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memoria: miku birthday 2018
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@ -0,0 +1,99 @@
{
"201009111_0": "未来のバースデー2018",
"201009111_1": "「はぁ……。\\n 誕生日プレゼント、全然いいのが見つからないよ……」",
"201009111_2": "「未来は何をあげたら喜んでくれるんだろう?\\n うーん……」",
"201009111_3": "「あッ、このお店にあるやつ……」",
"201009111_4": "「可愛くて、未来にぴったりかもッ!」",
"201009111_5": "「よろしければ、店内でご覧になりますか?」",
"201009111_6": "「はいッ!」",
"201009111_7": "「ヘッヘッヘー、いいもの見つけちゃったなー。\\n 未来、喜んでくれるかな」",
"201009111_8": "「そうだッ!\\n せっかくだし、サプライズパーティにしよう」",
"201009111_9": "「部屋もいっぱい飾って……、\\n フフ、驚かせちゃうぞーッ」",
"201009111_10": "「ふー……。ちょっと買い過ぎちゃったかな。\\n 未来が帰ってくる前に隠して……」",
"201009111_11": "「おかえり」",
"201009111_12": "「わあッ!?」",
"201009111_13": "「み、未来?\\n 今日は遅くなるって言ってなかった」",
"201009111_14": "「うん。でも、予定より用事が早く済んだから。\\n それよりどうしたの そんなに驚いて」",
"201009111_15": "「な、なんでもないよ?」",
"201009111_16": "「ふーん……。ところで、その荷物は?」",
"201009111_17": "「ええッ!? これは――ッ!\\n とッ、とととッ、うわッ」",
"201009111_18": "「響ッ!? だ、大丈夫?」",
"201009111_19": "「う、うん。平気……」",
"201009111_20": "「って、あッ!」",
"201009111_21": "「荷物が崩れちゃったね、ごめん」",
"201009111_22": "「あれ、クラッカー? なんでこんなの……」",
"201009111_23": "「わあああッ! クラッカーはねッ!\\n ちょ、ちょっと鳴らしてみたいなーってッ」",
"201009111_24": "「そ、そっかぁ。鳴らしてみたい時って、あるよね」",
"201009111_25": "「うんッ! ほら、あんまり鳴らす機会ってないからッ!\\n クラッカーって誕生日とかぐらいでしか使わないしッ」",
"201009111_26": "「……いや、た、誕生日は関係なくて……」",
"201009111_27": "「…………」",
"201009111_28": "「…………」",
"201009111_29": "「……アハハ。さすがにバレバレだよね?」",
"201009111_30": "「うん」",
"201009111_31": "「嘘ついてごめん。\\n 本当は、未来のバースデーパーティの準備をしてたんだ」",
"201009111_32": "「フフ。ありがとう、響」",
"201009111_33": "「早くもサプライズ失敗だよ……。\\n 未来に喜んでもらいたかったのに……」",
"201009111_34": "「ううん。響の気持ち、すごく嬉しいよ」",
"201009111_35": "「そうだッ!\\n せっかくだから、人で準備しない」",
"201009111_36": "「未来の誕生日なのに、いいの?」",
"201009111_37": "「もちろん。\\n 準備も人で一緒にした方が、もっと楽しいから」",
"201009111_38": "「なるほどッ! ナイスアイデアだねッ!」",
"201009111_39": "「よーし、頑張るぞーッ!」",
"201009111_40": "「飾り付けはもうすぐ完成だよッ!\\n そっちはどう」",
"201009111_41": "「うん、お料理ももうすぐ――」",
"201009111_42": "「あッ……」",
"201009111_43": "「本部から?」",
"201009111_44": "「うん……」",
"201009111_45": "「はい……。はい、わかりました。\\n すぐに、向かいます」",
"201009111_46": "「ごめん、急な任務が入っちゃった……」",
"201009111_47": "「……大丈夫。\\n それより、ちゃんと無事に帰ってきてね」",
"201009111_48": "「任せてッ!\\n 任務を終わらせて、すぐ帰ってくるからッ」",
"201009111_49": "「それじゃ、気をつけてね」",
"201009111_50": "「うん。……あ、そうだッ! 未来ッ!」",
"201009111_51": "「なに?」",
"201009111_52": "「プレゼントも用意してるから楽しみに待っててッ!\\n それじゃ、行ってきまーすッ」",
"201009111_53": "「もうこんな時間……。\\n 響、遅いな」",
"201009111_54": "「まだ、どこかで頑張ってるのかな……」",
"201009111_55": "「プレゼントも嬉しいけど、早く響に会いたいよ――」",
"201009111_56": "「えッ? 響から……?」",
"201009111_57": "「はい、もしもし――」",
"201009111_58": "「はぁ……、はぁ……ッ! 響、来たよッ!」",
"201009111_59": "「響……? いないの?」",
"201009111_60": "「……」",
"201009111_61": "「未来ッ!」",
"201009111_62": "「ごめんね、こんなところに呼び出しちゃって。\\n どうしても早くおめでとうが言いたくて……ッ」",
"201009111_63": "「……響ッ!」",
"201009111_64": "「わわッ!? ど、どうしたの?」",
"201009111_65": "「もうッ……。待たせ過ぎだよ。\\n すごく帰りが遅いから、心配したんだよ」",
"201009111_66": "「うん、ごめん……」",
"201009111_67": "「でも、ちゃんと無事に帰ってきたよッ!」",
"201009111_68": "「これを、渡したくて……ッ!」",
"201009111_69": "「お誕生日おめでとう、未来ッ!」",
"201009111_70": "「ありがとう。開けてもいい?」",
"201009111_71": "「うんッ!」",
"201009111_72": "「わあ……ッ! 可愛い髪飾り」",
"201009111_73": "「フフ、未来に似合うと思ったんだ」",
"201009111_74": "「ありがとう。一生の宝物にするね」",
"201009111_75": "「……」",
"201009111_76": "「響……?」",
"201009111_77": "「あ、いや。喜んでもらえたのは嬉しいけど、\\n それじゃちょっと困ったことになっちゃうかもなーって思って」",
"201009111_78": "「どういうこと?」",
"201009111_79": "「だって、これからも毎年あげるんだから、\\n 家の中が一生の宝物でいっぱいになっちゃうよ」",
"201009111_80": "「……ッ!」",
"201009111_81": "「って、あれ?\\n わたし何か変なこと言った」",
"201009111_82": "「……ぐす……」",
"201009111_83": "「ええッ!? な、泣いてるッ!?」",
"201009111_84": "「ごめん未来、わたしのせいなら謝るからッ!」",
"201009111_85": "「違う……、違うの……」",
"201009111_86": "「えッ?」",
"201009111_87": "「急に泣いちゃってごめんね。\\n でも、悲しいから泣いてるんじゃないの」",
"201009111_88": "「響……」",
"201009111_89": "「は、はいッ!」",
"201009111_90": "「やっぱりこのプレゼントは、一生の宝物だよ」",
"201009111_91": "「ええッ!? どういうこと?」",
"201009111_92": "「……恥ずかしいから、内緒」",
"201009111_93": "「そんなのずるいッ! 教えてよーッ!」",
"201009111_94": "「フフ、だーめッ!」",
"201009111_95": "「……これからも、ずっと一緒にいてね」",
"201009111_96": "「うんッ! ずっと一緒だよッ!」"
}

View File

@ -1,115 +1 @@
{
"312000111_0": "黒衣の花嫁",
"312000111_1": "「潜入調査?」",
"312000111_2": "「ああ。突如起動した哲学兵装の危険性については、\\n これまでの任務で身をもって知っているな」",
"312000111_3": "「我々としては、それを未然に防ぐべく、\\n 調査を進めているところだ」",
"312000111_4": "「今は、各自手分けして情報収集にあたっている」",
"312000111_5": "「マリアくんには哲学兵装と思しき代物について、\\n 現場に潜入して、直接確かめてもらいたい」",
"312000111_6": "「わかったわ。\\n ……今ある情報は、この資料ですべて」",
"312000111_7": "「はい。こうした噂の類は、世界にいくつもあるので、\\n これ以上は実物を確認しないことには、難しいのが現状です」",
"312000111_8": "「無論、条件さえそろえばS.O.N.G.へ移送、\\n 解析することが可能となる運びだ」",
"312000111_9": "「だが、万が一にも発動した哲学兵装と接触した場合、\\n 然るべき対応が必要になるだろう」",
"312000111_10": "「……ある意味、もっとも危険な段階といえるわね」",
"312000111_11": "「わかったわ。\\n 気を引き締めて、慎重に調査を……」",
"312000111_12": "「……ッ!?\\n こ、これがその曰くつきの品ッ」",
"312000111_13": "「そうです。\\n 今回は、その純白の……」",
"312000111_14": "「ウェディングドレスッ!?」",
"312000111_15": "「ブライダル雑誌のモデルをするんですか?」",
"312000111_16": "「ええ。\\n 潜入調査とはいえ、花嫁さん役だなんて悪くない気分よね」",
"312000111_17": "「いいなー。純白の花嫁衣装……ッ!\\n フリフリのヒラヒラで……」",
"312000111_18": "「あの、それって、\\n わたしもついていったらダメかなぁ……なーんて」",
"312000111_19": "「……響。遊びじゃないんだから」",
"312000111_20": "「じょ、冗談だって。\\n ちょっと言ってみただけで。アハハ」",
"312000111_21": "「まぁ、憧れちゃう気持ちはわかるけどね。\\n 女の子なら、誰だってそうなんじゃないかな」",
"312000111_22": "「ウェディングドレス……女の子の憧れ、か。\\n まさかこんな形で袖を通すことになるなんて」",
"312000111_23": "「マリアさんだったら、絶対素敵な花嫁さんになれますよッ!」",
"312000111_24": "「えぇぇッ!?\\n マリアが花嫁さんにデスかッ」",
"312000111_25": "「任務よ、任務ッ!\\n 本当に結婚するわけじゃないんだから」",
"312000111_26": "「実は……」",
"312000111_27": "「……そういうことだったんデスか。\\n てっきり、マリアがお嫁にいってしまうと思ったデスよ」",
"312000111_28": "「そんなわけないでしょ。\\n それより、メディカルチェックの結果はどうだったの」",
"312000111_29": "「絶好調デスッ!\\n 元気すぎると言われちゃうくらいデスよ」",
"312000111_30": "「それ、わたしも言われたよ。\\n もしかして、みんなに言ってるのかな」",
"312000111_31": "「それがいつもの響だもの。\\n 今日も異常なしってことじゃないかな」",
"312000111_32": "「そっか。\\n まぁ、元気なことはいいことだよね」",
"312000111_33": "「……じゃあ、そろそろいくわ。\\n 任務とはいえ、モデルは遅刻厳禁だもの」",
"312000111_34": "「さすがのプロ意識デスッ!」",
"312000111_35": "「いってらっしゃい」",
"312000111_36": "「雑誌で見るウェディングドレス姿、楽しみにしてますッ!」",
"312000111_37": "「任せなさいッ!」",
"312000111_38": "(とは言ったものの……。\\n なによ、なんなのよッ これはッ",
"312000111_39": "(このウェディングドレス……可愛すぎるッ!\\n この可愛さ……、抗えるわけないじゃないッ",
"312000111_40": "(可愛さに着られないように、\\n わたしももっと、胸をはって……ッ",
"312000111_41": "「わぁ……。やっぱり綺麗ね。\\n さすがはマリア・カデンツァヴナ・イヴッ」",
"312000111_42": "「いいねー。\\n 次は、ちょっと振り向く感じでッ」",
"312000111_43": "「これなら、ドレスも大満足だろうな」",
"312000111_44": "「<size=30>もちろんデースッ!\\n ドレスも大喜びで、ふわふわしてるデスよ</size>」",
"312000111_45": "「<size=30>ドレスもマリアさんもふわふわで、\\n これぞ、ザ・可愛いお嫁さんって感じだよねッ</size>」",
"312000111_46": "「<size=25>し―ッ、2人とも声が大きいッ。\\n 撮影の邪魔になっちゃうでしょ</size>」",
"312000111_47": "「……この声は」",
"312000111_48": "「わわッ、見つかっちゃったッ!」",
"312000111_49": "「あなたたち、わざわざついてきたの?」",
"312000111_50": "「アハハ……、面目ないデス。\\n 生ウェディングドレスの誘惑には抗えなかったデスよ」",
"312000111_51": "「黙ってついてきちゃって、ごめんなさい」",
"312000111_52": "「すみません。\\n 人を止めるつもりが、一緒に見惚れてしまって……」",
"312000111_53": "「はあ……。仕方ないわね……」",
"312000111_54": "「オッケーですッ!」",
"312000111_55": "「お疲れ様でしたーッ!」",
"312000111_56": "「お疲れ様」",
"312000111_57": "「お疲れ様です。すごく素敵な花嫁姿でした」",
"312000111_58": "「フフッ、ありがとう」",
"312000111_59": "「本当の花嫁さんみたいに幸せそうで、\\n こっちまで幸せ気分になっちゃいました」",
"312000111_60": "「ふわふわドレスに、お似合いのふわふわ笑顔だったデス」",
"312000111_61": "「すごく豪華なドレスだよね。\\n このふわふわの中には、何が入ってるんですか」",
"312000111_62": "「このドレスはプリンセスラインといって、\\n スカートを大きく膨らませるデザインのドレスなの」",
"312000111_63": "「中には……そうね。\\n 女の子の憧れがたくさん詰まっているんじゃないかしら」",
"312000111_64": "「女の子の憧れかあ。こりゃ膨らむわけですなあ~」",
"312000111_65": "「フフッ、夢のある回答ですね」",
"312000111_66": "「花嫁さんといえば、女の子の憧れだもの。\\n モデルとして、それを纏う幸せを伝えていきたいの」",
"312000111_67": "「なるほどデス。幸せは人の数だけあれど、\\n ウェディングドレスとは切っても切れないテーマなわけデスね」",
"312000111_68": "「それはそうよ。\\n 花嫁さんだって、幸せを求めてドレスを纏うに違いないわ」",
"312000111_69": "「今日のマリアはどうなんデスか?」",
"312000111_70": "「えッ? ……そうね。\\n わたしだって、いつかは本当に……」",
"312000111_71": "<size=40>「おお~」</size>",
"312000111_72": "「は、話はこれくらいにして、\\n そろそろ着替えるから、あなたたちはちゃんと帰るのよ」",
"312000111_73": "「はい」",
"312000111_74": "「分かったデスッ!」",
"312000111_75": "(……あっという間だったわね。\\n 少し名残惜しいけど、素敵な体験だったわ",
"312000111_76": "(ウェディングドレス……。\\n 憧れの花嫁さん……。女の幸せ……",
"312000111_77": "(……結婚か。小高い丘の、\\n 赤い可愛い屋根の一軒家…… ",
"312000111_78": "(毎日おいしいご飯を作って、お庭に洗濯物を干して。\\n 天気がいい日は、お弁当を持ってみんなでピクニックに……",
"312000111_79": "「ってッ! ウェディングドレスが嬉しくて、\\n つい、はしゃいでしまったわッ」",
"312000111_80": "「そうよ。\\n 花嫁さんだなんて、浮かれてばかりもいられないわ」",
"312000111_81": "「わたしの任務は、哲学兵装と思しきウェディングドレスを\\n 特定し、真実を見極めることッ」",
"312000111_82": "「とにかく、まずは情報を集めないと」",
"312000111_83": "「ウェディングドレスにまつわる、\\n 妙な噂や不思議なこと……ですか」",
"312000111_84": "「ええ。なんでもいいわ」",
"312000111_85": "「この業界、スタジオの怪談ならよく聞きますけど、\\n ウェディングドレスってのは……」",
"312000111_86": "「それなら、ほら。あれのことじゃないですか?\\n 近寄るだけで不幸が訪れるー、っていう」",
"312000111_87": "「近寄るだけで不幸が?」",
"312000111_88": "「ああ。お前、まだそんなこと信じてるのか?\\n あんなのただの噂だよ。上等なドレスに失礼だろ」",
"312000111_89": "「それで、そのドレスは今どこに?」",
"312000111_90": "「どこにもなにも、ほら。\\n あのドレスですよ」",
"312000111_91": "「あっちでモデルさんが着ている……」",
"312000111_92": "「こんな素敵なアンティークドレスが着られるなんて。\\n モデルやっててよかったーッ」",
"312000111_93": "「……この感じはッ!?」",
"312000111_94": "「彼女、今度本当に結婚するらしいですよ」",
"312000111_95": "「今日はただの撮影だっていうのに、\\n もう、幸せオーラ全開って感じですよねッ」",
"312000111_96": "「本番でもこんなドレスで式を挙げたいなぁ。\\n 私、今すっごく――」",
"312000111_97": "「いけないッ! みんな、離れてッ!」",
"312000111_98": "<size=40>「幸せですッ!!」</size>",
"312000111_99": "「高エネルギー反応を検知ッ!」",
"312000111_100": "「この場所は……ッ!\\n マリアさんが調査中のスタジオです」",
"312000111_101": "「なんだと……ッ!?」",
"312000111_102": "「何があったんですかッ!?」",
"312000111_103": "「問題のドレスと、\\n マリアさんが接触した可能性が高いです」",
"312000111_104": "「マリアは無事なんデスかッ!?」",
"312000111_105": "「それはまだ……」",
"312000111_106": "「そんな……」",
"312000111_107": "「わたしなら大丈夫」",
"312000111_108": "「マリアッ!」",
"312000111_109": "「現場はどうなっているッ!?」",
"312000111_110": "「現場なら――」",
"312000111_111": "「これからわたしが、なんとかするところよ」",
"312000111_112": "「Seilien coffin airget-lamh tron」"
}
{}

View File

@ -1,15 +1 @@
{
"312000112_0": "「はあ――ッ!」",
"312000112_1": "「はあ、はあ……ッ!」",
"312000112_2": "「この手ごたえ……。\\n こいつら、体毎の力は大したことない」",
"312000112_3": "「それなのに、何かやりにくい。\\n この違和感は……」",
"312000112_4": "「はああああッ!」",
"312000112_5": "「はあ――ッ!」",
"312000112_6": "「マリアさんッ!」",
"312000112_7": "「2人ともッ!」",
"312000112_8": "「心配で、慌てて飛び出してきちゃったデスよ」",
"312000112_9": "「言ったでしょ。わたしなら大丈夫」",
"312000112_10": "「それより、問題は彼女……」",
"312000112_11": "「う……うう……」",
"312000112_12": "「黒い……ウェディングドレス……ッ!?」"
}
{}

View File

@ -1,45 +1 @@
{
"312000121_0": "「うぅ……」",
"312000121_1": "「どうしてこんなところに人が?\\n 他にも逃げ遅れた人がいるんじゃ……」",
"312000121_2": "「作戦地域周辺の避難、全て完了しました。\\n スタジオスタッフ、全員の無事も確認済みです」",
"312000121_3": "「……よかったッ!」",
"312000121_4": "「ここは危険ですッ! あなたも早く避難をッ!」",
"312000121_5": "「待ってッ!」",
"312000121_6": "「ううう……ッ!」",
"312000121_7": "「なッ……!?」",
"312000121_8": "「またあの黒っぽいのが出てきたデスッ!」",
"312000121_9": "「はああああッ!」",
"312000121_10": "「クリスちゃんッ!」",
"312000121_11": "「ちょせぇのが次から次へとッ<speed=0.5></speed>\\n コイツらが護ってる、ソイツが親玉か」",
"312000121_12": "「……うう」",
"312000121_13": "「敵が彼女を中心に現れる以上、原因というのは間違いない」",
"312000121_14": "「だけど、親玉というなら、そのウェディングドレスよ。\\n 彼女自身は人質に過ぎないわッ」",
"312000121_15": "「どういうことだ?」",
"312000121_16": "「聞き込み中、彼女の纏っているソレが突然発動したの。\\n 纏っている彼女自身の意思とは、何の関係もないわ」",
"312000121_17": "「高エネルギー反応の座標から見て、\\n あのドレスが哲学兵装というのは間違いありません」",
"312000121_18": "「手にした本人の意思にかかわらず、\\n 偶然にも力の発動条件を満たしてしまったようですね」",
"312000121_19": "「衣服の哲学兵装、周囲に出現した謎の敵。\\n この現象は、過去の振袖事件と酷似しているな」",
"312000121_20": "「哲学兵装が、彼女を依り代にしてしまっということですね」",
"312000121_21": "「くッ、潜入捜査で穏便に回収するつもりが、\\n こうも展開が早いとはな」",
"312000121_22": "「うッ……ううう……」",
"312000121_23": "「なんだか、苦しんでるみたい」",
"312000121_24": "「これじゃ、こっちがイジメっ子デス……」",
"312000121_25": "「……ここで諦めたら、\\n 彼女の意識が呪いに塗りつぶされてしまうッ」",
"312000121_26": "「う……ううッ……」",
"312000121_27": "「しっかりしなさいッ! 惑わされるなッ!」",
"312000121_28": "「あなたは、わたしと同じように撮影に参加していた――」",
"312000121_29": "「もうすぐ本当に結婚する、\\n ただの幸せなモデルでしょッ」",
"312000121_30": "「しあ<speed=0.5>わ</speed>……<speed=0.5>せ</speed>……?」",
"312000121_31": "「<speed=0.5>う</speed>……ううううううぅッ!!<speed=1></speed>\\n あああああぁああッ」",
"312000121_32": "「何ッ!?」",
"312000121_33": "「『疎ましい…<speed=0.5>…</speed>妬ましい……ッ<speed=0.5></speed>\\n この世のすべての幸せがッ』」",
"312000121_34": "「消えたッ!?」",
"312000121_35": "「哲学兵装の反応、女性の生体反応ごとロストしましたッ!」",
"312000121_36": "「なんだとッ!」",
"312000121_37": "「大変ですッ!\\n ロストした座標の周囲に無数のエネルギー反応がッ」",
"312000121_38": "「わわッ!?\\n 代わりに黒っぽいのがたくさんッ」",
"312000121_39": "「置き土産が多すぎるッ!」",
"312000121_40": "「ここは1人当たり、\\n 体、体……いっぱいやるしかなさそうデスッ」",
"312000121_41": "「女性の行方はこちらで追う。\\n 今はそいつらの殲滅が最優先だ。頼んだぞッ」",
"312000121_42": "「了解ッ!」"
}
{}

View File

@ -1,50 +1 @@
{
"312000122_0": "「はあ――ッ!」",
"312000122_1": "「はあ、はあ……ッ!\\n 今ので最後デスッ」",
"312000122_2": "(……なにか、変な感覚が……)",
"312000122_3": "「切歌ちゃん、後ろッ!」",
"312000122_4": "「なッ!?」",
"312000122_5": "「はあ――ッ!」",
"312000122_6": "「まったく。油断するなよな」",
"312000122_7": "「ごめんなさいデス」",
"312000122_8": "「殲滅にはもう少しかかると思ったんだけれど。\\n 本当に、随分と攻め急いだものね」",
"312000122_9": "「バーッとやってたら、\\n あっという間だったデ……ス……」",
"312000122_10": "「おいッ!?」",
"312000122_11": "「大丈夫ッ!?」",
"312000122_12": "「……平気デスッ!\\n ちょっと張り切りすぎただけデス」",
"312000122_13": "「……ならいいけれど」",
"312000122_14": "「それより、女の人の行方が気になるデス」",
"312000122_15": "「そうだね。あの人、苦しんでた……。\\n 一刻も早く、助けないとッ」",
"312000122_16": "「って、どこにいくつもりだ?」",
"312000122_17": "「だって、まだこの近くにいるかもしれないんだよ?」",
"312000122_18": "「そりゃ、そうかもしんないけど……。\\n 人探しはおっさんたちに任せて、まずは戻って報告だ」",
"312000122_19": "「この局面、今はあなた1人で無理する番じゃないわ。\\n みんなで頑張りましょう」",
"312000122_20": "「……はいッ!」",
"312000122_21": "「……」",
"312000122_22": "「本当に大丈夫なの?」",
"312000122_23": "「大丈夫デスッ!\\n ほんの少し、ふらっとしただけデスよ」",
"312000122_24": "「……」",
"312000122_25": "「気分がすぐれない?」",
"312000122_26": "「ああ。\\n こいつのことを診てやってほしいんだ」",
"312000122_27": "「ホントのホントに大丈夫デスッ!\\n アタシの元気は、今朝のチェックで折り紙付きデスよ」",
"312000122_28": "「そういうのは、倒れてないやつが言うセリフだろ?」",
"312000122_29": "「わたしも、ちゃんと調べたほうがいいと思う」",
"312000122_30": "「そうだよ。\\n 見たことない敵だったし、心配だよ」",
"312000122_31": "「それは響もでしょ。\\n ほら、顔、ちゃんと見せて」",
"312000122_32": "「えッ?」",
"312000122_33": "「……やっぱり、ちょっと疲れた顔してる」",
"312000122_34": "「そうかな? 自分じゃあんまりわからないけど」",
"312000122_35": "「言われてみれば、わたしも疲れが気になるわ」",
"312000122_36": "「そんなに手ごわい相手だったんですか?」",
"312000122_37": "「むしろ、楽勝過ぎて気が緩んだデス」",
"312000122_38": "「だからこそ、疲れに違和感がある……。\\n 敵の正体を探る意味でも、しっかり調べたほうがよさそうね」",
"312000122_39": "「確かに、\\n 交戦中、何らかの影響を受けた可能性は、十分考えられます」",
"312000122_40": "「戦闘に参加された皆さんには、通常のチェックに加え、\\n 特別プランで徹底的に調べてみましょう」",
"312000122_41": "(もし、外傷が確認できない場合、\\n 心配なのは心的影響……",
"312000122_42": "(その場合、矛先となっているのは装者の精神――、\\n それはシンフォギアの中核ともいえる力",
"312000122_43": "(何事もないといいのですが……)",
"312000122_44": "「それじゃあ、ちゃちゃっと元気を証明してくるデスよ」",
"312000122_45": "「うん」",
"312000122_46": "「いこう、エルフナインちゃん」",
"312000122_47": "「あッ、待ってくださーいッ!」"
}
{}

View File

@ -1,84 +1 @@
{
"312000131_0": "「おわった、おわったー」",
"312000131_1": "「おかえりなさい」",
"312000131_2": "「ただいまー。\\n みんな、健康そのものだったよ」",
"312000131_3": "「オールグリーンだったデスッ!」",
"312000131_4": "「よかった」",
"312000131_5": "「検査結果って、こんなに早く出るものなの?」",
"312000131_6": "「外傷の類ならすぐなのですが、\\n まだ結果が出ていないものもたくさん……」",
"312000131_7": "「そうだったんデスかッ!?」",
"312000131_8": "「すみません。本格的な解析もこれからですし……。\\n でも、できるだけ早く終わるように頑張りますッ」",
"312000131_9": "「分かったわ。\\n 無理しなくていいから、しっかりね」",
"312000131_10": "「ありがとうございますッ!\\n では、急ぎ対応しますッ」",
"312000131_11": "「危ないッ!」",
"312000131_12": "「わわッ!?」",
"312000131_13": "「っと、大丈夫か?\\n 不用意に駆け出すとは感心しないな」",
"312000131_14": "「はわわわッ。す、すみませんッ!」",
"312000131_15": "「ちょうどよかった。みなさんお揃いですね」",
"312000131_16": "「今回の『黒衣の花嫁事件』について、\\n マリアくんの報告とあわせて、一度状況を整理しておきたい」",
"312000131_17": "「発令所へ集合してくれ」",
"312000131_18": "「わかりましたッ!」",
"312000131_19": "「響……」",
"312000131_20": "「ごめん、すぐには帰れそうにないかも。\\n 未来は先に帰ってて。夕飯までには帰れると思うから」",
"312000131_21": "「うん」",
"312000131_22": "「緒川、事件について、\\n これまで判明している情報を頼む」",
"312000131_23": "「分かりました。\\n まず、哲学兵装として力を発したドレスについて」",
"312000131_24": "「『呪いのウェディングドレス』として、\\n ファッション業界の一部では噂になっていたものです」",
"312000131_25": "「なんでも、結婚を前に亡くなった女性の霊が、\\n ドレスに宿っているのだとか」",
"312000131_26": "「れ、霊……、デスかッ!?」",
"312000131_27": "「こ、……こら、ひっつくな」",
"312000131_28": "「ドレスの所有者は、\\n 撮影に臨んでいたドレスブランドのオーナー、幸谷氏」",
"312000131_29": "「マリアさんがモデルをしたドレスの\\n デザイナーでもありますね」",
"312000131_30": "「あのふわふわドレスのデザイナーさんがッ!?」",
"312000131_31": "「呪いのウェディングドレスまで\\n 作ってしまったんデスか」",
"312000131_32": "「いえ。問題のドレスは、19世紀に制作されたもので、\\n 今ではアンティークと呼ばれる逸品です」",
"312000131_33": "「元々は米国の博物館に展示されていたものを、\\n 幸谷氏が高値で競り落としたそうです」",
"312000131_34": "「曰くの付いたドレスを欲しがるとは、\\n もの好きもいたもんだな……」",
"312000131_35": "「噂は気になるけれど、歴史的価値があるのも事実よ。\\n 重厚感のある見事なデザインだったわ」",
"312000131_36": "「ウェディングドレスなのに真っ黒だったのも、\\n アンティークだったからなんですか」",
"312000131_37": "「それが、もとは美しい純白だったとか。\\n ……ほら、これがその写真よ」",
"312000131_38": "「白いドレス……ッ!?\\n わたしたちが見た時は黒かったけど、形は同じですね」",
"312000131_39": "「あの時は驚きの黒さだったデス。\\n 本当に同じドレスなんデスか」",
"312000131_40": "「目の前で白いドレスが黒く染まっていくのを見たわ。\\n 力の発動と共に変化したんだと思う」",
"312000131_41": "「『近寄るだけで不幸が訪れる』という噂を聞いたけれど、\\n 不吉な雰囲気は十分あったわね」",
"312000131_42": "「色の変化は、哲学兵装としての力の発動を――、\\n 『不幸』とは出現する敵を指していると考えられます」",
"312000131_43": "「いずれにせよ、事件解決に向け、\\n 哲学兵装としての道理と、その力の特定は急務となるだろう」",
"312000131_44": "「俺たちに課せられた任務は、哲学兵装の回収――、\\n 及び、ドレスを纏った女性の救出だ」",
"312000131_45": "「行方については目下捜索中だが、\\n 敵の出現を確認次第、お前たちには殲滅にあたってもらう」",
"312000131_46": "「敵の正体について、まだまだ不明な点も少なくない。\\n くれぐれも慎重にことにあたってくれ」",
"312000131_47": "「了解ッ!」",
"312000131_48": "「では、情報収集は緒川さんたちにお任せするとして、\\n ボクはみなさんの戦闘情報の分析を……」",
"312000131_49": "「それって、わたしたちにも手伝えることかな?」",
"312000131_50": "「え? えーっと……」",
"312000131_51": "「嫌なら断っていいんだぞ。\\n 騒がしいのがいても、かえって邪魔するだけじゃないのか」",
"312000131_52": "「い、いえ、そんなことはッ!」",
"312000131_53": "「こういう時は、いつも1人で机に向かっているものですから、\\n その……、嬉しくて」",
"312000131_54": "「戦闘情報の分析……、そうだな」",
"312000131_55": "「ここはひとつ、\\n 違う角度からメスを入れてみるか」",
"312000131_56": "「なるほど。\\n それで、ここから――」",
"312000131_57": "「こうッ! 一発入れたんだなッ!?」",
"312000131_58": "「そうですッ!\\n それで、このへんからクリスちゃんが入ってきて……」",
"312000131_59": "「『ちょせぇのが次から次へとッ!\\n ソイツが親玉かーッ』」",
"312000131_60": "「――って」",
"312000131_61": "「ば、バカッ!\\n 状況再現するのに、モマネは必要ないだろッ」",
"312000131_62": "「『フッ、親玉はウェディングドレスよッ!\\n 彼女自身は人質に――』」",
"312000131_63": "「<size=40>『――過ぎないわッ!』」</size>",
"312000131_64": "「って、マリアもやってたデス」",
"312000131_65": "「ちょっとッ! \\n そんな変なポーズとった覚えはないからッ」",
"312000131_66": "「なるほど。\\n 被害者女性を中心に、敵が呼び寄せられたわけか」",
"312000131_67": "「クリスさんは敵と距離をとって戦い、\\n 切歌さんは最前線で切りこんでいたわけですね」",
"312000131_68": "「わたしがもっと早く駆け付けられたら、\\n 切ちゃんに無茶なんてさせなかったのに……」",
"312000131_69": "「そんな時もある。\\n 次はわたしたちが先陣を切り、皆を支えればいい」",
"312000131_70": "「……はいッ!」",
"312000131_71": "「ありがとうございました。\\n 人で机に向かうより、感覚的に頭に入った気がします」",
"312000131_72": "「では、これらの情報を、\\n みなさんの検査結果とあわせて解析を続けますッ」",
"312000131_73": "「……こんなオモシロ芝居で、収穫なんてあったのか?」",
"312000131_74": "「そうだよッ!\\n わたしたちも、これから収穫すればッ」",
"312000131_75": "「はぁ?」",
"312000131_76": "「師匠ッ! 分析結果がでるまで、\\n ここでシミュレーションさせてください」",
"312000131_77": "「理屈がわからなくても、\\n 体で覚えられることだって、あると思いますッ」",
"312000131_78": "「わたしからもお願いします」",
"312000131_79": "「次はちゃんと戦えるように、予習しておきたいです」",
"312000131_80": "「ああ、分かった。すぐ用意する。\\n ここからなにかを掴み取れッ」",
"312000131_81": "「はいッ!」"
}
{}

View File

@ -1,35 +1 @@
{
"312000132_0": "「未来さん? 先に帰ったはずでは?」",
"312000132_1": "「そのつもりだったんだけどね。\\n ……はい、これ」",
"312000132_2": "「これは、……検査結果?」",
"312000132_3": "「届け先を探しているみたいだったから、\\n わたしが預かっちゃった」",
"312000132_4": "「ありがとうございます」",
"312000132_5": "「これで、みんなの不調の原因がわかるんだよね?」",
"312000132_6": "「はい。\\n みなさんのために、ボクが必ず解き明かしますッ」",
"312000132_7": "「うん」",
"312000132_8": "(みんなの力になれるなんて。\\n 少し、うらやましいな……",
"312000132_9": "(わたしにも、ないかな?\\n みんなのために出来ること……",
"312000132_10": "「はぁぁぁぁ──ッ!」",
"312000132_11": "「はあ……はあ……ッ!」",
"312000132_12": "「よし、しばし休憩とする。\\n 各々、手ごたえを報告してくれ」",
"312000132_13": "「敵の行動パターンには慣れたけど……」",
"312000132_14": "「再現上で剣を交える限り、\\n これといった脅威は感じられません」",
"312000132_15": "「そうか。\\n 実際に目にした者の意見はどうだ」",
"312000132_16": "「見た目は同じでも、直接やりあったときには、\\n もっと不気味な感じがあった気がする」",
"312000132_17": "「不気味……?\\n 気迫のように、対峙してはじめて肌身で感じるものか」",
"312000132_18": "「んー、もっと感覚的な……、\\n 間合いに入るとヤバそうな、嫌な感じだ」",
"312000132_19": "「シミュレートでは再現しきれない感覚か。\\n それが相手の特性と考えられなくもないな」",
"312000132_20": "「失礼します。\\n あの、響たちは……」",
"312000132_21": "「……未来、待っててくれたの?」",
"312000132_22": "「うん。\\n 帰ろうとしたら、みんなの検査結果が出たって聞いて……」",
"312000132_23": "「……」",
"312000132_24": "「響? どうかした?」",
"312000132_25": "「え?\\n 平気だよ。なんにも問題ない……」",
"312000132_26": "「……」",
"312000132_27": "「……」",
"312000132_28": "(なんだろう。\\n みんないつもと少し違うような……",
"312000132_29": "「さあ、休憩ならもう十分とったわ」",
"312000132_30": "「そうデス。ちゃっちゃと練習再開といくデスよ」",
"312000132_31": "(そっか。\\n みんな、さっきからずっと――",
"312000132_32": "(笑っていないんだ)"
}
{}

View File

@ -1,56 +1 @@
{
"312000141_0": "「おおおおおッ!」",
"312000141_1": "「はああああッ!」",
"312000141_2": "「はあ――ッ!」",
"312000141_3": "「3人とも、さっきから妙に気合いが入ってるな」",
"312000141_4": "「ああ。そう言うと聞こえはいいが、\\n なにやら余裕がないようにも見える」",
"312000141_5": "「いつもと雰囲気が違う。\\n 少し、苛立っているような……」",
"312000141_6": "「はあ、はあ……ッ!」",
"312000141_7": "「こうしている間にも、エルフナインちゃんが頑張ってくれてる。\\n なら、わたしたちだってッ」",
"312000141_8": "「だったら、わたしもここで頑張らせて」",
"312000141_9": "「未来ッ!? なんでギアを?」",
"312000141_10": "「ここからは、未来くんにもシミュレートに参加してもらう。\\n 本人たっての希望だ」",
"312000141_11": "「哲学兵装を纏った被害者女性は、戦闘経験のない民間人だ」",
"312000141_12": "「お前たちには見えないものも、\\n 戦闘経験が少ない未来くんには掴めるかもしれない」",
"312000141_13": "「戦場に立つ戦士の目では見えないもの……。なるほど」",
"312000141_14": "「そんなものかしら……」",
"312000141_15": "「いまいちピンとこないデス……」",
"312000141_16": "(響も、マリアさんと切歌ちゃんも、いつもと雰囲気が違う。\\n まるで心に霞がかかったみたい……",
"312000141_17": "(なにか明るいこと、楽しいこと――\\n みんなの心を照らす素敵なことは……",
"312000141_18": "「……そうだッ!」",
"312000141_19": "「未来……?」",
"312000141_20": "「ねえ、朝にみんなでした、\\n ウェディングドレスの話を覚えてる」",
"312000141_21": "「ウェディングドレス? なんでこんな時に」",
"312000141_22": "「ううん、こんな時だから。思い出して?」",
"312000141_23": "「えっと、マリアさんがドレスのモデルをするって聞いて……」",
"312000141_24": "「いてもたってもいられず、\\n 撮影現場に押し掛けてしまったデス」",
"312000141_25": "「ドレスやウェディングの話で盛り上がって、\\n みんなすごく楽しそうだったよね」",
"312000141_26": "「う、ウェディングッ!<speed=0.5></speed>\\n シミュレーション中に、なにバカげたこと……」",
"312000141_27": "「いや、そうでもないかもしれないぞ」",
"312000141_28": "「確かに、みんな盛り上がってたよね。\\n フリフリのヒラヒラが着たいって」",
"312000141_29": "「わたしは……、\\n 大人っぽいロングドレスなんて、憧れるかな」",
"312000141_30": "「ふわりと広がるウェディングドレス……。\\n 確かにいいものよね」",
"312000141_31": "「アタシは、可愛いくもカッコよく、\\n それでいて、でっかいリボンが付いたのがいいデスッ」",
"312000141_32": "「そういえば、わたしも今日の撮影で知ったんだけれど、\\n 『サムシングフォー』というのを知っている」",
"312000141_33": "「サムシングフォー?\\n たしか、結婚式のジンクスですよね」",
"312000141_34": "「それは初耳デス。儀式的な何かデスか?」",
"312000141_35": "「花嫁さんが身に着けると幸せになれるっていう、\\n つの品のことよ」",
"312000141_36": "「結婚した人から幸せを分けてもらうため、\\n 何か借りたものを身に着ける、サムシングボロー」",
"312000141_37": "「幸せを分けてもらう……。\\n 幸せのおすそ分けみたいな感じですねッ」",
"312000141_38": "「サムシングオールドは、祖先や伝統を重んじて身に着ける、\\n 家に代々伝わる何か古いもの」",
"312000141_39": "「代々伝わる……。\\n ずっと昔から、みんなが大事にしてきたもの……デスか」",
"312000141_40": "「託されてきた想いをみんなが大切にできるのは、\\n すごく素敵なことデスね」",
"312000141_41": "「サムシングニューは、\\n これからの新しい幸せを願って身に着ける、何か新しいもの」",
"312000141_42": "「最後にサムシングブルー。幸運と純潔を表す、何か青いもの。\\n 青は聖母マリアのシンボルカラーでもあるのよ」",
"312000141_43": "「マリアにピッタリのアイテムデスッ!」",
"312000141_44": "「なるほど、それが言いたかったわけですね」",
"312000141_45": "「わ、わたしは純粋に今日の報告を……ッ!」",
"312000141_46": "「アハハッ、わかってますよ」",
"312000141_47": "(フフ、みんなやっと笑顔になってくれた。\\n 少しだけ、みんなの力になれたかな",
"312000141_48": "「張りつめてた空気がほどけたな」",
"312000141_49": "「みんな、なんだか楽しそう……」",
"312000141_50": "「なるほど。\\n これはこれで、効果てき面ってとこか」",
"312000141_51": "「師匠ッ! もう一度おねがいしますッ!」",
"312000141_52": "「調子が戻ってきたようだな。\\n よし、シミュレート再開だッ」",
"312000141_53": "「はいッ!」"
}
{}

View File

@ -1,57 +1 @@
{
"312000142_0": "「はぁぁぁぁ――ッ!」",
"312000142_1": "「はああああッ!」",
"312000142_2": "「はあ――ッ!」",
"312000142_3": "「よし。\\n 余計な肩の力が抜け、動きのキレが戻ってきたな」",
"312000142_4": "「苛立ちや焦りが消え、\\n 心が落ち着きを取り戻したようですね」",
"312000142_5": "「でも、何かおかしいです。\\n いつもの切ちゃんなら、あんな風にはならないはず」",
"312000142_6": "「ああ。それはあいつら全員に言えることだ。\\n 何か理由がありそうだな」",
"312000142_7": "「理由ならありますッ!」",
"312000142_8": "「みなさんッ、お待たせしてすみません。\\n 敵の特性を特定することができましたッ」",
"312000142_9": "「敵の特性だと?」",
"312000142_10": "「はいッ!」",
"312000142_11": "「まず、出現する黒い敵について」",
"312000142_12": "「その形状とドレスの持つ「不幸を呼び寄せる」との曰くから、\\n 便宜上、『不幸の種子』と呼ばせてもらいます」",
"312000142_13": "「不幸の種子……。\\n 確かに、植物の種のような形だったわね」",
"312000142_14": "「その不幸の種子から、とある感覚を司る脳内物質を\\n 著しく低下させる力が確認できました」",
"312000142_15": "「損なわれていたそれは、『幸福感』です」",
"312000142_16": "「幸福感ッ!<speed=0.5></speed> \\n じゃあ、さっき皆の心が不安定だったのも……」",
"312000142_17": "「おそらく、実戦で気付かぬうちに脳内物質の低下を受け、\\n シミュレート戦闘のストレスに、心が耐えきれず……」",
"312000142_18": "「くッ、そんな簡単なことで\\n 心を乱されるなんて……ッ」",
"312000142_19": "「ちなみに影響は、敵に最も接近していた切歌さんが最大。\\n 不調を実感していないクリスさんにも見られました」",
"312000142_20": "「あたしがかッ!?」",
"312000142_21": "「敵の攻撃なんて、受けてなかったよね?」",
"312000142_22": "「ああ。それに、敵との距離だって十分だったはず」",
"312000142_23": "「……ッ! まさかッ!?」",
"312000142_24": "「敵の効果範囲は広く、接近するだけで影響を及ぼす、\\n 目に見えない毒、もしくはオーラのようなものと思われます」",
"312000142_25": "「オーラだと?\\n そんな見えざるものを相手にするというのか」",
"312000142_26": "「今思えば、敵に近づかれたときにイヤな感じがあったデス」",
"312000142_27": "「あたしの感じた不気味さも、それだったのか……」",
"312000142_28": "「失礼します」",
"312000142_29": "「緒川か」",
"312000142_30": "「現場関係者のカウンセリング結果から、\\n 新たな事実が判明しました」",
"312000142_31": "「死傷者が出ていないにも関わらず、同様のケースと比べ、\\n 不自然に高いストレス値が検出されたそうです」",
"312000142_32": "「これで敵の特性は決まりか」",
"312000142_33": "「これが不幸を招くという噂の実態……。\\n 『不幸のオーラ』といったところでしょうか」",
"312000142_34": "「不幸のオーラ……。\\n 近づくもの全ての心に、影を落とすと言うの……」",
"312000142_35": "「上等だッ!\\n 近づけないなら、あたしが遠距離からぶち抜いて……」",
"312000142_36": "「敵がいつまでも、その距離を許すと思うか」",
"312000142_37": "「それは……。くそッ。\\n ならどうすりゃいいんだ」",
"312000142_38": "「敵の力が明らかになった今、対抗できる手段はひとつです」",
"312000142_39": "「不幸に対抗する力――\\n 『幸福』を強く心に描くことッ」",
"312000142_40": "「心象変化かッ!」",
"312000142_41": "「戦場でドンパチやりながら幸せを思い描けって……、\\n 正直どうなんだ」",
"312000142_42": "「戦士として戦場に立つ覚悟と、幸福感……。\\n 結びつかない心象の両立が課題だな」",
"312000142_43": "「イメージしにくい……」",
"312000142_44": "「いったい、何を想えば……」",
"312000142_45": "「それは、あなたが思い出させてくれたわ」",
"312000142_46": "「まさか……」",
"312000142_47": "「そっか」",
"312000142_48": "「あれしかないデスッ!」",
"312000142_49": "「幸せが力になるというのなら、\\n それを願う気持ちが導いてくれるはず」",
"312000142_50": "「不幸に穢されたわたしたちに見せてくれた、\\n 幸福の白い輝きッ」",
"312000142_51": "「ギアが変化したッ!?」",
"312000142_52": "「これが、アタシたちの――」",
"312000142_53": "「幸せを願う気持ちが成す形……?」",
"312000142_54": "「ウェディングギアッ!!」"
}
{}

View File

@ -1,52 +1 @@
{
"312000211_0": "純白の光明",
"312000211_1": "「か……<speed=0.5>、</speed>可愛い……ッ!」",
"312000211_2": "「可愛いすぎるわ……ッ!」\\n「可愛いすぎるデスッ」",
"312000211_3": "「ウェディングドレス型のギアだとッ!<speed=0.5></speed>\\n 一体、何がどうなっているッ」",
"312000211_4": "「……どうやら、幸せを強く願うことで、\\n 心象に描かれた形、それが――」",
"312000211_5": "「ウェディングドレスだった……<speed=0.5>、</speed>と?」",
"312000211_6": "「恐らく、実際にドレスを見て幸福を感じた経験……、\\n そしてなにより――」",
"312000211_7": "「不幸のオーラの影響を受ける中、共に立ち直った体験から、\\n 幸せのイメージとして、より心象に深く刻まれたのでしょう」",
"312000211_8": "「心象実験にも勝る実体験――、\\n 不幸という脅威を前に、人で紡いだ幸せのイメージ、か……」",
"312000211_9": "「ウェディング・ガールズトークさまさまデスッ!」",
"312000211_10": "「やっぱり、幸せといえば花嫁さん。\\n 花嫁さんといえば、ウェディングドレスだよねッ」",
"312000211_11": "「わたし、いいのかな? 練習で参加しただけなのに」",
"312000211_12": "「いいと思うッ! 最高だよッ! 可愛いよ未来ッ! \\n すっごく似合ってるッ」",
"312000211_13": "「ありがとう。響も……似合ってる」",
"312000211_14": "「なんていうか……。\\n 響はウェディングドレスになっても、響だね」",
"312000211_15": "「えーッ!? それって褒められてるの?」",
"312000211_16": "「もちろん。いつものギアもいいけど、\\n フリフリになっても響らしくて、わたしは可愛いと思う」",
"312000211_17": "「い、いつにも増してこっ恥ずかしいこと言ってるなッ!」",
"312000211_18": "「調ッ! アタシはどうデスかッ?\\n どこかおかしなトコとか、ないデス」",
"312000211_19": "「ちゃんと似合ってるよ。\\n ……綺麗な花嫁さん」",
"312000211_20": "「き、綺麗……デスッ!?」",
"312000211_21": "「そ、そんなことを言われたら、\\n どんな顔していいのか、わからないじゃないデスか……」",
"312000211_22": "「マリアも、よく似合っているな」",
"312000211_23": "「さっきモデルをやってきたばかりだもの。\\n ギアとはいえ、ドレスに着られるわけにはいかないわ」",
"312000211_24": "「そうか。\\n 戦場でも、その立ち回りが生かされるといいな」",
"312000211_25": "(ドレスが可愛くても、戦場ではしゃぐわけにはいかないわ。\\n これはギア。こんなに可愛くてもギアなのよ……ッ",
"312000211_26": "(……ちくしょうッ! でもやっぱり可愛いッ!)",
"312000211_27": "「やれやれ。今回は随分とかしましいな」",
"312000211_28": "「仕方ないですよ。\\n 彼女たちも年頃の女の子なんですから」",
"312000211_29": "「ギアの変化が、こんなに気持ちに影響するなんて。\\n もしかして、これこそがこのギアの効果……」",
"312000211_30": "「警報ッ!? これって、もしかして」",
"312000211_31": "「哲学兵装と思しき、\\n 高エネルギー反応を検知しましたッ」",
"312000211_32": "「お出ましのようだな」",
"312000211_33": "「それじゃ、ちょっといってくるね」",
"312000211_34": "「うん。いってらっしゃい」",
"312000211_35": "「またあの黒っぽいのが、うじゃうじゃいるデス」",
"312000211_36": "「コイツらが切ちゃんを……ッ!」",
"312000211_37": "「敵との距離には、くれぐれも注意してください」",
"312000211_38": "「近寄って影響を受け続ければ、\\n 最悪の場合、戦闘不能に陥る可能性もあります」",
"312000211_39": "「影響は実感しにくいが、油断するな。\\n なるべく距離をとって応戦するんだ」",
"312000211_40": "「そんなに簡単にいくものかしら」",
"312000211_41": "「そうデス。どうせやるならこのウェディングギアで、\\n ガツンとやってやりたいデス」",
"312000211_42": "「わたしからもお願いします。\\n せっかく手に入れた可能性、ここで試さぬ手はありません」",
"312000211_43": "「可能性か。……よし、いいだろう」",
"312000211_44": "「戦闘はウェディングギア装者を中心に行い、\\n 残りの者は、一定距離を保ってバックアップしろ」",
"312000211_45": "「師匠ッ! ありがとうございますッ!」",
"312000211_46": "「そのギアの性能については、\\n 特性を把握しきれていないのが現状だ」",
"312000211_47": "「だが、お前たちが幸せを願い、手にした形だ。\\n なにか意味のあるものだと信じたい」",
"312000211_48": "「分かったわ。\\n それなら、この力――」",
"312000211_49": "「この場で示させてもらうわッ!」"
}
{}

View File

@ -1,19 +1 @@
{
"312000212_0": "「はあ――ッ!」",
"312000212_1": "「戦いの中でこの高揚感は……。\\n 気分が軽いッ」",
"312000212_2": "「後方から見守る限り、動きのキレも良いと見える。\\n これもギアによる心理的な影響なのか……」",
"312000212_3": "「はああああッ!」",
"312000212_4": "「切ちゃんも絶好調だね」",
"312000212_5": "「調子の良さに笑いが止まらないデスッ!\\n これなら、いくらでも面白おかしく切り刻めるデスッ」",
"312000212_6": "<size=40>「アハハハハッ!」</size>",
"312000212_7": "「これはこれで大丈夫なのか?」",
"312000212_8": "「少し興奮しているようですが、\\n 生体機能への影響は出ていません」",
"312000212_9": "「ギアのもたらす幸福感が、\\n 敵の不幸を煽る力を相殺しているのか」",
"312000212_10": "「その身に幸福を纏い、不幸を撃つ――\\n これがウェディングギアの真価ッ」",
"312000212_11": "「……う、うわッ!?」",
"312000212_12": "「響ッ!?」",
"312000212_13": "「どうした?」",
"312000212_14": "「ちょっと踏み外しただけです。問題ありませんッ!」",
"312000212_15": "「……」",
"312000212_16": "(……響?)"
}
{}

View File

@ -1,36 +1 @@
{
"312000221_0": "「はああああッ!」",
"312000221_1": "「あれ?\\n ……うーん」",
"312000221_2": "「……気付いているか?」",
"312000221_3": "「ああ。あのバカ、ギアが変化したっていうのに、\\n なにやってるんだ……」",
"312000221_4": "(……そうか。\\n ギアがフリフリしてるから、いつもと勝手が違うんだ",
"312000221_5": "(おしゃれヒールで、足の踏ん張りもいつもと違うッ!)",
"312000221_6": "「せっかく纏った可愛いギアなのに、\\n わたし、ドレスが似合ってないのかな」",
"312000221_7": "「大丈夫。だってそれは、響のギアじゃない」",
"312000221_8": "「えッ!? この声ッ!?」",
"312000221_9": "「Rei shen shou jing rei zizzl」",
"312000221_10": "「未来ッ!?」",
"312000221_11": "「どうしてあいつが?」",
"312000221_12": "「俺が許可した」",
"312000221_13": "「お願いです。わたしにも出撃させてください」",
"312000221_14": "「だめだ。許可できん」",
"312000221_15": "「響を見ていて分かったことがあるんです。\\n だから、わたしがいって力になりたいんです」",
"312000221_16": "「だめだと言っている。君を戦場に出すくらいなら、\\n 俺が直接伝えにいくッ」",
"312000221_17": "「……それでもです」",
"312000221_18": "「弦十郎さんにはない、この希望を、\\n わたしは手に入れてしまったから」",
"312000221_19": "「それなのに、黙って見てるなんてできませんッ!」",
"312000221_20": "「……」",
"312000221_21": "「お願いです。わたしを響の隣にいかせてくださいッ!」",
"312000221_22": "「あんなにまっすぐな目をした希望、\\n 届けないわけにはいかないだろう」",
"312000221_23": "「なれないのは、わたしだって同じ。\\n 新しい一歩は誰だって怖いもの」",
"312000221_24": "「でもね? なれないフリフリでも、\\n おしゃれなヒールでも、響は響じゃない」",
"312000221_25": "「……わたしはわたし?」",
"312000221_26": "「……ありがとう。\\n わたしに、踏み出す勇気を分けてくれて」",
"312000221_27": "「おしゃれヒールが高いなら――ッ!」",
"312000221_28": "「踏ん張りがきくように、ヒールを壊したのかッ!」",
"312000221_29": "「違うよ、壊したんじゃない。\\n ちゃんと『はずれてくれた』」",
"312000221_30": "「ギアがわたしらしさを認めてくれてるんだッ!」",
"312000221_31": "「どんなにフリフリだって、おしゃれなヒールだってッ!\\n ずっと一緒に強くなってきた、この胸のガングニールならッ」",
"312000221_32": "「おおおおおッ!」",
"312000221_33": "「ちゃんと、『自分らしく』で戦えるッ!!」"
}
{}

View File

@ -1,27 +1 @@
{
"312000222_0": "「はぁぁぁぁ――ッ!」",
"312000222_1": "「こっちは、わたしが倒すッ!\\n だから未来は――」",
"312000222_2": "「こっちでしょ?」",
"312000222_3": "「さっすが未来、わかってるーッ!」",
"312000222_4": "「じゃあ、今度は一緒に」",
"312000222_5": "「うん、一緒にいくよ……ッ!」",
"312000222_6": "<size=40>「はああああッ!」</size>",
"312000222_7": "(……うれしいな。\\n わたし、響の力になれてる……",
"312000222_8": "(ウェディングギア――、\\n このギアは、本当に幸せをくれるギアなんだ",
"312000222_9": "「どうやら調子が出てきたようだな」",
"312000222_10": "「はいッ!」",
"312000222_11": "「経験不足は、あたしの射撃でバックアップする。\\n そこのバカの面倒はたのんだからなッ」",
"312000222_12": "「ありがとう」",
"312000222_13": "「未来さん、幸せそう」",
"312000222_14": "「このギアを纏うだけで幸せになれるなんて、\\n やっぱりウェディングドレスは幸せの象徴デスッ」",
"312000222_15": "「わたしもギアを変化できたら、\\n 切ちゃんの力になれるのに……」",
"312000222_16": "「その気持ちだって、十分でっかい力になるデスッ!」",
"312000222_17": "「ウェディングギアがくれる幸せが全てじゃないデス。\\n アタシの幸せの中には、調が見ていてくれる幸せもあるんデス」",
"312000222_18": "「だから、もっともっと頑張れちゃうデスよ」",
"312000222_19": "「……ありがとう。\\n 切ちゃんがくれる気持ちで、わたしも幸せだよ」",
"312000222_20": "「な、なんだ……?\\n 今日はどいつもこいつも恥ずかしいッ」",
"312000222_21": "「寂しがっているのか?」",
"312000222_22": "「んなわけあるかーッ!」",
"312000222_23": "「……素敵ね。\\n みんなを幸せにしてくれるギアなんて」",
"312000222_24": "「この力で、なんとしても彼女を救い出さなければ」"
}
{}

View File

@ -1,16 +1 @@
{
"312000311_0": "立ちはだかる黒",
"312000311_1": "「だいぶ片づいたけれど、\\n 敵の発生源はまだなの」",
"312000311_2": "「お前たちが今進んでいる道が、最短ルートだ」",
"312000311_3": "「このまま進めば、あの女の人に会えるんですね?」",
"312000311_4": "「今のところ、それらしき生体反応は見られませんが、\\n 不幸の種子が現れる以上、その可能性は高いです」",
"312000311_5": "「不幸の種子は、彼女を中心として出現していたからな」",
"312000311_6": "「いつ姿を現しても、おかしくないということね」",
"312000311_7": "「目的はあくまで彼女の保護だ」 ",
"312000311_8": "「しかし、哲学兵装が暴走を続けている限り、\\n 直接戦闘が避けられる保証はない」",
"312000311_9": "「それでもッ!\\n 助けたい相手と、戦うなんてできませんッ」",
"312000311_10": "「そうよ。\\n 相手は、もうすぐ花嫁になる人なのよ」",
"312000311_11": "「花嫁さんが不幸に支配され、\\n 幸せになれないなんて間違ってるッ」",
"312000311_12": "「なら、その気持ちを伝えてこいッ!\\n お前たちが諦めなければ、必ず想いは届く」",
"312000311_13": "「了解ッ!」"
}
{}

View File

@ -1,98 +1 @@
{
"312000312_0": "「そろそろ問題の座標に到達するわ」",
"312000312_1": "「ああ。\\n 遭遇次第、あいつからドレスをひんむけばいいんだな」",
"312000312_2": "<size=40>「ええええぇッ!?」</size>",
"312000312_3": "「い<speed=0.5>、</speed>いきなりなんてことをッ!?」",
"312000312_4": "「そ<speed=0.5>、</speed>そんなの、\\n 全国のお茶の間が許さないデスッ」",
"312000312_5": "「だ<speed=0.5>、</speed>だって、\\n 戦わないってつまり……<speed=0.5>、</speed>そういうことだろッ!?」",
"312000312_6": "「確かに、哲学兵装が彼女を依り代として動いている以上、\\n 取り上げてしまうのは効果的です。ですが……」",
"312000312_7": "「着用しているものを、\\n そう簡単に奪えるとは思えませんね……」",
"312000312_8": "「わたしのシュルシャガナなら、\\n 遠距離からドレスだけ伐り刻むことだって……」",
"312000312_9": "「それだと、戦うのとあんまり変わらないんじゃ……」",
"312000312_10": "「ああ。気持ちはわかるが、それで抵抗されれば、\\n まともに戦う以上の危険を伴う可能性もある」",
"312000312_11": "「……わかりました」",
"312000312_12": "「当たり前のようだけれど、一度纏ったドレスを手放すのに、\\n 彼女の協力は不可欠ということね」",
"312000312_13": "「そうなると、有効なのはやはり――」",
"312000312_14": "「……説得か」",
"312000312_15": "「緒川、例の被害者女性について、\\n 詳しい情報を伝えてやってくれ」",
"312000312_16": "「はい。\\n 被害者は城木愛子歳。職業はモデル――」",
"312000312_17": "「事件当日はマリアさんと同じく、\\n ウェディングドレスを着用して、撮影に臨んでいました」",
"312000312_18": "「明るく朗らかな性格から友人も多く、\\n 結婚を控えていて、最近では特に明るい様子だったそうです」",
"312000312_19": "「幸せの真っ只中だったんですね……」",
"312000312_20": "「そんな幸せそうな彼女が、\\n 呪いに捕らわれてしまうだなんて……」",
"312000312_21": "「わたしが会った時には、ずっと苦しそうで……、\\n 話ができる感じじゃありませんでした」",
"312000312_22": "「でも最後に、ぞっとするような言葉を叫んで……。\\n 『幸せ』をすごく憎んでるみたいだった」",
"312000312_23": "「おそらく、その声こそが呪いの正体。\\n 呪いのウェディングドレスの意志そのもの――」",
"312000312_24": "「待ってッ!」",
"312000312_25": "「どうした?」",
"312000312_26": "「静かに……。何か聞こえる……ッ!」",
"312000312_27": "「……うぅッ……」",
"312000312_28": "「高エネルギー反応、検知ッ!」",
"312000312_29": "「現れたかッ!」",
"312000312_30": "「同座標上に生体反応を確認ッ! 座標、転送しますッ!」",
"312000312_31": "「見つけたッ!」",
"312000312_32": "「モデルさんッ!」",
"312000312_33": "「うう……」",
"312000312_34": "「彼女の意識を呼び起こし、\\n 発動した哲学兵装の暴走を止めるんだ。できそうか」",
"312000312_35": "「もちろんよ」",
"312000312_36": "「やってみますッ!」",
"312000312_37": "「雪音、月読、構えておけッ!」",
"312000312_38": "「はい」",
"312000312_39": "「わかってるッ!」",
"312000312_40": "「うう……、く……ッ!」",
"312000312_41": "「また不幸の種子が」",
"312000312_42": "「モデルさんを護るみたいに出てくるデスッ!」",
"312000312_43": "「まずはここを片づけて――」",
"312000312_44": "「あの人のところまで、一直線にッ!」",
"312000312_45": "「今のうちに、2人はモデルさんをッ!」",
"312000312_46": "「ここはアタシに任せて、先にいくデスッ!」",
"312000312_47": "「分かったわッ!」",
"312000312_48": "「いってくるッ!」",
"312000312_49": "「……って、カッコつけてみたはいいデスが、\\n ホントは一緒に頑張ってほしいデスよ」",
"312000312_50": "「もちろん。\\n でも、改まってどうかしたの」",
"312000312_51": "「前回、1人で突っ走ったアタシなわけデスが、\\n そのことで、調にもたくさん心配かけたデス……」",
"312000312_52": "「だから今度は、みんなと頑張るアタシの背中を、\\n 調には安心して見ていてほしいんデス」",
"312000312_53": "「そうじゃないと……、\\n 今度は調が無茶してしまうデス」",
"312000312_54": "「調には、みんなと頑張るアタシと、\\n 一緒に頑張ってほしいんデスッ」",
"312000312_55": "「切ちゃん……」",
"312000312_56": "「わわッ!? もしかしなくても、聞こえてたデスかッ!?」",
"312000312_57": "「うん。頑張りたいのはお互いさま。\\n だから、切ちゃんを信じて頑張るね」",
"312000312_58": "(2人の気持ち、よくわかるなあ……)",
"312000312_59": "(大切な人のために力になりたい――、\\n 心配はしたいけど、心配をされるのは嫌だ――",
"312000312_60": "「きっと、こんな想いも『幸せ』。\\n だから、わたしはもっと頑張れるッ」",
"312000312_61": "「ううぅ……」",
"312000312_62": "「やっと、また会えましたね」",
"312000312_63": "「わたしたち、あなたの手を取りたくて、ここまで来たんです。\\n だから……」",
"312000312_64": "「うう……ッ!」",
"312000312_65": "「……待って。\\n わたしに話をさせてちょうだい」",
"312000312_66": "「こうなる前の彼女を知っているのは、わたしだけだから」",
"312000312_67": "「……わかりました」",
"312000312_68": "「あなた、今日はモデルとしてドレスを着ていたけれど、\\n 今度、本当の花嫁になるのよね」",
"312000312_69": "「だったら、そんな呪いに屈してはいけないわ。\\n 掴みかけたその幸せを思い出してッ」",
"312000312_70": "「……ッ!」",
"312000312_71": "「……しあ<speed=0.5>わ</speed>…<speed=0.5>せ</speed>……?」",
"312000312_72": "「ッ!」",
"312000312_73": "「そんなもの……<speed=0.5>、</speed>\\n この女にはもう…<speed=0.5>…</speed>無い……ッ!」",
"312000312_74": "「ッ!?」",
"312000312_75": "「この身の不幸……、全ての者に分けてやる……ッ!」",
"312000312_76": "「待ってッ!」",
"312000312_77": "「……」",
"312000312_78": "「涙……?」",
"312000312_79": "「あの人がいないッ!?\\n ……また、逃げられちゃった」",
"312000312_80": "「泣いていたみたい。いったい、どうして……」",
"312000312_81": "「まだまだ、わからないことだらけですね」",
"312000312_82": "「どんまいデスよ。\\n 次に会う時には、機嫌も直っているかもしれないデスッ」",
"312000312_83": "「……そうだね。そっちの状況は?」",
"312000312_84": "「一掃完了デスッ!」",
"312000312_85": "「みんなで頑張って、全部倒したんだよね」",
"312000312_86": "「はい……」",
"312000312_87": "「そっちで取りこぼしてとっ散らかした分も、\\n 全部綺麗にしといたからな」",
"312000312_88": "「フフッ、ありがとう」",
"312000312_89": "「こちらも殲滅を確認。\\n だが……、まだまだこれからだな」",
"312000312_90": "「はい。\\n 今日はぐっすり休んで、明日も元気で頑張らないとッ」",
"312000312_91": "「じゃあ、帰ろう、未来」",
"312000312_92": "「うん」",
"312000312_93": "「……ッ!」",
"312000312_94": "「……」",
"312000312_95": "「ウェディングドレスって……、\\n 本当に幸せの象徴なの……」"
}
{}

View File

@ -1,37 +1 @@
{
"312000411_0": "その身に纏う純白",
"312000411_1": "(花嫁の涙……?)",
"312000411_2": "(あの涙の意味は、なんだったのかしら)",
"312000411_3": "(体は、哲学兵装であるドレスに支配されていたはず。\\n だからわたしたちに、敵をけしかけてきた――",
"312000411_4": "(そうだとすると、あの涙を流していたのは……?)",
"312000411_5": "「……もうこんな時間。\\n 考え事をしていたらあっという間ね」",
"312000411_6": "「そろそろメディカルチェックに向かわないと……」",
"312000411_7": "「そうだね、メディカルチェックだね」",
"312000411_8": "「最近何かと話題のメディカルチェックデス……」",
"312000411_9": "「いつもより大がかりだけど、仕方ないよ」",
"312000411_10": "「まあ、いっか。\\n 今日は未来も一緒だしねッ」",
"312000411_11": "「……う、うん、そうだね」",
"312000411_12": "(……未来?)",
"312000411_13": "「市街地にて、高エネルギー反応を検知した。\\n 恐らく不幸の種子だ」",
"312000411_14": "「モデルさん――、哲学兵装の反応は?」",
"312000411_15": "「被害者女性の生体反応は確認されていない」",
"312000411_16": "「……そう」",
"312000411_17": "「この場所なら、わたしたちの方が近いですッ!\\n 行かせてくださいッ」",
"312000411_18": "「ああ。そっちは4名か。\\n 至急、現場へ向かってくれ」",
"312000411_19": "「まかせたわ」",
"312000411_20": "「分かりましたッ!」",
"312000411_21": "「いこう、みんなッ!」",
"312000411_22": "「Balwisyall Nescell gungnir tron」",
"312000411_23": "「幸せを、心に描いて……」",
"312000411_24": "「湧き上がってくる、この幸福を、力に――ッ!」",
"312000411_25": "「……今日もやっぱり可愛いデス……ッ!\\n 何度纏っても、安心の充実感デスッ」",
"312000411_26": "「じーー」",
"312000411_27": "「そ、そんなに見つめて、どうしたんデスか?」",
"312000411_28": "「楽しそうだね、切ちゃん」",
"312000411_29": "「切ちゃんが楽しそうだと、わたしも楽しい。\\n だから――」",
"312000411_30": "「見つけたッ!」",
"312000411_31": "「……ウェディングギアは無いけど、\\n 後方からの援護はまかせてください」",
"312000411_32": "「ありがとう。\\n でも、無理はしないでね」",
"312000411_33": "「はい」",
"312000411_34": "「戦う花嫁さん……。\\n 少し、うらやましいな」"
}
{}

View File

@ -1,94 +1 @@
{
"312000412_0": "「不幸の種子の反応、全て消失しました」",
"312000412_1": "「今ので最後だったみたいだね」",
"312000412_2": "「結局、モデルさんは見つからなかったデスね」",
"312000412_3": "「心配だね。\\n 一夜明けて、お腹だって減ってると思うし」",
"312000412_4": "「もうすぐ、花嫁さんになる人なんだよね。\\n 結婚式の準備だって大変なはずなのに……」",
"312000412_5": "「式場でどんな料理を出すかとか?\\n こだわると大変そうだけど、それもまた幸せな悩みだよッ」",
"312000412_6": "「どうせだったら、悩みに悩んで、\\n うんと幸せになってもらいたいデスッ」",
"312000412_7": "「フフッ。そうだね」",
"312000412_8": "「……えッ?」",
"312000412_9": "「切ちゃん、みんな……、どうしたの?」",
"312000412_10": "「結婚……、なんて……ッ!」",
"312000412_11": "「……結婚だなんて」",
"312000412_12": "「……」",
"312000412_13": "「……はぁ」",
"312000412_14": "(なんか悩んでるみたいだな……。\\n もしかして、昨日のことか",
"312000412_15": "(あいつには日頃世話になってるしな。\\n ガラじゃねーけど、たまには大人の悩みでも聞いてみるか",
"312000412_16": "「あ、あのさ……」",
"312000412_17": "「大体、『結婚』だなんて、\\n どんな気持ちでするものなのッ」",
"312000412_18": "「なッ!? 悩みの照準が大人すぎるッ!」",
"312000412_19": "「あら、ちょうどよかった」",
"312000412_20": "「あなたはどう考えてるの?\\n その……結婚、とか……」",
"312000412_21": "「えッ? あ、あたしがッ!?\\n け、けっこ……ッ」",
"312000412_22": "「なにか騒がしいと思えば……\\n 雪音はなにを興奮しているんだ」",
"312000412_23": "「先輩ッ! こいつが悩みがあるとか……、そ、そのッ、\\n と、とにかくパスだッ」",
"312000412_24": "「なにッ!?」",
"312000412_25": "「……はぁ」",
"312000412_26": "「……分かった。\\n その悩み、わたしがしかと引き受けたッ」",
"312000412_27": "(まさか、昨日の一件について自分を責めているのか?\\n ならば、ここは少しでも心を軽くしてやらねば",
"312000412_28": "「……はぁ」",
"312000412_29": "「ねえ、わたし……、\\n ちゃんと結婚できるのかしら……」",
"312000412_30": "「なッ!?」",
"312000412_31": "<size=40>「なに――ッ!?」</size>",
"312000412_32": "「……そういうことだったのか」",
"312000412_33": "「ええ。彼女を救う言葉をかけようにも、\\n 花嫁さんの気持ちもわからないようではね……」",
"312000412_34": "「まったく、大げさすぎなんだよ。\\n 本当に結婚でも考えてるのかと思ったぞ」",
"312000412_35": "「そんなわけないじゃないッ!」",
"312000412_36": "「結婚を控えた者の心理か……。\\n 確かに、今のわたしたちには想像しがたいな」",
"312000412_37": "「あの時、わたしの声は彼女の心に届かなかった……。\\n 結婚への理解が深まれば、彼女の心に近づけるかもしれない」",
"312000412_38": "「結婚と聞くと、ドレスやセレモニーの\\n 華やかさばかりイメージしてしまうけれど――」",
"312000412_39": "「結婚の前って、\\n なにかとナイーブになるというじゃない」",
"312000412_40": "「花嫁特有の悩みか。\\n マリッジブルーという言葉もあるほどだからな」",
"312000412_41": "「結婚を前に気が滅入るってやつだな。\\n まさか、哲学兵装はその心の隙をついて……ッ」",
"312000412_42": "「ああ。\\n 難題だが、説得材料足りうるかもしれない」",
"312000412_43": "「……もう少し考えてみるわ。\\n 今日はこの後、また花嫁役を演じるんだし……」",
"312000412_44": "「花嫁役って、例のモデル撮影か?」",
"312000412_45": "「ええ。\\n 事件のせいで、撮り直しになってしまったの」",
"312000412_46": "「そろそろ向かうわ。わたしはもう終えたけど、\\n 人ともメディカルチェックはしっかり受けておくのよ」",
"312000412_47": "「わかってるって」",
"312000412_48": "「……あっちは最前線でドンパチやってんだ。\\n あいつらの方が、あたしたちより疲れてるはずなのに……」",
"312000412_49": "「ああ。悔しいのはわたしも同じだ」",
"312000412_50": "「あれから、心象訓練でも成果は得られなかった……」",
"312000412_51": "「だが、ギアが力の全てではない。\\n 今のわたしたちにも、なにか出来ることがあると信じよう」",
"312000412_52": "「……そうだな」",
"312000412_53": "「あの……ッ!」",
"312000412_54": "「どうした? 何をそんなに慌てて……」",
"312000412_55": "「大変なんです。\\n 切ちゃんたちの様子が……ッ」",
"312000412_56": "「みなさん……」",
"312000412_57": "「あいつらがどうかしたのかッ!?」",
"312000412_58": "「それが……」",
"312000412_59": "「はぁ……」",
"312000412_60": "「まさか、立花まで昨日のことを気にして……」",
"312000412_61": "「結婚だなんて……、\\n わたし、まだなんにも考えてないのに……」",
"312000412_62": "「なんだ、こっちもか」",
"312000412_63": "「こっちも?」",
"312000412_64": "「ああ。さっき、マリアも言っていた。\\n わたしたちも驚かされたが、この話なら心配ない」",
"312000412_65": "「例の被害者を説得するのに、結婚について考えたいんだと。\\n ったく、真面目というか不器用というか……」",
"312000412_66": "「こんなに早く結婚するなんて……。\\n ねえ、どうしよう、未来」",
"312000412_67": "「わたしだって、どうしたらいいのかわからないよ……」",
"312000412_68": "「結婚なんて、遠い未来の話かと思ってたデス……」",
"312000412_69": "「なんだ?\\n ……急に結婚するって、設定まで作って考えてるのか」",
"312000412_70": "「違う、これは……」",
"312000412_71": "「戦いが終わってギアを解除してから、\\n ずっとこんな様子で……」",
"312000412_72": "「戦いの後……?」",
"312000412_73": "「結婚式の準備なんて、何から始めればいいの……?\\n 教会とチャペルって何がちがうの」",
"312000412_74": "「婚礼料理って……、どうすればいいんだろう……。\\n なに料理がいいかも決まってないのに……」",
"312000412_75": "「ありもしない結婚について、漠然と不安を訴えるこの症状、\\n 不幸のオーラによる影響と見て間違いありません」",
"312000412_76": "「……本気で結婚について悩んでるのか?\\n これじゃまるで――」",
"312000412_77": "「『マリッジブルー』……?」",
"312000412_78": "「お嫁に行ってしまったら、\\n 調に寂しい想いをさせてしまうデス……」",
"312000412_79": "「結婚したら、アタシたちは……、\\n S.O.N.G.はどうなってしまうんデスか?」",
"312000412_80": "「大丈夫、切ちゃんは結婚しないし、何も変わらないよ」",
"312000412_81": "「……おかしいデスね。調がこう言ってくれてるのに、\\n 不安で仕方がないデス……」",
"312000412_82": "「結婚が……、すごくすごく、怖いんデス……」",
"312000412_83": "「ただ事ではないようだな……」",
"312000412_84": "「一刻も早く、詳細なメディカルチェックをッ!」",
"312000412_85": "「わたしはマリアの様子を見にいく」",
"312000412_86": "「分かった。\\n こっちは、あたしたちでなんとかする」",
"312000412_87": "「わたしで出来ることがあるなら、みんなの力になりたい」",
"312000412_88": "「ありがとうございます。\\n 今はその優しさが、何より薬になります」",
"312000412_89": "(これだけ心に深刻な影響を与える不幸のオーラ――、\\n そして、それを相殺していたはずのウェディングギア――",
"312000412_90": "(――司る不幸と幸福。\\n 互いの特性は解っていたはずなのに……",
"312000412_91": "(いったい、ボクは何を見逃していたんだ……ッ!?)"
}
{}

View File

@ -1,95 +1 @@
{
"312000421_0": "「おはよう。今日もよろしくお願いするわ」",
"312000421_1": "「お、おはようございますッ!」",
"312000421_2": "「今日は他のモデルさんは?」",
"312000421_3": "「え? えっと……。あ、あの騒ぎで機材が横倒しになって、\\n マリアさんの撮影データだけお釈迦になってしまいまして……」",
"312000421_4": "「そ、そうなんですッ!\\n いやー、わざわざ撮り直しだなんてすみません」",
"312000421_5": "「気にしなくていいわ。\\n 何度だって着こなしてみせるから」",
"312000421_6": "「……やっぱり言えないよなぁ。\\n 人だけデザイナーのNGが出たなんて」",
"312000421_7": "「しかし、幸谷さんも人が悪い。\\n あの写真、結構自信あったのになあ」",
"312000421_8": "「美しい着こなしだったと思うけど、\\n どこに不満があったのかしら……」",
"312000421_9": "(まさか再撮影とは好都合だったわ)",
"312000421_10": "(不覚にも、哲学兵装の発動は許してしまったけれど、\\n 問題のドレスについて、わたしが直接話を聞き出せる",
"312000421_11": "「失礼しまーす。\\n 今日の衣装と、ブーケになりまーす」",
"312000421_12": "(またあのウェディングドレス……、やっぱり可愛いッ!)",
"312000421_13": "(……それでも、これは雑誌の撮影。\\n 任務といえど仕事は仕事。モデルはモデル",
"312000421_14": "(このドレスを最高に美しく魅せてあげるわッ!)",
"312000421_15": "「マリアさん、OKですッ」",
"312000421_16": "「お疲れ様でしたーッ!」",
"312000421_17": "「……フッ、我ながらいい仕事をしたわ」",
"312000421_18": "「お疲れ様でした。\\n ウェディングブーケ、お下げしますねー」",
"312000421_19": "「えッ?\\n ……ええ、そうね。お願いするわ」",
"312000421_20": "(……素敵なウェディングブーケ。幸せの香りがする。\\n 花嫁さんが身に着けるものは、どうしてこうも素敵なの",
"312000421_21": "「……あの、そのブーケ、\\n よかったら貰っていただけませんか」",
"312000421_22": "「う、ウェディングブーケをッ!?」",
"312000421_23": "「はい。\\n とってもお似合いですし、花も喜ぶと思いますッ」",
"312000421_24": "「そ、そう?\\n ……ありがとう」",
"312000421_25": "「こんなに綺麗なお花だもの。\\n 帰ったら、調と切歌にも見せてあげましょう」",
"312000421_26": "「まだまだ、花より団子のあの子たちかもしれないけれど、\\n 女の子だもの、きっと喜んでくれるわ」",
"312000421_27": "「撮影は、無事終わったようだな」",
"312000421_28": "「どうしてこんなところに?\\n 寂しがらなくても、午後には本部に顔を出すつもりだから……」",
"312000421_29": "「寂しがってついてきた訳ではない」",
"312000421_30": "「先の戦闘では前線を課してしまったからな。\\n 心配のひとつもさせてくれ」",
"312000421_31": "「そう。\\n でも、わたしなら大丈夫よ」",
"312000421_32": "「……そうか」",
"312000421_33": "(今のところ大事ないようだが、\\n 精神的な負荷による、症状の悪化が懸念される今だ",
"312000421_34": "(できるだけ、心穏やかに過ごしてもらいたいものだな)",
"312000421_35": "「撮影が終わって――、\\n 今度こそ本当に、このドレスともお別れね」",
"312000421_36": "「そんなに入れ込んでいたのか?」",
"312000421_37": "「フフッ、否定はできないわね」",
"312000421_38": "「ドレスを見ただけで、こんなにも胸がときめくなんて。\\n やっぱりウェディングドレスは、幸せの象徴だわ」",
"312000421_39": "「そう……。\\n 今の言葉でよくわかりました――」",
"312000421_40": "「やはり、あなたにモデルを頼んでも、\\n ウェディングドレスの魅力は引き出せないようですね」",
"312000421_41": "「なんですってッ!?」",
"312000421_42": "「だ、ダメですよ、幸谷デザイナーッ!」",
"312000421_43": "「幸谷……<speed=0.5></speed>\\n じゃあこの人が、あんなに可愛いドレスをッ」",
"312000421_44": "(そして、あの呪いのウェディングドレスの所有者……)",
"312000421_45": "「……」",
"312000421_46": "(そうだ。\\n 今回の潜入調査、こいつに聞きたいことは山ほどあるッ",
"312000421_47": "「今回の事件、哲学兵装による力は暴発ではなく、\\n 人為的に引き起こされた可能性がある」",
"312000421_48": "「所有者のデザイナーさんを疑っているのね?」",
"312000421_49": "「ああ。\\n 彼女のドレスを巡る動向について、いくつか不可解な点がある」",
"312000421_50": "「まず、彼女が持つアンティークドレスは、\\n あの呪いのウェディングドレスただ着」",
"312000421_51": "「そして、今回の撮影では――」",
"312000421_52": "「自社ブランドのドレスの中、その1着を無理矢理ねじ込むよう、\\n 出版社に直接かけあったのも――」",
"312000421_53": "「モデルに城木愛子を指名したのも、幸谷氏本人です」",
"312000421_54": "「哲学兵装の発動条件を知り、意図的に事件を引き起こした。\\n そう見えなくもない」",
"312000421_55": "「仕事上、お互いクールな関係でいたかったけれど、\\n 今のは聞き捨てならないわ」",
"312000421_56": "「もう一度言います。\\n あなたにウェディングドレスの魅力は引き出せない」",
"312000421_57": "「あなたにそのドレスは似合わないわ」",
"312000421_58": "「なら、あのモデルさんには『呪いのウェディングドレス』が\\n お似合いだったと言いたいの」",
"312000421_59": "「……ッ!」",
"312000421_60": "「待ってくださいッ!\\n 幸谷さんの前で、あのドレスの話は――」",
"312000421_61": "「なぜあなたが、あの曰くの品を持っていたの?\\n あの人に着せたのはなぜ 詳しく話してもらおうかしら」",
"312000421_62": "「……たとえそれを話しても、あなたには理解できないわ」",
"312000421_63": "「どういうこと?」",
"312000421_64": "「あなたはウェディングドレスのなんたるかを知らず、\\n うわべだけの魅力に魅入られ、浸るばかり」",
"312000421_65": "「……あなたには何もかもが似合わない。\\n それも今すぐ放しなさいッ」",
"312000421_66": "「なッ!」",
"312000421_67": "「ウェディングブーケがッ!?」",
"312000421_68": "「あなたにこのブーケの意味がわかる?」",
"312000421_69": "「ブーケの意味……?」",
"312000421_70": "「婚約する男女が互いの想いを伝えあった、愛の花束。\\n それがウェディングブーケの由来」",
"312000421_71": "「想いを伝える力を持つブーケ。\\n それを手に、あなたはどんな想いを伝えるというのです」",
"312000421_72": "(想いを伝える力……?)",
"312000421_73": "「……想い<speed=0.5></speed>\\n ……わ<speed=0.5>、</speed>わたしは……」",
"312000421_74": "「帰りなさい。\\n あなたにウェディングドレスを着る資格はありません」",
"312000421_75": "「すみません……。\\n あのドレスの話をすると、決まってこんな感じなんです」",
"312000421_76": "「……そう」",
"312000421_77": "「あまり気にしないでくださいね。\\n 幸谷さんのこだわりが強すぎるんですよ」",
"312000421_78": "「……じゃあ、失礼します」",
"312000421_79": "「……上手くいかないものね」",
"312000421_80": "「落ち込む気持ちもわかるが、仕事にも相性はある。\\n 気にすることはない」",
"312000421_81": "「……そうね」",
"312000421_82": "「……」",
"312000421_83": "(心穏やかどころか、波乱の幕締めとなってしまったな。\\n 悪い影響が出なければいいが……",
"312000421_84": "「……はい、翼です」",
"312000421_85": "「高エネルギー反応を検知したッ!」",
"312000421_86": "「例の哲学兵装ですか?」",
"312000421_87": "「ああ。現地に最も近いのがお前たちだ。\\n 直ちに指定のポイントへ向かってくれ」",
"312000421_88": "「わかりました。\\n しかし、ここはわたし人で……」",
"312000421_89": "「わたしなら大丈夫。\\n このギアが幸せを与えてくれるもの」",
"312000421_90": "「しかし……」",
"312000421_91": "「それに、向こうも待ってはくれないみたい」",
"312000421_92": "「そのようだな」"
}
{}

View File

@ -1,26 +1 @@
{
"312000422_0": "「はああああッ!」",
"312000422_1": "(仕事であんなことがあったばかりだが、\\n マリアはよくやっているな",
"312000422_2": "(これも気持ちの高揚がもたらす力――、\\n 心のありようによる変化か",
"312000422_3": "(ギアの変化は羨ましいばかりだが、\\n そう嘆いてばかりもいられない……",
"312000422_4": "「翼、この回線はお前にだけ繋いでいる」",
"312000422_5": "「はい……」",
"312000422_6": "「響くん、切歌くん、未来くんの3名は、\\n メディカルルームで安静にさせている」",
"312000422_7": "「わかっているとは思うが、このことは黙っていてくれ。\\n くれぐれも、悪戯に不安をあおることのないようにな」",
"312000422_8": "「わかりました……」",
"312000422_9": "「はあ――ッ!」",
"312000422_10": "「この間合いの許す限り、\\n 友の負担を少しでも軽くすることができれば……」",
"312000422_11": "「わたしなら大丈夫。あなたは少し後退なさい。\\n 敵の影響が出てからでは遅いのよ」",
"312000422_12": "「フッ、頼もしい花嫁だ」",
"312000422_13": "「反応があったというのは、このあたりね」",
"312000422_14": "「ああ。何か見えるか?」",
"312000422_15": "「……いいえ、何も。\\n 彼女の姿も見当たらない……」",
"312000422_16": "「特に不審な様子は――」",
"312000422_17": "「う……ッ!」",
"312000422_18": "「マリアッ!?」",
"312000422_19": "「……大丈夫。\\n でも、今のは……」",
"312000422_20": "「……あれは……ッ!」",
"312000422_21": "「……ッ!? なんなのッ?」",
"312000422_22": "「どうした? 何が見えているッ!?」",
"312000422_23": "「種子では……<speed=0.5>、</speed>ない……ッ!?」"
}
{}

View File

@ -1,48 +1 @@
{
"312000511_0": "ブルー……。",
"312000511_1": "(こ、この検査結果は……)",
"312000511_2": "(戦闘中は確かに相殺していたはずの心的影響が、\\n 今になって現れているなんて……",
"312000511_3": "(ウェディングギア――)",
"312000511_4": "(『幸福の象徴』として心象に描かれた、\\n 幸せを与える、希望のギア――",
"312000511_5": "(――本当に、そうなのでしょうか?)",
"312000511_6": "(幸福感を高めることで、敵の放つ不幸を相殺し、\\n 間接的に身体能力を高める――",
"312000511_7": "(……もしかしたらその奇跡は、\\n 安くはないのかもしれない……",
"312000511_8": "「警報?\\n また不幸の種子がッ」",
"312000511_9": "「……あれは……ッ!」",
"312000511_10": "「……ッ!? なんなのッ?」",
"312000511_11": "「どうした? 何が見えているッ!?」",
"312000511_12": "「映像――出ますッ!」",
"312000511_13": "「な……ッ!」",
"312000511_14": "「これはッ!?」",
"312000511_15": "「青い……、化け物だとッ!?」",
"312000511_16": "「種子では……<speed=0.5>、</speed>ない……ッ!?」",
"312000511_17": "「大きさも、不幸の種子とは桁違いだ」",
"312000511_18": "「形状からして、\\n 不幸の種子の上位種にあたるものと推測できます」",
"312000511_19": "「種から芽吹き、誇らしげに花開いたというところかしら」",
"312000511_20": "「だとすれば、ヤツにも不幸の種子と同等、\\n あるいはそれ以上に、心的影響を放つ力がある――」",
"312000511_21": "「ならば、わたしも前線に……」",
"312000511_22": "「それはいけませんッ!」",
"312000511_23": "「しかし、マリア1人に、これの相手をさせるわけにはッ!」",
"312000511_24": "「なら、俺がいくッ!」",
"312000511_25": "「司令がッ!?」",
"312000511_26": "「相手がノイズでないのなら、\\n その影響は誰がいっても同じだッ」",
"312000511_27": "「それなら――」",
"312000511_28": "「それならなおのこと、わたしが相手をするべきだわ。\\n もとより、これはそのための力ッ」",
"312000511_29": "「くッ……」",
"312000511_30": "「でも、それではマリアさんが……」",
"312000511_31": "「さっきから、何をそんなに心配しているの?\\n このギアの優位性なら、前の戦いで示したはずでしょう」",
"312000511_32": "「あ、ああ。それは、よくわかっている」",
"312000511_33": "「だが、先ほどの仕事の疲れが……」",
"312000511_34": "「平気よ。\\n モデルでの失敗を、戦いに持ち込むわたしじゃないわ」",
"312000511_35": "「あなたにウェディングドレスを着る資格はありません」",
"312000511_36": "「……」",
"312000511_37": "(本当は着こなす自信なんてなかった……。\\n だからこそ、デザイナーさんには認めてほしかった……",
"312000511_38": "(……でも、あれはあの人の凝り固まった価値観だ。\\n わたしが纏うのは、それとは違う力のはず……",
"312000511_39": "「ウェディングギアを纏うだけで、\\n 幸せがわたしを護ってくれる……」",
"312000511_40": "「この幸せを武器とするのが、わたしの戦いッ!\\n ウェディングギアを纏うものの使命ッ」",
"312000511_41": "「幸せを武器に……」",
"312000511_42": "「それがお前の決意か……」",
"312000511_43": "(マリアさんは敵の不幸に屈せず、未だ前を向いている……。\\n ならボクは、それを信じるしかない……ッ",
"312000511_44": "「どうやら、わたしは友を見くびっていたようだな」",
"312000511_45": "「いくわよ、翼。\\n この幸せ、あなたに護らせてあげるッ」"
}
{}

View File

@ -1,46 +1 @@
{
"312000512_0": "「はあ――ッ!」",
"312000512_1": "「くッ……、\\n 大きいだけあって打たれ強いッ」",
"312000512_2": "「なッ!?」",
"312000512_3": "「――くッ!」",
"312000512_4": "「翼ッ!」",
"312000512_5": "「……ッ、間一髪かわしはしたが、\\n あの巨体でこうも敏捷に動けるとは……」",
"312000512_6": "(このままでは……)",
"312000512_7": "「あの青いの、あんな遠くまで攻撃が届くのかッ!?」",
"312000512_8": "「戦況は悪くない。\\n しかし、敵の粘りに対して決定打に欠けるか……」",
"312000512_9": "「踏み込めないことには、\\n いくら天羽々斬といえど……」",
"312000512_10": "「だが、ここで終わるあいつじゃないだろう」",
"312000512_11": "「せめて、相手の隙をつければ……」",
"312000512_12": "「ああ。わたしも考えていたところだ」",
"312000512_13": "「速いッ!」",
"312000512_14": "「はあ――ッ!」",
"312000512_15": "「――ッ!?」",
"312000512_16": "「敵の動きが止まった――ッ!?」",
"312000512_17": "「影縫い――。\\n お前の不幸は縛ったッ」",
"312000512_18": "「これで決める――ッ!」",
"312000512_19": "「はああああッ!」",
"312000512_20": "「な……ッ、消えたッ!?」",
"312000512_21": "「敵エネルギー反応、ロストしました」",
"312000512_22": "「状況を見て、撤退を判断した……?」",
"312000512_23": "「種子より多少は頭が回るようだな」",
"312000512_24": "「今の大型がいつまた現れるともわからん。\\n 監視を怠るなッ」",
"312000512_25": "「了解ッ!」",
"312000512_26": "「ご苦労だった。\\n 強敵相手に、人きりでよくやってくれたな」",
"312000512_27": "「そのままS.O.N.G.に帰還してください。\\n 戦いによる影響が心配です。一刻も早く検査を……ッ」",
"312000512_28": "「分かったわ」",
"312000512_29": "「急ぎ、帰還します」",
"312000512_30": "「敵こそ逃したが、マリアに大事が無くてよかった」",
"312000512_31": "「もう、またそれなの?」",
"312000512_32": "「わたしのことはいいから、次こそはモデルさんを見つけて、\\n 呪いのウェディングドレスから解放しましょう」",
"312000512_33": "「ああ。前向きで何よりだ」",
"312000512_34": "「このウェディングギアがあるんだもの。\\n いくらでも上を向いていられるわ」",
"312000512_35": "「さあ、はやく本部に……」",
"312000512_36": "「……ッ!」",
"312000512_37": "「……どうしたッ!?」",
"312000512_38": "「……<speed=0.5>。</speed>\\n わたしは……<speed=0.5>、</speed>何を纏っていたの……?」",
"312000512_39": "「憧れ……<speed=0.5></speed> 花嫁さん……<speed=0.5></speed>\\n 結婚……<speed=0.5></speed> ウェディングドレス……?」",
"312000512_40": "「……マリア?」",
"312000512_41": "「わたし……<speed=0.5>、</speed>\\n あんなものを着ていて、本当に幸せになれるのかしら……」",
"312000512_42": "「あなたにウェディングドレスを着る資格はありません」",
"312000512_43": "「わからない……。\\n ウェディングドレスって、一体なんなのッ」"
}
{}

View File

@ -1,70 +1 @@
{
"312000611_0": "マリッジブルー",
"312000611_1": "「戻りました」",
"312000611_2": "「……」",
"312000611_3": "「マリア……ッ!」",
"312000611_4": "「大丈夫なのか?」",
"312000611_5": "「……ごめんなさい、少し疲れていて」",
"312000611_6": "「……あんなものを纏っていたせいかしら……」",
"312000611_7": "「えッ?」",
"312000611_8": "「わたしにはわからない……。\\n 結婚だなんて、考えられないわ……」",
"312000611_9": "「戦いが終わってから、ずっとこんな調子なんだ。\\n すまないが、今は休ませてやってくれ」",
"312000611_10": "「はい……」",
"312000611_11": "「やはり、マリアさんも……。\\n 急いでメディカルルームへッ」",
"312000611_12": "「……」",
"312000611_13": "「……お待たせしました」",
"312000611_14": "「マリアは……?」",
"312000611_15": "「今は検査も終わり、ベッドで安静にしてもらっています」",
"312000611_16": "「マリアさんも他の3人と同様、不安定な精神状態にあります。\\n やはりあれは……、『マリッジブルー』ッ」",
"312000611_17": "「マリッジブルーって……、\\n ウェディングドレス型のギアを纏っただけなのにか」",
"312000611_18": "「多少語弊はありますが、みなさんが『結婚』について\\n 不安を訴えていることから、こう呼ばせていただきます」",
"312000611_19": "「結婚や結婚式、ウェディングドレス……。\\n 抱える不安が結婚に関連するものばかりなのは」",
"312000611_20": "「症状が現れた状況から、心に思い描いていた事柄が、\\n 大きな不安となって現れるものと推察できます」",
"312000611_21": "「言われてみれば、様子がおかしくなる直前、\\n みんなで結婚式の話をしてた……」",
"312000611_22": "「みんな揃っているな」",
"312000611_23": "「司令……」",
"312000611_24": "「……場所を変えよう。\\n みんな、ひとまず発令所に来てくれ」",
"312000611_25": "「……とりあえず、4人とも今は安静にしてもらっている」",
"312000611_26": "「安静にしているだけで、よくなるものなんですか?」",
"312000611_27": "「そう心配するな。\\n 心的影響は、療養することで回復が見込めるものだ」",
"312000611_28": "「サポートとはいえ、\\n 戦闘に参加したあたしたちも、こうしてピンピンしてるしな」",
"312000611_29": "「よかった……」",
"312000611_30": "「しかし、あの様子だ。\\n 時間はそれなりに必要だろう」",
"312000611_31": "「それを待っててくれるほど、\\n 話の分かる哲学兵装じゃないだろうな……」",
"312000611_32": "「あいつらに、一体なにが起こってるんだ?」",
"312000611_33": "「『結婚』について不安を訴える、\\n この極めて特異な症状、マリッジブルー」",
"312000611_34": "「原因は、膨大な不幸のオーラに晒されたこと。\\n そしてそれは、ウェディングギアが起因となっています」",
"312000611_35": "「不幸への対抗手段として手に入れた、\\n ウェディングギアが、あだになったというのか」",
"312000611_36": "「そんな……。\\n だって、あのギアは幸せをくれるって……」",
"312000611_37": "「そうだ。実際、戦闘中はテンションが上がって、\\n 幸福が不幸を相殺するんじゃなかったのか」",
"312000611_38": "「ああ。あのギアを纏っている最中はな……」",
"312000611_39": "「……ッ!?」",
"312000611_40": "「じゃあ、戦闘後に突然影響が出たのは……」",
"312000611_41": "「ウェディングギアを解除したことで、幸福の恩恵を失い、\\n 蓄積していた不幸が、急激に装者を襲ったためです」",
"312000611_42": "「不幸は、完全に相殺されていたわけではなく、\\n ギアのもたらす幸福により、感じ取れなくなっていた――」",
"312000611_43": "「いわば、鎮痛剤のようなものだ。\\n ギア解除後には超過したダメージに蝕まれることとなる」",
"312000611_44": "「確かに。\\n マリアに変化があったのも、ギアを解除した直後でした」",
"312000611_45": "「みんな、痛みに気付かなかっただけ……。\\n 後方で戦うわたしたちより、ずっと傷ついていたんですね」",
"312000611_46": "「皆が信じた希望だというのに、\\n 現実は両刃の剣だったということか……」",
"312000611_47": "「どうしてなんだよ……。\\n あのギアは、あたしたちの可能性じゃなかったのかッ」",
"312000611_48": "「何があったッ!?」",
"312000611_49": "「同座標にて、2つの高エネルギー反応を検知ッ!」",
"312000611_50": "「2つだとッ!? こんな時にか……」",
"312000611_51": "「この反応、1つは被害者女性の纏う哲学兵装、\\n もうつは……、さっきの青いやつかッ」",
"312000611_52": "「いくら急を要するとて、\\n 今の人を戦場へ立たせるわけにはッ」",
"312000611_53": "「くッ……、わかっているッ!」",
"312000611_54": "「4人はマリッジブルーの症状が癒えるまで、絶対安静ですッ!」",
"312000611_55": "「だったら、わたしたちだけでッ!」",
"312000611_56": "「いけません。ウェディングギアもなしに、\\n 不幸のオーラによる影響に耐えられるはずが……」",
"312000611_57": "「だから、今度はわたしたちの番。\\n 切ちゃんたちが安心して休んでいられるように……」",
"312000611_58": "「接近できずとも、機動性に優れた天羽々斬とシュルシャガナ、\\n 射程の長いイチイバルなら、十分立ち回れます」",
"312000611_59": "「ああ。コンビネーション次第では、\\n まだまだギアの強みが生かせる状況だッ」",
"312000611_60": "「まさか、おっさんがウェディングドレスでいくとは\\n 言わないよな」",
"312000611_61": "「んん……ッ!?」",
"312000611_62": "「ヘヘッ。これで文句はなしだな」",
"312000611_63": "「……分かった。だが、くれぐれも無茶はするな。\\n 敵をけん制し、退けるだけで十分だ」",
"312000611_64": "「ああ、わかってる」",
"312000611_65": "「ありがとうございますッ!」",
"312000611_66": "「いくぞ、雪音、月読ッ!」",
"312000611_67": "「ああッ!」\\n「はいッ」"
}
{}

View File

@ -1,80 +1 @@
{
"312000612_0": "「はぁ――ッ!!」",
"312000612_1": "「わたしは、こっちの敵を……ッ!」",
"312000612_2": "「……ッ!?」",
"312000612_3": "「させるかッ!」",
"312000612_4": "「……あ、ありがとうございます」",
"312000612_5": "「別にいいけど……。\\n 今のは、ちょっと急ぎすぎだったな」",
"312000612_6": "「落ち着いて互いをカバーしあえば、十分に立ち回れる相手だ。\\n 自分人ではないと、心に留めておいてくれ」",
"312000612_7": "「わかりました」",
"312000612_8": "(2人とも、すごく頼りになる。\\n これなら――",
"312000612_9": "「この反応は……ッ!」",
"312000612_10": "「そっちに向かっていますッ!」",
"312000612_11": "「なにッ!?」",
"312000612_12": "「いったい、何が……?」",
"312000612_13": "「ああ……ッ!」",
"312000612_14": "「月読ッ!」",
"312000612_15": "「っのやろーッ!」",
"312000612_16": "「……なッ!? 速いッ!\\n これが、例の青いヤツか……」",
"312000612_17": "「ああ。両腕から放たれる長距離攻撃は厄介だ。\\n 間合いに注意してくれ」",
"312000612_18": "「ううッ……」",
"312000612_19": "「立てるか?」",
"312000612_20": "「まずい。このままじゃ標的になるッ!」",
"312000612_21": "「……撤退だ」",
"312000612_22": "「……え」",
"312000612_23": "「クリスくんはそのまま敵をけん制、\\n 翼は調くんを連れて退却してくれ……」",
"312000612_24": "「……わかりました」",
"312000612_25": "「くそッ……。\\n ウェディングギア無しじゃ、ここまでってことなのか……」",
"312000612_26": "「……」",
"312000612_27": "「その気持ちだって、十分でっかい力になるデスッ!」",
"312000612_28": "「ウェディングギアがくれる幸せが全てじゃないデス。\\n アタシの幸せの中には、調が見ていてくれる幸せもあるんデス」",
"312000612_29": "「だから、もっともっと頑張れちゃうデスよ」",
"312000612_30": "「ウェディングギアだけが……、幸福じゃ……ないッ!」",
"312000612_31": "「……調くんッ!?」",
"312000612_32": "「わたしだって、切ちゃんから……、\\n みんなからもらった幸せを……たくさん持っているッ」",
"312000612_33": "「ウェディングギアはなくても、\\n この胸には、幸せがたくさんあるッ」",
"312000612_34": "「月読……」",
"312000612_35": "「……」",
"312000612_36": "「はじめてウェディングギアに変化したとき、\\n 切ちゃん……、すごくうれしそうだった……ッ」",
"312000612_37": "「それを見て、わたしも心がポカポカした。\\n ……わたしも幸せをもらった」",
"312000612_38": "「……この幸せがあれば、不幸とだって戦える」",
"312000612_39": "「こいつを倒して、\\n わたしが切ちゃんの幸せを取り戻すッ」",
"312000612_40": "「……調くん」",
"312000612_41": "「……後輩が頑張ってるっていうのに、\\n 先輩のあたしがカッコつけないわけにはいかないよな」",
"312000612_42": "「それは、その先輩であるわたしも同じだ」",
"312000612_43": "「みなさん……」",
"312000612_44": "「アタシだっておんなじデスッ!」",
"312000612_45": "「切ちゃん……ッ!?」",
"312000612_46": "「お前たち……ッ!」",
"312000612_47": "「いけません、まだ安静にしていないと、\\n 不幸のオーラによる影響が……」",
"312000612_48": "「たとえこの身が、不幸に苛まれようとも……」",
"312000612_49": "「だれかの不幸を、見過ごしたりはできない……ッ!」",
"312000612_50": "「わたしたちにそれを止める力があるなら――」",
"312000612_51": "「アタシたちは立ち上がって、戦わないといけないんデスッ!」",
"312000612_52": "「……」",
"312000612_53": "(みなさんから感じる、この想いは……ッ!?)",
"312000612_54": "(こいつらの想いは、今も不幸に塗りつぶされちゃいないか。\\n だったら……、今の俺ができることは……",
"312000612_55": "「みなさんの様子から、不幸のオーラの影響による危険域、\\n マリッジブルー状態ではないと判断します」",
"312000612_56": "「それじゃあッ!」",
"312000612_57": "「ですが、検査も行わず、\\n 万全と言い難い状態なのは確かです」",
"312000612_58": "「だめだと言っても、黙っているわたしたちではないわよ」",
"312000612_59": "「……確かに、\\n 寝かしつけたところで、起き上がってくるだろうな」",
"312000612_60": "「…はいッ!\\n ボクは、不幸に負けない、みなさんの心の強さを信じますッ」",
"312000612_61": "「それってッ!」",
"312000612_62": "「装者7名、全員の状況介入を許可する」",
"312000612_63": "「ありがとうございますッ!」",
"312000612_64": "「だが、下を向いて帰ってくることは許さんッ!\\n 全員笑顔で帰還しろ。これが出撃の絶対条件だ」",
"312000612_65": "「それは……」",
"312000612_66": "「……自信がないなら、わたしが切ちゃんを笑顔にしてみせる」",
"312000612_67": "「調……ッ?」",
"312000612_68": "「それでもだめなら、\\n 先輩が、アバンギャルドな防人ジョークで笑わせてくれるッ」",
"312000612_69": "「それでだめなら、雪音が腹踊りでも披露してくれるそうだ」",
"312000612_70": "「んなッ!?」",
"312000612_71": "「だからその条件は、わたしたちが保証するッ!」",
"312000612_72": "「みんな……」",
"312000612_73": "「さあ、どうする?」",
"312000612_74": "「受けて立つわッ!」",
"312000612_75": "「もちろんですッ!」",
"312000612_76": "「やってやるデスッ!」",
"312000612_77": "「これが幸福の種であると信じている。\\n さあ、いってこいッ」"
}
{}

View File

@ -1,66 +1 @@
{
"312000711_0": "ウェディングドレス?",
"312000711_1": "「確かに動きは速いが、\\n アタリがデカイとはありがてぇッ」",
"312000711_2": "「いったぞッ!」",
"312000711_3": "「はぁ――ッ!!」",
"312000711_4": "「やったッ!」",
"312000711_5": "「いいぞ。タイミングは今の感じで完璧だッ!」",
"312000711_6": "「はい」",
"312000711_7": "「フフッ、しっかりやっているようね」",
"312000711_8": "「この声は……ッ!」",
"312000711_9": "「ヘリかッ!」",
"312000711_10": "「お待たせデスッ!」",
"312000711_11": "「みんなには、たくさん助けてもらっちゃったね」",
"312000711_12": "「その分、これから精一杯がんばらないと」",
"312000711_13": "「ええ。\\n それがわたしたちの使命――ッ」",
"312000711_14": "「Seilien coffin airget-lamh tron」",
"312000711_15": "「……ッ!」",
"312000711_16": "「これは……ッ!?」",
"312000711_17": "「どうなってるんだ……ッ?」",
"312000711_18": "「えッ……」",
"312000711_19": "「そんな……」",
"312000711_20": "「ギアが……」",
"312000711_21": "「変化しない……ッ!?」",
"312000711_22": "「馬鹿なッ!?」",
"312000711_23": "「心象変化によるギアの変化は、\\n 一度成功すれば何度でも可能なんじゃなかったのか」",
"312000711_24": "「そのはずですッ!」",
"312000711_25": "「なら、どうして……ッ!?」",
"312000711_26": "「思い……<speed=0.5>、</speed>出せない……<speed=0.5>。</speed>\\n 初めてウェディングギアを纏った時の気持ち……」",
"312000711_27": "「……ッ!?」",
"312000711_28": "「ウェディングドレスは幸せの象徴――、\\n そう言って、心に強く思い描いたはずだ」",
"312000711_29": "「幸せって……<speed=0.5>、</speed>えっと……」",
"312000711_30": "「心に浮かんでこないデス……」",
"312000711_31": "「……心象の……<speed=0.5>、</speed>損傷……?」",
"312000711_32": "「不幸のオーラにより幸福感が損なわれ、\\n 幸せを想起できなくなった……ッ」",
"312000711_33": "「不幸のオーラが、心象にまで影響したというのかッ!?」",
"312000711_34": "「そうか……、ボクが本当に見逃していたのは……。\\n ボクが気付かなくちゃいけなかったのに……ッ」",
"312000711_35": "「わたしの心が、不幸に傷つけられた……ッ!?」",
"312000711_36": "「な……ッ!\\n こいつも不幸の種子を呼べるのッ」",
"312000711_37": "「ウェディングギア無しに、\\n このまま敵の数を増やされたら……」",
"312000711_38": "「……こうなったら、やれるとこまでやるしかないッ!\\n あたしが全方位一掃射撃で……」",
"312000711_39": "「冷静になれ。\\n 既に無茶がきく体ではないだろう……」",
"312000711_40": "「……やはり、ウェディングギア無しでは……」",
"312000711_41": "「はあ――ッ!」",
"312000711_42": "「随分話が違うじゃない。\\n 弱音を吐く暇があるなら、ジョークのつも言ったらどう」",
"312000711_43": "「マリア……」",
"312000711_44": "「アタシたちがここに来たのはッ、\\n みんなの力になりたいからデスッ」",
"312000711_45": "「ウェディングギアが纏えなくなって、\\n あてが外れちゃったのは確かだけど……、それでもッ」",
"312000711_46": "「わたしたちは、みんなと一緒に不幸に抗いたいんだッ!」",
"312000711_47": "(そう、ウェディングギアが無くても……)",
"312000711_48": "「でも……、もしウェディングギアを纏っても、\\n それでも不幸に負けてしまったら……」",
"312000711_49": "「余計なことは考えるなッ!」",
"312000711_50": "「……ッ!」",
"312000711_51": "「お前たちは、1人で戦っているわけじゃない。\\n 不幸に対する打開策はこちらで考える」",
"312000711_52": "「でも、それでも駄目だったら……」",
"312000711_53": "「『でも』が無いのが『打開策』だッ!」",
"312000711_54": "「……」",
"312000711_55": "「ありがとう。\\n ……目の前の戦いに集中するわ」",
"312000711_56": "(……くッ。\\n 悔しいが、今できることはこのくらいか",
"312000711_57": "「不幸への唯一の対抗手段である幸福――、\\n いわば、力の源を絶たれたに等しい状況です」",
"312000711_58": "「『幸せ』を想起できない以上、\\n ウェディングギアへの変化は見込めません」",
"312000711_59": "「このまま戦いで不幸のオーラを受け続けば、\\n マリッジブルーに達するのも時間の問題です」",
"312000711_60": "「マリッジブルー……。事実上の戦闘不能か」",
"312000711_61": "「でも、それより早く、\\n 『幸福』のイメージを取り戻すことができれば……ッ」",
"312000711_62": "「そうだ。彼女たちの心は、まだ折れちゃいない」",
"312000711_63": "「この戦い――、\\n 『幸福』を諦めない限り、必ず勝機がある……ッ」"
}
{}

View File

@ -1,46 +1 @@
{
"312000712_0": "「……おかしいです」",
"312000712_1": "「あの青いヤツのことか……」",
"312000712_2": "「ああ、確かに妙だ。\\n 不幸の種子を呼び寄せた後、全く戦う素振りを見せない」",
"312000712_3": "「うう……ッ!」",
"312000712_4": "「この耳をつんざくような声は……ッ!?」",
"312000712_5": "「まるで、何かを呼んでいるような……」",
"312000712_6": "「高エネルギー反応を検知ッ!」",
"312000712_7": "「これは……ッ!」",
"312000712_8": "「はあ……、はあ……」",
"312000712_9": "「もう、体の疲れか心の疲れか……はあ……ッ、\\n どっちかわからなくなってきた……デス……」",
"312000712_10": "「ウェディングギアなら、もっとみんなの力になれるのに……」",
"312000712_11": "「おかしいな……。師匠もああ言ってたし、\\n 考えないようにはしてるんだけど……、でも……」",
"312000712_12": "「もう一度、ウェディングギアが纏えれば……」",
"312000712_13": "『無駄よ。\\n 幸せなど求めても、ウェディングドレスは応えない』",
"312000712_14": "「……あなたは……ッ!?」",
"312000712_15": "「今の声……、モデルさんなのッ!?」",
"312000712_16": "「前は苦しんでいるだけだったのに……」",
"312000712_17": "「どうしてこんなにハキハキ喋れてるんデスか……?」",
"312000712_18": "「そうか、哲学兵装が彼女の意識を……ッ!?」",
"312000712_19": "「みなさん、気を付けてくださいッ!\\n あの声は、モデルさんのものではありませんッ」",
"312000712_20": "「今の彼女は、哲学兵装の意識そのもの。\\n 呪いの持つ力も格段にアップしているはずですッ」",
"312000712_21": "「……結婚を前に亡くなった女性の怨念と、\\n ようやくご対面ということね」",
"312000712_22": "『何を纏っても、幸せなんて……、\\n そんな未来は無いのよ……ッ』",
"312000712_23": "『新婚の友達に借りたハンカチも――』",
"312000712_24": "『曽祖母から伝わる、古いブローチも――』",
"312000712_25": "『新しく買ったパールのネックレスも――』",
"312000712_26": "『そして、ヴェールに飾った青いリボンも――』",
"312000712_27": "『今ではこうして、私の不幸を象徴しているッ!』",
"312000712_28": "「借りたもの、古いもの、新しいもの、青いもの……?」",
"312000712_29": "「……まさかそれは、あなたのサムシングフォーッ!?」",
"312000712_30": "「あのデカブツ、青いの1体だけじゃなかったのかッ!」",
"312000712_31": "「1体でもやっとだった相手なのに……」",
"312000712_32": "「……くッ、ウェディングギアさえあれば……」",
"312000712_33": "「司令もああ言っていた。思いつめるのはよせ」",
"312000712_34": "「でも……」",
"312000712_35": "「もう一度、幸せを強く願えば……ッ!」",
"312000712_36": "『フフ……。幸せなど求めても無駄よ。\\n 私のふりまく不幸で、あなたたちも黒く染めてあげるわ』",
"312000712_37": "「だめ……、なにも思い浮かばない……」",
"312000712_38": "「幸せなんて……、そんなのどこに……?」",
"312000712_39": "「心が真っ暗で、何も見えてこないデスッ……」",
"312000712_40": "「幸せ……<speed=0.5></speed>\\n ……幸せ……<speed=0.5>、</speed>なんて……」",
"312000712_41": "「……幸福の力は、もうわたしたちには……」",
"312000712_42": "「……あなたには何もかもが似合わない」",
"312000712_43": "「……わたしには、何も無い……」"
}
{}

View File

@ -1,70 +1 @@
{
"312000811_0": "幸せを呼び起こせッ!",
"312000811_1": "「……わたしには、何も無い……」",
"312000811_2": "『そう。お前たちに幸福を授けるものなどない』",
"312000811_3": "『どれだけ取り繕っても、人が望むのは自分の幸せだけ。\\n その幸せを借りることなど出来はしないわ』",
"312000811_4": "「手に入れた幸せは、その人だけのもの……。\\n 分け合うことなんてできないんだ……」",
"312000811_5": "「自分だけ幸せ独り占めだなんて、良くないことだよね……。\\n そんなことに憧れる必要なんてないんだ……」",
"312000811_6": "『古く朽ちていくだけのものに、\\n 伝えられる幸せなど宿りはしない』 ",
"312000811_7": "「考えてみれば、代々伝わる物なんて……、\\n はじめから……、なんにも持ってなかったデス……」",
"312000811_8": "「なんにもないのに、たくさん憧れて……、\\n 浮かれていた自分が恥ずかしいデス……」",
"312000811_9": "『新しいものが手に入れば、\\n 今まであった幸せは、音を立てて崩れていくわ』",
"312000811_10": "「新しい一歩を踏み出せば……、大切な今が崩れて、\\n これまでと何もかもが変わってしまう……ッ」",
"312000811_11": "「手放すなんて、そんなことできないよ……。\\n 新しい幸せなんて、はじめからいらなかったんだ」",
"312000811_12": "『何を纏っても、幸せなんて得られない。\\n あなたは、いったい何に憧れていたの』",
"312000811_13": "「わたしは……」",
"312000811_14": "『ああ。……あなたの幸福、\\n もうとっくに砕けていたのね……』",
"312000811_15": "「みんなッ!」",
"312000811_16": "「おい、しっかりしろッ!」",
"312000811_17": "「自分を見失うなッ!」",
"312000811_18": "「幸せを穿つ……<speed=0.5>、</speed>詩が聞こえてくる……」",
"312000811_19": "「みんなの心が……ッ!」",
"312000811_20": "「サムシングフォーに纏わる不安――、\\n この症状……、マリッジブルーですッ」",
"312000811_21": "「今度はサムシングフォーへの不安……。\\n 私たちで、なんとかしてあげられないかしら」",
"312000811_22": "「不幸に対抗する『幸せ』を心象に描くことで変化した\\n ウェディングギアも――」",
"312000811_23": "「『幸せ』を感じる力が弱まれば、\\n その変化は起こせない――、でしたね」",
"312000811_24": "「緒川、戻ったか」",
"312000811_25": "「……一度、状況を整理したい」",
"312000811_26": "「哲学兵装の力は、不幸により周囲の人間から\\n 幸福感を奪うというものだ」",
"312000811_27": "「相手が不幸を操る以上、\\n この戦いの要はウェディングギア――」",
"312000811_28": "「しかし、敵の振りまく不幸によって、\\n それを纏うための『幸せ』を想起することが難しい状況だ」",
"312000811_29": "「その最たる弊害がマリッジブルーです。\\n このまま戦意を失っていては、戦いすらままなりません」",
"312000811_30": "「では、マリッジブルーを克服するには?」",
"312000811_31": "「原因が、不幸のオーラによる幸福感の低下であるとすれば、\\n 克服に必要なのもまた『幸せ』です」",
"312000811_32": "「マリッジブルーの克服と、ウェディングギアへの変化。\\n どちらも『幸せ』が鍵ということですね」",
"312000811_33": "「マリッジブルーを克服し、心象に『幸せ』を描くことで、\\n 再びウェディングギアへの変化が可能となる――」",
"312000811_34": "「問題は、その失われた『幸せ』をどう補うかだ」",
"312000811_35": "「感情を補う……。難題ですね」",
"312000811_36": "「そんな形のないものを……、うーん……」",
"312000811_37": "「『幸せ』という気持ちを、\\n 形にして渡すことができればいいんですが」",
"312000811_38": "「形のあるものなら、\\n 投げ込んででも渡すことが可能なんだがな……」",
"312000811_39": "「形のあるもの……、投げ込む……?」",
"312000811_40": "「婚約する男女が互いの想いを伝えあった、愛の花束。\\n それがウェディングブーケの由来」",
"312000811_41": "「想いを伝える力を持つブーケ。\\n それを手に、あなたはどんな想いを伝えるというのです」",
"312000811_42": "「ウェディングブーケ……」",
"312000811_43": "「えッ?」",
"312000811_44": "「ウェディングブーケだッ!」",
"312000811_45": "「ウェディングブーケ……だとッ!?」",
"312000811_46": "「贈り物に気持ちを込めるように、\\n 『幸せ』をブーケに託すということですね」",
"312000811_47": "「ブーケには人の想いを込め、伝える力があるといいます。\\n 我々が幸せを託すにはもってこいです」",
"312000811_48": "「それって、結婚式でやる『ブーケトス』のことですか?」",
"312000811_49": "「ブーケトスなら、ウェディングの形式に乗っ取り、\\n 効果的に想いを伝えることもできそうですね」",
"312000811_50": "「はい。マリッジブルーの影響により、\\n 結婚にまつわるものには敏感になっているはずです」",
"312000811_51": "「……よしッ!」",
"312000811_52": "「藤尭ッ!\\n 現場から一番近くて、上手くて、速い花屋はッ」",
"312000811_53": "「……ッ<speed=1>、</speed>出ましたッ!\\n A地区、花屋ハピネスですッ」",
"312000811_54": "「緒川ッ!」",
"312000811_55": "「心得てますッ!」",
"312000811_56": "「頼んだぞッ!」",
"312000811_57": "「正気かッ!?\\n 本当に、花をテイクアウトでよこすつもりなのか……」",
"312000811_58": "「確かに奇矯な発想ではあるが、こんな状況だ。\\n 可能性にかけるのは悪くない」",
"312000811_59": "「わたしも、何もしないより何かしたい」",
"312000811_60": "「『幸せ』をブーケに込めたブーケトス作戦ッ!\\n これで失われた心象を取り戻すッ」",
"312000811_61": "「ブーケトスで、心に再び幸せを描くことができれば、\\n ウェディングギアを纏うことができますッ」",
"312000811_62": "「お願いします」",
"312000811_63": "「みんなの想いを……、幸せをブーケに込めて、\\n マリアさんたちの心に届けてくださいッ」",
"312000811_64": "「幸せを込めて……」",
"312000811_65": "「分かった。それであいつらが元に戻るっていうなら、\\n ブーケでもなんでも、いくらでも投げてやるッ」",
"312000811_66": "「いくぞ、2人とも。\\n これが本日最後の大仕事だ」",
"312000811_67": "「バトンは……、ううん、ブーケは、\\n わたしたちが必ず繋いでみせるッ」"
}
{}

View File

@ -1,47 +1 @@
{
"312000812_0": "「はああああッ!」",
"312000812_1": "「はあ……、はあ……」",
"312000812_2": "「う……ッ!\\n ……くそッ、ブーケはまだなのかッ」",
"312000812_3": "「来た……ッ!」",
"312000812_4": "「あそこだッ!」",
"312000812_5": "「遅くなりました。\\n さあ、早くブーケトスを――」",
"312000812_6": "『血濡れた会場に花束とは、滑稽ね』",
"312000812_7": "「ッ!」",
"312000812_8": "「抱えた花束で、両腕の自由が……」",
"312000812_9": "「待ってろッ! ここから援護するッ!」",
"312000812_10": "「お気遣いなく 」",
"312000812_11": "「すごい……」",
"312000812_12": "「どう走ったらああなるんだッ!?」",
"312000812_13": "「……ッ!」",
"312000812_14": "「……ああッ!」",
"312000812_15": "「攻撃をモロに……ッ!」",
"312000812_16": "「あっちはただの影分身です」",
"312000812_17": "「ひッ!?」",
"312000812_18": "「お待たせしました」",
"312000812_19": "「お見事です」",
"312000812_20": "『なんだ、あの非科学的な人間は……ッ!?\\n 何をはじめるつもりだッ』",
"312000812_21": "「ここからですね……」",
"312000812_22": "「お願い、みんな……ッ!」",
"312000812_23": "「お前たちならできるッ!」",
"312000812_24": "「それは、ボクたちから託す『幸せ』です……ッ!」",
"312000812_25": "「次はみなさんの番です」",
"312000812_26": "「お願いします……ッ! はあ――ッ!」",
"312000812_27": "<size=40>「託されたッ!」</size>",
"312000812_28": "「わたしの幸せは、切ちゃんとたくさん作ってきたッ!」",
"312000812_29": "「だからお願い、この気持ちを思い出してッ!」",
"312000812_30": "「いつも散々恥ずかしいことやってるくせに……<speed=0.5>、</speed>\\n 今必要なのは、そういうことだろッ」",
"312000812_31": "「持ってけッ! ダブルだッ!」",
"312000812_32": "「マリアがウェディングドレスに憧れ、悩み、\\n それでも理解しようとしてきた姿を、わたしは見てきた」",
"312000812_33": "「ウェディングギアは、形だけではないと見せてやれッ!」",
"312000812_34": "<size=40>「その幸せを、掴み取れ――ッ!!」</size>",
"312000812_35": "「いっぱい伝わってくるデス……」",
"312000812_36": "「不幸に惑わされることなく――」",
"312000812_37": "「みんなが繋いでくれた、幸せの欠片――」",
"312000812_38": "「この両腕で受けとめたッ!」",
"312000812_39": "『この光は……ッ<speed=0.5></speed>\\n 私の漆黒がかき消されるなんて――ッ』",
"312000812_40": "『ならば、何度でも――、\\n 偽りの幸福など、真の不幸で塗り固めてやるッ』",
"312000812_41": "『馬鹿なッ!<speed=0.5></speed>\\n 私の不幸を相殺するほどの幸福だと……ッ』",
"312000812_42": "「不幸など――、\\n 幸せを纏い、祓ってみせる――ッ」",
"312000812_43": "「これがわたしの――」",
"312000812_44": "<size=40>「白銀のウェディングドレスッ!」</size>"
}
{}

View File

@ -1,44 +1 @@
{
"312000821_0": "「みんなが思い出させてくれた。\\n 伝えてくれた幸せのイメージ――」",
"312000821_1": "「再構のウェディングギアッ!」",
"312000821_2": "『あのブーケから、\\n 幸福のイメージを再構成したというの……』",
"312000821_3": "「……気づいているか?」",
"312000821_4": "「ああ。なんだか、こっちまで心が軽い。\\n 胸の奥の、温かいところが満たされるような……」",
"312000821_5": "「この感覚……、わたしは知っている……?」",
"312000821_6": "「それは、調がアタシにくれた気持ちデス」",
"312000821_7": "「わたしが、切ちゃんに……?」",
"312000821_8": "「みんなが持ってて、いつも与えあっているものだよ」",
"312000821_9": "「とてもあたたかい想い」",
"312000821_10": "『お前たちは……何を笑って……』",
"312000821_11": "『まさか、『幸福』を笑っているのか……ッ!?』",
"312000821_12": "「ウェディングギア装者を中心に、\\n 幸福が充満している……」",
"312000821_13": "「周囲の不幸のオーラを、幸福がかき消しているのかッ!?」",
"312000821_14": "「これがハピネスッ!」",
"312000821_15": "「ウェディングドレスの祝福を受け、\\n 幸せへと手を伸ばした者だけが、掴み取れる力ッ」",
"312000821_16": "『ううッ!』",
"312000821_17": "「ドレスの色がッ!?」",
"312000821_18": "「哲学兵装の呪いに干渉したッ!?」",
"312000821_19": "「これなら確実にドレスの不幸を祓い、\\n 女性を救い出すことができますッ」",
"312000821_20": "「聞いての通りだ。\\n お前たちが『幸福』を諦めずに手にした力だ」",
"312000821_21": "「存分に発揮してこいッ!」",
"312000821_22": "「了解ッ!」",
"312000821_23": "「不幸のオーラをかき消せるということは、\\n 今度はみんなと一緒に戦えるんデスねッ」",
"312000821_24": "「うん、切ちゃんの幸せがわたしを護ってくれるから」",
"312000821_25": "「今度こそ、隣で切ちゃんを護ってみせるッ!」",
"312000821_26": "「護り護られ、ちょうどいい塩梅デスッ!」",
"312000821_27": "「喜ぶのはいいけどな、\\n はしゃいで怪我とかするんじゃねーぞ」",
"312000821_28": "「ねえ、わたしをバックアップしてくれるって話――、\\n あれはまだ有効なの」",
"312000821_29": "「し、仕方ねえな……ッ、期間延長だッ。\\n 特盛サービスしといてやる……ッ」",
"312000821_30": "「うんッ、ありがとう」",
"312000821_31": "「よかったね、クリスちゃん」",
"312000821_32": "「なんでだッ!」",
"312000821_33": "「え? だって、なんか嬉しそうだったから」",
"312000821_34": "「まったく、素直じゃないんだから」",
"312000821_35": "「嬉しいついでに、こっちの援護もお願いしたいデスッ!」",
"312000821_36": "「クリス先輩、お願いします」",
"312000821_37": "「フッ、大盛況だな」",
"312000821_38": "「ったく、冗談言ってる暇があるなら――ッ!」",
"312000821_39": "「うんッ、\\n じゃあ、いくよ――ッ」",
"312000821_40": "「ええッ!」",
"312000821_41": "<size=40>「はああああッ!」</size>"
}
{}

View File

@ -1,29 +1 @@
{
"312000822_0": "「今だッ!」",
"312000822_1": "「はあ――ッ!」",
"312000822_2": "「おおおおおッ!」",
"312000822_3": "『私のサムシングフォーたちが――』",
"312000822_4": "『私の不幸の象徴たちがッ!』",
"312000822_5": "「サムシングフォー……。\\n 結婚式にまつわる、素敵なジンクス――」",
"312000822_6": "「それが、こんなに悲しい姿になってしまうだなんて……」",
"312000822_7": "『お前たちに、何がわかるというのッ!?』",
"312000822_8": "『新婚の友達に借りたハンカチは、\\n 不幸な私をあざ笑うだけだったッ』",
"312000822_9": "「友達の不幸を笑う友達なんていないッ!」",
"312000822_10": "「友達との絆は永遠ッ!\\n 大切な物が増えたら、一緒に笑いあえばいいだけッ」",
"312000822_11": "「幸せはきっと、誰とだって分け合えるッ!\\n あなたにだって、そうできたはずッ」",
"312000822_12": "『幸せになれと渡された、古いだけのブローチなど……、\\n 私が授かれない、過去の幸せに価値などなかったッ』",
"312000822_13": "「1分1秒と古くなる今の幸せは、\\n 大切にして、伝えていかなきゃいけない宝物なんデスッ」",
"312000822_14": "「古いことを忘れて、無かったことになんてできないデス。\\n 積み上げてきたものがあるから、今を笑っていけるんデスッ」",
"312000822_15": "「そんな幸せは……、誰にだって、\\n いつからだって作っていけるはずなんデスッ」",
"312000822_16": "『新たな幸せを夢見て買った、パールのネックレス。\\n 憧れた輝きは、私を惨めにしただけだったッ』",
"312000822_17": "「新しい幸せに踏み込むは不安は、誰にだってあるッ!」",
"312000822_18": "「でも、それと同じくらい――きっとそれ以上にッ!\\n 希望だってたくさんあるッ」",
"312000822_19": "「明日に響く新しい輝きは、\\n 未来を踏みにじったりしないッ」",
"312000822_20": "「きっと、あなただって……」",
"312000822_21": "『馬鹿な……。\\n サムシングフォーが体も……ッ』",
"312000822_22": "「手駒が随分と減ったようね。\\n この盤面、そう簡単には覆らないわよ」",
"312000822_23": "『く……ッ!\\n 不幸の種子なら、いくらでもッ』",
"312000822_24": "「無駄よ。\\n これ以上、お前の不幸は芽吹かないッ」",
"312000822_25": "『そんな……ッ!?』",
"312000822_26": "「幸福の種は花開いたわ。 \\n 次は、あなたの番――ッ」"
}
{}

View File

@ -1,48 +1 @@
{
"312000911_0": "ブライダル戦姫ッ!",
"312000911_1": "「ゲストには退場してもらったわ」",
"312000911_2": "「次は、あなたの番――ッ!」",
"312000911_3": "『……くッ』",
"312000911_4": "「ダメですッ!\\n わたしたちの力は、人を傷つけるものじゃ――」",
"312000911_5": "「大丈夫よ」",
"312000911_6": "「花嫁さんが不幸に支配され……、\\n 幸せになれないなんて、間違ってる……」",
"312000911_7": "「……はいッ!」",
"312000911_8": "『……』",
"312000911_9": "「どうするつもりかしら……」",
"312000911_10": "「ドレスを回収しない限り、\\n 被害者の女性は人質も同然……」",
"312000911_11": "「今のあいつの言葉がどこまで届くか、\\n 俺たちは信じて待つだけだ」",
"312000911_12": "「やはり、説得ですか……」",
"312000911_13": "「あのウェディングドレスについて、\\n 今わかっている情報を教えてやってくれ」",
"312000911_14": "「わかりました」",
"312000911_15": "「呪いのウェディングドレスについて、\\n 米国からいくつか情報を入手できました」",
"312000911_16": "「あのドレスは、とある富豪の娘が、\\n 結婚式で身に着けるはずだった物……、だそうです」",
"312000911_17": "「はずだった……?」",
"312000911_18": "「挙式を前に結婚相手の事業が破綻。\\n それにより両家間で交わされていた婚約は破棄され――」",
"312000911_19": "「ショックを受けた娘は、この世のすべての幸福を恨み、\\n 自ら命を絶ってしまったそうです」",
"312000911_20": "「そう……」",
"312000911_21": "「近寄るだけで不幸が訪れる、\\n 『呪われたウェディングドレス』――」",
"312000911_22": "「ドレスはいつしかそう呼ばれ――」",
"312000911_23": "「係わった人は、次々と謎の死を遂げた――、\\n 博物館では観覧者の自殺が相次いだ――」",
"312000911_24": "「――などの、不吉な噂が広まったようです」",
"312000911_25": "「あのドレスに、そんな悲しい話があったなんて……」",
"312000911_26": "「確かに痛ましい話だが、\\n それで他人を不幸にしていい道理はない」",
"312000911_27": "『このウェディングドレスは、\\n 私を幸せになんて……、してくれなかった……ッ』",
"312000911_28": "『憧れが、幸福など与えてくれるものかッ!』",
"312000911_29": "「……」",
"312000911_30": "『曽祖母から伝わるブレスレットも、\\n 新婚の友達に借りたハンカチも――』",
"312000911_31": "『新しく買ったパールのネックレスも、\\n そして、ヴェールに飾った青いリボンも――』",
"312000911_32": "『何ひとつッ!\\n 私に幸福などもたらしてくれなかったッ』",
"312000911_33": "「……そう。\\n 分かったわ――」",
"312000911_34": "「あなたはウェディングドレスを憎みながら、\\n その憧れに捕らわれ続けているのね……」",
"312000911_35": "『なんだと……ッ?』",
"312000911_36": "「あなたとわたしは、少しだけ似ている……」",
"312000911_37": "「憧れの花嫁さん、綺麗なウェディングドレス――」",
"312000911_38": "「初めて袖を通した時、あなたも感じたはずよ。\\n あの、不思議な胸の高鳴りを……」",
"312000911_39": "「ドレスを見ただけで、こんなにも胸がときめくなんて。\\n やっぱりウェディングドレスは、幸せの象徴だわ」",
"312000911_40": "「あなたにウェディングドレスの魅力は引き出せない」",
"312000911_41": "(本当は着こなす自信なんてなかった……。\\n だからこそ、デザイナーさんには認めてほしかった……",
"312000911_42": "(でも、大丈夫……)",
"312000911_43": "(答えなら、もうわかっているから)",
"312000911_44": "『まだ、私の不幸は終わってないわ』",
"312000911_45": "「わたしが纏うのは、真のウェディングドレスッ!\\n 今のわたしは、あの頃の倍強いッ」"
}
{}

View File

@ -1,54 +1 @@
{
"312000912_0": "「はあ――ッ!」",
"312000912_1": "「ウェディングドレスに宿るのは、清らかで誠実な想いッ!」",
"312000912_2": "「もう迷わない。\\n このフリルが、レースが届くすべてがわたしの聖域ッ」",
"312000912_3": "「わたしの白が、お前の黒を塗りかえる――ッ!!」",
"312000912_4": "『さっきまで膝をついていたおまえが、\\n どうしてこんなにも強く……ッ』",
"312000912_5": "「これはウェディングギアだけの力じゃない。\\n みんなの届けてくれた幸せに、わたしが手を伸ばしたからよ」",
"312000912_6": "「さあ、次はあなたたちの番」",
"312000912_7": "『あなた……た<speed=0.5>ち</speed>……だとッ!?』",
"312000912_8": "「そうか……ッ!\\n みんな、マリアさんにブーケをッ」",
"312000912_9": "「分かったデスッ!\\n アタシからは、古くから繋いできた幸せをッ」",
"312000912_10": "「貸し与え、分かち合う幸せをッ!」",
"312000912_11": "「これから掴み取る、新しい幸せをッ!」",
"312000912_12": "「ウェディングドレスとは、\\n 幸せを掴む勇気を与えてくれるものだッ」",
"312000912_13": "「ドレスを着て待っているだけじゃだめッ!\\n 幸せは、自分で掴み取るものッ」",
"312000912_14": "『4つのブーケを束ねた……ッ!?\\n 何をするつもりッ』",
"312000912_15": "「わたしたちは――」",
"312000912_16": "「あなたも救いたいのよッ!」",
"312000912_17": "『……ッ!?』",
"312000912_18": "「これは――、\\n 人』へのブーケトスッ」",
"312000912_19": "「受け取りなさいッ!!\\n わたしたちから繋ぐ、幸せを――ッ」",
"312000912_20": "『うう……ッ!』",
"312000912_21": "「自分の幸せを信じ、手を伸ばす――、\\n そう、これは戦いだ」",
"312000912_22": "「純白を纏う、全ての者の戦いだ――ッ!」",
"312000912_23": "「だから、あなたも戦いなさいッ!\\n お前はそれでも花嫁かッ」",
"312000912_24": "『……ッ!?』",
"312000912_25": "「……確かに、結婚って色々あって……、\\n その中には不安だって……、あったかもしれない」",
"312000912_26": "「だけど、全部が不安なんかじゃ……、ないッ!」",
"312000912_27": "『……馬鹿な……ッ!?\\n お前の幸せは、全て摘み取ったはずッ』",
"312000912_28": "「私もまだ……、幸せを信じてる……ッ!」",
"312000912_29": "『させてなるものか……ッ!』",
"312000912_30": "「きゃああああッ!!」",
"312000912_31": "「がんばるデスッ!」",
"312000912_32": "「幸せを信じるあなたは――」",
"312000912_33": "「絶対に幸せになれるッ!」",
"312000912_34": "「だから、手を伸ばしてッ!」",
"312000912_35": "「……ッ!」",
"312000912_36": "「はあ――ッ!」",
"312000912_37": "「届いた――ッ!」",
"312000912_38": "『……これはッ!?』",
"312000912_39": "『花束から流れ込んでくる……、\\n この懐かしい気持ちは……」",
"312000912_40": "『……し<speed=0.5>、</speed>あわ……』",
"312000912_41": "「幸せに……<speed=0.5>、</speed>なりたい……」",
"312000912_42": "「ううん、わたし――」",
"312000912_43": "<size=40>「絶対に幸せになる――ッ!!」</size>",
"312000912_44": "『私も……』",
"312000912_45": "『……そうか、逃げずに手を伸ばしていれば、\\n 私にも……、こんな幸せが……』",
"312000912_46": "「哲学兵装、呪いのウェディングドレスの反応……」",
"312000912_47": "「完全に……消滅しましたッ!」",
"312000912_48": "「女性の幸せを望む心が、\\n 哲学兵装の呪いに勝った……ッ」",
"312000912_49": "「お前の想い、ちゃんと伝えられたか?」",
"312000912_50": "「……ええ」",
"312000912_51": "<size=40>「当然よッ!」</size>"
}
{}

View File

@ -1,141 +1 @@
{
"312001011_0": "ウェディングドレスッ!",
"312001011_1": "「ねえ、この雑誌の表紙、あの時のモデルさんじゃない?」",
"312001011_2": "「どれどれッ?」",
"312001011_3": "「今掲載されているものとなると、\\n 実際の撮影は、月ほど前のものだろうか」",
"312001011_4": "「そうなんですかッ!? 時代を先取るファッション雑誌は、\\n そんなに前から先読みしてるんですね」",
"312001011_5": "「……あれから1週間かあ。\\n 今頃どうしてるんだろう」",
"312001011_6": "「ん、どれどれ?\\n ……写真を見る限り、元気でやってるみたいだな」",
"312001011_7": "「よかった。幸せそうに笑ってるよー」",
"312001011_8": "「相変わらず綺麗……。\\n オフなのに、雑誌と全然変わらないなんて」",
"312001011_9": "「なんたって、もうすぐ花嫁さんだもんね。\\n 結婚を前に、綺麗に磨きがかかっちゃうわけだ」",
"312001011_10": "「あら、楽しそうね」",
"312001011_11": "「何を見てたんデスか?」",
"312001011_12": "「この前のモデルさんの写真だって。\\n とっても元気そうで……、結婚式もそろそろかな」",
"312001011_13": "「け、結婚ッ!?\\n ……ううッ、しばらくその話は聞きたくないデス……」",
"312001011_14": "「未だに『結婚怖い』、ってやってるのか?」",
"312001011_15": "「精神的な負荷は、療養で癒えたはずですが……、\\n まさか、さらなる呪いの脅威が……」",
"312001011_16": "「それは平気。でも、マリッジブルーが\\n 切ちゃんの中で黒歴史認定されたみたいで……」",
"312001011_17": "「わたしたちも、敵の影響で『結婚』に怯えていたんだっけ」",
"312001011_18": "「酷く気が滅入っていて……、\\n 確かに、あまり思い出したくはないわね」",
"312001011_19": "「思い返すと、なんだかとっても恥ずかしいデス……」",
"312001011_20": "「そんなこともあるよ」",
"312001011_21": "「アハハッ。今思えば、結婚なんてするわけないのに、\\n なに言ってんだかー、って感じだよね」",
"312001011_22": "「バカッ! こっちがどれだけ心配して……」",
"312001011_23": "「うれしいなあッ!\\n そんなにいっぱい心配してくれたんだッ」",
"312001011_24": "「……ば、バカッ<speed=0.5></speed>\\n もう、嫁でもなんでもいっちまえーッ」",
"312001011_25": "「そ、そんなーッ!?」",
"312001011_26": "「……そういえば、\\n 今回の事件、つだけわからないことがあるの」",
"312001011_27": "「わからないこと?」",
"312001011_28": "「ええ。わたしたちがモデルさんと再会した時、\\n 彼女の頬に涙が伝うのを見たんだけれど」",
"312001011_29": "「あの涙の意味はなんだったのかしら?」",
"312001011_30": "「哲学兵装に捕らわれ薄れる意識の中、\\n 哲学兵装への拒絶反応、あるいは、それを纏う悲しみ――」",
"312001011_31": "「彼女の心情により、涙が頬を伝ったものと推察できます」",
"312001011_32": "「あるいは、哲学兵装の葛藤――」",
"312001011_33": "「叶わなかったウェディングへの未練や、不幸の悲しみが、\\n 肉体を得て、涙として発現したものかもしれません」",
"312001011_34": "「……そう。\\n どのみち、明るい話じゃないのは確かね」",
"312001011_35": "「でも、その悲しみは、\\n どっちもマリアが救った悲しみデス」",
"312001011_36": "「モデルさんも、呪いのウェディングドレスも、\\n マリアの手渡した幸せで救われた」",
"312001011_37": "「……」",
"312001011_38": "「そうねッ!」",
"312001011_39": "「ところで、\\n あの時、他に彼女の涙を目にした者は」",
"312001011_40": "「わたしは見てません。\\n ……響はどうだった」",
"312001011_41": "「わたしもその時近くにいたんだけど、\\n 涙を流すところは見てないんだよね……」",
"312001011_42": "「アタシもそんな風には見えなかったデス」",
"312001011_43": "「あたしたちの位置からは、よく見えなかったな」",
"312001011_44": "「ということは、だれも見ていない……?」",
"312001011_45": "「まさか。\\n だって、あんなにハッキリと大粒の涙を……」",
"312001011_46": "「……余計に謎を深めてしまったな」",
"312001011_47": "「強いて言うなら、マリアさんにだけ感知できる、\\n 特異な現象が起きていた可能性はありますね」",
"312001011_48": "「……そういえば、今回のマリアはとびきり強かったデスね」",
"312001011_49": "「言われてみるとそうだな」",
"312001011_50": "「敵と何度も戦って、打たれ強さがあった」",
"312001011_51": "「そうだったかしら?」",
"312001011_52": "「でも、向かい来る敵を前に、立ち上がるのは当然のことだわ」",
"312001011_53": "「さすがマリア」",
"312001011_54": "「かっこいいデスッ!」",
"312001011_55": "「その件については、マリアさんの場合……」",
"312001011_56": "「ウェディングへの憧れが人1倍強いことから、\\n 得られる幸福感がひときわ高かったのだと仮定しています」",
"312001011_57": "「……えッ?」",
"312001011_58": "「そんなに憧れてたんですか……」",
"312001011_59": "「今回の戦闘における耐久度からして、\\n 響さんのおよそ倍ほど……」",
"312001011_60": "「3倍結婚したかったんだ……ッ!?」",
"312001011_61": "「あ……、そういうことだったんデスね」",
"312001011_62": "「えっと、あの……」",
"312001011_63": "「急に気を使わなくていいわよッ!」",
"312001011_64": "(みんながブーケを通じて授けてくれた幸福を胸に、\\n わたしたちは不幸に打ち勝つことができた",
"312001011_65": "(モデルさんを無事に保護し、\\n 呪いのウェディングドレスも無傷で回収――",
"312001011_66": "(けれど、わたしはこれで終われない――)",
"312001011_67": "(一度は引きずり降ろされた、あの戦場に――)",
"312001011_68": "(わたしは帰ってきた――ッ!)",
"312001011_69": "「すごい……。\\n これがマリア・カデンツァヴナ・イヴッ」",
"312001011_70": "「本当に同じドレスなのか?\\n 彼女の中で何が変わったっていうんだ」",
"312001011_71": "「最高を超えてきたか……」",
"312001011_72": "「ブライダル専門でやってきた俺だが、\\n こんな姿は、そうそうお目にかかれない」",
"312001011_73": "「よーく、目に焼き付けた方がいい」",
"312001011_74": "「これが『花嫁』だ――ッ!」",
"312001011_75": "「今日のあなたは、あの時とはまるで別人……。\\n 何か掴めたようですね」",
"312001011_76": "「ええ」",
"312001011_77": "「……わたしは、\\n ウェディングドレスは幸せの象徴だと思っていた」",
"312001011_78": "「華やかなドレスを纏い、幸せを手にする花嫁さん――。\\n 女の子なら、だれだって度は憧れるでしょ」",
"312001011_79": "「……」",
"312001011_80": "「ウェディングドレスを着れば、幸せがやってきて、\\n 花嫁さんを幸せにしてくれる――」",
"312001011_81": "「でも、それは間違っていた」",
"312001011_82": "「……そう。気付いたのね」",
"312001011_83": "「ええ」",
"312001011_84": "「ウェディングドレスは、幸せを掴もうと戦う花嫁の戦闘服。\\n 花嫁さんに、幸せを掴む勇気を与えてくれるもの」",
"312001011_85": "(わたしの纏う白銀と同じ。\\n そうよね、セレナ……",
"312001011_86": "「素晴らしい着こなしでした……」",
"312001011_87": "「ただ可憐なだけではなく、\\n 美しさの中に、幸せを掴みに挑む力強さを感じた」",
"312001011_88": "「あのドレスは、愛される者の愛らしさを前面にあしらったもの。\\n だからこそ、身に纏う花嫁は、同等の強さを持たねばならない」",
"312001011_89": "「愛されるだけでは、幸せはすぐにそっぽを向いてしまう。\\n 自ら飛び込み幸せを引き寄せる、力強い腕が必要だった」",
"312001011_90": "「ありがとう。ドレスの魅力をこんなに引き出してくれて。\\n あのドレスはあなたこそふさわしいわ」",
"312001011_91": "「……こちらこそ。\\n その言葉をもらい損ねたら、プロ失格だわ」",
"312001011_92": "「それから……、\\n もうひとつ、分かったことがあるの」",
"312001011_93": "「分かったこと?」",
"312001011_94": "「『呪いのウェディングドレス』のことよ。\\n わたしはあなたを誤解していたわ」",
"312001011_95": "「あなたは純粋に……、\\n あの『呪いのウェディングドレス』を愛しているのね」",
"312001011_96": "「そう……。\\n もうそこまでお見通しなのね」",
"312001011_97": "「なぜあなたが、あの曰くつきの品を持っていたの?\\n あの人に着せようとしたのはなぜ」",
"312001011_98": "「今度は教えてもらえるわよね?\\n 今のわたしなら、あなたの想いも理解できる」",
"312001011_99": "「……」",
"312001011_100": "「私があのドレスと出会ったのは、米国のとある博物館でした。\\n とってもチャーミングで、私はすぐに虜になった」",
"312001011_101": "「けれど、あのドレスは人々に蔑まれ、泣いているように見えた。\\n 少し耳をすませば、すぐに理由がわかったわ」",
"312001011_102": "「『近寄るだけで不幸が訪れる』だなんて、\\n 非科学的な……、ただの噂――」",
"312001011_103": "「まわりはあのドレスを『呪いのウェディングドレス』と呼んだ。\\n 私はそれが、どうしても許せなかった」",
"312001011_104": "「……」",
"312001011_105": "「だって、悲しいじゃない。\\n 『人を幸せにできないウェディングドレス』だなんて」",
"312001011_106": "「……あなた、そんなにもあのドレスのことを……」",
"312001011_107": "「……私も、結婚を前に愛する人を失って、\\n 結婚式を挙げることができなかったの」",
"312001011_108": "「いつの間にかあのドレスの話に、自分を重ねていたのね」",
"312001011_109": "「もし、あの時着られなかった私のウェディングドレスが、\\n 『呪われてる』と言われたら――」",
"312001011_110": "「そう考えると、胸が苦しくて、悔しくて、\\n とてもいたたまれなかった……ッ」",
"312001011_111": "「じゃあ、あのモデルさんにモデルを依頼したのは……」",
"312001011_112": "「全ては私のワガママです。\\n あのドレスが、花嫁と幸せを掴む姿を見てみたかった……」",
"312001011_113": "「じゃあ、その姿ッ!\\n 私がお見せしちゃいますね」",
"312001011_114": "「愛子さん……ッ、あなた、そのドレスは……ッ!?」",
"312001011_115": "「あのウェディングドレス?\\n どうして……」",
"312001011_116": "「S.O.N.G.が研究対象として保管することになったが、\\n 移送については『なぜか、明日』となったそうだ」",
"312001011_117": "「翼……ッ!?」",
"312001011_118": "「ごめんなさい。私が無理を言ってしまったんです」",
"312001011_119": "「あなた、あんな目にあった後なのよ?\\n どうしてそんな……」",
"312001011_120": "「だって、絶対に幸せになるって、このドレスに誓いましたから」",
"312001011_121": "「……えッ?」",
"312001011_122": "「あなたが私に教えてくれたから」",
"312001011_123": "「結婚の不安を抱えていた私に、\\n ウェディングドレスの本当の意味をッ」",
"312001011_124": "「……わたしが?」",
"312001011_125": "「私は絶対に幸せを掴んでみせますから、\\n もう『呪いのウェディングドレス』なんて呼ばせませんよ」",
"312001011_126": "「今日からこのドレスは、\\n 『幸福のウェディングドレス』ですッ」",
"312001011_127": "「……幸福のウェディングドレス」",
"312001011_128": "「ありがとう……、愛子さん……。\\n 私の願いをかなえてくれて」",
"312001011_129": "「本当に……、ありがとう……」",
"312001011_130": "「……たくましいな。花嫁というものは」",
"312001011_131": "「……ええ」",
"312001011_132": "(嬉しい……。わたしがみんなと繋げたんだ。\\n この大きな幸せを……ッ",
"312001011_133": "『ありがとう――』",
"312001011_134": "「……今の声は……ッ?」",
"312001011_135": "『花嫁の幸せを後押しする――、\\n 私の役目が、これでようやく果たせる……』",
"312001011_136": "「そうか。あの時泣いていたのは……」",
"312001011_137": "「どうかしたか?」",
"312001011_138": "「……ううん。\\n ただ、幸せを感じただけよ」"
}
{}

View File

@ -1,86 +1 @@
{
"312001111_0": "ふたりのしあわせ",
"312001111_1": "「お疲れ様」",
"312001111_2": "「お疲れ様でしたーッ!」",
"312001111_3": "「……待たせたわね。\\n これでモデル仕事も任務も、無事完了よ」",
"312001111_4": "「ああ。\\n これでデザイナーへの疑いも晴れ、綺麗に片がついたな」",
"312001111_5": "「しかし……、遅いな。\\n 連絡も無しに、どこかで迷っているんだろうか……」",
"312001111_6": "「何のこと?」",
"312001111_7": "「こ、こちらの話だ」",
"312001111_8": "「大変です――ッ!\\n 幸谷さんが……、あの……、あのッ」",
"312001111_9": "「どうしたの?」",
"312001111_10": "「それは、私が直接お伝えします」",
"312001111_11": "(ま、まさか、また撮り直しに……?)",
"312001111_12": "「さっきあなたが見せてくれた輝きを、\\n 今度はランウェイで見せてもらえないかしら」",
"312001111_13": "「わたしがランウェイに?」",
"312001111_14": "「新作コレクションの発表会ですよッ!\\n 指名されるなんて、すごいことですッ」",
"312001111_15": "「実は、着こなせるモデルが見つからず、\\n 未発表となっていたドレスがあるのです」",
"312001111_16": "「これが、そのドレスのデザインです」",
"312001111_17": "「こ、これは……ッ!?」",
"312001111_18": "「う、嘘よこんなの……、可愛いすぎるッ!」",
"312001111_19": "(……今日のドレスの、更に上をいくというのッ!?)",
"312001111_20": "(こんな可愛さ、以前のわたしなら確実に着られていた。\\n ……だけど、今のわたしなら……ッ",
"312001111_21": "「そう。\\n これは、あなたにしか頼めない」",
"312001111_22": "「あなたの花嫁としての勇姿を、\\n もっとたくさんの人に見てもらいたいの」",
"312001111_23": "「新たな幸せに挑み、不安と戦う全ての花嫁に、\\n 勇気を与えてほしい」",
"312001111_24": "「……」",
"312001111_25": "「……フフッ、ずるいわ、そんなの」",
"312001111_26": "「この挑戦、引き受けてくれますか?」",
"312001111_27": "「ええ、分かったわ」",
"312001111_28": "「ウェディングドレスなら、わたしに任せなさい。\\n 世界一の花嫁になってみせるッ」",
"312001111_29": "「ありがとう。\\n それでは――」",
"312001111_30": "「そ、そんなッ!」",
"312001111_31": "「その声はッ!?」",
"312001111_32": "「姉さんが、花嫁さんに……ッ!?\\n 結婚して、お嫁にいっちゃうなんて……ッ」",
"312001111_33": "「ま、待ってセレナッ!\\n それは誤解よッ」",
"312001111_34": "「セレナ――ッ!」",
"312001111_35": "「……はあ、……ッ<speed=0.5>。</speed>\\n あの子、こんなに走るの……、速かったかしら……」",
"312001111_36": "「はあッ……、はあ……」",
"312001111_37": "「誤解なのよ。\\n わたしは……ッ」",
"312001111_38": "「……アハハッ!\\n そんなにギュッとされたら、苦しいよ」",
"312001111_39": "「せ、セレナ……?\\n あなた、もしかして……ッ」",
"312001111_40": "「姉さんに会いに、こっちの世界に来たのだけど、\\n 任務でモデルさんをしてるって聞いて、押しかけてきちゃった」",
"312001111_41": "「ちゃんと分かってるよ。\\n モデルのお仕事で、本当にお嫁にいくわけじゃないんだよね」",
"312001111_42": "「だから、そう言ってるじゃないッ!」",
"312001111_43": "「フフッ。ごめんなさい」",
"312001111_44": "「わたしがどんなに本気で走っても、\\n 姉さんがちゃんと追いかけてくれるから……」",
"312001111_45": "「なんだか嬉しくて……」",
"312001111_46": "「セレナ……」",
"312001111_47": "「もうッ、こんな意地悪、どこで覚えてきたの?」",
"312001111_48": "「でも、ちょっと寂しかったのもホント……」",
"312001111_49": "「……」",
"312001111_50": "「だけど、追いかけっこしてたら、なんだか楽しくて。\\n そんなのどうでもよくなっちゃった」",
"312001111_51": "「こんな追いかけっこをしたの、いつ以来かしら」",
"312001111_52": "「心配して、追いかけてくれる人がいるって、\\n とっても幸せだね」",
"312001111_53": "「……ええ、そうね」",
"312001111_54": "「姉さん、なにかあったの?」",
"312001111_55": "「えッ? どうしてそう思うの?」",
"312001111_56": "「抱きしめてくれた姉さんの腕が、\\n 前より少し、力強く感じたから」",
"312001111_57": "「……姉さんは、きっと幸せをたくさん追いかけて、\\n どんどん捕まえちゃうの」",
"312001111_58": "「それを見て、わたしもそうなろうって。\\n それだけで、どんどん強くなれる気がする」",
"312001111_59": "「……うれしいけれど、買い被りすぎよ。\\n わたしだって、そんなに器用じゃないわ」",
"312001111_60": "「それに、あなたを追いかけてくれる人も、\\n 追いかけたい大切な人も、たくさんいる」",
"312001111_61": "「人と人とが出会い、想いを繋げ、明日の幸せが巡ってくる」",
"312001111_62": "「今の2人が一緒にいるのも、偶然なんかじゃない。\\n この幸せは、みんなで手繰り寄せた必然なんだわ」",
"312001111_63": "「……そうだね」",
"312001111_64": "「わたしも、受け取った幸せをたくさん繋いでいきたい」",
"312001111_65": "「今ある幸せを大切にするためにも、\\n 幸せへは、自分から手を伸ばさないと――」",
"312001111_66": "「えッ、……この花束はッ!?」",
"312001111_67": "「ウェディングブーケ?\\n ……いったいどこからッ」",
"312001111_68": "「あら。次の花嫁さんは、可愛らしいお嬢さんね」",
"312001111_69": "「えッ、わたしが花嫁さんに……ッ!?」",
"312001111_70": "「フフッ、あなたもお幸せにね」",
"312001111_71": "「素敵な花嫁さんだったわね……。\\n 式場で撮影はしていたけど、本物は初めて見たわ」",
"312001111_72": "「これって、本当にわたしが花嫁さんになっちゃうのかな?」",
"312001111_73": "「なッ!? あ、あなたにはまだ早いわよッ!」",
"312001111_74": "「……でも、よかったわね。\\n 花嫁さんのブーケを受け取ると、幸せを分けてもらえるそうよ」",
"312001111_75": "「フフッ。\\n 早速つかみ損ねるわたしの腕も、まだまだね」",
"312001111_76": "「そっかあ。\\n 言ってるそばから、また幸せをもらっちゃったね」",
"312001111_77": "「……S.O.N.G.のみんなが教えてくれたのだけど、\\n ブーケは、人の想いを伝えてくれるんだよね」",
"312001111_78": "「ええ、そうね」",
"312001111_79": "「だったら、このブーケは半分こ。\\n わたしから、半分は姉さんに。幸せへの願いを込めて」",
"312001111_80": "「えッ?」",
"312001111_81": "「だって、わたしたちは姉妹だもの。\\n 幸せを分け合えれば、もっと幸せだよ」",
"312001111_82": "「……ありがとう」",
"312001111_83": "「今日は、たくさん話をしましょう。\\n あなたの感じた幸せ、わたしにたくさん聞かせてちょうだい」"
}
{}

View File

@ -61,7 +61,7 @@
"316000821_59": "「そう、ヴィマーナにはその力が必要だった」",
"316000821_60": "「あたしらまで利用されてたっていうのかよ?」",
"316000821_61": "「そういえば、\\n オートマシンがカルマイズを護ったのはなんでだ」",
"316000821_62": "「あの黒いノイズは、我々の世界における最大の脅威だった。\\n それを倒せる力となれば、政界の者なら彼に賛同するだろう」",
"316000821_62": "「あの黒いノイズは、我々の世界における最大の脅威だった。\\n それを倒せる力となれば、政界の者なら彼に賛同するだろう」",
"316000821_63": "「つまりそれも自演のためってわけか……、\\n カルマイズをぶっ倒して力を示すための」",
"316000821_64": "「ああ、そういう筋書きだろう」",
"316000821_65": "(オズワルド……、\\n 私は、そうは考えたくなかった……",

View File

@ -1 +1,37 @@
{}
{
"317000111_0": "赤い宝石と可愛い獣",
"317000111_1": "S.O.N.G.に呼ばれたから今日は遅くなる、か……。\\n 響が一緒じゃないと、寮までの道のりも遠く感じちゃうな",
"317000111_2": "(でも、響は装者の1人として頑張ってるんだから、\\n 仕方ないよね……",
"317000111_3": "「そうだッ! きっと疲れて帰ってくるだろうし、\\n 元気の出るものを作ろうかな」",
"317000111_4": "「たくさん食べるだろうから、\\n 多めに買って――」",
"317000111_5": "「きゃあッ!?」",
"317000111_6": "「うう……」",
"317000111_7": "「だ、大丈夫ですかッ!?\\n ……ッ」",
"317000111_8": "「怪我をしてるじゃないですかッ!\\n すぐに救急車を――」",
"317000111_9": "「私のことはいいから……、\\n あなたは早くここから離れて……ッ」",
"317000111_10": "「それはどういう――」",
"317000111_11": "「アルカ・ノイズッ!?」",
"317000111_12": "「くッ、もう追いついてきたのね……」",
"317000111_13": "「あなたは早く逃げてッ!\\n ここは私が……」",
"317000111_14": "「1人で逃げるなんてできませんッ!\\n 走れないなら、肩を貸しますからッ」",
"317000111_15": "「でも……」",
"317000111_16": "「こっちへ行けば抜けられるはずですッ!」",
"317000111_17": "「……ありがとう」",
"317000111_18": "(きっと響たちが助けに来てくれる。\\n それまでは、わたしがこの人を護らないとッ",
"317000111_19": "「頑張ってください。助けは呼びましたから、\\n きっともうすぐ来てくれますッ」",
"317000111_20": "「はぁ、はぁ……」",
"317000111_21": "(この怪我でこれ以上走るのは無理かもしれない。\\n こうなったら、わたしが背負って――",
"317000111_22": "「回り込まれたッ!?\\n こっちがダメなら、他の道を――」",
"317000111_23": "「ダメ、完全に囲まれてる……」",
"317000111_24": "「ここまでのようね……。\\n あなたを巻き込んでしまって、ごめんなさい……」",
"317000111_25": "「謝らないでください。まだ諦めたらダメですッ!」",
"317000111_26": "(わたしにも響たちのように戦う力があれば、\\n この人を護ることができるのに……",
"317000111_27": "「わたしには、護れないの……?」",
"317000111_28": "「はあああああ――ッ!」",
"317000111_29": "「響――ッ!」",
"317000111_30": "「おまたせ、未来ッ!\\n もう大丈夫だから、任せてッ」",
"317000111_31": "「うんッ!」",
"317000111_32": "「このバカ、いくら心配だからって\\n 人で突っ走り過ぎだッ」",
"317000111_33": "「アルカ・ノイズの相手はわたしたちがするッ!\\n 小日向は怪我人を連れて離れていてくれ」",
"317000111_34": "「はいッ!」"
}

View File

@ -1 +1,40 @@
{}
{
"317000112_0": "「ったく、どこのどいつだ、\\n アルカ・イズを呼び出したのはッ」",
"317000112_1": "「クリスちゃん、後ろッ!」",
"317000112_2": "「ああ、悪いッ!\\n こっちはあたしが……ッ」",
"317000112_3": "「これで最後だ。\\n ……斬り捨てるッ」",
"317000112_4": "「ふう、片付いたな」",
"317000112_5": "「うんッ! もう大丈夫ッ!」",
"317000112_6": "「あの子たちは……」",
"317000112_7": "「頼りになる友だちです。\\n みんながいますから、もう大丈夫ですよ」",
"317000112_8": "「いいえ、まだ彼女が近くに……」",
"317000112_9": "「え? 今なんて……」",
"317000112_10": "「くッ……、はぁ、はぁ……」",
"317000112_11": "「だ、大丈夫ですかッ!?\\n いま応急手当をしますから……ッ」",
"317000112_12": "「……あなたにお願いがあるの……。\\n この子を……護って……」",
"317000112_13": "「これは……、宝石?」",
"317000112_14": "「……」",
"317000112_15": "「あ、あの、大丈夫ですかッ!?\\n 返事をしてくださいッ」",
"317000112_16": "「おい、どうしたんだッ!?」",
"317000112_17": "「この人、怪我をしてて、\\n それで返事がなくてッ」",
"317000112_18": "「……気を失っているだけのようだ。S.O.N.G.の救護が\\n 到着するまで、安静にしておいた方がいいだろう」",
"317000112_19": "「そうですか……。よかった……」",
"317000112_20": "「未来のおかげだよ。きっとよくなるから大丈夫ッ!\\n あれ…… 手に持ってるのって……」",
"317000112_21": "「あ、そういえばこれ……」",
"317000112_22": "「赤い宝石か? なんでそんなものがあるんだ?」",
"317000112_23": "「この人に渡されたの。\\n でも、これが何か聞く前に気を失っちゃって……」",
"317000112_24": "「キラキラ光ってて、きれいな宝石だねッ!」",
"317000112_25": "「うん、本当に……」",
"317000112_26": "「――きゃあッ!?」",
"317000112_27": "「宝石が光をッ!?\\n 何が起こっているんだ……」",
"317000112_28": "「お、おいッ!\\n おまけにどんどん光が強くなってるぞッ」",
"317000112_29": "「危ない物かも……ッ!\\n 未来、宝石から離れてッ」",
"317000112_30": "(なんだろう、嫌な感じがしない……。\\n この光はとても暖かいような……",
"317000112_31": "「お、おい、何やってんだッ!\\n 早く離さないと――」",
"317000112_32": "「待って、宝石が動いてる。\\n ……ううん、形が変わってるッ」",
"317000112_33": "「ええッ!?」",
"317000112_34": "「見ろ、光が収まってきた。\\n  あれは……」",
"317000112_35": "「キューッ!」",
"317000112_36": "「ええッ!?」",
"317000112_37": "「何、この子……?」"
}

View File

@ -1 +1,29 @@
{}
{
"317000121_0": "「キュイキュイッ!」",
"317000121_1": "「……ネコ? いや、ウサギか……?」",
"317000121_2": "「どっちも違うような……。\\n それより、さっきの宝石が無くなってるぞッ」",
"317000121_3": "「ホントだ、どこにも無いッ!\\n ……まさか、その子が食べちゃったとか」",
"317000121_4": "「ううん。たぶん、あの宝石がこの子になったんだよ。\\n ほら、おでこのところを見て」",
"317000121_5": "「キュ?」",
"317000121_6": "「……あッ、さっきの宝石がくっついてる」",
"317000121_7": "「はあッ!? 宝石が変身した?\\n そんなのが普通の生き物のわけがないよな……」",
"317000121_8": "「ああ。おそらく聖遺物か哲学兵装か。\\n いずれにしても……」",
"317000121_9": "「キュイーッ!」",
"317000121_10": "「きゃあッ!」",
"317000121_11": "「未来、大丈夫ッ!?」",
"317000121_12": "「アハハ、もう、くすぐったいよ。\\n こら、ほっぺたなめないでッ」",
"317000121_13": "「なんか、普通にじゃれついてるな。\\n 今のところ危険は無さそうだ……」",
"317000121_14": "「そのようだな。むしろ……」",
"317000121_15": "「すっごく可愛いッ! ねえ、わたしにも触らせてッ!」",
"317000121_16": "「……」",
"317000121_17": "「あれ? 避けられた……」",
"317000121_18": "「キュッ!」",
"317000121_19": "「あ、待ってッ!」",
"317000121_20": "「逃げちゃったッ!」",
"317000121_21": "「まずいぞ、聖遺物か哲学兵装かもしれないんだろッ!?」",
"317000121_22": "「とにかく、追いかけようッ!」",
"317000121_23": "「うんッ!」",
"317000121_24": "「ま、待て……ッ!\\n ……人とも行ってしまったか……」",
"317000121_25": "「仕方ない。わたしはこの女性を見ているとしよう」",
"317000121_26": "「……アルカ・ノイズに襲われていた女性と、\\n 動物に変化する宝石か。一体何が起こっているんだ……」"
}

View File

@ -1 +1,89 @@
{}
{
"317000211_0": "宝石を追う者",
"317000211_1": "「おーいッ! 出ておいでーッ!」",
"317000211_2": "「はぁ、見当たらないね。\\n こっちのほうに来たはずなんだけど……」",
"317000211_3": "「誰かに見つかったら大騒ぎになるかもしれないから、\\n 早く見つけるぞ」",
"317000211_4": "「ねえねえ、明日ふらわーに行かない?」",
"317000211_5": "「賛成ッ!」",
"317000211_6": "「ナイスな提案ですわ。最近行っていませんでしたし……」",
"317000211_7": "「あら? 今何か通ったような……」",
"317000211_8": "「なになにッ!? 猫?」",
"317000211_9": "「猫でも犬でもないような気がしましたけど……」",
"317000211_10": "「えー? アニメじゃないんだから、\\n そんな生き物がこんなところにいる訳が……」",
"317000211_11": "「キュキュ?」",
"317000211_12": "「ね、ねえ……、アレって……」",
"317000211_13": "「あの子ですわッ! やっぱり、猫じゃないみたいです」",
"317000211_14": "「すごいすごいッ! ねえ、もっと近くで見てみようよ」",
"317000211_15": "「よーし、そーっと、そーっと……」",
"317000211_16": "「キュッ!?」",
"317000211_17": "「ああ、待ってーッ!」",
"317000211_18": "「あれ? ビッキーとヒナだッ!\\n 珍しいところで会うね」",
"317000211_19": "「ちょっと探し物をしてて……。\\n 人はどうしたの」",
"317000211_20": "「新種の動物を見つけたのッ!\\n こっちのほうに来たはずなんだけど……」",
"317000211_21": "「……ッ!」",
"317000211_22": "「ふわふわで可愛い動物だったんですよ」",
"317000211_23": "「ねえ、ビッキーたちは見なかった?」",
"317000211_24": "「えッ!? えーっと……」",
"317000211_25": "「そ、そいつなら、公園の外に出て行ったぞッ!」",
"317000211_26": "「大変、すぐに追いかけないと逃げられちゃうッ!」",
"317000211_27": "「じゃあ、またねッ!」",
"317000211_28": "「ありがとうございました」",
"317000211_29": "「ふーッ、ありがとうクリスちゃん」",
"317000211_30": "「とっさにあんなこと言って、悪いことしたな……」",
"317000211_31": "「見つかったら騒ぎになっちゃうし、しょうがないよ」",
"317000211_32": "「そうだね。もっといろんな人に見つかっちゃう前に、\\n 早く探さないと……」",
"317000211_33": "「キュー……」",
"317000211_34": "「いたーッ!」",
"317000211_35": "「茂みの中に隠れてたのか」",
"317000211_36": "「よーし、わたしが捕まえてくるッ!」",
"317000211_37": "「待って。この子、怯えてるみたい。\\n わたしに任せてくれない」",
"317000211_38": "「う、うん……」",
"317000211_39": "「さっきはびっくりさせちゃってごめんね?」",
"317000211_40": "「いきなり知らない人に追いかけられたから、\\n 怖くなって逃げちゃったんだよね」",
"317000211_41": "「キュキュー……」",
"317000211_42": "「あなたを運んでいた人は怪我をしちゃったけど、\\n きっとまた元気になるから大丈夫だよ」",
"317000211_43": "「キュー?」",
"317000211_44": "「あの人にお願いされたの。あなたを護ってって。\\n だからお願い、わたしを信じてくれないかな」",
"317000211_45": "「キュ、キューッ!」",
"317000211_46": "「キュー、キューッ!」",
"317000211_47": "「フフ、信じてくれてありがとう」",
"317000211_48": "「うわー、すごい……」",
"317000211_49": "「キューッ!」",
"317000211_50": "「え? どうしたの?」",
"317000211_51": "「おでこの宝石を……、未来のおでこにくっつけてる?」",
"317000211_52": "「何か伝えたいみたいだけど、しゃべれないもんな。\\n その行動はどんな意味があるんだ」",
"317000211_53": "「わからないけど……、なんだか嬉しい感じがする」",
"317000211_54": "「きっと『あの女の人を助けてくれてありがとう』だよッ!」",
"317000211_55": "「キューッ! キューッ!」",
"317000211_56": "「本当にそうなの? フフ、どういたしまして。\\n わたしは必死に逃げていただけだけど……」",
"317000211_57": "「詳しい話は、とりあえずS.O.N.G.に連れていって\\n からにするか」",
"317000211_58": "「うん。どうして宝石がモフモフに変身したのか、\\n 調べてもらわないとね」",
"317000211_59": "「そうはいかないわ」",
"317000211_60": "「誰ッ!? そうはいかないって、どういう……」",
"317000211_61": "「カーバンクルは渡してもらうわよ」",
"317000211_62": "「こ、この人、さっきの……、\\n ううん、すごく似てるけど、なんだか雰囲気が……」",
"317000211_63": "「ああ。別人だけど、無関係ってわけじゃなさそうだな」",
"317000211_64": "「あの、カーバンクルって……?」",
"317000211_65": "「まさか、コイツのことか?」",
"317000211_66": "「キュー?」",
"317000211_67": "「渡してもらうって……、この子をどうするつもりですか?」",
"317000211_68": "「あなたたちとのんびり話をしている暇はないのよ。\\n 悪いけど、力づくで奪わせてもらうわッ」",
"317000211_69": "「……」",
"317000211_70": "「あの服……、まさか錬金術師ッ!?」",
"317000211_71": "「じゃあ、アルカ・ノイズを使って\\n あの人を襲わせたのはお前たちかッ」",
"317000211_72": "「……やりなさい」",
"317000211_73": "「ああ」",
"317000211_74": "「問答無用かよッ!」",
"317000211_75": "「なんで戦わなくちゃいけないんですかッ!\\n 事情があるなら、まずは話を聞かせてくださいッ」",
"317000211_76": "「向こうはそんなつもりないみたいだぞ。\\n 話はアルカ・イズを全部倒してからにしろッ」",
"317000211_77": "「う、うん……」",
"317000211_78": "「Killter Ichaival tron――」",
"317000211_79": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」",
"317000211_80": "「な……変身したッ!?」",
"317000211_81": "「なんだ、その姿はッ!」",
"317000211_82": "「ハッ、ただの人間だと思ったら大間違いだッ!」",
"317000211_83": "「フン、余計に生かして帰すわけにはいかなくなったわ」",
"317000211_84": "「未来はどこかに隠れてて。\\n すぐにやっつけるからッ」",
"317000211_85": "「う、うん……」",
"317000211_86": "「行くぞッ!」"
}

View File

@ -1 +1,33 @@
{}
{
"317000212_0": "「はあああ――ッ!」",
"317000212_1": "「吹き飛べ――ッ!」",
"317000212_2": "「くッ、なんなんだこいつらはッ!」",
"317000212_3": "「追加だッ! どんどん追加しろッ!」",
"317000212_4": "「チッ、次から次へとッ!」",
"317000212_5": "「でも、負けないッ!」",
"317000212_6": "「ああ、当たり前だッ!」",
"317000212_7": "(2人とも、一生懸命戦ってる……。\\n なのに、わたしは見ていることしかできないなんて……",
"317000212_8": "(わたしにできることは、本当にないの……?)",
"317000212_9": "「キュー……」",
"317000212_10": "(……わたしはせめて、この子を護りきらないと。\\n あの人にお願いされたんだから……",
"317000212_11": "「大丈夫だよ。2人はとっても強いから、心配しないで」",
"317000212_12": "「キュイッ!?」",
"317000212_13": "「こんなところに隠れていたのね。\\n さあ、それは返してもらうわッ」",
"317000212_14": "「……ッ!」",
"317000212_15": "(銃ッ!? ダメ、撃たれる……ッ!)",
"317000212_16": "「キュ――ッ!」",
"317000212_17": "「キュウッ!」",
"317000212_18": "「何ッ!?\\n カーバンクルが、ただの人間をかばうなんて……」",
"317000212_19": "「そんな……」",
"317000212_20": "「……」",
"317000212_21": "「だ、大丈夫ッ!? しっかりしてッ!」",
"317000212_22": "「ごめんね、わたしのせいで……。\\n 護るって言ったのに……」",
"317000212_23": "「さあ、死にたくなければその子を引き渡しなさい」",
"317000212_24": "「イヤですッ!\\n この子は絶対に渡しませんッ」",
"317000212_25": "「そう……。\\n そんなに死にたいなら仕方がないわね」",
"317000212_26": "「……ッ!」",
"317000212_27": "「はあ――ッ!」",
"317000212_28": "「……くッ、新手かッ!」",
"317000212_29": "「遅くなったッ!」",
"317000212_30": "「助太刀に来たわよッ!」"
}

View File

@ -1 +1,17 @@
{}
{
"317000221_0": "「アタシたちも参戦デースッ!」",
"317000221_1": "「殲滅する……ッ!」",
"317000221_2": "(この反応……。フフ、面白い)",
"317000221_3": "「くそッ! 形勢不利だッ!」",
"317000221_4": "「……いいわ、退きましょう」",
"317000221_5": "「いいのかッ!? カーバンクルを奪われてしまうぞッ!」",
"317000221_6": "「ええ。私に考えがあるの。\\n ここは大人しく従いなさい」",
"317000221_7": "「あ、ああ……」",
"317000221_8": "「簡単に逃がすと思っているの?\\n あなたには聞きたいことが山程あるのよッ」",
"317000221_9": "「もうアルカ・ノイズはほとんど片付けたッ!」",
"317000221_10": "「なら……、次はこれが相手よッ!」",
"317000221_11": "「見たことないアルカ・ノイズが出てきたデスよッ!」",
"317000221_12": "「キラキラしてて、宝石みたい……」",
"317000221_13": "「見とれている場合ではない……ッ!\\n すぐに撃破して、奴らを確保するぞ」",
"317000221_14": "「ええ。幸い敵は少数だわ。\\n 速攻で倒すわよッ」"
}

View File

@ -1 +1,35 @@
{}
{
"317000222_0": "「はッ!」",
"317000222_1": "「やあッ!」",
"317000222_2": "「なんという堅さだ……ッ!」",
"317000222_3": "「こっちの攻撃が全然効いてないッ!?」",
"317000222_4": "「それなら……、一点集中で撃破するぞッ!」",
"317000222_5": "「了解デスッ!」",
"317000222_6": "「合わせますッ!」",
"317000222_7": "「行くわよッ!」",
"317000222_8": "「はああああ――ッ!」",
"317000222_9": "「やああああ――ッ!」",
"317000222_10": "「……なんとか倒せたわね」",
"317000222_11": "「うん。でも……」",
"317000222_12": "「あの錬金術師たちには逃げられちゃったデスね……」",
"317000222_13": "「それより、未来はッ!?」",
"317000222_14": "「大丈夫?」",
"317000222_15": "「ありがとう、わたしは大丈夫。\\n でも、この子がわたしをかばって……」",
"317000222_16": "「……」",
"317000222_17": "「カーバンクルか……。お前に懐いていたもんな……」",
"317000222_18": "「キュッ! キューッ!」",
"317000222_19": "「ええッ!? きゃッ!」",
"317000222_20": "「キューイッ!」",
"317000222_21": "「よかった……、元気みたいだね」",
"317000222_22": "「幸い、弾はかすった程度だったようだな」",
"317000222_23": "「ったく、ひやひやさせやがって……」",
"317000222_24": "「お前たち、怪我は無かったか?」",
"317000222_25": "「師匠ッ!」",
"317000222_26": "「ええ、大した負傷は無いわ」",
"317000222_27": "「それはよかったです」",
"317000222_28": "「未来くんが救ってくれたという女性も無事だ。\\n まだ意識は戻っていないが、じきに目を覚ますだろう」",
"317000222_29": "「そうですか……」",
"317000222_30": "「キューン?」",
"317000222_31": "「……確認しなければならないことがたくさんあるようだな。\\n それに、休息も必要だ」",
"317000222_32": "「詳しい話は、本部に戻ってから聞くとしよう」"
}

View File

@ -1 +1,119 @@
{}
{
"317000311_0": "カーバンクルの宝珠",
"317000311_1": "「皆、まずはご苦労だった」",
"317000311_2": "「さて、1つ目だが、先ほど保護した女性に関して、\\n 未だ意識は戻っていない」",
"317000311_3": "「ですが、傷は命に関わるほどのものでは\\n ありませんので安心してください」",
"317000311_4": "「ひとまず回復するまでは、\\n S.O.N.G.で彼女を保護することにした」",
"317000311_5": "「彼女の素性はわかったのかしら?」",
"317000311_6": "「残念ながら身元が判明するようなものを持っていなくてな。\\n 現時点では、敵か味方かも判断できない」",
"317000311_7": "「意識が回復し次第、アルカ・ノイズに襲われていた\\n 理由など、詳しい事情を聞くことになるだろう」",
"317000311_8": "「そして、2つ目の問題がそれだな……」",
"317000311_9": "「キュー?」",
"317000311_10": "「その女性から手渡され、動物型に変化した宝石についてだ」",
"317000311_11": "「結論から言うと、正体は完全聖遺物だと判明しました」",
"317000311_12": "「やはり、そうだったか……」",
"317000311_13": "「名前は『カーバンクルの宝珠』です。敵の発言と、\\n 古い記録を照らし合わせ、判明しました」",
"317000311_14": "「カーバンクルの宝珠……」",
"317000311_15": "「とても完全聖遺物には見えないけどな」",
"317000311_16": "「こんなに可愛い聖遺物なんてあるんデスねー」",
"317000311_17": "「うん、今まで見てきたものと全然違う」",
"317000311_18": "「それで、そのカーバンクルの宝珠はどういう聖遺物なんだ?」",
"317000311_19": "「伝説では、カーバンクルは額に真紅の宝石を持った生き物で、\\n その宝石を手に入れた者は、富と名声を得ると伝えられています」",
"317000311_20": "「その姿は伝承によって様々に伝えられています。\\n 犬やリス、さらには竜のような姿など、諸説あるようです」",
"317000311_21": "「しかし、詳細な記録は残っておらず、\\n 残念ながら聖遺物としての特性はほとんどわかっていません」",
"317000311_22": "「確かなのは、自律型の聖遺物であるということくらいです」",
"317000311_23": "「自律型……ネフィリムと同じような特性ということね」",
"317000311_24": "「そうですね。その他の特性については、\\n 引き続き調査が必要です」",
"317000311_25": "「3つ目の問題が、お前たちを襲ったという\\n 錬金術師たちと謎の女性のことだ」",
"317000311_26": "「アイツら、見たことないアルカ・ノイズを出していたな」",
"317000311_27": "「普通のより堅いし鋭いし、すごく強かったデス……」",
"317000311_28": "「体の一部が宝石のように硬質化しているみたいだった……」",
"317000311_29": "「以前戦ったスピード特化型アルカ・ノイズのように、\\n 特別な改造を加えた個体だと推測されます」",
"317000311_30": "「便宜上『ジュエル型アルカ・ノイズ』と呼ぶことにします。\\n こちらも、詳しい調査が必要です」",
"317000311_31": "「ああ、敵は目的を達成していない以上、\\n 必ずまた攻撃を仕掛けてくるだろう」",
"317000311_32": "「ジュエル型アルカ・ノイズへの対策は必須だ」",
"317000311_33": "「カーバンクルはこの本部内で保護し、敵の襲撃に\\n 備えたいのだが……、 最後に最大の問題がある……」",
"317000311_34": "「キューッ! キュキュ」",
"317000311_35": "「えっと……、わたしですか……?」",
"317000311_36": "「フフ、カーバンクルちゃん、未来から絶対\\n 離れようとしないんだね」",
"317000311_37": "「確かに、ものすごい懐きようだよな」",
"317000311_38": "「笑い事じゃないよ……。 ものすごく懐いてて、\\n 絶対離れようとしないし、離そうとすると暴れるし……」",
"317000311_39": "「どうしたものかしら……」",
"317000311_40": "「まるで動物のように感情のある聖遺物なんて……、驚きです。\\n 銃から護ったというのも、通常では考えられません」",
"317000311_41": "「キュキューッ!」",
"317000311_42": "「わッ! もう……。ほら、ここにいるから大丈夫だよ」",
"317000311_43": "「未来、その子のお母さんみたいだね」",
"317000311_44": "「ええッ!? わたしがお母さん?」",
"317000311_45": "「ということは、お父さんは……」",
"317000311_46": "「そんなの1人しかいないデスよッ!」",
"317000311_47": "「わ、わたしッ!?」",
"317000311_48": "「そりゃそうだろ……」",
"317000311_49": "「こんなに可愛い子のお父さんだったら嬉しいかもッ!」",
"317000311_50": "「……」",
"317000311_51": "「ほーら、おいでー。お父さんだよー」",
"317000311_52": "「キュキュッ!」",
"317000311_53": "「……あれ? 今、手を避けた?\\n こ、怖くないよー、未来とは大親友で――」",
"317000311_54": "「フーッ! キューッ!」",
"317000311_55": "「うわ、噛まれたッ!?」",
"317000311_56": "「大丈夫ッ!?」",
"317000311_57": "「フーフーッ! キュキュキュッ!」",
"317000311_58": "「い、い……あれ、痛くない?\\n ぷにぷにってしてて、くすぐったいかも」",
"317000311_59": "「ふぅ、よかった……。\\n ダメでしょ、人を噛んだりしたら」",
"317000311_60": "「キュゥ……」",
"317000311_61": "「未来さん以外には懐かないんでしょうか」",
"317000311_62": "「でも、アタシたちには触らせてくれるデスよ?」",
"317000311_63": "「ふわふわ、もこもこ……気持ちいい」",
"317000311_64": "「キュイキュイ」",
"317000311_65": "「動物に嫌われるタイプなんじゃないのか?」",
"317000311_66": "「ええッ!? そんなことないよッ!」",
"317000311_67": "「きっと嫉妬してるんデスよ。\\n 人の関係を動物的な勘で察したに違いないデス」",
"317000311_68": "「動物にもわかる仲の良さ。\\n お母さんを取られるかもしれないって思ったのかも」",
"317000311_69": "「そんな、わたしだけ触れられないなんて……」",
"317000311_70": "「ううむ……。カーバンクルのみ保護しようにもこれでは無理だ。\\n 下手に拘束し、暴れられても困るからな」",
"317000311_71": "「感情がある以上、ストレスを与えてしまうと\\n 何が起こるかわかりません」",
"317000311_72": "「そこで、未来くんに提案がある。当面の間、\\n カーバンクルとともにここで生活をしてもらえないだろうか」",
"317000311_73": "「君は一般人だ、無理強いすることは出来ないが……」",
"317000311_74": "「やりますッ! わたしにも、協力させてくださいッ!」",
"317000311_75": "「……いいのか?」",
"317000311_76": "「わたしはこの子を護ってあげたい。\\n でも、結局護られたのはわたしのほうです……」",
"317000311_77": "「だから、今度こそ、わたしはこの子を護りたいッ!」",
"317000311_78": "「力の無いわたしでも、きっとやれることはあるから。\\n できることをできる限りやりたいんですッ」",
"317000311_79": "「せめて、あの人が目覚めて、この子の帰る場所が\\n わかるまでの期間だけでも……」",
"317000311_80": "「ああ、ありがとう」",
"317000311_81": "「それなら、わたしもここに泊まりますッ!\\n 未来人でなんて――」",
"317000311_82": "「シャーッ!」",
"317000311_83": "「完全に嫌われちゃってるみたいね……」",
"317000311_84": "「これでは、一緒に生活することは無理そうだな……」",
"317000311_85": "「響……」",
"317000311_86": "「未来……」",
"317000311_87": "「ごめんね。でも、わたしのことを護ってくれた\\n この子のためにも、わたしも役に立ちたいの」",
"317000311_88": "「うん、未来の気持ちはわかってるよ。\\n でも、人だと寂しいよね……」",
"317000311_89": "「それは、うん……」",
"317000311_90": "(いつも響と一緒だったもんね。\\n でも、今回は……",
"317000311_91": "「……」",
"317000311_92": "「大丈夫、わたしは――」",
"317000311_93": "「ちょっと待て」",
"317000311_94": "「クリス……?」",
"317000311_95": "「あたしもここに泊まる。おっさん、構わないだろ?\\n 敵が攻めてきてもすぐに対応できた方がいいしな」",
"317000311_96": "「もちろん構わない。\\n 協力してくれるというなら、こちらとしても助かる」",
"317000311_97": "「でも、本当にいいの?」",
"317000311_98": "「世話はやってくれよ。\\n あたしはそいつが変なことしないように見張るだけだ」",
"317000311_99": "「うん、ありがとうッ!」",
"317000311_100": "「では、正式に要請させてくれ。\\n 両名にカーバンクルの宝珠の護衛任務を頼む」",
"317000311_101": "「はいッ!」",
"317000311_102": "「任せとけってッ!」",
"317000311_103": "「それでは、宿泊用の設備の用意をしておこう。\\n 人は一度帰って荷物を取ってきてくれ」",
"317000311_104": "「未来の荷物はわたしが持ってくるね。\\n それにしても、いいなあ……。クリスちゃんだけずるい……」",
"317000311_105": "「一緒に泊まりたかったらカーバンクルに好かれないとな」",
"317000311_106": "「よーしッ! 撫でてあげるッ! だから……」",
"317000311_107": "「フーッ!」",
"317000311_108": "「ダメみたいだな……」",
"317000311_109": "「うう……、今は諦めるよ……」",
"317000311_110": "「わたしがいないからって夜更かししちゃダメだよ?\\n ちゃんと寝る前は歯を磨いて、あとそれから……」",
"317000311_111": "「そうそう、寂しかったらメールして。\\n わたしもちゃんと返すからね」",
"317000311_112": "「うん、わかった……。\\n いっぱいメールしちゃうと思うけど、いいかな」",
"317000311_113": "「うん、もちろんだよ」",
"317000311_114": "「じゃあ、離れ離れになる前に\\n 未来の温もりを――」",
"317000311_115": "「シャーッ!」",
"317000311_116": "「それもさせてくれないのッ!?」"
}

View File

@ -1 +1,137 @@
{}
{
"317000321_0": "「よっと、いよいよ本部での生活の始まりか」",
"317000321_1": "「かなり荷物少ないね」",
"317000321_2": "「まあ、足りなかったら取りに戻ればいいからな。\\n あたしはこれさえあれば……」",
"317000321_3": "「それって……」",
"317000321_4": "「パパとママの位牌だ。\\n 毎日手を合わせないと、落ち着かなくて……」",
"317000321_5": "「……部屋に置かせてもらっても、いいか?」",
"317000321_6": "「うん、もちろんだよッ!\\n わたしも一緒に手を合わせてもいいかな」",
"317000321_7": "「あ、ああ……。ありがとうな」",
"317000321_8": "「よーし、とりあえず荷ほどき頑張るぞーッ!」",
"317000321_9": "「随分と楽しそうだな。\\n あのバカと離れ離れで寂しいんじゃなかったのか」",
"317000321_10": "「そうだけど、クリスが一緒にいてくれるから」",
"317000321_11": "「友だちとお泊りって、それだけで楽しいでしょ。\\n 何しようかってわくわくするもの」",
"317000321_12": "「そういうもんか? あたしにはわかんないな」",
"317000321_13": "「って言ってるけど、かばんの中に\\n トランプとか、ボードゲームとか見えたけど」",
"317000321_14": "「なッ!? こ、これはたまたま入ってただけだッ!\\n 適当に放り込んできたから、紛れ込んで……」",
"317000321_15": "「キュッキュ」",
"317000321_16": "「あッ! こら、勝手に取り出すな。\\n 大体、お前はボードゲームなんてできないだろ」",
"317000321_17": "「そうかな?\\n 教えてみたら、案外できちゃったりして」",
"317000321_18": "「それなら勝手にやってくれッ!\\n いいか、買ったばかりなんだから壊すなよ」",
"317000321_19": "「キュイッ!」",
"317000321_20": "「買ったばかり……?」",
"317000321_21": "「……ッ!\\n いいから、とっとと部屋に入るぞッ」",
"317000321_22": "「フフ。……うんッ! よろしくね」",
"317000321_23": "「キューッ!」",
"317000321_24": "「ここが宿泊用の部屋か」",
"317000321_25": "「おじゃまします」",
"317000321_26": "「キュー……キュキュ……」",
"317000321_27": "「部屋に上がり込むなり、そこら中嗅ぎ回って……。\\n あいつは何やってんだ」",
"317000321_28": "「ええっとね、初めて入った場所だと、\\n ああいう行動を取るものらしいよ」",
"317000321_29": "「へえ、そうなのか。……って、その本はなんだ?\\n 『誰でもわかる猫の育て方』……」",
"317000321_30": "「うん。一緒に生活をする上で参考になるかもしれないって、\\n 藤尭さんに渡されたの」",
"317000321_31": "「聖遺物をペット扱いか?」",
"317000321_32": "「これも貰っちゃった。\\n ほーら、ねこじゃらしだよー」",
"317000321_33": "「キュー、キューッ!」",
"317000321_34": "「ねこじゃらしで喜ぶのかよッ!\\n ったく、緊張感が無いな……」",
"317000321_35": "「そうだ、そろそろお腹空いてるんじゃないかな。\\n 猫缶も貰ったから、あげてみようよ」",
"317000321_36": "「聖遺物って腹減るのか?」",
"317000321_37": "「うーん、どうだろう?\\n はい、ごはんですよー」",
"317000321_38": "「キュキュ……キュイッ!」",
"317000321_39": "「あッ、お皿をひっくり返しちゃった……」",
"317000321_40": "「キュー……」",
"317000321_41": "「どうやら、食事は必要ないみたいだな」",
"317000321_42": "「そこは猫とは違うんだね。\\n あ、身体がエサで汚れちゃってる」",
"317000321_43": "「向こうに洗面所があるから、そこで洗ってやれ」",
"317000321_44": "「うん。じゃあ、ちょっと行ってくるね」",
"317000321_45": "「ええっと、洗うときはぬるま湯にしてっと……。\\n すぐに終わるからじっとしててね」",
"317000321_46": "「キュキュッ!?」",
"317000321_47": "「なあ。そういえば、もし猫と一緒だったら、\\n 水は嫌いなんじゃ……」",
"317000321_48": "「キューッ!」",
"317000321_49": "「きゃあッ!?」",
"317000321_50": "「逃げちゃったッ!?」",
"317000321_51": "「キューキューッ!」",
"317000321_52": "「ダメ、カーバンクルッ!\\n そんなに走り回ったら危ないよッ」",
"317000321_53": "「言わんこっちゃない。\\n よーし、あたしが捕まえてや――」",
"317000321_54": "「キュッ!」",
"317000321_55": "「うわッ! \\n 思ったよりすばしっこいな……ッ」",
"317000321_56": "「今度はわたしが……ッ! えいッ!」",
"317000321_57": "「きゃッ!?」\\n「うわッ」",
"317000321_58": "「いたた……大丈夫ッ!?\\n ごめんね、ぶつかっちゃった……」",
"317000321_59": "「ああ、大丈夫だ。それより早くそこを……」",
"317000321_60": "「ひゃッ!?\\n お、おいッ 変なとこ触るなッ」",
"317000321_61": "「う、うん……、すぐにどくね」",
"317000321_62": "「……はあ、完全にあいつに振り回されてるな」",
"317000321_63": "「うん、追いかけっこをして遊んでるつもりだったみたい……。\\n あれ カーバンクルはどこ……」",
"317000321_64": "「――うわッ!?\\n あいつ、棚の上に登ってるぞッ」",
"317000321_65": "「キューイ」",
"317000321_66": "「あんな高いところに登ったら……」",
"317000321_67": "「キュッ!?」",
"317000321_68": "「――落ちちゃうッ!」",
"317000321_69": "「危ない……ッ!」",
"317000321_70": "「さすがクリスッ! ナイスキャッチッ!」",
"317000321_71": "「とんだお転婆だな」",
"317000321_72": "「キュ?」",
"317000321_73": "「嫌いな水を掛けようとしちゃってごめんね」",
"317000321_74": "「でも、もう高いところに登っちゃダメだからね。\\n わかった」",
"317000321_75": "「キュゥ……」",
"317000321_76": "「こいつは怒らせると怖いんだから、ほどほどにしとけよ」",
"317000321_77": "「キュッ!」",
"317000321_78": "「……怪我が無くて本当によかった。\\n あんまり心配させないでね」",
"317000321_79": "「キュー」",
"317000321_80": "「く、くすぐったいよ。どうしたの、急にすり寄ってきて」",
"317000321_81": "「そいつなりに謝ろうとしてんじゃないか?」",
"317000321_82": "「キュッキュッ、キューッ!」",
"317000321_83": "「えッ!? あたしもか?\\n ……まあ、どういたしまして」",
"317000321_84": "「言葉は通じなくても、こうやって意思を伝え合えるし、\\n 仲良く暮らせそうだね」",
"317000321_85": "「ああ、そうだな」",
"317000321_86": "「でも、ルールはきちんと教えないとな。\\n また振り回されるのはごめんだぞ」",
"317000321_87": "「じゃあ、わたしたち2人で頑張って教えてあげないとね」",
"317000321_88": "「あたしもやるのか?\\n そういうのは苦手なんだけどな……」",
"317000321_89": "「フフ、大丈夫だよ。\\n クリスは優しくて、意外と面倒見がいいんだから」",
"317000321_90": "「……まあ、頑張ってみるよ」",
"317000321_91": "「クー、クー……」",
"317000321_92": "「やっと寝てくれたね。\\n お茶を淹れたから、わたしたちもゆっくりと……」",
"317000321_93": "「すう……」",
"317000321_94": "「寝ちゃってる……。いっぱい頑張ってくれてたから\\n 起こさないようにしないと……」",
"317000321_95": "(こうやって、寝顔を見てると初めて\\n 会ったときのことを思い出すな……",
"317000321_96": "(あのときはボロボロで、辛そうな寝顔で……。\\n 心配でずっと目が離せなかった",
"317000321_97": "「むにゃ……」",
"317000321_98": "(今は柔らかくて可愛い寝顔になったよ)",
"317000321_99": "(たくさんの人と出会って、たくさんいい思い出ができて……。\\n きっとそのおかげなんだよね",
"317000321_100": "「今のクリスの寝顔、好きだな……」",
"317000321_101": "「ん……?」",
"317000321_102": "「ごめんね、起こしちゃった?」",
"317000321_103": "「いや、勝手に目が覚めただけで……」",
"317000321_104": "「というか、顔が近いぞ……ッ!」",
"317000321_105": "(なんか聞こえたような気がしたけど、気のせいだよな)",
"317000321_106": "「寝顔を見てたらね、なんだか昔のことを思い出しちゃって。\\n ついつい見入っちゃってたの」",
"317000321_107": "「昔のことって?」",
"317000321_108": "「わたしとクリスが初めて会った時のこと。\\n ほら、体操服を貸してあげたの、覚えてない」",
"317000321_109": "「覚えてるに決まってるだろ。\\n 寝てる間に着替えさせられてるなんて思わなかったからな」",
"317000321_110": "「あの頃からクリスは優しかったけど、\\n 今よりつんけんしてたよね。口調も荒々しかったし」",
"317000321_111": "「む、昔のことを引っ張り出すなよなッ!\\n いろいろあったんだよ、いろいろ」",
"317000321_112": "「キュー……?」",
"317000321_113": "「……悪い、起こしちゃったか。\\n まだ寝てていいぞ」",
"317000321_114": "「キュー、キュー」",
"317000321_115": "「なんだよ、急に甘えてきて。\\n お前の親はあっちだぞ。寝ぼけてんのか」",
"317000321_116": "「ちゃんとわかってて、寄って行ってるんだよ。\\n クリスが優しい人だって」",
"317000321_117": "「はぁ? あたしは別に……」",
"317000321_118": "「キュッキュ……」",
"317000321_119": "「ん? なんだ……?」",
"317000321_120": "「カーバンクルが……、額の宝珠をクリスの\\n おでこに当ててる……」",
"317000321_121": "「……意外と温かいな。\\n これはどういう意思表示なんだ……」",
"317000321_122": "「んー、本には書いてないけど、たぶん『大好き』かな?」",
"317000321_123": "「そういえばお前にもやってたっけな」",
"317000321_124": "「キュワー……」",
"317000321_125": "「あくび……? まだ眠いのかな」",
"317000321_126": "「……まあ、夜も遅いからな、\\n あたしたちもちゃんとベッドで寝るか」",
"317000321_127": "「そうだね。そろそろ寝よう」",
"317000321_128": "「響がいないと寂しいなぁ……。\\n 代わりにカーバンクルを抱いて寝ようっと」",
"317000321_129": "「代わりにってお前らまさか、一緒に……」",
"317000321_130": "「うん、毎晩一緒に寝てるよ?」",
"317000321_131": "「……ッ! マジかよ……」",
"317000321_132": "「よかったら、クリスも一緒に……」",
"317000321_133": "「そういうのはあのバカとだけにしろッ!\\n おやすみッ」",
"317000321_134": "「うん、おやすみ」"
}

View File

@ -1 +1,34 @@
{}
{
"317000332_0": "「はあ――ッ!」",
"317000332_1": "「……はあ、はあ……」",
"317000332_2": "「ジュエル型アルカ・ノイズ……、こうも堅い物なのッ!?」",
"317000332_3": "「エルフナインがこの前の戦闘データをもとに作ったって\\n 言ってたから、たぶん間違いないと思う」",
"317000332_4": "「こんなのがたくさん攻めてきたら、\\n はっきり言ってピンチデス……」",
"317000332_5": "「これまでも、特別な特性を持った敵とは\\n 何度か戦ってきたわ」",
"317000332_6": "「そんな時、対抗することができたのは……」",
"317000332_7": "「ギアの心象変化かッ!」",
"317000332_8": "「なるほどデースッ! あの堅い体を砕くには、えーっと……」",
"317000332_9": "「こっちも堅くなるとか?」",
"317000332_10": "「いいアイデアデスッ! あれ……?\\n でも、どんな心象になったら堅くなれるんデスかッ」",
"317000332_11": "「うーむ……。\\n 剣そのものになることができれば。あるいは……」",
"317000332_12": "「アルマジロ型ギアとか、堅そう」",
"317000332_13": "「どれも現実的ではなさそうね……」",
"317000332_14": "「仕方がない。\\n 引き続きシミュレータを相手に鍛錬を積むとしよう」",
"317000332_15": "「なぜ、撤退させたんだ? おかげでカーバンクルの宝珠を\\n S.O.N.G.に奪われてしまったではないか」",
"317000332_16": "「計算通りよ。カーバンクルの宝珠の力を引き出すためには、\\n 必要なプロセスなの」",
"317000332_17": "「あなたたちは、完全に覚醒した状態のカーバンクルの宝珠が\\n 欲しいんでしょう」",
"317000332_18": "「ああ、もちろんだ。軍事利用できなければ、意味がないからな」",
"317000332_19": "「しかし、奪われるのが必要なプロセスとはどういうことだ」",
"317000332_20": "「ずっと宝珠状態のまま変化のなかったカーバンクルが\\n 動き出した理由……」",
"317000332_21": "「それは、あの唄いながら戦う兵器にあるわ」",
"317000332_22": "「あの兵器が近くで起動している時、カーバンクルの宝珠が\\n 活性化する様子が観測できたの」",
"317000332_23": "「なるほど……。つまり、敢えてあちらに保有させることで\\n カーバンクルの宝珠の覚醒を促すということか」",
"317000332_24": "「それで覚醒が完了したとして、どうやって回収するつもりだ?」",
"317000332_25": "「ジュエル型アルカ・ノイズを使えば可能よ。\\n あの兵器にも有効だったのは、あなたたちも見たでしょう」",
"317000332_26": "「……なるほどな」",
"317000332_27": "「わかったら、定期的にS.O.N.G.を襲撃しなさい。\\n 倒す必要は無いわ。重要なのは、兵器を起動させることよ」",
"317000332_28": "「ああ、わかった。\\n そういうことなら任せておけ」",
"317000332_29": "「……フン、カーバンクルの宝珠の真の覚醒がどういうことかも\\n 知らず、バカな連中だわ」",
"317000332_30": "「翠に逃亡された時は、肝を冷やしたけれど、\\n あの兵器の登場は、嬉しい誤算ね」",
"317000332_31": "「錬金術師も、S.O.N.G.も、\\n 私のために働いてもらうわよ……ッ」"
}

View File

@ -1 +1,23 @@
{}
{
"317000411_0": "絆結ぶ赤き宝石",
"317000411_1": "「ジュエル型アルカ・ノイズが出現ッ!\\n 本部のすぐ近くですッ」",
"317000411_2": "「直接カーバンクルの宝珠を狙ってきたか。\\n お前たち、迎撃だッ」",
"317000411_3": "「はいッ!」",
"317000411_4": "「ジュエル型アルカ・ノイズがあんなにたくさんッ!?」",
"317000411_5": "「まだ有効な対抗策が見つかっていないというのに……」",
"317000411_6": "「カーバンクルを奪いにきたなら、\\n やるしかないだろッ」",
"317000411_7": "「Killter Ichaival tron――」",
"317000411_8": "「さあ、どいつからぶっ飛ばして……」",
"317000411_9": "「って、なんだこれッ!?」",
"317000411_10": "「ど、どうしたのそのギアッ!?\\n 宝石みたいにキラキラしてるッ」",
"317000411_11": "「なんらかの心象変化かッ!?」",
"317000411_12": "「あたしに聞かれてもわからねえよッ!\\n なんで突然――」",
"317000411_13": "「うわッ!\\n 不意打ちかよ――上等だッ」",
"317000411_14": "「ウソッ!? 簡単に砕いちゃったッ!」",
"317000411_15": "「今の攻撃は……ッ!?」",
"317000411_16": "「よくわからないけど、\\n このギアの攻撃はアイツらに通るみたいだ」",
"317000411_17": "「ぞろぞろ湧いてきたな」",
"317000411_18": "「ちょうどいい。このギアの力、試してやるッ!」",
"317000411_19": "「わたしたちも続くぞッ!」",
"317000411_20": "「はいッ!」"
}

View File

@ -1 +1,101 @@
{}
{
"317000412_0": "「お疲れ様ッ!」",
"317000412_1": "「あれ? カーバンクルは?」",
"317000412_2": "「戦いの間はちょっと興奮してたんだけど……、\\n 今は部屋で眠ってるよ」",
"317000412_3": "「……そうか」",
"317000412_4": "「ジュエル型アルカ・ノイズの撃退、ご苦労だった」",
"317000412_5": "「今回はクリスくんの働きが大きかったな」",
"317000412_6": "「あのギアのおかげで勝てたけど……、\\n あれは結局なんだったんだ」",
"317000412_7": "「それはおそらく、この人の話を聞けば判明するだろう」",
"317000412_8": "「こんにちは」",
"317000412_9": "「あなたは……ッ!」",
"317000412_10": "「よかった、意識が戻ったんですね」",
"317000412_11": "「あなたはあの時の女の子ね」",
"317000412_12": "「どうしてもあなたと話がしたかったの。\\n ずっと気を失っていて、お礼が言えてなかったから」",
"317000412_13": "「お礼、ですか?」",
"317000412_14": "「私もあの子も、あなたがいなかったら、\\n どうなっていたかわからないわ」",
"317000412_15": "「助けてくれて、どうもありがとう」",
"317000412_16": "「お礼なら響たちに言ってください。\\n アルカ・イズを倒してくれたのは、彼女たちです」",
"317000412_17": "「それにわたしは、逃げることしかできなくて……」",
"317000412_18": "「倒したのは彼女たちかもしれない」",
"317000412_19": "「でも、私の手を引いて、声をかけて、\\n 肩を貸してくれたのはあなたよ」",
"317000412_20": "「諦めそうになっていた私に勇気をくれたあなたに、\\n お礼を言いたかったの」",
"317000412_21": "「勇気を、わたしが……」",
"317000412_22": "「あ、ごめんなさいッ!\\n 自己紹介がまだだったわね」",
"317000412_23": "「私の名前は貴瀬翠。カーバンクルの研究者よ」",
"317000412_24": "「研究、ですか……?」",
"317000412_25": "「ええ。双子の姉と一緒にね」",
"317000412_26": "「錬金術師たちと手を組み、あなたたちを襲ったのが\\n 姉の貴瀬瑠璃よ」",
"317000412_27": "「ええッ!?」",
"317000412_28": "「双子の姉って……アイツかッ!\\n だから似てたんだな」",
"317000412_29": "「お姉さんと一緒に研究をされていたんですよね?」",
"317000412_30": "「それなのに、どうしてアルカ・ノイズに襲われて……」",
"317000412_31": "「そうね……、どこから説明したらいいかしら……」",
"317000412_32": "「できれば、一から話してもらえると助かる。\\n 目覚めたばかりで申し訳ないが、できる限りの情報がほしい」",
"317000412_33": "「そうですね、では……」",
"317000412_34": "「カーバンクルの宝珠はもともと、我が家に伝わる家宝であり、\\n 父の研究対象でした」",
"317000412_35": "「家宝と共に残された、『カーバンクルが覚醒したとき真の力を\\n 発揮する』という伝承を信じて父は研究に没頭したんです」",
"317000412_36": "「そんなある時、カーバンクルが動物の姿に変化したんです。\\n 父は覚醒に近づいたと、とても喜んでいました」",
"317000412_37": "「私たち姉妹は、カーバンクルと仲良くなって、\\n 父の研究の合間に遊びながら幸せに暮らしていました」",
"317000412_38": "「そんなことがあったんですね」",
"317000412_39": "「国連に所在が把握されていなかったということは、\\n お父様は秘密裏に研究を進めていたのだろう」",
"317000412_40": "「はい。しかし、夢が叶う前に父は亡くなってしまいました。\\n そして私たち姉妹は、父の悲願と共に、研究を受け継いだんです」",
"317000412_41": "「歯車が狂いだしたのは、その頃からです……」",
"317000412_42": "「姉は、父の想いを受け継ごうとするあまり研究に\\n 没頭していったんです」",
"317000412_43": "「そして、覚醒した姿こそがカーバンクルのあるべき姿だと、\\n その方法の究明を進めていった……」",
"317000412_44": "「一方私は、カーバンクルと一緒に暮らす生活が大好きだった。\\n 覚醒したら変わってしまうんじゃないかと怖かった……」",
"317000412_45": "「考えの違いと、研究がうまくいかない苛立ちから、\\n 私たちは反発し合うようになってしまいました」",
"317000412_46": "「そんなある日、カーバンクルは、\\n 突然宝珠に戻ってしまったんです」",
"317000412_47": "「ええッ!? あの、宝石の姿にですか……?」",
"317000412_48": "「ええ、私たちがいくら呼び掛けても、\\n 動物型にならなくなってしまったの」",
"317000412_49": "「それから私たちは再び協力し、カーバンクルが\\n 動物型に戻ってくれる方法を研究しました」",
"317000412_50": "「しかし、思わしい成果は上がらず、\\n 研究資金も尽きてきた頃――」",
"317000412_51": "「カーバンクルの存在をどこからか嗅ぎつけた\\n 錬金術師と名乗る男たちが接触してきたんです」",
"317000412_52": "「ここで錬金術師が登場するのか」",
"317000412_53": "「きな臭い予感しかしないわね……」",
"317000412_54": "「連中は資金援助の代わりに、研究結果の提出を要求しました」",
"317000412_55": "「カーバンクルに再び会うためにこれを受け入れてしまったのが、\\n 今思えば大きな過ちでした」",
"317000412_56": "「最初は問題なかったのですが……」",
"317000412_57": "「錬金術師が研究結果を軍事利用しているのが\\n 発覚した、といったところだろう」",
"317000412_58": "「ええ、その通りです。そこで、私たち姉妹はまた\\n 対立することになります」",
"317000412_59": "「私は、カーバンクルをそんなことに利用するのは\\n 反対だと主張したのですが……」",
"317000412_60": "「姉は、錬金術師と縁を切ったら資金源が無くなる。\\n それより、利用してやるべきだと――」",
"317000412_61": "「そのためには、軍事利用くらい問題ではないと言って\\n 聞きませんでした」",
"317000412_62": "「姉の願いは、再び目覚めたカーバンクルとあの頃のように\\n 暮らすことではなく、父の夢を叶えることだったんです」",
"317000412_63": "「姉は変わってしまいました……。いつからか錬金術師たちの\\n 思想に同調し、協力的に研究するようになって」",
"317000412_64": "「今では、錬金術師たちと手を取り合っています」",
"317000412_65": "「そしてある日、私は隙をついて研究室を爆破して……」",
"317000412_66": "「あの子と一緒に研究組織から逃げて、\\n わたしたちと出会ったんですね」",
"317000412_67": "「ええ。あなたに出会わなければ、アルカ・ノイズに\\n 殺されていたかもしれないわ」",
"317000412_68": "「だいたいわかったけど……、どうしてカーバンクルは今\\n 動物の姿になっているんだ ずっと宝珠のままだったんだろ」",
"317000412_69": "「わからないわ。私も先ほどそれを聞いて驚いたの」",
"317000412_70": "「ただ、あの子の力を悪用することに手を貸してしまった\\n 私を許してくれるか不安で……」",
"317000412_71": "「今は会いに行く勇気が出ないわ……」",
"317000412_72": "「カーバンクルの力の悪用とは、どういうことだろうか」",
"317000412_73": "「あなたたちを襲ったジュエル型アルカ・ノイズ……。\\n あれは、カーバンクルの研究結果を錬金術に応用したものよ」",
"317000412_74": "「カーバンクルには、物を結晶化させる能力があるの」",
"317000412_75": "「よく倒すことができたわね。あの結晶を砕くなんて……」",
"317000412_76": "「あたしのギアがあったからだ。\\n なぜか宝石みたいな見た目に変化していた」",
"317000412_77": "「聖遺物の力をそのように転化する技術が確立されていたのね」",
"317000412_78": "「ああ。とある天才科学者によってな。\\n 我々は悪用するつもりはないから安心してくれ」",
"317000412_79": "「ギアの変化は、心象の変化が反映されたものだと考えられます。\\n ただ今回の場合は、なぜ変化したのか……」",
"317000412_80": "「カーバンクルの力の影響を受けたのではないかしら。\\n 同じ力を持っていれば、当然砕くことができるはずよ」",
"317000412_81": "「一緒に過ごしたから、影響を受けたということでしょうか。\\n 昨日はカーバンクルとどのようなことを」",
"317000412_82": "「一緒に寝たり、遊んだり……。\\n 特にこれってのはないな……」",
"317000412_83": "「昨日そんな楽しそうなことをしてたなんてッ!\\n わたしも一緒に泊まればよかった」",
"317000412_84": "「それができないからあたしが泊まったんだろッ!」",
"317000412_85": "「そう……。あの子は元気なのね。\\n ……う……」",
"317000412_86": "「大丈夫ですかッ!?」",
"317000412_87": "「ええ、大丈夫。少しめまいがしただけよ」",
"317000412_88": "「すまない、病み上がりなのに無理をさせてしまったな。\\n 部屋に戻って休んでくれ」",
"317000412_89": "「一旦解散だ。敵組織への対応は追って連絡する」",
"317000412_90": "「ただいま」",
"317000412_91": "「キューキューッ!」",
"317000412_92": "「なんだ、起きてたんだな」",
"317000412_93": "「キュキュッ!」",
"317000412_94": "「うん、抱っこしてあげる」",
"317000412_95": "(カーバンクルの影響を受けたジュエル型ギア……。\\n もしかしたら、わたしの心象も……",
"317000412_96": "「キュッ!」",
"317000412_97": "「……あれ?」",
"317000412_98": "(なんだか、カーバンクルの体が重くなっているような……?)"
}

View File

@ -1 +1,86 @@
{}
{
"317000421_0": "「……で? 揃いも揃って、一体、何を始めるつもりだ?」",
"317000421_1": "「キュキュ?」",
"317000421_2": "「今回はみんなでその子と仲良くなろうと思って、\\n 遊ぶことにしたデスよッ」",
"317000421_3": "「どこで遊ぶの?\\n 外に連れ出しちゃダメって言ってたけど……」",
"317000421_4": "「だから、トレーニングルームを使うことにしたんです」",
"317000421_5": "「ここなら多少暴れても問題ないわ。\\n もちろん、司令の許可は貰っているわよ」",
"317000421_6": "「無論、ただ遊ぶだけという理由で許可が出たわけではない」",
"317000421_7": "「カーバンクルの宝珠と親しくなったことで、ジュエル型ギアへと\\n 変化したという仮定を立証するためだ」",
"317000421_8": "「ジュエル型アルカ・ノイズと戦えるのがあなただけという\\n 状況は負担も大きいし、あまりよくないから」",
"317000421_9": "「という建前は置いといて、今日は思いっきり遊ぶデースッ!」",
"317000421_10": "「なるほど、そういうことか。\\n よかったな、今日はこいつらが遊んでくれるらしいぞ」",
"317000421_11": "「キュー?」",
"317000421_12": "「何して遊ぼっか? わたしはね――」",
"317000421_13": "「フーッ!」",
"317000421_14": "「お前は見学だ」",
"317000421_15": "「ううん、今日は引き下がらないッ!\\n みんなが遊んでるのにわたしだけ見てるなんてッ」",
"317000421_16": "「それに今回はわたしなりに考えてきたんだから。\\n ほら、たくさん遊び道具持ってきたんだよ」",
"317000421_17": "「ボールにフリスビー、ねこじゃらし……?」",
"317000421_18": "「どれが喜んでくれるかなってッ!\\n ほら、ねこじゃらしだよーッ」",
"317000421_19": "「……」",
"317000421_20": "「無視されてんじゃねーか」",
"317000421_21": "「き、きっとねこじゃらしが気に入らなかっただけだよッ!」",
"317000421_22": "「なら、あたしに貸してみろ。\\n こうやって、目の前で動かせばいいんだよな」",
"317000421_23": "「キュイ、キュキュイッ!」",
"317000421_24": "「ものすごく楽しそうにじゃれついてるッ!?」",
"317000421_25": "「アタシにもやらせてほしいデスッ!\\n よッ はッ ていッ」",
"317000421_26": "「キュッ! キャッ! キュイッ!」",
"317000421_27": "「切ちゃん、次、わたしにも」",
"317000421_28": "(ねこじゃらしにじゃれつく姿……、可愛いッ!\\n わたしもやってみたいけど……",
"317000421_29": "「ちょっと待ったぁッ!\\n ねこじゃらしがダメなら、このボールを使えばッ」",
"317000421_30": "「ボールの中に鈴が入ってて、転がると音がなるんだよ。\\n これなら、この子も喜んでくれるはず。それッ」",
"317000421_31": "「キュキュッ!」",
"317000421_32": "「あッ、ボールのほうへ走っていったッ!?」",
"317000421_33": "「やったッ! これで遊べば、わたしも仲良くなれ――」",
"317000421_34": "「キュイーッ!」",
"317000421_35": "「ぐはッ!?」",
"317000421_36": "「な、なんで……」",
"317000421_37": "「尻尾で打ったボールが顔面に直撃したデスかッ!?」",
"317000421_38": "「……なるほど、キャッチボールがしたかったんだね。\\n よーし、とことんやるよッ えいッ」",
"317000421_39": "「キューッ!」",
"317000421_40": "「ううッ!?\\n そ、それっ、今度はこっちだよッ」",
"317000421_41": "「キューキューッ!」",
"317000421_42": "「これはなんと言えばいいんデスかね……」",
"317000421_43": "「恐ろしいほどに完璧なコントロール」",
"317000421_44": "「どの方向にボールが来ても、的確に彼女の顔へ当たるように\\n 尻尾で打ち返しているわ」",
"317000421_45": "「ああ、これは見事な尻尾さばきだ」",
"317000421_46": "「――でも、これくらいじゃ負けないッ!\\n どんどんいくよッ」",
"317000421_47": "「キューキューッ!」",
"317000421_48": "「フフ、まるでお父さんと子供が\\n 仲良くキャッチボールしてるみたいだね」",
"317000421_49": "「いやいや、カーバンクルは遊んでるっていうより、\\n 攻撃してるつもりなんじゃないか」",
"317000421_50": "「……ま、まあ、これをきっかけに2人が仲良くなってくれれば\\n わたしはどっちでもいいかな」",
"317000421_51": "「……なれるといいけどな」",
"317000421_52": "「マリアは混ざらなくていいのか?」",
"317000421_53": "「わ、わたしも――」",
"317000421_54": "「キューッ!」",
"317000421_55": "「えッ、な、何よ、急に寄ってきてッ!」",
"317000421_56": "「ごめんなさい、ちょっとうまく取れなくて。\\n ボールがそっちに行っちゃいました」",
"317000421_57": "「投げてやったらどうだ、きっと喜ぶぞ」",
"317000421_58": "「わたしが投げるの? でも、それは……」",
"317000421_59": "「……」",
"317000421_60": "「ほら、投げてくれるのを待っているようだぞ」",
"317000421_61": "「……」",
"317000421_62": "(卑怯よッ! そんなつぶらな瞳でわたしを見つめるなんてッ!)",
"317000421_63": "「し、仕方がないわね、今回だけよ。\\n それ、取ってきなさいッ」",
"317000421_64": "「キュキュッ! ギュー……」",
"317000421_65": "「……あれ? わたしの時と対応が違うッ!?」",
"317000421_66": "「だから、お前はもう諦めろ」",
"317000421_67": "「……ねえ、ちょっといいかな?」",
"317000421_68": "「ん、なんだ?」",
"317000421_69": "「あの子と仲良くなるっていう主旨だったと思うんだけど、\\n ちょっと違うんじゃないかなって」",
"317000421_70": "「そうか? 楽しそうに遊んでるじゃないか」",
"317000421_71": "「あれって、みんなと遊んでるっていうより、\\n 遊び道具と遊んでるつもりなんじゃないかな」",
"317000421_72": "「ほら、ボールを抱えて転がってるデスよ。\\n どっちがボールかわからないデス」",
"317000421_73": "「今度はこれを使ってみない?」",
"317000421_74": "「……まあ、お互い楽しけりゃそれでいいんじゃないか」",
"317000421_75": "「うーん、これでいいのかなぁ?」",
"317000421_76": "「キュイッ!?」",
"317000421_77": "「この音は、まさかッ!」",
"317000421_78": "「全員、そこにいるな。\\n 今、錬金術師と例のジュエル型アルカ・イズが確認された」",
"317000421_79": "「それもこの本部の近くでだ。\\n 急ぎ出動してくれッ」",
"317000421_80": "「了解デスッ!」",
"317000421_81": "「外の敵はわたしたちがなんとかするから、\\n 未来はその子を護ってあげてねッ」",
"317000421_82": "「うん、響たちも気をつけて」",
"317000421_83": "「うんッ! じゃあ、行ってきますッ!」"
}

View File

@ -1 +1,46 @@
{}
{
"317000422_0": "「こらーッ! 洗濯物くわえていっちゃダメって言ってるのにッ!\\n 待ちなさーいッ」",
"317000422_1": "「キュキューッ!」",
"317000422_2": "「こっちはジュエル型アルカ・ノイズを倒して帰ってきたと思ったら……、\\n なんだ この平和な空間は」",
"317000422_3": "「キュー」",
"317000422_4": "「おい、こっちに逃げてくるなって。\\n 悪いけど、あたしは悪さをしたお前をかばうつもりはないぞ」",
"317000422_5": "「見てないで捕まえてッ! それで何枚目になるか……。\\n そのたびに洗濯し直すんだよ」",
"317000422_6": "「ほら、大人しく捕まっとけ。\\n あれは怒ると本当に怖いんだからな」",
"317000422_7": "「キュッ!」",
"317000422_8": "「あッ、逃げないのッ!」",
"317000422_9": "「お、おい、人の周りをチョロチョロ走るなッ!」",
"317000422_10": "「キューキュッ!」",
"317000422_11": "「失礼します。ちょっとクリスさんのギアについて……」",
"317000422_12": "「キューッ!」",
"317000422_13": "「逃げ出したッ!?」",
"317000422_14": "「ご、ごめんなさいッ! 不注意でした……」",
"317000422_15": "「ううん、追いかけるから大丈夫ッ!」",
"317000422_16": "「ああ、行くぞッ!」",
"317000422_17": "「ふー、やっと見つかったか」",
"317000422_18": "「ダメだよ?\\n 叱られたら逃げないで、ちゃんとごめんなさいって言わないと」",
"317000422_19": "「キュー……」",
"317000422_20": "「よし、いい子いい子」",
"317000422_21": "「キュキュッ!」",
"317000422_22": "「うわッ! おい、くすぐったいだろ。じゃれつくなよ。\\n 話をちゃんと聞いていたのかッ」",
"317000422_23": "「フフ、クリスが戦いに出ちゃってたから寂しかったんだよ。\\n だからいたずらしちゃったんだよね」",
"317000422_24": "「そういうもんか……?\\n あれ、お前、ちょっと大きくなってないか」",
"317000422_25": "「やっぱりクリスもそう思う? この子も成長するのかな……」",
"317000422_26": "「キューッ!」",
"317000422_27": "「えッ、今度はわたし? フフ、ふわふわで気持ちいい」",
"317000422_28": "「キュイッ!」",
"317000422_29": "「そうだ、みんなで記念に写真を撮らない?」",
"317000422_30": "「はあ? 急になんだよ。\\n 記念って、なんの記念だ」",
"317000422_31": "「わたしと、この子と、クリスが仲良しになれた記念だよ」",
"317000422_32": "「な、なんだよ、その記念。\\n 子供じゃないんだから……」",
"317000422_33": "「いいから、ほら、こっちに来て。\\n カーバンクルはわたしたちの間に入ってね」",
"317000422_34": "「キュイ」",
"317000422_35": "「じゃあ、ここにカメラセットするからね。\\n ええっと、これでタイマーを設定して……よしッ」",
"317000422_36": "「ほらほら、早くこっちに来て」",
"317000422_37": "「な、なあ、くっつきすぎじゃないか?」",
"317000422_38": "「逆だよ、もうちょっとこっちにくっついて」",
"317000422_39": "(そういえば、前に響と写真を撮ったことがあったな)",
"317000422_40": "(装者として戦ってたことを知らなかったあの頃。\\n 響ともう友だちでいられないくらい大きな喧嘩をした……",
"317000422_41": "(でも、誤解が解けて、仲直りして……。\\n あのときは鏡が無くて変わりに写真を撮ったんだよね",
"317000422_42": "(ひどかったな、お互いにボロボロで。\\n ……でも、本当にいい写真だったな",
"317000422_43": "(この写真も、きっと大切なものになる)"
}

View File

@ -1 +1,3 @@
{}
{
"317000511_0": "カーバンクルの成長"
}

View File

@ -1 +1,42 @@
{}
{
"317000512_0": "「ふぅ、お疲れ様。\\n ごめんなさい、急に誘ってしまって」",
"317000512_1": "「別に、暇してたからな」",
"317000512_2": "「やっぱり、ジュエル型アルカ・ノイズとは\\n 戦いづらそうだったな」",
"317000512_3": "「ええ、あなたのようにガンガン攻められたらいいんだけれど」",
"317000512_4": "「お疲れ様。\\n 訓練の様子を見させてもらっていたわ」",
"317000512_5": "「ギアの知識が私にあれば、今までの研究と合わせて\\n なんとかできたのかもしれないけど……、ごめんなさい」",
"317000512_6": "「気にすることはないわ。ギアのことはエルフナインでも\\n わからないことだらけだって言うし」",
"317000512_7": "「2人とも、お疲れ様。\\n 冷たい飲み物を用意したからどうぞ」",
"317000512_8": "「お、ありがとな」",
"317000512_9": "「ん、あいつは?」",
"317000512_10": "「エルフナインの研究室で検査を受けてるよ。ずっと一緒じゃ\\n なくても、少しならわかってくれるようになったみたい」",
"317000512_11": "「……私は、そろそろ戻るわね」",
"317000512_12": "「あの、やっぱりカーバンクルに会いませんか?\\n あなたはずっとそのために――」",
"317000512_13": "「いいのよ、もう。\\n 今あの子は楽しそうに生活しているんだもの」",
"317000512_14": "「それに、私のことなんてもう覚えてないかもしれない。\\n だから、私はこのままで――」",
"317000512_15": "「キュ? キュキューッ!」",
"317000512_16": "「わッ!? ど、どうして……」",
"317000512_17": "「キュー、キュー、キュー……」",
"317000512_18": "「ごめんなさいッ! また急に暴れだしてしまって……」",
"317000512_19": "「……私のことを覚えているの?\\n あんなに昔のことなのに……」",
"317000512_20": "「キューキューッ!」",
"317000512_21": "「覚えていてくれたのね……。\\n ありがとう、覚えていてくれて……ありが、とう……」",
"317000512_22": "「あなたのことを救うことができなかった……。\\n なのにあなたは、昔と変わらず、私に……」",
"317000512_23": "「キュー? キュイキュイ……」",
"317000512_24": "「フフ、なめたらくすぐったい……くすぐったいよ……」",
"317000512_25": "「キューッ!」",
"317000512_26": "(あ、カーバンクルが、額の宝珠をくっつけて……)",
"317000512_27": "「ごめんなさい。つい嬉しくて……。\\n もう落ち着いたから平気よ」",
"317000512_28": "「キュー、キュイキュイ……」",
"317000512_29": "「も、もうなめなくて大丈夫よ、泣いてないから。\\n そんなことされたら、また泣きそうになっちゃうわ」",
"317000512_30": "「本当にその子のことを大切に思っていたんですね」",
"317000512_31": "「ええ、もちろんよ。\\n 私も姉もこの子のことが大好きだったから……」",
"317000512_32": "「本当の家族のように過ごしていたわ。\\n ……それこそ、今のあなたたちのように」",
"317000512_33": "「宝珠をくっつけるあの仕草はね、\\n カーバンクルの親愛の証なのよ」",
"317000512_34": "「あ、わたしもクリスも、同じことをされました」",
"317000512_35": "「フフ、やっぱり」",
"317000512_36": "「ひょっとしたら、それが心象変化の鍵なのかもしれません」",
"317000512_37": "「互いに心を開いて親愛の証を示すことで、\\n 心象に変化が起きる……」",
"317000512_38": "「なるほど。おもちゃで遊ぶ程度では、\\n 本当に心を通わせたとは言えないものね」",
"317000512_39": "「あのギアは親愛の証か……、\\n なんか、ちょっとむずむずするな……」"
}

View File

@ -1 +1,26 @@
{}
{
"317000521_0": "「ジュエル型ギアは親愛の証……なるほど、\\n そういうことデスかッ」",
"317000521_1": "「もっともっと遊べばアタシも心象変化できるデスか?」",
"317000521_2": "「時間をかければ、できるかも」",
"317000521_3": "「よーし、じゃあさっそく遊びに行こうッ!」",
"317000521_4": "「あなたは無理なんじゃないかしら……?」",
"317000521_5": "「なんでですか……ッ!?\\n この前だって、わたしにおでこをくっつけてきて……」 ",
"317000521_6": "「あれは頭突きだ」",
"317000521_7": "「最近あの子、身体が大きくなってきたみたいなの。\\n 響に怪我をさせちゃわないか心配だよ……」",
"317000521_8": "「そっか……」",
"317000521_9": "「カーバンクル、成長してるんデスか?」",
"317000521_10": "「ああ、ご飯は食べないくせに、ここのところ\\n かなり大きくなってきてるな」",
"317000521_11": "「やっぱり、普通の動物とは違うんですね」",
"317000521_12": "(普通の動物とは違う、か……)",
"317000521_13": "(このままの勢いで成長していくとしたら、\\n わたしはいつまで、あの子と一緒にいられるんだろう",
"317000521_14": "(それに、カーバンクルはいつ宝珠の状態へ戻るのか、\\n わからないって言ってた",
"317000521_15": "(寝ている時、遊んでいる時……。\\n どの瞬間が最後の別れになるかわからないんだ……",
"317000521_16": "「未来、なんだか顔色が悪いよ。\\n どこか体調悪いの」",
"317000521_17": "「えッ? う、ううん、なんでもないよ」",
"317000521_18": "「……そっか、何かあったらすぐに相談してね」",
"317000521_19": "「うん……」",
"317000521_20": "「またアイツらかッ!」",
"317000521_21": "「毎回負けてるのに、懲りないデスね」",
"317000521_22": "「とにかく、出撃しよう」",
"317000521_23": "「うんッ!」"
}

View File

@ -1 +1,21 @@
{}
{
"317000522_0": "「アイツら、また簡単に引き上げていったな。\\n 本当にカーバンクルを奪う気があるのか」",
"317000522_1": "「こっちを疲れさせて、弱ったところを一気に\\n 攻めようとしてるとか」",
"317000522_2": "「だとしても、違和感があるわね。\\n それほど攻撃の間隔が短いわけでもないし……」",
"317000522_3": "「まッ、どんな作戦を練ってるのか知らないけど、\\n 正面から叩き潰してやるだけだ」",
"317000522_4": "「うん、そうだねッ!」",
"317000522_5": "「あッ、みんな……」",
"317000522_6": "「あれ、未来? なんで研究室の前にいるの?」",
"317000522_7": "「それが、研究室が……」",
"317000522_8": "「なんだよ、青い顔して。\\n って……お、おい、なんだよこれッ」",
"317000522_9": "「研究室の壁が……赤い結晶に覆われているッ!?」",
"317000522_10": "「ジュエル型アルカ・ノイズの結晶に似てる?\\n アイツらがここに忍び込んだのかッ」",
"317000522_11": "「いや、それはジュエル型アルカ・ノイズの仕業ではない。\\n やったのはカーバンクルだ」",
"317000522_12": "「な……ッ!」",
"317000522_13": "「戦闘に入った時、カーバンクルはこの部屋で検査を受けて\\n いたんだが、突然興奮し、額の宝珠が光って……」",
"317000522_14": "「気がついたら、このありさまだ。壁も、機器類も結晶化\\n してしまっている」",
"317000522_15": "「当のカーバンクルは力を使ったあと、眠りに落ちた」",
"317000522_16": "「幸い、部屋の中には誰もいなかったので\\n 怪我人はいませんでした」",
"317000522_17": "「カーバンクルの力が暴走したみたい……」",
"317000522_18": "「残念だが、こうなってしまった以上、\\n カーバンクルを隔離するしかあるまい」"
}

View File

@ -1 +1,47 @@
{}
{
"317000611_0": "檻の中のカーバンクル",
"317000611_1": "「待ってくださいッ! あの子はただ怖くて、\\n わたしに会おうとしただけなんですッ」",
"317000611_2": "「もうしないように言い聞かせますから、\\n お願いします、隔離なんてやめてくださいッ」",
"317000611_3": "「ああ、完全聖遺物にはストレスがどうこうって、\\n エルフナインが言ったんじゃないかッ」",
"317000611_4": "「2人とも落ち着いて」",
"317000611_5": "「落ち着けるわけないだろッ!」",
"317000611_6": "「自分の意見だけを一方的に話すなんて、子供のすることよ。\\n 大体、そんなに詰め寄ったら話しようがないでしょうッ」",
"317000611_7": "「くッ……、ああ……」",
"317000611_8": "「……」",
"317000611_9": "「2人の気持ちはわかっている。\\n だが、この決定を変えることはできない」",
"317000611_10": "「どうしてもなのか?」",
"317000611_11": "「ああ、暴走の原因も制御の方法もわからない状況だからな」",
"317000611_12": "「でも、一度だけですよ。\\n たった一度だけでいきなり隔離なんて……」",
"317000611_13": "「研究室の惨状を見たはずだ。\\n あの力がもし、人に向けられたらどうする」",
"317000611_14": "「ううん、あの子はそんなこと……」",
"317000611_15": "「絶対に無いと言い切れるだろうか」",
"317000611_16": "「現に我々はこの目で見るまで、その危険性を\\n 知ることができなかった」",
"317000611_17": "「何があるかわからない、そんな危険な存在と\\n お前たちを同じ部屋に住まわせることは許可できない」",
"317000611_18": "「わたしたちのため……」",
"317000611_19": "「可愛らしくじゃれる姿に、するべき警戒を緩め、\\n 最悪の事態を招くところだった」",
"317000611_20": "「これは全て俺の油断が招いた結果だ。\\n 本当に申し訳ない」",
"317000611_21": "「おっさん……」",
"317000611_22": "「……」",
"317000611_23": "(ここが隔離場所……。カーバンクルの額に拘束具……、\\n あれで、力の暴走を可能な限り押さえつけているんだ",
"317000611_24": "(ごめんね。本当ならすぐにでもあなたを\\n ここから出してあげたいんだけど……",
"317000611_25": "「……」",
"317000611_26": "「あ……」",
"317000611_27": "「……様子を見に来たんですか?」",
"317000611_28": "「ええ、どうやら、考えることは同じみたいね」",
"317000611_29": "「あの……、\\n ごめんなさい、この子のこんな姿、見たくありませんよね」",
"317000611_30": "「いえ、仕方ないことだと、私もわかっているわ。\\n ……ただ、どうしても気になってしまって」",
"317000611_31": "「こんなことをして、またこの子が宝珠の姿に戻ってしまうんじゃ\\n ないかって……」",
"317000611_32": "「前も同じことがあったって、言ってましたよね?」",
"317000611_33": "「あの時も、姉さんが研究を進めようとこの子をケージに\\n 入れた時に宝珠の姿になってしまったの」",
"317000611_34": "「そう、だったんですか……」",
"317000611_35": "「やはりS.O.N.G.の力は侮れん。\\n まさかあちらもカーバンクルの宝珠の力を利用してくるとは」",
"317000611_36": "「本当にこのまま作戦を続けて問題ないのだろうな?」",
"317000611_37": "「焦らなくても問題ないわ。\\n 計画どおりに事は進んでいる」",
"317000611_38": "「しかし、覚醒に成功したとしても、\\n 奪還することができなければ意味がないぞ」",
"317000611_39": "「安心して。そのための切り札を用意してあるわ」",
"317000611_40": "「なにッ!? なんだそれはッ!」",
"317000611_41": "「フフ、次の戦いで使ってみるといいわ……」",
"317000611_42": "「それともうひとつ、カーバンクルを奪還するために、\\n 使える駒がある」",
"317000611_43": "(あの時、カーバンクルがかばった少女。\\n 彼女は戦闘手段を持っていないようだった",
"317000611_44": "(彼女を手中に収めることができれば……)"
}

View File

@ -1 +1,18 @@
{}
{
"317000621_0": "「よし、これで忘れ物は無いかな」",
"317000621_1": "「未来、今日も行くんだね。\\n カーバンクルちゃんが隔離されてから毎日、ずっと通ってるよね」",
"317000621_2": "「うん……。できるだけ傍にいてあげたくて」",
"317000621_3": "「わたしにはそれくらいしかできないから……」",
"317000621_4": "「ううん、カーバンクルちゃんもきっと喜んでるよ。\\n わたしも一緒に行くね」",
"317000621_5": "「……うん、ありがとう」",
"317000621_6": "「でも未来、大丈夫?\\n 最近顔色悪いし、休める時は休まないとダメだよ」",
"317000621_7": "「……ありがとう。\\n わたしは大丈夫だから、心配しないで」",
"317000621_8": "(たぶん、大丈夫じゃないよね。\\n 未来は時々、わたしより無理をすることがあるから……",
"317000621_9": "「通信……ッ!?」",
"317000621_10": "「はい、はい……。\\n わかりました、すぐに向かいますッ」",
"317000621_11": "「S.O.N.G.の近くに錬金術師が現れたんだって。\\n 行ってくるから、未来はここにいてッ」",
"317000621_12": "「気をつけてね」",
"317000621_13": "「うんッ!」",
"317000621_14": "S.O.N.G.の近くで戦闘……あの子を狙って来たんだ……。\\n きっとあの子は、戦闘の音を聞いて怖がってる……",
"317000621_15": "(……そうだッ! 響の向かった反対側からなら、\\n 戦いに巻き込まれずにS.O.N.G.に入ることができるかも……)"
}

View File

@ -1 +1,10 @@
{}
{
"317000632_0": "「何度も何度も襲ってきやがってッ!\\n いい加減に諦めろッ」",
"317000632_1": "「だけど、これまでの襲撃と比べて質が変わったわッ!」",
"317000632_2": "「決着をつけに来たということかッ!\\n だが、押されてばかりではないぞッ」",
"317000632_3": "「カチカチのジュエル型アルカ・ノイズは倒しにくいデスけど、\\n アタシたちも頑張るデスッ」",
"317000632_4": "「クリス先輩1人に戦わせたりしない」",
"317000632_5": "「ハッ、頼もしいな。\\n じゃあ遅れずについてこいよッ」",
"317000632_6": "「さっすがクリスちゃんッ! よーし、わたしも……ッ!」",
"317000632_7": "「これだけの数をものともしないか。\\n だが、これでいい……陽動は成功した」"
}

View File

@ -1 +1,45 @@
{}
{
"317000641_0": "「早く行ってあげないと。\\n また戦いにおびえて、檻の中で暴れたりしたら大変……」",
"317000641_1": "「あの子は、わたしが護ってあげるって決めたんだ――」",
"317000641_2": "「見つけたぞ。\\n お前は我々の人質になってもらう」",
"317000641_3": "「あなたたちは、錬金術師ッ!?」",
"317000641_4": "「戦闘能力が無いとはいえ、油断はするな。\\n 確実に捕らえるんだッ」",
"317000641_5": "(どうしよう、逃げないとッ!\\n 人質なんかになるわけにはいかないッ",
"317000641_6": "「ふッ……こいつから逃げ切れるかな?」",
"317000641_7": "「ジュエル型アルカ・ノイズ?\\n でも、何か違う……」",
"317000641_8": "「ジュエル型アルカ・ノイズのさらに上位種だ。たとえお前が\\n 戦闘手段を隠し持っていたとしても、こいつを倒すことは不可能だ」",
"317000641_9": "「くッ……」",
"317000641_10": "「さあ、投降しろ。さもなければ……」",
"317000641_11": "「キューッ!」",
"317000641_12": "「カーバンクルッ!?」",
"317000641_13": "「どうしてここにいるの……ッ!?」",
"317000641_14": "「計算外だ……。だが、S.O.N.G.から出てきてくれたというなら\\n 好都合ッ まとめて捕らえてやろう」",
"317000641_15": "「フーッ!」",
"317000641_16": "「ダメッ! あなたが戦ったりしたら、\\n 今度は隔離だけじゃ済まなくなるよッ」",
"317000641_17": "「カーバンクルはなるべく傷つけるな。\\n 一斉にかかれッ」",
"317000641_18": "(わたしが絶対に護るって、そう決めたのに……。\\n またわたしは……ッ",
"317000641_19": "「このおおおッ! 未来から離れろおおおッ!」",
"317000641_20": "「響ッ!?」",
"317000641_21": "「ぐッ、援軍だとッ!?」",
"317000641_22": "「未来、怪我はない?\\n もう大丈夫だからね。あと、ええっと……」",
"317000641_23": "「キュキュ、キューキューッ!」",
"317000641_24": "「落ち着いて、わたしは大丈夫だから。\\n 助けに来てくれてありがとう」",
"317000641_25": "「あたしたちもいるぞッ!」",
"317000641_26": "「馬鹿な、全員こちらに……。\\n 陽動部隊は何をやっているッ」",
"317000641_27": "「アイツらならとっくに片付けてきたッ!\\n 次はお前らの番だッ」",
"317000641_28": "「みんな、来てくれたんだね……」",
"317000641_29": "「通信が入ったのよ。カーバンクルがさらに成長して、\\n 拘束が壊れて逃げ出したって」",
"317000641_30": "「ええッ!?」",
"317000641_31": "「きっと、動物的な勘であなたの危険を察知したんじゃないかしら?」",
"317000641_32": "「そうだったんですね……。\\n カーバンクル、わたしのために来てくれたの」",
"317000641_33": "「キュー」",
"317000641_34": "「想定外続きだが、こちらには上位種がいる。\\n 何人束になろうと、こいつにはかなうまいッ」",
"317000641_35": "「上位種だかなんだか知らないが、\\n シンフォギアの力を侮るなよなッ」",
"317000641_36": "「未来はその子と一緒に退いてッ!\\n 大丈夫、敵は通さないからッ」",
"317000641_37": "「わたしたちは戦いに巻き込まれないように隠れよう。\\n ここにいたら邪魔になっちゃう」",
"317000641_38": "(でも、本当はわたしも、護られるだけじゃなく\\n みんなと一緒に戦いたい",
"317000641_39": "(わたしにも、戦う力があれば……)",
"317000641_40": "「……」",
"317000641_41": "「どうしたの、こっちだよ。早く――」",
"317000641_42": "「カーバンクルッ!? 待ってッ! そっちは……」"
}

View File

@ -13,7 +13,7 @@
"103500251_11": "「なんだ、変なガラクタばかり積んでると思ったら、\\n そういうことかよ」",
"103500251_12": "「ガ、ガラクタ……」",
"103500251_13": "「それにしても、いったい何なんデスか、あの化け物は?」",
"103500251_14": "「ノイズとも、アルカノイズとも違う……」",
"103500251_14": "「ノイズとも、アルカノイズとも違う……」",
"103500251_15": "「そうみたいだね。\\n でも、今は通信が使えないから師匠たちにも聞けないし……」",
"103500251_16": "「なんだ、そっちもか?\\n となると、これは偶然じゃねーな……」",
"103500251_17": "「この変なモヤみたいな物が関係しているのかも……?」",

View File

@ -33,7 +33,7 @@
"103500311_31": "(尾行に気づかれていた? それとも――)",
"103500311_32": "(いずれにしても尾行失敗、ね……。\\n 仕方ない。戻りましょう……",
"103500311_33": "「――ッ! なに、この感覚はッ!?」",
"103500311_34": "「アルカノイズッ!?」",
"103500311_34": "「アルカノイズッ!?」",
"103500311_35": "「……なるほど。\\n 捲かれただけでなく、釣り上げられたってわけね……」",
"103500311_36": "「いいわ……お望み通り、相手してあげるッ!」",
"103500311_37": "「Seilien coffin airget-lamh tron」"

View File

@ -34,7 +34,7 @@
"103500341_32": "「S.O.N.G.の飼い犬になったと聞いていたが……。\\n まあ、なんにしろ、目的を聞かせて貰おうか」",
"103500341_33": "「素直に教えたら、見逃してくれるのかしら?」",
"103500341_34": "「それはそちらの態度次第だな。欲しい情報を全て素直に吐いて\\n もらえるなら、なるべく早く帰れるように取り計らおう」",
"103500341_35": "「お話にならないわね。\\n こう見えてもわたしを待ってるファンが大勢いるのよ」",
"103500341_35": "「お話にならないわね。\\n こう見えてもわたしを待ってるファンが大勢いるのよ」",
"103500341_36": "「命にはかえられないと思うがね?」",
"103500341_37": "「それは価値観の相違って奴ね」",
"103500341_38": "「ならば致し方あるまい。\\n 答える気がないのなら、この場で死んでもらうとしようッ」",

View File

@ -19,7 +19,7 @@
"103500351_17": "「ああ、アルカ・ノイズの召喚法……。\\n あれはキャロルやオートスコアラーと同一の物だった」",
"103500351_18": "「……成果としては充分だけど、足りないわね。\\n わたしたちの見つけた隠し扉はすぐに潰されるでしょうし」",
"103500351_19": "「ああ。だが、これだけ広いロンドンの地下だ。間違いなく\\n 他の出入り口もあるはずだ」",
"103500351_20": "「でしょうね。体制を整えて、後日の探索も可能かもしれない。\\n ……でも、敵が混乱している今が最大の好機だと思わない」",
"103500351_20": "「でしょうね。態勢を整えて、後日の探索も可能かもしれない。\\n ……でも、敵が混乱している今が最大の好機だと思わない」",
"103500351_21": "「なるほど、そうだな。\\n だが――」",
"103500351_22": "「まずは今この場を切り抜けてからだなッ!」",
"103500351_23": "「あの男、またアルカ・ノイズを召喚して――?」",

View File

@ -20,7 +20,7 @@
"103500422_18": "「どういうこと?」",
"103500422_19": "「……呪いって、要するに歌と同じで、心の声な訳、だよね?」",
"103500422_20": "「それは……怨念っていうくらいだから」",
"103500422_21": "「その大ってさ。苦しかったり、怒ったり、悲しんだり――\\n 何かに傷ついたから、魂から絞り出されるんじゃないかな」",
"103500422_21": "「その大ってさ。苦しかったり、怒ったり、悲しんだり――\\n 何かに傷ついたから、魂から絞り出されるんじゃないかな」",
"103500422_22": "「人を傷つけてでも、救われたい想いがあるのかな、って。\\n もちろん、人を傷つけるなんて許されないことだけど」",
"103500422_23": "「響……」",
"103500422_24": "「だからつい、どんな人だったのかな……って。\\n でも、考えてもわからなくてさ」",

View File

@ -20,7 +20,7 @@
"103500652_18": "「しっかし、気持ち悪ぃ気配だな……吐き気がすらぁ……」",
"103500652_19": "「うん、でもこんな偽物の呪いなんかに……負けないよッ」",
"103500652_20": "「ったりめーだろッ!\\n さっさとぶっ倒して帰るからなッ」",
"103500652_21": "「やっぱり、こいつが呪いの大なんだな……」",
"103500652_21": "「やっぱり、こいつが呪いの大なんだな……」",
"103500652_22": "「王様の、黄金の仮面……」",
"103500652_23": "「ちッ! 気をつけろッ!\\n 呪いの力が一気に集まってくるぞッ」",
"103500652_24": "(あの形は、この前にも……? あのマークは一体……?)",

View File

@ -1 +1,36 @@
{}
{
"104000711_0": "虚構戦域に命を賭して・前編",
"104000711_1": "「何が……一体、どうなって――」",
"104000711_2": "「風鳴機関本部が……跡形もなく……?」",
"104000711_3": "「マリアさんたちはッ!?」",
"104000711_4": "「ぶはッ!」",
"104000711_5": "「切歌ちゃんッ!」",
"104000711_6": "「しっかりするデスよ、マリアッ!」",
"104000711_7": "「マリア……ッ!」",
"104000711_8": "「生き……てる……?」",
"104000711_9": "「敗北だ。徹底的にして完膚なきまでに」",
"104000711_10": "「ついに現れたパヴァリア光明結社統制局長、\\n アダム・ヴァイスハウプト。そして……」",
"104000711_11": "「錬金術師どものファウストローブッ!」",
"104000711_12": "「打ち合った瞬間にイグナイトの力を\\n 無理矢理引き剥がされたような、あの衝撃は……」",
"104000711_13": "「ラピス・フィロソフィカス……、\\n 賢者の石の力だと思われます」",
"104000711_14": "「賢者の石……確かに言っていた……」",
"104000711_15": "「完全を追い求める、錬金思想の到達点にして、その結晶体」",
"104000711_16": "「病をはじめとする不浄を正し、\\n 焼きつくす作用をもって浄化する特性に――」",
"104000711_17": "「イグナイトモジュールのコアとなるダインスレイフの魔力は、\\n 為す術もありませんでした」",
"104000711_18": "「とどのつまりはイグナイトの天敵……、\\n この身を引き裂かんばかりの衝撃は、強制解除によるもの……」",
"104000711_19": "「決戦仕様であるはずが、\\n こっちの泣き所になっちまうのかッ」",
"104000711_20": "「東京に搬送されたマリアさんたちは、大丈夫でしょうか……?」",
"104000711_21": "「精密検査の結果次第だけど……奇跡的に大きなダメージは\\n 受けていないそうよ」",
"104000711_22": "「きっと……無事です」",
"104000711_23": "「う……うん、そうだね。大丈夫……絶対」",
"104000711_24": "LiNKERを介さないギアの運用。\\n ましてやイグナイトによる身体への負荷――",
"104000711_25": "(絶唱級のバックファイアを受けてもおかしくなかったはず……。\\n なのに……",
"104000711_26": "「……」",
"104000711_27": "「風鳴機関本部は、現時点をもっての破棄が決定した。\\n 各自、撤収準備に入ってくれ」",
"104000711_28": "「バルベルデドキュメントが解析できていれば、状況打開の\\n 手掛かりがあったのかな……」",
"104000711_29": "「――ッ!?\\n 司令。鎌倉より、召致がかかりました」",
"104000711_30": "「絞られるどころじゃ済まなさそうだ」",
"104000711_31": "「Zeios igalima raizen tron――」",
"104000711_32": "「シュルシャガナの刃は全てを伐り拓く無限軌道ッ!\\n 目の前の障害もッ わたしたちの明日もッ」",
"104000711_33": "「絶対鋭利のイガリマはその気になったら幽霊だってッ!\\n 神様だってッ 真っ二つデスッ」"
}

View File

@ -1 +1,60 @@
{}
{
"104000722_0": "「……あの子たち、無茶を重ねてッ!」",
"104000722_1": "「マリアさんッ!」",
"104000722_2": "「もういいのかッ!?\\n そっちだって大変だったんだろッ」",
"104000722_3": "「ぁぁあああぁぁああ――ッ!」",
"104000722_4": "「……ッ!? 切ちゃんッ!」",
"104000722_5": "「調ちゃんッ! 切歌ちゃんッ!」",
"104000722_6": "「LiNKERも無いのに、どうしてッ」",
"104000722_7": "「わたしたちが、LiNKERに頼らなくても戦えていれば、\\n あんな……」",
"104000722_8": "「だからってッ!」",
"104000722_9": "「平気……それより訓練の続行を……」",
"104000722_10": "「LiNKERに頼らなくてもいいように、\\n 適合係数を上昇させなきゃデス……」",
"104000722_11": "「駄目だよこんな無茶ッ!\\n 一歩間違えたら死んじゃうかもしれないんだよッ」",
"104000722_12": "「経緯もよくわからないままに、充分な適合係数をモノにした\\n 響さんにはわからないッ」",
"104000722_13": "「……」",
"104000722_14": "「いつまでもミソッカス扱いは、\\n 死ななくたって、死ぬほど辛くて、死にそうデスッ」",
"104000722_15": "「……やらせてあげて」",
"104000722_16": "「マリアさんッ!?」",
"104000722_17": "「2人がやりすぎないように、\\n わたしも一緒に訓練に付き合うから」",
"104000722_18": "「適合係数じゃなく、\\n この場のバカ率を引き上げてどうするッ」",
"104000722_19": "「いつかきっとLiNKERは完成する。だけど、その『いつか』を\\n 待ち続けるほど、わたしたちの盤面に余裕はないわ」",
"104000722_20": "「方法はあります」",
"104000722_21": "「LiNKERの完成を手繰り寄せる、\\n 最後のピースを埋めるかもしれない方法が」",
"104000722_22": "「最後のピース?」",
"104000722_23": "「本当デスかッ!?」",
"104000722_24": "「ウェル博士に手渡されたLiNKERのレシピで、\\n 唯一解析できていない部分……」",
"104000722_25": "「それは、LiNKERがシンフォギアを、装者の脳のどの領域に\\n 接続し、負荷を抑制しているか、です」",
"104000722_26": "「フィーネやF.I.S.の支援があったとはいえ、\\n からLiNKERを作り上げたウェル博士は――」",
"104000722_27": "「――色々はともかく、本当に素晴らしい生化学者だったと\\n 言えます」",
"104000722_28": "「素晴らしい……ぞっとしない話ね」",
"104000722_29": "「あ、あの……難しい話は早送りにして、最後のピースの\\n とこまで飛ばしてよ」",
"104000722_30": "「鍵は、マリアさんの纏うアガートラームです」",
"104000722_31": "「白銀の……わたしのギアに?」",
"104000722_32": "「アガートラームの特性のひとつにエネルギーベクトルの\\n 制御があります」",
"104000722_33": "「土壇場に度々見られた発光現象……」",
"104000722_34": "「あれは、脳とシンフォギアを行き来する電気信号が、\\n アガートラームの特性によって可視化……」",
"104000722_35": "「そればかりかギアからの負荷をも緩和したのではないかと、\\n ボクは推論します」",
"104000722_36": "「これまでずっと、任務の合間に繰り返してきた訓練によって\\n マリアさんたちの適合係数は少しずつ上昇してきました」",
"104000722_37": "「おそらくはその結果だと思われます」",
"104000722_38": "「マリアの適合係数は、わたしたちの中でも一番高い数値……\\n それが……」",
"104000722_39": "「今までの頑張り、無駄ではなかったわけデスかッ!?」",
"104000722_40": "「ええ。マリアさんの脳内に残された、電気信号の痕跡を\\n 辿っていけば――」",
"104000722_41": "「LiNKERの作用している場所が解明する……\\n だけど、そんなのどうやって」",
"104000722_42": "「それこそウェルの野郎に頭下げない限りは……」",
"104000722_43": "「――ついてきてください」",
"104000722_44": "「これは……?」",
"104000722_45": "「ウェル博士の置き土産……ダイレクトフィードバック\\n システムを、錬金技術を応用し、再現してみました」",
"104000722_46": "「対象の脳内に電気信号化した他者の意識を割り込ませることで、\\n 観測を行います」",
"104000722_47": "「つまりそいつで頭ん中を覗けるってことか?」",
"104000722_48": "「理論上は。\\n ですが、人の脳内は、意識が複雑に入り組んだ迷宮……」",
"104000722_49": "「最悪の場合、観測者ごと被験者の意識は溶け合い、\\n 廃人となるおそれも――」",
"104000722_50": "「やるわ」",
"104000722_51": "「……ッ!」",
"104000722_52": "「ようやくLiNKER完成の目処が立ちそうなのに、\\n 見逃す理由はないでしょ」",
"104000722_53": "「でも……危険すぎる」",
"104000722_54": "「やけっぱちのマリアデスッ!」",
"104000722_55": "「あなたたちがそれを言う?」",
"104000722_56": "「観測者……つまりあなたにもその危険は及ぶのね?」",
"104000722_57": "「それがボクにできる戦いです……、\\n ボクと一緒に戦ってくださいッ マリアさんッ」"
}

View File

@ -1 +1,43 @@
{}
{
"104000731_0": "「……して、夷狄による蹂躙を許したと?」",
"104000731_1": "「結果、松代の風鳴機関本部は壊滅。\\n 大戦時より所蔵してきた機密の殆どを失うこととなりました」",
"104000731_2": "「外患の誘致、及び撃ち退けること叶わなかったのはこちらの\\n 落ち度に他ならず、まったくもって申し開きは――」",
"104000731_3": "「聞くに堪えん」",
"104000731_4": "「……」",
"104000731_5": "「わかっておろうな」",
"104000731_6": "「国土防衛に関する、例の法案の裁決を急がせます」",
"104000731_7": "「有事に手緩い。即時施行せよ」",
"104000731_8": "「まるで不肖の防人よ。\\n 風鳴の血が流れておきながら嘆かわしい」",
"104000731_9": "「我らを防人たらしめるは血に非ず。\\n その心意気だと信じております」",
"104000731_10": "「ふん……」",
"104000731_11": "「切ちゃん? 心配なのはわかるけど……」",
"104000731_12": "「わかってるデスッ!\\n 全ては、わかった上での決断なのデスッ」",
"104000731_13": "「はぐ……ぐむッ!」",
"104000731_14": "「チョコ明太子味なんて冒険するから……」",
"104000731_15": "「あたしの奢りを残すなよ、常識人」",
"104000731_16": "「これは願掛けなんデス……全部食べられたら、マリアと\\n エルフナインの挑戦は、きっとうまくいくのデス……」",
"104000731_17": "「響……ねえ響……?」",
"104000731_18": "「……あ、なに?」",
"104000731_19": "「……溶けちゃってるけど?」",
"104000731_20": "「うぇ? うわっ……うおッ!」",
"104000731_21": "「話を聞いたり、隣で溶けたアイスを拭うぐらいはしてあげる。\\n ……だから、何かあるときは頼ってよね」",
"104000731_22": "「……ありがと、未来。\\n やっぱり未来は、わたしの陽だまりだ」",
"104000731_23": "「次のニュースです。\\n 内乱の続く祖国で片足を失ったステファン君――」",
"104000731_24": "「どうしても大好きなサッカーをもう一度したいと――」",
"104000731_25": "「最新の義足を取り付ける手術を受けるため、\\n 本日バルベルデ共和国より来日しました」",
"104000731_26": "「良かったね……、\\n あの子、またサッカーできるようになるんだね」",
"104000731_27": "「……だと、いいんだけどな……」",
"104000731_28": "「……」",
"104000731_29": "「悩んで下した決断が、いつも正しいわけじゃない……、\\n それどころか、初めから正解が無いなんてこともザラにある……」",
"104000731_30": "「始めましょうか」",
"104000731_31": "「ええ、あなたがわたしのココに入ってくるわけね?」",
"104000731_32": "「正しくは、仮想空間に複写したマリアさんの脳構造に接続。\\n ボクとマリアさんの意識を共有します」",
"104000731_33": "「了解」",
"104000731_34": "「2人とも、いいわね? いくわよ」",
"104000731_35": "「く……ッ!」",
"104000731_36": "「これが、マリアさんの脳内……記憶が描く心象風景……」",
"104000731_37": "「マリアさん……」",
"104000731_38": "「――痛ッ!」",
"104000731_39": "「今日からあなたたちには戦闘訓練を行ってもらいます」",
"104000731_40": "「フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは、\\n 涙より血を流すことで組織に貢献するのです」"
}

View File

@ -1 +1,19 @@
{}
{
"104000732_0": "「意識を共有しているからには、記憶と体験はボクにも及ぶ……」",
"104000732_1": "「どこなんだろう……ギアと繋がる脳の領域は……」",
"104000732_2": "「うにゃん、うにゃん、うにゃにゃにゃにゃ~ん♪\\n うにゃん、うにゃーん、うにゃにゃ、うにゃん♪」",
"104000732_3": "「ラピスの輝きはイグナイトの闇を圧倒……、\\n 勝利は約束されていた。それを……」",
"104000732_4": "「下手こいちゃうと、あーしたち、\\n こんがり・サク・ジュワだったわよ」",
"104000732_5": "「しかもその上、仕留めそこなっていたというワケダ」",
"104000732_6": "「みんなッ! 折角アダムが来てくれたんだよッ!\\n ギスギスするより、キラキラしようよッ」",
"104000732_7": "「……」",
"104000732_8": "「み<speed=0.5>・</speed>ん<speed=0.5>・</speed>なーッ!」",
"104000732_9": "「どうどう、ティキ……、\\n だけどもっともだね、サンジェルマンたちの言い分は」",
"104000732_10": "「いいとこ見せようと加勢したつもりだったんだ、\\n 出てきたついでにね」",
"104000732_11": "「……」",
"104000732_12": "「でもやっぱり……君たちに任せるとしよう。\\n シンフォギア共の相手は……」",
"104000732_13": "「統制局長、どちらへ?」",
"104000732_14": "「教えてくれたのさ、星の巡りを読んだティキが……ね」",
"104000732_15": "「うんッ!」",
"104000732_16": "「成功したんだろう? 実験は……、\\n なら次は本格的にいこうじゃないか。神の力の具現化を」"
}

View File

@ -1 +1,25 @@
{}
{
"104000811_0": "虚構戦域に命を賭して・後編",
"104000811_1": "「早く飲みなさいッ!」",
"104000811_2": "「――ッ!?」",
"104000811_3": "「ぐずぐずしないッ!」",
"104000811_4": "(マリアさんの記憶……。\\n レセプターチルドレンは皆こんな過酷な訓練を……",
"104000811_5": "(でもこの記憶が示す先は一体どこなんだろう……?)",
"104000811_6": "「あれ? ここは……」",
"104000811_7": "「これは……ノイズの、記憶……?」",
"104000811_8": "(逃げないと――)",
"104000811_9": "「ハァ……ハァ……あッ!」",
"104000811_10": "「もしここでボクが死んだら……、\\n おそらく、現実のボクも、目を覚まさずに……」",
"104000811_11": "「ああ……ッ!」",
"104000811_12": "(……だめだ、逃げ切れない。\\n ごめんなさい、マリアさん――",
"104000811_13": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"104000811_14": "「マリアさんッ!?」",
"104000811_15": "「いくら相手がエルフナインでも、\\n 思い出を見られるのはちょっと照れくさいわね」",
"104000811_16": "「あの……いつの記憶の、どのマリアさんですか?」",
"104000811_17": "「一緒に戦うって約束したばかりでしょ」",
"104000811_18": "「この場に意識を共有するのなら、\\n いるのはあなただけじゃないッ」",
"104000811_19": "「わたしの中で、わたしが暴れて、何が悪いッ!」",
"104000811_20": "「記憶じゃない……マリアさんの意識がッ!」",
"104000811_21": "「突破するッ!」",
"104000811_22": "「はいッ!」"
}

View File

@ -1 +1,30 @@
{}
{
"104000812_0": "「ここは……どこ?」",
"104000812_1": "「マリアさん自身も忘れかけている深層意識の\\n イメージでしょうか」",
"104000812_2": "「深層……ッ!?」",
"104000812_3": "「ッ!?」",
"104000812_4": "「じ、地面が沼みたいに――」",
"104000812_5": "「なんなのッ!? 飲み込まれて――」",
"104000812_6": "「ッ!? 何ッ!」",
"104000812_7": "「2人の様子は?」",
"104000812_8": "「バイタル、安定域から大幅に数値を下げています。\\n このままの状態が続けば……」",
"104000812_9": "「やむをえまい……場合によっては、観測の一時中断を――」",
"104000812_10": "「どうしたッ!」",
"104000812_11": "「東京湾にアルカ・ノイズの反応ッ!」",
"104000812_12": "「空間を切り取るタイプに続き、またしても新たな形状……、\\n しかも、かなり巨大なタイプの様ですッ」",
"104000812_13": "「まかり通らせるわけにはッ!\\n ――行きますッ」",
"104000812_14": "「わかりましたッ! ヘリの降下地点に向かいますッ!」",
"104000812_15": "「もたもたは後回しだッ! 行くぞッ!」",
"104000812_16": "「わたしたちは本部にッ!」",
"104000812_17": "「はぐはぐッ! マリアたちの様子が気になるデスッ!」",
"104000812_18": "「未来も、学校のシェルターに避難しててッ!」",
"104000812_19": "「――響ッ!」",
"104000812_20": "「誰だって譲れない想いを抱えてる」",
"104000812_21": "「……」",
"104000812_22": "「だからって……勝てない理由になんてならない」",
"104000812_23": "「勝たなくてもいいよ」",
"104000812_24": "「……え?」",
"104000812_25": "「だけど絶対に――負けないで」",
"104000812_26": "「わたしの胸には、歌がある」",
"104000812_27": "「……うん」"
}

View File

@ -1 +1,13 @@
{}
{
"104000821_0": "「オペラハウスの地下には、ティキ以外にも面白いものが\\n ゴロゴロ眠ってたのよね」",
"104000821_1": "「勿体ぶってなんていられないワケダ」",
"104000821_2": "「そう、我らパヴァリア光明結社は、神の力をもってして\\n 世の理をあるべき形へと修正するッ」",
"104000821_3": "『それが、誰かのためならば、わたしたちきっと――\\n 手を取り合える……』",
"104000821_4": "「大義は――いいえ、正義は我らにこそあるわ。行く道を\\n 振り返るものかッ たとえ人で駆けたとしても――」",
"104000821_5": "「1人じゃない。1人になんてさせないワケダ」",
"104000821_6": "「サンジェルマンのおかげであーしたちはここにいる。\\n どこだって人でよ」",
"104000821_7": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」",
"104000821_8": "「気になるのは錬金術師の出方だ……抜剣を控え、\\n イグナイト抜きで迎え撃つぞッ」",
"104000821_9": "「何のつもりか知らねぇが、\\n たくらんけ相手に遅れは取らねぇッ」",
"104000821_10": "「この身を防人たらしめるのは、血よりも熱き心意気ッ!」"
}

View File

@ -1 +1,21 @@
{}
{
"104000832_0": "「マリア……マリアッ! しっかりッ!」",
"104000832_1": "「あ、あなたはッ!?」",
"104000832_2": "「そうとも。僕は行きずりの英雄――」",
"104000832_3": "「ドクター・ウェルッ! 死んだはずではッ!?」",
"104000832_4": "「それでもこうして、君の胸に生き続けている……」",
"104000832_5": "「――死んだ人間ってのは、だいたいそうみたいだねぇッ!」",
"104000832_6": "「フッフッフ……これもあれもたぶんきっとアレですよアレ。\\n マリアの中心で叫べるなんて超最高ぉッ」",
"104000832_7": "「あんな言動……わたしの記憶に無いはずよ」",
"104000832_8": "「だとすると、ウェル博士に対する印象や別の記憶を元に\\n 投影されたイメージ……ということになるのでしょうか……」",
"104000832_9": "「……自分の記憶を叱りたい……」",
"104000832_10": "「もしかしたら、マリアさんの深層意識が、シンフォギアと\\n 繋がる脳領域を指し示しているのかもしれません……」",
"104000832_11": "「アガートラームの導き……?\\n だったらセレナとか、もっと適役がいたはずよ」",
"104000832_12": "「示しているのは……ウェル博士から直接想起されるモノ……、\\n だとするならば……」",
"104000832_13": "「生化学者にして英雄ッ!\\n 定食屋のチャレンジメニューもかくやという盛り過ぎ設定ッ」",
"104000832_14": "「そうともッ! いつだって僕はハッキリと伝えてきたッ!\\n はぐらかしなんてするものかッ」",
"104000832_15": "「だったらッ!」",
"104000832_16": "「忘れているのなら手を伸ばし、自分の力で拾い上げなきゃ。\\n 記憶の底の、底の底。そこには確かに転がっている」",
"104000832_17": "「マリアさんッ! ……あッ!」",
"104000832_18": "「離れないでッ! エルフナインッ!」"
}

View File

@ -1 +1,9 @@
{}
{
"104000841_0": "「調ちゃんに切歌ちゃんッ! 戻ってきたのね」",
"104000841_1": "「マリアとエルフナインは、アタシたちが看ているのデスッ!」",
"104000841_2": "「だから発令所へッ! 司令が呼んでいるッ!」",
"104000841_3": "「ありがとう。2人をお願いするわね」",
"104000841_4": "「ドクター…<speed=0.5>…</speed>ウェル…<speed=1>…</speed>死んだはず……」",
"104000841_5": "「なんだかよくわからないけど……」",
"104000841_6": "「どうにも様子がおかしいのデス……」"
}

View File

@ -1 +1,20 @@
{}
{
"104000842_0": "「アルカ・ノイズ、残存数68%ッ!」",
"104000842_1": "「それでも出てこない錬金術師……」",
"104000842_2": "「……」",
"104000842_3": "「こうも奴らをウジャつかせてるのは、アイツの仕業かッ!?」",
"104000842_4": "「つまりは狙い所ッ!」",
"104000842_5": "「ぶっぱするタイミングはこっちでッ!\\n トリガーは翼さんにッ」",
"104000842_6": "「目にもの見せるッ!\\n はああああああッ」",
"104000842_7": "「そしてあたしは、片付けられる女だッ!」",
"104000842_8": "「分裂したッ!?」",
"104000842_9": "「まさかッ!? 仕損じたのかッ!」",
"104000842_10": "「どうなってやがるッ!?」",
"104000842_11": "「分裂した巨大アルカ・ノイズ、個別に活動を再開しましたッ!\\n 総数」",
"104000842_12": "「それぞれが、別方向に進行……」",
"104000842_13": "「くッ、敵の狙いは装者の分断かッ!?」",
"104000842_14": "「司令ッ! 入間基地より入電ッ!\\n 必要であれば、応援を寄越してくれると――」",
"104000842_15": "「無理だッ! 相手がアルカ・ノイズでは、空自の装備品じゃ\\n 足止めだってままならないッ 下手すれば被害が――」",
"104000842_16": "「いや、入間基地にはコード814を要請してくれッ!」",
"104000842_17": "「ハリアーを、ここにですか?\\n ……了解しましたッ」"
}

View File

@ -1 +1,7 @@
{}
{
"104000851_0": "「人類が、この星の完全なる霊長となる為には、\\n 支配される存在であってはならない」",
"104000851_1": "「完全を希求する錬金の理念ッ!\\n シンフォギアなどに阻まれるわけにはいかないッ」",
"104000851_2": "「狙いがわたしたちの分断だとしても、分裂後のサイズなら\\n それぞれで対応できますッ」",
"104000851_3": "「3人で、3体を仕留めりゃいいんだろッ!」",
"104000851_4": "「確かに、そうかもしれないが……」"
}

View File

@ -1 +1,34 @@
{}
{
"104000852_0": "「これ以上、みんなを巻き込むわけにはッ!」",
"104000852_1": "「だああああああッ!\\n うぉりゃぁああぁっっ……ッ」",
"104000852_2": "「え?」",
"104000852_3": "「うわッ!」",
"104000852_4": "「ッ!?」",
"104000852_5": "「く……ッ!」",
"104000852_6": "「キリが……無いッ!?」",
"104000852_7": "「はぁぁぁああああ――――ッ!」",
"104000852_8": "「くっ……やはり、更なる分裂ッ!」",
"104000852_9": "「おおおおおッ!」",
"104000852_10": "「……かはッ!」",
"104000852_11": "「どこまで頑張らせるつもりだッ!」",
"104000852_12": "「っっ……ぅぅ……」",
"104000852_13": "「頑張って……2人とも……」",
"104000852_14": "「く……う、うぅ……」",
"104000852_15": "「みんなも頑張っているデスよ」",
"104000852_16": "「ここは……?」",
"104000852_17": "「心象が描く風景……ではなさそうです……」",
"104000852_18": "「強く……なりたい……」",
"104000852_19": "「今の声は……わたし?」",
"104000852_20": "「弱い自分は、見せたくない……」",
"104000852_21": "「誰に嘘をついてでも……」",
"104000852_22": "「自分の心を偽ってでも……」",
"104000852_23": "「でも本当は……」",
"104000852_24": "「嘘なんてつきたくない……」",
"104000852_25": "「ここはマリアさんの内的宇宙」",
"104000852_26": "「わたしの心の闇……。受け入れられない弱さに怯えて、\\n 誰かと繋がることすら拒んでいた、あの頃の……」",
"104000852_27": "「マリアさん……?」",
"104000852_28": "「誰かと手を取り合いたければ、\\n 自分の腕を伸ばさなければいけない。だけど――」",
"104000852_29": "「その手がもし、振り払われてしまったら……」",
"104000852_30": "「――ッ!? マリアさん?\\n マリアさん……マリアさんッ」",
"104000852_31": "「マリアさ――」"
}

View File

@ -1 +1,15 @@
{}
{
"104000911_0": "決死圏からの浮上",
"104000911_1": "「ていッ! やッ! はああああッ!」",
"104000911_2": "「うおおおぉぉぉ――ッ!」",
"104000911_3": "「勝機ッ!」",
"104000911_4": "「はあ、はあ、はあ……、\\n 消耗戦を仕掛けてくると踏んでいたが……」",
"104000911_5": "「なかなかどうして」",
"104000911_6": "「全発全中ッ! もってけ全部だッ!」",
"104000911_7": "「はあ、はあ、はあ……増殖の元を断ちさえすれば……」",
"104000911_8": "「あとは鴨撃つばかりだってぇの……」",
"104000911_9": "「分裂したってッ! 増殖したってッ!」",
"104000911_10": "「はあッ!」",
"104000911_11": "「何度だって叩き潰すッ!」",
"104000911_12": "「何度だって――くッ!」"
}

View File

@ -1 +1,32 @@
{}
{
"104000912_0": "(わたしは……自分で作った闇に溺れて……\\n 掻き消されてしまうの……",
"104000912_1": "「シンフォギアの適合に奇跡というものは介在しない」",
"104000912_2": "「その力、自分のものとしたいなら、\\n 手を伸ばし続ければいい……」",
"104000912_3": "「ッ!」",
"104000912_4": "「マリアさんッ!」",
"104000912_5": "「ここは……白い孤児院?\\n わたしたちが、連れてこられた、F.I.S.の……」",
"104000912_6": "「うう……わぁーん……」",
"104000912_7": "「……」",
"104000912_8": "「今日からあなたたちには戦闘訓練を行ってもらいます」",
"104000912_9": "「フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは、\\n 涙より血を流すことで組織に貢献するのです」",
"104000912_10": "「……う……」",
"104000912_11": "「本当にそうなのかい?\\n 本当に……君の記憶――」",
"104000912_12": "「――わたしの記憶はマムへの恐れ……だけだったの?」",
"104000912_13": "「そうだ……。恐れと痛みから、記憶に蓋をしていた……。\\n いつだってマムは、わたしを打った後は、悲しそうな顔で……」",
"104000912_14": "「処置をいたします」",
"104000912_15": "「う、ううう……うわああああッ!」",
"104000912_16": "「無理よ、マム……、\\n やっぱりわたしは、セレナみたいになれやしない……」",
"104000912_17": "「マリア。ここで諦めることは許されません」",
"104000912_18": "「悪を背負い、悪を貫くと決めたあなたは、苦しくとも\\n 耐えなければならないのですッ」",
"104000912_19": "「――ッ!」",
"104000912_20": "「最初の――そうだ……わたしたちにどれほど過酷な実験や訓練を\\n 課したとしても、マムはただの人も脱落させなかった……」",
"104000912_21": "「それだけじゃない……わたしたちが決起することで存在が明るみに\\n 出たレセプターチルドレンは、全員保護されている……」",
"104000912_22": "「全ては……わたしたちを生かすために……、\\n いつも自分を殺して……」",
"104000912_23": "「トマトを美味しくするコツは、\\n 厳しい環境においてあげること――」",
"104000912_24": "「ギリギリまで水を与えずにおくと、\\n 自然と甘みを蓄えてくるもんじゃよ」",
"104000912_25": "「大いなる実りは、厳しさを耐えた先にこそ……。\\n 優しさばかりでは、今日まで生きてこられなかった……」",
"104000912_26": "「わたしたちに生きる強さを授けてくれたマムの厳しさ。\\n その裏にあるのは……」",
"104000912_27": "「ナスターシャにも、マリアにも、いつだって伝えてきた……、\\n そう、人とシンフォギアを繋ぐのは――」",
"104000912_28": "「可視化された電気信号が示すここは、ギアと繋がる脳領域……」",
"104000912_29": "「誰かを思いやる、熱くて深い感情を司るここに、\\n LiNKERを作用させることができれば――ッ」"
}

View File

@ -1 +1,9 @@
{}
{
"104000921_0": "「う……ん。\\n ――はッ」",
"104000921_1": "「え、エルフナインッ!?」",
"104000921_2": "「どうなったデスかッ!?」",
"104000921_3": "「もうひと踏ん張り――\\n そのあとは……お願いしますッ」",
"104000921_4": "「……マリア……?」",
"104000921_5": "「ありがとう、マム……」",
"104000921_6": "「何度分裂したって――ッ!」"
}

View File

@ -1 +1,12 @@
{}
{
"104000932_0": "「どおおりああああああッ!」",
"104000932_1": "(分裂したもう1匹は――ッ!?)",
"104000932_2": "「しまった……ッ!」",
"104000932_3": "「今逃げたやつを、追いかけなきゃ……ッ!」",
"104000932_4": "「……あれは、バルベルデで墜とした……」",
"104000932_5": "「くッ!」",
"104000932_6": "「――ッ!?」",
"104000932_7": "「いくらシンフォギアが堅固でも」",
"104000932_8": "「装者の心は容易く折れるワケダ」",
"104000932_9": "「総力戦を仕掛けるッ!」"
}

View File

@ -1 +1,17 @@
{}
{
"104000941_0": "「アルカ・ノイズ、第19区域方面へと進行ッ!」",
"104000941_1": "「それって……リディアンの方じゃ……ッ!」",
"104000941_2": "「ボサっとしてねぇで、そっちに向かえッ!」",
"104000941_3": "「クリスちゃんッ!?」",
"104000941_4": "「空のデカブツは……あたしと先輩がなんとかするッ!」",
"104000941_5": "「で……でもッ! それじゃあ……」",
"104000941_6": "「あたしらに抱えられるもんなんてたかが知れているッ!」",
"104000941_7": "「お前はお前の正義を信じて握り締めろッ!\\n せめて自分の最善を選んでくれッ」",
"104000941_8": "「……ありがとう、クリスちゃん。\\n だけど、わたし――」",
"104000941_9": "「待っていたのは、この瞬間ッ!」",
"104000941_10": "「イグナイト・モジュールッ! 抜剣――」",
"104000941_11": "「その無茶は、後に取っとくデスッ!」",
"104000941_12": "「え?」",
"104000941_13": "「わがままなのは響さん1人じゃないからッ!」",
"104000941_14": "「Various shul shagana tron――」"
}

View File

@ -1 +1,10 @@
{}
{
"104000942_0": "「シュルシャガナとイガリマ、エンゲージッ!」",
"104000942_1": "「協力してもらった入間の方々には、\\n 感謝してもしきれないですね」",
"104000942_2": "「バイタル安定、シンフォギアからのバックファイアは\\n 規定値内に抑えられています」",
"104000942_3": "「こっちもよく間に合わせてくれた。\\n 感謝するぞ、エルフナインくん……」",
"104000942_4": "「……ふぅ」",
"104000942_5": "「LiNKER完成に必要だったのは、\\n ギアと装者を繋ぐ脳領域を突き止めること……」",
"104000942_6": "「その部位が司るのは、自分を殺してでも誰かを護りたい\\n 無償の想い……それを一言で言うならば……」",
"104000942_7": "<size=40>「――愛よッ!」</size>"
}

View File

@ -1 +1,6 @@
{}
{
"104000952_0": "「これ以上、進ませないッ!」",
"104000952_1": "「はあああああああッ!」",
"104000952_2": "「最高――なんて言わないわ」",
"104000952_3": "「あなたは最低の最低よ、ドクター・ウェル」"
}

View File

@ -1 +1,15 @@
{}
{
"104001011_0": "ARCANA No.00・前編",
"104001011_1": "「はあ――ッ!」",
"104001011_2": "「ふ――ッ!」",
"104001011_3": "「でえええええいッ!」",
"104001011_4": "「はあああッ!」",
"104001011_5": "「――ッ!?」",
"104001011_6": "「これ以上、好きにはさせないワケダッ!」",
"104001011_7": "「結局、お薬頼りのクセしてッ!」",
"104001011_8": "「LiNKERを……ただの薬と思わないでほしいデスッ」",
"104001011_9": "「皆の想いが完成させた絆で――ッ!」",
"104001011_10": "「――ッ!」",
"104001011_11": "「きっと勝利を――」",
"104001011_12": "「――毟り取るデースッ!」"
}

View File

@ -1 +1,27 @@
{}
{
"104001012_0": "「行くデスよ調ッ!」",
"104001012_1": "「うん、切ちゃんッ!」",
"104001012_2": "「――くッ!?」",
"104001012_3": "「はあああああああああ――ッ!」",
"104001012_4": "「あいつらはどこデスかッ!?」",
"104001012_5": "「……ッ!? 切ちゃんッ!」",
"104001012_6": "「その命――革命の礎にッ!」",
"104001012_7": "「――何ッ!?」",
"104001012_8": "「響さんッ!?」",
"104001012_9": "「……間違ってる……」",
"104001012_10": "「……命を礎だなんて、間違ってるよッ!」",
"104001012_11": "「3対3になったからって……」",
"104001012_12": "「気持ちが大きくなってるワケダ」",
"104001012_13": "「いいや。これで6対3だ」",
"104001012_14": "「翼さんッ! クリスちゃんッ!」",
"104001012_15": "「マリアッ!」",
"104001012_16": "「くっ……」",
"104001012_17": "「いい加減に聞かせてもらおうか。\\n パヴァリア光明結社……その目的をッ」",
"104001012_18": "「人を支配から解放すると言ったあなたたちは、\\n 一体何と戦っているのッ」",
"104001012_19": "「あなたたちが何を望んでいるのか教えてッ!」",
"104001012_20": "「本当に、誰かのために戦っているのなら、\\n わたしたちは手を取り合えるッ」",
"104001012_21": "「手を取るだと? 傲慢なッ!」",
"104001012_22": "「我らは神の力をもってして、バラルの呪詛を解き放つッ!」",
"104001012_23": "「神の力で――バラルの呪詛をだと?」",
"104001012_24": "「――月の遺跡を掌握するッ!」"
}

View File

@ -1 +1,22 @@
{}
{
"104001021_0": "「……月にある、遺跡を……?」",
"104001021_1": "「人が、人を力で蹂躙する不完全な世界秩序は、\\n 魂に刻まれたバラルの呪詛に起因する、不和がもたらす結果だ」",
"104001021_2": "「不完全を改め、完全と正すことこそサンジェルマンの\\n 理想であり、パヴァリア光明結社の掲げる思想なのよ」",
"104001021_3": "「月遺跡の管理権限を上書いて、人の手で制御するには、\\n 神と呼ばれた旧支配者に並ぶ力が必要なワケダ」",
"104001021_4": "「そのために、バルベルデをはじめ、\\n 各地で儀式を行ってきたワケダ」",
"104001021_5": "「だとしても――誰かを犠牲にしていい理由にはならないッ!」",
"104001021_6": "「犠牲ではない。流れた血も失われた命も――革命の礎だッ!」",
"104001021_7": "「――ッ!?」",
"104001021_8": "「これ以上の問答は無用か……、\\n ならば、話はベッドで聞かせてもらうッ」",
"104001021_9": "「くッ! な――ッ!」",
"104001021_10": "「はあああああああッ!」",
"104001021_11": "「――くうッ!」",
"104001021_12": "「はッ!」",
"104001021_13": "「ふッ――はあああああッ!」",
"104001021_14": "「うふッ!」",
"104001021_15": "「これならどうだあッ!」",
"104001021_16": "「いつぞやのお返しなんだからぁッ!」",
"104001021_17": "「――でかッ!?」",
"104001021_18": "「うわああああッ!?」",
"104001021_19": "「お前たちもこのまま革命の礎となれッ!」"
}

View File

@ -1 +1,27 @@
{}
{
"104001031_0": "「これを食らうワケダッ!」",
"104001031_1": "「きゃああああッ!?」",
"104001031_2": "「調ッ!」",
"104001031_3": "「このままでは……」",
"104001031_4": "「だったらやるデスよ、調ッ!」",
"104001031_5": "「イグナイトモジュール、抜剣(デース)ッ!」",
"104001031_6": "「いけませんッ!\\n ダインスレイフの力は、賢者の石によって――」",
"104001031_7": "「先走るワケダ」",
"104001031_8": "「当たりさえしなければッ!」",
"104001031_9": "「マスト……ダァァ――イッ!」",
"104001031_10": "「――ッ!?」",
"104001031_11": "「ノリの軽さは浅はかさなワケダ」",
"104001031_12": "「っあああああッ!」",
"104001031_13": "「月読ッ! 暁ッ!」",
"104001031_14": "「明日のために、私の銃弾は躊躇わないわ」",
"104001031_15": "「なぜッ、どうしてッ!」",
"104001031_16": "「わかるまい……だがそれこそがバラルの呪詛ッ!\\n 人を支配する軛……」",
"104001031_17": "「だとしてもッ! 人の手は、誰かを傷つけるのではなく、\\n 取り合うために……」",
"104001031_18": "「取り合うだとッ!?」",
"104001031_19": "「謂れなき理由に踏み躙られたことのない者が言うことだッ!」",
"104001031_20": "「言ってること、全然わかりませんッ!」",
"104001031_21": "「――何ッ!?」",
"104001031_22": "「だとしても……。\\n あなたの想い、わたしにもきっと理解できる――」",
"104001031_23": "「今日の誰かを踏み躙るやり方では、\\n 明日の誰も踏み躙らない世界なんて創れませんッ」",
"104001031_24": "「……お前……」"
}

View File

@ -1 +1,53 @@
{}
{
"104001042_0": "「だあああああッ!」",
"104001042_1": "「むず痒いのよッ!」",
"104001042_2": "「はああああッ!」",
"104001042_3": "「あらやだッ!」",
"104001042_4": "「ッ!? こっちッ!」",
"104001042_5": "「ッ!」",
"104001042_6": "「……私たちは共に天を戴けないはずッ!」",
"104001042_7": "「くぅッ……だとしても……です」",
"104001042_8": "「ッ!」",
"104001042_9": "「思い上がるな。\\n 明日を拓く手は、いつだって怒りに握った拳だけだ」",
"104001042_10": "「これ以上は無用な問答。\\n 預けるぞ、シンフォギアッ」",
"104001042_11": "「ここぞで任務放棄って……、\\n どういうワケダ、サンジェルマンッ」",
"104001042_12": "「あーしのせいッ!?\\n だったらメンゴッ オニメンゴッ」",
"104001042_13": "「パヴァリア光明結社の目的は、月遺跡の掌握……」",
"104001042_14": "「その為に必要とされる、通称『神の力』を\\n 生命エネルギーより錬成しようとしていると……」",
"104001042_15": "「仮にそうだとして……響くんの一撃で分解するような\\n 規模ではいくまい。おそらくはもっと巨大で強大な……」",
"104001042_16": "「その規模の生命エネルギー、一体どこからどうやって……」",
"104001042_17": "「まさか、レイラインではッ!?」",
"104001042_18": "「何?」",
"104001042_19": "「キャロルが世界の分解解析に利用したレイライン……巡る\\n 地脈から、星の命をエネルギーと取り出すことができれば……」",
"104001042_20": "「パヴァリア光明結社はチフォージュシャトーの建造に\\n 関わっていた。関連性は大いにありそうですよ」",
"104001042_21": "「取り急ぎ、神社本庁を通じて、各地のレイライン観測所の\\n 協力を仰ぎます」",
"104001042_22": "「うむ……」",
"104001042_23": "「あとは、装者たちの状況だな……。\\n LiNKERは問題無く作用したらしいが……」",
"104001042_24": "「ごめんなさいデス」",
"104001042_25": "「え?」",
"104001042_26": "「エルフナインとマリアが命を懸けてLiNKERを\\n 作ってくれたのに……」",
"104001042_27": "「それはわたしも同じ。戦うことさえできればどうにかなると\\n 思っていた。けど、甘かったわ」",
"104001042_28": "「くそッ! なんなんだよッ!」",
"104001042_29": "「……」",
"104001042_30": "(サンジェルマンさん……)",
"104001042_31": "「賢者の石による抜剣封殺……、\\n その対策を急いで講じなければ……」",
"104001042_32": "「エルフナインくんは?」",
"104001042_33": "「無理は禁物と言っているのですが、\\n ずっとラボに篭りっきりで……」",
"104001042_34": "「確かに言ったはずだよ、僕は。\\n シンフォギアの破壊をね」",
"104001042_35": "「……申し訳ありません」",
"104001042_36": "「……前はいい所で邪魔したくせに」",
"104001042_37": "「いけすかないワケダ」",
"104001042_38": "「聞こえているわよ、三級錬金術師共ッ!\\n アダムの悪口なんて許さないんだからッ」",
"104001042_39": "「アスペクトはついに示された。\\n ティキが描いたホロスコープにね」",
"104001042_40": "「ならば、祭壇設置の儀式を」",
"104001042_41": "「えへへへへッ!」",
"104001042_42": "「この手で掴もうかッ! 神の力をッ!」",
"104001042_43": "「いや~ん、ティキ、飛んでっちゃうッ!」",
"104001042_44": "「完全世界の実現のために」",
"104001042_45": "「嫌味な奴。\\n あんなのが結社を統べる局長ってんだから、やりきれないね」",
"104001042_46": "「そうだね。だけど、わたしたちがついていくのは、\\n あいつでも結社でもないワケダ」",
"104001042_47": "「……2人とも……」",
"104001042_48": "「これ以上、アダムにでかい顔させないためにも、\\n 本気出さなくちゃね」",
"104001042_49": "「しかし、私は祭壇設置の儀式に取り掛からなければならないわ」",
"104001042_50": "「だったらシンフォギアの破壊は、こちらに任せてほしいワケダ」"
}

View File

@ -1 +1,78 @@
{}
{
"104001111_0": "ARCANA No.00・後編",
"104001111_1": "「大丈夫と信じてたけど、\\n ニュースでは詳しいことが流れないから心配だったんだよ」",
"104001111_2": "「このくらいでいいかなー。\\n じゃあ次は牛乳を入れて……」",
"104001111_3": "「今日はいつかのリベンジ。\\n あれからこっそり作り方を勉強してたんだから」",
"104001111_4": "「……未来」",
"104001111_5": "「ん?」",
"104001111_6": "「何かを手に入れたいと思ったら……、\\n 他の何かを手放さなきゃいけないのかな」",
"104001111_7": "「全部、なんとかしたいって思うのは、わがままなのかな?」",
"104001111_8": "「わたし……響のわがまま、好きだよ」",
"104001111_9": "「え……?」",
"104001111_10": "(中学の頃、短距離走の記録に伸び悩んでたわたしにとって、\\n 周りはみんなライバルで――",
"104001111_11": "(――誰かを思いやることなんて簡単にはできなかった)",
"104001111_12": "「もうちょっと~ッ!」",
"104001111_13": "「ひ、響……?\\n 何してるの、危ないよッ」",
"104001111_14": "「へいきッ! へっちゃらッ!\\n うぇッ あ、わあああああッ ――あいたッ」",
"104001111_15": "「ありがとう、おねえちゃん」",
"104001111_16": "「ありがとう」",
"104001111_17": "「どうもねぇ……」",
"104001111_18": "「……大丈夫?」",
"104001111_19": "「泣いてる子がいたからさ、ちょっと頑張り過ぎちゃったよ」",
"104001111_20": "「本当は、誰よりも泣きたくて、救ってもらいたいはずなのに、\\n それでも誰かの為に無理をする……」",
"104001111_21": "「誰かの背中なんて見たくなかったあの頃。\\n でも、わたしの前を行く優しい背中だけは特別だった」",
"104001111_22": "「誰かの前を走るのではなく、ずっと並んで歩いて行きたいと\\n 思ったあの日」",
"104001111_23": "(そしてわたしは、中学卒業と同時に陸上部を辞めた。\\n わたしの胸の内は、きっと誰にも打ち明けられないだろう",
"104001111_24": "(それでも想いをカタチにしたくて……、\\n いつか、ピアを習いたいと願った……",
"104001111_25": "「ごちそうさまでした」",
"104001111_26": "「おそまつさまでした」",
"104001111_27": "「ねえ、響……」",
"104001111_28": "「ん?」",
"104001111_29": "「響が……響のままやりたいことがわがままなら、\\n わたしは響のわがままを応援する。だから――」",
"104001111_30": "「…………」",
"104001111_31": "「響のわがままはね、\\n きっと、困っている人に差し出された手なんだよ」",
"104001111_32": "「未来……ありがと」",
"104001111_33": "「うん」",
"104001111_34": "「異端技術に関する、資料らしい資料は掻き集めたつもりだ。\\n 他に必要なものがあったら、なんでも言ってほしい」",
"104001111_35": "「はい、ありがと――あッ!?」",
"104001111_36": "「……大丈夫かッ!?」",
"104001111_37": "「……根を詰めすぎちゃいないか?」",
"104001111_38": "「ご、ごめんなさい。でも……」",
"104001111_39": "「キャロルから貰った身体です。\\n 人で人。だから人分頑張らないと……」",
"104001111_40": "「……ッ!」",
"104001111_41": "「どうした?」",
"104001111_42": "「……これは……」",
"104001111_43": "「これは?」",
"104001111_44": "「以前、ガングニールと融合し、いわば生体核融合炉と化していた\\n 響さんより錬成されたガーベッジです」",
"104001111_45": "「あーッ! あの時のかさぶたぁ?」",
"104001111_46": "「……とはいえ、あの物質にさしたる力は無かったと\\n 聞いていたが……」",
"104001111_47": "「世界をひとつの大きな命に見立てて作られた賢者の石に対して、\\n このガーベッジは――」",
"104001111_48": "「――響さんという1人の小さな命より産み出されています。\\n つまりその成り立ちは正反対といえます」",
"104001111_49": "「今回立案するシンフォギア強化計画では――」",
"104001111_50": "「ガーベッジが備える真逆の特性をぶつけることで\\n 賢者の石の力を相殺する狙いがあります」",
"104001111_51": "「つまりは対消滅バリアコーティングッ!」",
"104001111_52": "「そうです。錬金思想の基本であるマクロコスモスと\\n ミクロコスモスの照応によって導き出された解答ですッ」",
"104001111_53": "「誰か、解説してほしいけれど……」",
"104001111_54": "「その解説すらわからない気がするデス」",
"104001111_55": "「その物質、どこぞのバカの中から出たってんだから、\\n さしずめ愚者の石ってところだな」",
"104001111_56": "「愚者とは酷いよクリスちゃん」",
"104001111_57": "「うむ、なるほど。\\n 賢者の石に対抗する、愚者の石……」",
"104001111_58": "「うわ、まさかの師匠までッ!?」",
"104001111_59": "「それで、その石はどこに?」",
"104001111_60": "「一通りの調査を終えた後、無用不要なサンプルとして、\\n 深淵の竜宮に保管されていたのですが……」",
"104001111_61": "「愚者の石の回収は、まさに泥の中から1粒の砂金を\\n さらう作業だ。長丁場になるが、頼んだぞ」",
"104001111_62": "「了解」",
"104001111_63": "「あちゃー……」",
"104001111_64": "「思ってた以上に……」",
"104001111_65": "「ぺちゃんこデスよ……」",
"104001111_66": "(――あの時も)",
"104001111_67": "(――バルベルデの時も)",
"104001111_68": "「今思えば、もう少し冴えたやり方があったのかもな」",
"104001111_69": "「こんなんで本当に見つかるんだろうな……」",
"104001111_70": "「ぎゃあああッ!」",
"104001111_71": "「ッ!」",
"104001111_72": "「アルカ・ノイズの反応を検知ッ!」",
"104001111_73": "「反応座標、絞り込みますッ! 敵は――\\n  我々のほぼ直上ですッ」",
"104001111_74": "「まさか、こちらの動きに合わせて?」",
"104001111_75": "「Zeios igalima raizen tron――」"
}

View File

@ -1 +1,23 @@
{}
{
"104001121_0": "「はあ――ッ!」",
"104001121_1": "「おらあああああッ!」",
"104001121_2": "「大丈夫デスッ! 落ち着いて避難を――」",
"104001121_3": "「大丈夫なんて簡単に言ってくれるじゃないッ!\\n このお気楽系女子ッ」",
"104001121_4": "「誰がお気楽デスとッ!?」",
"104001121_5": "「決まってるでしょぉッ!」",
"104001121_6": "「――ッ!? あ……」",
"104001121_7": "「ぎゃああああああッ!」",
"104001121_8": "「あらら、誰のせいかしら?」",
"104001121_9": "「ッ!」",
"104001121_10": "「はッ!」",
"104001121_11": "「うあッ!?」",
"104001121_12": "「なッ!? うああああッ!?」",
"104001121_13": "「切ちゃんッ! クリスせんぱ――」",
"104001121_14": "「ああッ!」",
"104001121_15": "「ダインスレイフを抜剣できないシンフォギアなんて\\n チョロすぎるワケダ」",
"104001121_16": "「ここでブチ壊されちゃいなさい」",
"104001121_17": "「連中の狙いはシンフォギアの破壊?」",
"104001121_18": "「愚者の石ではないのデスか?」",
"104001121_19": "「だったら派手にやってやらあッ!」",
"104001121_20": "「いっけえええええええッ!」"
}

View File

@ -1 +1,12 @@
{}
{
"104001132_0": "「水上施設が襲撃を受けているッ!?」",
"104001132_1": "「なんだとッ!?」",
"104001132_2": "「すぐ浮上しますッ!」",
"104001132_3": "「そのまま作業を続けてください」",
"104001132_4": "「――えッ!?」",
"104001132_5": "「奴らは、愚者の石のことは知らないようだ」",
"104001132_6": "「回収作業のことが知られれば、邪魔されかねない」",
"104001132_7": "「でも、賢者の石の力が相手では――」",
"104001132_8": "「ユニゾンです……切歌さんと調さんの歌を重ねれば――」",
"104001132_9": "「抜剣せずとも、対抗できるッ!」"
}

View File

@ -1 +1,19 @@
{}
{
"104001141_0": "(ユニゾン――だが今は後輩共は分断されちまってる……)",
"104001141_1": "「――だったら、埒を抉じあけるッ!」",
"104001141_2": "「はああああああああッ!」",
"104001141_3": "(――ここだッ!)",
"104001141_4": "(ベーゼ可能なゼロレンジッ!\\n だけどッ あーしの唇は安くないッ",
"104001141_5": "「いっけええええええッ!」",
"104001141_6": "「ッ!?\\n どっきんハァァ――ットッ」",
"104001141_7": "「さーて、いっちょやらかすデスよッ!」",
"104001141_8": "「切ちゃんッ!」",
"104001141_9": "「くッ!」",
"104001141_10": "「調ちゃんと切歌ちゃんのフォニックゲイン、\\n 飛躍していきますッ」",
"104001141_11": "「この出力でならッ!」",
"104001141_12": "「うだつのあがらない詐欺師まがいだったわたしたちに、\\n 完全な肉体と真の叡智――」",
"104001141_13": "「――そして理想を授けてくれたのはサンジェルマンなワケダ……。\\n だから、彼女のために負けられないワケダッ」",
"104001141_14": "「プレラーティッ!」",
"104001141_15": "「――させるかよッ!」",
"104001141_16": "「――ッ!?\\n もう、邪魔なのよッ」"
}

View File

@ -1 +1,23 @@
{}
{
"104001152_0": "「楽しいこと気持ちいいことだけでは……、\\n 理想にはたどり着けないワケダッ」",
"104001152_1": "「理想のために――ッ!」",
"104001152_2": "(わたしの隣に、切ちゃんがいれば――)",
"104001152_3": "(アタシの隣に、調がいれば――)",
"104001152_4": "(――絶対負けない(デス)ッ!)",
"104001152_5": "<size=40>「はあああああああ――ッ!」</size>",
"104001152_6": "「ァアアア――ッ!」",
"104001152_7": "「ここまでにしてあげるわ」",
"104001152_8": "「重ね合ったこの手は……」",
"104001152_9": "「絶対に離さないデス」",
"104001152_10": "「……そういうことは家でやれ」",
"104001152_11": "「やってくれましたね」",
"104001152_12": "「ああ、今日のところはな……」",
"104001152_13": "「順調にいっているようだね。祭壇設置の儀式は」",
"104001152_14": "「はい。ですが、中枢制御の大祭壇設置に必要な\\n 生体エネルギーが不足しています……」",
"104001152_15": "「じゃあ……生贄を使えばいいんじゃないかな?」",
"104001152_16": "「――ッ!?」",
"104001152_17": "「あの2人のどちらかを」",
"104001152_18": "「充分に足りるはずさ、祭壇設置の不足分だってね。\\n 完全な肉体より錬成される生体エネルギーならば……」",
"104001152_19": "「局長――あなたは、どこまで人でなしなのか……」",
"104001152_20": "「選択してもらおうか。君の正義を」"
}

View File

@ -1 +1,46 @@
{}
{
"104001211_0": "過去と未来の狭間で・前編",
"104001211_1": "「およ?」",
"104001211_2": "「よし切ちゃん、まずは落ち着こう」",
"104001211_3": "「およ―――ッ!」",
"104001211_4": "「デェェェ――――スッ!」",
"104001211_5": "「はッ!? み、見せてくださいッ!」",
"104001211_6": "「わああああ――わぶッ!?」",
"104001211_7": "「こっちは見てらんないッ!」",
"104001211_8": "「そうですッ! これが賢者の石に抗うボクたちの切り札……、\\n 愚者の石ですッ」",
"104001211_9": "「すっかり……愚者の石で定着しちゃったね」",
"104001211_10": "「か~ッ! 五臓六腑に染み渡るデスッ!」",
"104001211_11": "「さすが、石の発見者は言うことが違う」",
"104001211_12": "「そういえばエルフナインちゃんは?」",
"104001211_13": "「マッパでマッハな烏の行水だ」",
"104001211_14": "「泥に塗れた奇跡を、輝かせるために……」",
"104001211_15": "「対抗手段……対消滅バリア」",
"104001211_16": "「愚者の石の特性で賢者の石を無効化すれば」",
"104001211_17": "「この手に勝機は握られる」",
"104001211_18": "「……」",
"104001211_19": "(だとしても、まず――)",
"104001211_20": "「あ、クリスちゃん宛てに、外務省経由で連絡が来ていたわよ」",
"104001211_21": "「連絡? あたしに?」",
"104001211_22": "「バルベルデのあの姉弟が、\\n 帰国前に面会を求めているんだけど……」",
"104001211_23": "「悪い。それ、なしで頼む」",
"104001211_24": "「でも……」",
"104001211_25": "「バルベルデ……」",
"104001211_26": "「うわああああああああッ!」",
"104001211_27": "「くそったれがああああッ!」",
"104001211_28": "「あなたがステファンの脚をッ!」",
"104001211_29": "「ああ<speed=1>、</speed>撃ったのはこのあたしだ」",
"104001211_30": "「……クリスちゃん……」",
"104001211_31": "「過去は過去。選択の結果は覆らない」",
"104001211_32": "「だからとて、目を背け続けては、\\n 今為すべきことすらおざなりになってしまうぞ」",
"104001211_33": "「ご忠節が痛み入るね」",
"104001211_34": "「雪音、お前には――」",
"104001211_35": "「ふむ、揃ってるようだな」",
"104001211_36": "「師匠……なんです藪から棒に……」",
"104001211_37": "「全員、トレーニングルームに集合だッ!」",
"104001211_38": "「――はあッ!?」",
"104001211_39": "「トレーニングって、おっさんッ!\\n 愚者の石が見つかった今、今更が過ぎんぞッ」",
"104001211_40": "「これが映画だったら、たかだか石ころで、\\n ハッピーエンドになるはずなかろう」",
"104001211_41": "「なんだよ、それ」",
"104001211_42": "「御託はひと暴れしてからだッ!」",
"104001211_43": "「トレーニングプログラム、開始します」"
}

View File

@ -1 +1,20 @@
{}
{
"104001241_0": "「たあああああッ!」",
"104001241_1": "「――はあッ!」",
"104001241_2": "「はあああああッ! ――せいッ!」",
"104001241_3": "「はッ!」",
"104001241_4": "「どおりゃあああああッ!」",
"104001241_5": "「デェ――――スッ!」",
"104001241_6": "「わたしと切ちゃん、2人の歌を重ねればッ!」",
"104001241_7": "「ザババの刃は相手を選ばないのデスッ!」",
"104001241_8": "「はああああああッ!」",
"104001241_9": "「――だからって……大人げないッ!」",
"104001241_10": "「なッ……」",
"104001241_11": "「ああッ!」",
"104001241_12": "「今回は特別に、俺が訓練をつけてやるッ!\\n 遠慮はいらんぞッ」",
"104001241_13": "「こちらも遠慮なしで行くッ!」",
"104001241_14": "「師匠が相手ですかッ!?」",
"104001241_15": "「ああ、たまにはこういうのもいいだろう」",
"104001241_16": "(……いやな予感しか)",
"104001241_17": "(しないのデス……)"
}

View File

@ -1 +1,61 @@
{}
{
"104001252_0": "「ふんッ!」",
"104001252_1": "「くッ――ど、どうすればいいのッ!?」",
"104001252_2": "「はああああ――たあッ!」",
"104001252_3": "「きゃああッ!?」",
"104001252_4": "「マリアッ!」",
"104001252_5": "「人間相手の攻撃に躊躇しちゃうけれど……」",
"104001252_6": "「相手が人間かどうかは疑わしいのデスッ!」",
"104001252_7": "「師匠ッ! 対打をお願いしますッ!\\n はああああああ――ッ」",
"104001252_8": "「張り切るな、特訓バカッ!」",
"104001252_9": "「はッ! たッ! てえぃッ!」",
"104001252_10": "「猪突に任せるなッ!」",
"104001252_11": "「司令は手を合わせ、心を合わせることでわたしたちに\\n 何かを伝えようとしている……」",
"104001252_12": "「はッ!\\n うわッ、うわあああああッ」",
"104001252_13": "「ほいよっとッ!」",
"104001252_14": "「だが、その前に――わたしの中の跳ね馬が躍り昂ぶるッ!」",
"104001252_15": "「はあああああッ! はッ! せいッ!」",
"104001252_16": "「たああああ――ッ!」",
"104001252_17": "「……お見事……なッ!?」",
"104001252_18": "「はあッ!」",
"104001252_19": "「く――ッ!」",
"104001252_20": "「ほたえな、おっさんッ!」",
"104001252_21": "「ほッ! はッ! とッ! はッ! とッ!\\n ……おおおおおりゃあッ」",
"104001252_22": "「嘘だろッ!? ……ぐはッ!」",
"104001252_23": "「数をバラ撒いても、重ねなければ積み上がらないッ!\\n 心と意を合わせろッ」",
"104001252_24": "「――爆心ッ!」",
"104001252_25": "「わわっ……」\\n「デスッ」",
"104001252_26": "「うきゅう……」",
"104001252_27": "「忘れるなッ! 愚者の石はあくまでも、賢者の石を\\n 無効化する手段に過ぎんッ」",
"104001252_28": "「さあ、準備運動は終わりだ」",
"104001252_29": "「え……じゃあ、今のはッ!?」",
"104001252_30": "「本番は……ここからだッ!」",
"104001252_31": "「……」",
"104001252_32": "「?」",
"104001252_33": "「順調にいっているようだね。祭壇設置の儀式は」",
"104001252_34": "「はい。ですが、中枢制御の大祭壇設置に必要な\\n 生体エネルギーが不足しています……」",
"104001252_35": "「じゃあ……生贄を使えばいいんじゃないかな?」",
"104001252_36": "「え?」",
"104001252_37": "「あの2人のどちらかを」",
"104001252_38": "「――ッ!?」",
"104001252_39": "「充分に足りるはずさ、祭壇設置の不足分だってね。\\n 完全な肉体より錬成される生体エネルギーならば……」",
"104001252_40": "「局長――あなたは、どこまで人でなしなのか……」",
"104001252_41": "「選択してもらおうか。君の正義を」",
"104001252_42": "「プレラーティの修復は?」",
"104001252_43": "「順調よ。時間は少しかかるけど」",
"104001252_44": "「同じ未来を夢見た仲間……」",
"104001252_45": "「そうね……仲間を傷つける奴は許さない……。\\n あーしも腹を括ったわ」",
"104001252_46": "「七つの惑星と七つの音階……。\\n 星空は、まるで音楽を奏でる譜面のようね」",
"104001252_47": "「始めようか、開闢の儀式を」",
"104001252_48": "「……ッ!」",
"104001252_49": "「……」",
"104001252_50": "「そろそろ選ばなくてはね。捧げる命はどちらなのか……」",
"104001252_51": "「……はッ!?」",
"104001252_52": "「……」",
"104001252_53": "「さてシンフォギアだよ、気になるのは」",
"104001252_54": "「あーしが出るわ。儀式で動けない人と負傷者には、\\n 任せられないじゃない」",
"104001252_55": "「あるのかな? 何か考えでも」",
"104001252_56": "「……」",
"104001252_57": "「相手はお肌に悪いくらいの強敵」",
"104001252_58": "「もう嘘はつきたくなかったけど……搦め手でいかせてもらうわ」"
}

View File

@ -1 +1,39 @@
{}
{
"104001311_0": "過去と未来の狭間で・後編",
"104001311_1": "「これが……?」",
"104001311_2": "「はい。急ごしらえですが、対消滅バリアシステムを\\n 組み込みました」",
"104001311_3": "「見た目に変化はないけれど……」",
"104001311_4": "「これで賢者の石には負けないのデス」",
"104001311_5": "「ところで、翼とクリスは?」",
"104001311_6": "「お2人には先に渡しておきました。\\n お知り合いに……会いにいくそうなので」",
"104001311_7": "「……」",
"104001311_8": "「今日の夕方の便で帰るんだ。\\n でも、その前に……このことを伝えたかった」",
"104001311_9": "「あ……ああ……」",
"104001311_10": "「……」",
"104001311_11": "「術後の経過もいいから、すぐにリハビリも始められるって」",
"104001311_12": "「そうか……」",
"104001311_13": "「内戦の無い国ってのをもう少し見てみたかったけど……、\\n 姉ちゃんの帰りを待ってる子たちも多いからさ」",
"104001311_14": "「……?」",
"104001311_15": "「彼女は雪音のご両親の遺志を継ぎ、家や家族を失った子供たちを\\n 支援しているそうだ」",
"104001311_16": "「……え?」",
"104001311_17": "「……」",
"104001311_18": "「パパやママの遺志を継いで……」",
"104001311_19": "「さっき運んだ支援物資の中に――」",
"104001311_20": "「……パパ…<speed=0.5>…</speed>ママ……?」",
"104001311_21": "「パパッ! ママッ!」",
"104001311_22": "「離してッ! ソーニャッ!」",
"104001311_23": "「ダメよッ! あぶないわッ!」",
"104001311_24": "「ソーニャのせいだッ!」",
"104001311_25": "(わかってた……ソーニャお姉ちゃんのせいじゃないって……)",
"104001311_26": "(……だけど、ソーニャの弟のことは、あたしの――)",
"104001311_27": "「……なのに。何が言えるんだよ……」",
"104001311_28": "「取り込み中だぞッ!?」",
"104001311_29": "「アルカ・ノイズ……ッ!」",
"104001311_30": "「第7区域にアルカ・ノイズの反応を検知ッ!\\n 天羽々斬とイチイバルは即時対応をッ」",
"104001311_31": "「響ちゃんたちもそちらに向かっているわッ!」",
"104001311_32": "「避難誘導の要請をお願いします」",
"104001311_33": "「2人は早く避難をッ!」",
"104001311_34": "「わ、わかったわッ!」",
"104001311_35": "「むしゃくしゃのぶつけどころだッ!」",
"104001311_36": "「Killiter Ichaival tron――」"
}

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