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{
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"351000221_0": "「みんな、おかえりー。\\n 大活躍だったみたいだねー」",
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"351000221_1": "「あたしたちにできることなんて、\\n それくらいしかないからな……」",
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"351000221_2": "「その『それくらい』がすごいことなんだけどねー」",
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"351000221_3": "「あ、そうだ、1つ聞きたいことがあるんです」",
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"351000221_4": "「ギャオスが口から吐くレーザーみたいな攻撃のことを\\n 知ってますか?」",
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"351000221_5": "「おおッ! 知ってるよー。\\n 怪獣のことならなんでも聞いてくれたまえッ!」",
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"351000221_6": "「お前は、怪獣オタクか?」",
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"351000221_7": "「オタク……、それは今や失われた言葉だよ」",
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"351000221_8": "「そ、そうなのか……」",
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"351000221_9": "「それで、それで。続きを話してッ!」",
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"351000221_10": "「あの攻撃を放たれると、シンフォギアの力が\\n 弱くなるような感じがするんです」",
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"351000221_11": "「その原因がなんなのかわからなくて……」",
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"351000221_12": "「なるほどー。\\n ちょっと思い当たることがあるから調べてみるよ」",
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"351000221_13": "「ありがとうございます。\\n よろしくお願いします」",
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"351000221_14": "「本当にわかるのだろうか……?」",
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"351000221_15": "「さ、さあ……、でも怪獣のことについては詳しそうですよね」",
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"351000221_16": "「……なあ、何かあたしたちに手伝えることはないか?」",
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"351000221_17": "「え? 手伝えることって、十分に手伝ってもらってるよー」",
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"351000221_18": "「いや、その、なんつーか、\\n じっとしてると落ち着かないんだ」",
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"351000221_19": "「……いいの?」",
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"351000221_20": "「うん、お手伝いさせてほしいな」",
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"351000221_21": "「ええっと、それなら……。\\n うん、あの仕事ならみんなにお願いできるかも」",
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"351000221_22": "「みんな、ここだよ」",
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"351000221_23": "「おい、ここって……」",
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"351000221_24": "「あッ、真琴姉ちゃんだッ!」",
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"351000221_25": "「一緒に遊んでくれるの?」",
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"351000221_26": "「今日はね、このお姉ちゃんたちも一緒に遊んでくれるよ」",
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"351000221_27": "「あッ、変身して戦う人たちだッ!」",
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"351000221_28": "「まさか、仕事って子供と遊ぶこと、\\n なんて言わないよな」",
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"351000221_29": "「正解。ここも人手が足りなくて困ってたんだよね」",
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"351000221_30": "「なるほど、確かにこれも立派な仕事だ。\\n 忙しい親の代わりに、子供の相手をするんだな」",
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"351000221_31": "「託児所みたいな場所ってことですね」",
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"351000221_32": "「親かあ……、ここの子供たちは\\n ほとんどが親を戦闘で亡くしてるんだー」",
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"351000221_33": "「じゃあ……孤児ってことか……?」",
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"351000221_34": "「うん」",
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"351000221_35": "「こんなにたくさんの子供たちが……」",
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"351000221_36": "「おかしな話じゃないさ。砦にいる大人は\\n ほとんどみんな、人類戦線の兵士として戦うんだからな」",
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"351000221_37": "「お前、なんでここに」",
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"351000221_38": "「俺もここに用があったんだよ。\\n 君たちが来ているとは思わなかったけど」",
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"351000221_39": "「みんな、兵士に……」",
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"351000221_40": "「ここにいる子供たちも、あと数年したら立派な兵士だ」",
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"351000221_41": "「数年ということは、まさか、学生の年齢で兵士に?」",
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"351000221_42": "「学生……学校……懐かしい響きだな。\\n まあ、そういうことだ」",
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"351000221_43": "「無論、強制はしていない。\\n みんな、自ら志願して戦線に加わってくれるんだ」",
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"351000221_44": "「親をギャオスに殺されて、仇を討ちたいと思う子も多いからな」",
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"351000221_45": "「くッ……」",
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"351000221_46": "「命は大事にしてほしいよね」",
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"351000221_47": "「それより聞いたぞ、ギャオスの迎撃に協力してくれたらしいな。\\n 本当に頭が下がるよ」",
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"351000221_48": "「じっとしてられなかっただけだ」",
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"351000221_49": "「ねえ、お話長いよー」",
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"351000221_50": "「一緒に遊ぼうよッ!」",
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"351000221_51": "「うん、そうだね。\\n お姉ちゃんたちと一緒に遊ぼっか?」",
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"351000221_52": "「やったーッ!」",
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"351000221_53": "「わたしはあまりこういうことが得意ではないのだが」",
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"351000221_54": "「風鳴さんなら大丈夫ですよ」",
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"351000221_55": "「あたしもどちらかと言えば苦手なんだけどな……。\\n ん? あの隅っこにいる男の子はこっちに来ないのか?」",
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"351000221_56": "「ああ、見当たらないと思ったら……。\\n 実は、あの子のことを探してたんだ」",
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"351000221_57": "「あの子がどうしたんだ?」",
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"351000221_58": "「彼は、リアムの子供なんだ」",
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"351000221_59": "「リアム……」",
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"351000221_60": "「リアムは、先日、戦死した俺の部隊の兵士だ。\\n 君も会っているだろう?」",
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"351000221_61": "「しま――ッ!?」",
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"351000221_62": "「危ないッ!」",
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"351000221_63": "「ぐあ――ッ!?」",
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"351000221_64": "「お前、あたしを庇ったのかッ!?」",
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"351000221_65": "「ギャオスとの戦いを……この目で見て……思った……、\\n 君たちは、この戦いに必要だと……」",
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"351000221_66": "「もういい、喋るな。\\n すぐに医者のところに連れてってやるからッ!」",
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"351000221_67": "「アレックス隊長、彼女の言う通りです……。\\n 諦めては、いけない……」",
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"351000221_68": "「リアム……」",
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"351000221_69": "「お前は無理にしゃべるなッ!\\n 死んじまうぞッ!」",
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"351000221_70": "「死んでたまるか……こんなところで……」",
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"351000221_71": "「俺は……、あいつに……、プレゼントするんだ。\\n 少しでも平和な世界を……」",
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"351000221_72": "「プレゼント……?」",
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"351000221_73": "「それまで、死んで……たまるか……。\\n 俺は……、絶対に、諦めないぞ……」",
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"351000221_74": "「――ッ!\\n あたしをかばって死んだ、あいつの……?」",
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"351000221_75": "「ああ、俺も隊長として面倒を見てやらないと、って思ってね。\\n だけど、なんて声をかけていいのか……」",
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"351000221_76": "「何か励ませるようなことができればと思ったんだがな……」",
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"351000221_77": "「……」",
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"351000221_78": "「お、おい、どこへ――」",
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"351000221_79": "「なあ、お前もこっちに来て一緒に遊ばないか?」",
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"351000221_80": "「いい……」",
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"351000221_81": "「じゃあ、何かやりたいことはあるか?」",
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"351000221_82": "「…………」",
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"351000221_83": "「なあ……」",
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"351000221_84": "「邪魔、どっか行って……」",
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"351000221_85": "「お前のお父さんだけど……」",
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"351000221_86": "「お父さんなんて大っ嫌いだ」",
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"351000221_87": "「なんだとッ!」",
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"351000221_88": "「約束したのに……。\\n 一緒に誕生日お祝いしてくれるって……」",
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"351000221_89": "「すごいプレゼントくれるって、約束したのに……」",
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"351000221_90": "「誕生日……」",
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"351000221_91": "「その子、ジョシュアっていうんだけど、\\n もうすぐ10歳の誕生日だったんだ」",
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"351000221_92": "「それを楽しみにしていた矢先にな……」",
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"351000221_93": "「…………」",
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"351000221_94": "(くそ……、なんなんだよッ!\\n なんで、こんな子供が……)",
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"351000221_95": "(ちっくしょう……)",
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"351000221_96": "(どうすりゃいいんだ……。\\n あたしは、この子に何をしてやれるってんだ……)",
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"351000221_97": "「お姉ちゃん、どうしたの?\\n 悲しい顔してるよー」",
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"351000221_98": "「あ……」",
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"351000221_99": "「お姉ちゃんもこっち来て一緒に遊ぼう」",
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"351000221_100": "「いや、あたしは……」",
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"351000221_101": "「お姉ちゃんもお歌を唄いながら悪い奴をやっつけるんだよね?」",
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"351000221_102": "「わたし、お姉ちゃんのお歌聴いてみたいなー」",
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"351000221_103": "「おおッ! それはいい案だねー」",
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"351000221_104": "「クリス、どうしたの?」",
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"351000221_105": "「何かいい遊びでも思いついたんですか?」",
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"351000221_106": "「なんだよ、急に集まってくるなよ」",
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"351000221_107": "「お姉ちゃんのお歌を聴くのー」",
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"351000221_108": "「いや、こんな時に歌なんて……」",
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"351000221_109": "「こんな時だからこそ、だろう?\\n 俺も是非聞いてみたいな」",
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"351000221_110": "「雪音、唄ってやったらどうだ?」",
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"351000221_111": "「ボクも聴きたい―」",
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"351000221_112": "「マ、マジかよ……」",
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"351000221_113": "「…………」",
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"351000221_114": "(そうだ、言葉がダメなら歌で……。\\n 唄うことで、あいつに何か伝えられれば……)",
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"351000221_115": "「……わかったよ、唄ってやるよッ!」",
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"351000221_116": "「やったーッ!」",
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"351000221_117": "「あ、ちょっと準備するから待っててー」",
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"351000221_118": "「準備……?」",
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"351000221_119": "「――これでよしッ!」",
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"351000221_120": "「〜〜♪ 〜〜♪」",
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"351000221_121": "「わあ……」",
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"351000221_122": "「綺麗……」",
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"351000221_123": "「これが、彼女の歌なのか……」",
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"351000221_124": "「…………」",
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"351000221_125": "(さっきまでとは表情が変わってきた気がする。\\n あたしの歌がそうさせてるのか?)",
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"351000221_126": "(あたしの歌がこの子たちのためになるのなら、\\n もう少しだけ……)",
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"351000221_127": "「こんな優しい歌、聴いたの初めてだよー」",
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"351000221_128": "「みんなは、歌を唄わないの?」",
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"351000221_129": "「もう歌なんて唄ってる人いないよ。\\n そういうものは全部、必要のないものになったから」",
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"351000221_130": "「歌が必要ないとは……、\\n それは、寂しく感じてしまうな」",
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"351000221_131": "「寂しく感じる、か……。\\n 俺たちにはその感覚はわからない。でも――」",
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"351000221_132": "(人が生で唄う歌なんて、久しぶりに聴いたけど……。\\n こんなにも……、胸に来るものなのか……?)",
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"351000221_133": "「あの、真琴さん? 何か光ってるよ」",
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"351000221_134": "「ん?」",
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"351000221_135": "「勾玉が光ってるッ!? それに、ガメラの鱗もッ!\\n 両方かすかにだけど、光ってるッ!」",
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"351000221_136": "「これって……」"
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