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"351000321_0": "「みんな、ありがとねー。\\n おかげでどの怪獣の残滓が誰の歌に反応するかわかったよ」",
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"351000321_1": "「怪獣の残滓……?」",
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"351000321_2": "「えーと、さっき説明したと思うけど、\\n 剥がれ落ちた怪獣の身体の一部……遺物のことだよ」",
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"351000321_3": "「……お前、そんなものを集めていたのかよ」",
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"351000321_4": "「しかし、まさか、1人1人の歌に、\\n それぞれ違う怪獣の残滓が反応するとは思いもしなかったな」",
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"351000321_5": "「というか、そもそも怪獣の残滓に\\n そんなに種類があることに驚いたよ」",
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"351000321_6": "「今ここにある怪獣の残滓は\\n ガメラ、イリス、ギャオス……の3つ」",
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"351000321_7": "「わたしの歌に反応したのは、\\n その卵の殻の欠片……。イリスの残滓でしたっけ?」",
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"351000321_8": "「そう、セレナがわたしを助けてくれた時に\\n 回収してきたやつだよ。なんだか縁を感じるねー」",
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"351000321_9": "「はい。それにしてもイリスってなんだか可愛い名前ですね。\\n とても怪獣の名前には思えないです」",
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"351000321_10": "「資料によると、イリスって名前は、\\n 第一発見者の『比良坂綾奈』って人が付けたみたい」",
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"351000321_11": "「当時、可愛がっていた猫の名前から取ったんだって」",
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"351000321_12": "「そうなんですね。\\n それじゃ、怪獣も可愛い怪獣なんでしょうか?」",
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"351000321_13": "「映像があるから見せてあげるよー」",
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"351000321_14": "「これがイリスだよ。\\n ちなみにイリスは、ギャオスの変異体って言われてるんだー」",
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"351000321_15": "「…………」",
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"351000321_16": "「これは、可愛いのか?」",
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"351000321_17": "「……。\\n 見方によっては……」",
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"351000321_18": "「…………」",
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"351000321_19": "「クリス? どうかした?」",
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"351000321_20": "「いや、もしかして、この映像に映ってる\\n デカいカメみたいなやつが……ガメラなのか?」",
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"351000321_21": "「そうだよ。これがガメラだよー。\\n でも……カメってなに?」",
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"351000321_22": "「え? カメだよカメ。\\n 甲羅を背負って、ゆっくり歩くあのカメ」",
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"351000321_23": "「そんな生き物見たことないよ」",
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"351000321_24": "「カメを知らないのか……?」",
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"351000321_25": "「……?」",
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"351000321_26": "「……映像も見終わったところだし、\\n 続きをやるか?」",
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"351000321_27": "「うんッ!」",
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"351000321_28": "「それじゃ、わたしね」",
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"351000321_29": "「わたしは見覚えのあるこの牙みたいなものだけど、\\n これってやっぱり……」",
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"351000321_30": "「それはギャオスの牙。\\n 研究のためにサンプルとして持ち帰ったものなんだ」",
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"351000321_31": "「……わたしはどれも反応はなし、か」",
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"351000321_32": "「他の怪獣の残滓は……ないんだよね?」",
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"351000321_33": "「実験に使えそうなのはその3つだけかな」",
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"351000321_34": "「協力できず、申し訳ない」",
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"351000321_35": "「ううん、そんなことないよ。それぞれ反応するものが\\n 違うってわかっただけでも十分なんだから」",
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"351000321_36": "「しかし、他の残滓はしっかり反応してたのに、\\n ガメラは反応が一瞬だけだったのが気になるな」",
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"351000321_37": "「それはこれから調べるよー」",
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"351000321_38": "「力を秘めた怪獣の遺物……。\\n この怪獣の残滓って、見方を変えれば聖遺物ですよね……」",
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"351000321_39": "「確かにそうだな」",
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"351000321_40": "「わたしもそれに近いものだと考えていた。\\n 聖遺物の中には、伝承の生物由来のものも存在しているしな」",
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"351000321_41": "「なるほど、確かにその見立てはアリかもしれない」",
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"351000321_42": "「どういうこと?」",
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"351000321_43": "「ガメラは超古代文明によって、\\n 人工的に作られた怪獣だって見解もあったみたいなの」",
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"351000321_44": "「超古代文明……つまり、我々の世界の先史文明のことか?」",
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"351000321_45": "「もしかして、フィーネやアヌンナキが絡んでいたりしてな……」",
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"351000321_46": "「なにそれ、なにそれッ! すっごく興味あるッ!\\n 詳しく教えてー」",
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"351000321_47": "「今話したらこんがらがるから後にしてくれッ!」",
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"351000321_48": "「うー……残念……」",
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"351000321_49": "「話を戻すが、本当に聖遺物と変わらないなら、\\n ギアに組み込むこともできるかもしれないな」",
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"351000321_50": "「ギアって、みんなが戦う時に装備してるものだよね?\\n 組み込むってどういうこと?」",
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"351000321_51": "「デュオレリックっていって、わたしたちのギアに、\\n もう1つ聖遺物の力を乗せられることがあるんです」",
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"351000321_52": "「そんなことできるのッ!?\\n じゃあ、さっそくやってみてッ!」",
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"351000321_53": "「簡単に言ってくれるな……」",
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"351000321_54": "「デュオレリックは、かなり危険なんです……。\\n 前にもいろいろあったので……」",
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"351000321_55": "「そっか……」",
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"351000321_56": "「また下らんことをしているな」",
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"351000321_57": "「お父さんッ!?」",
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"351000321_58": "「お前は、残り少ない資源と時間をまた無駄に使用しているのか?」",
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"351000321_59": "「…………」",
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"351000321_60": "「無駄になんかしてないよー。\\n それに、今、わたしの研究が一歩前進したところだったんだ」",
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"351000321_61": "「前進した?」",
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"351000321_62": "「うん、このお姉さんたちの歌と、怪獣の残滓が反応したの。\\n これって、交感ができるってことだよねッ!」",
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"351000321_63": "「だから、もうすぐだよ。もうすぐガメラと――」",
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"351000321_64": "「やめろ」",
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"351000321_65": "「…………」",
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"351000321_66": "「交感ができて何が起きる。ギャオスに、ジズに勝てるのか?」",
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"351000321_67": "「……それは……まだ、わからないけど……」",
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"351000321_68": "「我々人類の目的は、生き残ることだ。\\n それ以外は一切不要」",
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"351000321_69": "「とっくに死んだガメラの助けを期待するなど、もってのほかだ。\\n 例え生き延びていたとしても、所詮はギャオスと同じ怪獣」",
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"351000321_70": "「我々と意思疎通ができる相手だとは到底思えない」",
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"351000321_71": "「人類が生き残るには、人類の力でどうにかするしかないのだ。\\n なぜそれがわからない?」",
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"351000321_72": "「…………」",
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"351000321_73": "「おい、おっさん。あんたはここに何しに来たんだ?\\n こいつに文句を言うために来たのか?」",
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"351000321_74": "「お前の研究は、いたずらに仲間たちを混乱させるだけだ。\\n ここにあるものはすべて破棄する。それを伝えに来たのだ」",
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"351000321_75": "「なんだとッ!?」",
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"351000321_76": "「そんなッ! もう少しなのに――」",
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"351000321_77": "「真琴、これはお前のためでもあるのだ。現実に目を向けろ。\\n やるべきことはこんなお遊びではないはずだ」",
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"351000321_78": "「待ってッ! お父さん――」",
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"351000321_79": "「決定したことだ。\\n 明日の朝には、撤去のために部下を寄越すからな」",
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"351000321_80": "「くそッ! なんだよあいつはッ!」",
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"351000321_81": "「真琴ちゃん……」",
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"351000321_82": "「…………」",
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"351000321_83": "「もう少しだと思ったんだけど……。\\n 残念、ここまでかなー」",
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"351000321_84": "「…………やりましょう」",
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"351000321_85": "「え?」",
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"351000321_86": "「デュオレリック、ですよッ!\\n やってみましょうッ!」",
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"351000321_87": "「でも、危険なんじゃ……」",
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"351000321_88": "「わたしは、真琴さんの研究を信じますッ!」",
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"351000321_89": "「セレナ……」",
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"351000321_90": "「だな。あーまで言われちゃ見返してやりたくなるよなッ!」",
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"351000321_91": "「デュオレリックが成功すれば、\\n 真琴ちゃんの研究も続けられるよね」",
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"351000321_92": "「ああ、やってみよう」",
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"351000321_93": "「ありがとう、みんな……」",
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"351000321_94": "「それじゃ、言い出しっぺのわたしから。\\n そのイリスの残滓を貸してもらっていいですか?」",
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"351000321_95": "「うんッ!\\n でも、気を付けてね」",
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"351000321_96": "「それじゃあ、イリスの残滓とアガートラームで、\\n デュオレリックを試してみます」",
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"351000321_97": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
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"351000321_98": "「あッ……本当に組み込めて――」",
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"351000321_99": "「これは――ッ!?」",
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"351000321_100": "「まさか、聖遺物が反発しているのかッ!?」",
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"351000321_101": "「マジかよ。\\n 本当にデュオレリックだっていうのかッ!」",
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"351000321_102": "「な、なになに、何が起こってるのッ!?」",
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"351000321_103": "「落ち着いて、大丈夫だから。\\n 聖遺物同士は反発して、ああいう反応が出るの」",
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"351000321_104": "「そ、そんなッ!? じゃあ、セレナはッ!」",
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"351000321_105": "「だい、じょうぶ……これくらいなら……」",
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"351000321_106": "(デュオレリックや、イグナイトモジュールだって\\n できたんだからッ!)",
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"351000321_107": "「せ、セレナがさらに変身したッ!?」",
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"351000321_108": "「これが……イリスの力を得たギアなんですね……」",
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"351000321_109": "「さすがだな、しっかり制御してみせたか」",
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"351000321_110": "「ふう……なんとかなりました。\\n 映像を見たおかげかもしれませんね」",
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"351000321_111": "「その見た目……間違いない、本当にイリスみたい……」",
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"351000321_112": "「纏った感じはどうなの?」",
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"351000321_113": "「本当にデュオレリックと同じ感じです」",
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"351000321_114": "「イグナイトモジュールや、心象変化とも違って、\\n 何かの意志が流れ込んでくることもありませんし……」",
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"351000321_115": "「ただ、力はしっかりと感じます」",
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"351000321_116": "「なるほど。単純にこの残滓は意志がない。\\n 本当に聖遺物と変わらないな」",
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"351000321_117": "「やったッ!\\n 成功した……成功ってことでいいのかな?」",
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"351000321_118": "「はい、成功です」",
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"351000321_119": "「よし、じゃあ、次はギャオスの残滓を……。\\n あッ、でも、またこういうことになるなら……」",
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"351000321_120": "「大丈夫、わたしも真琴ちゃんを信じてるから。\\n ギャオスの残滓を貸してくれる?」",
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"351000321_121": "「……これだよ。\\n でも、気を付けてね」",
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"351000321_122": "「へいき、へっちゃらだよ。\\n それじゃあ、始めるね……」",
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"351000321_123": "「Rei shen shou jing rei zizzl――」",
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"351000321_124": "「聖遺物同士の反発、それに近いかもしれない。\\n でも、これくらいなら……ッ!」",
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"351000321_125": "「よし、できたッ!」",
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"351000321_126": "「わたしのときよりも制御するのが早い……。\\n さすがですッ!」",
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"351000321_127": "「言い方はあれだが、くぐってきた修羅場が違うからな」",
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"351000321_128": "「ううん、それだけじゃない。セレナちゃんが先にやってくれた\\n おかげで心構えができたからだよ」",
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"351000321_129": "「それじゃあ、次はあたしの番だな。\\n ガメラの残滓を貸してくれるか」",
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"351000321_130": "「うん、わかった。それじゃあ――」",
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"351000321_131": "「よかった。君たち、ここにいたのかッ!\\n またギャオスの一群が、この砦に迫っているんだッ!」",
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"351000321_132": "「また来やがったのかッ!」",
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"351000321_133": "「ああ、だから――うわッ!?\\n 君、その姿はなんだ、まるでギャオスじゃないかッ!」",
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"351000321_134": "「え、ええっと、これには事情があって……」",
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"351000321_135": "「そのことはまた後で話そう。\\n 今、優先すべきはギャオスの撃退だろう」",
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"351000321_136": "「あ、ああ、そうだな。\\n 頼む、一緒に来てくれッ!」"
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