き生きしてますね」",
"351001011_67": "「当然だろう。戦うことを考えなくていいなんて夢みたいだ」",
"351001011_68": "「まあ、その気持ちはわかりますよ」",
"351001011_69": "「だけど、この平和、いつまで続くんですかね?\\n ギャオスもまだ残ってるわけですし……」",
"351001011_70": "「まあ、大丈夫だろう」",
"351001011_71": "「そんな楽観的な……」",
"351001011_72": "「わたしも大丈夫だと思うよー」",
"351001011_73": "「真琴ちゃんまで……」",
"351001011_74": "「なぜなら、この星には――」",
"351001011_75": "「うん」",
"351001011_76": "「ガメラがいるんだからッ!」"
}

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@ -0,0 +1,48 @@
{
"351001111_0": "願いと希望",
"351001111_1": "「わたしからの定期報告は以上となります。\\n 予定より、大幅に遅れてしまい申し訳ありません」",
"351001111_2": "「クリスくんや翼たちから事情は聞いている。\\n むしろ、うちの装者たちに協力してくれて感謝している」",
"351001111_3": "「いえ、では、わたしはこれで失礼します」",
"351001111_4": "「ああ。教授にもよろしく伝えておいてくれ」",
"351001111_5": "「はい」",
"351001111_6": "「それにしても、ギャラルホルンの移動中に、\\n 意図しない別の並行世界へ行ってしまうなんて……」",
"351001111_7": "「クリスくんたちの報告と合わせても、\\n 今回の並行世界はかなり特殊な世界だったようだからな」",
"351001111_8": "「セレナ、今回は大変だったようね」",
"351001111_9": "「マリア姉さんッ!?」",
"351001111_10": "「うん、でも、雪音さんたちがいたから大丈夫だったよ」",
"351001111_11": "「ところで、ヴェイグと\\n 離れ離れになったって聞いたけど……」",
"351001111_12": "「あッ、それももう大丈夫。\\n 戻ってきてくれたんだ」",
"351001111_13": "「そう、それで原因はなんだったの……?」",
"351001111_14": "「それが……」",
"351001111_15": "「俺にも原因がわからない」",
"351001111_16": "「ヴェイグさんッ!?」",
"351001111_17": "「お前があの世界へ引き込まれた際に、\\n 俺だけ弾かれてしまったんだ……」",
"351001111_18": "「弾かれた……?」",
"351001111_19": "「わたしも急に消えちゃったんでびっくりしました……」",
"351001111_20": "「でも、また会えてよかったです」",
"351001111_21": "「ああ、俺も心配したぞ」",
"351001111_22": "「とにかく、2人とも無事でよかったわ」",
"351001111_23": "「…………」",
"351001111_24": "「ねえ、クリスちゃんってばッ!」",
"351001111_25": "「はッ! なんだよ急にでかい声出すんじゃねーッ!」",
"351001111_26": "「ずっと声かけてるのに、知らん顔するんだもん」",
"351001111_27": "「クリス、あの世界が心配なんだよね?」",
"351001111_28": "「気持ちはわからんでもない。",
"351001111_29": " しかし、ガメラもいるわけだし、きっと大丈夫だ」",
"351001111_30": "「わたしもそう思います」",
"351001111_31": "「あたしもそう思うよ。\\n あいつらは大丈夫だって」",
"351001111_32": "「だけど……」",
"351001111_33": "「まだ心配?」",
"351001111_34": "「なんつーか、嫌ーな予感がするんだよな……」",
"351001111_35": "「背中もゾクゾクするし……」",
"351001111_36": "「ただの風邪じゃないか?」",
"351001111_37": "「そうなのか……?」",
"351001111_38": "「真琴、またデータを送ってほしいって連絡が来てるぞ」",
"351001111_39": "「…………」",
"351001111_40": "「可能なら再生機とセットで送ってほしいそうだ」",
"351001111_41": "「再生機は無理だから自分たちでなんとかしてって言ってー。\\n データは送ってあげるから」",
"351001111_42": "「まずいかなー……」",
"351001111_43": "「まさか、クリスの歌がこんなに人気出るなんて……」",
"351001111_44": "「クリスは広めないようにって言っていたけど……、\\n 時すでに遅し、だよねー」",
"351001111_45": "「まあ、いっかー」"
}

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@ -0,0 +1,44 @@
{
"352000111_0": "もうひとつの2020年",
"352000111_1": "――11月27日 16:00――",
"352000111_2": "――旧都庁跡地・ポイントZ――",
"352000111_3": "「装置の設置は完了した。\\n 『奴ら』に見つかる前にここを離れるぞッ!」",
"352000111_4": "「アレックス隊長、10時の方向に――ッ!」",
"352000111_5": "「嘘だろ、もう来やがったのかッ!?」",
"352000111_6": "「くッ……。リアム、佐竹、撤退だッ!\\n 撤退しろッ!」",
"352000111_7": "「うわあああ――ッ!?」",
"352000111_8": "「隊長、秋山が――、\\n 味方が名やられましたッ!」",
"352000111_9": "「止まるな、走り続けろッ!\\n お前もあんな風になりたいのかッ!」",
"352000111_10": "「あの野郎……よくも仲間をッ!」",
"352000111_11": "「やめろッ! そんなことしたら物音を聞きつけて\\n 他の奴らも――」",
"352000111_12": "「く、くそ――」",
"352000111_13": "「がは――ッ!?」",
"352000111_14": "「もうダメだ……。\\n 俺たちはここで死ぬんだ……ッ!」",
"352000111_15": "「無用な迎撃は避けて、後退しろッ!」",
"352000111_16": "「任務は既に完了してるんだ。\\n 急いで、砦に戻るぞッ!」",
"352000111_17": "「りょ、了解し――」",
"352000111_18": "「ぐは――ッ!?」",
"352000111_19": "「お、おいッ!」",
"352000111_20": "「隊員3名が……あっという間に……」",
"352000111_21": "「なッ……」",
"352000111_22": "「か、囲まれたッ!?」",
"352000111_23": "「くッ……このまま全滅するのか……」",
"352000111_24": "「死んでたまるかッ!\\n 俺にはやらなきゃいけないことがあるんだッ!」",
"352000111_25": "「隊長ッ! 命令をッ!」",
"352000111_26": "「俺たち、どうすればいいんですかッ!?」",
"352000111_27": "「…………」",
"352000111_28": "(なんでだよ……こんな……、\\n くそッ……足が震えて……俺は……)",
"352000111_29": "「隊長ッ!!」",
"352000111_30": "(わからない……俺にどうすればいいかなんて……)",
"352000111_31": "「に、逃げろ……、とにかく逃げるんだッ!」",
"352000111_32": "(死にたくないッ! 死にたくないッ!)",
"352000111_33": "(死にたくないッ! 死にたくないッ!\\n 死にたくないッ! 死にたくないッ!)",
"352000111_34": "「死にたくないッ!!」",
"352000111_35": "「――ッ!?」",
"352000111_36": "「い、今の攻撃は……ッ!?\\n どこの部隊だッ!? 援軍なのかッ!?」",
"352000111_37": "「この地点に展開しているのは我々の部隊だけです。\\n もしかして、八坂司令が援軍を……?」",
"352000111_38": "「救援要請は出せていない。そんなはずは――」",
"352000111_39": "「あ、あれはッ!?\\n 隊長、上を見てくださいッ!」",
"352000111_40": "「な、なんだ、あれは……鳥か?」",
"352000111_41": "「いや、違う……。\\n あれは、少女……?」"
}

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@ -0,0 +1,31 @@
{
"352000121_0": "――11月27日 15:30――",
"352000121_1": "――旧都庁跡地・ポイントZ――",
"352000121_2": "「ここが、目的の並行世界?」",
"352000121_3": "「一体なんだってんだよ……この世界は……」",
"352000121_4": "「空が赤い……、街もボロボロ……。\\n わたしたちの世界と全然違う……」",
"352000121_5": "「ああ、まるで戦争の後だな」",
"352000121_6": "「もしかして、\\n 世界蛇に滅ぼされた世界のつなんでしょうか……」",
"352000121_7": "「その可能性はある……」",
"352000121_8": "「とにかく、ギャラルホルンがアラートを発したんだ。\\n この並行世界に何かしらの原因となる問題があるはずだ」",
"352000121_9": "「まずはそれを調査するぞ」",
"352000121_10": "「はい」",
"352000121_11": "「…………」",
"352000121_12": "「な、何今の音ッ!?」",
"352000121_13": "「獣か何かの鳴き声に聞こえたがッ!?」",
"352000121_14": "「お、おい……嘘だろ……?\\n なんなんだよ、アイツらはッ!?」",
"352000121_15": "「鳥……、いや、恐竜ッ!?」",
"352000121_16": "「プテラノドンッ!?\\n この世界では恐竜が生きているというのかッ!?」",
"352000121_17": "「いや、よく見ろッ!\\n 姿は似てるかもしれないけど、明らかに別物だろッ!」",
"352000121_18": "「あれが、ギャラルホルンのアラートの原因なの?」",
"352000121_19": "「さあな。\\n だけど、あたしらに喧嘩を売るってなら買ってやるッ!」",
"352000121_20": "「Killter Ichaival tron――」",
"352000121_21": "「来るぞッ!\\n 散れッ!」",
"352000121_22": "「この距離なら、目を瞑っていても外さねーッ!\\n 全弾、受け取れッ!」",
"352000121_23": "「こっちの攻撃は効くみたいだな」",
"352000121_24": "「なッ、レーザーだとッ!?」",
"352000121_25": "「遠距離攻撃もお手の物ってわけかッ!」",
"352000121_26": "「耳が……キーンって……。\\n 何、あの攻撃……」",
"352000121_27": "「ビルのコンクリートをやすやすと切断する威力、\\n それにこの感覚……。ただのレーザーではないみたいだな」",
"352000121_28": "「気を付けろ、わらわらと集まって来やがったぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"352000122_0": "「次から次へと……。\\n 一体どれだけの数がいやがるんだッ!」",
"352000122_1": "「……おかしい。\\n 先ほどからこちらの攻撃が効きにくくなってきている」",
"352000122_2": "「わたしも感じました。\\n それに、なんだか戦いにくいような……」",
"352000122_3": "「小日向もか?」",
"352000122_4": "「あたしらの知らない、何かがあるみたいだな」",
"352000122_5": "「理由はどうあれ、このまま戦い続けるのは危険だ。\\n 一度S.O.N.G.へ戻るぞッ!」",
"352000122_6": "「敵に背を向けるのはしゃくだが、しかたないッ!」",
"352000122_7": "「ダメッ! あれを見てッ!\\n ギャラルホルンのゲートがッ!」",
"352000122_8": "「な――」",
"352000122_9": "「ゲートが、あの怪獣の群れに……。\\n あれでは、近づくことができない」",
"352000122_10": "「まるであそこが\\n 怪獣たちの巣みたい……」",
"352000122_11": "「アイツらの巣の近くにゲートが繋がってたってことか。\\n 襲われたのも納得だな」",
"352000122_12": "「とにかく、この場から離脱するべきだ。\\n 奴らを相手にするには圧倒的に情報が足りていないッ!」",
"352000122_13": "「でも、こんな怪獣がたくさんいる世界で、\\n 無事な人を見つけるのは簡単じゃ……」",
"352000122_14": "「銃撃音だッ!」",
"352000122_15": "「近くに人がいるのッ!?」",
"352000122_16": "「しかも、銃をぶっ放してるってことは、\\n 怪獣に襲われてる可能性が高いってことだッ!」",
"352000122_17": "「急ぐぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,57 @@
{
"352000131_0": "――11月27日 16:05――",
"352000131_1": "――旧都庁跡地・ポイントZ――",
"352000131_2": "「あそこだッ! 兵士が戦ってるぞッ!」",
"352000131_3": "「急いで助けようッ!」",
"352000131_4": "「ちッ! あたしが蹴散らしてやるッ!」",
"352000131_5": "「この数なら、行けるッ!」",
"352000131_6": "「あ、あれはッ!?\\n 隊長、上を見てくださいッ!」",
"352000131_7": "「な、なんだ、あれは……鳥か?」",
"352000131_8": "「いや、違う……。\\n あれは、少女……?」",
"352000131_9": "「残るはこいつだけだッ!」",
"352000131_10": "「よし、なんとかなったな」",
"352000131_11": "「そうだね、あの人たちも無事みたい」",
"352000131_12": "「この世界にも、ちゃんと人間がいてくれたか」",
"352000131_13": "「あの子たちがギャオスを倒したのか……?」",
"352000131_14": "「俺は、夢でもみてるんじゃ……」",
"352000131_15": "「…………」",
"352000131_16": "「ま、まただッ! またギャオスが来たぞッ!\\n 応戦しろッ!」",
"352000131_17": "「ギャオス……、\\n あの怪獣の名前か?」",
"352000131_18": "「それより、また集まって来やがったッ!」",
"352000131_19": "「くそッ……こんなところで……」",
"352000131_20": "「こいつらはあたしたちが引きつける。\\n あんたたちは後ろから援護してくれッ!」",
"352000131_21": "「あんたらは一体何者なんだッ!」",
"352000131_22": "「んなことは今はどうでもいいッ!\\n 死にたくなけりゃ下がれッ!」",
"352000131_23": "「リアム、今は彼女の言う通りにしよう。\\n 隊長、それでいいですよね?」",
"352000131_24": "「……あ、ああ」",
"352000131_25": "「なんとかなったな……」",
"352000131_26": "「ああ、みな無事だ」",
"352000131_27": "「まさか、ギャオスと対等に戦える人間がいるなんて……」",
"352000131_28": "「夢じゃなかった……」",
"352000131_29": "「あの、すみません。\\n 教えていただきたいことがあるんですが……」",
"352000131_30": "「本当に、少女だぞ……」",
"352000131_31": "「あの装備はなんだ? どこから出している?」",
"352000131_32": "「信じられない技術だ……」",
"352000131_33": "「まさか、他国からの援軍?」",
"352000131_34": "「こんな状況だぞ、あり得ない」",
"352000131_35": "「あの……」",
"352000131_36": "「おい、責任者……じゃなくて、リーダーは誰だ?」",
"352000131_37": "「……俺だ」",
"352000131_38": "「お前……」",
"352000131_39": "(こいつ、一番先に逃げてなかったか?)",
"352000131_40": "「……わたしたちのことを怪しむ気持ちもわかります。\\n ですが、敵ではありません」",
"352000131_41": "「……信用はまだできない。\\n だが、助けてくれたことには感謝する」",
"352000131_42": "「お前たちはなぜこんな場所にいる?\\n 親玉を討伐にでも来たのか?」",
"352000131_43": "「親玉……?」",
"352000131_44": "「ここは、最も危険な場所……、\\n ポイントだぞ」",
"352000131_45": "「ポイントZ?」",
"352000131_46": "「ま、待ってくれ、何もわからないんだ。\\n 教えてくれ、この世界は――」",
"352000131_47": "「今の声は……」",
"352000131_48": "「くッ……やっぱり来たかッ! 奴だッ!」",
"352000131_49": "「この羽音は、これまでのものとは違う……?\\n もっと大きな――」",
"352000131_50": "「もしかして、さっき言っていた親玉って……アレ?」",
"352000131_51": "「な、なんだよ、あのデカブツは……ッ!?」",
"352000131_52": "「あ……ああ……見つかってしまった……」",
"352000131_53": "「他の怪獣とは、\\n まるで比較にならないほどの巨体だ……」",
"352000131_54": "「あいつこそが、ここギャオスの巣の主……、\\n ジズだッ!」"
}

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@ -0,0 +1,60 @@
{
"352000132_0": "「――くそッ!\\n 本当に効いてんのかッ!?」",
"352000132_1": "「ちっこい奴らに比べて、\\n 力もスピードもダンチじゃねえかッ!」",
"352000132_2": "「そもそもどんだけ馬鹿デッカイんだよ、\\n こいつッ!!」",
"352000132_3": "「気圧されるなッ!\\n 攻撃を続けるんだッ!」",
"352000132_4": "「わかってます、でもッ!」",
"352000132_5": "「こうなったら、全弾ぶち込んでやるッ!」",
"352000132_6": "「なッ!? 羽ばたき1つでこの風圧かッ!」",
"352000132_7": "「雪音ッ!?」",
"352000132_8": "「しま――ッ!?」",
"352000132_9": "「危ないッ!」",
"352000132_10": "「ぐあ――ッ!?」",
"352000132_11": "「お前、あたしを庇ったのかッ!?」",
"352000132_12": "「ギャオスとの戦いを……この目で見て……思った……、\\n 君たちは、この戦いに必要だと……」",
"352000132_13": "「もういい、喋るな。\\n すぐに医者のところに連れてってやるからッ!」",
"352000132_14": "(傷が深い……これでは……)",
"352000132_15": "「こいつ……やりやがったなッ!」",
"352000132_16": "「ダメだ、まるで通じてないッ!」",
"352000132_17": "「戦うのは無駄だ……」",
"352000132_18": "「何が無駄だっていうんだよッ!」",
"352000132_19": "「アレは空を支配する鳥の王……」",
"352000132_20": "「その頭は天にまで届き、翼を広げると太陽を覆い隠す、\\n 旧約聖書にも伝わるその名は……『<ruby=ジズ></ruby>』」",
"352000132_21": "「ジズ……?」",
"352000132_22": "「俺たちはそう呼んでいる……」",
"352000132_23": "「そして、その名がポイントZの由来にもなったほどだ。\\n アレには、誰も勝てない……」",
"352000132_24": "「だからって、お前……、\\n 戦う前から、諦めるのかッ!」",
"352000132_25": "「今のは……?」",
"352000132_26": "「照明弾だ。これで少しは時間を稼げるはず……ッ!」",
"352000132_27": "「時間なんて稼いだところで――」",
"352000132_28": "「アレックス隊長、彼女の言う通りです……。\\n 諦めては、いけない……」",
"352000132_29": "「リアム……」",
"352000132_30": "「お前は無理にしゃべるなッ!\\n 死んじまうぞッ!」",
"352000132_31": "「死んでたまるか……こんなところで……」",
"352000132_32": "「俺は……、あいつに……、プレゼントするんだ。\\n 少しでも平和な世界を……」",
"352000132_33": "「プレゼント……?」",
"352000132_34": "「それまで、死んで……たまるか……。\\n 俺は……、絶対に、諦めないぞ……」",
"352000132_35": "「リアム……お前……」",
"352000132_36": "「おいッ! 何寝てんだッ! 目を開けろッ!」",
"352000132_37": "「……無駄だよ」",
"352000132_38": "「何が無駄なんだッ!」",
"352000132_39": "「雪音、その人はもう……」",
"352000132_40": "「…………」",
"352000132_41": "「そんな……」",
"352000132_42": "「……こいつ、あたしを助けて……」",
"352000132_43": "「急いで逃げるぞッ!\\n 俺たちも死んじまうッ!」",
"352000132_44": "「――ッ!?\\n お前ッ! 仲間が死んだってのに――」",
"352000132_45": "「よせ、雪音ッ!」",
"352000132_46": "「クリス、今は……」",
"352000132_47": "「な、なんだよ……俺が悪いってのか?」",
"352000132_48": "「くそッ!\\n アイツだけは絶対に許さねえッ!」",
"352000132_49": "「落ち着け、雪音ッ!\\n 今、成すべきことがあるはずだッ!」",
"352000132_50": "「だけど――」",
"352000132_51": "「これ以上ここに留まり、\\n 犠牲者を増やすわけにはいかないッ!」",
"352000132_52": "「先ほど亡くなられた御仁のためにも」",
"352000132_53": "「くッ……」",
"352000132_54": "「隊長、ジズの気が逸れてますッ!\\n 今なら、逃げられますッ!」",
"352000132_55": "「殿はこちらに任せてもらおう。\\n 勝機はなくとも時は稼げるはずだッ!」",
"352000132_56": "「わかった……。悪いが頼む」",
"352000132_57": "(自分が情けない……。\\n 逃げることしかできないなんて……ッ!)"
}

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@ -0,0 +1,72 @@
{
"352000141_0": "「ジズは追ってきているか?」",
"352000141_1": "「……目視では確認できません。\\n どうやら逃げ切れたようですッ!」",
"352000141_2": "「奴と交戦して生きていられるとは……、\\n まさに奇跡だな」",
"352000141_3": "「2人とも無事か?」",
"352000141_4": "「……ああ、なんとかな」",
"352000141_5": "「でも、みなさんのお仲間が犠牲に……」",
"352000141_6": "「……残念だ。\\n だが彼らのおかげで俺たちは生き残れた」",
"352000141_7": "「ジズと遭遇して全滅しなかったのはまさに奇跡。\\n ……そのことは素直に喜ぼう」",
"352000141_8": "「……こんなんで、喜べるかよ……」",
"352000141_9": "「…………」",
"352000141_10": "「隊長、人類戦線へ帰還する、で問題ないでしょうか?」",
"352000141_11": "「そうだな、帰還しよう。\\n 君たちも来てくれるだろう?」",
"352000141_12": "「人類戦線?」",
"352000141_13": "「ギャオスのこともそうだが、人類戦線も知らないなんてな。\\n 本当にどこからきたのやら」",
"352000141_14": "「とにかく、ついてきてほしい。\\n 君たちに役立つ情報などを提供できるかもしれないぞ」",
"352000141_15": "「それはありがたいです。\\n ぜひ、同行させてください」",
"352000141_16": "「2人とも、構わないな?」",
"352000141_17": "「はい」",
"352000141_18": "「……ああ」",
"352000141_19": "「手が足りないッ! 誰かこっちを手伝ってくれッ!」",
"352000141_20": "「重傷者はC棟へ、悪いが軽傷の者は後回しにさせてもらう」",
"352000141_21": "「麻酔が足りない、もっと麻酔を持ってきてくれッ!」",
"352000141_22": "「うあああんッ!」",
"352000141_23": "「どうしたの? 泣かないで」",
"352000141_24": "「ここが……」",
"352000141_25": "「人類……戦線……?」",
"352000141_26": "「マジで、戦争中みたいだな……」",
"352000141_27": "「……戦争中か。確かにそうだな」",
"352000141_28": "「ここ、人類戦線は人類を護るために結成されたコミュニティだ」",
"352000141_29": "「そこかしこに自衛隊の装備が見受けられる……」",
"352000141_30": "「その通りだ。\\n 元自衛隊員らが中心となり構成されているからね」",
"352000141_31": "「俺たちの目的は、人類を存続させること。\\n そのために怪獣と戦っている」",
"352000141_32": "「怪獣ってのは、あのギャオスって奴か」",
"352000141_33": "「ああ、そうだ」",
"352000141_34": "「ここの他にも拠点はあるのですか?」",
"352000141_35": "「もちろんだ」",
"352000141_36": "「日本国内に計7箇所、国外にも仲間たちの基地はある。\\n 昔は、協力し合って、ギャオスと戦っていたんだが……」",
"352000141_37": "「今は各々の基地を護ることで精一杯でね。\\n 互いの連絡も途切れがちで……」",
"352000141_38": "「本当に……わたしたちの知っている世界とは、違うんだ……」",
"352000141_39": "「君たちの世界……? それはどういう――」",
"352000141_40": "「アレックスッ! ちょうどいいところに帰ってきた。\\n 外で真琴を見なかったか?」",
"352000141_41": "「真琴を? いや、見てないが?」",
"352000141_42": "「朝、外へ出ていくところを見たのを最後に、\\n それから戻ってきてないらしいのよッ!」",
"352000141_43": "「なんだってッ!?」",
"352000141_44": "「ええっと、真琴っていうのは?」",
"352000141_45": "「八坂真琴、アイツは――」",
"352000141_46": "――同日 16:00――",
"352000141_47": "――(旧)市ヶ谷駐屯地付近――",
"352000141_48": "「はあ、はあ……ッ!\\n どうしてこんなことに……」",
"352000141_49": "「それに、あの鳥みたいな怪獣はなんなんだろう?」",
"352000141_50": "(マリア姉さんに会おうとS.O.N.G.に向かったはずなのに……。\\n 気づいたらどこだかわからない場所に放り出されるし)",
"352000141_51": "(ヴェイグさんも全く反応しない……、一体何が起きてるの?)",
"352000141_52": "「もしかして、この間来たとき、知らずに暁さんのプリンを\\n 食べちゃった罰が当たったのかな……」",
"352000141_53": "「それとも、マリア姉さんの寝顔の写真を黙って撮ったから?」",
"352000141_54": "「うう……、ごめんなさい。\\n 謝りますから、誰か……マリア姉さん、助けてー」",
"352000141_55": "「……」",
"352000141_56": "「えッ……あれって――」",
"352000141_57": "「女の子だッ! \\n よかった……ちゃんと人がいるんだッ!」",
"352000141_58": "「……」",
"352000141_59": "(でもあの子……、\\n あそこでじっと動かずに何をしてるんだろ?)",
"352000141_60": "(鳥の怪獣ッ!?\\n 女の子が襲われちゃうッ!)",
"352000141_61": "「早く逃げてくださいッ!」",
"352000141_62": "「……」",
"352000141_63": "「なんでッ!?\\n どうして逃げないんですかッ!?」",
"352000141_64": "「気づいてない?\\n でも、ここからなら――」",
"352000141_65": "「間に合うッ!」",
"352000141_66": "「ん……?」",
"352000141_67": "「こんなところで、危ないですよッ!」",
"352000141_68": "「……あなたは、誰?」",
"352000141_69": "「わたしのことは後で説明しますから。\\n 今は、ここから早く逃げましょうッ!」"
}

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@ -0,0 +1,66 @@
{
"352000142_0": "「な、なんとか倒せた……。でも、\\n いつもより力が出せなかったような……」",
"352000142_1": "「すごいッ! すごいッ!\\n ギャオスを倒しちゃうなんてッ!」",
"352000142_2": "「ギャオス……? あの怪獣のことですか?」",
"352000142_3": "「そうだよー。\\n ねえ、あなたは誰?」",
"352000142_4": "「わたしはセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。\\n 怪我はありませんでしたか?」",
"352000142_5": "「わたしねー。真琴。八坂真琴っていうの。\\n 怪我もないよ。あなたが助けてくれたからね」",
"352000142_6": "「よかったです。\\n あの、あなたはここで何をしていたんですか?」",
"352000142_7": "「あ、また来るよー」",
"352000142_8": "「え?」",
"352000142_9": "「戦闘音で気づかれたッ!?\\n 早く逃げましょうッ!」",
"352000142_10": "「うん」",
"352000142_11": "「はあ、はあ、はあ……」",
"352000142_12": "「セレナ、すごいッ!\\n わたしを抱いてこんなに早く走れるなんてッ!」",
"352000142_13": "「わたしと同い年くらいなのに、力持ちなんだね」",
"352000142_14": "「いえ、力持ちというわけでは……」",
"352000142_15": "「それに、その服も可愛いね。\\n わたしの軍服とは大違い、いいなー」",
"352000142_16": "「え、いや、えーと……」",
"352000142_17": "(なんだろう、この子……?\\n 不思議な感じがする)",
"352000142_18": "「そんなことよりもッ!\\n どうしてあなたはこんなところに人でいたんですか?」",
"352000142_19": "「大きな怪獣がいるのに、怖くないんですか?」",
"352000142_20": "「うーん……、1つ目の答えは、\\n 必要なものがあったからそれを取りにきてたの」",
"352000142_21": "「2つ目の答えは、怖いけど大丈夫、だよ」",
"352000142_22": "「だって、もうすぐ『ガメラ』が助けに来てくれるもんッ!」",
"352000142_23": "「ガメラ……?」",
"352000142_24": "「セレナは、ガメラ知らないの?」",
"352000142_25": "「は、はい……」",
"352000142_26": "「ガメラはね、人類の救世主だよ。\\n セレナも、真琴の救世主だけどね」",
"352000142_27": "「そんな、わたしは……」",
"352000142_28": "「あの、えーと真琴さん?」",
"352000142_29": "「なーに?」",
"352000142_30": "「どこか、人が沢山いる安全な場所を知りませんか?」",
"352000142_31": "「人類戦線のこと?」",
"352000142_32": "「人類戦線? そこは安全なんですか?」",
"352000142_33": "「うんッ!\\n わたしもこれから帰るところだったから案内してあげるよ」",
"352000142_34": "「ありがとうございます」",
"352000142_35": "「あの……少し、お話しいいですか?」",
"352000142_36": "「もちろんッ! なんでも聞いてー」",
"352000142_37": "「先ほど言っていた、ガメラとはなんですか?」",
"352000142_38": "「これ……」",
"352000142_39": "「それは、何かの鱗?」",
"352000142_40": "「ガメラの鱗の破片。わたしのお守りなの」",
"352000142_41": "「鱗……、\\n では、ガメラも怪獣なんですか?」",
"352000142_42": "「そう。でもガメラは、人類の守護者なんだよ」",
"352000142_43": "「わたしたち人類を助けてくれるカッコいい怪獣。\\n だからわたしは、祈るの、ガメラにわたしたちを護ってって」",
"352000142_44": "「そ、そうなんですね……」",
"352000142_45": "「ガメラが来てくれれば、ギャオスなんて怖くない。\\n 人類はまた光を取り戻せる」",
"352000142_46": "「そんなに熱心にお祈りしてるんですから、\\n きっとガメラにも届いてますよ」",
"352000142_47": "「……」",
"352000142_48": "「あ、あれ? わたし、変なこと言いました?」",
"352000142_49": "「ううん、ガメラのことを信じてくれるんだね」",
"352000142_50": "「それってどういう……」",
"352000142_51": "「ちょっと待って。\\n 近くにギャオスがいるよ」",
"352000142_52": "「え? どこに? わたしには何も……」",
"352000142_53": "「……静かに」",
"352000142_54": "「はい……」",
"352000142_55": "「…………」",
"352000142_56": "「……うん、もう大丈夫」",
"352000142_57": "「あ、本当にギャオスが飛んで行った……」",
"352000142_58": "「どうしてわかったんですか?」",
"352000142_59": "「うーん、なんとなくかなー」",
"352000142_60": "「昔からこういう感覚は当たるんだ。\\n 危機回避能力が高いってよく言われるの」",
"352000142_61": "(本当に不思議な女の子……)",
"352000142_62": "「セレナ、行こうッ!」",
"352000142_63": "「は、はいッ!」"
}

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@ -0,0 +1,133 @@
{
"352000151_0": "「ここが人が住んでる場所?\\n 『人類戦線』でしたっけ?」",
"352000151_1": "「うん、そう。中を案内してあげるよ」",
"352000151_2": "「ここまでの街があんな様子だったから、\\n 人も少ないのかなって思ってたけど、大勢いるんですね」",
"352000151_3": "「大人も、子供もたくさん。\\n あそこにいる人なんてどこかで見たことあるような――」",
"352000151_4": "「あッ!」",
"352000151_5": "「えッ!?」",
"352000151_6": "「セレナちゃんッ!?」",
"352000151_7": "「な、なんでみなさんがここにッ!?」",
"352000151_8": "「そりゃ、こっちのセリフだッ!」",
"352000151_9": "「あれ、セレナの知り合い?」",
"352000151_10": "「真琴ッ!?\\n お前、一体どこへ行ってたんだッ!」",
"352000151_11": "「少し東の街の方に行ってたの。\\n 危ないところをセレナに助けてもらったんだよ」",
"352000151_12": "「セレナ? 彼女のことか?\\n ということは、君も戦えるのか?」",
"352000151_13": "「おおッ! アレックスも知ってるんだね。\\n あのカッコ可愛いのー」",
"352000151_14": "「あ、ああ。俺も彼女たちに助けられたんだ」",
"352000151_15": "「真琴ちゃんじゃないかッ!\\n 無事だったんだなッ!」",
"352000151_16": "「もう、どこ行ってたのよ。みんな心配してたのよッ!」",
"352000151_17": "「ごめん、ごめん。心配させちゃって。\\n でも、わたしは大丈夫だよー」",
"352000151_18": "「すごい人気だな」",
"352000151_19": "「あの、すみません。わたし状況がわからなくて……。\\n 教えていただいてもいいですか?」",
"352000151_20": "「ちょうどその話をするところだったんだ」",
"352000151_21": "「ここでは騒がしすぎるだろう?\\n 落ち着ける場所を用意したからついて来てくれ」",
"352000151_22": "「ありがとうございます」",
"352000151_23": "「わたしもいくー」",
"352000151_24": "「並行世界にシンフォギアだと……」",
"352000151_25": "「まるで物語の中のお話みたい」",
"352000151_26": "「作り話と決めつけるには、\\n ギャオスと渡り合うだけの力を実際に見せられているからな」",
"352000151_27": "「だが、残念だ。話を聞く限りでは\\n シンフォギアの技術は到底、俺たちに扱えるものじゃない」",
"352000151_28": "「櫻井了子という人物も聞いたことがない」",
"352000151_29": "「国外では、どうですか?」",
"352000151_30": "「海外も日本とさほど状況はかわらない。\\n 間違いなく、そんな技術はないだろうな」",
"352000151_31": "「そっか……」",
"352000151_32": "「すみません、この世界の話も聞かせてもらえますか?」",
"352000151_33": "「ああ、人類戦線のことはもう話したな。\\n なら、俺たちが置かれた状況を話そう」",
"352000151_34": "「今からだいたい20年前のことだ……。\\n ギャオスの大量発生により、人類の文明は幕を閉じたんだ」",
"352000151_35": "「20年も前からあんなのがいるのか」",
"352000151_36": "「そのせいで日本は分断され、国単位の政治機構もなくなり、\\n いくつかの小さなコミュニティ内で人々は生活してる」",
"352000151_37": "「俺たちは旧自衛隊の装備を使って武装し、\\n ギャオスと戦いながら、どうにか社会を維持している状態だ」",
"352000151_38": "「過酷って一言で表せるものじゃないけど、\\n 大変な世界なんですね……」",
"352000151_39": "「人の住める場所も限られているの。\\n あなたたちもしばらくはここにいるといいよー」",
"352000151_40": "「そう言ってもらえるとありがたい。今のわたしたちは、\\n 帰ることもできず、行くあてもないからな……」",
"352000151_41": "「あのギャオスの巣がなくならないと、\\n 元の世界に戻ることはできないですもんね……」",
"352000151_42": "「ポイントZのことだな。\\n 俺たちはあの巨大な巣を破壊するために長年戦ってきたんだ」",
"352000151_43": "「巣を破壊できれば、活動範囲も拡大できるし、\\n 他の基地との連携も取りやすくなる」",
"352000151_44": "「俺たちの勝利へと大きく前進するための要因なんだ」",
"352000151_45": "「それほどまでに重要な場所だったんですね」",
"352000151_46": "「これはなんの騒ぎだ」",
"352000151_47": "「あなたは?」",
"352000151_48": "「や、八坂司令ッ!?」",
"352000151_49": "「貴様たち、見ない顔だが外から来たのか?」",
"352000151_50": "(この人がこの基地の司令官……)",
"352000151_51": "「報告が遅れてしまい申し訳ありません。\\n 彼女たちは我々を救ってくれた協力者ですッ!」",
"352000151_52": "「協力者、だと?」",
"352000151_53": "「はい、彼女たちはあのギャオスを退けただけではなく、\\n 我々の部隊をジズから逃してくれたんです」",
"352000151_54": "「ガメラほどではありませんが、\\n 対ギャオスとなり得る人類の希望ですよ」",
"352000151_55": "「こんな年端もいかぬ小娘たちが……人類の希望だと?\\n とても信じられないな」",
"352000151_56": "「自分もこの目で見るまでは信じられませんでした。\\n ですが、事実です」",
"352000151_57": "「お前が私に嘘を吐く理由は無いし、まあいいだろう。\\n その力、後で見させてもらおう」",
"352000151_58": "「<size=20>なんか、やけに偉そうだな……</size>」",
"352000151_59": "「<size=20>兵士たちを束ねる者だ。こういう人もいるだろう</size>」",
"352000151_60": "「それと……」",
"352000151_61": "「ガメラなどという過去の遺物にすがるのはやめろ」",
"352000151_62": "「――ッ!?」",
"352000151_63": "「え?」",
"352000151_64": "「ううん、ガメラは、来るよ」",
"352000151_65": "「………」",
"352000151_66": "「ガメラは、必ずわたしたちを助けに来る」",
"352000151_67": "「真琴、お前はまた、砦を抜け出したらしいな」",
"352000151_68": "「……これを、見つけて、取りに行っていたんだよー」",
"352000151_69": "「それは、まさか、イリスの勾玉?」",
"352000151_70": "「うん、それに殻もある」",
"352000151_71": "「この解析がうまく行けば、ガメラを――」",
"352000151_72": "「ガメラはいない。20年前に死んだのだ」",
"352000151_73": "「そんなくだらないことを続けていないで、\\n お前も人類のために何かやったらどうだ?」",
"352000151_74": "「わからず屋……」",
"352000151_75": "「…………」",
"352000151_76": "「――アレックス、任務の報告をしろ」",
"352000151_77": "「は、はいッ!\\n 作戦は無事に完了いたしましたッ!」",
"352000151_78": "「よくやってくれた。\\n お前に任せた私の判断は間違っていなかったようだな」",
"352000151_79": "「ありがとうございます。\\n ですが、今回の任務で部隊の半数が犠牲に……」",
"352000151_80": "「……そうか。\\n だが、我々の戦いに犠牲は付き物だ」",
"352000151_81": "「犠牲は付き物だとッ!\\n あんたは人の命をなんだと思ってるんだよッ!」",
"352000151_82": "「…………」",
"352000151_83": "「……アレックス、報告は以上か?」",
"352000151_84": "「は、はい……」",
"352000151_85": "「おいッ! 無視するんじゃねえよッ!」",
"352000151_86": "「あんたも何か言うことがあるだろッ!\\n 知らねえ人間が死んだってわけじゃないだろうッ!」",
"352000151_87": "「……俺も、司令の言う通り、必要な犠牲だと思う」",
"352000151_88": "「こいつ……ッ!」",
"352000151_89": "「雪音ッ!」",
"352000151_90": "「なんだよ、それ……。軽い、軽すぎる……。\\n 人の命なんだぞ……」",
"352000151_91": "「軽くなど見ていない。\\n 人類の勝利のため礎なのだからな」",
"352000151_92": "「行くぞ、アレックス」",
"352000151_93": "「は、はいッ!」",
"352000151_94": "「ガメラは、いるのに……」",
"352000151_95": "「真琴さん……」",
"352000151_96": "「もうじき切り札となる新兵器\\n バスター』が完成する」",
"352000151_97": "「……シンフォギアといったか。\\n ここで新たな戦力の登場とは、我々にも運が向いてきたな」",
"352000151_98": "「司令。彼女たちの協力があれば、\\n Zバスターを無理に使用する必要はないのでは?」",
"352000151_99": "「いくら戦えるとはいえ、先ほど聞いた報告では、\\n ジズには歯が立たなかったと言っていなかったか?」",
"352000151_100": "「それは、そうですが……」",
"352000151_101": "「別の世界から来たなどということはこの際どうでもいい。\\n 彼女たちには、Zバスター完成までの時間稼ぎをしてもらう」",
"352000151_102": "「…………」",
"352000151_103": "「不満があるのなら、お前が時間稼ぎをするか?\\n 兄のように、戦闘機に乗って」",
"352000151_104": "「……いえ、俺には無理です」",
"352000151_105": "「だろうな。お前は何も考えず、\\n 私の命令に従っていればいいのだ」",
"352000151_106": "「そうすれば、兄の仇も討てるだろう」",
"352000151_107": "「…………」",
"352000151_108": "「ここ、ここッ!\\n ここがセレナたちのお部屋だよ」",
"352000151_109": "「ありがとうございます」",
"352000151_110": "「こんな状況の中で、\\n わたしたちに部屋を提供してもらえるのはありがたい」",
"352000151_111": "「そうですね」",
"352000151_112": "「気にしないで。実のところ部屋は結構余ってるんだー」",
"352000151_113": "「そうなんだね。なんか意外……」",
"352000151_114": "「数年前は、ぎゅうぎゅうだったんだけど、\\n 今はもう、だいぶ減っちゃったからね」",
"352000151_115": "「…………」",
"352000151_116": "「気にしないでいいよ。\\n ここでは、驚くことじゃないから」",
"352000151_117": "「それより、あとで、セレナたちの世界のお話を聞かせてッ!」",
"352000151_118": "「はい、わたしでよければ」",
"352000151_119": "「やったッ! それじゃーわたしはやることがあるからこれで。\\n ゆっくりしていってねー」",
"352000151_120": "「本当に、大変なところにきちゃったね」",
"352000151_121": "「はい……」",
"352000151_122": "「早く現状を打開して、S.O.N.G.に連絡しなければな」",
"352000151_123": "「…………」",
"352000151_124": "「……クリス、大丈夫?」",
"352000151_125": "「え? あ、ああ、なんだ?\\n なんか言ったか?」",
"352000151_126": "「さっきから黙ったままだけど、\\n 何か気になることでもあった?」",
"352000151_127": "「いや、マジで戦争中みたいでさ……、なんか……」",
"352000151_128": "(そうか、雪音は、バルベルデの時の自分を重ねて……)",
"352000151_129": "「わりぃ、でも大丈夫だ……」",
"352000151_130": "(くそッ! 嫌なこと思い出しちまう……)"
}

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@ -0,0 +1,23 @@
{
"352000211_0": "人類戦線にて",
"352000211_1": "「……さて、これからどうするか」",
"352000211_2": "「帰還ゲートを使うためにも\\n ギャオスをどうにかしないといけませんよね」",
"352000211_3": "「ポイントZでしたっけ?\\n あそこはギャオスの巣になってるって聞きましたけど……」",
"352000211_4": "「ああ、そのせいでいくら倒してもキリが無い。\\n それにあのジズってデカブツもいるしな」",
"352000211_5": "「奴はかなりの強敵だ。\\n こちらの攻撃はほとんど効果がなかった」",
"352000211_6": "「何か、対策を考えないといけませんね……」",
"352000211_7": "「あ、あんたたち、ここにいたのかッ!」",
"352000211_8": "「あなたは昨日の部隊にいた……」",
"352000211_9": "「悪いが、君たちの力を貸してくれないか?\\n 警戒線の内側に、ギャオスが侵入してきたんだッ!」",
"352000211_10": "「このままじゃ、この砦にも被害が出ちまうッ!」",
"352000211_11": "「――ッ!?」",
"352000211_12": "「1匹ならなんとかなると迎撃に出たんだが、\\n どんどん数が増えて……もう俺たちの戦力だけじゃ……」",
"352000211_13": "「わかりました、すぐに向かいますッ!\\n 案内してください」",
"352000211_14": "「感謝するッ! こっちだッ!」",
"352000211_15": "「これ以上、近づけさせるなッ!」",
"352000211_16": "「うわあああ――ッ!?」",
"352000211_17": "「兵士さんたちがあんなに傷ついてッ!?」",
"352000211_18": "(また、誰か死ぬ……いや、そんなことさせるかッ!)",
"352000211_19": "「Killter Ichaival tron――」",
"352000211_20": "「あたしたちが相手だッ!」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"352000212_0": "「これで終いだッ! 墜ちやがれッ!」",
"352000212_1": "「はぁ、はぁ……。\\n どうやら、倒せたようだな」",
"352000212_2": "「相手が少なかったから助かりましたが、\\n これ以上の数になったら……」",
"352000212_3": "「やっぱり、ギアの力が\\n 思うように振るえないような」",
"352000212_4": "「アイツらが、あのレーザーを吐き始めると\\n 途端にそんな感じがするな」",
"352000212_5": "「とはいえ、受ける攻撃の威力は、\\n ギアで軽減できているようだが……」",
"352000212_6": "「確かに。\\n スッパリ切断されないだけでも、シンフォギア様様だな」",
"352000212_7": "「……どうやらこれ以上の増援はないみたいだ……」",
"352000212_8": "「あんたたちのおかげで助かったよ。\\n 下手すりゃ、俺たち全滅してたからな」",
"352000212_9": "「隊長から話は聞いてたけど、\\n 本当にあんたたちは人類の希望なのかもな」",
"352000212_10": "「人類の希望なんて、そんな大それたものじゃ……」",
"352000212_11": "「勝てたのは、あなた方の援護のおかげでもあります」",
"352000212_12": "「ギャオスの攻撃を牽制してくれただけで大助かりだ」",
"352000212_13": "「これでも、ギャオスとの戦いは慣れてるからな。\\n いい連携ができてよかったよ」",
"352000212_14": "「なあ、こっちの被害はどうなんだ……?」",
"352000212_15": "「負傷者はいるが、幸いなことに死者は0だ」",
"352000212_16": "「そうか、よかった……」",
"352000212_17": "(1度目は護れなかった。だから、2度目はなしだ。\\n 絶対に誰も死なせやしない……!)",
"352000212_18": "「ギャオスはこんな風によく襲ってくるんですか?」",
"352000212_19": "「いや、そう頻繁に来るものじゃない。\\n だけど、前触れもなく現れやがるんだ……」",
"352000212_20": "「でしたら、またギャオスが襲ってきた時は\\n わたしたちを呼んでください」",
"352000212_21": "「いいのか?」",
"352000212_22": "「はい、力になりたいですから」",
"352000212_23": "「助かるよ。あんたたちのおかげで、\\n こっちの被害も多少は減りそうだ」",
"352000212_24": "「そうじゃないと、あたしらがいる意味がないんだ……」"
}

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@ -0,0 +1,139 @@
{
"352000221_0": "「みんな、おかえりー。\\n 大活躍だったみたいだねー」",
"352000221_1": "「あたしたちにできることなんて、\\n それくらいしかないからな……」",
"352000221_2": "「その『それくらい』がすごいことなんだけどねー」",
"352000221_3": "「あ、そうだ、1つ聞きたいことがあるんです」",
"352000221_4": "「ギャオスが口から吐くレーザーみたいな攻撃のことを\\n 知ってますか?」",
"352000221_5": "「おおッ! 知ってるよー。\\n 怪獣のことならなんでも聞いてくれたまえッ!」",
"352000221_6": "「お前は、怪獣オタクか?」",
"352000221_7": "「オタク……、それは今や失われた言葉だよ」",
"352000221_8": "「そ、そうなのか……」",
"352000221_9": "「それで、それで。続きを話してッ!」",
"352000221_10": "「あの攻撃を放たれると、シンフォギアの力が\\n 弱くなるような感じがするんです」",
"352000221_11": "「その原因がなんなのかわからなくて……」",
"352000221_12": "「なるほどー。\\n ちょっと思い当たることがあるから調べてみるよ」",
"352000221_13": "「ありがとうございます。\\n よろしくお願いします」",
"352000221_14": "「本当にわかるのだろうか……?」",
"352000221_15": "「さ、さあ……、でも怪獣のことについては詳しそうですよね」",
"352000221_16": "「……なあ、何かあたしたちに手伝えることはないか?」",
"352000221_17": "「え? 手伝えることって、十分に手伝ってもらってるよー」",
"352000221_18": "「いや、その、なんつーか、\\n じっとしてると落ち着かないんだ」",
"352000221_19": "「……いいの?」",
"352000221_20": "「うん、お手伝いさせてほしいな」",
"352000221_21": "「ええっと、それなら……。\\n うん、あの仕事ならみんなにお願いできるかも」",
"352000221_22": "「みんな、ここだよ」",
"352000221_23": "「おい、ここって……」",
"352000221_24": "「あッ、真琴姉ちゃんだッ!」",
"352000221_25": "「一緒に遊んでくれるの?」",
"352000221_26": "「今日はね、このお姉ちゃんたちも一緒に遊んでくれるよ」",
"352000221_27": "「あッ、変身して戦う人たちだッ!」",
"352000221_28": "「まさか、仕事って子供と遊ぶこと、\\n なんて言わないよな」",
"352000221_29": "「正解。ここも人手が足りなくて困ってたんだよね」",
"352000221_30": "「なるほど、確かにこれも立派な仕事だ。\\n 忙しい親の代わりに、子供の相手をするんだな」",
"352000221_31": "「託児所みたいな場所ってことですね」",
"352000221_32": "「親かあ……、ここの子供たちは\\n ほとんどが親を戦闘で亡くしてるんだー」",
"352000221_33": "「じゃあ……孤児ってことか……?」",
"352000221_34": "「うん」",
"352000221_35": "「こんなにたくさんの子供たちが……」",
"352000221_36": "「おかしな話じゃないさ。砦にいる大人は\\n ほとんどみんな、人類戦線の兵士として戦うんだからな」",
"352000221_37": "「お前、なんでここに」",
"352000221_38": "「俺もここに用があったんだよ。\\n 君たちが来ているとは思わなかったけど」",
"352000221_39": "「みんな、兵士に……」",
"352000221_40": "「ここにいる子供たちも、あと数年したら立派な兵士だ」",
"352000221_41": "「数年ということは、まさか、学生の年齢で兵士に?」",
"352000221_42": "「学生……学校……懐かしい響きだな。\\n まあ、そういうことだ」",
"352000221_43": "「無論、強制はしていない。\\n みんな、自ら志願して戦線に加わってくれるんだ」",
"352000221_44": "「親をギャオスに殺されて、仇を討ちたいと思う子も多いからな」",
"352000221_45": "「くッ……」",
"352000221_46": "「命は大事にしてほしいよね」",
"352000221_47": "「それより聞いたぞ、ギャオスの迎撃に協力してくれたらしいな。\\n 本当に頭が下がるよ」",
"352000221_48": "「じっとしてられなかっただけだ」",
"352000221_49": "「ねえ、お話長いよー」",
"352000221_50": "「一緒に遊ぼうよッ!」",
"352000221_51": "「うん、そうだね。\\n お姉ちゃんたちと一緒に遊ぼっか?」",
"352000221_52": "「やったーッ!」",
"352000221_53": "「わたしはあまりこういうことが得意ではないのだが」",
"352000221_54": "「風鳴さんなら大丈夫ですよ」",
"352000221_55": "「あたしもどちらかと言えば苦手なんだけどな……。\\n ん? あの隅っこにいる男の子はこっちに来ないのか?」",
"352000221_56": "「ああ、見当たらないと思ったら……。\\n 実は、あの子のことを探してたんだ」",
"352000221_57": "「あの子がどうしたんだ?」",
"352000221_58": "「彼は、リアムの子供なんだ」",
"352000221_59": "「リアム……」",
"352000221_60": "「リアムは、先日、戦死した俺の部隊の兵士だ。\\n 君も会っているだろう?」",
"352000221_61": "「しま――ッ!?」",
"352000221_62": "「危ないッ!」",
"352000221_63": "「ぐあ――ッ!?」",
"352000221_64": "「お前、あたしを庇ったのかッ!?」",
"352000221_65": "「ギャオスとの戦いを……この目で見て……思った……、\\n 君たちは、この戦いに必要だと……」",
"352000221_66": "「もういい、喋るな。\\n すぐに医者のところに連れてってやるからッ!」",
"352000221_67": "「アレックス隊長、彼女の言う通りです……。\\n 諦めては、いけない……」",
"352000221_68": "「リアム……」",
"352000221_69": "「お前は無理にしゃべるなッ!\\n 死んじまうぞッ!」",
"352000221_70": "「死んでたまるか……こんなところで……」",
"352000221_71": "「俺は……、あいつに……、プレゼントするんだ。\\n 少しでも平和な世界を……」",
"352000221_72": "「プレゼント……?」",
"352000221_73": "「それまで、死んで……たまるか……。\\n 俺は……、絶対に、諦めないぞ……」",
"352000221_74": "「――ッ!\\n あたしをかばって死んだ、あいつの……?」",
"352000221_75": "「ああ、俺も隊長として面倒を見てやらないと、って思ってね。\\n だけど、なんて声をかけていいのか……」",
"352000221_76": "「何か励ませるようなことができればと思ったんだがな……」",
"352000221_77": "「……」",
"352000221_78": "「お、おい、どこへ――」",
"352000221_79": "「なあ、お前もこっちに来て一緒に遊ばないか?」",
"352000221_80": "「いい……」",
"352000221_81": "「じゃあ、何かやりたいことはあるか?」",
"352000221_82": "「…………」",
"352000221_83": "「なあ……」",
"352000221_84": "「邪魔、どっか行って……」",
"352000221_85": "「お前のお父さんだけど……」",
"352000221_86": "「お父さんなんて大っ嫌いだ」",
"352000221_87": "「なんだとッ!」",
"352000221_88": "「約束したのに……。\\n 一緒に誕生日お祝いしてくれるって……」",
"352000221_89": "「すごいプレゼントくれるって、約束したのに……」",
"352000221_90": "「誕生日……」",
"352000221_91": "「その子、ジョシュアっていうんだけど、\\n もうすぐ歳の誕生日だったんだ」",
"352000221_92": "「それを楽しみにしていた矢先にな……」",
"352000221_93": "「…………」",
"352000221_94": "(くそ……、なんなんだよッ!\\n なんで、こんな子供が……)",
"352000221_95": "(ちっくしょう……)",
"352000221_96": "(どうすりゃいいんだ……。\\n あたしは、この子に何をしてやれるってんだ……)",
"352000221_97": "「お姉ちゃん、どうしたの?\\n 悲しい顔してるよー」",
"352000221_98": "「あ……」",
"352000221_99": "「お姉ちゃんもこっち来て一緒に遊ぼう」",
"352000221_100": "「いや、あたしは……」",
"352000221_101": "「お姉ちゃんもお歌を唄いながら悪い奴をやっつけるんだよね?」",
"352000221_102": "「わたし、お姉ちゃんのお歌聴いてみたいなー」",
"352000221_103": "「おおッ! それはいい案だねー」",
"352000221_104": "「クリス、どうしたの?」",
"352000221_105": "「何かいい遊びでも思いついたんですか?」",
"352000221_106": "「なんだよ、急に集まってくるなよ」",
"352000221_107": "「お姉ちゃんのお歌を聴くのー」",
"352000221_108": "「いや、こんな時に歌なんて……」",
"352000221_109": "「こんな時だからこそ、だろう?\\n 俺も是非聞いてみたいな」",
"352000221_110": "「雪音、唄ってやったらどうだ?」",
"352000221_111": "「ボクも聴きたい―」",
"352000221_112": "「マ、マジかよ……」",
"352000221_113": "「…………」",
"352000221_114": "(そうだ、言葉がダメなら歌で……。\\n 唄うことで、あいつに何か伝えられれば……)",
"352000221_115": "「……わかったよ、唄ってやるよッ!」",
"352000221_116": "「やったーッ!」",
"352000221_117": "「あ、ちょっと準備するから待っててー」",
"352000221_118": "「準備……?」",
"352000221_119": "「――これでよしッ!」",
"352000221_120": "「〜〜♪ 〜〜♪」",
"352000221_121": "「わあ……」",
"352000221_122": "「綺麗……」",
"352000221_123": "「これが、彼女の歌なのか……」",
"352000221_124": "「…………」",
"352000221_125": "(さっきまでとは表情が変わってきた気がする。\\n あたしの歌がそうさせてるのか?)",
"352000221_126": "(あたしの歌がこの子たちのためになるのなら、\\n もう少しだけ……)",
"352000221_127": "「こんな優しい歌、聴いたの初めてだよー」",
"352000221_128": "「みんなは、歌を唄わないの?」",
"352000221_129": "「もう歌なんて唄ってる人いないよ。\\n そういうものは全部、必要のないものになったから」",
"352000221_130": "「歌が必要ないとは……、\\n それは、寂しく感じてしまうな」",
"352000221_131": "「寂しく感じる、か……。\\n 俺たちにはその感覚はわからない。でも――」",
"352000221_132": "(人が生で唄う歌なんて、久しぶりに聴いたけど……。\\n こんなにも……、胸に来るものなのか……?)",
"352000221_133": "「あの、真琴さん? 何か光ってるよ」",
"352000221_134": "「ん?」",
"352000221_135": "「勾玉が光ってるッ!? それに、ガメラの鱗もッ!\\n 両方かすかにだけど、光ってるッ!」",
"352000221_136": "「これって……」"
}

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@ -0,0 +1,69 @@
{
"352000231_0": "――翌日――",
"352000231_1": "「あッ、お歌のお姉ちゃんたちだ。\\n 今日も遊んでくれるの?」",
"352000231_2": "「うん、もちろん。\\n 君たちは何がしたいかな?」",
"352000231_3": "「ええっとね……また歌が聴きたいッ!」",
"352000231_4": "「また唄うのかよ?」",
"352000231_5": "「うん、聴きたいッ!」",
"352000231_6": "「そんなにレパートリーがあるわけじゃないんだけどな」",
"352000231_7": "「わたしの歌を唄ってくれてもいいんだぞ」",
"352000231_8": "「いやいやいや、そりゃ、ハードルが高いですってッ!」",
"352000231_9": "「クリスがカラオケでよく唄うあの歌は?\\n 振付け有りで唄ったら、子供たち喜ぶと思うよ」",
"352000231_10": "「わたしも聴きたいですッ!」",
"352000231_11": "「確か、怪傑――」",
"352000231_12": "「やめろ、ここで唄ったら、あたしの心がすり減る……」",
"352000231_13": "「…………」",
"352000231_14": "(あいつは……まだ無理か……)",
"352000231_15": "「ここにいたのか、随分楽しそうだな」",
"352000231_16": "「あッ、この前の……えーと、確か佐竹さん?」",
"352000231_17": "「名前を憶えてくれるなんて、光栄だね」",
"352000231_18": "「もしかして、ギャオスが出たんですか?」",
"352000231_19": "「いや、今日はただの見回りだよ」",
"352000231_20": "「しかし、こう見ると、\\n 君たちがギャオスと戦ってるなんて本当に信じられないな」",
"352000231_21": "「昨日聴かせてもらった歌もすごいよかった。\\n とても優しくて、あんな歌を聴いたのは初めてだ」",
"352000231_22": "「え? でも昨日あの場にいましたっけ?」",
"352000231_23": "「いや、真琴ちゃんだよ。\\n あの子が、録音していてくれたんだ」",
"352000231_24": "「だから、あの場にいなかったやつも\\n 結構聴いてるんじゃないかな」",
"352000231_25": "「ちょっと待てッ!\\n 黙って録音してただとッ!?」",
"352000231_26": "「ああ、さっきも3番倉庫で、\\n 君の歌を兵士たちが聴いていたぞ」",
"352000231_27": "「お前……。\\n って、そんなに出回っているのか?」",
"352000231_28": "「こんなご時世だからな、ギャオスと戦う少女の唄って聴いたら、\\n みんな聴いてみたくなるだろう?」",
"352000231_29": "「…………」",
"352000231_30": "「雪音、顔が真っ赤だぞ」",
"352000231_31": "「もしかして、このままどんどん広がって行って、\\n クリスの歌が、この世界を変えるかも?」",
"352000231_32": "「雪音さん、すごいですッ!」",
"352000231_33": "「唄うんじゃなかった……」",
"352000231_34": "「た、隊長ッ! ギャオスがッ!」",
"352000231_35": "「ギャオスがどうしたッ!」",
"352000231_36": "「砦へ接近中ですッ!\\n 至急、防衛線を引くようにと、八坂司令からの命令ですッ!」",
"352000231_37": "「わかった、すぐに向かう。\\n お前たちは子供たちをシェルターに避難させろッ!」",
"352000231_38": "「了解ですッ!」",
"352000231_39": "「あたしたちも行くぞッ!」",
"352000231_40": "「頼むッ!」",
"352000231_41": "「お姉ちゃんたち、行っちゃうの……?」",
"352000231_42": "「うん。みんなは隊員さんたちの言うことを聞いて\\n 早く避難してね」",
"352000231_43": "「わかった……」",
"352000231_44": "「お姉ちゃんたちは無事に帰ってきてね……」",
"352000231_45": "「ああ、もちろんだッ!」",
"352000231_46": "「…………」",
"352000231_47": "「わりぃ、先輩たちは、先に行っててくれ」",
"352000231_48": "「……承知した」",
"352000231_49": "「……ジョシュアって言ったな。\\n お前も早く避難しろ」",
"352000231_50": "「……ボクはいい」",
"352000231_51": "「どうせみんなギャオスに殺されちゃうんだから……」",
"352000231_52": "「そんなことは、あたしが絶対にさせない」",
"352000231_53": "「無理だよ……。\\n お父さんだって死んじゃったんだから……」",
"352000231_54": "「誰も、ギャオスには勝てない」",
"352000231_55": "「お前の親父さんな……、\\n あたしのことを助けて、死んだんだ……」",
"352000231_56": "「――ッ!?」",
"352000231_57": "「お姉ちゃんを助けて、お父さんが死んだ……?」",
"352000231_58": "「あたしを恨んでも構わない」",
"352000231_59": "「でも、あたしは、\\n お前の親父さんから遺志を受け取ったんだ」",
"352000231_60": "「お父さんの、遺志……?」",
"352000231_61": "「ジョシュア、あたしを見てろッ!\\n あたしが、お前の親父さんがやろうとしたことをやってやるッ!」",
"352000231_62": "「理由は、なんだっていい……。\\n あたしを恨んでもいい……」",
"352000231_63": "「だけど……、\\n 生きるのだけは、諦めるな」",
"352000231_64": "「…………」",
"352000231_65": "「……行ってくる」",
"352000231_66": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"352000232_0": "「数が多いッ!」",
"352000232_1": "「やっぱり、思うように攻撃が通らないッ!」",
"352000232_2": "「調律が、邪魔されているような……」",
"352000232_3": "「くそッ、明らかにパワーが落ちてるッ!\\n このままじゃ、また――」",
"352000232_4": "「彼女たちを援護しろッ!」",
"352000232_5": "「んー……なるほど……」",
"352000232_6": "「んッ!?\\n また鱗と勾玉が光ってるッ!」",
"352000232_7": "「真琴ッ!? お前、なんでここにッ!」",
"352000232_8": "「気になったことがあったんだー。\\n 大丈夫、大丈夫ー。危ないことはしないから」",
"352000232_9": "「わかった。十分に気を付けろよ。\\n それと、できれば、怪我人の手当をしてやってくれ」",
"352000232_10": "「うん、任せてー」",
"352000232_11": "「なんとか撃退できたか」",
"352000232_12": "「前回よりも数が多かったですね。\\n またこんな風に襲われたら……」",
"352000232_13": "「大丈夫かッ!?\\n かなり苦戦していたように見えたが……」",
"352000232_14": "「あたしたちは大丈夫だよ。\\n ……そっちはどうなんだ?」",
"352000232_15": "「……また数人の犠牲が出た」",
"352000232_16": "「そんな……。\\n また、護れなかった……」",
"352000232_17": "「君が悔やむことじゃない。あの数のギャオスに襲われたのに\\n 数人で済んだのは不幸中の幸いだ……」",
"352000232_18": "「数の問題じゃないだろ……」",
"352000232_19": "「あたしは……。\\n もう、ジョシュアみたいな子を増やすのは嫌なんだよッ!」",
"352000232_20": "「わかってるッ! 俺だって悔しい想いは同じだッ!\\n だけど、今は耐えるしかない……」",
"352000232_21": "「今耐えれば、もう少しで……」",
"352000232_22": "「……何か策があるのか?」",
"352000232_23": "「……実はな」",
"352000232_24": "「ギャオスの巣の掃討作戦を進めてるんだ。\\n それが成功すれば、確実に流れが変わる」",
"352000232_25": "「掃討作戦……?」",
"352000232_26": "「あと少しなんだ……あと少しで新兵器が完成する。\\n それを使えば、ギャオスの巣を掃討できるはずだから……」",
"352000232_27": "「そんな兵器が……?」",
"352000232_28": "「ああ……アレさえ完成すれば、\\n みんなが安心して暮らせる世界になるはずだッ!」",
"352000232_29": "「リアムも、そう信じていたんだ……」",
"352000232_30": "「…………」",
"352000232_31": "「とにかく、そのためにも君たちの力が必要なんだよ」",
"352000232_32": "「……わかった」",
"352000232_33": "「それじゃあ、俺は行くぞ。後処理があるからな」",
"352000232_34": "「掃討作戦って言ってましたけど、\\n 一体どういうものなんでしょう?」",
"352000232_35": "「詳細はわからないけど、上手くいけば、\\n ギャラルホルンのゲートも使えるようになるよね」",
"352000232_36": "「作戦内容が気になるが、今は上手くいくことを願おう」",
"352000232_37": "「みんなー、ギャオスと戦ってくれてありがとう」",
"352000232_38": "「真琴さんッ!?」",
"352000232_39": "「お前、こんなところで何やってんだッ!?」",
"352000232_40": "「ちょっと気になることがあって。\\n みんなの戦いを見ようと思ったんだ」",
"352000232_41": "「危険すぎるよッ!」",
"352000232_42": "「大丈夫、大丈夫ー。\\n いざとなったらガメラが助けに来てくれるから」",
"352000232_43": "「またそれか……。\\n で、気になることってのは?」",
"352000232_44": "「今の戦闘を見てて気づいたことがあるの。\\n もしかしたら、ギャオスとの戦いに役立つかも」",
"352000232_45": "「マジかッ!?」",
"352000232_46": "「だから、わたしに協力して。\\n 試したいことがあるんだー」"
}

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@ -0,0 +1,85 @@
{
"352000311_0": "反転攻勢",
"352000311_1": "「ここは?」",
"352000311_2": "「わたしのお城。\\n 人類戦線の研究開発室だよー」",
"352000311_3": "「お城……には見えませんが?」",
"352000311_4": "「そうかな?\\n キラキラしたものいっぱいあるのにー」",
"352000311_5": "「キラキラっていうか、片付いていないっていうか、\\n 工具や資料が散乱していて……えっと、この本は――」",
"352000311_6": "「長峰真弓著『怪鳥と遭遇した日』?」",
"352000311_7": "「ギャオスについて書いてある本。\\n それはお気に入りなんだー」",
"352000311_8": "「あーそうそう、この部屋は自由に見ていいけど、\\n 他の研究室はなるべく入らないでね」",
"352000311_9": "「やはり、手を触れてはいけない物などが\\n 置いてあるのでしょうか?」",
"352000311_10": "「というよりも見て気持ちのいいモノじゃない、\\n っていうのが理由かなー」",
"352000311_11": "「資料として、20年前の怪獣の遺骸が\\n そのまま保管してあるんだ」",
"352000311_12": "「確かに、それはあまり見たくないですね……」",
"352000311_13": "「それで協力してほしいことってなんだ?」",
"352000311_14": "「それは少し待って。\\n その前にー」",
"352000311_15": "「ギャオスとの戦いでシンフォギアの力に違和感が出る原因、\\n 知りたくなーい?」",
"352000311_16": "「――ッ!?」",
"352000311_17": "「何かわかったのかッ!?」",
"352000311_18": "「うん」",
"352000311_19": "「ギャオスのあの攻撃だけど、\\n アレはね、『超音波メス』っていうんだよ」",
"352000311_20": "「超音波……レーザーじゃないの?」",
"352000311_21": "「見た目はレーザーだけど、\\n アレは、可視できる音波なの」",
"352000311_22": "「音波は、空気の振動、\\n そして、シンフォギアの歌も空気の振動で伝わるよね?」",
"352000311_23": "「つまりギャオスの出す音波で、わたしたちの歌が妨害されていたと?」",
"352000311_24": "「そういうことー」",
"352000311_25": "「歌の妨害……。納得。\\n 戦っている時、まさにそんな感じだったから」",
"352000311_26": "「では、その超音波メスを撃たれる前に\\n 倒せばいいってことですか?」",
"352000311_27": "「いや、1体ならともかく、あれだけの数が相手だと、\\n さすがにそれは厳しいな……」",
"352000311_28": "「ギャオスは群れでいることも多いからねー。\\n すべて超音波メスを出させる前に倒すのは難しいんじゃない?」",
"352000311_29": "「その通りだ。実際に経験しているからな」",
"352000311_30": "「では、どうすれば……?」",
"352000311_31": "「だから、わたしの実験に協力してほしいのッ!」",
"352000311_32": "「実験?」",
"352000311_33": "「わたしは前から、怪獣が残したものを使って、\\n 怪獣たちと交感できる装置の研究をしていたの」",
"352000311_34": "「交感……そんなことできるのか?」",
"352000311_35": "「『草薙浅黄』――」",
"352000311_36": "「過去にガメラと交感していた人間だよ。\\n わたしは、その人の事例を参考にして研究してるんだー」",
"352000311_37": "「昔にも真琴さんみたいな人がいたんだ……」",
"352000311_38": "「それで、実際どうやるんだ?」",
"352000311_39": "「簡単に説明するよー。\\n えーとねー」",
"352000311_40": "「過去の戦いで怪獣から剥離した肉片の一部を使い、\\n そこに残っている微弱な電気信号を解析してデータ化――」",
"352000311_41": "「そして、人の脳から発する電気パルスと結合させて――」",
"352000311_42": "「待て待て待て……」",
"352000311_43": "「どうしたのー?」",
"352000311_44": "「全然わからん」",
"352000311_45": "「えー……」",
"352000311_46": "「それとお前……ただの不思議ちゃんだと思っていたけど、\\n めちゃくちゃ頭よかったんだな」",
"352000311_47": "「うん、なんだかエルフナインちゃんみたい……」",
"352000311_48": "「わたしと変わらない歳なのに、真琴さんすごいです」",
"352000311_49": "「おおー、わたし褒められてるー」",
"352000311_50": "「それで、すまないが、\\n わかりやすく、かいつまんで聞かせてもらえないだろうか?」",
"352000311_51": "「了解、了解ー」",
"352000311_52": "「まあつまり、そういう研究が好きでいろいろやってきたんだけど、\\n いまいち、成果が上がらなかったんだー」",
"352000311_53": "「お父さんもいい加減にしろッ!ってうるさいしー」",
"352000311_54": "「…………」",
"352000311_55": "「でもね、希望が見えたの」",
"352000311_56": "「希望……?」",
"352000311_57": "「この前クリスが歌を唄ったでしょう?\\n その時、ガメラの鱗が反応したの」",
"352000311_58": "「あたしの歌に?」",
"352000311_59": "「そうそう、それに今日の戦いでも確かに反応してたんだ」",
"352000311_60": "「この鱗が反応するってことはガメラは生きてるし、\\n 意思疎通もできるってことッ!」",
"352000311_61": "「なんでそうなるのかわからねーけど……。\\n まあいいか……」",
"352000311_62": "「だからね、みんなの歌は特別なんだと思うッ!\\n 解明できれば交感機だって完成させられるはずだよッ!」",
"352000311_63": "「言ってることが無茶苦茶過ぎて\\n あたしにはよくわからないな」",
"352000311_64": "「わからなくても大丈夫だよー。\\n もう一度、歌を唄ってくれれば証明できるから」",
"352000311_65": "「あたしが唄うのか?」",
"352000311_66": "「うん、お願いッ!」",
"352000311_67": "「乗りかかった船だ、雪音」",
"352000311_68": "「雪音さん、お願いします」",
"352000311_69": "「クリス……」",
"352000311_70": "「はあ……。\\n 仕方ない、回だけだからな……」",
"352000311_71": "「ありがとうッ!」",
"352000311_72": "「録音もばっちりしないとね。\\n 前よりもクリアに、高音質で……」",
"352000311_73": "「ん? なんか言ったか?」",
"352000311_74": "「ううん、気にしないでー」",
"352000311_75": "「やっぱりッ! ほら見て、ガメラの鱗が反応したッ!」",
"352000311_76": "「わたしたちの歌に反応するとは\\n どういう原理なんだ?」",
"352000311_77": "「原理はどうでもいいんだよ。\\n この鱗、ガメラの残滓が反応したってことが重要なの」",
"352000311_78": "「でも、反応したのは一瞬だったよな」",
"352000311_79": "「もしかしたら、クリス以外の歌にも反応するかも。\\n よしッ! 他のみんなも唄ってみようー」",
"352000311_80": "「なんだか、完全にイニシアチブ取られているような……」",
"352000311_81": "「とりあえず、順番にやってみようか」",
"352000311_82": "「ああ」"
}

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@ -0,0 +1,139 @@
{
"352000321_0": "「みんな、ありがとねー。\\n おかげでどの怪獣の残滓が誰の歌に反応するかわかったよ」",
"352000321_1": "「怪獣の残滓……?」",
"352000321_2": "「えーと、さっき説明したと思うけど、\\n 剥がれ落ちた怪獣の身体の一部……遺物のことだよ」",
"352000321_3": "「……お前、そんなものを集めていたのかよ」",
"352000321_4": "「しかし、まさか、1人1人の歌に、\\n それぞれ違う怪獣の残滓が反応するとは思いもしなかったな」",
"352000321_5": "「というか、そもそも怪獣の残滓に\\n そんなに種類があることに驚いたよ」",
"352000321_6": "「今ここにある怪獣の残滓は\\n ガメラ、イリス、ギャオス……のつ」",
"352000321_7": "「わたしの歌に反応したのは、\\n その卵の殻の欠片……。イリスの残滓でしたっけ?」",
"352000321_8": "「そう、セレナがわたしを助けてくれた時に\\n 回収してきたやつだよ。なんだか縁を感じるねー」",
"352000321_9": "「はい。それにしてもイリスってなんだか可愛い名前ですね。\\n とても怪獣の名前には思えないです」",
"352000321_10": "「資料によると、イリスって名前は、\\n 第一発見者の『比良坂綾奈』って人が付けたみたい」",
"352000321_11": "「当時、可愛がっていた猫の名前から取ったんだって」",
"352000321_12": "「そうなんですね。\\n それじゃ、怪獣も可愛い怪獣なんでしょうか?」",
"352000321_13": "「映像があるから見せてあげるよー」",
"352000321_14": "「これがイリスだよ。\\n ちなみにイリスは、ギャオスの変異体って言われてるんだー」",
"352000321_15": "「…………」",
"352000321_16": "「これは、可愛いのか?」",
"352000321_17": "「……。\\n 見方によっては……」",
"352000321_18": "「…………」",
"352000321_19": "「クリス? どうかした?」",
"352000321_20": "「いや、もしかして、この映像に映ってる\\n デカいカメみたいなやつが……ガメラなのか?」",
"352000321_21": "「そうだよ。これがガメラだよー。\\n でも……カメってなに?」",
"352000321_22": "「え? カメだよカメ。\\n 甲羅を背負って、ゆっくり歩くあのカメ」",
"352000321_23": "「そんな生き物見たことないよ」",
"352000321_24": "「カメを知らないのか……?」",
"352000321_25": "「……?」",
"352000321_26": "「……映像も見終わったところだし、\\n 続きをやるか?」",
"352000321_27": "「うんッ!」",
"352000321_28": "「それじゃ、わたしね」",
"352000321_29": "「わたしは見覚えのあるこの牙みたいなものだけど、\\n これってやっぱり……」",
"352000321_30": "「それはギャオスの牙。\\n 研究のためにサンプルとして持ち帰ったものなんだ」",
"352000321_31": "「……わたしはどれも反応はなし、か」",
"352000321_32": "「他の怪獣の残滓は……ないんだよね?」",
"352000321_33": "「実験に使えそうなのはその3つだけかな」",
"352000321_34": "「協力できず、申し訳ない」",
"352000321_35": "「ううん、そんなことないよ。それぞれ反応するものが\\n 違うってわかっただけでも十分なんだから」",
"352000321_36": "「しかし、他の残滓はしっかり反応してたのに、\\n ガメラは反応が一瞬だけだったのが気になるな」",
"352000321_37": "「それはこれから調べるよー」",
"352000321_38": "「力を秘めた怪獣の遺物……。\\n この怪獣の残滓って、見方を変えれば聖遺物ですよね……」",
"352000321_39": "「確かにそうだな」",
"352000321_40": "「わたしもそれに近いものだと考えていた。\\n 聖遺物の中には、伝承の生物由来のものも存在しているしな」",
"352000321_41": "「なるほど、確かにその見立てはアリかもしれない」",
"352000321_42": "「どういうこと?」",
"352000321_43": "「ガメラは超古代文明によって、\\n 人工的に作られた怪獣だって見解もあったみたいなの」",
"352000321_44": "「超古代文明……つまり、我々の世界の先史文明のことか?」",
"352000321_45": "「もしかして、フィーネやアヌンナキが絡んでいたりしてな……」",
"352000321_46": "「なにそれ、なにそれッ! すっごく興味あるッ!\\n 詳しく教えてー」",
"352000321_47": "「今話したらこんがらがるから後にしてくれッ!」",
"352000321_48": "「うー……残念……」",
"352000321_49": "「話を戻すが、本当に聖遺物と変わらないなら、\\n ギアに組み込むこともできるかもしれないな」",
"352000321_50": "「ギアって、みんなが戦う時に装備してるものだよね?\\n 組み込むってどういうこと?」",
"352000321_51": "「デュオレリックっていって、わたしたちのギアに、\\n もうつ聖遺物の力を乗せられることがあるんです」",
"352000321_52": "「そんなことできるのッ!?\\n じゃあ、さっそくやってみてッ!」",
"352000321_53": "「簡単に言ってくれるな……」",
"352000321_54": "「デュオレリックは、かなり危険なんです……。\\n 前にもいろいろあったので……」",
"352000321_55": "「そっか……」",
"352000321_56": "「また下らんことをしているな」",
"352000321_57": "「お父さんッ!?」",
"352000321_58": "「お前は、残り少ない資源と時間をまた無駄に使用しているのか?」",
"352000321_59": "「…………」",
"352000321_60": "「無駄になんかしてないよー。\\n それに、今、わたしの研究が一歩前進したところだったんだ」",
"352000321_61": "「前進した?」",
"352000321_62": "「うん、このお姉さんたちの歌と、怪獣の残滓が反応したの。\\n これって、交感ができるってことだよねッ!」",
"352000321_63": "「だから、もうすぐだよ。もうすぐガメラと――」",
"352000321_64": "「やめろ」",
"352000321_65": "「…………」",
"352000321_66": "「交感ができて何が起きる。ギャオスに、ジズに勝てるのか?」",
"352000321_67": "「……それは……まだ、わからないけど……」",
"352000321_68": "「我々人類の目的は、生き残ることだ。\\n それ以外は一切不要」",
"352000321_69": "「とっくに死んだガメラの助けを期待するなど、もってのほかだ。\\n 例え生き延びていたとしても、所詮はギャオスと同じ怪獣」",
"352000321_70": "「我々と意思疎通ができる相手だとは到底思えない」",
"352000321_71": "「人類が生き残るには、人類の力でどうにかするしかないのだ。\\n なぜそれがわからない?」",
"352000321_72": "「…………」",
"352000321_73": "「おい、おっさん。あんたはここに何しに来たんだ?\\n こいつに文句を言うために来たのか?」",
"352000321_74": "「お前の研究は、いたずらに仲間たちを混乱させるだけだ。\\n ここにあるものはすべて破棄する。それを伝えに来たのだ」",
"352000321_75": "「なんだとッ!?」",
"352000321_76": "「そんなッ! もう少しなのに――」",
"352000321_77": "「真琴、これはお前のためでもあるのだ。現実に目を向けろ。\\n やるべきことはこんなお遊びではないはずだ」",
"352000321_78": "「待ってッ! お父さん――」",
"352000321_79": "「決定したことだ。\\n 明日の朝には、撤去のために部下を寄越すからな」",
"352000321_80": "「くそッ! なんだよあいつはッ!」",
"352000321_81": "「真琴ちゃん……」",
"352000321_82": "「…………」",
"352000321_83": "「もう少しだと思ったんだけど……。\\n 残念、ここまでかなー」",
"352000321_84": "「…………やりましょう」",
"352000321_85": "「え?」",
"352000321_86": "「デュオレリック、ですよッ!\\n やってみましょうッ!」",
"352000321_87": "「でも、危険なんじゃ……」",
"352000321_88": "「わたしは、真琴さんの研究を信じますッ!」",
"352000321_89": "「セレナ……」",
"352000321_90": "「だな。あーまで言われちゃ見返してやりたくなるよなッ!」",
"352000321_91": "「デュオレリックが成功すれば、\\n 真琴ちゃんの研究も続けられるよね」",
"352000321_92": "「ああ、やってみよう」",
"352000321_93": "「ありがとう、みんな……」",
"352000321_94": "「それじゃ、言い出しっぺのわたしから。\\n そのイリスの残滓を貸してもらっていいですか?」",
"352000321_95": "「うんッ!\\n でも、気を付けてね」",
"352000321_96": "「それじゃあ、イリスの残滓とアガートラームで、\\n デュオレリックを試してみます」",
"352000321_97": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"352000321_98": "「あッ……本当に組み込めて――」",
"352000321_99": "「これは――ッ!?」",
"352000321_100": "「まさか、聖遺物が反発しているのかッ!?」",
"352000321_101": "「マジかよ。\\n 本当にデュオレリックだっていうのかッ!」",
"352000321_102": "「な、なになに、何が起こってるのッ!?」",
"352000321_103": "「落ち着いて、大丈夫だから。\\n 聖遺物同士は反発して、ああいう反応が出るの」",
"352000321_104": "「そ、そんなッ!? じゃあ、セレナはッ!」",
"352000321_105": "「だい、じょうぶ……これくらいなら……」",
"352000321_106": "(デュオレリックや、イグナイトモジュールだって\\n できたんだからッ!)",
"352000321_107": "「せ、セレナがさらに変身したッ!?」",
"352000321_108": "「これが……イリスの力を得たギアなんですね……」",
"352000321_109": "「さすがだな、しっかり制御してみせたか」",
"352000321_110": "「ふう……なんとかなりました。\\n 映像を見たおかげかもしれませんね」",
"352000321_111": "「その見た目……間違いない、本当にイリスみたい……」",
"352000321_112": "「纏った感じはどうなの?」",
"352000321_113": "「本当にデュオレリックと同じ感じです」",
"352000321_114": "「イグナイトモジュールや、心象変化とも違って、\\n 何かの意志が流れ込んでくることもありませんし……」",
"352000321_115": "「ただ、力はしっかりと感じます」",
"352000321_116": "「なるほど。単純にこの残滓は意志がない。\\n 本当に聖遺物と変わらないな」",
"352000321_117": "「やったッ!\\n 成功した……成功ってことでいいのかな?」",
"352000321_118": "「はい、成功です」",
"352000321_119": "「よし、じゃあ、次はギャオスの残滓を……。\\n あッ、でも、またこういうことになるなら……」",
"352000321_120": "「大丈夫、わたしも真琴ちゃんを信じてるから。\\n ギャオスの残滓を貸してくれる?」",
"352000321_121": "「……これだよ。\\n でも、気を付けてね」",
"352000321_122": "「へいき、へっちゃらだよ。\\n それじゃあ、始めるね……」",
"352000321_123": "「Rei shen shou jing rei zizzl――」",
"352000321_124": "「聖遺物同士の反発、それに近いかもしれない。\\n でも、これくらいなら……ッ!」",
"352000321_125": "「よし、できたッ!」",
"352000321_126": "「わたしのときよりも制御するのが早い……。\\n さすがですッ!」",
"352000321_127": "「言い方はあれだが、くぐってきた修羅場が違うからな」",
"352000321_128": "「ううん、それだけじゃない。セレナちゃんが先にやってくれた\\n おかげで心構えができたからだよ」",
"352000321_129": "「それじゃあ、次はあたしの番だな。\\n ガメラの残滓を貸してくれるか」",
"352000321_130": "「うん、わかった。それじゃあ――」",
"352000321_131": "「よかった。君たち、ここにいたのかッ!\\n またギャオスの一群が、この砦に迫っているんだッ!」",
"352000321_132": "「また来やがったのかッ!」",
"352000321_133": "「ああ、だから――うわッ!?\\n 君、その姿はなんだ、まるでギャオスじゃないかッ!」",
"352000321_134": "「え、ええっと、これには事情があって……」",
"352000321_135": "「そのことはまた後で話そう。\\n 今、優先すべきはギャオスの撃退だろう」",
"352000321_136": "「あ、ああ、そうだな。\\n 頼む、一緒に来てくれッ!」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"352000322_0": "「このギアの力、思ってたよりもずっと強いッ!」",
"352000322_1": "「はい。依然としてギアの出力に影響は受けているものの、\\n それを補って余るくらいの力を感じますッ!」",
"352000322_2": "「あれが怪獣の力なのか。\\n これまで苦戦していたのが嘘のようだ」",
"352000322_3": "「今ので最後みたいだけど……、\\n 他の兵士さんたちは大丈夫だったかな」",
"352000322_4": "「ああ、大丈夫みたいだぞ」",
"352000322_5": "「犠牲者は0。怪我人も少ない。\\n これも彼女たちのおかげか」",
"352000322_6": "「おまけに、いつも以上に弾薬を節約できている。\\n これはかなりいい傾向だ」",
"352000322_7": "「よかった……」",
"352000322_8": "「はい、本当に……。\\n 真琴さんの研究が正しかったと証明できましたね」",
"352000322_9": "「セレナたちのおかげだよッ!\\n でも、わたしもうれしい―ッ!」",
"352000322_10": "「フフ、真琴ちゃん、すごい喜んでる」",
"352000322_11": "「父の反対を押しきり、1人で研究してきたことが、\\n 報われた瞬間だからな、気持ちはわかる」",
"352000322_12": "「そうだ、次はガメラを試さないと。",
"352000322_13": " ほら、早く戻るよー」",
"352000322_14": "「わかったから、引っ張るなよッ!」"
}

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@ -0,0 +1,90 @@
{
"352000331_0": "「Killter Ichaival tron――」",
"352000331_1": "「……ん? なんだ、反発が全くないぞ」",
"352000331_2": "「うおッ! いきなりギアが変化しやがったッ!?\\n 反発もなく、あっさりと……」",
"352000331_3": "「――ッ!」",
"352000331_4": "「しかし、反発が全くないのは少々気になるな……」",
"352000331_5": "「他の怪獣と違って、ガメラは人類の味方だから……かな?」",
"352000331_6": "「きっとそうだよッ!\\n ガメラが応えてくれたんだよッ!」",
"352000331_7": "「…………」",
"352000331_8": "「やっぱり、ガメラは――」",
"352000331_9": "「あれ? もう解いちゃうの?」",
"352000331_10": "「いや、違うッ!\\n あたしが解いたんじゃない、勝手に解けたんだッ!」",
"352000331_11": "「勝手に?」",
"352000331_12": "「それじゃあ、もう一度纏えば……」",
"352000331_13": "「……ダメだ。反応しないッ!」",
"352000331_14": "「え……どうして、ガメラ……」",
"352000331_15": "「もしかしたら、ガメラの残滓だけ\\n 何か問題があるのかもしれないね」",
"352000331_16": "「確かに歌を唄った時も、\\n ガメラの残滓だけは反応がわずかだったな」",
"352000331_17": "「じゃあ、この残滓には力が残ってないってことか」",
"352000331_18": "「そ、そんなー」",
"352000331_19": "「……そう落ち込むなって、また後で試してみるよ」",
"352000331_20": "「他にも怪獣の残滓があれば、わたしも試せるのだが……」",
"352000331_21": "「…………」",
"352000331_22": "「ちょっといいだろうか?\\n ここに来たときから気になっていたのだが……」",
"352000331_23": "「なーに?」",
"352000331_24": "「あの隅にあるものはなんだ?\\n ギャオスの牙とも違う……まるで刃のような……」",
"352000331_25": "「あれかー……」",
"352000331_26": "「あれも怪獣のモノなの?」",
"352000331_27": "「一応そうだよ。\\n あれは、レギオンっていう怪獣の一部なんだ」",
"352000331_28": "「レギオン……?」",
"352000331_29": "「しかし、怪獣の残滓は3つしかないと言っていなかったか?」",
"352000331_30": "「んーとー。\\n 実はね、レギオンは、他の怪獣とちょっと違うんだー」",
"352000331_31": "「違うとは……?」",
"352000331_32": "「ガメラ、ギャオス、イリスは、\\n 地球で生まれたとされている怪獣なんだけど――」",
"352000331_33": "「レギオンは、宇宙から飛来した怪獣なの。\\n だから、他の怪獣に比べて情報も少なくて……」",
"352000331_34": "「宇宙怪獣ってことかッ!?」",
"352000331_35": "「ギャオスやイリスだけでも大変なのに、\\n 宇宙怪獣までいるなんて……」",
"352000331_36": "「シンフォギアも無しで、よく人類の世界が残っていたな……」",
"352000331_37": "「ガメラがいたからだよ」",
"352000331_38": "「ガメラが、わたしたちを護ってくれていたの。\\n だから、わたしたち人類は今日まで生き残れた」",
"352000331_39": "「……ガメラってすごいんですね」",
"352000331_40": "「うんッ!」",
"352000331_41": "「みんな、もうガメラのことはあきらめちゃってるけど、\\n わたしは、絶対にあきらめないッ!」",
"352000331_42": "「ガメラは来るよ、きっとッ!」",
"352000331_43": "「わたしも、信じます」",
"352000331_44": "「ありがとー、セレナ」",
"352000331_45": "「レギオンが他の怪獣とは違う存在であることはわかった。\\n だが、だからとて、デュオレリックができないとは限らない」",
"352000331_46": "「え……?」",
"352000331_47": "「わたしに、試させてくれないか?」",
"352000331_48": "「先輩……」",
"352000331_49": "「でも、すごく危険かもしれないよ……」",
"352000331_50": "「強い反発が起きたらすぐやめる。\\n それならいいだろう?」",
"352000331_51": "「わかった」",
"352000331_52": "「でもその前にもう1つ、レギオンについてだけど……」",
"352000331_53": "「なんだ?」",
"352000331_54": "「過去の資料によると、\\n レギオンは、ガメラにとって最強の敵だったらしい」",
"352000331_55": "「ガメラは、レギオンを倒すために、\\n 一度きりしか使えない必殺技を使用したらしいの」",
"352000331_56": "「でも、その代償は、\\n 計り知れなかったと記述されている」",
"352000331_57": "「レギオンは、そんな怪獣なんだよ」",
"352000331_58": "「…………」",
"352000331_59": "「それを聞いてもやる?」",
"352000331_60": "「もちろんだ」",
"352000331_61": "「……本当に、あなたたちってすごいねー。\\n もうわたしから言うことはないよ」",
"352000331_62": "「では、試してみよう」",
"352000331_63": "(危険を冒してきたのは、今に始まったことではない。\\n 僅かでも可能性が残っているのなら試すだけの価値はある)",
"352000331_64": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」",
"352000331_65": "「なッ、これは――」",
"352000331_66": "「先輩、大丈夫かッ!?」",
"352000331_67": "「あ、ああ……」",
"352000331_68": "「これが、レギオン……?」",
"352000331_69": "「こんな簡単にレギオンの力を取り込めるなんてすごいよッ!\\n どうやったの?」",
"352000331_70": "「さすがです」",
"352000331_71": "「それがわたしにもわからないんだ。\\n ただ触れただけでこうなってしまったからな」",
"352000331_72": "「――ッ!?」",
"352000331_73": "「大変だッ!\\n 保管していたレギオンの遺骸が再生したッ!」",
"352000331_74": "「レギオン?」",
"352000331_75": "「再生? なんでー?」",
"352000331_76": "「俺にはわからん」",
"352000331_77": "「すまないが手を貸してくれッ!」",
"352000331_78": "「ここで怪獣に暴れらたら大変な被害が出るッ!」",
"352000331_79": "「行くぞッ!」",
"352000331_80": "「ああ、案内してくれッ!」",
"352000331_81": "「こっち、すぐ近くだ」",
"352000331_82": "「これが……レギオン?」",
"352000331_83": "「なんだ? 空を見上げて……何をしてるんだ?」",
"352000331_84": "「なんだか嫌な予感がする。\\n 早くやっつけた方がいいよー」",
"352000331_85": "「真琴さんの勘は当たるんです」",
"352000331_86": "「なら、早く倒しましょうッ!」",
"352000331_87": "「ちょうどいい、この力を試してやろう」"
}

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@ -0,0 +1,26 @@
{
"352000332_0": "「これで終いだッ!」",
"352000332_1": "「まだだッ! アイツ、何かやるぞッ!」",
"352000332_2": "「…………」",
"352000332_3": "「また、空を見上げてる……?」",
"352000332_4": "「……待ってください。\\n もう動いてない、今度こそ死んだみたいです」",
"352000332_5": "「一体、何をしようとしていたんだ?」",
"352000332_6": "「そんなことより、なんでここに怪獣がいるんだ?」",
"352000332_7": "「過去に人類戦線が、調査目的のため、\\n レギオンの遺骸を回収し、そのまま保管していたんだ」",
"352000332_8": "「10年ほど前は、研究に熱を入れていたんだけど――」",
"352000332_9": "「八坂司令の命令で調査は中止され、\\n そのままずっと倉庫に眠らせていたんだ」",
"352000332_10": "「さっき、デュオレリックってのに使用したのは、\\n そいつの一部だよー」",
"352000332_11": "「それが、急に息を吹き返したと?」",
"352000332_12": "「ああ」",
"352000332_13": "「…………」",
"352000332_14": "「しかし、何はともあれ、怪我人を出さずに解決できた。\\n 本当に感謝するよ」",
"352000332_15": "「いえ……」",
"352000332_16": "「それにしてもその姿……。\\n それも真琴の研究成果なのか?」",
"352000332_17": "「そうですよッ!」",
"352000332_18": "「なるほど。研究が上手くいってよかったな。\\n おかげで、八坂司令も君の研究成果の破棄を止めたみたいだし」",
"352000332_19": "「ここにいるみんなのおかげでね。\\n 感謝、感謝」",
"352000332_20": "「これで、あとはガメラだけだね」",
"352000332_21": "「ったく、なんであたしだけ……」",
"352000332_22": "「大丈夫。原因を調べて、ちゃんと使えるようにするから。\\n ガメラのことはわたしに任せてッ!」",
"352000332_23": "「……だといいんだけどな」"
}

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@ -0,0 +1,55 @@
{
"352000341_0": "「はぁ……。結局、あたしだけが戦力アップに\\n 貢献できていないのか。くそッ……」",
"352000341_1": "「わかってるよ……兄貴……、\\n 俺だって……」",
"352000341_2": "「ん? この声は……。誰かいるのか?」",
"352000341_3": "「なんだ、君か……。\\n こんな遅い時間に何をやってるんだ」",
"352000341_4": "「別に。ちょっと眠れなかっただけだ。\\n あんたこそ、誰かと話してたと思ったけど人か?」",
"352000341_5": "「あ、ああ、ちょっとな……」",
"352000341_6": "「それ、戦闘機だよな?\\n あんたのか?」",
"352000341_7": "「……一応な。昔、兄貴と一緒に\\n この<ruby=-15>イーグル</ruby>でギャオスと戦ったんだ」",
"352000341_8": "「ん? 兄貴がいたのか?」",
"352000341_9": "「ああ。だけど、5年前にギャオスとの戦いで命を落としちまった」",
"352000341_10": "「……そうか」",
"352000341_11": "「君たちは、ギャオスと戦えてすごいけど……」",
"352000341_12": "「俺の兄貴も空軍のエースパイロットで、英雄だったんだぜ。\\n ガメラと一緒に並んで飛んで、ギャオスと戦ったこともある」",
"352000341_13": "「ガメラと一緒に、並んで飛んだッ!? マジかよ……」",
"352000341_14": "「ああ」",
"352000341_15": "(ガメラと一緒に飛ぶ……。\\n ガメラって本当に人類の味方だったんだな……)",
"352000341_16": "「東京、ハワイ、サンフランシスコ、香港……。\\n 本当に色んな所でガメラと共に戦ってたんだ」",
"352000341_17": "「兄貴にとってガメラは戦友だったんだよ」",
"352000341_18": "「あんたは、ガメラと並んで飛んだりしてないのか?」",
"352000341_19": "「20年以上前の話だぞ。俺はまだ子供だ」",
"352000341_20": "「だけどさ、\\n 兄貴からガメラの話を聞かされるたびに思ったもんだ」",
"352000341_21": "「俺もいつか兄貴とガメラの隣で、\\n 戦闘機を駆って並んで飛びたいってな」",
"352000341_22": "「そして念願叶って、俺は戦闘機乗りになった」",
"352000341_23": "「だけど、ガメラはいなくなり、\\n 兄貴もギャオスにやられた……」",
"352000341_24": "「俺自身も、ギャオスとの戦いで撃墜されたんだ」",
"352000341_25": "「こいつはコクピットと右翼に軽微な損傷だけで済んだけど、\\n 俺は大怪我を負っちまった……」",
"352000341_26": "「それ以来、このざまさ。\\n 戦闘機に乗ろうとしても身体が震えちまう」",
"352000341_27": "「そうだったのか……」",
"352000341_28": "「君たちはすごいな。\\n あんな恐ろしいギャオスと戦えて」",
"352000341_29": "「それに、歌で人を励まして、元気にすることもできる……」",
"352000341_30": "「いや、あたしなんか……」",
"352000341_31": "(ギャオスの大群が攻めてきたら\\n このままじゃ、みんなの足を引っ張りかねない……)",
"352000341_32": "「戦闘機には乗れないけど、俺は俺にできることをやる」",
"352000341_33": "「もうすぐ、Zプランの切り札が完成するんだ」",
"352000341_34": "「Zプラン……?」",
"352000341_35": "「ポイントZの元凶、\\n ジズとその眷属を葬り去るための作戦だ」",
"352000341_36": "「あれが完成すれば、ジズもギャオスにも勝てる。\\n そうすれば他の地域の人類戦線とだって……」",
"352000341_37": "「なあ、その切り札って、八坂司令がかんでるんだろう?」",
"352000341_38": "「そうだけど……」",
"352000341_39": "「あたしには、その切り札がなんなのかわかんねーけど、\\n 軍人のトップが考える切り札なんて、いい印象がない」",
"352000341_40": "「ましてや、あいつが考える物なんて……」",
"352000341_41": "「八坂司令は、人類のことを第一に考えている立派な司令だ。\\n あの人についていけば間違いない」",
"352000341_42": "「そうなのか……?」",
"352000341_43": "「だとしても、本当にそれが正しいかの判断は、\\n 自分自身ですべきだな」",
"352000341_44": "「……俺自身で?」",
"352000341_45": "「…………」",
"352000341_46": "「そんじゃ、あたしは行くよ。\\n あんたと話せてなんだかすっきりした」",
"352000341_47": "「あーそうそう、最後に一言言わせてくれ」",
"352000341_48": "「なんだ?」",
"352000341_49": "「隊長なんだから、\\n 真っ先に逃げようとする癖はやめた方がいいぞ」",
"352000341_50": "「そ、それは……」",
"352000341_51": "「じゃあな」",
"352000341_52": "「…………」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"352000351_0": "「……ということなの。\\n 見てくれたでしょ、あの人たちの活躍をッ!」",
"352000351_1": "「……」",
"352000351_2": "「わたしの研究が役に立った証拠だよねー。\\n 実験は無駄じゃなかってッ!」",
"352000351_3": "「……言いたいことはそれだけか?」",
"352000351_4": "「それだけって……」",
"352000351_5": "「確かにギャオスに対して戦果はあった。\\n お前の研究が役立ったのも認めよう」",
"352000351_6": "「――だが、あれは彼女らの力があってこそだ」",
"352000351_7": "「それは……」",
"352000351_8": "「それに、\\n 彼女たちは近いうちに自身の世界へ帰るのだろう?」",
"352000351_9": "「そうしたら、誰が怪獣の力を使ってギャオスと戦う?\\n 我々にそれができるのか?」",
"352000351_10": "「それともお前が、\\n 彼女たちを永遠にこの世界へ繋ぎ留めておくのか?」",
"352000351_11": "「……」",
"352000351_12": "「わかったら出ていけ」",
"352000351_13": "「……うん」",
"352000351_14": "(もっと、もっと証明しないとッ!)"
}

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@ -0,0 +1,47 @@
{
"352000411_0": "ガメラ捜索",
"352000411_1": "「おーい、いるか?」",
"352000411_2": "「あれー? みんなと子供たちのところへ\\n 行ったんじゃなかったの?」",
"352000411_3": "「ちょっと聞きたいことがあったからな。\\n なあ、ガメラについて詳しく教えてくれないか?」",
"352000411_4": "「ガメラのことを……詳しく……?」",
"352000411_5": "「ガメラに対して、興味が湧いて――」",
"352000411_6": "「フフ……」",
"352000411_7": "「ん?」",
"352000411_8": "「わたしに任せてッ! ちょー詳しく教えてあげるよー」",
"352000411_9": "「時間はどのくらい大丈夫ッ!?\\n 最低時間は見てもらいたいけど――」",
"352000411_10": "「あ、いや……お手柔らかに頼むわ」",
"352000411_11": "「なるほどな……」",
"352000411_12": "「なあ、ガメラは今も生きてると思うか?」",
"352000411_13": "「そんなの当然だよー。\\n ……まだ、本物は見たことないけど」",
"352000411_14": "「ガメラは、人類を助けるために戦ってるんだろ?\\n 生きてるなら、なんで今出てこないんだ?」",
"352000411_15": "「今こそ、人類のピンチだろう?」",
"352000411_16": "「それはわたしにもわからない。\\n でも、もしかしたら地球のマナが減ったのが原因かも……」",
"352000411_17": "「マナ……?」",
"352000411_18": "「世界が荒廃する前の話だけど、メラネシアや太平洋諸島では\\n 万物に宿る超自然的な力のことをマナと呼んでいたんだって」",
"352000411_19": "「ガメラは、そのマナの力を使って\\n 戦ってると言われているんだー」",
"352000411_20": "「マナは、なんで減っちまったんだ?」",
"352000411_21": "「それは、この地球がすごく傷ついちゃったからだよ」",
"352000411_22": "「なるほど、この赤い空と荒れた大地を見れば納得か……」",
"352000411_23": "「…………」",
"352000411_24": "「もしかすると、クリスたちが使うフォニックゲインも\\n マナによく似たエネルギーかもしれないね」",
"352000411_25": "「あたしらのフォニックゲインが……?」",
"352000411_26": "「ん? ちょっと待て。マナが減っているなら、\\n それが原因でガメラが死んでるなんてことはないのか?」",
"352000411_27": "「だからー、ガメラは、絶対に死んだりしないよ。\\n わたしたちを、必ずギャオスから護ってくれるはずだから」",
"352000411_28": "「……そうか」",
"352000411_29": "「……そういえば、ギャオスはなんで大量発生したんだ?\\n この資料では、イリスを倒した後、急に発生したってあるけど」",
"352000411_30": "「諸説あるんだけど、濃厚なのは、ガメラがレギオンを\\n 倒す時に使用した必殺技が影響してるみたいなんだよねー」",
"352000411_31": "「この間、言ってたやつか?」",
"352000411_32": "「ガメラの放った『ウルティメイトプラズマ』。それが、\\n 地球のマナの全体量に影響を及ぼし、生態系が変化した」",
"352000411_33": "「待てよ。それじゃ、ギャオスの発生は、ガメラが原因なのか?」",
"352000411_34": "「……そうしなければ、\\n レギオンに勝てなかったってことだと思うよ」",
"352000411_35": "「もしあそこで、レギオンを倒せてなければ、\\n 地球がレギオンの星になっていたかもしれない」",
"352000411_36": "「…………」",
"352000411_37": "(こいつがガメラを信じたい気持ちはスゲー伝わってくる。\\n だけど、今聞いた感じだと、ガメラはもう……)",
"352000411_38": "「その顔は、もうガメラはいないって思ってる?」",
"352000411_39": "「お前には悪いけど……」",
"352000411_40": "「よしッ! それじゃ、行ってみよー」",
"352000411_41": "「な、なんだ急に?\\n 行くってどこへ?」",
"352000411_42": "「いいところだよー」",
"352000411_43": "「もしかしたら、ガメラに会えるかも?」",
"352000411_44": "「はあッ!?」"
}

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@ -0,0 +1,21 @@
{
"352000421_0": "「20年前のガメラの目撃情報、最近に至るまでの噂話……。\\n いくつか目星は付けてある」",
"352000421_1": "「これまで集めてきた資料と地図を照らし合わせて……」",
"352000421_2": "「あー、いろいろと聞きたいことがあるんだけどよ……」",
"352000421_3": "「少し、静かにしてて、舌かんじゃうよー」",
"352000421_4": "「わたしがガメラを見つけて、\\n みんなに証明するんだからッ!」",
"352000421_5": "「ガメラが本当にいて、\\n そして、わたしたちの味方だってことをッ!」",
"352000421_6": "「急にトラックに乗って、飛び出したと思えば、\\n 何言ってんだ?」",
"352000421_7": "「つーか、お前。その歳でトラックなんて運転できるのかッ!?\\n 免許は?」",
"352000421_8": "「そんなものないよー。\\n 代なら普通に運転できるし」",
"352000421_9": "「兵士としての教育の1つだね」",
"352000421_10": "「…………」",
"352000421_11": "「あッ!?」",
"352000421_12": "「なんだ?」",
"352000421_13": "「ギャオスに見つかったみたい……」",
"352000421_14": "「お前は……」",
"352000421_15": "「注意してたんだけどな……」",
"352000421_16": "「数は少ないな……。\\n これならあたしでも片付けられる」",
"352000421_17": "「お前は運転席から外に出るなよ」",
"352000421_18": "「あたしは仲間を呼ばれる前に\\n アイツらを片付けるッ!」"
}

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@ -0,0 +1,22 @@
{
"352000422_0": "「ふぅ、なんとかなったみたいだ。\\n 別のギャオスに見つかる前にここを離れるぞ」",
"352000422_1": "「うん」",
"352000422_2": "「ここまで来れば大丈夫だな」",
"352000422_3": "「助けてくれてありがとー」",
"352000422_4": "「はあ……。そんで、説明してくれ。\\n ガメラを見つけるってどういうことだ?」",
"352000422_5": "「20年間、誰もガメラを見ていないんだろう?」",
"352000422_6": "「痕跡はあるんだ。それを誰もガメラと結びつけなかったってだけ。\\n みんな、ギャオスと戦うのに必死だからね」",
"352000422_7": "「西から逃げてきた人たちが、洞窟で巨大な影を見たんだって。\\n 関東近辺にいるのは間違いないと思う」",
"352000422_8": "「どうして今になって行動を起こしたんだ?」",
"352000422_9": "「砦からかなりの距離があるからねー。\\n 流石にわたしも危険かなーって思って自重してたの」",
"352000422_10": "「お父さんや他の人に言っても絶対協力してくれないし……」",
"352000422_11": "「でも、クリスと一緒なら見つけられるかもーって思ったの」",
"352000422_12": "「お前、あたしを利用したのか?」",
"352000422_13": "「……迷惑だった?」",
"352000422_14": "「当たり前だッ!",
"352000422_15": " 全く、お前といると本当に調子が狂うな……」",
"352000422_16": "「わたしはクリスと一緒にいると楽しいよー。\\n もちろんセレナや他の人たちも好きだけどね」",
"352000422_17": "「はあ……」",
"352000422_18": "「もういいわ……付き合うからとっとと終わらせて帰るぞ」",
"352000422_19": "「うん」"
}

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@ -0,0 +1,55 @@
{
"352000431_0": "――2日経過――",
"352000431_1": "「…………」",
"352000431_2": "「なあ、もう洞窟だけで5箇所は探したぞ。\\n まだ見つからないのか?」",
"352000431_3": "「……おかしいなー。\\n わたしの資料が間違ってたのかな……」",
"352000431_4": "「…………」",
"352000431_5": "「わたしのデータの解析が甘かったのかも。\\n クリス、ごめんなさい……」",
"352000431_6": "「……怒った?」",
"352000431_7": "「……はあ、\\n 別に怒ってねーよ」",
"352000431_8": "「それより、ここまで頑張ったんだから、\\n そう簡単に諦めんじゃねー」",
"352000431_9": "「クリス……」",
"352000431_10": "「今回はダメだったかもしれないけど、\\n また今度付き合ってやるよ」",
"352000431_11": "「ほんとうー?」",
"352000431_12": "「ああ、だから今回は一旦ここまでにして帰ろう。\\n 雲行きも怪しくなってきたしな」",
"352000431_13": "「あッ……なら、そこの洞窟で休んでいこう。\\n もう雨が降ってくるから」",
"352000431_14": "「わたしも少し疲れたし、土砂降りの中、\\n 荒れた道を運転するのはちょっと恐いから」",
"352000431_15": "「土砂降りって、まだパラついても――」",
"352000431_16": "「本当に降ってきやがった……。\\n あの洞窟だったな、早く入るぞ」",
"352000431_17": "「ふう、少し濡れちまった。\\n 拭くものがあればよかったんだけどな」",
"352000431_18": "「わたし、タオル持ってきてるよ。\\n はい、どうぞ」",
"352000431_19": "「ああ、サンキュな。\\n ……そのリュック、何が入ってんだ?」",
"352000431_20": "「数日分の食料や地図とかだよ。\\n まあ、食料はだいぶ減っちゃったけどね」",
"352000431_21": "「あとは……あッ!?」",
"352000431_22": "「ん、なんだこれ? プレーヤー?」",
"352000431_23": "「……『クリスの歌』?」",
"352000431_24": "「いい歌だよねー、それ」",
"352000431_25": "「いい歌だよねー、じゃねーッ!」",
"352000431_26": "「思い出したぞッ! お前、あたしの歌を勝手に録音して、\\n 流してたらしいなッ!」",
"352000431_27": "「ん? ダメだった?」",
"352000431_28": "「ダメに決まってんだろッ!」",
"352000431_29": "「これは没収だッ!\\n これ以上広まったらたまったもんじゃないからな」",
"352000431_30": "「没収してもいいけど、広まるのを止めるのは無理だと思うよ」",
"352000431_31": "「……なんだって?\\n 一体、どういうことだ?」",
"352000431_32": "「実は、他の人類戦線支部からも聴きたいッ!\\n って言われたから、データを送ってあげたんだー」",
"352000431_33": "「もしかしたら今頃、各地でクリスの歌が話題になってるかも」",
"352000431_34": "「なー、なー、なー……」",
"352000431_35": "「あれ? ダメだった?」",
"352000431_36": "「……もういい、一旦忘れることにする」",
"352000431_37": "「思えば、とっととギャオスの巣をぶっ潰して\\n 自分の世界へ帰れば済むことだしな」",
"352000431_38": "「そんな寂しいこと言わずに、ゆっくりしていってよ」",
"352000431_39": "「うるせーッ!」",
"352000431_40": "「そんなに怒らなくても――、\\n あ……」",
"352000431_41": "「今度はなんだ?」",
"352000431_42": "「見て、勾玉が光ってるッ!」",
"352000431_43": "「……本当だ。でも、あたしは唄ってないぞ」",
"352000431_44": "「ねえ……、\\n この洞窟、奥まで行ってみよう」",
"352000431_45": "「だから1人で先に行くなってのッ!」",
"352000431_46": "「ずいぶんと深い洞窟だな。\\n ちゃんと出口に戻れるのか?」",
"352000431_47": "「見て、あそこ明るいよッ!」",
"352000431_48": "「なんだか、開けた場所に出たみたいだな。\\n 結局、この洞窟は一体……」",
"352000431_49": "「あ、あれ……ねえ、見てよ」",
"352000431_50": "「見てよって、何が――うわッ!?」",
"352000431_51": "「怪獣……?\\n いや、こいつ見覚えがあるぞッ!」",
"352000431_52": "「ガメラ……」"
}

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@ -0,0 +1,57 @@
{
"352000441_0": "「本当にいたんだな……」",
"352000441_1": "「それにしてもガメラのやつ、やけに静かだな。\\n もしかして眠ってんのか?」",
"352000441_2": "「なあ、おい、お前はどう思う?」",
"352000441_3": "「あれ? あいつ、どこに――」",
"352000441_4": "「って、バカ、お前何ガメラに抱き着いてんだよッ!?」",
"352000441_5": "「う―……やっと会えたよー。\\n ガメラ、会いたかったよー」",
"352000441_6": "「本当にいたよー」",
"352000441_7": "「あぶねーから、離れろッ!」",
"352000441_8": "「頬をすりすりするなッ!」",
"352000441_9": "「あ――」",
"352000441_10": "「本当に無茶苦茶すぎるぞ……」",
"352000441_11": "「それより、ね、本当にいたでしょッ!\\n わたしが言った通り、ガメラはちゃんといたんだッ!」",
"352000441_12": "「やっと、やっと見つけた……」",
"352000441_13": "「見てよッ! 見て見てッ! ガメラだよ、ガメラッ!\\n 本当にガメラはいたんだよッ!」",
"352000441_14": "「わかったから泣くなよ。\\n こいつが起きて動き出したらどうするんだ?」",
"352000441_15": "「そしたらもちろんわたしの想いを伝えるよッ!」",
"352000441_16": "「ガメラにプロポーズでもすんのか?」",
"352000441_17": "「……それにしても」",
"352000441_18": "「……動かないね」",
"352000441_19": "「これ、生きてるのか?」",
"352000441_20": "「生きてるに決まってるよッ!\\n ちょっと調べてくるから待ってて」",
"352000441_21": "「お、おい、気を付けろよッ!」",
"352000441_22": "「……眠ってるだけみたいだね。\\n 起こさないようにしないと」",
"352000441_23": "「……よく見ると身体中、傷だらけじゃないか」",
"352000441_24": "「ギャオスにレギオン、イリス……。\\n ガメラは今までたくさん人類のために戦ってくれたから」",
"352000441_25": "「長い間、戦い続けてきたから、消耗して、\\n 今はきっと休んでるんだと思う」",
"352000441_26": "「そういや、映像の中のこいつも、\\n ボロボロになりながら怪獣たちと戦ってたな……」",
"352000441_27": "「右腕の先だけ傷がない……」",
"352000441_28": "「……あたしに、何かしてやれることがあればいいんだけど」",
"352000441_29": "「やれること……」",
"352000441_30": "「あるよッ! クリスにできることッ!」",
"352000441_31": "「ん?」",
"352000441_32": "「歌だよッ! 歌ッ!\\n クリスの歌を、ガメラに聴かせてあげようよッ!」",
"352000441_33": "「なんでだよッ!\\n せっかく静かに眠ってるのに歌なんて――」",
"352000441_34": "「マナとフォニックゲインは似てるって言ったよね?」",
"352000441_35": "「だから、クリスの歌を聴かせてあげれば、\\n ガメラの傷も早く癒えるかもしれないよー」",
"352000441_36": "「まさか……」",
"352000441_37": "「いや、だけど、もし少しでも可能性があるなら……」",
"352000441_38": "「…………」",
"352000441_39": "「わかったよ。やってやるよ」",
"352000441_40": "「やったー」",
"352000441_41": "「~~♪ ~~♪」",
"352000441_42": "(……お前はなんで、こんな姿になりながらも\\n 人類のために戦ってるんだ……)",
"352000441_43": "(それも、たった1人で……)",
"352000441_44": "(お前は、あたしたち人類のために戦ってくれた。\\n だから、あたしはお前の力になりたい……)",
"352000441_45": "(あたしにはこれくらいしかできないけど……)",
"352000441_46": "(この歌で、お前の傷が少しでも癒えてくれるなら……)",
"352000441_47": "「…………」",
"352000441_48": "「……どうだ?」",
"352000441_49": "「うん、きっと喜んでるよ」",
"352000441_50": "「そっか」",
"352000441_51": "「…………」",
"352000441_52": "「それじゃ、帰るか。\\n きっとみんな心配してるぞ」",
"352000441_53": "「うん」",
"352000441_54": "「ガメラ、早くよくなってね」"
}

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