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{
"201016511_0": "幸せの指輪",
"201016511_1": "「絶好のピクニック日和でよかったね、未来ッ!」",
"201016511_2": "「響ったら子供みたいなはしゃぎぶり」",
"201016511_3": "「えーッ! 未来だって、\\n 毎日何度も天気予報を確認してたよ」",
"201016511_4": "「それは響とのお出かけだし、\\n せっかくのお休みだから、晴れている方がいいでしょ」",
"201016511_5": "「それは、もちろんッ!」",
"201016511_6": "「ねえねえ、今から行くところって\\n 前にテレビでやってたところだよね」",
"201016511_7": "「そうだよ。シロツメクサの花がたくさん咲いてる場所で、\\n この時期にしか見られないんだって」",
"201016511_8": "「白い花が広がってて、\\n 一面、真っ白な花畑なんだよ」",
"201016511_9": "「そうなんだ、今から楽しみだねッ!」",
"201016511_10": "「でも、未来がシロツメクサが好きだったなんて知らなかったなー」",
"201016511_11": "「子供のときに四つ葉のクローバーを集めたりしてて、\\n それがきっかけで好きになったの」",
"201016511_12": "「え? クローバーはクローバーでしょ?」",
"201016511_13": "「クローバーはシロツメクサの別名。\\n だから、探したら四つ葉のクローバーも見つかるかもね」",
"201016511_14": "「なるほど……、花畑ってくらいだから\\n たくさん見つかるかなッ」",
"201016511_15": "「ふわふわしてて可愛い花だから、\\n 四つ葉のクローバーと一緒に身につけたら幸せになれるかもね」",
"201016511_16": "「幸せになれる花飾り……」",
"201016511_17": "「どうしたの、何か言った?」",
"201016511_18": "「え? ううん、なんでもないよッ!\\n 早くその花を見たいから、急がなきゃと思って」",
"201016511_19": "「すぐに花は散らないから、\\n 急がなくても平気だよ」",
"201016511_20": "「すごい……」",
"201016511_21": "「わー、本当に一面、真っ白だねッ!」",
"201016511_22": "「うん、テレビで見た映像よりずっときれい……」",
"201016511_23": "「アハハ、お腹空いちゃった……」",
"201016511_24": "「響は花より団子だね。\\n 遠かったから、移動でお昼過ぎちゃったし、仕方ないか」",
"201016511_25": "「お弁当にしよう。\\n たくさん作ってきたから、いっぱい食べてね」",
"201016511_26": "「ありがとう、いただきまーすッ!」",
"201016511_27": "「んー、外で食べるお弁当はいつも美味しいけど、\\n きれいな景色を見ながらだと、更に美味しいッ」",
"201016511_28": "「フフ、ご飯みたいに白くてふわふわだからって、\\n 花は食べちゃダメだからね」",
"201016511_29": "「た、食べないよー」",
"201016511_30": "「あッ、そうだッ!\\n やらなきゃいけないことがあるんだったッ」",
"201016511_31": "「やらなきゃいけないこと?」",
"201016511_32": "「ちょーっと待っててねッ!」",
"201016511_33": "(花を集めているみたいだけど、何してるんだろう。",
"201016511_34": " まさか、本当に食べるつもりなんじゃ……)",
"201016511_35": "「未来、お待たせッ!」",
"201016511_36": "「もう、何やってたの?」",
"201016511_37": "「未来、手を出して」",
"201016511_38": "「響、これ、指輪……?」",
"201016511_39": "「わたしから未来へのプレゼントだよ。\\n ほら、身につけたら幸せになれるかもね、って言ってたから」",
"201016511_40": "「それで、わざわざ作ってくれたの?」",
"201016511_41": "「うろ覚えだからそんなに上手じゃないんだけど、\\n これも前にテレビで紹介してたんだ」",
"201016511_42": "「本当は花冠を作ることができたらよかったんだけど、\\n わたしには難易度高すぎて……」",
"201016511_43": "「ううん、すごく嬉しい。\\n ありがとう、響」",
"201016511_44": "「あッ、この指輪、花だけじゃなくて\\n 四つ葉のクローバーまで付いてる……」",
"201016511_45": "「なんとか1つ見つけられたんだ。\\n これできっと幸せになれるねッ」",
"201016511_46": "「この指輪をもらえただけで、十分幸せだよ」",
"201016511_47": "(響はいつもわたしをあたたかい、幸せな気持ちにしてくれる。\\n いつか、この幸せのお返しができるといいな……",
"201016511_48": "「幸せにしてもらってるのはわたしも同じだよ」",
"201016511_49": "「こういう、のんびり楽しい時間を過ごすことができるのは\\n 未来が傍にいてくれるから」",
"201016511_50": "「だから、ありがとう、未来。\\n いつもわたしの傍にいてくれて」",
"201016511_51": "「響……」",
"201016511_52": "「なんだかちょっと照れくさいね」",
"201016511_53": "「せっかくだから、わたしが着けてもいい?」",
"201016511_54": "「うんッ! じゃあ、お願い」",
"201016511_55": "「未来、よく似合ってるよ。\\n これからもずっと一緒にいてね」",
"201016511_56": "「うん、約束する。\\n わたしはどんな時でも響の傍にいるよ……」"
}

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@ -0,0 +1,96 @@
{
"201017811_0": "未来を照らす光",
"201017811_1": "「ん……、ここは……?」",
"201017811_2": "「未だに抵抗を続けるか、依り代の少女よ」",
"201017811_3": "「そうだ、わたしはまだ……。",
"201017811_4": " くっ、身体が思うように動かないッ!」",
"201017811_5": "「なぜ解放を望む?\\n 個々の知性体のままではただ傷つけ合うだけだというのに」",
"201017811_6": "「何を言っているの?」",
"201017811_7": "「あの娘に会いたいのだろう」",
"201017811_8": "「そうよ、響に会いたいッ!\\n わたしの居場所はこんなところじゃないものッ」",
"201017811_9": "「その場所に居続けることが本当にできるのか?」",
"201017811_10": "「どうしてそんなことを――」",
"201017811_11": "「響は勝手過ぎるよ、だったか」",
"201017811_12": "「え?」",
"201017811_13": "「ずっと自分がライブに誘ったせいで危険な目に遭わせたと\\n 後悔してきた、とも言っていたな」",
"201017811_14": "「どうして、あなたがそのことを……。\\n まさか、わたしの記憶を見たのッ」",
"201017811_15": "「た、確かに響とはケンカすることもあるけど、\\n それでも仲直りしてきたッ」",
"201017811_16": "「だが、次はどうだ?\\n 修復できないほどの齟齬をきたさないと言い切れるのか」",
"201017811_17": "「わたしは……」",
"201017811_18": "「さあ、身も心も我に捧げよ。\\n そうすれば、悩み、傷つくことも無くなるであろう」",
"201017811_19": "「響……ッ!」",
"201017811_20": "「はッ!? ……あ、あれ?\\n ここは、わたしたちの部屋……」",
"201017811_21": "「んん……」",
"201017811_22": "(そっか、今のは夢だったんだ。\\n あれはわたしがまだシェム・ハに囚われてたときの……",
"201017811_23": "(あのときは答えることができなかったけど、\\n 今ならはっきりと言える……",
"201017811_24": "「響……」",
"201017811_25": "「大丈夫、安心して。未来――」",
"201017811_26": "「響、起きてたの?」",
"201017811_27": "「未来に呼ばれたような気がして。\\n 怖い夢とか見たなら、寝るまでぎゅってしててあげるよ」",
"201017811_28": "「それじゃ……、お願いしようかな」",
"201017811_29": "「お安い御用だよ」",
"201017811_30": "「響はお日様みたいにあったかいね……」",
"201017811_31": "「えへへ、これでぐっすり眠れるかな」",
"201017811_32": "「うん、ありがとう……」",
"201017811_33": "(シェム・ハと最後に交わした約束。\\n 響となら、傷つきながらでも自分の足で歩いていける",
"201017811_34": "「わたしだって、わたしなりに考えて\\n ああするべきだと思って、動いたんだよ」",
"201017811_35": "「だったら、最初にその考えたことを言ってくれなきゃ。\\n わたしだって、言いたいことも言えないじゃない」",
"201017811_36": "「未来だって、何も言わないときあるじゃん」",
"201017811_37": "「今は言うようにしてるのッ!\\n 響がきちんと伝えてくれないのが問題なのよ」",
"201017811_38": "「……で? 何がどうなって、\\n こいつらはこんなケンカしてんだよ」",
"201017811_39": "「それがボクが来たときには言い合いになっていて……。\\n 事情を聞こうにもボクには……」",
"201017811_40": "「まあ、あの中に割って入るのはハードル高いな」",
"201017811_41": "「ど、どうしましょう。止めたほうがいいですよね」",
"201017811_42": "「こんなことも気づけないで、\\n どうやってわかり合おうって言うの」",
"201017811_43": "「そんなこと言われたって……、\\n 言葉にしてくれないとわからないことだってあるよ」",
"201017811_44": "「はぁ、しょうがねえな。\\n あたしがあいつらの頭を冷やして――」",
"201017811_45": "「いや、待ってほしい。\\n ここはわたしに任せてくれないか」",
"201017811_46": "「先輩、いつの間に」",
"201017811_47": "「立花、小日向ッ!」",
"201017811_48": "「翼さん、すみません。今は響と――」",
"201017811_49": "「みんなでカラオケに行くぞッ!」",
"201017811_50": "「……え?」",
"201017811_51": "「先日発売された曲がもう入っているとは……。\\n お、これはマリアの曲か」",
"201017811_52": "「いや、意味がわからん。\\n 何をどうしたらこういう状況になるんだ」",
"201017811_53": "「……」",
"201017811_54": "「……」",
"201017811_55": "「おまけにあの2人は入ってから一言も喋ってないし」",
"201017811_56": "「あの、なぜカラオケなのでしょうか?」",
"201017811_57": "「フィーネが統一言語の代わりにしようとしたように、\\n 歌には時に言葉以上に気持ちを通じさせる力があるはずだ」",
"201017811_58": "「だから、2人が共に唄うことで、言葉にできない想いに、\\n 気づくことができるのではないかと思ってな」",
"201017811_59": "「そう単純な話なんですかね、先輩」",
"201017811_60": "「それに以前、わたしを元気付けようとしてくれた2人に\\n まだお返しができていなかったからな」",
"201017811_61": "「さて、まずはこの曲を入れたいんだが、\\n これで合っているのだろうか」",
"201017811_62": "「合ってますけど……、\\n それデュエット曲ですよ。先輩」",
"201017811_63": "「わかっている。\\n よし、立花、小日向。曲を入れたから唄ってみてくれ」",
"201017811_64": "「え? わたしたちが唄うんですか?\\n 翼さんが入れたんですよね」",
"201017811_65": "「そういうのもいいじゃねえか。\\n 人に唄ってほしい曲を入れるっていうのは」",
"201017811_66": "「そういうことなら、わかりました……」",
"201017811_67": "(こうやって最後に響と2人で唄ったのって\\n いつだろう……",
"201017811_68": "(あっ、この歌、陽だまりって、\\n 一緒に唄っている相手のことなのかな",
"201017811_69": "(この歌詞みたいにどんなときだって、\\n ずっと一緒にいたいとわたしも思ってるのに",
"201017811_70": "(未来には伝わらないのかな。\\n 苦しみや痛みも人で分け合っていきたいってこと",
"201017811_71": "(歌だったら素直に言えることなのに……。\\n ううん、歌じゃなくてわたしの言葉で伝えないといけない",
"201017811_72": "(そうだよね、何があっても変わらない。\\n わたしの未来への想いはッ",
"201017811_73": "「大好き……ッ!」",
"201017811_74": "「あッ、ええっと……」",
"201017811_75": "「ごめんッ!」",
"201017811_76": "「わたし、未来のことばっかり考えちゃって、\\n 逆に迷惑かけちゃったかもしれない」",
"201017811_77": "「……ううん。わたしも響のことを考えすぎて、\\n 余計なことまでしちゃってた」",
"201017811_78": "「ごめんね」",
"201017811_79": "「どうやら想いが通じたな」",
"201017811_80": "「互いが互いのことを想いすぎたがゆえに、\\n それが空回ってしまった結果だったようだ」",
"201017811_81": "「よかったです、歌の力は本当にすごいですね」",
"201017811_82": "「ごめんなさい、みんなに迷惑かけちゃって」",
"201017811_83": "「夫婦喧嘩は犬も食わないって言葉もあるんだ。\\n するのはいいが、ほどほどにしとけよ」",
"201017811_84": "「はい、気をつけますッ!」",
"201017811_85": "(まったく、危なっかしいことこの上ない)",
"201017811_86": "「ん? 未来、今なんて言ったの?」",
"201017811_87": "「……え? わたし、何も言ってないよ」",
"201017811_88": "「あれ、でも今、確かに……」",
"201017811_89": "「さて、次は雪音に唄ってもらう曲を選ぶか。\\n 人もリクエストがあれば言ってくれ」",
"201017811_90": "「なッ!? あたしもッ!?」",
"201017811_91": "「じゃあ、可愛い曲とかいいんじゃないですかね。\\n ほら、響も一緒に選ぼう」",
"201017811_92": "「う、うんッ!」",
"201017811_93": "(空耳、だったのかな……?)"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,139 @@
{
"201017911_0": "祝・3周年",
"201017911_1": "「さあ、今日は祝いの席だ。\\n 遠慮せず飲み食いしていってくれ」",
"201017911_2": "「なんだかよくわからないけど、\\n あたしたちまで便乗させてもらって悪いな」",
"201017911_3": "「たくさんのお料理が並んでますね。\\n これってみなさんで準備したんですか」",
"201017911_4": "「うん、作ったのは藤尭さんと緒川さん……」",
"201017911_5": "「なーに、謙遜してるデスか?\\n それに調もでしょ。だから味はバッチリデスッ」",
"201017911_6": "「わたしが手伝ったのは少しだけだから……」",
"201017911_7": "「そうだったんですね。\\n 月読さん、お疲れ様です」",
"201017911_8": "「本当はサンジェルマンさんたちも\\n 呼べればよかったんだけど」",
"201017911_9": "「ああ、残念だ」",
"201017911_10": "「向こうも今は仕事で色々と忙しいって言ってましたね」",
"201017911_11": "「あいつらの仕事か。\\n あのとんでもパークの改良とかじゃねえだろうな」",
"201017911_12": "「とんでもパーク?」",
"201017911_13": "「わたしも話で聞いただけだから詳しくは知らないけど、\\n お手製のアミューズメント施設なのよね」",
"201017911_14": "「たくさんのプールやアトラクションがあって、\\n 日じゃ遊びきれないくらいだったデスッ」",
"201017911_15": "「マスコットも可愛くてよかった。\\n お土産にぬいぐるみももらってきたの」",
"201017911_16": "「サンジェルマンさんたちと一緒に遊ぶこともできて\\n 大変だったけど、すごくいい思い出ができたよ」",
"201017911_17": "「楽しそうなところですね。\\n わたしも行ってみたいです」",
"201017911_18": "「悪いことは言わねえからやめとけ。\\n 遊ぶなら普通のレジャープールが番だ」",
"201017911_19": "「え? そうなんですか?」",
"201017911_20": "「そのパークはアダムって人が作ったところなんだけど、\\n 途中で施設が暴走しちゃって……」",
"201017911_21": "「やることがオーバーでそいつがトラブルの原因になるんだよ。\\n おまけにトラブルのレベルが振り切れてやがる」",
"201017911_22": "「アハハ……すごくパワフルな人なんですね」",
"201017911_23": "「あれで錬金術師協会のトップだって言うんだから驚くよ。\\n まあ、悪いやつではないみたいだけど」",
"201017911_24": "「みなさん、お料理はどうですか。お口に合えばいいんですが」",
"201017911_25": "「あ、ありがとうございます。\\n とっても美味しいですッ」",
"201017911_26": "「よかったです。食べたいものがありましたら、\\n 遠慮なくリクエストしてください」",
"201017911_27": "「そういえば、並行世界の緒川さんも\\n こういう料理ができたりするのかな」",
"201017911_28": "「どうなんでしょうか?\\n 料理にかまける時間はなさそうですが……」",
"201017911_29": "「そちらの僕は、\\n 僕とは進む道が違うようですし」",
"201017911_30": "「影から国を護るために戦う。\\n 忍には忍にしかできない戦いがあるのだと知りました」",
"201017911_31": "「目的は同じでも手段が違えば敵対してしまう。\\n こればかりはどうしようもありませんからね」",
"201017911_32": "「先輩がいなかったら、もしかして……」",
"201017911_33": "「フフ、そうかもしれませんね」",
"201017911_34": "「ただ、あちらの僕も、今の僕のように食べてもらいたい相手が\\n いれば料理はうまくなったとは思いますが」",
"201017911_35": "「なるほど。世話を焼く相手がいるかいないかで\\n 上達は違うってことだな。なあ、翼」",
"201017911_36": "「た、確かに作ってもらうことは多いが」",
"201017911_37": "「日々精進すれば料理はうまくなれます。\\n 翼さんは飲み込みが早いのですぐに上手になれると思いますよ」",
"201017911_38": "「翼さん、身近に食べてもらいたい人はいないんですか?」",
"201017911_39": "「身近な人か……、\\n 奏にはたまにしか会えないから……それなら……」",
"201017911_40": "「な、なぜわたしを見るのッ!?」",
"201017911_41": "「任務で共に行動することが多いのだから、\\n 自然とそうなるだろう」",
"201017911_42": "「確かにそうかも知れないけど。\\n わたしだって人の任務のときだってあるのよ」",
"201017911_43": "「あー……マリアはもう1人で任務に行くのは\\n やめたほうがいいと思うデス」",
"201017911_44": "「え? どうして?」",
"201017911_45": "「だって、ほら。\\n 前に人で任務に行ったとき、捕まって……」",
"201017911_46": "「あ、あれは特殊なパターンでしょッ!」",
"201017911_47": "「姉さんに何かあったんですか?」",
"201017911_48": "「そ、それはセレナは知らなくてもいいの。\\n ちょっとトラブルがあっただけだから」",
"201017911_49": "「あのときは大変でしたね。\\n またマリアさんと戦うことになるとは思いませんでした」",
"201017911_50": "「えッ!?」",
"201017911_51": "「ちょ、ちょっとッ!」",
"201017911_52": "「あの気迫はなかなかのものだった。\\n 最初にステージで戦ったあのときよりもずっと鋭かった」",
"201017911_53": "「目だけで相手を殺せるようなくらいの目つきで――」",
"201017911_54": "「だからその話はもういいでしょ。\\n あれはやむを得ない事情があったから」",
"201017911_55": "「怖いマリア姉さんか……。\\n ちょっと見てみたかったかも」",
"201017911_56": "「見せないし、もう見ることもないわよ」",
"201017911_57": "「そうだ、1人の任務で思い出した。\\n 未来もちょっと前に、結構な無茶をしようとしてたよね」",
"201017911_58": "「え? わたし、何かしたかな?」",
"201017911_59": "「アナベル人形の事件のことッ!」",
"201017911_60": "「ああ、あれはあんな大事になるとは思ってなくて」",
"201017911_61": "「2人がいてくれたからよかったけど……」",
"201017911_62": "「あのときはとっても頼りになる先輩って感じで、\\n すごく頼もしかったデスよッ」",
"201017911_63": "「装者としてはわたしたちのほうが先輩なのに、\\n 助けてもらってばかりでした」",
"201017911_64": "「そんなことないよ。\\n わたしはわたしにできることをやっただけだから」",
"201017911_65": "「あのとき、ガングニールそっくりのギアに変わったのは、\\n 人の絆の力なんデスかね」",
"201017911_66": "「最初に思い浮かんだのが響の言葉だったから、\\n それに影響されたのかな」",
"201017911_67": "「わたしのこと?」",
"201017911_68": "「だって、響が人助けをするところを\\n 番間近で見てきたのはわたしなんだもん」",
"201017911_69": "「わたしだって未来のことを1番見てると思うよ。\\n いつだって隣にいて助けてくれるもんね」",
"201017911_70": "「響……」",
"201017911_71": "「だから、そういうのは家でやれ」",
"201017911_72": "「アハハ、こっちはみんな仲良くていいな。\\n あたしも同年代のやつがいればいいんだけど」",
"201017911_73": "「そうですね、ちょっと羨ましいです」",
"201017911_74": "「とは言うが、かなり交流は増えたんじゃないか?」",
"201017911_75": "「まあ、かなりの大所帯になったよな。\\n 色んな世界の連中と関わってきたわけだから」",
"201017911_76": "「世界蛇から世界を護ることができたのも、\\n ギャラルホルンで色々な世界と繋がったおかげね」",
"201017911_77": "「まさに全世界あげての総力戦だったデス」",
"201017911_78": "「世界がバラバラのままじゃ、\\n きっと何もわからないまま壊されてたかもしれない」",
"201017911_79": "「うん、そうだね……」",
"201017911_80": "(ミーナさんの助けがなかったら、きっと……)",
"201017911_81": "「そういう意味では、あいつらがここにいないのは\\n 本当に残念だよな」",
"201017911_82": "「スクルドの人たちですか?」",
"201017911_83": "「ああ、それと、錬金術師協会の連中もな」",
"201017911_84": "「仕事ならば仕方がない」",
"201017911_85": "「キャロルちゃんたちにも来てほしかったんだけどな……」",
"201017911_86": "「影護のあたしと先輩にも声をかけようと思ったんだけど、\\n いろいろと危険そうだからやめた」",
"201017911_87": "「なんだそれ?」",
"201017911_88": "「並行世界の安藤さんたちも今は学院のほうが忙しいみたいで\\n またの機会にってことになったんだよね」",
"201017911_89": "「でも、みんなが来てたらどうなってたデス?」",
"201017911_90": "「かなり賑やかなことになってたかも」",
"201017911_91": "「あいつらが全員、揃ったら、か……」",
"201017911_92": "「錬金術師? よくわからないけど、普通の人に見えるよ。\\n 少し変わった雰囲気は感じるけどね」",
"201017911_93": "「人間だからね、錬金術師と言っても。\\n 変わったところもあって然るべきさ、君たちのようにね」",
"201017911_94": "「喋り方がうさんくさい……」",
"201017911_95": "「まあ、うさんくさいところは否定しないワケダ」",
"201017911_96": "「派手に同意」",
"201017911_97": "「1つ言っておくけど、局長はかなりレアなパターンだからね。\\n あーしたちはこんなのじゃないから」",
"201017911_98": "「厳しいね、言葉が」",
"201017911_99": "「ガリィ、お腹が空いたゾ」",
"201017911_100": "「お腹が空いたのなら、\\n そのへんの料理でも食べてろって話ですよ」",
"201017911_101": "「料理は食べられないゾッ!」",
"201017911_102": "「何か食べられないものがあるんですか。\\n わたしで力になれるなら、なんでもお手伝いしますよ」",
"201017911_103": "「おやおや~、今、なんでも手伝うって言いましたか?\\n でしたら、協力してもらいましょうかね」",
"201017911_104": "「悪いことは言いません、彼女に近づかないほうがいいですわよ。\\n 唇と想い出を奪われてしまいますわ」",
"201017911_105": "「そ、それはさすがに困りますわね」",
"201017911_106": "「ええッ!? この見た目で何百年も生きてるのッ!?」",
"201017911_107": "「彼女だけではなく、私たちも同じようなものだ」",
"201017911_108": "「へー、そいつはたまげたなッ!\\n お前もおばあちゃんってことか」",
"201017911_109": "「おばあちゃんと呼ぶなッ! 今更、年齢なんぞ、\\n 気にするようなものでもないがその言い方は気に食わん」",
"201017911_110": "「まさかアニメや漫画で定番である\\n 本物のロリババアに会えるなんて思わなかったッ」",
"201017911_111": "「だから、誰がババアだッ!」",
"201017911_112": "「……無理だな。\\n あたしたちじゃ、あの面々を御せはしない」",
"201017911_113": "「みんな個性が強そうだからね。\\n この場に揃ったらかなり混沌としそうだな」",
"201017911_114": "「でも、世界蛇と戦ったときみたいに、\\n いざというときはみんなで手を取って助け合えるよッ」",
"201017911_115": "「ああ、だからこそ、強大な敵も討ち払うことができたんだ」",
"201017911_116": "「これからも他の並行世界と繋がっていくのかな。\\n 楽しみだけど、ちょっと不安もあるね」",
"201017911_117": "「はいはいッ! アタシは並行世界のアタシや\\n 調、マリアと会ってみたいデスッ」",
"201017911_118": "「あッ、それはわたしも会ってみたいかな」",
"201017911_119": "「切ちゃんは、どの世界でも変わらなそう」",
"201017911_120": "「違うほうが楽しいデスよ。\\n どこでも同じなのはドクターだけにしてほしいデスッ」",
"201017911_121": "「出てくるにしろ、違いはないほうがいいな。\\n 正直な話、同じ顔であそこまで違うとしんどいぞ」",
"201017911_122": "「心中察するわ」",
"201017911_123": "「まあ、トラブルがないに越したことはないな。\\n ……といっても、絶対平穏に過ごせるはずがないけど」",
"201017911_124": "「大丈夫だよ、クリスちゃん」",
"201017911_125": "「どんなトラブルが起きても一緒に乗り越えれば、\\n それだけ絆も、わたしたちも強くなるんだからッ」",
"201017911_126": "「フッ、そのとおりだな。\\n 無理だと思ったことも切り抜けることができた」",
"201017911_127": "「思いつきを数字で語れるものかよ、とはよく言ったものね。\\n 限りなくに近い勝率も覆してきたんだもの」",
"201017911_128": "「それじゃあ、景気づけにみんなで\\n 掛け声のつでもやっておくデスよ」",
"201017911_129": "「おッ、いいねそれ。そういうの好きだぞ」",
"201017911_130": "「ええっと、誰に音頭を取ってもらいましょうか」",
"201017911_131": "「それはもう1人しかいない」",
"201017911_132": "「ということだから響、よろしくね」",
"201017911_133": "「ええッ!? わたしがやるの?」",
"201017911_134": "「どんな困難が立ち塞がろうと、\\n 最速で、最短で、まっすぐに、一直線にッ」",
"201017911_135": "「みんなで手を取り合って、想いを伝えていこうッ!\\n ええっと……、乾杯ッ」",
"201017911_136": "「<size=40>かんぱーいッ!</size>」"
}

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@ -0,0 +1,99 @@
{
"201018011_0": "祝宴の銃撃戦ッ!",
"201018011_1": "「今回の任務は、この3人だけで行くってことですけど、\\n 大丈夫なんですかね」",
"201018011_2": "「問題はない。モンティファミリーに錬金術師が\\n 紛れ込んでいるという情報の真偽を確かめるだけだ」",
"201018011_3": "「いや、そのモンティファミリーが問題なんじゃないかと……、\\n だってマフィアなんですよね」",
"201018011_4": "「それがどうした?\\n お前は余計なことをせず演技に徹していろ」",
"201018011_5": "「うーん、わたしなんかでいいのかなって」",
"201018011_6": "「むしろ、お前たちが適任でもある。\\n その見た目で警戒はされにくいだろう」",
"201018011_7": "「不本意だが、そういうことらしい」",
"201018011_8": "「誕生日パーティの賓客に紛れ込むんですよね。\\n 確かにそれぐらいなら……」",
"201018011_9": "「ただ、定期報告に来たお前を付き合わせてしまうのは、\\n すまないとも思っている」",
"201018011_10": "「いえ、わたしもみなさんが元気にしてるか、\\n ずっと気になっていまして……」",
"201018011_11": "「まあ、あんなことがあった後ですから、\\n こういうときは助け合いですよッ」",
"201018011_12": "「それに2人と一緒の任務っていうのも、\\n 楽しみですからッ」",
"201018011_13": "「相変わらずだな。\\n これは仕事だぞ」",
"201018011_14": "「そう言うな。任務とはいえ、3人揃うことは\\n 私も少なからず嬉しく思っている」",
"201018011_15": "「ふん、まったく呑気な連中だ」",
"201018011_16": "「オレはできれば遠慮したかったんだが、\\n あれが行ってくれとうるさかったから仕方なくな」",
"201018011_17": "「理由はどうあれ、おかげで私も助かる」",
"201018011_18": "「ところで、今はどこに向かってるんですか?」",
"201018011_19": "「ああ、任務の手順を伝えていなかったな。\\n まずは、局長が用意した服を取りに行くところだ」",
"201018011_20": "「服? 制服があるんですか?」",
"201018011_21": "「そうではなく……、ちょうど着いた。\\n 服はすでにこの店に用意されているはずだ」",
"201018011_22": "「あれ、ここって\\n スーツや礼服の仕立て屋さんですか」",
"201018011_23": "「パーティにはモンティファミリーの取引相手として招待されている。\\n つまりは私たちもマフィアに化けるってことだ」",
"201018011_24": "「マフィアッ!?」",
"201018011_25": "「あれが考えた作戦だ。いろいろと言いたいことはあるが、\\n こいつならマフィアの幹部と言われても納得だろう」",
"201018011_26": "「……まあ、確かに」",
"201018011_27": "「誉め言葉として受け取っておこう。\\n 人には私の姉妹ということで同席してもらうぞ」",
"201018011_28": "「じゃあ、頑張って仲良し姉妹を演じようねッ!」",
"201018011_29": "「今すぐ帰りたくなるような設定だな」",
"201018011_30": "「ぼやく前に、さっさと着替えてくれ。\\n 約束の時間まで、もう間もないぞ」",
"201018011_31": "「はいッ!」",
"201018011_32": "「クソッ! こいつら舐めくさりやがってッ!」",
"201018011_33": "「ドンの祝いを邪魔して、タダで帰れると思うなよッ!」",
"201018011_34": "「うわッ!? めちゃくちゃ撃ってきてますよッ!」",
"201018011_35": "「まさか私たちの正体が見破られてしまうとは……」",
"201018011_36": "「まあ、お前らの演技力じゃ\\n この結果も言わずもがなだな……」",
"201018011_37": "「――え? キャロルちゃんの態度が横柄すぎたんだよッ!」",
"201018011_38": "「動けるやつは全員来いッ!\\n ありったけの銃を用意しろッ」",
"201018011_39": "「す、すごい迫力……」",
"201018011_40": "「今更何を怯えている?\\n お前はもっと危険なものを相手にしてきただろう」",
"201018011_41": "「それとこれとは話が違いますよッ!」",
"201018011_42": "「しかし、この状況でも銃に頼ってるくらいだ。\\n 錬金術師はいないようだな……」",
"201018011_43": "「まったく、偽情報に踊らされやがって」",
"201018011_44": "「どこの刺客だッ!\\n 絶対に逃がさねぇぞッ」",
"201018011_45": "「だいたい、お前らどう見ても姉妹じゃねぇだろ。\\n そんな嘘が通じると思ったのかッ」",
"201018011_46": "「言い返す言葉もないが、そろそろ黙ってもらおう」",
"201018011_47": "「待て、錬金術は使うな。\\n 局長から任務は穏便に済ませるよう言われている」",
"201018011_48": "「銃撃戦になった時点で何をバカなことをッ!」",
"201018011_49": "「なら、これを使わせてもらうぞ……ッ!」",
"201018011_50": "「それって銃ッ!? まさか、盗ってきたのッ!?」",
"201018011_51": "「そこに置いてあったトランクの中に入っていたんだ」",
"201018011_52": "「こいつを使うのなら問題はないだろ。\\n 目にもの見せてやるッ」",
"201018011_53": "「奴らも銃を持ってるぞッ!?\\n お前ら、気を付けろッ」",
"201018011_54": "「遅いッ!」",
"201018011_55": "「……は?」",
"201018011_56": "「え?」",
"201018011_57": "「それ、パーティ用のクラッカー?」",
"201018011_58": "「なん、だと……」",
"201018011_59": "「も、もう、こんな時にふざけないでよ。\\n 思わず笑っちゃったじゃんッ」",
"201018011_60": "「……」",
"201018011_61": "「すごくかっこよかったのに、クラッカーってッ!」",
"201018011_62": "「や、やめろ、立花響。今は状況を考え……クッ……」",
"201018011_63": "「なんだ、ガキの遊びか。\\n 祝ってくれてありがとうな、ハハハッ」",
"201018011_64": "「………………ッ」",
"201018011_65": "「……」",
"201018011_66": "「ダウルダヴラッ!」",
"201018011_67": "「ちょッ!? 何やってるのッ!」",
"201018011_68": "「知ったことかッ!\\n 貴様ら全員、ここから無事に帰れると思うなよッ」",
"201018011_69": "「な、なんだ、あれ。変身したぞッ!?」",
"201018011_70": "「そんな武器でオレを止められると思うなッ!」",
"201018011_71": "「なんだか、どっと疲れちゃいましたね……」",
"201018011_72": "「暴れるお前を止めるのが、\\n 一番苦労させられたがな……」",
"201018011_73": "「ふん、お前たちが邪魔をしなければ、\\n 奴らを壊滅できたんだ」",
"201018011_74": "「壊滅って……、\\n すっかり目的が変わっちゃってるよ……」",
"201018011_75": "「あッ、黒電話ッ!」",
"201018011_76": "「ちょうどよかったです、局長。\\n 実は報告したいことがありまして……」",
"201018011_77": "「こちらも伝えておきたいことがあるんだよ、早急にね」",
"201018011_78": "「どうやら偽情報だったようだ。\\n あの組織に錬金術師が関わっているというのは」",
"201018011_79": "「情報が遅いッ!」",
"201018011_80": "「かなりご立腹だね、彼女は」",
"201018011_81": "「いろいろありまして、彼女がその組織を半壊させました」",
"201018011_82": "「穏やかじゃないね、どうも。\\n 後処理は僕が手を打っておこう、迷惑をかけたようだからね」",
"201018011_83": "「よろしくお願いします」",
"201018011_84": "「ところでどうだったかな、仕立てたスーツは。\\n 実は最も力を入れた部分なんだ、今回の任務にあたってね」",
"201018011_85": "「え? そうだったんですか?」",
"201018011_86": "「上等なスーツだとは思っていましたが、\\n こんなところに力を入れないでいただきたい」",
"201018011_87": "「いいじゃないか、こういうのも。\\n 人で撮ってくるといいんじゃないかな、記念写真でも」",
"201018011_88": "「……時間があれば」",
"201018011_89": "「では、楽しみにしているよ。君たちの帰りと土産話をね」",
"201018011_90": "「切ったか。まったく、謝罪の1つも無しか」",
"201018011_91": "「ねえ、これから写真撮りに行こうよッ!」",
"201018011_92": "「お前は何を言ってるんだ。\\n あれの言うことを真に受けてどうする」",
"201018011_93": "「せっかく作ってくれたんだし、\\n みんなでかっこいい感じで記念写真撮ろうッ」",
"201018011_94": "「付き合うまで帰してはもらえなさそうだが、\\n お前はどうする」",
"201018011_95": "「……まったく、奴ら以上に厄介な相手だな」",
"201018011_96": "「どんなポーズで撮ろうかな、楽しみッ!」"
}

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@ -0,0 +1,68 @@
{
"201018111_0": "水も滴るいいマスター",
"201018111_1": "「妙な事件も解決したことだし、\\n これでやっとゆっくりできそうだな」",
"201018111_2": "「マスターマスターッ!\\n みんなで一緒にプールで遊ぶゾッ」",
"201018111_3": "「は? なんだ、急に」",
"201018111_4": "「遊んでいる途中で事件に巻き込まれてしまったので、\\n ミカがまだ遊び足りないと派手に騒ぎ始めまして」",
"201018111_5": "「せっかくのお休みですし、遊べるときに遊びたい。\\n という気持ちもわかりますけどね」 ",
"201018111_6": "「ですので、マスターもご一緒にどうかと。\\n お似合いの水着をご用意致します」",
"201018111_7": "「オレは遊ぶつもりもなければ、水着を着るつもりもないぞ。\\n お前たちだけで行けばいい」",
"201018111_8": "「ほら、だから言ったじゃないですか。\\n マスターはこういうことには付き合うわけないって」",
"201018111_9": "「ちょっとだけでもダメなのカ?」",
"201018111_10": "「オレのことは気にするな。\\n 存分に遊んでこい」",
"201018111_11": "「そっか、なら仕方ないゾ……」",
"201018111_12": "「……」",
"201018111_13": "「それでどこにする?\\n 地味なのは好みに合わん」",
"201018111_14": "「あっちのビーチがいいゾ。\\n 砂浜で遊びたいゾッ」",
"201018111_15": "「ビーチならスイカでも用意して、\\n バッサリとやってみましょうか」",
"201018111_16": "「適当にその辺の客でも埋めて、\\n 頭を割ってみるのも楽しそうですねー」",
"201018111_17": "「性根の腐ったガリィらしい思い付きだが、\\n それはやりすぎだ」",
"201018111_18": "「マスターに怒られないように、\\n 行儀よくしないとダメだゾ」",
"201018111_19": "「はあ、まったくあいつらは……」",
"201018111_20": "「せっかくの休日に浮かない顔をしているね。\\n 断ったのを気にしているのかな、彼女たちの誘いを」",
"201018111_21": "「見ていたのか、覗き見とは趣味の悪い……」",
"201018111_22": "「おや、当たってしまったかな、適当に言っただけなのに」",
"201018111_23": "「ふん。あいつらはあいつらで楽しんでいるだろう。\\n 気にする必要はない」",
"201018111_24": "「確かにそう見えるかもしれない。\\n しかし、本当に楽しめているのかな、彼女たちは」",
"201018111_25": "「どういうことだ?」",
"201018111_26": "「見えないんだよ、心から楽しんでいるようにはね」",
"201018111_27": "「あんな事件があった後だからこそ、\\n 彼女たちは遊びたいんじゃないかな、キミと」",
"201018111_28": "「お前の口からそんなセリフが出てくるとはな。\\n 相手は自動人形だぞ」",
"201018111_29": "「勘違いだったかな、僕の」",
"201018111_30": "「……」",
"201018111_31": "「だが、そうだな。\\n ただ見ているだけというのも無粋か」",
"201018111_32": "「施設はたくさんある。\\n 日で堪能し尽くせないほどにね」",
"201018111_33": "「ふん、丸1日遊び回るつもりはない」",
"201018111_34": "「そうかい? まあ、好きにするといい、キミの思うまま」",
"201018111_35": "「マスターッ、来てくださるなんて\\n 嬉しいですわ」",
"201018111_36": "「あそこにいるとあの男に絡まれて鬱陶しい。\\n それに……暇だから少しだけ付き合ってやることにした」",
"201018111_37": "「ご一緒してくださる気になったんですねッ!」",
"201018111_38": "「マスターが不在で、地味に味気なかったところ。\\n これで派手に盛り上がる」",
"201018111_39": "「では、こちらへ。何をして遊ぶか派手に決めましょう」",
"201018111_40": "「どうしてプールのほうに連れて行く?\\n オレは水着じゃないから、濡れずにできるものにしろよ」",
"201018111_41": "「やった、マスターと一緒に遊べるゾッ!」",
"201018111_42": "「おい、ちょっと待て。押すんじゃないッ!\\n オレの話を聞いてなかったのかッ」",
"201018111_43": "「いいじゃないですか、マスター。\\n どうせ濡れるんだから水着も何もないですよー」",
"201018111_44": "「お前、待てッ!」",
"201018111_45": "「うわあッ!?」",
"201018111_46": "「やってくれたな……」",
"201018111_47": "「アハハッ! マスターびしょびしょだゾッ!」\\n",
"201018111_48": "「大丈夫ですか、マスター。\\n お洋服が濡れてしまいましたね」",
"201018111_49": "「これはまた派手に……、いっそ着替えては?\\n ちょうど水着があったはず」",
"201018111_50": "「まさかお前たち、オレを着替えさせるためにわざとッ!?」",
"201018111_51": "「マスターが来たら、そうやってプールに落とすのが1番って\\n ガリィが教えてくれたんだゾッ」",
"201018111_52": "「黙ってろって言ったのにまったく。\\n ネタばらしが早すぎるでしょうが」",
"201018111_53": "「やっぱりお前の入れ知恵かッ!」",
"201018111_54": "「まあまあ、怒ってないで遊びましょうよー。\\n それにほら、水も滴るなんとやらと言うじゃないですかー」",
"201018111_55": "「お前がそれを言うな、まったく……」",
"201018111_56": "「マスター、早く遊ぶゾッ!」",
"201018111_57": "「うわッ!? わかったから、腕を振り回すな。\\n 水がかかるだろうが」",
"201018111_58": "「では、何をしましょうか」",
"201018111_59": "「ウォーターガンで戦える施設がありました。\\n それで派手に勝負しましょう」",
"201018111_60": "「せっかくのプールなんですから、\\n 誰が番泳ぐのが速いか決めるのはどうですかね」",
"201018111_61": "「ウォータースライダーに行きたいゾッ!\\n マスターと一緒に滑ってみたいゾッ」",
"201018111_62": "「順番を決めて行きましょうか」",
"201018111_63": "(こいつら、勝手に話を進めて。\\n 本気で全部やるつもりなのか……",
"201018111_64": "(だがまあ……、こいつらが楽しめているというなら、\\n たまには悪くないか……たまには……な",
"201018111_65": "「いいだろう。\\n こうなったら、最後まで徹底的にやってやるッ」"
}

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@ -0,0 +1,69 @@
{
"201018211_0": "束の間サマータイム",
"201018211_1": "「さあ、遊ぶゾッ! ガリィ、ほら早くなんだゾッ!」",
"201018211_2": "「めんどくさい、なんであたしなの?\\n そっちの人と遊んでよ」",
"201018211_3": "「だって、レイアもファラも動いてくれないんだゾッ!」",
"201018211_4": "「地味に休憩中だ。\\n 今は身体を動かすような気分ではない」",
"201018211_5": "「私も少しのんびりさせてもらうわ。\\n 人で遊んできていいわよ」",
"201018211_6": "「ちょっとぉ~、\\n なんであたしが付き合うことになるわけ」",
"201018211_7": "「ガリィ、ガリィッ!」",
"201018211_8": "「人の名前を連呼するなッ! 遊ぶなら1人で行け」",
"201018211_9": "「2人のほうが楽しいはずだゾッ。\\n ほらあれッ あの長いやつで遊んでみたいんだゾッ」",
"201018211_10": "「ああ、ウォータースライダーね。\\n 勝手に行ってくればいいでしょ」",
"201018211_11": "「えー、一緒に行かないのカ?」",
"201018211_12": "「あれを2人で、しかも相手がミカちゃんなんて、\\n 危険度が倍増じゃなーい」",
"201018211_13": "「うーん、危ないなら仕方ないゾ……。\\n ちょっと人で滑ってくるゾッ」",
"201018211_14": "「滑るだけのアレのどこが楽しいんだか」",
"201018211_15": "「一緒に滑ってあげればいいのに。\\n 人で行かせるなんて」",
"201018211_16": "「地味に酷いやつだ」",
"201018211_17": "「アンタたちにだけは言われたくないわッ!」",
"201018211_18": "「うわあああああ――ッ!」",
"201018211_19": "「ちょッ!? どういう滑り方しているの?\\n こっちまで水が飛んできたんですけどッ」",
"201018211_20": "「このウォータースライダー、すっごく楽しいゾッ!\\n ガリィもやってみたらいいゾッ」",
"201018211_21": "「だからやらないと……、ってああもう。\\n ほら、水着が半分、脱げてるじゃない」",
"201018211_22": "「わッ、ホントだゾ。全然気づかなかったゾッ!\\n ガリィ、直してほしいゾ」",
"201018211_23": "「なんでガリィがそこまで面倒見ないと……」",
"201018211_24": "「だって、この手じゃ直せないゾッ!」",
"201018211_25": "「だから、水着を着るときに暴れるなと言ったのに。\\n 自業自得だっての」",
"201018211_26": "「うーん、じゃあしょうがない。\\n このまま行ってくるゾ」",
"201018211_27": "「ちょっと、何考えて……、\\n 今直すから、ほらほら、じっとしてろ」",
"201018211_28": "「わーい、ありがとうだゾッ!」",
"201018211_29": "「……ったく、世話の焼ける」",
"201018211_30": "「それじゃあ、もう1回行ってくるゾッ!」",
"201018211_31": "「はあ? また行く気?」",
"201018211_32": "「今度はもっと勢いをつけてみるゾッ!」",
"201018211_33": "「あれ以上に勢いをつけたら水着が全部脱げると思うんだけど\\n 止めなくていいの」",
"201018211_34": "「派手に露出することになるな」",
"201018211_35": "「もー、しょうがないわねぇ。\\n あたしがついて行くよ」",
"201018211_36": "「あれ、ガリィも来たのカ?\\n そっか、やっぱり一緒に滑りたかったんだゾッ」",
"201018211_37": "「そんなわけないでしょ、監督をしに来たのッ!\\n ほら、今度は水着が脱げないようにこうやって腕を……」",
"201018211_38": "「腕を、こう?」",
"201018211_39": "「だから、違うって、こうやって、こうッ!」",
"201018211_40": "「ガリィはなんだかんだと言いながら、\\n 地味にミカの世話を焼いているよな」",
"201018211_41": "「あんな風だけど面倒見は悪くない。\\n ミカと相性がいいのね」",
"201018211_42": "「おおお――ッ!\\n 人で滑ったらすごいスピードが出てるゾおおおッ」",
"201018211_43": "「加減しろって、あれほど言ったのにぃぃぃぃッ!」",
"201018211_44": "「……まるでミサイルのように突っ込んでいったけど、\\n 人は大丈夫かしら」",
"201018211_45": "「壊れる心配はないが、派手にやったから水着が心配だな」",
"201018211_46": "「ちょっとッ! あたしが押さえてなかったら、\\n 水着が全部吹き飛ぶところだっただろッ」",
"201018211_47": "「アハハハッ! やっぱり2人のほうが楽しかったゾッ!\\n もう回行くんだゾッ」",
"201018211_48": "「少しは人の話を聞いてッ!」",
"201018211_49": "「ブハッ!? 水が口に入っちゃったゾッ!」",
"201018211_50": "「これに少しは懲りたら――」",
"201018211_51": "「よーし、あたしもたくさんかけるゾッ!」",
"201018211_52": "「ちょっとぉ~、やめッ……」",
"201018211_53": "「知ってるカ?\\n プールではこうやって水をかけ合う遊び方があるんだゾッ」",
"201018211_54": "「それは遊びじゃな――」",
"201018211_55": "「ぶはッ!?」",
"201018211_56": "「アハハ、冷たくて気持ちいいゾッ!\\n こっちも負けてられない、どんどんやるゾッ」",
"201018211_57": "「フフ、なんだか楽しそうに遊んでいるわね」",
"201018211_58": "「私たちも混ざって派手にやるか?」",
"201018211_59": "「そうね、行きましょう。\\n ガリィ、ミカ、私たちも混ぜなさいッ」",
"201018211_60": "「なッ、不意打ちしたなー」",
"201018211_61": "「ガリィ、ガリィ」",
"201018211_62": "「なんです、ガリィは反撃をしなきゃいけないんですよ、\\n 邪魔しないでもらえる」",
"201018211_63": "「水着、脱げてるけどいいのカ?」",
"201018211_64": "「ちょ、ちょっと、何してくれてんのッ!?」",
"201018211_65": "「水着は脱げないように気をつけないとダメなんだゾ」",
"201018211_66": "「うっさい、それをお前が言うなッ!」"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,45 @@
{
"201018311_0": "あーし流コーディネート",
"201018311_1": "「ヒマね~……これだから待機ってキライよ。\\n 何か楽しいことはないかしら」",
"201018311_2": " 「テレビもつまらない番組ばっかりだし……」",
"201018311_3": "「それでは、ここでオススメの最新コーディネートを\\n 紹介しちゃいますッ♪」",
"201018311_4": "「ふーん、コーディネートねえ」",
"201018311_5": "「フフ、いいかもッ♪」",
"201018311_6": "「サーンジェールマン♪」",
"201018311_7": "「ご機嫌ね、カリオストロ。\\n 何か用かしら」",
"201018311_8": "「たまにはいつもと雰囲気の違う、\\n コーディネートをしてみたいと思わない」",
"201018311_9": "「思わないわ」",
"201018311_10": "(ぐッ……即断ね。\\n でも、ここで怯むあーしじゃないわッ",
"201018311_11": "「あーしがぁ、サンジェルマンの\\n コーディネートをしてあげようと思うのッ♪」",
"201018311_12": "「必要ないわ」",
"201018311_13": "(くッ……取り付く島もないとはこのことね……。\\n でも、まだまだ諦めないわよッ",
"201018311_14": "「そんなこと言わないでよー。\\n 新しい発見があるかもしれないでしょ」",
"201018311_15": "「衣類のコーディネートがしたいのならば、\\n 自分ですればいいじゃない」",
"201018311_16": "「あーしは、サンジェルマンにしてあげたいのッ!」",
"201018311_17": "「はあ……。\\n どうして急に、そんなことを思ったの」",
"201018311_18": "「それはもちろんッ、\\n 日頃の感謝を込めてに決まっているじゃない♪」",
"201018311_19": "「決して暇つぶしとか、単純に面白そうだからとか、\\n 思っているわけじゃないのよ」",
"201018311_20": "「サンジェルマンもレディなんだし……」",
"201018311_21": "「カリスマファッションリーダーのあーしとしては、\\n おしゃれをしたほうがいいと思うのよね」",
"201018311_22": "「仕方がないわね……」",
"201018311_23": "「でも、付き合うのは次の作戦までの時間だけよ?」",
"201018311_24": "「やったッ!\\n 実はもう衣装は準備できてるのッ」",
"201018311_25": "「さっそく、サンジェルマンの\\n ファンションコーディネート大会を始めましょッ」",
"201018311_26": "「最近、あなた宛の荷物がよく届くと思っていたけど、\\n そういうことだったのね……」",
"201018311_27": "「う~んッ! やっぱりあーしの目に\\n 狂いはなかったわねッ♪」",
"201018311_28": "「鏡はこっちよ、サンジェルマン」",
"201018311_29": "「これは……」",
"201018311_30": "「どう? あーしの見立ては。\\n なかなかのもんでしょ」",
"201018311_31": "「服装でこうも印象が変わるなんて……驚いたわ」",
"201018311_32": "「元がいいからどんな服装をしても映えるのよ」",
"201018311_33": "「だから、もっといろいろな服を着て\\n おしゃれをしたほうがいいわッ」",
"201018311_34": "「そ、そんなことは……」",
"201018311_35": "「それに……たとえそうだとしても、\\n 今の私はそんなことをしている場合では……」",
"201018311_36": "「勝手に着替えちゃダーメッ!\\n 大丈夫、すーッごく似合っているわよッ」",
"201018311_37": "「似合わないわ……」",
"201018311_38": "「そんなに言うなら、\\n プレラーティに判定してもらいましょ」",
"201018311_39": "「――ッ! これを見せるのッ!?」",
"201018311_40": "「もちろんッ! 服は見せないと意味ないでしょ?」",
"201018311_41": "「でも、なんと言われるか……」",
"201018311_42": "「大丈夫よッ! さ、行くわよッ♪」"
}

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@ -0,0 +1,164 @@
{
"201018411_0": "海辺のノド自慢大会",
"201018411_1": "「海へ遊びに行きたいデースッ!\\n 青い海、白い砂浜、真っ赤な太陽ッ」",
"201018411_2": "「切ちゃん、騒いじゃダメ。\\n 自宅待機とはいえ、一応任務中なんだよ」",
"201018411_3": "「だって、どれだけ待機してると思ってるデスかッ!\\n そろそろ我慢も限界デスよーッ」",
"201018411_4": "「このままじゃ、アタシの夏が終わっちゃうデースッ!」",
"201018411_5": "「それじゃテレビでも見て、気を紛らわせようか」",
"201018411_6": "「――今日はこちらの浜辺でお祭りが行われるということで、\\n 見てください、すごい賑わいですよッ」",
"201018411_7": "「あ……」",
"201018411_8": "「お祭りデスか……これは大変デスよ」",
"201018411_9": "「切ちゃん、何言ってるの?」",
"201018411_10": "「人の多いところは、悪い奴に狙われやすいんデスッ!\\n 偵察に行かないとッ」",
"201018411_11": "「偵察って、このお祭りに行くの……?」",
"201018411_12": "「屋台もたくさん出ていて、どれも美味しそうですね。\\n イベントも色々と準備されているみたいで――」",
"201018411_13": "「美味しそうなものがたくさん……」",
"201018411_14": "「調、これは任務なんデス。\\n アタシたちは行かないといけないんデス」",
"201018411_15": "「そ、そうだよね……任務なら……」",
"201018411_16": "「では、出発デースッ!」",
"201018411_17": "「え、待って切ちゃん。なんで水着を持っていくの?」",
"201018411_18": "「敵を欺くためデス」",
"201018411_19": "(敵って誰のことだろ……、",
"201018411_20": " ううん、そんなこと気にしてる場合じゃない)",
"201018411_21": "「敵……欺かないとね」",
"201018411_22": "「おお、最大のお祭りの名は伊達じゃないデス。\\n 本当にたくさんの出店があるデスよッ」",
"201018411_23": "「海で遊んで、出店でご飯も食べられて、\\n すごくいいお祭り」",
"201018411_24": "「でも忘れてはダメデスよ。\\n アタシたちはあくまで偵察に来ているんデスからッ」",
"201018411_25": "「そうだよね……」",
"201018411_26": "「いやあー、本当に楽しいデスねッ!\\n 天気もいいし、海からの風も気持ちよくて……」",
"201018411_27": "「うん、でも本当にいいのかな……」",
"201018411_28": "「どうしたんデスか?」",
"201018411_29": "「やっぱりいけないことをしてる気がして……」",
"201018411_30": "「大丈夫デスッ!\\n これも大事な任務なんデスからッ」",
"201018411_31": "「…………」",
"201018411_32": "「なんだか随分と賑やかな声が聞こえるデスね。",
"201018411_33": " もしかして本当に敵が――ッ!?」",
"201018411_34": "「違うよ、切ちゃん。あそこにステージがあるみたい」",
"201018411_35": "「あ、本当デス。\\n 看板には『海辺のド自慢大会』と書いてあるデスね」",
"201018411_36": "「参加自由。優勝賞品は……、",
"201018411_37": " 『お祭りの出店、食べ放題券』だってッ!」",
"201018411_38": "「へー、それは豪華デスね」",
"201018411_39": "「出店食べ放題……、\\n 優勝すればなんでも食べられる……」",
"201018411_40": "「調……一応アタシたちは任務中デスよ……」",
"201018411_41": "「うん、わかってる」",
"201018411_42": "「それに、もう大会は始まってるみたいデスし……、\\n 急に参加するわけにも……」",
"201018411_43": "「君たち、この大会に興味あるの?\\n もしかして出場してみたいとか」",
"201018411_44": "「え、できるの……?」",
"201018411_45": "「ああ。事前のエントリーが少なかったから、\\n 飛び入りの参加者を募って、優勝を決めることになったんだ」",
"201018411_46": "「飛び入り参加……」",
"201018411_47": "「そういうことなら、わたしたちも……」",
"201018411_48": "「でもアタシたちは偵察してるから目立つわけには……」",
"201018411_49": "「そっか……任務中だったんだよね……」",
"201018411_50": "(うぅ……すごくガッカリしてるデス……、\\n アタシが無理に付き合わせたっていうのに……",
"201018411_51": "「さあ、次なる飛び入り参加者はいないのかッ!\\n このステージは、誰でも大歓迎だッ」",
"201018411_52": "「やるデスッ! 挑戦するデースッ!」",
"201018411_53": "「え、切ちゃんッ!?」",
"201018411_54": "「もう、これも任務の内デスッ!」",
"201018411_55": "「そ、そうだったんだ……ッ!」",
"201018411_56": "「お待たせしました、みなさんッ!\\n 次なる参加者は、可愛らしいこの人組――ッ」",
"201018411_57": "「やるからには全力でいくデスッ!」",
"201018411_58": "「うん、本気でいく……ッ!」",
"201018411_59": "「OKッ! 2人が唄うのはツヴァイウィングのナンバーッ!\\n ORBITAL BEATだッ」",
"201018411_60": "(あのときは優勝できなかったデスがッ!)",
"201018411_61": "(今回は必ずもらうッ!)",
"201018411_62": "「なんだ、あの2人ッ!\\n すっげーうめーじゃねーかッ」",
"201018411_63": "「見たことないけど、プロじゃないのか」",
"201018411_64": "「そんなのどうだっていいじゃない。今は――ッ!」",
"201018411_65": "「ああ、乗っていこうぜッ!」",
"201018411_66": "「うおお、いいぞ、嬢ちゃんたちッ!」",
"201018411_67": "(あのとき、ステージに立って唄ったのと違う)",
"201018411_68": "(こんなに近くでたくさんの人がわたしたちの歌で\\n 身体を動かして……",
"201018411_69": "(なんだか身体が熱くなってくるデスッ!)",
"201018411_70": "(夏だからじゃない。みんなの熱気が伝わってくるッ!)",
"201018411_71": "「2人とも見事な唄いっぷりだッ!\\n これは優勝も夢ではないッ」",
"201018411_72": "「あ、あれ、もう終わっちゃったデス……」",
"201018411_73": "「ちょっと物足りない……」",
"201018411_74": "「おい、もう終わりかよッ!\\n もう曲やっていけよ、嬢ちゃんたちッ」",
"201018411_75": "(ええッ!?)",
"201018411_76": "「あんたたちの歌が聴きたいんだ、頼むよッ!」",
"201018411_77": "(い、いいのかな?)",
"201018411_78": "「アンコール、アンコールッ!」",
"201018411_79": "「おおっと、これはまさかの事態。\\n だが、オレも同じ気持ちだッ」",
"201018411_80": "「キミらも当然、応えてくれるだろ?」",
"201018411_81": "「もちろんデスッ!\\n アタシもまだまだ唄い足りないデスよッ」",
"201018411_82": "「うん、もう1曲、行こうッ!」",
"201018411_83": "「よーし、決まりだーッ!\\n 曲と言わず、何曲でも唄っていってくれよーッ」",
"201018411_84": "「行くデスよ、調ッ!\\n もっともっと熱く、アゲていくデースッ」",
"201018411_85": "「今度はさっきよりも熱くッ! 全力以上でッ!」",
"201018411_86": "「おおお――ッ!」",
"201018411_87": "「いやー、まさかアンコールされるとは思わなかったデスよ」",
"201018411_88": "「握手してってお願いされちゃったね」",
"201018411_89": "「照れくさかったけど、嬉しかったデス。\\n 熱くなりすぎて、汗もたくさんかいちゃったデスよ」",
"201018411_90": "「じゃあ、海でちょっと熱を冷ましたら、\\n このもらった食べ放題券でご飯にしよっか」",
"201018411_91": "「いいデスなー」",
"201018411_92": "「――本当だよ、こっちから聞こえたんだから」",
"201018411_93": "「確かに歓声はすごかったわね。\\n 歌声もかすかに聞こえた気がするけれど……」",
"201018411_94": "「だからってあの2人が唄ってるわけねーだろ」",
"201018411_95": "「え……」",
"201018411_96": "「あ……あーッ! やっぱり2人がいたよッ!」",
"201018411_97": "「な、なんとーッ!?」",
"201018411_98": "「み、みんながどうしてここにッ!?」",
"201018411_99": "「それはこっちのセリフだッ!\\n お前ら、待機任務中のはずだろ」",
"201018411_100": "「そうよ、なんでこんなところにいるの?」",
"201018411_101": "「まさか、こっそり遊びに……」",
"201018411_102": "「違うんデスッ!\\n アタシが無理やり調を連れ出したんデスッ」",
"201018411_103": "「ううん、わたしが切ちゃんを誘ったのッ!」",
"201018411_104": "「ごめんなさいッ! 本当にアタシが悪いんデスッ!\\n だからお願いデスよッ 調は許してくださいデスッ」",
"201018411_105": "「わたしも切ちゃんと一緒だから……ごめんなさいッ!」",
"201018411_106": "「えっと……2人とも実はね……」",
"201018411_107": "「待ってッ! まだ言わないでッ!」",
"201018411_108": "「<size=25>それって……、\\n 本当は待機任務が解かれてたって話のことですよね</size>」",
"201018411_109": "「<size=25>ええ、2人はまだ知らないはずだから</size>」",
"201018411_110": "「<size=25>あいつらに連絡つかないって言ってたもんな</size>」",
"201018411_111": "「<size=25>それなら、なおさら教えてあげないとッ!\\n だって、出かけてもよくなったんですよ</size>」",
"201018411_112": "「<size=25>だけど、2人はそれを知らなかったわ。\\n つまり任務を忘れて出かけていたってことでしょ</size>」",
"201018411_113": "「<size=25>確かにそれはそうですけど……、\\n でも、すごく反省してるみたいだし……</size>」",
"201018411_114": "「<size=25>つまりいい薬になってるってこった。\\n この際、もう少し反省するのもいいんじゃねえか</size>」",
"201018411_115": "「……あら、切歌。それ何を持ってるの?」",
"201018411_116": "「こ、これはッ!?\\n え、ええっと……そ、そうデスッ」",
"201018411_117": "「これをあげるから許してほしいデスッ!」",
"201018411_118": "「えっと……『お祭りの出店、食べ放題券』だってッ!」",
"201018411_119": "「さっきノド自慢大会で優勝したから……」",
"201018411_120": "「本当にいいの?」",
"201018411_121": "「はい……」",
"201018411_122": "「うん……」",
"201018411_123": "「ったく、そんな申し訳なさそうな顔されたら、\\n これ以上は何も言えねーよ」",
"201018411_124": "「そうね。本部には、ここで会ったことは黙っておいてあげるわ」",
"201018411_125": "「……ありがとうデス」",
"201018411_126": "「あ、それじゃみんなで屋台を見に行こうよ」",
"201018411_127": "「いやー、すっかり楽しんじゃいましたね」",
"201018411_128": "「ええ、一生分の屋台の料理を食べた気がするわ」",
"201018411_129": "「お前らのおかげなんだし、もっと元気出せよ。\\n まだしょげてるのか」",
"201018411_130": "「反省中デスから……」",
"201018411_131": "「今日は我慢する……」",
"201018411_132": "「<size=25>うーん……さすがに少し可哀想になってきたわね</size>」",
"201018411_133": "「<size=25>ちょっとやり過ぎたか……?</size>」",
"201018411_134": "「お前たち、こんなところで何をしてるんだ?」",
"201018411_135": "「師匠ッ! 師匠こそどうしてここに?」",
"201018411_136": "「ああ、今日は昼前に待機任務も解除したし、\\n せっかくだから海でも見に行こうと思ってな」",
"201018411_137": "「え……待機任務が解除?」",
"201018411_138": "「それって、じゃあ……」",
"201018411_139": "「ヤバッ……」",
"201018411_140": "「この動きは……どうやら調ちゃんと切歌ちゃんが\\n 自宅から離れてしまったようですね」",
"201018411_141": "「ふむ。任務とはいえ、さすがに待機が長すぎたか」",
"201018411_142": "「夏真っ盛りですもんね。今日もいい天気ですし、\\n あの年頃の子に、ずっと家で待てというのは酷ですよ」",
"201018411_143": "「最新の情報を分析する限り、これ以上の待機は必要ない。\\n 元々、今日中には解除の判断を下す予定ではあったが……」",
"201018411_144": "「では、今を持って待機任務を解除とするッ!」",
"201018411_145": "「はい、みんなにもすぐ伝えますッ!」",
"201018411_146": "「切歌ちゃんと調ちゃんはどうしましょうか?」",
"201018411_147": "「あの2人のことは俺に任せてもらおう」",
"201018411_148": "「……ふむ」",
"201018411_149": "「おい、おっさんッ! どうしたんだよ?\\n 急に考え込んで」",
"201018411_150": "「いや、なんでもない。\\n ただ、今日のことはすべて水に流そう」",
"201018411_151": "「え……いいの?」",
"201018411_152": "「みんなそれぞれ思うところはあるだろう。\\n だが今日に関しては、もう俺は何も言わない」",
"201018411_153": "「だからお前たちもわだかまりはすべて捨てて、\\n 思う存分、楽しむといいッ」",
"201018411_154": "「ほ、本当デスか……?」",
"201018411_155": "「ああ、本当だ」",
"201018411_156": "「うぅ……やったデースッ!\\n それじゃ行くデスよ、調ッ」",
"201018411_157": "「うん、みんなも一緒に……」",
"201018411_158": "「行こう、行こうッ! ほら、クリスちゃんもッ!」",
"201018411_159": "「わ、バカ、引っ張るなよッ!」",
"201018411_160": "「待って、わたしも一緒に――ッ!」",
"201018411_161": "「うむ。やはり夏とはこういうものだ……ッ!」"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,50 @@
{
"201018511_0": "ヴェイグの受難",
"201018511_1": "(ふう……、シャワーを浴びてすっきりした)",
"201018511_2": "やっぱり、S.O.N.G.のみなさんとの訓練は\\n 得るものが大きいな",
"201018511_3": "(ヴェイグさんは、大人しく待っていてくれたかな?)",
"201018511_4": "「すう……すう……」",
"201018511_5": "「寝てる……」",
"201018511_6": "(フフ、わたし以外の人にあんまり気を許してないって\\n 言ってたけど、実はそうでもないのかも",
"201018511_7": "「セレナ、ここにいたのね。\\n 少し話があるんだけど……」",
"201018511_8": "「あッ、ちょっと待って。\\n ここで話しちゃうとヴェイグさんが起きちゃうから」",
"201018511_9": "「ごめんなさい、気が付かなくて。\\n じゃあ、場所を変えましょうか」",
"201018511_10": "「タオルケットをかけてあげて……、",
"201018511_11": " これでよし、と」",
"201018511_12": "「やっぱり、モフモフしてて気持ちいいですね」",
"201018511_13": "「お前ばっかりずるいぞ。\\n あたしだって触りたいんだから」",
"201018511_14": "「おお、すごい撫で心地だ。\\n サラサラでモフモフで……」",
"201018511_15": "「んん……、なんだ、セレナか……?\\n どこ触ってんだ、くすぐったいだろ……」",
"201018511_16": "「あッ、起きちゃったか」",
"201018511_17": "「……え? お前たちはッ!?」",
"201018511_18": "「あ、ごめんなさい、起こしちゃった……」",
"201018511_19": "「まぁ、こんだけやってたらそりゃ起きるよな」",
"201018511_20": "「お、お前たち、何やってんだよッ!」",
"201018511_21": "「すごく柔らかそうで、つい……」",
"201018511_22": "「あたしにも抱かせろよな。\\n 怖がらなくてもいいぞ、優しくしてやるから」",
"201018511_23": "「な、撫でるな、抱きつくなーッ!\\n セレナ、セレナーッ」",
"201018511_24": "「どうしたの、ヴェイグさんッ!?」",
"201018511_25": "「助けてくれーッ!」",
"201018511_26": "「あーあ、中に逃げ込まれちまったか。\\n もうちょい撫でたかったんだけどな」",
"201018511_27": "「ちょっと馴れ馴れしかったかな……」",
"201018511_28": "「おふたりとも何をやったんですかッ!」",
"201018511_29": "「……で、ヴェイグさんが寝てたから撫でたと」",
"201018511_30": "「普段はすぐミレニアムパズルの中に戻っちゃうから。\\n ずっと触りたいと思ってて、つい……」",
"201018511_31": "「起こさないように気を付ければ平気かなって……」",
"201018511_32": "「ダメじゃないですかッ!\\n あんなふうに触ったらヴェイグさんだって怖がりますよッ」",
"201018511_33": "「それに本人に無断で触るなんてよくありませんッ!」",
"201018511_34": "「ごめんなさい……。\\n なんかこう、触り始めたら止まらなくなっちゃって……」",
"201018511_35": "「悪かったよ。なあ、ヴェイグ?\\n 面と向かって謝りたいんだ。ちょっとだけでも出てきてくれないか」",
"201018511_36": "「どうしますか……?」",
"201018511_37": "(……悪い奴らじゃないのはわかってる)",
"201018511_38": "(ちょっとだけなら話は聞いてやる。\\n でも、抱きついたり、撫でたりするのはなしだからなッ",
"201018511_39": "「撫でたり、抱きついたりしなければいいそうです」",
"201018511_40": "「うん、もうしないよ」",
"201018511_41": "「本当だろうな?」",
"201018511_42": "「ああ、もうやらない。すまなかった。\\n 今度からはちゃんと断りを入れてからにするよ」",
"201018511_43": "「絶対に許可なんかしないけどな」",
"201018511_44": "「フフ……」",
"201018511_45": "「何笑ってんだよ」",
"201018511_46": "「ううん、なんでもありません」",
"201018511_47": "(今までなら多分出てこなかったよね。\\n 少しずつみんなとの距離が近づいているのかな"
}

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@ -0,0 +1,87 @@
{
"201018611_0": "奏のバースデー2020",
"201018611_1": "「お疲れ様でした。本日はこれで終了です」",
"201018611_2": "「はい、お疲れ様でした」",
"201018611_3": "「みなさんと花火大会へ行く予定でしたのに\\n 急な仕事が入ってしまってすみませんでした」",
"201018611_4": "「しかも、大事な奏さんの誕生日だというのに……」",
"201018611_5": "「いえ、緒川さんが謝ることではありません。\\n 花火ならまた次の機会があります」",
"201018611_6": "「それに任務があると言っていましたから」",
"201018611_7": "「え? そうだったんですか……、\\n 用意したあの浴衣、誕生日プレゼントですよね」",
"201018611_8": "「はい、花火なら着てくれるかなと期待していたのですが……」",
"201018611_9": "(しかし、どうしたものか……)",
"201018611_10": "(花火を見に行くなら浴衣のほうが、という流れからなら\\n 渡しやすいだろうという作戦が使えなくなった",
"201018611_11": "「はぁ……、良い策をまた考えねば……」",
"201018611_12": "「おいおい、策って何を企んでいたんだ?」",
"201018611_13": "「ああ、実は――」",
"201018611_14": "「えッ!?\\n どうしてここに」",
"201018611_15": "「よう、仕事は終わったみたいだな」",
"201018611_16": "「な、なんで、ここにいるのッ!?\\n 向こうで任務だって言ってたじゃないッ」",
"201018611_17": "「ああ、任務だよ。\\n S.O.N.G.に定期報告に来るっていう立派な任務だ」",
"201018611_18": "「な――ッ!?\\n それならそうと最初から言ってッ」",
"201018611_19": "「いや、急に来たら、驚くかなって思ってさ。\\n スタジオから出てくるの待ってたんだ」",
"201018611_20": "「そんな子供みたいなことを……。\\n だいたい、どうしてここがわかったの」",
"201018611_21": "「ああ、緒川さんに全部聞いたんだ。\\n もちろん花火のこともな」",
"201018611_22": "「お、緒川さん!?」",
"201018611_23": "「いえ、翼さんを迎えに行くから場所を教えてほしいと聞かれて\\n その流れからつい……」",
"201018611_24": "「まあ、細かいことはいいよ。早く会場に行くぞ」",
"201018611_25": "「まさか今から行くつもりなの?\\n 着く頃にはもう花火は終わってると思うけど」",
"201018611_26": "「急いでいけば間に合うかもしれないだろ。\\n 運転、頼んだからなッ」",
"201018611_27": "「法に触れない程度に飛ばしましょう」",
"201018611_28": "「もう、強引なんだから……」",
"201018611_29": "(そうだ、この流れなら、渡せるかもしれない)",
"201018611_30": "「一応、浴衣が2着あるんだけど、\\n 奏もせっかくだから、着てみない」",
"201018611_31": "「おっ、浴衣を持ってるのか、用意がいいじゃないか。\\n  でも、なんで2着なんだ?」 ",
"201018611_32": "「そ、それは……、\\n 念の為に予備を持ってきたんだ」",
"201018611_33": "「そういうところは翼らしいな。\\n ところで浴衣は車の中で着替えるのか」",
"201018611_34": "「安心してください、大きめの車を用意していますので。\\n 外から中は絶対に見えず、おまけに防弾仕様なので安全ですよ」",
"201018611_35": "「流石、緒川さ――、",
"201018611_36": " 防弾?」",
"201018611_37": "「これです。さあ、中へどうぞ」",
"201018611_38": "「本当にでかいなー。それに頑丈そうだ」",
"201018611_39": "「……緒川さん、これは囚人用の護送車では?」",
"201018611_40": "「はい、これなら周囲に翼さんとバレて、\\n 騒ぎになったとしても護れますから」",
"201018611_41": "「いや、逆に騒ぎになるのでは……?」",
"201018611_42": "「まあ、細かいことはいいじゃないか。\\n ほら急いでるんだろう さっさと着替えちまおう」",
"201018611_43": "「う、うん……」",
"201018611_44": "「……やはり間に合わなかった」",
"201018611_45": "「そっか、ダメか。せっかく浴衣まで着たってのに。\\n なんか悔しいな……」",
"201018611_46": "「ここで待ってて。すぐに戻ってくるからッ!」",
"201018611_47": "「どこに行くんだよッ!」",
"201018611_48": "「もう少し数を用意したかったんだけど、\\n 近場で売っているのがこれしかなくて……」",
"201018611_49": "「何を言ってるんだ、これがいいんだって。\\n 夏の風物詩って感じがする」",
"201018611_50": "「それにしても、買ってきてまで花火をやろうだなんて、\\n そんな楽しみにしてたのか」",
"201018611_51": "「わ、わたしじゃなくて、奏のほうでしょ。\\n すごく残念そうな顔をしてたから……」",
"201018611_52": "「そんな顔をしてたかな。してたとしたら、\\n  それは翼と2人で花火が見られなかったからだろうな」 ",
"201018611_53": "「またそういうこと言って……」",
"201018611_54": "「いいじゃないか、2人っきりで誰も聞いてないんだから」",
"201018611_55": "「誰も聞いていない、か……。\\n 実は黙っていたことがあって」",
"201018611_56": "「その浴衣、誕生日プレゼントだったの」",
"201018611_57": "「え? でも、これは予備って言ってなかったか」",
"201018611_58": "「そっちが先にサプライズを仕掛けてくるから、\\n 言うタイミングを逃してしまって……」",
"201018611_59": "「本当は浴衣に着替えて花火大会に誘って、\\n 特別なお祝いをしたかったんだけど」",
"201018611_60": "「色々と……考えてくれてたんだな。\\n 凄く嬉しいよ」",
"201018611_61": "「でも結局、\\n こんな小さくて地味な花火になっちゃった……」",
"201018611_62": "「地味でも小さくてもいいじゃないか。\\n こうやってお互いの火で、お互いに灯しあう」",
"201018611_63": "「この花火、まるであたしたちみたいだと、\\n 思わないか」",
"201018611_64": "「線香花火が?」",
"201018611_65": "「この花火は翼の火をもらって輝いてる。\\n あたしも翼がいてくれるから輝いていられるんだ」",
"201018611_66": "「だから、小さな花火でも、もう十分に心は満たされた」",
"201018611_67": "「うん……」",
"201018611_68": "(時々想う……わたしだけ、こんな風に笑ってていいのかと。\\n こんなに幸せでいいのかと……",
"201018611_69": "(今のわたしがいるのは、あの日、命を懸けて護ってくれた\\n この世界の奏のおかげ……それなのに……",
"201018611_70": "「翼? どうかしたのか?」",
"201018611_71": "「あ、ごめん、なんでもない……」",
"201018611_72": "「嘘だな。\\n この世界のあたしのことを考えていたんだろう」",
"201018611_73": "「…………」",
"201018611_74": "「あたしは奏だけど、この世界の奏じゃない。\\n 翼の想う奏とは……やっぱりどこか違う」",
"201018611_75": "「それは……」",
"201018611_76": "「いいさ、それで。\\n でもな、翼――」",
"201018611_77": "「あの時出会って、ここまで繋いできた想いは、\\n まぎれもなく本物だろう」",
"201018611_78": "「奏……」",
"201018611_79": "「ほら、翼。風で花火が消えかかってるぞ」",
"201018611_80": "「本当だ、危なかった……」",
"201018611_81": "「あ、そうだ。\\n つ奏に大事なことを言い忘れてた」",
"201018611_82": "「ん? なんだい?」",
"201018611_83": "「誕生日おめでとう。奏」",
"201018611_84": "「ああ、ありがとう。翼」"
}

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{
"Sheet1_0": "奏のバースデー2020"
}

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@ -0,0 +1,110 @@
{
"201018711_0": "マリアのバースデー2020",
"201018711_1": "「え? マリア姉さん、ここにいないんですか?」",
"201018711_2": "「任務が早く終わったら、\\n 切歌ちゃんたちの学生寮に行くって言ってたわね」",
"201018711_3": "「そ、そうなんですか……」",
"201018711_4": "「もしかして、その手に持っているのは\\n 彼女への誕生日プレゼント」",
"201018711_5": "「はい……」",
"201018711_6": "「いつもわたしの誕生日を姉さんが祝ってくれたから、\\n 今回はわたし人でお返しがしたくて……」",
"201018711_7": "「ケーキを作ってきたんですけど……」",
"201018711_8": "「あなたが来るとわかってたら引き止めたんだけどね」",
"201018711_9": "「いえ、いいんです。\\n わたしが姉さんを驚かせようとしたから……」",
"201018711_10": "「通信、入れましょうか?」",
"201018711_11": "「ありがとうございます。\\n でも人の家ならわかりますから、行ってみますね」",
"201018711_12": "「誕生日プレゼント、落とさないように気を付けて」",
"201018711_13": "「はいッ!」",
"201018711_14": "「今日は祝ってくれてありがとう。\\n 料理もとてもおいしいし、本当に嬉しかったわ」",
"201018711_15": "「料理に関しては、アタシは調のサポートだけデスけどね……」",
"201018711_16": "「このあとは翼さんのところへ行くんだよね?」",
"201018711_17": "「ええ、翼もわたしを祝ってくれるのかしら?\\n 呼び出されたのはコンサート会場だけれど」",
"201018711_18": "「歌のプレゼントデスか」",
"201018711_19": "「今はレッスン中だって言ってたから、\\n ただの待ち合わせ場所だと思うけどね」",
"201018711_20": "「気になるなら、あなたたちも一緒に来る?」",
"201018711_21": "「ここからは翼さんのターンデス。\\n アタシたちはお邪魔しないデスよ」",
"201018711_22": "「じゃあ、また明日ね。\\n 今日は本当にごちそうさま」",
"201018711_23": "「今頃マリアはどうしてるかな」",
"201018711_24": "「翼さんだから、きっと大人な誕生日の祝い方をしてるに\\n 違いないデスよッ」",
"201018711_25": "「ん? お客さんデスか?」",
"201018711_26": "「こんにちは」",
"201018711_27": "「あれ、こっちの世界に来てたんだね。\\n そっか、セレナもマリアの誕生日を祝いに」",
"201018711_28": "「はい、それで、マリア姉さんがここに来てるって\\n 聞いたんですけど……」",
"201018711_29": "「マリアなら翼さんのところに行ったデスよ。\\n コンサート会場だって言ってたデス」",
"201018711_30": "「えッ!? そうなんですか?\\n それじゃ、早く追いかけないとッ」",
"201018711_31": "「待って、わたしたちも一緒に行くよ」",
"201018711_32": "「大丈夫です。今回はわたし1人で頑張るって決めたから。\\n お気持ちだけいただいておきますッ」",
"201018711_33": "「行っちゃったデス……」",
"201018711_34": "「今のはどうだった、テンポはズレていなかったと思うが」",
"201018711_35": "「わたしは完璧だったと思うわよ。\\n 普段から十分すぎるくらいレッスンしてるものね」",
"201018711_36": "「そうか、よかった」",
"201018711_37": "「まあ、わたしは今日呼び出されたから、\\n てっきり誕生日を祝ってくれるものだと思ってたけど」",
"201018711_38": "「まさか来て早々にレッスンの出来を見てほしい、\\n なんてことを頼まれると思わなかったわ」",
"201018711_39": "「あ、いや……それは……」",
"201018711_40": "「最近レッスンに夢中になりすぎていて……、\\n とにかく、誕生日おめでとう」",
"201018711_41": "「はい、ありがとう」",
"201018711_42": "「しかし、本当にすまない。さっき聞くまで、\\n マリアの誕生日のことをすっかり失念していた」",
"201018711_43": "「大丈夫よ。あなたがそういうイベント事に疎いことは\\n ちゃんと理解しているから」",
"201018711_44": "「せめてプレゼントはしっかり用意したいが……、\\n あいにく今日は遅くまで仕事があるんだ」",
"201018711_45": "「日付が変わるまでに渡せるかどうか……」",
"201018711_46": "「いいのよ、いつでも。\\n プレゼントを用意して貰えるって聞けただけでも嬉しいわ」",
"201018711_47": "「そうか。そう言ってもらえると助かる」",
"201018711_48": "「ただし待たせた分、素敵なものにしてよね」",
"201018711_49": "「あ、ああ……善処する……」",
"201018711_50": "「それじゃわたしはそろそろ行くわね」",
"201018711_51": "「そうか。立花たちにも呼ばれているんだったな」",
"201018711_52": "「まったく、誕生日の主役をあっちこっちに行かせるなんて。\\n このスケジュールを考えたの誰よ」",
"201018711_53": "「文句を言っている割に表情が嬉しそうだが」",
"201018711_54": "「本当に可愛くない剣ね」",
"201018711_55": "「翼さん、先ほどスタッフの方から、\\n 女の子が会いに来てると聞いて、確認したら彼女が」",
"201018711_56": "「ご、ごめんなさい、お仕事中なのに」",
"201018711_57": "「どうしたんだ?\\n わたしに何か用なのか」",
"201018711_58": "「マリア姉さんがここに来てるって聞いたんですッ!」",
"201018711_59": "「マリアなら立花たちのところへ向かったぞ」",
"201018711_60": "「そんな……また入れ違いに……」",
"201018711_61": "「困っているなら、手を貸そう。\\n ちょうど一区切りついたところだから」",
"201018711_62": "「いえ、大丈夫です。\\n 今日は人で頑張るって決めたんです、だから……」",
"201018711_63": "「お仕事中にお邪魔してごめんなさい。\\n これで失礼しますッ」",
"201018711_64": "「……彼女は大丈夫だろうか」",
"201018711_65": "「僕が追いかけましょうか?」",
"201018711_66": "「……いえ、彼女は1人で何かを\\n 成し遂げようとしているようでした」",
"201018711_67": "「ここは彼女のことを信じて送り出しましょう。\\n ですが、これくらいは……」",
"201018711_68": "(今度は立花さんたちの寮か……。\\n って、月読さんと暁さんたちの寮だよね",
"201018711_69": "(また戻ることになるなんて、\\n ここからだと完全に日が暮れちゃうよ……",
"201018711_70": "(どうしよう、早く行かないと夏場だからケーキが傷んじゃう)",
"201018711_71": "(1人で頑張るなんて意地を張らなきゃよかったかな。\\n わたしだけじゃ、何も……",
"201018711_72": "「マリア姉さん……」",
"201018711_73": "「こんなところで何してるの。\\n ちゃんと前を見て歩かなきゃ危ないじゃない」",
"201018711_74": "「……え? ま、マリア姉さんッ!?」",
"201018711_75": "「よかったわ、あなたが来てるって連絡をもらって\\n 急いで引き返し――」",
"201018711_76": "「やった、やっと姉さんに会えたッ!」",
"201018711_77": "「ちょ、ちょっと、急に抱きついてきたら危ないじゃない」",
"201018711_78": "「そうだッ! ケーキッ!\\n ど、どうしよう、今ので揺らしちゃったからッ」",
"201018711_79": "「ね、姉さん、あの、これプレゼントでッ!\\n わたしが作ってきた、ええっとッ」",
"201018711_80": "「わかった、わかったから。\\n ちゃんと聞いてあげるから落ち着いて」",
"201018711_81": "「そう、ずっと入れ違いになっちゃってたのね」",
"201018711_82": "「うん……」",
"201018711_83": "「ありがとう、セレナ。\\n わたしのためにたくさん頑張ってくれたのね」",
"201018711_84": "「で、でも、ケーキ……」",
"201018711_85": "「別に構わないわよ、ちょっと崩れちゃってても。\\n 食べられなくなるわけじゃないわ」",
"201018711_86": "「わたしはセレナが作ってきてくれたってだけで\\n 十分、嬉しいんだから」",
"201018711_87": "「あ、開けるの怖い……。\\n 姉さん、見ても笑わないでね」",
"201018711_88": "「笑うわけないじゃない。ほら、セレナのケーキを見せて」",
"201018711_89": "「う、うん……。\\n ああ、やっぱりちょっと崩れちゃってる……」",
"201018711_90": "「もう何よ、どんなものが出てくるかと思ったら、\\n とっても美味しそうなケーキじゃない」",
"201018711_91": "「そ、そうかな……」",
"201018711_92": "「ねえ、セレナ。\\n そのケーキ、食べさせてくれないかしら」",
"201018711_93": "「わ、わたしがッ!?」",
"201018711_94": "「ほら、早く。あーん……」",
"201018711_95": "「あ、あーん……」",
"201018711_96": "「ん……うん、美味しいッ!\\n 最高のプレゼントよ、ありがとう」",
"201018711_97": "「よかった、姉さんに喜んでもらえた。\\n でも、あーんはちょっと恥ずかしいよ……」",
"201018711_98": "「姉妹なんだから恥ずかしがることないわ。\\n ほら、今度はわたしが食べさせてあげる」",
"201018711_99": "「うんッ!」",
"201018711_100": "「連絡は間に合ったようだな」",
"201018711_101": "「マリアさんたち、すっごく幸せそうだねッ!」",
"201018711_102": "「見てるこっちが恥ずかしくなるくらいにな」",
"201018711_103": "「あとは2人だけにしてあげよう。\\n わたしたちは先に戻ってセレナちゃんの分の料理も作らないと」",
"201018711_104": "「そうだねッ!」",
"201018711_105": "「ん? 今、聞こえたのは……」",
"201018711_106": "「どうしたの?」",
"201018711_107": "「ううん、なんでもないわ。\\n 素敵な誕生日にしてもらえて嬉しいって思っただけよ」"
}

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@ -0,0 +1,80 @@
{
"201018811_0": "なりきりレースクイーン",
"201018811_1": "「あーあ、残念だなぁ。せっかく奏さんの世界に来たのに、\\n 仕事で留守だなんて。やっぱり忙しいんだ……」",
"201018811_2": "「師匠に頼まれてた用事は終わったし、帰ろう……」",
"201018811_3": "「あれ? どうしたんだ、こんなところで。\\n こっちに来てたのか」",
"201018811_4": "「奏さんッ!?\\n 今日は、仕事じゃなかったんですか」",
"201018811_5": "「それがさ……、",
"201018811_6": " いや、待てよ……?」",
"201018811_7": "「はい?」",
"201018811_8": "「いやあ、ちょうどよかったーッ!\\n 会えてよかったよ。ちょっと付き合ってくれ」",
"201018811_9": "「えッ!? ちょ、ちょっと……、どこにですかッ!?」",
"201018811_10": "「まあ、いいからいいから。\\n あたしを助けると思ってッ」",
"201018811_11": "「助ける? 奏さん、何か困ってるんですか?」",
"201018811_12": "「ライトの位置、横にずらしてー。そう、よろしくッ!\\n はい、オッケーでーす」",
"201018811_13": "「はーい、それじゃカメラチェックいくよー」",
"201018811_14": "「天羽さん入りましたー」",
"201018811_15": "「ごめんごめん、遅くなった。\\n でも、代役のほうはオッケーだッ」",
"201018811_16": "「本当ですか? よかったー。こっちはもう誰も手配できなくて\\n 困ってたんです。それじゃセッティングよろしくお願いします」",
"201018811_17": "「了解。すぐ着替えるよッ!」",
"201018811_18": "「あ、あの……、これって一体……」",
"201018811_19": "「プロモーションビデオの撮影現場だ」",
"201018811_20": "「プロモーションビデオ?",
"201018811_21": " うわッ、レースクイーンのお姉さんたちがいるッ!」",
"201018811_22": "「そりゃいるさ。車のプロモーションビデオだからな」",
"201018811_23": "「かっこいいなー。奏さんも出るんですか?」",
"201018811_24": "「ああ」",
"201018811_25": "「だけど、モデルが1人急病で倒れてね。\\n スタッフ総出で、代役を探してたってわけなんだ」",
"201018811_26": "「じゃあ、さっきも代役を探して……」",
"201018811_27": "「ああ。もう見つかったけどね」",
"201018811_28": "「なーんだ、それなら安心――」",
"201018811_29": "「って、それってまさか……」",
"201018811_30": "「それは、もちろんッ!」",
"201018811_31": "「む、無理ですッ! そんなの絶対無理ッ!!」",
"201018811_32": "「きっと大丈夫さ。\\n ほら、着替えよう。こっちだ」",
"201018811_33": "「ちょ、ちょっと……、",
"201018811_34": " ダ、ダメぇぇぇぇぇぇッ!」",
"201018811_35": "「さて。メイクの時間もあるからな。\\n 急いでこれに着替えてくれ」",
"201018811_36": "「いえ、ですからわたし、やるなんて一言も……。",
"201018811_37": " って、これが衣装ッ!?」",
"201018811_38": "「なかなかセクシーだろ?」",
"201018811_39": "「カメラも回ってるからな。ちゃんとポーズも取ってくれよ。\\n んな感じで……」",
"201018811_40": "「そ、そんなポーズ無理ですってばッ!\\n それに、奏さんと一緒に撮影なんて……」",
"201018811_41": "「ん? 何か問題あるか?」",
"201018811_42": "「わたし、奏さんみたいにスタイルよくないですし……」",
"201018811_43": "「そんなことないって。モデルで大切なのは体幹なんだ。\\n そっちの体幹だって捨てたモンじゃないさ」",
"201018811_44": "「えッ? そっか、わたしって体幹がいいんだ……。\\n って、そうじゃなくてッ」",
"201018811_45": "「奏さんと一緒になんて……。\\n わたし、そんな勇気ありませんッ」",
"201018811_46": "「そうか? ギアを纏って戦ってるところなんて\\n たいした度胸に見えたけどな」",
"201018811_47": "「そ、それとこれとは別の話ですッ!」",
"201018811_48": "「似たようなモンさ。意志の強さが問われることに\\n 違いはないんだからな」",
"201018811_49": "「だから問題ないさ。\\n 絶対に上手くいく。あたしを信じてくれ」",
"201018811_50": "「奏さん……」",
"201018811_51": "「それに、困ってるのも本当なんだ……」",
"201018811_52": "「そ、そんなに困ってるんですか……?」",
"201018811_53": "「どこのモデル事務所も、空いた子が見つからなくてね。\\n このまま撮影がおせば、あたしも次の現場と丸被りだ」",
"201018811_54": "「それに、みんなこの日のために、\\n 最高の映像を作ろうと、努力を重ねてきたんだ」",
"201018811_55": "「頼む、力を貸してくれッ!」",
"201018811_56": "「……」",
"201018811_57": "「わかりました。お手伝いしますッ!」",
"201018811_58": "「一緒に完成させましょう。\\n わたし、精一杯頑張りますッ」",
"201018811_59": "「はーい、そっちの彼女。立ち位置、半歩右ね」",
"201018811_60": "「えーっと、こうですか?」",
"201018811_61": "「オッケー。あと、ちょっと目線横にしてくれる?\\n ……はい、いいよいいよー。そのまま笑ってー」",
"201018811_62": "「……はいッ!」",
"201018811_63": "「お、いーねーッ! ナイススマイルーッ!」",
"201018811_64": "「へえ、いい感じじゃないか」",
"201018811_65": "「滅多にない機会ですし、\\n どうせやるなら全力ですッ」",
"201018811_66": "「やっぱりあたしの見立ては間違ってなかったな。\\n 度胸もあるし、勘も悪くない」",
"201018811_67": "「そうですか? ……エヘヘ」",
"201018811_68": "「将来は、モデルか女優なんてのも悪くないかもな。\\n いっそアイドルなんてどうだ」",
"201018811_69": "「わ、わたしがアイドルッ!?」",
"201018811_70": "「って将来だなんて、そんな先のこと\\n 考えたこともないですよ」",
"201018811_71": "「今はまだ、目の前のことだけで精一杯で、\\n 自分が本当にやりたいことなんて、全然……」",
"201018811_72": "「それもいいんじゃないか。\\n やりたいことなんて、そのうちひょっこり見つかるモンだ」",
"201018811_73": "「それに、自分に嘘をつかず、全力でいられるなんて、\\n 誰にでもできることじゃないからな」",
"201018811_74": "「奏さん……」",
"201018811_75": "「はーい。次、立ち位置変えまーす」",
"201018811_76": "「……とりあえず、今はこの撮影に全力だッ!」",
"201018811_77": "「……はいッ!」"
}

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@ -0,0 +1,118 @@
{
"201018911_0": "秘湯で深まる関係",
"201018911_1": "「……は? フィーネが休暇で旅行に行っただと?\\n だから姿が見えなかったのか」",
"201018911_2": "「ああ。先日、了子くんから休暇が欲しいと言われ、\\n 定期連絡を入れることを条件にその許可を出した」",
"201018911_3": "「行き先が南米なのは気がかりだが……」",
"201018911_4": "「南米か……。\\n でも、休暇で旅行するくらい別にいいだろ」",
"201018911_5": "「実は先程、南米の反政府ゲリラの間で\\n 不穏な動きがあるという報告が上がってきたんだ」",
"201018911_6": "「……おっさん、まさかとは思うが、\\n そんな奴らにあいつがやられると――」",
"201018911_7": "「思ってはいないが、気にはなっている。\\n もしものことが起こらないとは限らないからな」",
"201018911_8": "「…………」",
"201018911_9": "「いや……確かに心配し過ぎなのかもしれない。\\n 今の話は忘れてくれ」",
"201018911_10": "「……あーもう、おっさんが変なこと言うから、\\n 気になってきちまったじゃねえか」",
"201018911_11": "「南米のどの辺だ?\\n 移動手段を用意してくれるならあたしが見てくるよ」",
"201018911_12": "「移動手段の用意は可能だが……。\\n いや、しかし……」",
"201018911_13": "「明日から休みだし、構わないよ。\\n 一応、S.O.N.G.に連絡はするけどな」",
"201018911_14": "「そうか。では、頼む。\\n ただ、万が一のためネフシュタンの権杖を持っていってくれ」",
"201018911_15": "「ここが最後に連絡があった場所……、\\n フィーネはまたこの村に来たのか……」",
"201018911_16": "(一応、村も平和そうだし、\\n わざわざ来る理由があるようには思えないけどな",
"201018911_17": "(そういえば、こっちの世界のパパとママも\\n 今はこの村にいないんだっけ……",
"201018911_18": "「どこにいるのか、詳しくは聞いてないけど……」",
"201018911_19": "「もしもし、お嬢さん」",
"201018911_20": "「うひゃあッ!?」",
"201018911_21": "「あら、ごめんなさい。驚かせちゃったかしら」",
"201018911_22": "「い、いや、大丈夫だ。ちょっと考え事してて……。",
"201018911_23": " それでなんの用だ?」",
"201018911_24": "「こんな村に外からのお客さんなんて珍しいから。\\n あの人もそうだけど、よくここにたどり着いたなって」",
"201018911_25": "「あの人? ……そいつの特徴教えてくれないか?」",
"201018911_26": "「特徴? ええっと、サングラスで顔はよく見えなかったけど\\n 全身真っ黒な服を着た、長い金髪の女性だったわね」",
"201018911_27": "(たぶん、フィーネだな)",
"201018911_28": "「その女と何か話さなかったか?\\n たとえば、反政府ゲリラのこととかさ」",
"201018911_29": "「確かにその話もしたわね。\\n でも彼女は何かを探しているみたいで……」",
"201018911_30": "「探しているって何を……?」",
"201018911_31": "「詳しいことは聞かなかったから……。\\n すぐにゲリラがいるって噂の森に行っちゃったし……」",
"201018911_32": "(……一体フィーネは何を探してるっていうんだ?)",
"201018911_33": "「この辺のはずだよな?\\n 反政府ゲリラが潜んでる場所ってのは……」",
"201018911_34": "「ああ、クソッ! 歩きづらいったらありゃしねえ。\\n 他の道はないのかよ」",
"201018911_35": "「アルカ・ノイズッ!?\\n やっぱり近くにゲリラがいるんだなッ」",
"201018911_36": "「Killter Ichaival tron――」",
"201018911_37": "「たったの1体であたしをどうこうできるなんて\\n 思わないことだなッ」",
"201018911_38": "「多分、これだけじゃないよな。\\n 拠点が近いなら、他にも見回ってる奴がいるはずだ」",
"201018911_39": "(けど、本当にこんなところでフィーネは何を……?)",
"201018911_40": "「まさか、おかしなことを企んでるんじゃ――」",
"201018911_41": "(いや……そんなわけない……、\\n それくらいあたしだってわかってるつもりだ……",
"201018911_42": "(けど、いろいろと考えちまうよな……、\\n あたしの世界の奴とは違うってわかってても",
"201018911_43": "「やっぱり、こっちの世界のフィーネもいずれは……」",
"201018911_44": "「……ッ!? なんだッ!」",
"201018911_45": "「あぶねー、妙な気配を感じたから避けれたけど、\\n 今の攻撃はアルカ・イズじゃない」",
"201018911_46": "(……気配はする。いや、しすぎてるな。\\n こっちにバレるのを承知で殺気を垂れ流してやがるッ",
"201018911_47": "(この背筋がピリつく感じの緊張感は前にどこかで……。\\n 思い出せないけど、間違いなく只者じゃねーな",
"201018911_48": "「こいつを使わせてもらうか」",
"201018911_49": "(そろそろ日が落ちる。正面からぶつかるより、\\n 暗闇から弾幕張って場所がわからないように立ち回ればッ",
"201018911_50": "(クソッ、なんて動きをしやがる。\\n こっちの攻撃がほとんど当たってねーぞッ",
"201018911_51": "(場所が悪いとはいえ、デュオレリックで苦戦する相手って\\n どんな野郎だよッ",
"201018911_52": "(しかたねー、ここは一か八か。\\n 開けた場所に誘い込んで一気に全弾叩き込んでやるッ",
"201018911_53": "「よし、誘いに乗ったッ! ここならいけるはずだ。",
"201018911_54": " 全弾持っていきやがれえええええッ!」",
"201018911_55": "「待ちなさいッ!」",
"201018911_56": "「うおおっとッ! フィ、フィーネッ!?\\n お前、どこから湧いて出たッ」",
"201018911_57": "「ネフシュタンが反応するから、まさかとは思ったけど、\\n あなただったのね」",
"201018911_58": "「おい、まさかさっきまで戦ってたのって……」",
"201018911_59": "「お互い、大怪我を負わずに済んでよかったわ。\\n 捨て身の攻撃を受けていたら、どうなるかわからなかったもの」",
"201018911_60": "「そこまで読んでて、誘いに乗ったのかよ……」",
"201018911_61": "「あなたとは経験してきた修羅場の数が違うの。\\n ところで、なんであなたがここにいるのかしら」",
"201018911_62": "「あー、それは……」",
"201018911_63": "「ちょっと待って。どうせなら、落ち着ける場所で話さない?\\n ちょうど近くにいい所があるのよ」",
"201018911_64": "「こんな森の奥深くにか?」",
"201018911_65": "「ええ、期待していいわよ」",
"201018911_66": "「……というわけで、私は反政府ゲリラの噂を聞いて、\\n 早めに芽を摘んでおこうと思ったのよ」",
"201018911_67": "「実はこの秘湯の情報が本命だったんだけど、\\n おまけの情報が思ったより放っておけるものではなかったの」",
"201018911_68": "「…………」",
"201018911_69": "「はあ……、それにしても、お湯も眺めも噂通りのいい温泉ね。\\n こんな奥地だから貸切状態なのもいいわ」",
"201018911_70": "「…………」",
"201018911_71": "「ずっと黙っているけど、お風呂は嫌いだったかしら?」",
"201018911_72": "「そういうわけじゃない。\\n 人で風呂に入ってることに違和感があってだな」",
"201018911_73": "「あんたとは一緒に入ったことなかったから……」",
"201018911_74": "「あんた、というのは私のこと?\\n それとも、そちらの世界の私のことかしら」",
"201018911_75": "「あっ……」",
"201018911_76": "「いいのよ、同じ姿形をしていれば比べてしまうもの。\\n 気になんてしていないわ」",
"201018911_77": "「それに今はお互いにすべてをさらけ出している状態。\\n 無理に取り繕う必要もないわよ」",
"201018911_78": "「そ、そうか……」",
"201018911_79": "(そう言われても、未だにどういう距離感で接していいのか、\\n よくわからないんだよな",
"201018911_80": "「ふぅ……汗を掻いた後のお風呂は最高ね……」",
"201018911_81": "「汗掻いたのは戦ったからだろ。\\n ……そういや、あのアルカ・イズはなんだったんだ」",
"201018911_82": "「あれは反政府ゲリラが使っていたものよ。\\n 最後の体を取り逃してしまったの」",
"201018911_83": "「そういうことだったのか」",
"201018911_84": "「あなたを敵と誤認して攻撃を仕掛けたのは謝るわ。\\n お互い、何事もなくてよかったわね」",
"201018911_85": "「…………」",
"201018911_86": "「どうしたのかしら?」",
"201018911_87": "「あんたほどのやつだったら、\\n 相手があたしだって本当はわかってたんじゃないのか」",
"201018911_88": "「私もすべてがわかるわけではないわ。\\n 間違いだって犯すものよ」",
"201018911_89": "「本当かよ。実は裏でなんか企んでたんじゃないのか」",
"201018911_90": "「まさか。もう1つのネフシュタンと戦えるいい機会、\\n だなんて思ってなかったわ」",
"201018911_91": "「…………」",
"201018911_92": "「それよりも今は温泉を楽しみましょう」",
"201018911_93": "「ふん、温泉だから細かいことはお湯に流そう、ってか」",
"201018911_94": "「…………」",
"201018911_95": "「と、とにかく、風呂から上がったらおっさんに連絡入れとけ。\\n あんたのこと気にしてたからな」",
"201018911_96": "「ええ、そうさせてもらうわ。\\n あなたのことも連絡を入れておかないといけないものね」",
"201018911_97": "「あたしのことはもう知ってるぞ」",
"201018911_98": "「あの人にじゃなくて、雪音夫妻に連絡をするの。\\n この後会いに行くつもりだから」",
"201018911_99": "「パパとママに会いに行くのかッ!?」",
"201018911_100": "「私じゃなくてあなたが会いに行くのよ」",
"201018911_101": "「あの人たち、今は近くの別の村にいるみたいだから、\\n 先に了解を得て、あなたを招くつもりだったのよ」",
"201018911_102": "「ほ、本当に会いに行っていいのか?」",
"201018911_103": "「あなたが会いたくないのなら、無理にとは言わないわ」",
"201018911_104": "「あ、あたしは……、会いたい……」",
"201018911_105": "「なら、連絡を入れておくわ。\\n もう少し、こちらの世界にいられるんでしょう」",
"201018911_106": "「うん……」",
"201018911_107": "(2人に会いに行けるのか。元気かな、何を話せばいいんだろ。\\n 話したいことがたくさんありすぎる……",
"201018911_108": "(そんな可愛い顔ができるなら、いつもそうしていればいいのに。\\n この子の不器用なところは変わらないわね",
"201018911_109": "「な、なんだよ、人の顔見てニヤニヤして……」",
"201018911_110": "「私が? それは見間違いよ。湯気でそう見えただけ。\\n あなたも口元が緩んでいたように見えたわよ」",
"201018911_111": "「……お互い見間違いだな」",
"201018911_112": "「離れて入っているからそう見えるの。\\n もっと近くに来なさい」",
"201018911_113": "「……じゃあ、ちょっとだけ」",
"201018911_114": "「あら、意外ね。そんな必要はないって\\n 断られると思ったのだけど」",
"201018911_115": "「いいじゃないか、たまには……。\\n こんな風にゆっくりできる機会なんて滅多に無いんだから」"
}

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@ -0,0 +1,51 @@
{
"201019011_0": "安らぎのひと時",
"201019011_1": "「フフ……、すごい……大発見ッ!",
"201019011_2": " ここをこうすれば……もっと……」",
"201019011_3": "「調、そろそろ休んだほうがいいデスよ。\\n ここ数日、ずーっと研究ばっかりじゃないデスか」",
"201019011_4": "「うるさい、勝手に入ってくるなって言ってるでしょ」",
"201019011_5": "「ノックしても無視する調が悪いんデス。\\n もう、こんなに部屋を散らかして」",
"201019011_6": "「別にわたしは困らないからいい」",
"201019011_7": "「あーッ! アタシが愛情込めて作った料理ッ!\\n どうして食べてないんデスか」",
"201019011_8": "「……ちょっと忘れてただけよ」",
"201019011_9": "「ご飯食べるの忘れたら倒れちゃうデスよッ!」",
"201019011_10": "「うるさい」",
"201019011_11": "「さすがにこれは放っておけないデスね。\\n ちょっとバタバタするデスけど、我慢するデスよ」",
"201019011_12": "「は? 何を勝手に」",
"201019011_13": "「ふんふふ~ん。\\n お掃除、お掃除」",
"201019011_14": "(はぁ、もう注意するのも面倒くさい……)",
"201019011_15": "「ここの片付けが終わったら、\\n ご飯作り直してあげるデスから、今度はちゃんと食べるんデスよ」",
"201019011_16": "「はいはい」",
"201019011_17": "「あーあ、このお菓子、まだ入ってるじゃないデスか。\\n 袋も開けっ放しで」",
"201019011_18": "「1口食べたら満足したの、もういらない」",
"201019011_19": "「はぁ、これはダメ助手行きデスね」",
"201019011_20": "(……せっかく乗ってきてたのに気が散るなあ。\\n よし、こうなったら",
"201019011_21": "「ねえ、お使いに行ってきて。\\n 必要なものはメモに書いたから」",
"201019011_22": "「お使いデスか?\\n 喜んで行ってくるデースッ」",
"201019011_23": "「…………」",
"201019011_24": "「お使いしてき――、",
"201019011_25": " な、なんデスとッ!?」",
"201019011_26": "「なんで、もう部屋が散らかってるんデスかッ!?\\n さっき出かける前に片付けたはずデスよッ」",
"201019011_27": "「短い間でこんなに散らかせるなんて……。\\n ここまでくるとある意味才能デース」",
"201019011_28": "「……あれ? そういえば、本人の姿が見えないデスね。\\n おトイレデスか」",
"201019011_29": "「すぅ……」",
"201019011_30": "「し、調が倒れてるデースッ!\\n 一体何があったデスかッ」",
"201019011_31": "「…………」",
"201019011_32": "「……あれ? もしかして、寝てるデス?」",
"201019011_33": "「もー、驚かせないでほしいデス。\\n ちゃんと寝てないから、こうなるんデスよ」",
"201019011_34": "「仕方ないデスね、ベッドまで運ぶデスよ」",
"201019011_35": "「…………」",
"201019011_36": "「フフ、普段はちょこっときついデスけど、\\n 黙って寝てるときは可愛いデス」",
"201019011_37": "「調はやればできるのに、どうして身の回りのことは\\n おざなりになるデスかね」",
"201019011_38": "「まあ、アタシのお仕事が増えるから、\\n それはそれで構わないんデスが」",
"201019011_39": "「…………」",
"201019011_40": "(疲れたし、相手をするのも面倒だから寝たふりしたけど、\\n こいつ、好き勝手に言って……",
"201019011_41": "「研究に熱心に取り組む姿はかっこいいデス。\\n さすが、と言いたくなるくらいデスよ」",
"201019011_42": "「だから、アタシもそんな調のために\\n できることがあれば協力したいデス……」",
"201019011_43": "(んん……、なんだか、本当に眠たくなって……)",
"201019011_44": "「でも、調。あんまり無茶しちゃダメデスよ。\\n アタシが心配しちゃうデスから」",
"201019011_45": "(フフ……わかってるよ、切ちゃん……)",
"201019011_46": "「……ッ!? 微笑んでる……デスか……」",
"201019011_47": "「…………」",
"201019011_48": "「本当に幸せそうな顔で……、\\n 一体どんな夢を見てるんデスかね……」"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,3 @@
{
"201019211_0": "想い出のシュトラーセ"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,57 @@
{
"208001911_0": "超覚醒雪音クリス【SURFING PRIEST】",
"208001911_1": "「うーんッ! 思いっきり遊んだねーッ!」",
"208001911_2": "「まさか1日中、海で遊ぶことになるなんて思わなかったよ」",
"208001911_3": "「でもでも、まだまだ遊び足りないデスよッ!」",
"208001911_4": "「その気持ちすごくわかるッ!」",
"208001911_5": "「え? こんなに遊んだのにまだ足りないんですか?」",
"208001911_6": "「こいつらは元気すぎるんだよ。\\n 普通はこれだけはっちゃけたら、ヘトヘトになるもんだ」",
"208001911_7": "(とはいえ、あたしもちょっと名残惜しいが\\n この人と同じって思われるのもな",
"208001911_8": "「ねえ、もう少し遊んでいかない?\\n 夜の海は夜の海で楽しいと思うんだよねッ」",
"208001911_9": "「いいデスねッ! アタシも賛成デースッ!」",
"208001911_10": "「ダメ、今日はもう帰るの。\\n 楽しむのはいいけど、度が過ぎるのはよくないよ」",
"208001911_11": "「夜遊ぶくらいなら、また別の日に改めて\\n 来たほうがいいんじゃないかな」",
"208001911_12": "「今日遊びたいって気持ちは今日しかないんだよッ!」",
"208001911_13": "「また変なこと言って。\\n ねえ、クリスからも言ってあげて」",
"208001911_14": "「あたしかッ!?」",
"208001911_15": "「先輩もまだ遊びたいデスよね?\\n 調たちを説得してほしいデスッ」",
"208001911_16": "「説得しろって、あたしに言われてもな」",
"208001911_17": "(ここは先輩らしくビシッと言うべきか、\\n それとも遊びたいって気持ちを優先するか……",
"208001911_18": "「こいつは、本部からの通信かッ!」",
"208001911_19": "「この山の中にアルカ・ノイズの反応があったらしい。\\n 手分けして探すぞ」",
"208001911_20": "「じゃあ、わたしと未来はこっちのエリアを見ていくから、\\n 人は反対側をお願いねッ」",
"208001911_21": "「3人とも無茶しないでね」",
"208001911_22": "「ああ、お前らもな」",
"208001911_23": "「じー……」",
"208001911_24": "「な、なんだよ、人の顔をじっと見て。\\n 任務に集中しろよな」",
"208001911_25": "「集中してないのは先輩じゃないデスか?\\n 通信を受けてからなんだか、気落ちしてるみたいデス」",
"208001911_26": "「そ、そんなことない、気のせいだ」",
"208001911_27": "(海で遊べなくなったのが原因だなんて、\\n 口が裂けても言えないな……",
"208001911_28": "「そういえば、海」",
"208001911_29": "「えッ!? う、海がなんだってんだッ!」",
"208001911_30": "「あ、いえ、海の家で\\n 食べたかき氷が美味しかったなって話を……」",
"208001911_31": "「ああ、美味しかったデスね。\\n 舌が真っ青になったデスよッ」",
"208001911_32": "「先輩は真っ赤になってましたね」",
"208001911_33": "「あのな、任務中なんだから\\n そういう話は帰ってからにしろよな」",
"208001911_34": "「っと、さっそく出てきやがったなッ!\\n お前ら、行くぞッ」",
"208001911_35": "「はいッ!」",
"208001911_36": "「Various shul shagana tron――」",
"208001911_37": "「Zeios igalima raizen tron――」",
"208001911_38": "「Killter Ichaival tron――」",
"208001911_39": "「一気に片付け――」",
"208001911_40": "「って、なんで水着型ギアなんだッ!?」",
"208001911_41": "「アタシたちはいつものギアデスよ?\\n 先輩、もしかして……」",
"208001911_42": "「ち、違うッ! あたしはちっとも海で遊びたかったなんて\\n 思ってないからなッ」",
"208001911_43": "「でも、そのギアは……」",
"208001911_44": "「こ、これはだな、あれだよッ!\\n 海で過ごした経験がギアにどう影響するか試したんだッ」",
"208001911_45": "「えー……」",
"208001911_46": "「あの、海でならともかく、\\n 今いる山でやる意味あるんですか」",
"208001911_47": "「山にだって水はあるだろうッ!」",
"208001911_48": "「確かに川はありますけど……」",
"208001911_49": "「海千山千って言葉があるように、\\n つ、つまり、海で活躍できるなら山でも活躍できんだッ」",
"208001911_50": "「それ意味が違うと思います」",
"208001911_51": "「だあーッ! 細かいことはいいんだッ!\\n いいから、どう変わったか見せてやるからよく見てろッ」",
"208001911_52": "「先輩、海で遊びたかったんデスねー」",
"208001911_53": "「それもギアが変わるくらいに」",
"208001911_54": "「お前ら、口じゃなくて手を動かせえええッ!」"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,57 @@
{
"208002011_0": "超覚醒:風鳴翼【天水乱舞斬】",
"208002011_1": "「ふー、海風が気持ちいいわね。\\n あなたもそうは思わない」",
"208002011_2": "「急に散歩に出かけようと言うから何事かと思ったが、\\n 本当にただの気晴らしなのか」",
"208002011_3": "「せっかく海が近い会場なんだし、\\n こうして外の空気を吸ってみるのも悪くないんじゃない」",
"208002011_4": "「ふむ……、練習ばかりの日々で、\\n こうして海を眺める時間もなかったな」",
"208002011_5": "「風が夏の匂いを運んできている……、\\n 今年も暑くなりそうね」",
"208002011_6": "「海水浴シーズンではないが、もう泳げそうな暖かさだな」",
"208002011_7": "「みんなで水着になってはしゃいだことを思い出すわね。\\n そうだ、今年はどんな水着にする予定」",
"208002011_8": "「そんなこと、考えている暇があったと思うか?」",
"208002011_9": "「とかなんとか言って、今年も大胆な水着を着るんじゃないの?\\n ンワイヤーのオフショルダー系とか……」",
"208002011_10": "「わたしは……そういう方面には疎くてな。\\n 言われてもイメージすら湧かない」",
"208002011_11": "「流行を追えとは言わないけど、\\n アンテナが低すぎるのも女子としてどうかと思うわよ」",
"208002011_12": "「動きやすくて泳ぎやすければ問題ないと思うが……」",
"208002011_13": "「機能性一辺倒ね……水着は女子にとっては、\\n 夏の勝負服なのよ」",
"208002011_14": "「勝負服ならばこそ、性能最優先で……」",
"208002011_15": "「それ、本気で言っているの?\\n ギアを纏っての戦いから、頭を切り替えないと」",
"208002011_16": "「夏の水着選びは女子の嗜みなのよ。\\n 少しは女子力を高める意識を持たないと枯れてしまうわ」",
"208002011_17": "「ではマリアの言う、女子力の高い水着とは、\\n 一体どんなものなんだ」",
"208002011_18": "「流行重視にセクシー重視と、路線は色々とあるけど……。\\n わたしが思うに、番大事なのは適正かしら」",
"208002011_19": "「適正……少々漠然としているな」",
"208002011_20": "「本人の持つ魅力をより際立たせるのよ。\\n 例えば翼なら……引き締まったスレンダーボディを活かす」",
"208002011_21": "「まったくイメージできないが……、\\n 夏に向けてもっと細くすれば良いのか」",
"208002011_22": "「違うわ。細いからこそ、逆にオプションで飾って、\\n インパクトを強くするのよ」",
"208002011_23": "「わたしがコーディネートするなら……、\\n フリルとパレオで大人の魅力を増強ね」",
"208002011_24": "「お、大人の魅力ッ!?」",
"208002011_25": "「肌見せと肌隠しのバランスが重要なの。\\n 大人リゾートの雰囲気を出すのよ」",
"208002011_26": "「リゾートへ行く予定はないぞ」",
"208002011_27": "「もっと柔軟に考えてよ。\\n あくまでスタイルテーマなんだから」",
"208002011_28": "「今時女子ならみんなやっている、\\n 水着コーディネートテクニックよ」",
"208002011_29": "「水着がそんなに奥深いものだとは知らなかった……」",
"208002011_30": "「ひと夏だけのお洒落なんだから、\\n 毎年テーマをもって、創意工夫をしないと」",
"208002011_31": "「しかし、海水浴とはいっても相手は大自然。\\n 海は一度荒れれば危険に満ちている」",
"208002011_32": "「飾ることにばかり気を取られすぎて、\\n 足元を掬われてしまっては本末転倒」",
"208002011_33": "(ライブの練習で張り詰めすぎているから、\\n 気分転換にと思ったけど、なかなか手強いわね",
"208002011_34": "「ん? こんな時期に水着の人がいるじゃない」",
"208002011_35": "「あれはライフセーバーか。\\n 何をしているんだ」",
"208002011_36": "「……どうやら、救助の訓練をしているみたいね。\\n あなたと同じで完璧な状態でシーズンを迎えたいのでしょう」",
"208002011_37": "「なるほど、そういうことか」",
"208002011_38": "「改めて思うが、海での活動はああいった機能性に優れた\\n 装備で赴くべきだな」",
"208002011_39": "「任務なら構わないけど、\\n レジャーでそれはどうかしら……」",
"208002011_40": "「きゃあああ――ッ!?」",
"208002011_41": "「悲鳴ッ!? どこからッ!?」",
"208002011_42": "「見ろ、先程のライフセーバーの女性だッ!」",
"208002011_43": "「アルカ・ノイズッ!?\\n まさか、襲われているのッ」",
"208002011_44": "「マリア、彼女を助けるぞッ!」",
"208002011_45": "「ええッ!」",
"208002011_46": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」",
"208002011_47": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"208002011_48": "「急ぐぞッ!」",
"208002011_49": "「ちょっと待ってッ!\\n どうして、ここで水着型ギアなのよッ」",
"208002011_50": "「水着の話をしていたからだろう。\\n ここはちょうど海が近い。この状況ならば、好都合だッ」",
"208002011_51": "「まあ、いいわ。早く片付けましょう。\\n へそを出したままであなたが風邪を引いたら困るわ」",
"208002011_52": "「なッ!?\\n 露出度ではマリアもわたしと大差ないだろうッ」",
"208002011_53": "「わたしはいいのよ、慣れてるから」",
"208002011_54": "「まあいい、その話はまた後でゆっくりしよう。\\n 今は彼女を助けるのが先決だッ」"
}

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@ -0,0 +1,78 @@
{
"208002111_0": "超覚醒マリア・カデンツァヴナ・イヴ【NOBLE†TEAR】",
"208002111_1": "「はぁ、今日の任務も大変だったデスよ……」",
"208002111_2": "「アルカ・ノイズを利用したテロ活動組織の鎮圧。\\n なんとか実行前に抑えられてよかったね」",
"208002111_3": "「はいデスッ! だけど、報告にあった人数よりも多いなんて、\\n 危うく取り逃がすところだったデスよ」",
"208002111_4": "「S.O.N.G.にも正確な情報が届いてなかったようだし、\\n 今回は、しょうがないわ」",
"208002111_5": "「それよりもほら、早く食べないとアイスが溶けちゃうわよ。\\n 疲れたときは甘いものがいいんだから」",
"208002111_6": "「んんー、冷たいデースッ!」",
"208002111_7": "「アイスの季節、美味しい」",
"208002111_8": "(よかった、少しは元気が出たみたいね)",
"208002111_9": "「それで、これからどうするデスか。\\n 午前中で任務は終わっちゃいましたし、帰って休むデス」",
"208002111_10": "「特に予定もないし、どうしようかしらね」",
"208002111_11": "「ねー、明日もプールに遊びに行っていい?」",
"208002111_12": "「遊ぶのは構わないけど、ちゃんと宿題は終わったの?\\n 学校が始まる前に終わらせなきゃダメよ」",
"208002111_13": "「はーいッ!」",
"208002111_14": "「あの親子……」",
"208002111_15": "(この流れはもしやッ!?)",
"208002111_16": "(わたしたちの宿題はちゃんとやっているのか、\\n という流れからのお説教",
"208002111_17": "「ねえ、あなたたち……」",
"208002111_18": "「学校の宿題ならちゃんと任務の合間にやってるデスよッ!」",
"208002111_19": "「クリス先輩も見てくれることがあるし、\\n 任務があっても終わるようにやってるから」",
"208002111_20": "「え、ええ、宿題をちゃんとやってるのは偉いことね。\\n でも急にどうしたの」",
"208002111_21": "「……あ、あれ?\\n 宿題のことを聞きたいんじゃなかったデスか」",
"208002111_22": "「違うわよ。\\n 最近、暑い日が続いてるし、その、海とか……」",
"208002111_23": "「あなたたちも行きたいんじゃないかなって思って」",
"208002111_24": "「そういえば、あまり行ってないデスね」",
"208002111_25": "「みんなそうよね。任務もあるし。\\n はあ、このまま夏が終わってしまうのかしら……」",
"208002111_26": "「だったら、今から海へ行けばいいんデスよッ!」",
"208002111_27": "「今からッ!?」",
"208002111_28": "「わたしも切ちゃんに賛成。\\n そして、善は急げ、だよ」",
"208002111_29": "「そ、それもそうね。時間もあるわけだし、",
"208002111_30": " あなたたちが行きたいなら、行きましょう、海へッ!」",
"208002111_31": "「……」",
"208002111_32": "「うわー、人がたくさんいるデスねー」",
"208002111_33": "「ええ。そろそろシーズンも終わりだもの。\\n みんな考えることは同じなのかもしれないわね」",
"208002111_34": "「それより、ビーチへ行きましょうッ!」",
"208002111_35": "「ねえ、マリア……。\\n こんなに人が多いと、マリアのこと気づく人もいるんじゃ……」",
"208002111_36": "「…………」",
"208002111_37": "「……だ、大丈夫でしょう。\\n みんな海を満喫することに夢中だし」",
"208002111_38": "「マリアー、調ー、すごいデスよ。\\n あの海の家で、マリアの歌がかかってたデスよッ」",
"208002111_39": "「……え?」",
"208002111_40": "「こんなところでもマリアの歌が使われているなんて、\\n なんだかアタシも嬉しいデスよッ」",
"208002111_41": "「それに、あの海の家には、\\n マリアと翼さんのポスターも貼ってあったデス」",
"208002111_42": "「マリアは、海でも人気者デスッ!」",
"208002111_43": "「…………」",
"208002111_44": "「……マリア」",
"208002111_45": "「どうしたんデス? 2人とも」",
"208002111_46": "「帰ろうか?」",
"208002111_47": "「くッ! ……いえ、せっかく来たんだから、\\n あなたたち人で遊んでらっしゃい」",
"208002111_48": "「わたしは向かいの喫茶店で、\\n サングラスでもかけて涼んでいるわ……」",
"208002111_49": "(マリアのがっかり感が半端ない……)",
"208002111_50": "「アタシはマリアと調と遊びたいデスよッ!」",
"208002111_51": "「わたしのことは気にしないで――」",
"208002111_52": "「きゃあああッ!?」",
"208002111_53": "「なにこの悲鳴はッ!?」",
"208002111_54": "「あれはアルカ・ノイズッ!?\\n まさかッ」",
"208002111_55": "「聞こえているか、アルカ・ノイズの反応を確認した。\\n お前たち、今近くにいるな」",
"208002111_56": "「ええ、目視で確認したわ」",
"208002111_57": "「どうやら先ほどお前たちが制圧したテロ組織の残党のようだ。\\n くッ……やはり届いた情報にズレがあったか……」",
"208002111_58": "「やっぱりそうなのね」",
"208002111_59": "「すまないが、対処を頼む。\\n S.O.N.G.局員もすぐ現場へ向かわせる」",
"208002111_60": "「了解よ」",
"208002111_61": "「ここにはたくさんの海水浴客がいるデスよ。\\n 早く倒さないとッ」",
"208002111_62": "「ええ、残り少ない夏、\\n その思い出を汚す奴は許さないわッ」",
"208002111_63": "「Zeios igalima raizen tron――」",
"208002111_64": "「Various shul shagana tron――」",
"208002111_65": "「Seilien coffin airget-lamh tron――」",
"208002111_66": "「あッ、マリアのギアがッ!」",
"208002111_67": "「…………」",
"208002111_68": "「水着型……。\\n マリア、そこまで……」",
"208002111_69": "「…………」",
"208002111_70": "「ビーチへ向かって駆けるわよッ! 2人ともッ!」",
"208002111_71": "「お、おおデスッ!」",
"208002111_72": "「そのまま海に飛び込みそうな勢い……」",
"208002111_73": "「なんだかいつもより迫力が3倍マシマシデスね」",
"208002111_74": "「これが海の力……」",
"208002111_75": "「さあ、海を満喫している人たちを邪魔した罪。\\n その身に受けなさいッ」"
}

Zobrazit soubor

@ -43,7 +43,7 @@
"321000721_41": "「人間をグサリって、どんな趣味デスか……」",
"321000721_42": "「とにかく、相手の正体はわかった」",
"321000721_43": "「で、そいつと戦うには、\\n その鮮血の針ってのに気を付けりゃいいんだな」",
"321000721_44": "「そうだが、それならば対処が――」",
"321000721_44": "「そうだが、それならば対処が――」",
"321000721_45": "「なに、このうなり声……?」",
"321000721_46": "「犬……? いや、オオカミか?」",
"321000721_47": "「<ruby=こうもり>蝙蝠</ruby>も来てるみたいデスね……」",

Zobrazit soubor

@ -34,9 +34,9 @@
"321000932_32": "「調ッ!!」",
"321000932_33": "「大丈夫? 怪我してない?」",
"321000932_34": "「大丈夫デスよ。なんともないデス」",
"321000932_35": "「ちょっとだけ疲れたデスけど……。\\n ああ、でも、お腹がへりんこファイーデスよ」",
"321000932_35": "「ちょっとだけ疲れたデスけど……。\\n ああ、でも、お腹がへりんこファイーデスよ」",
"321000932_36": "「わかった。ご飯を沢山用意しておくね」",
"321000932_37": "「あ……、わたしも安心したらなんだ……」",
"321000932_37": "「あ……、わたしも安心したらなんだ……」",
"321000932_38": "「アタシ以上のモンスターがいたデスッ!」",
"321000932_39": "「ご飯って聞いたら急にね。\\n アハハハ……」",
"321000932_40": "「響の分は、わたしが用意しておくよ」",

Zobrazit soubor

@ -1,5 +1,5 @@
{
"326000511_0": "深まる闇",
"326000511_0": "終わりのない闇",
"326000511_1": "「今戻ったわ」",
"326000511_2": "「ご苦労だったな。\\n 早速で悪いが、首尾について報告を頼む」",
"326000511_3": "「はい。持参したデータはマム――\\n ナスターシャ教授に無事手渡しました」",

Zobrazit soubor

@ -11,7 +11,7 @@
"327000711_9": "「はいはい、タイムね。あまり待たせないでよ」",
"327000711_10": "「クリス、少し休んで」",
"327000711_11": "「ふざけんな、あたしはまだやれる……」",
"327000711_12": "「いいから、その子の言う通り休んでなさいよ。\\n このままだと、足をひっぱちゃうわよ。それでもいいの?」",
"327000711_12": "「いいから、その子の言う通り休んでなさいよ。\\n このままだと、足をひっぱちゃうわよ。それでもいいの?」",
"327000711_13": "「……くッ、わかったよ。\\n だけど、少し休んだらまた出るからな」",
"327000711_14": "「はい、はい。それまで負けないように頑張るわ」",
"327000711_15": "「とうとうオリジナルが出てきやがったわね。\\n 先に潰してやるから、覚悟しなさいよッ」",

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,27 @@
{
"342000111_0": "絶望の光",
"342000111_1": "「残ったのはオレたち3人だけ、か。\\n ……まさか、こんな状況になるとはな」",
"342000111_2": "「みんな、いなくなっちゃいましたね……」",
"342000111_3": "「ああ。しかし、その犠牲がなければ、\\n 私たちも同じ運命をたどっていただろう」",
"342000111_4": "「……静かですね。\\n 風も少し冷たく感じます」",
"342000111_5": "「……どうせすぐに騒がしくなる。\\n 奴らは今もこちらに向かって来ているんだからな」",
"342000111_6": "「嵐の前の静けさ、といったところか……」",
"342000111_7": "「……見えてきたぞ」",
"342000111_8": "「地平線が、全部、白く染まって――」",
"342000111_9": "「……ここまでの数とは」",
"342000111_10": "「一騎当千でも足りぬ、一騎当万の働きが必要だろうよ」",
"342000111_11": "「……あれを全部、わたしたちが止めるんですよね」",
"342000111_12": "「ああ、そうだ。私たちがやらねばならない。\\n 私たちだけが、残されたのだから……」",
"342000111_13": "「……怖気づいたのか?\\n それなら邪魔にならない場所にでも、引っ込んでるんだな」",
"342000111_14": "「ううん、大丈夫。\\n ……ありがとう、キャロルちゃん」",
"342000111_15": "「フン……」",
"342000111_16": "「この戦い、どんな展開になると思う?」",
"342000111_17": "「……策を用意したとして、この戦力差だ。\\n 厳しい戦いになるのは間違いない」",
"342000111_18": "「……みんなで、頑張りましょう」",
"342000111_19": "「精神論か。\\n だが、それも必要なのかも知れない」",
"342000111_20": "「無様な戦いだけはできないからな。\\n 散っていった仲間たちのために……」",
"342000111_21": "(クリスちゃん、マリアさん、それに、奏さん……。\\n 見守っていてください……",
"342000111_22": "(ファラ、レイア、ガリィ、ミカ……。\\n お前たちの仇は、必ずこのオレが取ってやる――",
"342000111_23": "(カリオストロ、プレラーティ、局長……。\\n 私は抗う、最後のその一瞬まで――",
"342000111_24": "(そして、ジャネット――。\\n 私は必ず、もう一度お前の前に立ってみせる――"
}

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@ -0,0 +1,43 @@
{
"342000121_0": "――3日前――",
"342000121_1": "――特異災害対策機動部二課――",
"342000121_2": "「――不明のアルカ・ノイズの反応だと?」",
"342000121_3": "「はい。欧州方面にてここ1週間で、\\n 複数回検知されているようです」",
"342000121_4": "「詳しい状況まではわかりませんが……」",
"342000121_5": "「……政府の方に正式な救援要請などは届いているのか?」",
"342000121_6": "「それは無いようです。\\n 寝た子を起こしたくないってところかもしれませんね……」",
"342000121_7": "「大方、聖遺物関連の施設の取り合いでもしてるんじゃない?\\n アルカ・イズを使って」",
"342000121_8": "「……ままならないものだな」",
"342000121_9": "「アルカ・ノイズの脅威を知らされていても、\\n 俺たちではそれが使われるのを防ぐことはできない……」",
"342000121_10": "「私たちはあくまで日本の組織だし、仕方ないわよ。\\n でも、向こうには錬金術師だっているじゃない」",
"342000121_11": "「ああ、欧州といえば彼らの本拠地だが……」",
"342000121_12": "「必要があれば連絡くれるでしょうし。\\n その時に助けてあげられれば、いいんじゃないかしら」",
"342000121_13": "「そうだな……」",
"342000121_14": "(――この胸騒ぎが、ただの杞憂であってくれればいいのだが)",
"342000121_15": "「任務だよ、君たちに。急ぎのね」",
"342000121_16": "「……それは、ここ1週間ほどで発生してる、\\n 協会への襲撃事件についてでしょうか」",
"342000121_17": "「早いね、耳が。\\n 調べていたのかな、何が起きているのかを」",
"342000121_18": "「相手はこちらに手を出してきている。\\n いつまでも好き勝手させるつもりはないワケダ」",
"342000121_19": "「そうね。\\n 丁重にお・も・て・な・し、してあげようかなって」",
"342000121_20": "「聞いているのかな、\\n 襲撃の現場で何があったのかをね」",
"342000121_21": "「かろうじて無事だった者の話なら聞きましたが……」",
"342000121_22": "「光がーッ! とか、消されるーッ! とか、\\n 叫んでるだけで、要領を得ないのよねー」",
"342000121_23": "「よほどの精神的ショックでも受けたワケダ」",
"342000121_24": "「消えたらしい、白い光と共に。\\n 襲われた協会の同胞たちは」",
"342000121_25": "「……焼却された、ということでしょうか?」",
"342000121_26": "「――違うな。\\n 検知されていないからね、一切の熱は」",
"342000121_27": "「現場ではアルカ・ノイズの反応もあったと聞いています。\\n ならば、それによって分解されたのでは」",
"342000121_28": "「その可能性も検討したさ。\\n しかし違っているんだよ、調べてみたところね」",
"342000121_29": "「もう、それじゃッ! わけわかんないじゃないッ!」",
"342000121_30": "「だから頼みたいんだ、君たちに」",
"342000121_31": "「了解しました。\\n では私たち名で正式に調査に当たります」",
"342000121_32": "「敵は短時間で協会の拠点を潰している。\\n 襲撃があってから、普通に向かったのでは間に合わないワケダ」",
"342000121_33": "「洗い出しているところだよ、次に狙われそうな拠点を――」",
"342000121_34": "「今の音はッ!? それに、この揺れ――」",
"342000121_35": "「もしかして、この錬金術師協会の本部が――」",
"342000121_36": "「襲撃を受けているとでもいうワケダッ!?」",
"342000121_37": "「さすがに予想外だったね、次の狙いがここだったとは」",
"342000121_38": "「2人とも、行くわよッ!」",
"342000121_39": "「この協会本部を襲うとは、いい度胸をしているワケダッ!」",
"342000121_40": "「心を込めて、お出迎えしてあげなくっちゃねッ!」"
}

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@ -0,0 +1,14 @@
{
"342000131_0": "「まさか、もうこんなところにまで入り込まれていたなんて……」",
"342000131_1": "「ちょっとちょっとッ! ここまで素通りさせてきたのッ!?\\n もう、協会の警備はどうなっているのよッ」",
"342000131_2": "「この相手は一体なんなワケダッ!? 鎧の騎士……?」",
"342000131_3": "「……どうやら人ではないようね。\\n 全く手ごたえが無い」",
"342000131_4": "「あーしたちの攻撃に、なんの反応も示さないし、\\n すっごく不気味だわ」",
"342000131_5": "「恐らくは自動人形の1種と思われるワケダ。\\n しかし、そうなると生半可な攻撃では通用しない……」",
"342000131_6": "「……なら、鎧ごと粉々に砕けばいい。\\n 一気にやりましょう」",
"342000131_7": "「おっけー♪」",
"342000131_8": "「ラピスの輝きを見せてやるワケダッ!」",
"342000131_9": "「……さあ、ここからが本番よ」",
"342000131_10": "「まとめて片付けちゃうんだからッ!」",
"342000131_11": "「ファウストローブを纏った以上、\\n 自動人形などに後れを取ることなどないワケダッ」"
}

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@ -0,0 +1,37 @@
{
"342000141_0": "「……マズいわね」",
"342000141_1": "「何がなワケダ?」",
"342000141_2": "「私たちが大半を相手しているとはいえ、それでも全部じゃない。\\n こうしている間にも、被害は増えていってしまう」",
"342000141_3": "「確かに、ここには貴重な研究資料もたくさんあるワケダ」",
"342000141_4": "「それに協会の研究員たちもね。\\n 上司としては、部下の安全も考えてあげないと」",
"342000141_5": "「なんとか敵をもっと引きつけましょう。\\n そうすれば、みんなが退避する時間も稼げるわ」",
"342000141_6": "「つまり、派手にやっちゃえばいいのよね?」",
"342000141_7": "「ええ。ここを壊しすぎない程度ならね」",
"342000141_8": "「そういうことなら、遠慮なくやるワケダッ!」",
"342000141_9": "「あ、ずるーいッ! あーしの分も残しておいてよねッ!」",
"342000141_10": "「結構距離飛んだかな? 新記録かも」",
"342000141_11": "「随分と景気よく吹き飛ばしたワケダ」",
"342000141_12": "(……それにしても、先ほど聞いた光というのはなんなのだろうか?\\n この自動人形は関係ないのかしら……",
"342000141_13": "「ともあれ、今は数を減らさないと――」",
"342000141_14": "「今の光ッ!? 一体なんなワケダッ!?」",
"342000141_15": "「向こうの方よッ!」",
"342000141_16": "「くッ……行くわよッ!」",
"342000141_17": "「サ、サンジェルマン様ッ!」",
"342000141_18": "「何があった?」",
"342000141_19": "「あ、あの娘がッ!\\n 奴が光を発すると、同胞たちが消滅して――」",
"342000141_20": "「…………」",
"342000141_21": "「へえ……じゃあ、あんたが親玉ってこと?」",
"342000141_22": "「仲間をどうしてくれたワケダ?」",
"342000141_23": "「……安らかなる、神の御許へ送りました」",
"342000141_24": "「……お前は、まさか――」",
"342000141_25": "「…………」",
"342000141_26": "「ジャネットかッ!?」",
"342000141_27": "「そのような名の者ではありません」",
"342000141_28": "(どういうことだ……?\\n 他人の空似というには余りにも……",
"342000141_29": "「もしかして、知っている顔?」",
"342000141_30": "「ああ……いや――、\\n 彼女はあの時、確かに死んだはず……」",
"342000141_31": "「落ち着くワケダ。\\n 姿形が似てるからといって、知っている者とは限らないワケダ」",
"342000141_32": "「……ごめんなさい。そうね」",
"342000141_33": "「それにしても、わざわざ来てくれて手間が省けたわ。\\n ご褒美あげちゃおうかしら」",
"342000141_34": "「不要です。あなたたちのその命こそが、\\n 神への捧げものとなるのですから……」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"342000142_0": "「――でっかいの、行くわよッ!」",
"342000142_1": "「もうッ! なんなのよッ!\\n 人形なんかが邪魔してくれちゃってッ」",
"342000142_2": "「危なッ!? こっちの攻撃はあの人形に防がれちゃうし、\\n やりにくいわねッ」",
"342000142_3": "(……やはり、似ている。いや、あの剣筋は――)",
"342000142_4": "「カリオストロ、プレラーティ。\\n やはり、彼女は私の知る者かもしれない……」",
"342000142_5": "「つまり、殺すなというワケダ」",
"342000142_6": "「できれば……頼む」",
"342000142_7": "「仕方ないわね。\\n ……後で美味しいスイーツでも奢ってよね」",
"342000142_8": "「誤り無き正義を司る天主よ。\\n その忠実な僕にして、信託を与えし大天使聖ミカエルよ――」",
"342000142_9": "「ひいッ!?\\n あ、あの詠唱は、さっきの――ッ」",
"342000142_10": "「何かするつもりなワケダッ!?」",
"342000142_11": "「好きにはさせないわッ!」",
"342000142_12": "「またッ!? 盾に――ッ!」",
"342000142_13": "「其の右の手には、主の敵を討つ剣。\\n 其の左の手には、忠実なる人の魂を図る秤――」",
"342000142_14": "「あまたの天使を率い、全能なる天主の敵を討ち滅ぼした、\\n 最も偉大な神の戦士よ――」",
"342000142_15": "「何をするつもりだッ!」",
"342000142_16": "「マズい気がするワケダッ!\\n 度距離を――」",
"342000142_17": "「何をするつもりかは知らないけど、\\n 全部あーしが吹き飛ばしてあげるわッ」",
"342000142_18": "「――願わくは戦いにおいてわれらを護り、その祈りを阻む者、\\n 愛すべき御父に背きし者を誅滅する――裁きの、顕現をッ」",
"342000142_19": "「この、光は――ッ!?\\n きゃあああああ――ッ」",
"342000142_20": "「カリオストロッ!?」",
"342000142_21": "「カリオストロ……?\\n ――冗談はやめるワケダッ」",
"342000142_22": "「消えた……。\\n 本当に、消滅させられたというのか……ッ」",
"342000142_23": "「まただ……。\\n そんな……カリオストロ様まで――」",
"342000142_24": "「……彼女は神の御許へと召されました。\\n 次はあなたたちです」"
}

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@ -0,0 +1,62 @@
{
"342000211_0": "数百年ぶりの再会",
"342000211_1": "「よくも……よくも……。\\n カリオストロを――ッ」",
"342000211_2": "「プレラーティッ! 落ち着いてッ!」",
"342000211_3": "「サンジェルマンッ! わかってるのかッ!\\n カリオストロが……カリオストロがこいつに――ッ」",
"342000211_4": "「……わかっているわ。だからよ……ッ!」",
"342000211_5": "(……ジャネットかどうかは今は忘れる。それより、今の光。\\n ――カリオストロの犠牲を無駄にはできないッ",
"342000211_6": "(サンジェルマン……血が出るほど唇を噛んで耐えて――)",
"342000211_7": "「……すまなかった。\\n 少しは頭が冷えたワケダ……」",
"342000211_8": "「……ええ。先ほどの光、恐らく効果範囲はそう広くない。\\n 見たところでは半径メートルほど」",
"342000211_9": "「それ以上の距離を取って、あの自動人形の数を減らせば――」",
"342000211_10": "「なるほど、流石はサンジェルマンなワケダ」",
"342000211_11": "「……誤り無き正義を司る天主よ。\\n その忠実な僕にして、信託を与えし大天使聖ミカエルよ――」",
"342000211_12": "「ま、また詠唱をッ! もう嫌だ――ッ!」",
"342000211_13": "「どうするワケダッ!\\n あの詠唱――」",
"342000211_14": "「……」",
"342000211_15": "(この距離は、先ほどの詠唱では効果範囲外だったはず。\\n どうしてまた詠唱を――",
"342000211_16": "「其の右の手には、主の敵を討つ剣。\\n 其の左の手には、忠実なる人の魂を図る秤――」",
"342000211_17": "「――違うッ!? さっきよりも光が大きく――ッ!\\n プレラーティ、あれを止めるわッ」",
"342000211_18": "「承知なワケダッ!」",
"342000211_19": "「くッ! この自動人形が邪魔を――ッ!」",
"342000211_20": "「全方位囲まれたワケダッ!?」",
"342000211_21": "(この距離にいる私たちを足止めするということは――)",
"342000211_22": "「あまたの天使を率い、全能なる天主の敵を討ち滅ぼした、\\n 最も偉大な神の戦士よ――」",
"342000211_23": "「このままでは、詠唱が完了して――」",
"342000211_24": "(くッ! こうなれば、せめてプレラーティだけでも――)",
"342000211_25": "「私が血路を拓くッ! そこから離脱をッ!」",
"342000211_26": "「そんなことできないワケダ――」",
"342000211_27": "「願わくは戦いにおいてわれらを護り、その祈りを阻む者、\\n 愛すべき御父に背きし者を誅滅する――」",
"342000211_28": "(しまったッ! 詠唱が、完了して――)",
"342000211_29": "「裁きの、顕――」",
"342000211_30": "「――くッ!? いつの間に……」",
"342000211_31": "「看過できないからね、これ以上は」",
"342000211_32": "「――局長ッ!」",
"342000211_33": "「悪かったね、遅くなって。\\n けど、完了したよ、味方の退避はね」",
"342000211_34": "「しかし、見覚えのある顔じゃないか、相手をしているのは」",
"342000211_35": "「……ええ」",
"342000211_36": "「あなたがそちらのリーダーなのですか?」",
"342000211_37": "「どうするのかな? だとしたら」",
"342000211_38": "「知れたこと。神の御許へと送るだけです」",
"342000211_39": "「ジャネットッ! 何故だッ!」",
"342000211_40": "「……ッ、わたしは、そんな名前では――」",
"342000211_41": "「いえ、違う……?\\n いつか、そう呼ばれたことが……」",
"342000211_42": "「――隙だらけなワケダッ!」",
"342000211_43": "「ッ! そういうことかッ!\\n ――いるね、もう人ッ」",
"342000211_44": "「もう1人ッ!?」",
"342000211_45": "「制御していないね、彼女はあの自動人形を。\\n だとすればいるのさ、それをしている者が」",
"342000211_46": "「クク……気づきましたか。\\n 流石は錬金術師協会の長ですね……」",
"342000211_47": "「更に増援なワケダッ!?」",
"342000211_48": "「……見せないのかい、姿を。\\n 恥ずかしがり屋なのかな」",
"342000211_49": "「見せたいのはやまやまですが、\\n こちらはこちらで、残党狩りに忙しいのですよ……」",
"342000211_50": "「まさか、逃がした同胞たちを――ッ!」",
"342000211_51": "「……用意周到だね、思っていたよりも」",
"342000211_52": "「お褒めにあずかり、光栄の至り」",
"342000211_53": "「さて――我が聖女よ、聞こえますか?」",
"342000211_54": "「――ッ!?」",
"342000211_55": "「眼前の者たちは神の敵、耳を貸してはなりません。\\n 偉大なる神の代弁者として、鉄槌を下すのです」",
"342000211_56": "「――オルレアンの乙女よ」",
"342000211_57": "「……そう、ですね。この者たちは、邪悪なる者たち。\\n これ以上、惑わされるものですか」",
"342000211_58": "「オルレアンの乙女……やはりお前は……」",
"342000211_59": "「だが何故だ……何故ここに……、\\n どうしてこんなことを……ジャネット――」"
}

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@ -0,0 +1,44 @@
{
"342000212_0": "「オルレアンの乙女……、\\n 間違いないようだね、君はジャンヌ・ダルクで」",
"342000212_1": "「……ええ、それが何か?」",
"342000212_2": "「――オルレアンの乙女よ。聖女の輝きを」",
"342000212_3": "「……そうですね。\\n 全ての者を今度こそ神の御許に――」",
"342000212_4": "「誤り無き正義を司る天主よ――」",
"342000212_5": "「――ッ!? これは――」",
"342000212_6": "「あの光の詠唱です……ッ!」",
"342000212_7": "「さっさと止めないと、消されてしまうワケダッ!」",
"342000212_8": "(あの光……。\\n 未発動だったね、先ほどは",
"342000212_9": "(――ならば――)",
"342000212_10": "「くッ!? またしてもこちらを囲んで――ッ!?」",
"342000212_11": "「局長ッ!\\n まずは包囲を崩して離脱しましょうッ」",
"342000212_12": "「<size=25>……聞こえるかな、2人とも</size>」",
"342000212_13": "「<size=25>――ッ!? 何故小声で――</size>」",
"342000212_14": "「其の右の手には――」",
"342000212_15": "「<size=25>何かな? 聖女の輝きとやらの発動の言葉は?</size>」",
"342000212_16": "「<size=25>――悠長なことを聞いてる場合じゃないワケダッ!</size>」",
"342000212_17": "「<size=25>詠唱内容は確認しました。\\n 『裁きの顕現を』という言葉がトリガーです</size>」",
"342000212_18": "「<size=25>ただ、その効果範囲は恐らく可変……。\\n どこまで広げられるかは不明です</size>」",
"342000212_19": "「あまたの天使を――」",
"342000212_20": "「<size=25>――あれにはかなりのエネルギーが必要だね。\\n できないはずだよ、乱発は</size>」",
"342000212_21": "「<size=25>だから突いてみよう、一瞬の隙を。\\n 僕が道を拓くよ、術式の発動直前に</size>」",
"342000212_22": "「<size=25>効果範囲確定後に回避……間に合わなければ終わりですね</size>」",
"342000212_23": "「<size=25>本当にそれができるワケダ?</size>」",
"342000212_24": "「<size=25>……局長だよ、僕はね</size>」",
"342000212_25": "「<size=25>……了解しました</size>」",
"342000212_26": "「――その祈りを阻む者、愛すべき御父に背きし者を誅滅する」",
"342000212_27": "「裁きの――」",
"342000212_28": "「――ここだッ! 2人とも退避をッ!」",
"342000212_29": "「はいッ!」",
"342000212_30": "「――なッ!? これは――ッ!?」",
"342000212_31": "「クク……逃がすとお思いですか?」",
"342000212_32": "「ここでアルカ・ノイズが出てくるワケダ――ッ!?」",
"342000212_33": "(――隠し玉か。そうなると無いね。\\n アルカ・イズを倒し離脱する時間は――",
"342000212_34": "「ならばッ!」",
"342000212_35": "「――顕現をッ!」",
"342000212_36": "「――吹き飛ばせばいいッ! 敵ごとッ!」",
"342000212_37": "「――味方ごとなワケダッ!?」",
"342000212_38": "「局長ッ!? これでは局長が――ッ!」",
"342000212_39": "(――見極めよう、僕がこの光の正体を。\\n 今から躱すのは無理だからね",
"342000212_40": "(……熱源無し、衝撃無し、術式防御も効果無し。\\n どうやら無いね。この光を防ぐ手段は。そうか――",
"342000212_41": "「<size=40>聞けッ! この光は、『存在を消し去る光』――</size>」"
}

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@ -0,0 +1,43 @@
{
"342000221_0": "「局長まで、消えてしまったワケダ……」",
"342000221_1": "「『存在を消し去る光』……」",
"342000221_2": "(局長は確かにそう言った。\\n その言葉の意味は……",
"342000221_3": "「次は逃しませんよ」",
"342000221_4": "「――ッ! 今度こそ、その光は使わせないワケダッ!」",
"342000221_5": "「くッ……わたしの詠唱を邪魔するつもりですか……」",
"342000221_6": "「当然なワケダ。――サンジェルマンッ!」",
"342000221_7": "「わかってるわッ!\\n ――詠唱の隙など与えないッ」",
"342000221_8": "「この程度の攻撃で――ッ!?」",
"342000221_9": "「これは……。\\n いえ、この技……どこかで、見たことが……」",
"342000221_10": "「あれは……また混乱しているワケダ……?」",
"342000221_11": "「ジャネットッ!\\n ――今、目を覚まさせてやるッ」",
"342000221_12": "「――ッ!?\\n くッ……あなたは一体、誰なのです――ッ」",
"342000221_13": "「知っているはずだ、お前があのジャネットならッ!」",
"342000221_14": "「わたしが、知っている……あなたを……?\\n いえ、そんな……だけど、確かにどこかで――」",
"342000221_15": "「……思い出せ、私はサンジェルマン。\\n かつて、お前の友だったものだ……」",
"342000221_16": "「友……あなたが……」",
"342000221_17": "「そうだ、私とお前は友だった。\\n もしかしたら、お前は私を恨んでいるかもしれないが――」",
"342000221_18": "「恨み……? うッ……この頭痛は……」",
"342000221_19": "「教えてくれ。お前はどうしてここに……?\\n 私が許せないのならば、この身を差し出そうッ」",
"342000221_20": "「何を言っているワケダッ!?」",
"342000221_21": "「すまない、プレラーティ。\\n だが、私はジャネットに詫びねばならない……」",
"342000221_22": "「――私が、お前を殺したんだ」",
"342000221_23": "「あなたが……わたしを……?」",
"342000221_24": "(この相手は……何を言っているの?\\n でも、この声。どこか懐かしくて――",
"342000221_25": "「覚えているか、ジャネット。\\n あの――」",
"342000221_26": "「――聖女よ。惑わされてはなりません。\\n その者の言葉は、悪魔の囁き。耳を貸してはなりません」",
"342000221_27": "「――ッ!?\\n ……悪魔。そう、わたしを惑わすつもりですね」",
"342000221_28": "「違うッ! あの時、本当に私とお前は――」",
"342000221_29": "「黙りなさいッ!」",
"342000221_30": "「騎士人形たちよ、奴らの足を止めるのですッ!」",
"342000221_31": "「またあれを使うつもりなワケダッ!?」",
"342000221_32": "「ジャネットッ! 私の声を聞いてくれッ!\\n これは本当にお前の意志なのかッ」",
"342000221_33": "「――わたしの意志ではありません。\\n これは、神の意志です」",
"342000221_34": "「誤り無き正義を司る天主よ――」",
"342000221_35": "「今度こそ止めるワケダッ!」",
"342000221_36": "「ジャネット……」",
"342000221_37": "「サンジェルマンッ! 聞いているワケダッ!?\\n アイツは正気じゃないッ」",
"342000221_38": "「それではサンジェルマンが犠牲になる意味もないワケダッ!」",
"342000221_39": "「……すまない。そうだな。\\n 私が詫びねばならない相手は、ジャネットだ……」",
"342000221_40": "「誰かに操られたジャンヌ・ダルクではない……。\\n ならば、私はまだ、消えるわけにはいかないッ」"
}

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@ -0,0 +1,24 @@
{
"342000232_0": "「最も偉大な神の戦士よ――」",
"342000232_1": "「このままでは詠唱を止められないワケダッ!」",
"342000232_2": "「――プレラーティ、ここは退くッ!」",
"342000232_3": "「了解したワケダッ!」",
"342000232_4": "(……まだ逃げられると思っているんですか?\\n 聖女の輝きはどこまでも――",
"342000232_5": "(あの光……さらに範囲を広げるのかッ!?)",
"342000232_6": "「嫌な予感をひしひしと感じるワケダッ!」",
"342000232_7": "「サンジェルマン様ッ! プレラーティ様ッ!」",
"342000232_8": "「ここは私たちが抑えますッ!\\n その間におふたりは離脱をッ」",
"342000232_9": "「局長が逃がしたはずなワケダッ!?\\n どうしてここにッ」",
"342000232_10": "「恥ずかしながら、戻ってまいりました……ッ!」",
"342000232_11": "「私たちが迫害されず、錬金術の研究を続けられるのは……、\\n 協会のおかげなんですッ」",
"342000232_12": "「世界中に散らばった多くの同胞のためにも、\\n ここは逃げ延びてくださいッ」",
"342000232_13": "「あなたたち……」",
"342000232_14": "「サンジェルマン……わたしたちが消えたら、\\n 錬金術師協会は終わりなワケダ」",
"342000232_15": "「……わかったわ。\\n プレラーティ、お願いッ」",
"342000232_16": "「任されたッ!\\n これで一気に離脱するワケダッ」",
"342000232_17": "(なッ!? あの武器がまるで車のように――ッ!?\\n 逃がしてなるものですかッ",
"342000232_18": "「――今ですッ!\\n ……後のこと、お願いしますッ」",
"342000232_19": "「ええ……わかったわ。必ず……」",
"342000232_20": "「――裁きの、顕現をッ!」",
"342000232_21": "「全力で、カッ飛ばすワケダ――ッ!!」"
}

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@ -0,0 +1,36 @@
{
"342000241_0": "「逃げられましたか……。\\n あと一瞬早ければ――」",
"342000241_1": "「うッ……くッ、身体が――」",
"342000241_2": "「どうやら、聖女の輝きを行使しすぎたようですね。\\n もはや残党に大した者はおりません。お退きください」",
"342000241_3": "「ええ、そうさせてもらいます。\\n ですが――」",
"342000241_4": "「わたしを殺したと言っていたあの者だけは、\\n 報いを受けさせなければなりません」",
"342000241_5": "「少し休んだら、追撃に出ます。\\n あの者の行方を追ってください」",
"342000241_6": "「……我が聖女の御心のままに」",
"342000241_7": "「サンジェルマン……わたしが必ず、\\n あなたを神の御許へと送ってあげます……」",
"342000241_8": "「なんとか逃げ切った……が、疲れたワケダ……」",
"342000241_9": "「助かったわ、プレラーティ」",
"342000241_10": "「わたしがサンジェルマンを助けるのは当然なワケダ。\\n それより、これからどうする」",
"342000241_11": "(そうだ……私はどうすればいい。\\n ジャネットへの贖罪もある。だが……",
"342000241_12": "「あの『存在を消し去る光』とやらに、カリオストロや局長、\\n そして多くの同胞が消されてしまった……」",
"342000241_13": "「放っておくわけにはいかないワケダ」",
"342000241_14": "「……ええ、そうかもしれないわね」",
"342000241_15": "「そうかもしれない、では困るワケダ」",
"342000241_16": "「……ごめんなさい、少し動揺してたみたい。\\n 放っておくことができないのはわかってる」",
"342000241_17": "「私たち錬金術師協会が完全に壊滅してしまえば、\\n 欧州の秩序も崩壊する。それに――」",
"342000241_18": "「まだ残る同胞の錬金術師たちの身も危ないワケダ」",
"342000241_19": "「ええ……2度と魔女狩りのようなことは起こさせない。\\n そのためには錬金術師協会の維持は必須……」",
"342000241_20": "「そういうワケダ。\\n だが、わたしたちだけでは返り討ちは必至……」",
"342000241_21": "「局長でも防げなかったあの聖女の輝きがある限り、\\n まともに挑んでも勝ち目は薄いわ」",
"342000241_22": "「それに、敵にはまだ姿を見せていない黒幕もいる……。\\n 集められるだけの戦力を集めなければ、勝てないでしょう」",
"342000241_23": "「残る錬金術師たちに招集をかけるワケダ?」",
"342000241_24": "「生半可な力ではあの騎士型の自動人形にも対抗できないわ。\\n せめて私たちと同じ程度の力がないと」",
"342000241_25": "「そういうことなら、心当たりのある錬金術師は1人だけ……。\\n できれば頼みたくはないワケダが……」",
"342000241_26": "「キャロルね。\\n ……そちらはあなたに任せるわ」",
"342000241_27": "「なッ!?」",
"342000241_28": "「私は日本で、特異災害対策機動部二課に協力を求めようと思う。\\n キャロルの協力があったとしても、恐らくまだ足りない」",
"342000241_29": "「欧州が混沌の渦に落ちるのは、日本政府としても望まないはず。\\n 二課と装者の協力があれば、態勢を立て直せるわ」",
"342000241_30": "「……仕方ないワケダ。\\n 合流場所は日本でいいのか」",
"342000241_31": "「そうしましょう」",
"342000241_32": "「ところで、ジャンヌ・ダルクの話はいつ聞けるワケダ?」",
"342000241_33": "「ええ……道すがら話すわ」"
}

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@ -0,0 +1,57 @@
{
"342000311_0": "チフォージュの主",
"342000311_1": "「退屈なんだゾ。\\n あたしもマスターの実験を手伝いたいんだゾ」",
"342000311_2": "「手伝いどころか、お前じゃ邪魔にしかならないだろ」",
"342000311_3": "「そんなことないんだゾッ!\\n あたしだって<ruby=や>殺</ruby>ればできる子なんだゾッ!」",
"342000311_4": "「あーあー、確かにそういうのは得意だよな。\\n 戦闘以外は能無しで、燃費最悪だけど」",
"342000311_5": "「うぅ~、暇なんだゾッ!\\n あたしも役割が欲しいんだゾッ」",
"342000311_6": "「残念だが、今は派手な戦いは無い……。\\n 地味な実験の手伝いだけだ……」",
"342000311_7": "「ミカの手では、細々とした作業には向きませんものね。\\n この前も試薬の入った試験管を握り潰してしまいましたし」",
"342000311_8": "「あうぅ……。\\n でもあたしだって何かしたいんだゾ……」",
"342000311_9": "「……それなら、新たに戦いを彩る、\\n 派手なポーズの研究でもしたらどうだ」",
"342000311_10": "「あら、いいですわね。\\n 私たちに相応しいポーズも考えてくださいな」",
"342000311_11": "「それならあたしにもできるんだゾッ!\\n カッコいいポーズを考えて、マスターを喜ばせるんだゾッ」",
"342000311_12": "「頑張って、ミカちゃん♪」",
"342000311_13": "「……そろそろ準備が終わったかと思って来てみれば、\\n お前たち、何をしている」",
"342000311_14": "「あ、マスターッ!\\n あたしの考えたポーズを見て欲しいんだゾッ」",
"342000311_15": "「なかなかにできがいいと思いませんか?」",
"342000311_16": "「派手に決まっているぞ、ミカ」",
"342000311_17": "「本当、脳筋のあんたにピッタリ」",
"342000311_18": "「……それで、実験の準備は終わっているのか?」",
"342000311_19": "「……申し訳ありません。あと少しお時間をください」",
"342000311_20": "「ミカの相手で地味に時間を取られていたようだ……」",
"342000311_21": "「あたしにできることは、元々これくらいだったんだゾ」",
"342000311_22": "「ガリィちゃん、わかっててサボってました。テヘ♪」",
"342000311_23": "「全くお前たちは……。さっさと準備を再開しろッ!\\n オレはその間に協会に連絡をしておく」",
"342000311_24": "「申し訳ありません。\\n 急いで準備を行いますわ」",
"342000311_25": "「派手に取り掛かるとしよう」",
"342000311_26": "「マスターのために頑張りまーす☆」",
"342000311_27": "「あたしも手伝うんだゾッ!」",
"342000311_28": "「それにしても、定例報告義務か。面倒な……」",
"342000311_29": "「……チッ、何故誰も出ない。\\n オレも暇ではないというのに……」",
"342000311_30": "「マスター、お客さんですよ」",
"342000311_31": "「客? 誰も呼んだ覚えなどないぞ?\\n 誰が――」",
"342000311_32": "「……」",
"342000311_33": "「お前か。なんだ、またこのチフォージュ・シャトーを\\n 返せとでも寝言を言いに来たのか」",
"342000311_34": "「キャロル……手を貸すワケダ」",
"342000311_35": "「どうしてオレがお前に手を貸さなければいけない?」",
"342000311_36": "「…………」",
"342000311_37": "「……何があった?」",
"342000311_38": "「<ruby=おそわ>襲撃</ruby>れた? それで協会本部はどう対応したんだ?」",
"342000311_39": "「本部は壊滅、カリオストロと局長は敵に消されたワケダ……」",
"342000311_40": "「なんだとッ!?」",
"342000311_41": "「詳しく話せ。\\n 消された、というのは殺されたということか」",
"342000311_42": "「わからない。敵が放った謎の光に接触すると同時に、\\n 完全に消えてしまったワケダ」",
"342000311_43": "「局長は消える直前、あれを『存在を消し去る光』\\n と言っていたワケダが……」",
"342000311_44": "「触れただけで相手を消す光か……」",
"342000311_45": "「サンジェルマンは二課の協力を得るために、日本に渡った。\\n キャロルも協力して欲しいワケダ」",
"342000311_46": "(その場にオレがいれば、\\n やすやすと本部を落とされたりはしなかったものを……",
"342000311_47": "「……オレも一応は協会の所属だしな。\\n そいつらを潰すというなら力を貸――」",
"342000311_48": "「――ッ!? マスター、招かれざる客のようです。\\n 防御結界が破壊されました……」",
"342000311_49": "「このチフォージュ・シャトーの防御が壊されただとッ!?」",
"342000311_50": "「フフ、初めて入った気がしませんね。\\n 私の城に実に似ている……」",
"342000311_51": "「この声――さっきのジャンヌの仲間なワケダッ!」",
"342000311_52": "「なんだとッ!?」",
"342000311_53": "「……久しいですね、プレラーティ」",
"342000311_54": "「お前は……ジル・ド・レェッ!?」"
}

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@ -0,0 +1,33 @@
{
"342000321_0": "「その姿のあなたと会うのは初めてですね。\\n ずいぶんと可愛らしい姿に変わったものです」",
"342000321_1": "「お前がジャンヌの仲間なワケダ……」",
"342000321_2": "「ええ、そうです。\\n 私こそが聖女の僕です」",
"342000321_3": "「……知り合いか?」",
"342000321_4": "「わたしがサンジェルマンに拾われる直前まで、\\n 組んでいた相手なワケダ」",
"342000321_5": "「風の噂で、わたしのように真の錬金術の道へ\\n 入ったとは聞いていたワケダが……」",
"342000321_6": "「多くの同胞を殺め、その研究を奪い、アカシックレコードに\\n アクセスを試みた罰で局長に封印されたはず――」",
"342000321_7": "「それが、どうしてここにいるワケダ?」",
"342000321_8": "「いくら強力な封印だといっても、完全などあり得ません。\\n もちろん、戻るのに要した時間は膨大ですがね」",
"342000321_9": "「今さら姿を現して、どうするつもりなワケダ?\\n 目的は、局長……錬金術師協会への復讐か」",
"342000321_10": "「いえ、そんなことではありません。\\n 私は錬金術師として、全てを知りたいだけなのです」",
"342000321_11": "「プレラーティ。\\n 昔のよしみです。私とまた組むつもりはありませんか」",
"342000321_12": "「な……ッ!? ふざけたことを言うワケダッ!」",
"342000321_13": "「本気ですよ。共に紛い物ではなく、本物の錬金術師となった今、\\n 私たちが組めば敵はありません」",
"342000321_14": "「わたしはサンジェルマンについていく。\\n お前と組むなど、願い下げなワケダ」",
"342000321_15": "「では、そちらのお嬢さんはどうです?\\n あなたもかなりの力を持っているとお見受けしましたが……」",
"342000321_16": "「寝言は寝て言うんだな。\\n 人の城に土足で上がりこむ礼儀知らずの分際で」",
"342000321_17": "「フフ、これは失礼。この城があまりに私の城に似ていましてね。\\n つい自分の城にいるような気になってしまいましたよ」",
"342000321_18": "「貴様の居城に似ているだと……?」",
"342000321_19": "「……当然なワケダ。このチフォージュ・シャトーは\\n コイツの城をモデルに製作したワケダからな」",
"342000321_20": "「いいできですよ、本当に。オリジナルには劣りますがね。\\n そうだ。せっかくですし、別荘として使ってあげます」",
"342000321_21": "「ふざけるなッ! この城はわたしのものなワケダッ!」",
"342000321_22": "「欲しいというなら、オレを殺して奪ってみるんだなッ!」",
"342000321_23": "「フフ、ならばそうしましょうか」",
"342000321_24": "「……なんだそれは? ふざけているのか?」",
"342000321_25": "「まずは小手調べといきましょう」",
"342000321_26": "「フン……オレが戦うまでもない。\\n おい、お前たちッ」",
"342000321_27": "「すでに戦闘準備はできています」",
"342000321_28": "「ええ、踊る準備は万端ですわ」",
"342000321_29": "「はーい。ガリィちゃん、いっきまーす♪」",
"342000321_30": "「まとめてあたしが相手してやるんだゾ」"
}

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@ -0,0 +1,14 @@
{
"342000331_0": "「派手に召喚したところで、所詮はアルカ・ノイズ」",
"342000331_1": "「私たちの敵ではありませんわ」",
"342000331_2": "「そういうことー♪」",
"342000331_3": "「これで終わりなんだゾッ!」",
"342000331_4": "「……それで、貴様も覚悟はできたか?」",
"342000331_5": "「フフ、なかなかに高性能な自動人形ですね。\\n アルカ・イズでは分が悪そうだ」",
"342000331_6": "「では……自動人形には自動人形でどうでしょう」",
"342000331_7": "「くッ……キャロル、気をつけるワケダ。\\n あれとラピスなしに戦うのは、危険なワケダ」",
"342000331_8": "「面白い……ならば、オレも参戦してやろう」",
"342000331_9": "「わたしも手伝うワケダッ!」",
"342000331_10": "「これはこれは……楽しい余興になりそうだ」",
"342000331_11": "「オレにとってのな。\\n そのガラクタ共を片付けたら、次は貴様の番だ」"
}

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@ -0,0 +1,31 @@
{
"342000332_0": "「……フン、唄うまでもない。所詮はガラクタ人形か」",
"342000332_1": "「少々数が足りなかったようですね。\\n ならば――」",
"342000332_2": "「どれだけ連れてきているワケダッ!?」",
"342000332_3": "「所詮は雑魚。どれだけいても同じことだ」",
"342000332_4": "「フフ、それはどうでしょう。\\n ――聞こえますか。聖女よ、私たちに祝福をッ」",
"342000332_5": "「――天軍の栄えある総帥、大天使聖ミカエルの名の下に、\\n われらが頭上に、戦いの祝福があらんことを――」",
"342000332_6": "「なんだ、今のは……?」",
"342000332_7": "「声だけ聞こえたワケダッ!」",
"342000332_8": "「なッ!? 速い――ッ!?」",
"342000332_9": "「マスターッ!」",
"342000332_10": "「不意打ちとは、やってくれますわねッ!」",
"342000332_11": "「防ぐですってッ!?」",
"342000332_12": "「――反対側がガラ空きなんだゾッ!」",
"342000332_13": "「よくやったッ!」",
"342000332_14": "「うう……」",
"342000332_15": "「……おい、どうした?」",
"342000332_16": "「とんでもなく、硬くなってるんだゾ……」",
"342000332_17": "「フフ、先ほどとは違うでしょう?」",
"342000332_18": "「少し強化したくらいで、このオレに勝てると思うなよ。\\n 格の違いを見せてやるッ」",
"342000332_19": "「……さあ、今度こそ観念してもらおうか」",
"342000332_20": "「素晴らしい。まさか誰1人欠けずに、\\n ジャンヌ様の祝福を受けた騎士人形を退けるとは……」",
"342000332_21": "「……こちらを甘く見過ぎなワケダ」",
"342000332_22": "「フフ、大分消耗しているように見えますが、\\n 限界が近いのでは」",
"342000332_23": "「試してみるか? 貴様の身体で――ッ!」",
"342000332_24": "「なッ!? 実体が無い……だとッ!?」",
"342000332_25": "「残念ながら、時間切れです」",
"342000332_26": "「あいにく、予定が詰まっていましてね。\\n そろそろお暇させていただきます」",
"342000332_27": "「貴様……ッ! オレたちをどこまで――ッ!」",
"342000332_28": "「フフ、次の機会があれば、私自身がお相手しましょう。\\n では失礼いたします。日本でジャンヌ様がお待ちなので……」"
}

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@ -0,0 +1,14 @@
{
"342000341_0": "「取り逃がしたか……ッ!」",
"342000341_1": "「最初から逃げるための手段を用意していたワケダ……ッ!」",
"342000341_2": "「あいつ、あたしより性格悪いんじゃない?」",
"342000341_3": "「なかなか強敵なんだゾ」",
"342000341_4": "「……マスター、どういたしますか?」",
"342000341_5": "「このままにするつもりは、ありませんよね?」",
"342000341_6": "「……ああ。奴は日本と言っていたな。\\n おい、サンジェルマンも日本にいるのか」",
"342000341_7": "「ああ、今頃は二課の協力を取り付けているはずなワケダ」",
"342000341_8": "「いいだろう、協力してやる。オレを<ruby=こけ>虚仮</ruby>にしたことを、\\n 奴に後悔させてやらねば気が済まん」",
"342000341_9": "「では、すぐ出発するワケダ」",
"342000341_10": "「ああ、オレのチフォージュ・シャトーなら\\n そう時間はかからない」",
"342000341_11": "「何度も言うが、これはわたしの――、\\n まあいい、今はそんなことを言いあっている場合ではないワケダ」"
}

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@ -0,0 +1,67 @@
{
"342000411_0": "二課との共同戦線",
"342000411_1": "「――なんだとッ!?\\n そんな事態が起こっていたというのかッ」",
"342000411_2": "「……ああ。\\n このままでは欧州は再び混沌にまみれるだろう」",
"342000411_3": "「つまり、ここ1週間のアルカ・ノイズの反応も――」",
"342000411_4": "「錬金術師協会の拠点が襲われたときのものだ」",
"342000411_5": "「むう……」",
"342000411_6": "「その襲ってきたという敵は、\\n 本当にあのジャンヌ・ダルクなの」",
"342000411_7": "「本部に現れたのは彼女で間違いない。\\n 私は本人とも親交があったからわかる」",
"342000411_8": "「ただ、何故蘇ったのかは不明だ。\\n 記憶や意思も何者かに操られているようで……」",
"342000411_9": "「ジャンヌ・ダルクって……、\\n 百年戦争で活躍したフランスの英雄ですよね」",
"342000411_10": "「ええ、その功績からオルレアンの乙女とも呼ばれているわ。\\n 最期は異端審問の末、火刑に処せられたけど……」",
"342000411_11": "「またとんでもない話ですね」",
"342000411_12": "「事情はわかった。\\n それで、俺たちの協力を求めに来た、ということだな」",
"342000411_13": "「その解釈で相違ない。協力してもらえるだろうか?」",
"342000411_14": "「もちろんだ。秘密裏なものとはいえ、君たちと我々は\\n 同盟関係だからな。できる限りのことはさせてもらおう」",
"342000411_15": "「そう言ってもらえると助かる」",
"342000411_16": "「なあ、それでそのジャンヌを操っていた、\\n もう人の敵ってのは……」",
"342000411_17": "「そちらについてはまだ――」",
"342000411_18": "「これは――プレラーティからか。\\n ――失礼」",
"342000411_19": "「サンジェルマン、そっちの様子はどうなワケダ」",
"342000411_20": "「今ちょうど協力を約束してもらったところだ」",
"342000411_21": "「それなら、二課にも聞いてもらいたいワケダ。\\n もう人の敵がわかった」",
"342000411_22": "「本当なの?\\n ……いいわ、周りにも聞こえるようにした」",
"342000411_23": "「ジャンヌを蘇らせた敵の名は、ジル・ド・レェ。\\n 奴は先ほど、チフォージュ・シャトーを襲撃してきたワケダ」",
"342000411_24": "「ジル・ド・レェって、あなたの昔の――」",
"342000411_25": "「そう、相棒だった。だが、危険な研究を行ったために、\\n 今まで局長に封印されていたワケダ」",
"342000411_26": "「その話は知っているわ。\\n それじゃ封印から抜け出したってこと」",
"342000411_27": "「そうらしい……。\\n そして恐らく、奴がジャンヌ・ダルクを蘇らせたワケダが」",
"342000411_28": "「人の知らぬ間に、\\n 随分と迷惑なことをしてくれる奴がいたもんだな」",
"342000411_29": "「キャロル? 無事だったのか?」",
"342000411_30": "「当たり前だ。\\n あの程度の者にオレが後れを取るものか」",
"342000411_31": "「あたしたちも無事なんだゾッ!」",
"342000411_32": "「……おい、今マスターが話してんだろ。\\n お前はでしゃばるなっての」",
"342000411_33": "「……派手に乱入も悪くない」",
"342000411_34": "「フフ、今回は二課とも共同戦線ですわね」",
"342000411_35": "「お前たちは……ッ!\\n いいから待機しておけッ」",
"342000411_36": "「……ジルはこちらを襲撃した後、ジャンヌと\\n 日本で合流するようなことを言って、姿を消したワケダ」",
"342000411_37": "「なんですって……? では、ジャネットは今、日本に?\\n まさか、私を追って――」",
"342000411_38": "「単純に、次の目的が二課なのかも知れないワケダが」",
"342000411_39": "「…………」",
"342000411_40": "「ともかく、わたしたちもそっちに急ぐワケダ」",
"342000411_41": "「あいつはオレの獲物だ。\\n 余計な手出しはするなよ」",
"342000411_42": "「……すまない。\\n こちらを戦場にするつもりはなかったのだが……」",
"342000411_43": "「いや。敵の最終目的がなんであれ、\\n 二課もその邪魔になるという判断かもしれん」",
"342000411_44": "「ま、ロクな目的じゃないでしょうし、遅かれ早かれ\\n 二課とも戦いになったでしょ。あなたのせいじゃないわよ」",
"342000411_45": "「そういうことだ。\\n だから、一緒に戦おう」",
"342000411_46": "「……ありがとう」",
"342000411_47": "「――敵についての情報は、現時点ではこれで全てだ。\\n あまり有用な情報はないかも知れないが」",
"342000411_48": "「いや、参考になった。感謝する。\\n しかし、聖女の輝きか……それへの対処は難題だな」",
"342000411_49": "「『存在を消し去る光』ね。\\n 流石にそれだけじゃ見当もつかないわね」",
"342000411_50": "「防御不能の一撃必殺……。\\n そりゃ確かに厄介だな」",
"342000411_51": "「緊急警報だとッ!? 何があったッ!」",
"342000411_52": "「市街地より、アルカ・ノイズの反応ですッ!」",
"342000411_53": "「モニター、出しますッ!」",
"342000411_54": "「――サンジェルマン、どこへ隠れたのですかッ!」",
"342000411_55": "「あなたが姿を現さないならば、\\n わたしは配下を動かし、ここを戦場と変えますッ」",
"342000411_56": "「また、彼女をかくまう者、協力する者は神の敵とみなし、\\n 全てわたしが断罪します……」",
"342000411_57": "「あの数のアルカ・ノイズと自動人形を暴れさせるだとッ!?\\n とんでもない被害がでるぞッ」",
"342000411_58": "「あの子の中には、まだ600年前の戦争の感覚が\\n 残っているのかも知れない……」",
"342000411_59": "「だから戦場に?\\n ――そんなことあたしがさせるかッ」",
"342000411_60": "「彼女の狙いは私だ。私が出よう。\\n それなら、最悪の場合でも私人の犠牲で――」",
"342000411_61": "「いや、今の目的が君だとしても、\\n あの様子では、いずれ戦うことになるだろう」",
"342000411_62": "「ならば、ここで全力で叩くべきだ。\\n 頼んだぞ、奏ッ」",
"342000411_63": "「ああ、もちろんだッ!」",
"342000411_64": "「感謝する……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,15 @@
{
"342000421_0": "「ようやく現れましたね」",
"342000421_1": "「ジャネット……」",
"342000421_2": "「あなたは、わたしを殺したと言いました。\\n つまり、あなたがあの処刑場へとわたしを送った……」",
"342000421_3": "「……ああ」",
"342000421_4": "「……ならば、あなたはわたしが倒さなくてはならない仇です。\\n この手で、神の御許――いえ、地獄へと叩き落としましょう」",
"342000421_5": "「それが、お前の望みなのか?」",
"342000421_6": "「望み……? ええ、そうです。あまねく不条理に断罪を。\\n この世の全てを、神の力で浄化して見せましょう」",
"342000421_7": "「その1歩として、かつてわたしの身に不条理を与えた者から、\\n 神罰を与えます……」",
"342000421_8": "「偉そうに言ってるけど、ただの復讐ってところだろ。\\n 何が神罰だよ」",
"342000421_9": "「……あなたも、サンジェルマンに与する者ですね」",
"342000421_10": "「だったらどうするんだ?」",
"342000421_11": "「決まっています。\\n ――罪を悔いて、逝きなさいッ」",
"342000421_12": "「わかりやすくていいねッ!\\n けど、黙ってやられてなんてやるもんかッ」"
}

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@ -0,0 +1,39 @@
{
"342000431_0": "「歌で戦うとは、驚きです。\\n しかし、そんなものは――」",
"342000431_1": "「――♪ ――♪」",
"342000431_2": "「……歌、そうだ。何か、引っかかって――」",
"342000431_3": "「――綺麗で、優しい歌だな」",
"342000431_4": "「くッ……歌、歌が――ッ!?」",
"342000431_5": "(これは、なんの記憶……? いえ、誰の……?\\n わからない、こんなの知らない――ッ",
"342000431_6": "「ジャネットッ!」",
"342000431_7": "「なんだか知らないが、一気に決めてやるッ!」",
"342000431_8": "「さあ、覚悟しな――ッ!」",
"342000431_9": "「――待ってくれッ!」",
"342000431_10": "「なッ!? どういうつもりだッ!?」",
"342000431_11": "「もしかしたら、ジャンヌは私の知るジャネットに――」",
"342000431_12": "「天使様も歌は――」",
"342000431_13": "「うう……なんなのです……。\\n わたしの知らない記憶が――」",
"342000431_14": "「聖女よ。お待たせいたしました」",
"342000431_15": "「お前はッ! ジル・ド・レェッ!」",
"342000431_16": "「ジル……わたしの記憶は――」",
"342000431_17": "「オルレアンの乙女よ。神々の意志を地上へ示す代弁者よ。\\n 神の敵に惑わされてはなりません」",
"342000431_18": "「神の、敵……」",
"342000431_19": "「ええ、そうです。あなたを惑わす者は全て神の敵です。\\n 全ては偽り。神の力を封じんとする悪魔の奸計に過ぎません」",
"342000431_20": "「心を強くお持ちください。\\n あなたはジャンヌ・ダルクなのですから……」",
"342000431_21": "「そう、わたしはジャンヌ・ダルク……。\\n 全ての不条理を、断罪する者……」",
"342000431_22": "「ジャネットッ! その言葉こそが偽りだッ!\\n ジャンヌは虚像ッ ジャネットとしての自分を思い出せッ」",
"342000431_23": "「……黙りなさい、悪魔の僕よ。\\n そうやってわたしを謀り、命を奪ったのでしょう」",
"342000431_24": "「ジル、あなたのおかげで助かりました。\\n ……神の敵を撃ち滅ぼす、わたしの軍勢をここへ」",
"342000431_25": "「我が聖女の御心のままに」",
"342000431_26": "「――天軍の栄えある総帥、大天使聖ミカエルの名の下に、\\n われらが頭上に、戦いの祝福があらんことを――」",
"342000431_27": "「くッ!? これは自動人形が――」",
"342000431_28": "「これこそが神の代弁者たる聖女の祝福を受けた、\\n わたしの部隊です」",
"342000431_29": "「ジル、それに騎士たちよ。そちらの者は任せました」",
"342000431_30": "「承りました、聖女よ。\\n ではあの者はこちらで片付けましょう」",
"342000431_31": "「……わたしは、この剣でわたしを惑わすこの悪魔の僕を、\\n 直接断罪します」",
"342000431_32": "「ジャネット……」",
"342000431_33": "「……覚悟を決めろ。\\n もうあんたの声はあいつに届いちゃいない」",
"342000431_34": "「迷いを抱えたまま戦える相手じゃないだろッ!」",
"342000431_35": "「……そうだな。すまない。\\n 彼女は私が止める……いや、倒すッ」",
"342000431_36": "「頼んだよ。雑魚はこっちで引き受けた。\\n ……ご指名みたいだしね」"
}

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@ -0,0 +1,114 @@
{
"342000432_0": "(何故だ……。何故、剣での勝負に持ち込む……?)",
"342000432_1": "「聖女の輝きを使わないのが不可解といった表情ですね」",
"342000432_2": "「――ああ、その通りだ。\\n 何故、使おうとしない……」",
"342000432_3": "「あなたに聖女の輝きは使いません。\\n あれは神の御許へと魂を導く技――」",
"342000432_4": "「わたしを誑かし、死刑台へと送ったあなたが……、\\n 神の御許へ行けるなどと思わないことですッ」",
"342000432_5": "(ジャネット、お前はそれほど私を恨んでいるのか……)",
"342000432_6": "「フフ、どうしました?\\n まだまだこちらの騎士人形は残っていますよ」",
"342000432_7": "「くそ……ッ!」",
"342000432_8": "(聖女の祝福……あれのせいで、さっきとは雲泥の差だ。\\n ならともかく、こう数が多いんじゃどうにも……",
"342000432_9": "(せめて、味方と連携できれば――)",
"342000432_10": "「あなたが倒れるのと、聖女の剣がサンジェルマンを貫くのと、\\n どちらが先になるのでしょうね」",
"342000432_11": "「……いえ、ここは敢えて同時を狙ってみましょうか」",
"342000432_12": "「まだ増えるのかよッ!?」",
"342000432_13": "「さあ、これでどこまで耐えられますかね?」",
"342000432_14": "(くッ……こちらにも来るか……。\\n そうなってしまえば、もはや離脱すら――",
"342000432_15": "「――全部まとめて、ブッ飛べええええッ!!」",
"342000432_16": "「この攻撃はッ!? もしかして――」",
"342000432_17": "「――わたしもいるわッ! くらいなさいッ!」",
"342000432_18": "「増援……? それも複数名……。\\n 隠し玉ですか――」",
"342000432_19": "「――今だッ! やってやれッ!」",
"342000432_20": "「いっけええええええッ!」",
"342000432_21": "「な――ッ!? もう1人いたのですかッ!?」",
"342000432_22": "「うくッ……この一撃、重い――」",
"342000432_23": "「サンジェルマンさんッ!」",
"342000432_24": "「わかっているッ! おおおおおお――ッ!」",
"342000432_25": "「まだ体勢が、しま――ッ!?」",
"342000432_26": "「――我が聖女ッ!?」",
"342000432_27": "(ジャネット……くッ!)",
"342000432_28": "(何故、直前で攻撃を躊躇って――ですが、好機ッ!)",
"342000432_29": "「――離れなさいッ!」",
"342000432_30": "「くッ……」",
"342000432_31": "(何をやっているんだ、私は……。\\n 躊躇わず剣を振りぬいていれば――ッ",
"342000432_32": "「サンジェルマンさんッ! 大丈夫ですかッ!」",
"342000432_33": "「――ああ、助かった」",
"342000432_34": "「事情はこっちの師匠から聞きましたッ!\\n わたしたちにもお手伝いさせてくださいッ」",
"342000432_35": "「……悪魔に与する者たちが、これほどいるとは。\\n 嘆かわしいことです」",
"342000432_36": "「どうしますか?」",
"342000432_37": "「何人増えようと関係ありません。\\n 神の敵を滅ぼしましょう」",
"342000432_38": "「わかりました。\\n それでは、微力ながら私も力をつくします」",
"342000432_39": "「ええ、頼みました」",
"342000432_40": "「それで、あなたがジャンヌ・ダルクね。\\n フランスの救国の英雄、オルレアンの乙女……」",
"342000432_41": "「そんな立派な人が、どうしてッ!」",
"342000432_42": "「本当に同一人物なのか?\\n それこそ偽物とかじゃねーのか」",
"342000432_43": "「それならよかったんだけどな……」",
"342000432_44": "「残念ながら本物だ。\\n だが、恐らくはアイツに記憶を――」",
"342000432_45": "「言いがかりはよしてもらいましょうか。\\n 私は聖女の忠実なる僕です」",
"342000432_46": "「……わたしの記憶は確かに完全ではありません。\\n ですが、全ての理不尽を断罪するという使命は忘れていません」",
"342000432_47": "「……あなたたちは神の代弁者たる、\\n わたしに敵対するというのですか」",
"342000432_48": "「あなたがわたしたちの仲間を害するというのなら、\\n わたしたちはあなたと戦うわ」",
"342000432_49": "「そういうことだ。神の代弁者だかなんだかしらねーが、\\n やるってんなら相手になってやらぁッ」",
"342000432_50": "「……戦いたいわけじゃありません。\\n だけど、みんなを護るために、わたしはあなたを止めますッ」",
"342000432_51": "「いいでしょう。\\n このわたしを止められるというのならば、止めてみなさいッ」",
"342000432_52": "「――騎士人形たちよッ!」",
"342000432_53": "「この自動人形たちはわたしたちがッ!」",
"342000432_54": "「ああ、露払いは任せときなッ!」",
"342000432_55": "「こちらの戦力は騎士人形だけではありませんよ」",
"342000432_56": "「一山いくらの雑魚なんざ、\\n あたし人でお釣りがくるんだよッ」",
"342000432_57": "「わたしもぉぉぉ――ッ!」",
"342000432_58": "「くッ!? 突っ込んできますかッ!?」",
"342000432_59": "「危ないところでした。全く油断なりませんね……。\\n ――聖女よッ」",
"342000432_60": "「……わかっています。\\n これ以上、わたしたちの邪魔はさせません」",
"342000432_61": "「まさか――ッ!?」",
"342000432_62": "「誤り無き正義を司る天主よ。\\n その忠実な僕にして、信託を与えし大天使聖ミカエルよ――」",
"342000432_63": "「あれはッ!? もしかしてあれが――」",
"342000432_64": "「『聖女の輝き』だッ! 詠唱を防ぐんだッ!」",
"342000432_65": "「あいつを攻撃すればいいんだろッ!\\n なら、こいつで――ッ」",
"342000432_66": "「そうはさせません」",
"342000432_67": "「聖女の祈りは神聖なもの。\\n なんびとたりとも、邪魔をすることは許されません」",
"342000432_68": "「其の右の手には、主の敵を討つ剣。\\n 其の左の手には、忠実なる人の魂を図る秤――」",
"342000432_69": "「くッ……固まっていては一網打尽にされるッ!\\n 散るんだッ」",
"342000432_70": "「遠距離がダメなら、直接攻撃をすればッ!\\n こんな壁なんてえええええ――ッ」",
"342000432_71": "「よくやったわッ! あとは――」",
"342000432_72": "「――あたしたちが決めるッ!」",
"342000432_73": "「あまたの天使を率い、全能なる天主の敵を討ち滅ぼした、\\n 最も偉大な神の戦士よ――」",
"342000432_74": "「そこまでだッ! あたしたちの攻撃を――」",
"342000432_75": "「――受けなさいッ!」",
"342000432_76": "「届いたッ!」",
"342000432_77": "「……いえ、一手遅かったですね」",
"342000432_78": "「な――ッ!? 敵が消え――」",
"342000432_79": "「ちょっとした小細工ですよ。術式によるガードと同時に、\\n 光を屈折させ、聖女のいる位置を誤認させただけです」",
"342000432_80": "「なんですってッ!?」",
"342000432_81": "「くッ……なら、もう1度――ッ!」",
"342000432_82": "「ダメだッ! 退避を――ッ!」",
"342000432_83": "「――願わくは戦いにおいてわれらを護り、その祈りを阻む者、\\n 愛すべき御父に背きし者を誅滅する――裁きの、顕現をッ」",
"342000432_84": "「きゃああああああッ!?」",
"342000432_85": "「なんなんだ、この光は――ッ!?」",
"342000432_86": "「マリアさん、奏さん――ッ!」",
"342000432_87": "「何が起きたッ!?」",
"342000432_88": "「局長やカリオストロの時と同じだ……。\\n あの光によって……」",
"342000432_89": "「消えちまったってのかよッ!?」",
"342000432_90": "「そんな……マリアさんッ! 奏さんッ!\\n 嘘、ですよね。こんな、簡単に……」",
"342000432_91": "「流石は我が聖女ですッ!\\n さあ、もう度その輝きをッ」",
"342000432_92": "「ええ。誤り無き正義を司る天主よ――」",
"342000432_93": "「続けてあれを――くッ! やはり逃げるしかッ!\\n 急いで退避するんだッ」",
"342000432_94": "「ちッ、ふざけやがって――ッ!」",
"342000432_95": "「そのような攻撃を、私が通すとでも?」",
"342000432_96": "「今だッ! これに紛れろッ!」",
"342000432_97": "「――いい手だッ! 今のうちに距離を離せッ!」",
"342000432_98": "「――全能なる天主の敵を討ち滅ぼした、\\n 最も偉大な神の戦士よ――」",
"342000432_99": "「……2人が……」",
"342000432_100": "「な――ッ!? 立花響ッ! 何故――ッ!」",
"342000432_101": "「クソッ! ボーッとしてんじゃねぇッ!」",
"342000432_102": "「――裁きの、顕現をッ!」",
"342000432_103": "「え……あ――ッ!?」",
"342000432_104": "「――このバカッ!」",
"342000432_105": "「――クリスちゃんッ!」",
"342000432_106": "「立花響――」",
"342000432_107": "「…………」",
"342000432_108": "「無事か……、\\n だが、もう人は……」",
"342000432_109": "「消え……ちゃったの……?」",
"342000432_110": "「クリス、ちゃん……わたしを、助けて……」",
"342000432_111": "「装者まで、3人も……」"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,24 @@
{
"342000511_0": "あの日の誓いを夢に見る",
"342000511_1": "「そんな……クリスちゃんまで……。\\n うわあああああ――ッ」",
"342000511_2": "「みんな……みんないなくなって……」",
"342000511_3": "「戦意喪失したようですね。\\n それなら、楽にしてあげましょう」",
"342000511_4": "「…………」",
"342000511_5": "「立花響――ッ!」",
"342000511_6": "「うぐッ……」",
"342000511_7": "「……もはや動けないようですね。\\n サンジェルマン、断罪の時です」",
"342000511_8": "「ジャネット……」",
"342000511_9": "「ですがその前に、あの装者も聖女の輝きによって、\\n 神の御許へと送ってあげましょう」",
"342000511_10": "「我が聖女よ。\\n そんなことをしなくても、息の根を止めてしまえば――」",
"342000511_11": "「せめてもの慈悲です。\\n 神の御許にて、仲間と共に罪を悔いなさい」",
"342000511_12": "「やめろッ! ジャネットッ!\\n 頼む……これ以上は……」",
"342000511_13": "「誤り無き正義を司る天主よ。\\n その忠実な僕にして、信託を与えし大天使聖ミカエルよ――」",
"342000511_14": "(私は何もできないのか……ッ! 二課を、装者を巻き込み、\\n いたずらに被害者を増やしただけで――ッ",
"342000511_15": "「――ここから先は、選手交代なワケダッ!」",
"342000511_16": "「くらえ、<ruby=アルカヘスト>四大元素</ruby>――ッ!」",
"342000511_17": "「なッ!? 詠唱が――」",
"342000511_18": "「次から次へと……まるで害虫ですね。あなたたちは」",
"342000511_19": "「害虫の親玉が何を言っている。\\n ワラワラと群れているのはそっちなワケダがッ」",
"342000511_20": "「プレラーティ……」",
"342000511_21": "「間に合った……とは言いがたい状況か……。\\n だが遅れた分、ここから挽回させて欲しいワケダッ」"
}

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@ -0,0 +1,91 @@
{
"342000522_0": "「おい、動けるか?」",
"342000522_1": "「……いや、すまない。少し時間が欲しい」",
"342000522_2": "「いいだろう。\\n そいつの具合はどうなんだ」",
"342000522_3": "「…………」",
"342000522_4": "「チッ、戦いはオレに任せて、そいつをなんとかしろ。\\n その時間くらいは稼いでやる」",
"342000522_5": "「立花響……お前の仲間が消えたことは私の責任だ。\\n だから、私を恨め」",
"342000522_6": "「え……? そんな、サンジェルマンさんのせいじゃ――」",
"342000522_7": "「奴らは私の敵だ。そして私を追って日本へと来た。\\n ……全ては私の責任だ」",
"342000522_8": "「私が二課に助けを求めなければ……、\\n いや、私が先に消されていれば、こうはならなかった」",
"342000522_9": "「消されていればだなんて……そんなッ!」",
"342000522_10": "「カリオストロも消された。だが、気持ちはわかるなどと\\n 陳腐なことを言うつもりはない」",
"342000522_11": "「沈むな。悲しみを怒りに変えろ。\\n その拳をぶつける先が欲しければ私がそれになる」",
"342000522_12": "「だから……命を粗末にするな」",
"342000522_13": "「サンジェルマンさん……」",
"342000522_14": "「まだお前には仲間が残っているだろう。\\n そいつらのためにも、ここで諦めることだけはしないでくれ」",
"342000522_15": "「…………」",
"342000522_16": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」",
"342000522_17": "「ありがとうございます、サンジェルマンさん。\\n もう、わたしは大丈夫です」",
"342000522_18": "「奏さん、マリアさん、クリスちゃん。\\n 人が消されたことの辛さも、悲しみもそのままだけど……」",
"342000522_19": "「誰かを恨んだり、怒りをぶつけるんじゃなくて、\\n わたしはわたしのまま、あの人たちを止めますッ」",
"342000522_20": "「そうか……、\\n お前はそういう強さを持っているんだったな」",
"342000522_21": "「ならば頼む。プレラーティとキャロルを助けてやってくれ。\\n 私も、動けるようになったらすぐに行く」",
"342000522_22": "「はいッ!」",
"342000522_23": "「どうやらあなたたちも、\\n 神の御許へと送らなくてはならないようですね」",
"342000522_24": "「ハッ、やれるものならな」",
"342000522_25": "「聖女よ。私が時間を」",
"342000522_26": "「ええ、頼みました」",
"342000522_27": "「そうはさせないワケダッ! キャロルッ!」",
"342000522_28": "「わかっているッ!\\n お前たち、雑魚の相手は任せたぞッ」",
"342000522_29": "「任されましたー」",
"342000522_30": "「同じ自動人形同士、派手に相手をしてやる」",
"342000522_31": "「同じ自動人形、といっても格が違いますけどね」",
"342000522_32": "「マスターに作られたあたしたちは無敵なんだゾッ!」",
"342000522_33": "「人形には人形……この前の意趣返しですか」",
"342000522_34": "「そして、お前の相手はわたしがするワケダッ!」",
"342000522_35": "「なるほど。\\n そして聖女にはあのキャロルという錬金術師ですか」",
"342000522_36": "「あれは混戦の中で使えるようなものではないワケダ。\\n ましてや、キャロルの相手をしながらでは――」",
"342000522_37": "「詳細はあいつに聞いた。力の集中と詠唱が無ければ\\n 使えない技など、恐れるに足りんッ」",
"342000522_38": "「く――ッ!」",
"342000522_39": "「まだまだ行くぞッ! オレの攻撃を受けながら、\\n 聖女の輝きとやらを使えるものならば、使ってみろッ」",
"342000522_40": "「……そうですね。\\n 使ってみろと言うのならば、使いましょう」",
"342000522_41": "「誤り無き正義を司る天主よ――」",
"342000522_42": "「なんのつもりだッ!\\n オレは黙って詠唱を許すようなお人よしではないぞッ」",
"342000522_43": "「――ッ!」",
"342000522_44": "(光が……消えていない?)",
"342000522_45": "「…………」",
"342000522_46": "「詠唱が進んでいるッ!?\\n くそッ 何が起きているッ」",
"342000522_47": "「祈りとは、言葉に出すものだけではありません。\\n 心の内だけでも、祈ることはできるのです」",
"342000522_48": "「真なる祈りは、言葉は無くとも届きます。\\n このように――」",
"342000522_49": "「それでも、詠唱の完成などさせるものかッ!\\n ――<ruby=アルカヘスト>四大元素</ruby>ッ!」",
"342000522_50": "「――どうだッ!」",
"342000522_51": "「……無駄です。この光は神の力。詠唱を終えたその瞬間から、\\n なんびとたりとも侵すことのできない、結界にもなるのです」",
"342000522_52": "「オレの攻撃を受けて……無傷だとッ!?」",
"342000522_53": "「マスターがッ!?」",
"342000522_54": "「――派手に窮地ッ!?」",
"342000522_55": "「くッ……あたしらで盾になるんだッ!」",
"342000522_56": "「マスターはやらせないゾッ!」",
"342000522_57": "「キャロルちゃんッ!\\n ダメだああああ――ッ」",
"342000522_58": "「お別れです。\\n ――裁きの、顕現をッ」",
"342000522_59": "「マスタ―――ッ!」",
"342000522_60": "「お前たちッ!?」",
"342000522_61": "「キャロルちゃんッ! 手を――ッ!」",
"342000522_62": "「――ッ! 立花響――ッ!」",
"342000522_63": "「避けましたか。\\n しかし、代わりにそちらの自動人形は片付きました」",
"342000522_64": "「…………」",
"342000522_65": "「貴様ァア――ッ!」",
"342000522_66": "「ダメだよキャロルちゃんッ!\\n さっきみたいな方法であれを使われたら、とても防げないッ」",
"342000522_67": "「――落ち着くワケダッ! キャロルッ!」",
"342000522_68": "(少し、無理をしすぎましたか……。\\n ですが、あと少し……",
"342000522_69": "「……残りはたった4名。\\n 多少無理をしても、あと度で事足ります」",
"342000522_70": "「いえ、これ以上はあなたの負担が大きすぎます。\\n ご自愛ください、聖女よ」",
"342000522_71": "「……このまま退け、というのですか?」",
"342000522_72": "「いえ、手土産くらいは貰っていきましょう。フフ……」",
"342000522_73": "「まさか――そうはさせないワケダッ!」",
"342000522_74": "「――騎士人形よッ!」",
"342000522_75": "「くッ!? この人形が……邪魔をするなッ!」",
"342000522_76": "「反応はよかったですよ、プレラーティ。\\n ですが、既にサンジェルマンは手の内です」",
"342000522_77": "「サンジェルマンッ!」",
"342000522_78": "「動けばこの者を殺します。\\n そちらの人もです」",
"342000522_79": "「……貴様……」",
"342000522_80": "「サンジェルマンさん……」",
"342000522_81": "「私に構うなッ! こいつを――」",
"342000522_82": "「うぐッ!?」",
"342000522_83": "「気絶させただけですよ。ご安心を。\\n ですが、トドメを刺すかどうかはあなたたち次第です」",
"342000522_84": "「その卑怯な性根は昔のままなワケダ……」",
"342000522_85": "「ええ、もちろん。私は私ですからね。\\n 警戒を怠ったあなたたちが悪い」",
"342000522_86": "「……その者を手土産に、ですか。\\n いいでしょう。度退きますよ、ジル」",
"342000522_87": "「はい。それでは失礼致しますよ」",
"342000522_88": "「サンジェルマン……」"
}

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@ -0,0 +1,71 @@
{
"342000531_0": "「くッ……」",
"342000531_1": "「大丈夫ですか? 聖女の輝きを使いすぎです。\\n 存在の選別は精神に強大な負荷がかかるというのに……」",
"342000531_2": "「ましてや無詠唱での使用となれば、余計に精神への負荷が\\n 増大します。……あまり無理をなさらないでください」",
"342000531_3": "「そうしなければならないほどの相手でした。\\n ですが、無理をしただけの成果もありました」",
"342000531_4": "「そうですね。装者複数名に高性能な自動人形4体、\\n 十分といっていい成果でしょう」",
"342000531_5": "「……少し疲れました。\\n 休むので、後のことを頼みます」",
"342000531_6": "「ええ、用済みの錬金術師はこちらで処理します。\\n 聖女に於かれましては、ゆっくりとお休みください」",
"342000531_7": "「……いえ、その者は生かしておいてください」",
"342000531_8": "「……何故ですか?\\n この者は我々の敵、悪魔の手先なのですよ」",
"342000531_9": "「この者はわたしを死刑台に送った大罪人です。\\n 簡単に死なせはしません」",
"342000531_10": "「では拷問にでもかけましょうか?」",
"342000531_11": "「いえ、その者は後でわたしが自ら裁きを下します。\\n それまでは、逃げられないよう閉じ込めておいてください」",
"342000531_12": "「……わかりました」",
"342000531_13": "(私は、夢を見ているのか。\\n これは……もう遠い昔の――",
"342000531_14": "「ジャネット、また祈っているのか?」",
"342000531_15": "「はい。\\n 年前、戦火によって失われた故郷のみんなのために……」",
"342000531_16": "「そうか……。すまなかったな。\\n もっと早く、私が気づいていれば助けられた者も……」",
"342000531_17": "「いえ、天使様がわたしを救ってくださったから、こうして\\n 亡くなった者のために、祈りを捧げることができるのです」",
"342000531_18": "「それにしても、やはり天使様はお年を取らないのですね?」",
"342000531_19": "「お前は、随分大きくなったな。\\n 出会ったときが歳だったから――もう歳か」",
"342000531_20": "「はい。身長だけは天使様に近づきました」",
"342000531_21": "「……その、天使というのはやめてもらえないだろうか。\\n 私は天使などではない。一介の錬金術師だ」",
"342000531_22": "「錬金術師って、そんなはずないじゃないですか。\\n あの時、瀕死のわたしを助けてくれたのは、神の御業です」",
"342000531_23": "「巷で錬金術師といったら、奇妙な研究をしている怪しい人たち\\n ですし、その人たちがあんな力を使えるはずはありません」",
"342000531_24": "「いや、私は巷の錬金術師とは違って、本当の錬金術を――」",
"342000531_25": "「フフ、わかっています。\\n 人間には正体を隠さなくてはならないんですよね」",
"342000531_26": "「天使様のことは、神に誓って誰にも話しません。\\n だから、ご安心ください」",
"342000531_27": "「本当に、天使という柄でもないんだがな……」",
"342000531_28": "(そうだ……ジャネットはずっと私を天使様と呼んでいた。\\n 何度違うと話しても、呼び方を変えてはくれなかったな……",
"342000531_29": "(……出会った頃から、\\n 思い込んだら一直線なところがあった……",
"342000531_30": "「~♪ ~♪」",
"342000531_31": "「歌声……これは、ジャネットか?」",
"342000531_32": "「~♪ ~♪ ――あ、天使様ッ!」",
"342000531_33": "「邪魔をしてしまったか。\\n しかし、綺麗で優しい歌声だった」",
"342000531_34": "「……ありがとうございます。\\n 拙い歌で、ちょっと恥ずかしいですけど……」",
"342000531_35": "「そんなことはないさ」",
"342000531_36": "「あの……天使様も歌はお好きなのですか?」",
"342000531_37": "「……そうだな。あまり意識したことはないが、\\n 好きなのかもしれない」",
"342000531_38": "「……母が元気だった頃に、よく唄ってくれたのを覚えている」",
"342000531_39": "「天使様のお母様が?\\n それはそれは、綺麗な歌声だったのでしょうね……」",
"342000531_40": "「……ああ。幼い私は、母の歌が大好きだった」",
"342000531_41": "「天使様は唄ったりはしないのでしょうか?」",
"342000531_42": "「いや……そんなことはない。\\n だが、人前で唄うような機会はほとんど無いな」",
"342000531_43": "「あの……もしよかったら、ご迷惑でなければなのですが、\\n いつか天使様のお歌を、聴かせていただけませんか」",
"342000531_44": "「私の歌など聴いても、楽しくはないだろう」",
"342000531_45": "「そんなことはありませんッ!\\n 大好きな歌を敬愛する天使様から、聴いてみたいのです」",
"342000531_46": "「……そこまでのものではないのだがな。\\n わかった。気が向いたら、その時は聴かせよう」",
"342000531_47": "「ありがとうございます。気が向いたら、ですね」",
"342000531_48": "「ああ、そうだ」",
"342000531_49": "「ではなるべく早く、天使様の気が向くよう祈っております」",
"342000531_50": "「……あまり期待するなよ」",
"342000531_51": "「いいえ、これ以上ないくらい、期待しておりますので」",
"342000531_52": "「お前は……全く」",
"342000531_53": "「……天使様、もう1つ聞きたいことがあるのです」",
"342000531_54": "「なんだ? 私で答えられることなら、答えよう」",
"342000531_55": "「イングランド王国との戦い……。\\n わたしたちは勝てるのでしょうか」",
"342000531_56": "「……次の戦いに限ってなら、恐らく負けるだろう」",
"342000531_57": "「そんな……」",
"342000531_58": "「最終的な戦いの勝敗まではわからない。\\n だが、オルレアンを舞台とする次の戦いについては、無理だ」",
"342000531_59": "「戦いは兵数ではない。敵に倍する兵力があったとしても、\\n 指揮官の能力や兵士の士気次第でどうとでも転ぶ」",
"342000531_60": "「…………」",
"342000531_61": "「フランス王国はスコットランド王国との連携が取れていない。\\n 数だけ揃っていても、これでは力の半分も出せないだろう」",
"342000531_62": "「対してイングランド王国側は、兵数こそ少ないが、\\n そういった不安要素はなく、その差が出る可能性が高い」",
"342000531_63": "「……わたしの故郷、ドンレミ村は1度戦火に見舞われました。\\n あれから年、なんとか復興し、人も戻ってきています」",
"342000531_64": "「わたしは、再び村が戦火に焼かれることを望みません。\\n しかし、次の戦いに負ければ、戦火はまた村へと迫るでしょう」",
"342000531_65": "「……そうかもしれないな」",
"342000531_66": "「天使様……わたしに指揮官を務める力はあるのでしょうか?」",
"342000531_67": "「ジャネット……何を考えている?」",
"342000531_68": "「護りたいのです。わたしの大切な場所を。\\n そのために、わたしにできることがあるならば――」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"342000541_0": "(そしてジャネットは、ジャンヌ・ダルクとなった。\\n フランス王国の希望として、人々を導く英雄に――",
"342000541_1": "「……天使様、お久しぶりです」",
"342000541_2": "「ああ……活躍は聞いている」",
"342000541_3": "「はい……。天使様のお言葉のおかげで、\\n なんとか勝つことができています」",
"342000541_4": "「私は、何もしていない」",
"342000541_5": "「いいえ。戦いの本質を、わたしは天使様の言葉で学びました。\\n 指揮官としての自分を高め、兵たちを鼓舞する……」",
"342000541_6": "「兵士1人1人が死力を尽くし、それを束ねる指揮官が\\n 正しく指揮を行えば、どのような戦いでも勝機を見出せます」",
"342000541_7": "「だから、今のわたしが、フランス王国があるのは、\\n 天使様のおかげです」",
"342000541_8": "「そうか……。\\n だがジャネット、本当にこれでよかったのか」",
"342000541_9": "「敵を、人を殺すのが戦争だ。\\n 指揮官とは味方を生かすために、敵を殺す命令を下す者」",
"342000541_10": "「その<ruby=ごう>業</ruby>は、前線の兵士よりもよっぽど深い。\\n 命令つで、多くの命が失われる……」",
"342000541_11": "「……はい、そうですね」",
"342000541_12": "「……辛くないのか?」",
"342000541_13": "「辛くないといったら、嘘になります。\\n けれど、それでもわたしは、大切なものを護りたいのです」",
"342000541_14": "「自分の故郷を、祖国を、人々を護るために剣を取りました。\\n これは、わたし自身が決めたことです」",
"342000541_15": "「だから、天使様が気に病むことではありません。\\n この辛さも、何もかもわたし自身の選択が原因なのです」",
"342000541_16": "「……それでも、あの時、私はお前に戦いの才があると\\n 答えてしまったことを悔やんでいる」",
"342000541_17": "「あの時嘘をついていれば、お前はジャンヌ・ダルクではなく、\\n ジャネットのままでいられたのではないかと……」",
"342000541_18": "「天使様はお優しいのですね。\\n わたしのような者のことを心配してくださって……」",
"342000541_19": "「お前には、戦場よりも故郷の村の景色が合っている。\\n のどかな風景の中で、楽しげに唄っている姿が――」",
"342000541_20": "「わたしも、そう思います。けれど、わたしが戦場を去れば、\\n この故郷にまで戦火が及んでしまいます」",
"342000541_21": "「大切なものを失い、後悔したくないのです。\\n 護れる力がありながらそれを捨てたら、きっと後悔します」",
"342000541_22": "「……戦場では、何が起こるかわからない。\\n 私は、お前と会えるこの時間を楽しみにしている……」",
"342000541_23": "「光栄です、天使様」",
"342000541_24": "「お前という友を失いたくはない。\\n だが、私自身が力を振るうことは禁じられている……」",
"342000541_25": "「こうして少しの間、この場所でお前の話を聞いて、\\n 月並みな助言をするくらいしか、してやれることがない……」",
"342000541_26": "「それで十分です。\\n こうして、わたしの話に付き合ってくださるだけで……」",
"342000541_27": "「……何か、私にできることは無いか?\\n それでも私は、お前に何かしてやりたいと思っている」",
"342000541_28": "「……いつか、ずっと先になるかもしれませんが、\\n つだけ、お願いを聞いてもらえますか」",
"342000541_29": "「ああ、言って欲しい」",
"342000541_30": "「この長い戦いが終わったら、\\n わたしを天使様の従者にしていただけませんか」",
"342000541_31": "「私の従者に……?」",
"342000541_32": "「はい。故郷を護りきったその後は、天使様へのご恩を\\n お返しするために、この身を、命を使いたいのです」",
"342000541_33": "「私は天使ではない……。\\n 私に仕えても、天界へ昇ることは叶わない」",
"342000541_34": "「わたしがご恩を返したいのは、あなたにです。\\n だから、本当はあなたが何者でも構いません」",
"342000541_35": "「……私は人の世から外れた者だ。\\n もう、普通の暮らしをすることもできなくなるぞ」",
"342000541_36": "「既に、わたしに普通の暮らしなどというものはありません。\\n 護ることさえできたなら、村へと戻れなくても構いません」",
"342000541_37": "「文字すら満足に書けない、卑賤の身ではありますが、\\n どうか天使様の従者として、お仕えさせてください……」",
"342000541_38": "「……そうだな。それも悪くないかもしれない」",
"342000541_39": "「本当ですかッ!? 約束しましたよ?」",
"342000541_40": "「ああ、わかった。約束だ」",
"342000541_41": "「ただ、私についてくるのならば、\\n お前にも色々と覚えて貰わなければならないな」",
"342000541_42": "「もしかして、天使様のお力のことも教えてくれるのですか?\\n 何度お聞きしても、ダメだとおっしゃっていたのに……」",
"342000541_43": "「……お前が人の世にいるうちは教えられないが、\\n 私と共に来るのならば、必要だろう」",
"342000541_44": "「戦いが終わるその時が来たら、全て教えよう。\\n まずは、文字の読み書きからになるだろうが――」",
"342000541_45": "「――時間なら、いくらでもある。\\n だから、必ず生きて帰ってこい」",
"342000541_46": "「わかりました。絶対ですからねッ!」"
}

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@ -0,0 +1,62 @@
{
"342000611_0": "希望の光を求めて",
"342000611_1": "「そうか……奏にマリアくん、クリスくん、さらに、\\n オートスコアラーたちまでもが……」",
"342000611_2": "「……それに加えて、サンジェルマンが攫われたワケダ。\\n 残っていたのは、このラピスだけ……」",
"342000611_3": "「……」",
"342000611_4": "「……聖女の輝き、あれほどのものとはな。\\n あまりにも多くの犠牲が出てしまった……」",
"342000611_5": "「……みんな……うぅ……」",
"342000611_6": "「おい、お前たちもさっきの戦いは見ていたんだろう。\\n 少し聞きたいことがある」",
"342000611_7": "「ええ、何かしら?」",
"342000611_8": "「あの聖女の輝きについて、\\n 何かしらのエネルギーは検知できたか」",
"342000611_9": "「いえ、こちらの計器にはなんの反応も……」",
"342000611_10": "「熱や衝撃なんかも一切無かったわ」",
"342000611_11": "「……そうか。\\n 確か局長のやつは『存在を消し去る光』と言ったんだよな」",
"342000611_12": "「その通りなワケダ。\\n ついでに、あれは錬金術によるガードも不可能だったワケダが」",
"342000611_13": "「光以外の物理現象は無く、術的ガードも意味を成さない\\n 『存在を消し去る光』か……おぼろげだが、読めてきたぞ」",
"342000611_14": "「何かわかったワケダッ!?」",
"342000611_15": "「恐らく、あの光で消された者たちは生きている……、\\n いや、死んではいないといった方が正しいか」",
"342000611_16": "「本当にッ!? それじゃ、助けることが――」",
"342000611_17": "「焦るな。そう簡単ではない」",
"342000611_18": "「何故、彼女らが死んではいないと考えるのか、\\n 説明してもらえるか」",
"342000611_19": "「あの光がオレのオートスコアラーたちを\\n 消し去ったのは覚えているな」",
"342000611_20": "「もしあいつらが破壊されたりすれば、\\n オレはそれを感じることができる」",
"342000611_21": "「しかし、破壊された感覚はなかった。\\n 希薄ながら、あいつらの気配は今も感じている」",
"342000611_22": "「気配を感じるって、どこにいるのかわかるの?」",
"342000611_23": "「正確な場所がわかるわけではない。\\n ただ、この世界には存在していないことはわかる」",
"342000611_24": "「あの光の効果は一種の空間隔離に近いものなのだろう。\\n この世界からのな」",
"342000611_25": "「そうか、隔離ならば当然戻すこともできるワケダ」",
"342000611_26": "「推察に過ぎないものではあるが」",
"342000611_27": "「でも、取り戻せる可能性があるなら、\\n どんなことだってやってみせるよ」",
"342000611_28": "「ああ。オレもオレのものを必ず取り返す。\\n このまま終わらせるつもりなど無い」",
"342000611_29": "「しかし、具体的にはどうするワケダ?」",
"342000611_30": "「下手な戦い方をすれば、\\n わたしたちまで消されてしまうワケダが……」",
"342000611_31": "「あの光については有効な対策はない。\\n 極力、使わせないようにするしかないだろう」",
"342000611_32": "「それなら、ジルを先になんとかした方がいい。\\n サポートが効かない状況を作った方がいいワケダ」",
"342000611_33": "「ジル・ド・レェか……。\\n あの者についても教えてもらえるか」",
"342000611_34": "「それについてはわたしから話すワケダ」",
"342000611_35": "「アカシックレコードへのアクセス……。\\n またとんでもないことをしようとしてたのね」",
"342000611_36": "「……待て、そうなると、あのジャンヌ・ダルクは\\n アカシックレコードの記録から蘇らせたのではないか」",
"342000611_37": "「まさかッ!?\\n ――いや、十分にありえるワケダ……」",
"342000611_38": "「ジャンヌ・ダルクは確かに処刑されている。\\n いくら錬金術でも、死人を蘇らせることは不可能なワケダ」",
"342000611_39": "「だが、アカシックレコードに残る、ジャンヌ・ダルクの\\n データを引き出すことができたなら――」",
"342000611_40": "「肉体さえ用意すれば、\\n 本人のデータをダウンロードすることも可能なワケダが」",
"342000611_41": "「サンジェルマンはジャンヌ・ダルクの記憶について、\\n 疑問を呈していた。ジルならそれくらいやりかねないワケダ」",
"342000611_42": "「やはりアイツを先に倒す必要があるな。\\n しかし奴らは今どこにいるんだ」",
"342000611_43": "「それについては俺たちに任せてくれ。\\n 事は緊急事態だ。出来うる限りの伝手を動員してみよう」",
"342000611_44": "「頼んだワケダ」",
"342000611_45": "「いいだろう。見つけ次第オレにも知らせろ」",
"342000611_46": "「キャロルちゃん、どこへ?」",
"342000611_47": "「オレの城に戻る。奴はチフォージュ・シャトーを\\n 欲しがっていた。攻めてこないとも限らないからな」",
"342000611_48": "「わたしは連絡要員としてこっちに残るワケダ」",
"342000611_49": "「好きにしろ」",
"342000611_50": "「キャロルちゃん……」",
"342000611_51": "「キャロルはあれで団体行動が苦手なだけ――、\\n 向こうで何かあれば、わたしに連絡してくるはずなワケダ」",
"342000611_52": "「……そうですよね」",
"342000611_53": "「では響くんとプレラーティくんの部屋を用意しよう。\\n 施設は自由に使ってくれて構わない」",
"342000611_54": "「はい、ありがとうございます。\\n あ、でも一度戻って、S.O.N.G.にも報告してきます」",
"342000611_55": "「ああ、それがいいだろう」",
"342000611_56": "「こっちはラピスの調整のために、研究設備を借りたいワケダ」",
"342000611_57": "「あ、それなら私の研究室を使いなさいな。\\n 前に使ったこともあるし、その方がいいでしょう」",
"342000611_58": "「遠慮なく借りるワケダ」",
"342000611_59": "「さて、俺たち二課の役割は、敵の居場所を探すことだ。\\n 各員、全力で取り掛かれッ」"
}

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@ -0,0 +1,49 @@
{
"342000621_0": "「……ここは、チフォージュ・シャトー?\\n いや、違う……」",
"342000621_1": "「ようやく目覚めましたか」",
"342000621_2": "「ジャネット……お前は、何故こんな場所に?」",
"342000621_3": "「こんな場所?\\n ここはわたしの拠点です。何故も何もありません」",
"342000621_4": "(そうだった、目の前の者はジャンヌだ……。\\n 昔の夢を見たせいか……",
"342000621_5": "(たとえ記憶を取り戻したとしても、\\n もうあの時のように私を呼んではくれないだろうな……",
"342000621_6": "「……なんですか。人の顔を見て」",
"342000621_7": "「……少し、感傷に浸っていただけだ。\\n それより、私をこんな場所に連れて来て、どうするつもりだ」",
"342000621_8": "(術式の無効化に拘束具。随分、念を入れているな。\\n すぐに殺すつもりはないということだろう……",
"342000621_9": "「あなたには、\\n わたしを死刑台へと送った報いを受けてもらいます」",
"342000621_10": "「報い? そのために攫ったというのか?」",
"342000621_11": "「ええ、そうです。あなたへの報いは絶望。\\n 全ての希望が失われる様を、そこで見届けるといいでしょう」",
"342000621_12": "「そうしてあなたが絶望した時、過去のわたしと同じように、\\n 浄化の炎で焼き尽くしてあげます」",
"342000621_13": "「全ての希望が失われる、か……。\\n なるほど、ということはまだ希望は残っているのだな」",
"342000621_14": "「装者1名に錬金術師が2名、たったそれだけの\\n 儚い希望に縋るつもりですか」",
"342000621_15": "(やはりか。不覚にも気絶されられてしまったが、どうやら\\n 立花響、プレラーティ、キャロルの名は無事なようだな",
"342000621_16": "「ああ、そのつもりだ」",
"342000621_17": "「……愚かですね」",
"342000621_18": "「そうだな。だが、私は彼女たちを信じている」",
"342000621_19": "「悪魔の手先が……信じるなどと口にしないでください」",
"342000621_20": "「……フフ。悪魔の手先、か」",
"342000621_21": "「何がおかしいのです」",
"342000621_22": "「いや、これでも昔は天使様と呼ばれたことも\\n あったのだがな……」",
"342000621_23": "「あなたのような者を天使と呼ぶなど、\\n 見る目のない者もいたものですね」",
"342000621_24": "「……お前は何を目的としてこんなことをしている」",
"342000621_25": "「あなたの質問に答える義理はありません」",
"342000621_26": "「そういうな。拘束されたこの状態では、話し相手もいない。\\n 退屈しのぎぐらいには付き合ってくれてもいいだろう」",
"342000621_27": "「いずれ死ぬとしても、\\n お前の目的くらいは知っておきたいのだ」",
"342000621_28": "「……わたしの目的は、全ての人を苦しみから解放することです」",
"342000621_29": "「苦しみからの解放……?」",
"342000621_30": "「神に背く者、信仰を捨てた者を聖女の輝きによって排除し、\\n 正しき者だけの世界を作るのです」",
"342000621_31": "「……異教徒や従わない者は殺す、ということか」",
"342000621_32": "「ええ、そう思っていただいて差し支えありません」",
"342000621_33": "「それで、正しき者などいなかったらどうする」",
"342000621_34": "「その時は全て消えてもらうだけです。\\n 正しき者がわたしだけならば、それも仕方がありません」",
"342000621_35": "「……お前は、本当にジャンヌ――いや、ジャネットなのか?」",
"342000621_36": "「どういう意味ですか?\\n 過去のわたしがそう呼ばれていたのは認識しています」",
"342000621_37": "「私の知るジャネットは、お前のように愚か者ではない」",
"342000621_38": "「わたしを……愚か者だとッ!?」",
"342000621_39": "「ああ。たまたま手に入れた力に酔い、気に入らない人間を\\n 消すなどと言い出す者を、愚かといわずになんと言う」",
"342000621_40": "「正しい者だけの世界、といえば聞こえはいいが、\\n その実、お前が勝手に人を選んでいるだけの世界だ」",
"342000621_41": "「……あなたにわたしの崇高な理想が\\n 理解できるとは思いません」",
"342000621_42": "「わたしは多くの戦いに参加し、地獄を、絶望を見てきました。\\n 人は、断罪されるべきです」",
"342000621_43": "「そうして、清らかな魂を持つ者だけを残すことこそが、\\n 真に人を苦しみから解放するのです」",
"342000621_44": "「……お前の言うとおりだ。私には、何1つ理解できない。\\n 愚か者が大言壮語を吐いているようにしか聞こえない」",
"342000621_45": "「――ッ!\\n ええ、あなたと話したわたしが愚かでした……ッ」",
"342000621_46": "(ジャネット……。\\n 私の知るお前は、もうお前の中にはいないのだろうか……"
}

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@ -0,0 +1,54 @@
{
"342000631_0": "「フフ、快適に過ごせていますか?\\n サンジェルマン……いえ、天使様、とでも言いましょうか」",
"342000631_1": "「何故お前がその呼び方を知っている……」",
"342000631_2": "「ジャンヌ様から聞いたのですよ。過去にね」",
"342000631_3": "「だとしても、お前にそう呼ばれる筋合いはない。\\n 虫唾が走る」",
"342000631_4": "「おや、嫌われたものですね。\\n 私はこんなにもあなたに感謝しているというのに」",
"342000631_5": "「感謝だと……? 何を言っている?」",
"342000631_6": "「あなたのおかげで、私は真の錬金術の存在を知り、\\n その知識を、研究を突き詰めることができました」",
"342000631_7": "「あなたが私とプレラーティの前に現れなければ、\\n 私は真なる錬金術を知ることなく、生涯を終えていたでしょう」",
"342000631_8": "「……突き詰めるとはお笑い種だな。\\n お前は多くの錬金術師を殺し、研究成果を奪っただけだ」",
"342000631_9": "「局長が温情で貴様を封印したというのに、\\n その卑しい性根は、何も変わらなかったらしいな」",
"342000631_10": "「ええ、変わる必要などありませんから。\\n しかし、あの封印には手を焼かされましたよ」",
"342000631_11": "「手を焼くどころではなかったはずだ。\\n 局長の施した封印はお前ごときに解けるようなものではない」",
"342000631_12": "「貴様を城ごと異空間へと放逐し、封印の要となる輝石は誰の\\n 目にも触れないよう、クルベラ洞窟の奥深くに封じたはず……」",
"342000631_13": "「誰かの協力無しに封印解除など、絶対に不可能だ」",
"342000631_14": "「……フ、その通りです。\\n ですが、運命は私に味方したのです」",
"342000631_15": "「運命だと……?」",
"342000631_16": "「ええ、運命です。私は過去、アカシックレコードにアクセスを\\n 試みた罪で、あの忌々しいアダムの手で封印されました」",
"342000631_17": "「ですが、私がアカシックレコードから\\n なんのデータを得ようとしていたのかは知っていますか」",
"342000631_18": "「データ……? まさか、ジャネットの――ッ!?」",
"342000631_19": "「その通りです。この城はそのために構築したもの。\\n 聖女ジャンヌ・ダルクを蘇らせるための複合型聖遺物です」",
"342000631_20": "「この城は私の城であり、聖女の城でもある。\\n ……聖女が、私を救ってくれたのです」",
"342000631_21": "「どういう意味だ。ジャンヌ・ダルクは死んだ。\\n お前は彼女を蘇らせる前に、封印されたはずだ」",
"342000631_22": "「ええ。ですが、彼女の子孫が偶然……、\\n いえ、必然として、私と邂逅したのです」",
"342000631_23": "「彼女は発掘隊として洞窟を訪れ、封印の輝石に触れました。\\n 聖女の血……それにこの城の聖遺物が反応したのですよ」",
"342000631_24": "「そうしてこちらとの繋がりを得て、\\n 封印から抜け出したのか……」",
"342000631_25": "「しかも私はこちらへ帰還すると同時に、\\n 聖女の素体まで手に入れることができました」",
"342000631_26": "「これを運命と言わずして、なんと言うのですッ!\\n まさに聖女の導きそのものでしょうッ」",
"342000631_27": "「素体……それでは今のジャネットは――ッ!?」",
"342000631_28": "「あれはホムンクルス体などではありません。\\n 正真正銘の人間の身体ですよ」",
"342000631_29": "「流石聖女の血筋だけあって、アカシックレコードから\\n 引き出したジャンヌ様のデータもすぐに馴染みました」",
"342000631_30": "「……子孫の身体を、容れ物にしたのかッ!」",
"342000631_31": "「偉大な先祖、ジャンヌ・ダルク本人となれたのですから、\\n 感謝して欲しいくらいですよ」",
"342000631_32": "「もっとも、私の望むジャンヌ様となっていただくために、\\n 人格や記憶については多少、いじらせてもらいましたが……」",
"342000631_33": "「しかし、ご安心を。\\n 見た目はしっかりと昔のジャンヌ様でしょう」",
"342000631_34": "「……外道め」",
"342000631_35": "「錬金術師など、誰も同じようなものでしょう?」",
"342000631_36": "「貴様のような者と一緒にするな」",
"342000631_37": "「フフ、嫌われたものですね」",
"342000631_38": "「ですが、あの忌々しいアダムも消しました。\\n 残る錬金術師もそう多くありません」",
"342000631_39": "「もうすぐ私に対抗できる者は残らずいなくなります。\\n そうなった時、私と聖女の望む世界がやってくるのですッ」",
"342000631_40": "「この先に昔ジルが研究を奪った、\\n 錬金術師のアジトがあるはずなワケダ」",
"342000631_41": "「日本にもそんなものがあったんですね……」",
"342000631_42": "「この国に入り込んでいる錬金術師は少ないが、\\n それでもひっそりと隠れ住んでいる者もいるワケダ」",
"342000631_43": "「ある程度強固な結界さえ張れば、\\n 人目につかないようにすることはできるからな」",
"342000631_44": "「あの人たちは、ここにいるんでしょうか……?」",
"342000631_45": "「わからない。しかし手がかりが掴めていない以上、\\n 知っているところを当たるしかないワケダ」",
"342000631_46": "「使われていないにしても、\\n なんらかの手がかりがある可能性もある」",
"342000631_47": "「……止まるワケダ。\\n ここから先は結界を解除しなくては入れない」",
"342000631_48": "「さあ、これで研究所への道が――」",
"342000631_49": "「アルカ・ノイズッ!?\\n どうしてこんなところにッ」",
"342000631_50": "「おい、どういうことだッ!?」",
"342000631_51": "「恐らくは罠……なワケダッ!」"
}

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@ -0,0 +1,28 @@
{
"342000632_0": "「まさか、アルカ・ノイズの罠が張られていたなんて……」",
"342000632_1": "「しかし、大した数ではなかったワケダ」",
"342000632_2": "「ああ、この程度でオレは止められん」",
"342000632_3": "「ところで、お前はどうしてファウストローブを\\n 使わないワケダ」",
"342000632_4": "「そういえば、キャロルちゃんそのままだったよね」",
"342000632_5": "「この程度の相手、ファウストローブを使うまでもない。\\n オレの力なら、このままでも十分だ」",
"342000632_6": "「……それは、遠まわしにわたしのことを貶しているワケダ?」",
"342000632_7": "「思い当たる節があるならそうかもな。\\n ともかく、今はその時ではない」",
"342000632_8": "「相変わらず生意気なワケダ……ッ」",
"342000632_9": "「え、えっと……あッ! アルカ・ノイズがいたってことは、\\n この先の研究所って、当たりかも知れないですよねッ」",
"342000632_10": "「確かに、ジルが封印された頃は、\\n まだアルカ・イズは作られてはいなかったワケダが」",
"342000632_11": "「つまり、最近になって奴が訪れたということか」",
"342000632_12": "「封印から抜け出したことを錬金術師協会に悟られないよう、\\n 欧州から離れて潜んでいた可能性もあるワケダ」",
"342000632_13": "「日本にこういう場所があるのは、\\n こっちの二課の人たちも知らないんですよね」",
"342000632_14": "「錬金術師のアジトは協会でも極秘事項。\\n 外部の者が知るのは難しいワケダ」",
"342000632_15": "「……おい、内部の者であるはずのオレですら、\\n こんな場所のアジトなど聞いたことがないぞ」",
"342000632_16": "「これでもわたしは協会の幹部。\\n 下っ端とは持っている情報の量も質も差があるワケダ」",
"342000632_17": "「このオレを下っ端だと……ッ!」",
"342000632_18": "「事実なワケダ。\\n 力があっても、年季が浅い以上、当然なワケダ」",
"342000632_19": "「術師としての年季はオレの方が上だッ!」",
"342000632_20": "「野良術師としての期間が長くても、意味などないワケダ」",
"342000632_21": "「貴様……ッ!」",
"342000632_22": "「そ、そこまでにしましょうよッ!\\n キャロルちゃんも落ち着いてッ」",
"342000632_23": "「……チッ……。いいだろう。\\n 局長のやつが戻ったら、全部吐かせてやる」",
"342000632_24": "「それなら好きにすればいいワケダ」",
"342000632_25": "(うう……2人とも、どうしてこんなに張り合うんだろう……)"
}

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@ -0,0 +1,36 @@
{
"342000641_0": "「……あの聖女の輝きとはなんなんだ?」",
"342000641_1": "「あれは錬金術ではないだろう。\\n 錬金術の一種ならば、局長の力で防げないはずはない」",
"342000641_2": "「フフ……あれこそが聖女の奇跡ですよ」",
"342000641_3": "「そんなものは存在しない。私はジャネットを――、\\n 生前のジャンヌ・ダルクを知っている」",
"342000641_4": "「彼女は卓越した指揮官ではあった。\\n だが、あんな超常的な力など持ってはいなかった……」",
"342000641_5": "(そう、そんなものは無かった。ただの人間だった。\\n ……そんな力があれば、処刑されることなどなかった",
"342000641_6": "「あれは彼女自身の能力ではない。\\n ならば、お前が与えたものだろう」",
"342000641_7": "「それはどうでしょうね。\\n 蘇った奇跡によって得た力だといったらどうします」",
"342000641_8": "「アカシックレコードにあるのは記録。それを引き出したところで\\n 存在しなかった力が発現するなどあり得ない」",
"342000641_9": "「細かいことはいいじゃないですか。\\n あれは聖女にこそ相応しい力なのですから」",
"342000641_10": "「神の敵を有無を言わさず消し去る力。\\n あの光がある限り、ジャンヌ・ダルクは無敵です」",
"342000641_11": "「まともに答えるつもりは無いか……」",
"342000641_12": "「これは心外な。誠意をもってお答えしているというのに」",
"342000641_13": "「……お前の操る自動人形はどうした。\\n 無から有は生み出せない。あんなものをどこで作った」",
"342000641_14": "「騎士人形のことですね。あれはジャンヌ様の復活に合わせ、\\n このチフォージュ城の力で量産したものです」",
"342000641_15": "「過去のフランス王国兵など問題にならない。\\n 死をも恐れぬ最強の軍団ですよ」",
"342000641_16": "「軍団だと……?」",
"342000641_17": "「そう、軍団です。総勢5万を超える……ね」",
"342000641_18": "「な――ッ!? そんな大量の自動人形を……」",
"342000641_19": "「今まであなたたちとの戦いに消費した騎士人形は、\\n その一部に過ぎません。端数を有効利用していただけのこと」",
"342000641_20": "「5万の軍勢が聖女の手足となり、\\n この世界に永遠の安寧をもたらすのです……」",
"342000641_21": "(5万の自動人形……。\\n そんなもの、誰が対処できるというんだ……",
"342000641_22": "「聖女を見捨てたフランス、敵だったイングランド、\\n やがてありとあらゆる国を滅ぼし、聖女に恭順させます」",
"342000641_23": "「世界を粛正し、世界を塗り替える……。\\n ――聖女を頂点とした、新しい世界の幕開けですッ」",
"342000641_24": "「それは違います。わたしは神の代弁者。\\n 世界を統べるのは神の意志です」",
"342000641_25": "「――ッ!?\\n 我が聖女よ、いらしていたのですか……」",
"342000641_26": "「それに、わたしが戦うのは粛清のためではなく、\\n 苦しみから人々を解放し、正しい者だけの世界とするためです」",
"342000641_27": "「……これは失礼いたしました」",
"342000641_28": "「本気なのか? しかし各国政府も馬鹿ではない。\\n 大陸ごと消滅させてでも、お前たちを消そうとするはずだ」",
"342000641_29": "「その前に相手を消し去ればいいだけのことです。\\n 聖女の輝きによって」",
"342000641_30": "「その通りです」",
"342000641_31": "「……ジャネット、それはお前が本当に望んでいることなのか?」",
"342000641_32": "(……違うはずだ。\\n 私の知るジャネットは絶対にそんなことは望まない……",
"342000641_33": "「ええ、わたしの唯一の望みです」"
}

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@ -0,0 +1,81 @@
{
"342000651_0": "「…………」",
"342000651_1": "「随分と口数が減りましたね。\\n ようやく自身の行いを悔いる気になりましたか」",
"342000651_2": "「悔いることなどいくらでもある。\\n だが、それはお前の言うような意味ではない……」",
"342000651_3": "「ジャネット、お前は本当に戦争を起こすつもりなのか?」",
"342000651_4": "「当然です。\\n 人々を苦しみから解放するための唯一の手段なのですから」",
"342000651_5": "「そうか……お前は私の知るジャンヌ・ダルクではないのだな。\\n やっと納得ができてきた……」",
"342000651_6": "「わたしは元々ジャンヌ・ダルクです」",
"342000651_7": "「違う。生前の――私の知るお前は、人を傷つけることに悩み、\\n それでも大事なものを護るために剣を取った高潔な人物だ」",
"342000651_8": "「人を殺す命令を出すという指揮官の罪から目をそらさず、\\n それを背負いつつも、護るべきものを護り通した……」",
"342000651_9": "「今のように護るべきものなど持たず、罪の重さも知らず、\\n 軽々しく戦争を起こそうとするジャンヌ・ダルクとは別人だ」",
"342000651_10": "「……わたしの名を、思想を愚弄するつもりですか?」",
"342000651_11": "「お前はジルの望んだジャンヌ・ダルクだ。私の知る、\\n 本物のジャネットやジャンヌとは別人だということだ」",
"342000651_12": "「わたしを……偽物だというのですかッ!?」",
"342000651_13": "「偽物とは言っていない。だが、お前は本物でもない。\\n だから、ジャンヌ・ダルクの名前に泥を塗るな」",
"342000651_14": "「――このッ!」",
"342000651_15": "「わたしを死刑台に送ったというあなたが、\\n わたしの何を知っているというのッ」",
"342000651_16": "「よく知っているさ。12歳の時に助けてから、\\n 処刑されるその時まで見守り続けたんだ……」",
"342000651_17": "「ジャネットの優しい気性も、歌が好きなことも、故郷のために\\n 震える手を隠し、剣を取った勇気も、全てこの目で見てきた」",
"342000651_18": "「震える手……? わたしの中には迷いなどどこにも――、\\n それに、歌が好き……」",
"342000651_19": "「ああ、よく唄っていた。\\n 故郷を望める、静かな丘の上で楽しそうに……」",
"342000651_20": "「歌なんて……知らない。そんな記憶、どこにも――。\\n それに故郷……故郷をわたしは大事にしていたの……」",
"342000651_21": "「……ジャネットが何より大事にしていたものだ。\\n 自身の育ったドンレミ村……」",
"342000651_22": "「ドンレミ村……バル公領にあったわたしの故郷……。\\n 知っているはずなのに知らない。故郷の風景がわからないッ」",
"342000651_23": "(……そうか。ジルは恐らく、\\n 彼女を彼女たらしめていた記憶をほとんど――",
"342000651_24": "(覚えているのは、あの日のことだけ――。\\n 幼い頃に、炎の中から救ってもらった、あの――",
"342000651_25": "「教えなさいッ! わたしの故郷は、どんな場所なのですッ!\\n わたしは何を想い、大切にしていたのですか……」",
"342000651_26": "「……お前は、故郷に広がるのどかな景色を、草を、花を、\\n 自然を、そしてそこに暮らす人々を愛していた」",
"342000651_27": "「村を一望できる丘で過ごすのが日課で、毎日歌を口ずさみながら\\n 楽しそうに丘に登ると、飽きもせず村の様子を眺めていた」",
"342000651_28": "「剣を取ってからも、時間があれば丘から故郷を見ていた」",
"342000651_29": "「まるで、護るべき景色をその目に刻み込むように……」",
"342000651_30": "「わたしが護っていた、護るべき景色……?」",
"342000651_31": "「思い出すんだ、あの光景を。\\n お前が真にジャンヌならば、忘れることなどできないはずだ」",
"342000651_32": "「私たちは何度もあの丘で、お前の故郷を見ながら語り合った。\\n それを思い出してくれ……」",
"342000651_33": "「わたしと……あなたが?」",
"342000651_34": "「――綺麗で、優しい歌だな」",
"342000651_35": "(あの声、あれは目の前のこの人の声……? そんなはずは――)",
"342000651_36": "「……約束を覚えているか。\\n お前と、お前が天使と呼んだ者との約束だ」",
"342000651_37": "「天使様との、約束……」",
"342000651_38": "「本当ですかッ!? 約束しましたよ?」",
"342000651_39": "「ああ、わかった。約束だ」",
"342000651_40": "(何か……そうだ、確かに約束した。\\n でも、一体何を…… 思い出せない……",
"342000651_41": "「大切な……大切な、約束がありました。\\n でも、それが思い出せないのですッ」",
"342000651_42": "「……知りたいなら、この手を取って欲しい。\\n お前との約束は、大事な記憶は、私が覚えている……」",
"342000651_43": "「あの時は助けられなかった。\\n だが、今度こそ私にお前を助けさせてくれ……」",
"342000651_44": "(この人は……誰……?\\n 本当にこの人がわたしを死刑台に送ったの……",
"342000651_45": "(この手を掴めば……わたしの不安は無くなるの……?)",
"342000651_46": "「あなたは――」",
"342000651_47": "「<size=40>――聖女よッ!</size>」",
"342000651_48": "「――ッ!? え……ジル……?」",
"342000651_49": "「騙されてはなりませんッ! そいつは悪魔の手先ッ!\\n 甘言にてあなたを惑わせる、魔女ですッ」",
"342000651_50": "「サンジェルマン……まさか聖女を篭絡しようとするとは。\\n やはりあなたと聖女を接触させるべきではなかった」",
"342000651_51": "「……計画変更です。あなたは、ここで死になさい」",
"342000651_52": "「待ちなさい、ジルッ! 勝手な真似は――ッ!」",
"342000651_53": "「あなたの言葉でも、それは聞けません。\\n この者はあなたに悪い影響を及ぼす可能性があります」",
"342000651_54": "「聖女の従者として、それを見過ごすことはできませんッ!」",
"342000651_55": "(そう、従者。ジルはわたしの……。\\n でも、従者…… 何かが引っかかって――",
"342000651_56": "「安心しなさい。苦痛などありませんッ!」",
"342000651_57": "「――ッ!? させないッ!」",
"342000651_58": "「くッ……既に拘束術式を解除していたかッ!?」",
"342000651_59": "「解けない封印はない。紛い物の錬金術師の術式などに\\n いつまでも囚われていたら、協会幹部の名が廃る」",
"342000651_60": "「――聖女よッ! 奴を消し去るのですッ!」",
"342000651_61": "「わ、わたしは……ッ!」",
"342000651_62": "(何故……この人を、消したくない……。\\n わからない、わたしはどうすればいいのッ",
"342000651_63": "「くッ……ならば囲んでしまえば――ッ!」",
"342000651_64": "「――ジャネットッ!」",
"342000651_65": "「――ッ!?」",
"342000651_66": "「……私はお前との約束を忘れていない。\\n ――だから、お前も思い出せッ」",
"342000651_67": "「約、束……。わたしは、何かを忘れて――」",
"342000651_68": "(記憶に綻びが出ているか……。\\n ……奴を追うより、聖女の処置が先ですね",
"342000651_69": "「――騎士人形たちよ、奴を追えッ!」",
"342000651_70": "「ジル……わたしの記憶は、どうして――。\\n 無くした中に大切なものがあったはずなのです……」",
"342000651_71": "「聖女よ、落ち着いてください。\\n あなたは混乱させられているのです……」",
"342000651_72": "「あの人は、誰なの? どうして心がザワつくの?\\n お願い、あの人を傷つけないで……」",
"342000651_73": "「わかりました。聖女の御心のままに。\\n あなたがあの方と再び会えるよう、全力を尽くしましょう」",
"342000651_74": "「追手もすぐに戻らせます。\\n だから、安心してお休みください……」",
"342000651_75": "「……ジル……お願い…………」",
"342000651_76": "「……やっと眠りましたか。しかしサンジェルマンめ……、\\n ここまで聖女の洗脳に綻びを与えるとは……」",
"342000651_77": "「奴を殺さずに捕らえていたのは失策でした。\\n 再びこのようなことが起きないよう、奴は殺しておかなくては」",
"342000651_78": "「聖女も、洗脳をかけなおす必要があるようですね。\\n この方の特別は私人でいい……」"
}

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@ -0,0 +1,11 @@
{
"342000652_0": "「……なんとか、離脱することができたか。\\n くッ――」",
"342000652_1": "(酷い眩暈と頭痛がする……。\\n ラピスなしであの自動人形の相手は少々無理をしすぎたか……",
"342000652_2": "「……しかし、再び捕まるわけにはいかない。\\n ひとまず、隠蔽術式を――」",
"342000652_3": "「う……ッ!? 身体から、力が抜けて――ッ!?」",
"342000652_4": "(だが、これで時間は稼げるはず……。\\n 失った体力と気力を少しでも回復しなくては……",
"342000652_5": "(ジャネット……?)",
"342000652_6": "(追ってきたのか……それとも……)",
"342000652_7": "(心配するな。私はまだ大丈夫だ……)",
"342000652_8": "「ジャネット……。\\n 今度こそ、私はお前を――……」"
}

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@ -0,0 +1,34 @@
{
"342000711_0": "そこに迫る危機",
"342000711_1": "「被告ジャンヌ・ダルクは教義に背く異端者であると判明したッ!\\n よって、このヴィユ・マルシェ広場にて火刑に処すッ」",
"342000711_2": "「あれが、オルレアンの乙女か……」",
"342000711_3": "「ああ、俺たちイングランドが負ける原因になった、\\n あの魔女だ……」",
"342000711_4": "「それでは刑を執行するッ!\\n ――火を放てッ」",
"342000711_5": "「…………」",
"342000711_6": "「――ッ! ジャネット……」",
"342000711_7": "(こんな……こんなことが許されていいのかッ!\\n まともな審議も行われず、誰も味方する者も無く……",
"342000711_8": "(祖国を、故郷を護ろうと剣を取り、人々の希望の象徴として\\n 戦った英雄が、敵国に送られ、異端審問で有罪などと……ッ",
"342000711_9": "「こんな理不尽、私は断じて――ッ!」",
"342000711_10": "「いけないよ、それは。サンジェルマン」",
"342000711_11": "「局長ッ! こんなことが許されていいのですかッ!\\n ジャネットはこんな死に方をするべき者じゃないッ」",
"342000711_12": "「わかるよ、気持ちは。\\n 許可できない、それでもね」",
"342000711_13": "「秘匿されねばならない、錬金術は。\\n 露見してしまう、ここで彼女を救うために力を使えば」",
"342000711_14": "「そんな理由で、私にジャネットを諦めろとッ!」",
"342000711_15": "「災いを呼ぶんだ、大きな力は。ジャンヌ・ダルクの比ではない。\\n 錬金術を巡っての争いが起きたらね」",
"342000711_16": "「それに、決めている、覚悟を。\\n 少なくとも彼女は」",
"342000711_17": "「ジャネットが……?」",
"342000711_18": "「……………………」",
"342000711_19": "「くッ……このままではジャネットがッ!」",
"342000711_20": "「言ったはずだよ、許可できないと」",
"342000711_21": "(身体が……動かないッ!?)",
"342000711_22": "「局長ッ!? くッ……私に術をッ!?」",
"342000711_23": "「恨むといい、憎しみの相手が欲しいなら。\\n それでも護らねばならない、この世界の秩序を」",
"342000711_24": "「せめて、祈ることくらいだ。できることはね。\\n 僕らが彼女に対して……」",
"342000711_25": "「ジャネット……ああ……あああああああ――ッ!」",
"342000711_26": "(ジャネットは、小さく何かをつぶやいただけで、\\n 苦しむ様子も見せず、静かに赤い炎に呑まれていった",
"342000711_27": "(一時は局長を恨みもした。しかし、違う。\\n ジャネットの死は、私の責任だった……",
"342000711_28": "(――あの日、彼女が私に指揮官の素質の有無を聞いてきた時、\\n 『それは無理だ』と、返すだけでよかった……",
"342000711_29": "(それだけで、彼女はドンレミ村の娘として、平凡ながら\\n 幸せな一生を送ることができたはずだった……",
"342000711_30": "(あの丘で、故郷を慈しみながら、\\n 大好きな歌を口ずさんでいられたはずだった……",
"342000711_31": "(彼女を殺したのは、私なのだ……)"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"342000721_0": "「研究所が見えてきたワケダ」",
"342000721_1": "「人の気配は無いな……。\\n もっとも、術で気配を断っている可能性もあるが」",
"342000721_2": "「森の奥に、こんな大きな建物が……」",
"342000721_3": "「術で入り口を隠しているから、こんな建物も作れるワケダ。\\n 早速、中を調べるワケダ」",
"342000721_4": "「待て。……どうやらお出迎えがあるようだぞ」",
"342000721_5": "「またアルカ・ノイズがッ!?」",
"342000721_6": "「チッ、この期に及んでただのアルカ・ノイズ……。\\n どうやらここはハズレらしいな」",
"342000721_7": "「え? わたしたちを狙ったものじゃないってことですか?」",
"342000721_8": "「罠にしては規模が小さすぎる。\\n 足止めにしても、わたしたち相手では力不足なワケダ」",
"342000721_9": "「もしここに潜んでいるなら、\\n この程度の妨害をする意味はないワケダ」",
"342000721_10": "「でもそれじゃ、研究所に手がかりは……」",
"342000721_11": "「ああ。可能性は高くはないが、ここまで来たんだ。\\n 調べられるだけ調べるべきだろう」",
"342000721_12": "「直接的なものではなくても、何かあるかもしれない。\\n まずはアルカ・イズを片付けるワケダ」",
"342000721_13": "「はいッ!」",
"342000721_14": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」"
}

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@ -0,0 +1,45 @@
{
"342000722_0": "「……予想通りだったな。\\n これだと、残っているデータも期待できなそうだ」",
"342000722_1": "「引越し業者でも使ったのかってくらい、\\n 物が無くなってるもんね……」",
"342000722_2": "「ここを出るときに、ほとんど処分したらしい。\\n 慎重なジルらしい行動なワケダ」",
"342000722_3": "「あれ? ここに何もないなら、\\n どうしてアルカ・イズの罠を……」",
"342000722_4": "「……ただの嫌がらせなワケダ。\\n 恐らくは協会の錬金術師相手の」",
"342000722_5": "「ええッ!? ただの嫌がらせって……」",
"342000722_6": "「愉快犯か。鬱陶しい……」",
"342000722_7": "「ジルはそういう性格をしているワケダ」",
"342000722_8": "「……ジャンヌ・ダルクの記録を見た形跡があるな。\\n 内容は一般的に知られているものとそう変わらないが……」",
"342000722_9": "「……あの、ちょっと聞いてもいいかな?」",
"342000722_10": "「ジャンヌ・ダルクってフランスの有名な人だよね?\\n なんだっけ、一年戦争とかで活躍した……」",
"342000722_11": "「一年ではなく、百年戦争――、\\n その時に活躍した英雄なワケダね」",
"342000722_12": "「あれ? そうだっけ? でも百年も戦ったってことは、\\n すっごい長生きだったってこと」",
"342000722_13": "「……戦争が休戦を挟みながら長く続いただけで、\\n ジャンヌ本人が開戦から終戦まで戦っていたわけではない」",
"342000722_14": "「確かジャンヌ・ダルク本人は16歳から戦いに出て、\\n 歳で処刑されたワケダ」",
"342000722_15": "「そうなんだ……あれ? でもどうして?\\n 英雄だったのに……」",
"342000722_16": "「祖国に裏切られ、敵国のイングランド王国に身柄を渡され、\\n 異端審問の末に火刑に処されたワケダ」",
"342000722_17": "「……火刑、か……」",
"342000722_18": "「そんな……酷いよ……」",
"342000722_19": "「実際、全てジャンヌを殺すために仕組まれたとしか思えない\\n 茶番劇だったワケダが……」",
"342000722_20": "「一時期、そのことでサンジェルマンも荒れていたと\\n 小耳に挟んだことがあるワケダ……」",
"342000722_21": "「サンジェルマンさんが?」",
"342000722_22": "「戦いの時の様子からもしやと思っていたが……。\\n あいつはジャンヌ・ダルク本人と親交があったのか」",
"342000722_23": "「子供の頃のジャンヌを救ったのが、\\n サンジェルマンだったワケダ」",
"342000722_24": "「それからジャンヌが騎士となって処刑されるまで、\\n ずっと親交はあったらしいワケダが……」",
"342000722_25": "「処刑の場にもいたと局長に聞いたことがあるワケダ。\\n 助けられずに悔やんでいたと」",
"342000722_26": "「……協会所属では、助けるなど不可能だろう。\\n そんなことは認められないはずだ」",
"342000722_27": "「でも、あのジャンヌさんは、サンジェルマンさんと\\n とても仲良かったようには――」",
"342000722_28": "「確かに。\\n 実際にどんな関係だったかまでは知らないワケダが」",
"342000722_29": "「あいつが何かしたのかもしれないな。\\n そのまま過去のジャンヌを蘇らせたとは限らない」",
"342000722_30": "「確かにジルなら……考えられるワケダ……」",
"342000722_31": "「そういえば、ジャンヌさんってあの人が蘇らせたんですよね。\\n それってこの研究所でやったのかな」",
"342000722_32": "「……いや、アカシックレコードへのアクセスなど、\\n この研究所の設備では不可能なワケダ」",
"342000722_33": "「恐らくは奴の根城、チフォージュ城で行ったはずなワケダ」",
"342000722_34": "「オレのチフォージュ・シャトーのモデルになった城だったか」",
"342000722_35": "「チフォージュ・シャトーは元々わたしのものなワケダ」",
"342000722_36": "「それなら、あの人たちはその城にいるんじゃ?」",
"342000722_37": "「もちろんその可能性が1番高いワケダが……、\\n ジルはあの城を空間の狭間に隠すことができるからな」",
"342000722_38": "「だが、城への出入りを行うゲートはどこかにあるはずだ」",
"342000722_39": "「だからそのゲートがあるかもしれない場所を探しているワケダ」",
"342000722_40": "「……二課からだ」",
"342000722_41": "「――はい、響です」",
"342000722_42": "「非常事態が発生した。\\n すぐにこちらに戻ってきてくれッ」"
}

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@ -0,0 +1,31 @@
{
"342000731_0": "「どうやら、向こうに先手を取られたようだ……。\\n あの自動人形たちが、観測された」",
"342000731_1": "「どこに現れたんですかッ!?」",
"342000731_2": "「世界中に」",
"342000731_3": "「え……? 世界中って……」",
"342000731_4": "「確認できているだけで、欧州連合の主要国と米国、\\n それに中国やインドなどの聖遺物研究施設が襲われています」",
"342000731_5": "「それも、ほぼ同時刻に」",
"342000731_6": "「どれだけの自動人形を抱えているワケダ……」",
"342000731_7": "「推定だけど、数万ってところかしら?」",
"342000731_8": "「数万だと……」",
"342000731_9": "「聖遺物関連施設への同時襲撃……、\\n 奴らは世界そのものを乗っ取るつもりなのかもしれん」",
"342000731_10": "「世界征服って……荒唐無稽すぎませんかッ!?」",
"342000731_11": "「ところがそうも言えないのよね……。\\n 以前、アルモニカの件や世界蛇の件もあったでしょ」",
"342000731_12": "「あれ以来、聖遺物や超常の力なんかに対して、\\n どこの国も恐怖感を持ってしまっているのよ」",
"342000731_13": "「恐怖はたやすく人の心を挫く。\\n それは国であっても同じこと」",
"342000731_14": "「大量の自動人形……通常兵器では対処できない力に対面し、\\n 降伏を申し出る国があってもおかしくない……」",
"342000731_15": "「しかし、まさかここまでの数がいたというのは驚きなワケダ」",
"342000731_16": "「ど、どうしよう……、\\n 世界中回って倒すわけにもいかないし……」",
"342000731_17": "「到着するまで戦線は持たないでしょうね。\\n 近場に出たならいいんだけど――あら」",
"342000731_18": "「リディアン周辺に、自動人形が出現ッ!」",
"342000731_19": "「モニター、出しますッ!」",
"342000731_20": "「……こちらに向かってきている。やはり狙いはこの二課か」",
"342000731_21": "「わたしたちが出ますッ!」",
"342000731_22": "「ああ、頼んだ。二課を潰されるわけにはいかん。\\n 奴らの侵攻を食い止めてくれ」",
"342000731_23": "「……少し待つワケダ。\\n あの自動人形、もしかしたら――」",
"342000731_24": "「どうした? 何かあったのか?」",
"342000731_25": "「あの自動人形について、1体でいいから、\\n なるべく壊さずに確保して欲しいワケダ」",
"342000731_26": "「壊さずに? ……そういうことか。\\n ならばオレたちよりも、こいつの方が適任だな」",
"342000731_27": "「その通りなワケダ」",
"342000731_28": "「えっと……わたし?」"
}

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@ -0,0 +1,23 @@
{
"342000732_0": "「――1体確保するのを忘れないで欲しいワケダッ!」",
"342000732_1": "「う、うんッ! なんとかやってみるッ!」",
"342000732_2": "(全力で殴っちゃダメなんだよね……。\\n それなら、上手く加減して――",
"342000732_3": "「わわッ!? もしかしてやりすぎッ!?」",
"342000732_4": "「いや、そのくらいでちょうどいいワケダ」",
"342000732_5": "「あとは残りの雑魚どもを片付けるぞッ!」",
"342000732_6": "「どうして自動人形を捕まえたの?」",
"342000732_7": "「この人形は、自立自動思考ではなく、\\n 命令制御を受けて動くタイプの自動人形なワケダ」",
"342000732_8": "「つまり受信した情報を解析して、逆探知もできる」",
"342000732_9": "「そういうことなワケダ」",
"342000732_10": "「でも、それならどうしてわたしが適任だって……?」",
"342000732_11": "「錬金術による破壊では、術同士が干渉してしまい、\\n 受信した情報が失われる可能性がある」",
"342000732_12": "「その点、装者の力ならば、\\n 錬金術と干渉することはないワケダ」",
"342000732_13": "「さて、コイツを持ち帰って、早速解析を始めるワケダ」",
"342000732_14": "「待て。分解と解析はオレの領分だ。\\n オレがやる」",
"342000732_15": "「分解も解析も、錬金術師なら全員自分の領分なワケダ。\\n 任せるよりわたしがやった方が早いワケダ」",
"342000732_16": "「オレの方が早い。邪魔をするな」",
"342000732_17": "「邪魔をしているのはそちらなワケダ」",
"342000732_18": "「2人とも、今はそんなことしてる場合じゃないからッ!\\n 協力してサンジェルマンさんを助けに行かなきゃッ」",
"342000732_19": "「……そうだったワケダ」",
"342000732_20": "「チッ、仕方ない。戻ったらオレが術式のサポートをする。\\n これをチフォージュ・シャトーに運ぶぞ」"
}

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@ -0,0 +1,41 @@
{
"342000811_0": "世界の命運を握る3人",
"342000811_1": "「……解析が終わったワケダ」",
"342000811_2": "「それで、相手のゲートの場所はわかったんですかッ!?」",
"342000811_3": "「ああ……くそッ!\\n 奴らは今、欧州フランスにいる……」",
"342000811_4": "「まんまと一杯食わされたワケダ……ッ!」",
"342000811_5": "「一杯食わされたって……どうして?」",
"342000811_6": "「オレたちが日本に来たのは、\\n 奴が日本へ行くとわざわざ告げたからだ」",
"342000811_7": "「あれはキャロルとチフォージュ・シャトーを\\n 日本へ動かす布石でもあったのかも知れないワケダ……」",
"342000811_8": "「いずれにしろサンジェルマンとの合流は必要だったワケダが、\\n それならチフォージュ・シャトーを動かす必要はなかった」",
"342000811_9": "「奴がオレの城を狙っているようなことを言っていたから、\\n オレたちはチフォージュ・シャトーごと移動してきた」",
"342000811_10": "「再びあれを欧州に戻すには、大量のエネルギーが必要だ……」",
"342000811_11": "「往復で消費した残りのエネルギーでは、\\n 組み込んだ聖遺物の利用はできないだろう」",
"342000811_12": "「拠点としてだけなら使えるワケダが、\\n 戦力ダウンなのは間違いないワケダ……」",
"342000811_13": "「全ては奴にとって邪魔なものをまとめて遠ざけるための、\\n 方便だったということだッ」",
"342000811_14": "「それでも……行くしかないよッ!\\n サンジェルマンさんを助けて、あの人たちを止めないとッ」",
"342000811_15": "「わかっているワケダ。\\n わたしたちを嵌めた礼は、必ず返すワケダ……」",
"342000811_16": "「ああ、ここまで<ruby=こけ>虚仮</ruby>にされて、黙ってなどいられるかッ!」",
"342000811_17": "「それじゃ二課に連絡して、すぐに向こうへ向かいましょうッ!」",
"342000811_18": "「……身体が動く。どれくらい気を失っていたかはわからないが、\\n どうやら見つからずに済んだようだな……」",
"342000811_19": "「気を失う寸前に見たジャネットの姿は幻覚だったか……」",
"342000811_20": "(しかし……これからどうする。\\n 恐らく現在地はフランス東部の辺りだと思うが……",
"342000811_21": "(まずはプレラーティと連絡を取らなければ……)",
"342000811_22": "「待っていてくれ、ジャネット……」",
"342000811_23": "「――サンジェルマンッ!」",
"342000811_24": "「プレラーティなのッ!? 今どこに――」",
"342000811_25": "「フランスまでやってきているワケダ。\\n 連絡ができるということは、そっちも逃げ出せたワケダ」",
"342000811_26": "「ええ、なんとかね。この森に協会の施設があるのを思い出して、\\n 今はそこから連絡しているわ」",
"342000811_27": "「そこは最近になって造られたから、無事だったワケダ」",
"342000811_28": "「ただ、この施設から離れると、見つかる恐れがある。\\n この森まで来てもらえると助かるわ」",
"342000811_29": "「了解したワケダ。周辺に敵は?」",
"342000811_30": "「自動人形とアルカ・ノイズの姿がある。\\n ジャンヌやジルは恐らく城から出ていない」",
"342000811_31": "「それだけわかれば十分なワケダ。\\n キャロルと立花響も同行している。すぐに行くワケダ」",
"342000811_32": "「ええ、頼んだわ」",
"342000811_33": "「これで、どうにか合流はできそうね……」",
"342000811_34": "(でも、本当の問題は合流してから……。\\n ジャネットを救うには、ジルの洗脳を解かねばならない",
"342000811_35": "(ジャネットをあの男から離し、どうにか説得できれば……)",
"342000811_36": "(聖女の輝きを解明し、消えた局長やカリオストロ、\\n 装者たちを取り戻す手がかりを得られるかもしれない……",
"342000811_37": "(……ただ、彼女が正気を取り戻した時、\\n それまで犯した罪の意識にきっと苦しむことになる……",
"342000811_38": "「前途多難にもほどがあるわね……」"
}

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@ -0,0 +1,39 @@
{
"342000812_0": "「お前で最後だ。散るがいいッ!」",
"342000812_1": "「流石なワケダ。\\n サンジェルマンのいる施設はこの辺りだったワケダが……」",
"342000812_2": "「どこにあるのか、わからないんですか?」",
"342000812_3": "「それだけ秘匿性の高い場所ということなワケダ。\\n それにわたしも実際に行ったことはないから……」",
"342000812_4": "「えッ、そうだったんですか?\\n 早くしないと、他の敵にも見つかっちゃいますよッ」",
"342000812_5": "「確かこの辺りだった気がするワケダが……、\\n こうなったら、捜索範囲をもっと広げて――」",
"342000812_6": "「その必要はないわ、プレラーティ」",
"342000812_7": "「サンジェルマンッ!」",
"342000812_8": "「早速だけど、互いの情報を交換しましょう」",
"342000812_9": "「……それで、オートスコアラーたちの気配があるのは\\n 間違いないのか」",
"342000812_10": "「ああ、オレには感じることができる。\\n あいつらの存在は完全には失われていない」",
"342000812_11": "「……朗報だな。局長やカリオストロ、装者たち、\\n 他にも消された者たちを救う希望が見えてきた」",
"342000812_12": "「だが、それもあの聖女の輝きとかいうものが\\n なんなのかがわからなくては、手を打てない」",
"342000812_13": "「ああ。それについてだが、\\n 聖女の輝きは、ジルがジャンヌに与えたもののようだ」",
"342000812_14": "「だから、あの城にあると思われる、\\n ジルの研究データを確認することができれば――」",
"342000812_15": "「聖女の輝きについても情報があるかもしれないワケダ」",
"342000812_16": "「それと、これはただの希望だが、\\n ジャネットを私の知る彼女に戻すこともできるかもしれない」",
"342000812_17": "「捕らえられている間に話して確信したんだ。\\n 彼女はあの男によって記憶操作、もしくは洗脳を受けている」",
"342000812_18": "「それじゃあのジャンヌさんは、無理矢理戦わされて――」",
"342000812_19": "「ある意味そうだろう。そして奴はジャネットを利用し、\\n 自分に従わない世界中の人々を消し去るつもりよ」",
"342000812_20": "「そんな……それじゃ本当に、\\n こっちの師匠が言っていたように世界中に戦争を――」",
"342000812_21": "「そこまで読めているということは、\\n もう奴らは動き出してるということか」",
"342000812_22": "「既に欧州連合各国、米国、日本など、\\n あちこちで聖遺物研究施設が襲われているワケダ」",
"342000812_23": "「あの自動人形を使ってな……」",
"342000812_24": "「……一刻も早く止めなくてはならないわね。\\n 奴の城への道は掴んでる。すぐに戻りましょう」",
"342000812_25": "「待つワケダ。サンジェルマンは一度休む必要があるワケダ」",
"342000812_26": "「そんな暇はないだろ――」",
"342000812_27": "「くッ!」",
"342000812_28": "「言ったそばから……、\\n 決戦前に、消耗した状態では話にならないワケダが」",
"342000812_29": "「サンジェルマンが回復している間、\\n わたしもジルの居城に潜入して調べてくるワケダ」",
"342000812_30": "「……なんだとッ!?」",
"342000812_31": "「危険すぎますよッ! もし見つかったら――」",
"342000812_32": "「戦いに挑むにあたり、もっと情報が欲しいワケダが……、\\n これはあの城の内部を知っている、わたしが適任なワケダ」",
"342000812_33": "「失敗すれば、お前も消されるぞ。\\n それでもやるつもりか」",
"342000812_34": "「無論なワケダ。それに消される前に\\n 意地でもあの光の秘密にたどり着いてみせるワケダ」",
"342000812_35": "「……わかった。プレラーティ、頼んだ」",
"342000812_36": "「任されたワケダ」"
}

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@ -0,0 +1,64 @@
{
"342000821_0": "「……どうにかここまで来たが、敵の姿はない。\\n キャロルの陽動のおかげかも知れないワケダ」",
"342000821_1": "「しかし、どうやら昔見たときよりも広くなっているワケダ。\\n ジルの研究室が昔のままならいいワケダが……」",
"342000821_2": "「連絡してきたということは、もう見つけたのか?」",
"342000821_3": "「まだなワケダ。しかし、潜入は成功した。\\n これから研究室を調べにいくワケダ」",
"342000821_4": "「そうか、わかった」",
"342000821_5": "「サンジェルマンの具合は?」",
"342000821_6": "「予定通りチフォージュ・シャトーで休ませている。\\n 立花響を護衛につけてな」",
"342000821_7": "「安心したワケダ。\\n キャロルもある程度敵を引きつけたら、すぐに離脱するワケダ」",
"342000821_8": "「わかっている。今のオレの役割は、陽動だからな。\\n 深追いするつもりはない」",
"342000821_9": "「それでは先に進む。データにたどり着いたら連絡するワケダ」",
"342000821_10": "「……気をつけろよ」",
"342000821_11": "「ッ!? まさか、キャロルに心配されるとはな」",
"342000821_12": "「フン」",
"342000821_13": "「……この通路、覚えているワケダ。\\n 確かここがジルの研究室――あ、これは……」",
"342000821_14": "「間違いない、ジルの研究データにたどり着いたワケダが。\\n あとはこの中から必要な情報を確認できれば――」",
"342000821_15": "――10月11日。",
"342000821_16": "アカシックレコードへのアクセスに成功。",
"342000821_17": "やはり思ったとおりだった。",
"342000821_18": "アカシックレコードには、全ての存在の情報がある。",
"342000821_19": "そして、そこにはもちろん、ジャンヌ様の情報も……。",
"342000821_20": "このデータを引き出すことができれば、私の願いは成就する。",
"342000821_21": "手に入れたジャンヌ様の血族の肉体に、アカシックレコードにある",
"342000821_22": "データをダウンロードすれば、ジャンヌ様は復活される……。",
"342000821_23": "「ジルはやはり、聖女の復活を企んでいたワケダ……」",
"342000821_24": "――10月19日。",
"342000821_25": "再びアカシックレコードにアクセスを行った。",
"342000821_26": "アカシックレコードへのアクセスは予想以上のエネルギーを消費する。",
"342000821_27": "このチフォージュ城をもってしても、このままではジャンヌ様の",
"342000821_28": "復活を実現することは難しい。",
"342000821_29": "何か、エネルギーの調達手段が必要だ。",
"342000821_30": "錬金術師協会に見つからずに……。",
"342000821_31": "――11月2日。",
"342000821_32": "エネルギー調達手段が見つかった。",
"342000821_33": "その手段とは、ジャンヌ様の持つ剣にある。",
"342000821_34": "フィエルボワの剣と呼ばれるあの剣の正体は、",
"342000821_35": "大天使ミカエルの剣そのものだった。",
"342000821_36": "魂を選別し、次の世界へと導くといわれるミカエルの力。",
"342000821_37": "この剣に潜む強力な力を、解放できれば……、",
"342000821_38": "存在を選別して、私にとって都合のいい次の世界へと送り込む。",
"342000821_39": "そう、存在からエネルギーを搾り出すためだけの世界へ。",
"342000821_40": "「存在の選別……ッ!? ミカエルの剣の哲学兵装……、\\n これが聖女の輝きの正体だったワケダッ」",
"342000821_41": "「しかし、消した存在の力を燃料に、アカシックレコードへの\\n アクセスをするなど、悪辣にも程があるワケダ……」",
"342000821_42": "――日付不明。",
"342000821_43": "ついに、ミカエルの剣としての能力を解放した。",
"342000821_44": "これでジャンヌ様の復活計画を進めることができる。",
"342000821_45": "ただ、ジャンヌ様を蘇らせるには、より多く質の高い",
"342000821_46": "存在を燃料としなくてはならない。",
"342000821_47": "ならば、錬金術師が最適だろう……。",
"342000821_48": "彼らを贄として、ジャンヌ様を蘇らせる。",
"342000821_49": "聖女復活の日は近い。",
"342000821_50": "「協会アジトへの襲撃……。本当の目的はこれだったワケダ。\\n だから散発的な襲撃を繰り返していた……」",
"342000821_51": "ジャンヌ様を復活させることに成功した。",
"342000821_52": "だが、待ち望んだ聖女は、私の望む聖女ではなかった。",
"342000821_53": "ジャンヌ様は、常に私の望む聖女でなくてはならない。",
"342000821_54": "このままでは、せっかく手に入れた能力、",
"342000821_55": "そして聖女の復活が無駄に終わる。",
"342000821_56": "変えなくてはならない……、",
"342000821_57": "私の望む、聖女ジャンヌ・ダルクへと……。",
"342000821_58": "「……サンジェルマンの言っていた通りなワケダ。\\n あとは洗脳の方法がわかれば――ッ」",
"342000821_59": "「……まさか、こんなところまでネズミが入り込んでくるとは\\n 思いませんでしたよ」",
"342000821_60": "「ジル……くッ!?」",
"342000821_61": "「逃がしません……ッ!\\n 私の研究を覗き見たあなたは、必ず消し去りますッ」"
}

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@ -0,0 +1,41 @@
{
"342000822_0": "「キャロル、聞いているか。\\n ジルに発見されてしまったワケダッ」",
"342000822_1": "「なんだとッ!?」",
"342000822_2": "「しかし、聖女の輝きの秘密、ジャンヌのこと。\\n わかったことを知らせるワケダッ」",
"342000822_3": "「……くッ、自動人形が邪魔すぎるワケダッ!」",
"342000822_4": "「城の外まであと少し……このまま突っ切るワケダッ!」",
"342000822_5": "「逃がさない、そう言いましたよ」",
"342000822_6": "「……出口に先回りしていたワケダ。\\n 大量の自動人形で周囲を囲んで……」",
"342000822_7": "「先回りはともかく、騎士人形については偶然ですよ」",
"342000822_8": "「ちょうどこれから、ジャンヌ様と共に、\\n この国を落としにいくところだったのでね」",
"342000822_9": "「どちらにしても、逃げられる隙は無いワケダ……」",
"342000822_10": "「いえ、あなた1人でこの数の騎士人形とこの私、\\n それにジャンヌ様を退けられるなら、逃げられますよ」",
"342000822_11": "「そうでしょう、ジャンヌ様?」",
"342000822_12": "「ええ、ジルの言うとおりです。\\n せいぜい足掻きなさい」",
"342000822_13": "「誤り無き正義を司る天主よ――」",
"342000822_14": "「キャロル……サンジェルマンのことを頼んだワケダ」",
"342000822_15": "「何をバカなことを言っているッ!\\n おい――」",
"342000822_16": "「くそッ!」",
"342000822_17": "「キャロルちゃんッ! プレラーティさんは……」",
"342000822_18": "「他のやつらと同じだ。\\n 聖女の輝きで存在を消去された……」",
"342000822_19": "「プレラーティ……」",
"342000822_20": "「だが、あいつはその代わりに貴重な情報をもたらしてくれた。\\n 今から聞いた話を伝える」",
"342000822_21": "「聖女の輝きは存在の選別という、\\n ミカエルの剣による哲学兵装か……」",
"342000822_22": "「ああ、そして消えた者たちは\\n 存在の持つエネルギーをあの男によって利用されている……」",
"342000822_23": "「それじゃ、その存在のエネルギーが無くなったら……」",
"342000822_24": "「取り戻せなくなる可能性もある……」",
"342000822_25": "「いつか、また奴はアカシックレコードにアクセスする。\\n そうなれば、消えた者たちの存在が消費されてしまう」",
"342000822_26": "「その前にジャネットを正気に戻し、\\n 次の世界へと送った者たちを戻させる必要がある」",
"342000822_27": "「できるんでしょうか……」",
"342000822_28": "「わからないが、今は他に方法などない」",
"342000822_29": "「彼女のこと……ジャネットのことは私に任せてくれないか」",
"342000822_30": "「……いいだろう。なら、あいつはお前がなんとかしろ。\\n あの男はオレとこいつで引き受ける」",
"342000822_31": "「みんなのこと、お願いします。サンジェルマンさん」",
"342000822_32": "「プレラーティが命がけで手に入れてくれた情報だ。\\n ジャネットのことは必ず……」",
"342000822_33": "「向こうには大量の兵隊もいる。\\n そのことも忘れるなよ……」",
"342000822_34": "「ああ、5万を超える数を揃えていると言っていた」",
"342000822_35": "「き、気合でッ! 頑張ればなんとかなるよッ!」",
"342000822_36": "「フ……頼もしいな。\\n だが、流石に無策で挑むのは難しい」",
"342000822_37": "「何か考えがあるのか?」",
"342000822_38": "「ああ。無いよりはマシ、という程度だが。\\n 協力してくれ、人とも」"
}

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@ -0,0 +1,25 @@
{
"342000831_0": "「我が聖女よ、号令を……」",
"342000831_1": "「ええ、神の使途たるジャンヌ・ダルクに仕える兵たちよッ!\\n 雌伏の時は過ぎました。これより、進軍を開始しますッ」",
"342000831_2": "「な、なんなんだよ、あれはッ!?」",
"342000831_3": "「鎧の騎士……の軍団?\\n と、とにかく警察――いや、軍に連絡をッ」",
"342000831_4": "「き、来た……」",
"342000831_5": "「一体何人いるんだ……。\\n どうしてこんなことに……」",
"342000831_6": "「臆するなッ! あんなものは見た目だけだッ!\\n 銃も持たぬ集団など、恐れるに足りん」",
"342000831_7": "「全員、構えッ! 撃て――ッ!!」",
"342000831_8": "「銃が効かないッ!? 鎧に弾かれているのかッ!?」",
"342000831_9": "「ならば迫撃砲をくれてやれッ!\\n 何体か倒れれば、足も止まるッ」",
"342000831_10": "「ダメですッ!\\n 対象、傷ひとつ付きませんッ」",
"342000831_11": "「なんだとッ!? ――くッ、とにかく攻撃を続けろッ!\\n このまま奴らを進ませるなッ」",
"342000831_12": "「軍人さんたちがッ!?」",
"342000831_13": "「彼らにも、二課経由で必要な情報は届いているはずだから、\\n そこまで無理はしていないだろうが、もう十分だ」",
"342000831_14": "「おかげで、オレたちの準備も整った」",
"342000831_15": "「いずれにしろオレたちでなければ、アレは倒せない」",
"342000831_16": "「……響くん、聞こえるか?」",
"342000831_17": "「あ、はいッ! 聞こえますッ!」",
"342000831_18": "「そちらの準備はどうなってる?\\n 軍の方もそろそろ限界だ」",
"342000831_19": "「ああ、もう大丈夫だ。準備はできている。\\n あとは巻き込まれないように、軍を退かせてくれ」",
"342000831_20": "「わかった。先方に伝えよう。\\n ……あとは君たちに託す。頼むぞ」",
"342000831_21": "「よし、それでは私たちも移動しよう」",
"342000831_22": "「奴らが所定の位置までたどり着いたら決戦だ。\\n まとめて叩き潰してくれるッ」"
}

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@ -0,0 +1,43 @@
{
"342000841_0": "「地平線が、全部、白く染まって――」",
"342000841_1": "「……ここまでの数とは」",
"342000841_2": "「一騎当千でも足りぬ、一騎当万の働きが必要だろうよ」",
"342000841_3": "「……あれを全部、わたしたちが止めるんですよね」",
"342000841_4": "「ああ、そうだ。私たちがやらねばならない。\\n 私たちだけが、残されたのだから……」",
"342000841_5": "「……怖気づいたのか?\\n それなら邪魔にならない場所にでも、引っ込んでるんだな」",
"342000841_6": "「ううん、大丈夫。\\n ……ありがとう、キャロルちゃん」",
"342000841_7": "「フン……」",
"342000841_8": "「この戦い、どんな展開になると思う?」",
"342000841_9": "「……策を用意したとして、この戦力差だ。\\n 厳しい戦いになるのは間違いない」",
"342000841_10": "「……みんなで、頑張りましょう」",
"342000841_11": "「精神論か。\\n だが、それも必要なのかも知れない」",
"342000841_12": "「無様な戦いだけはできないからな。\\n 散っていった仲間たちのために……」",
"342000841_13": "(ジャネット……)",
"342000841_14": "(お前は今、何を想っているのだろうか……)",
"342000841_15": "「……2人とも。少し私の質問に答えてくれないか?」",
"342000841_16": "「えッ……はい。わたしで答えられることなら」",
"342000841_17": "「なんだ? 手短にしろ」",
"342000841_18": "「もし、お前たちにかつて手を取れず、\\n 助けられなかった友がいたとして……」",
"342000841_19": "「その友を救うには、どうしたらいいと思う?」",
"342000841_20": "「手を取れず、助けられなかった友……?」",
"342000841_21": "「ああ。イメージしにくければ、\\n 友ではなく、大切な者と置き換えてもらってもいい」",
"342000841_22": "(大切な者、そうだ――。\\n わたしは未来を、何度も失いそうになったことがある……",
"342000841_23": "(助けられなかった命、か……。\\n そんなもの、オレには人だけだ……パパ……",
"342000841_24": "「わたしは、手を伸ばします。失敗しても、後悔しても、\\n わたしには、それしかできないから……」",
"342000841_25": "「機会があるなら、何度だって。\\n 一度届かなくても、次は届くかもしれないから……」",
"342000841_26": "「手を伸ばす、か……。お前らしいな」",
"342000841_27": "「……大切な者を助けられなければ、一生後悔は続く」",
"342000841_28": "「だから、もし機会が与えられたなら、何を犠牲にしても助ける。\\n 迷う余地などない。そうだろう」",
"342000841_29": "「キャロル……お前は火刑に処された父親のことを、\\n 今でも悔やんでいるのだな……」",
"342000841_30": "「……当たり前だ。父を処刑した者への恨みも、\\n あの時の無力な自分への悔恨も、決して消えることはない」",
"342000841_31": "「目の前で大切な者の命が失われる……。\\n それに勝る後悔などないのだからな」",
"342000841_32": "「……ああ。それ以上に怖いことなど、ないな」",
"342000841_33": "「ありがとう、2人とも。\\n 私のやるべきことがわかった気がする」",
"342000841_34": "「さあ、決戦よ。行きましょう」",
"342000841_35": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」",
"342000841_36": "「はい、準備OKですッ!」",
"342000841_37": "「ならばオレも――」",
"342000841_38": "「キャロルちゃんッ!?」",
"342000841_39": "「力を温存していたのか……」",
"342000841_40": "「ああ、こんなこともあろうかとな……。\\n ――全力のオレならば、雑魚など物の数ではないッ」"
}

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@ -0,0 +1,22 @@
{
"342000911_0": "聖なる誓いの合重奏",
"342000911_1": "「先遣隊を一気に潰して、そのままジルたちのところまで\\n 突っ切るッ 戦いの狼煙を上げろ、キャロルッ」",
"342000911_2": "「ああ、特大のをくれてやるッ!\\n ――<ruby=アルカヘスト>四大元素</ruby> ッ!」",
"342000911_3": "「よし、地下水脈に前線の一部を叩き落せたッ!\\n これで行軍に乱れが出るはず――」",
"342000911_4": "「敵、左右に分かれて地面の穴を迂回し始めましたッ!」",
"342000911_5": "「まだよ。もう少し敵が広がるまで……」",
"342000911_6": "「おいッ! まだ動かないのかッ!\\n このままでは完全に囲まれるぞッ」",
"342000911_7": "「――今だッ! 足場を――」",
"342000911_8": "「――任せろッ!」",
"342000911_9": "「やったッ! キャロルちゃんの錬金術で、\\n 穴のど真ん中に橋が架かったッ」",
"342000911_10": "「正面からぶち抜けッ! 立花響ッ!」",
"342000911_11": "「はいッ! 突貫しますッ!\\n はぁぁぁぁ――ッ」",
"342000911_12": "「後に続くぞッ! 分かれた自動人形が戻る前に、\\n あの人の元までたどり着くッ」",
"342000911_13": "「……どうやらサンジェルマンたちが現れたようですね。\\n どうしますか」",
"342000911_14": "「……どうもこうもありません。\\n わたしの前に立ち塞がるものは、全て神の敵です」",
"342000911_15": "(洗脳は上手く働いているようですね……。\\n あとは、サンジェルマンを片付けるだけです",
"342000911_16": "「失礼致しました。\\n それでは神の敵を撃滅しましょうか」",
"342000911_17": "「……敵をぶち抜けないッ!\\n かなりの距離、吹き飛ばしてきたのに……ッ」",
"342000911_18": "「いや、作戦通りだ。直接戦う数はかなり減らせた。\\n ここからは人で前へ進むッ」",
"342000911_19": "「ああ、一気に駆け抜けるぞッ!」"
}

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@ -0,0 +1,18 @@
{
"342000912_0": "「城が見えてきましたッ! あと少し――ッ!」",
"342000912_1": "「足を止めるなッ!\\n 正面の敵以外は無視して進むんだッ」",
"342000912_2": "「正面以外はオレがカバーしてやるッ!\\n 敵を貫く一条の槍となって、突き進めッ」",
"342000912_3": "「近づいて来ているのですか……?\\n こちらには万の自動人形がいるというのに……」",
"342000912_4": "(それも、まさか正面からこちらを貫こうなどと……。\\n 正気の作戦ではない。しかし、それ故に対処が――",
"342000912_5": "「……まだ、排除できないのですか?\\n 神の敵、いえ、あの者に自由を許すなど……ッ」",
"342000912_6": "「ジャンヌ様、あの者とは……?」",
"342000912_7": "「サンジェルマン……あの者の顔が頭をちらつく……、\\n やはり、わたし自らが倒さなければいけないようですッ」",
"342000912_8": "(なッ……。やはり奴の存在が、洗脳に影響を――)",
"342000912_9": "「聖女よ、どうか落ち着いてください。\\n もうすぐ、騎士たちによって彼の者たちは殲滅されます」",
"342000912_10": "「……いえ、それは無理でしょう。\\n あの者たちを止めるのは、騎士たちには荷が重い」",
"342000912_11": "「わたしが出ます。\\n ――聖女の輝きで、全て消し去りましょう」",
"342000912_12": "「ジャンヌ様ッ! くッ……」",
"342000912_13": "(……いや、聖女はサンジェルマンを消そうとしている。\\n ならば、洗脳自体はまだ有効なはず",
"342000912_14": "「聖女の輝きさえ当たれば、どうせ終わりです。\\n ならば、私はそれをサポートするだけでいい」",
"342000912_15": "「……いいでしょう。決着をつけましょうか。\\n サンジェルマン……ッ」"
}

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@ -0,0 +1,41 @@
{
"342000921_0": "「誤り無き正義を司る天主よ。\\n その忠実な僕にして、信託を与えし大天使聖ミカエルよ――」",
"342000921_1": "「この詠唱……ッ!?」",
"342000921_2": "「奴の方からやってきただとッ!?\\n しかも聖女の輝きを使おうと――」",
"342000921_3": "「其の右の手には、主の敵を討つ剣。\\n 其の左の手には、忠実なる人の魂を図る秤――」",
"342000921_4": "「――囲まれたッ!?」",
"342000921_5": "「残念でしたね……クク」",
"342000921_6": "「あまたの天使を率い、全能なる天主の敵を討ち滅ぼした、\\n 最も偉大な神の戦士よ――」",
"342000921_7": "「さあ、もう詠唱が完了しますッ!\\n あなたたちが消えれば、もはや私たちに敵は無いッ」",
"342000921_8": "「――願わくは戦いにおいてわれらを護り、その祈りを阻む者、\\n 愛すべき御父に背きし者を誅滅する――裁きの、顕現をッ」",
"342000921_9": "「聖女の輝き――だが、それも想定内だッ!」",
"342000921_10": "「――おおおおおッ!」",
"342000921_11": "「地の元素よッ! 覆えッ!」",
"342000921_12": "「よし――これで私たちは、完全に土のドームの中だッ!」",
"342000921_13": "「これは……まさかッ!?」",
"342000921_14": "「大成功でしたねッ!」",
"342000921_15": "「ああ……防がせてもらったぞ」",
"342000921_16": "「何故……通じないのですッ!」",
"342000921_17": "「どうして聖女の力が――ッ!?」",
"342000921_18": "「それは、その力が哲学兵装だとわかったからだ」",
"342000921_19": "「単純な話だ。存在を選別する『光』である以上、\\n 私たちが光を認識しなければ、選別は行われない」",
"342000921_20": "「ソードブレイカーが剣と定義したものを壊すのと同じだ。\\n 見た目は剣でも、剣との認識が無ければ発動しない」",
"342000921_21": "「光が溢れる前に、土で覆って光を見えなくすれば――」",
"342000921_22": "「――光は認識されず、結果、聖女の輝きは効果を\\n 発揮できないということだ」",
"342000921_23": "「――ならば直接斬り結ぶだけですッ!」",
"342000921_24": "「サンジェルマンさんッ!\\n ジャンヌさんをお願いしますッ」",
"342000921_25": "「――わかっているッ!\\n ジャネットは私が――」",
"342000921_26": "「くッ……そうはさせませんッ! サンジェルマンは\\n 最優先で殺さねばッ 騎士人形たちよ――ッ」",
"342000921_27": "「――人形などに邪魔はさせんッ!」",
"342000921_28": "「何ッ!? ならば私が直接――」",
"342000921_29": "「――あなたの相手は、わたしの役目ですッ!」",
"342000921_30": "「このッ……全く邪魔な――ッ!」",
"342000921_31": "「ここは、わたしたちが死守しますッ!」",
"342000921_32": "「ああ。サンジェルマンとジャンヌの戦いには、手出しさせん。\\n 邪魔をしたかったら、先にオレたちを倒すんだな」",
"342000921_33": "「その姿……あなた、何者ですか?」",
"342000921_34": "「……この姿で会うのは初めてだったな。\\n オレの城に土足で上がり、<ruby=こけ>虚仮</ruby>にしてくれた礼に来てやったぞ」",
"342000921_35": "「その物言い、確かキャロル……ですか。\\n そうですか、その姿が本当の――」",
"342000921_36": "「力の解放に合わせて姿が変化しただけだ。\\n 本物も偽物もない」",
"342000921_37": "「だが、この姿のオレをこの前と同じだと思うなよ」",
"342000921_38": "「多少力が増した程度、どうということもありません。\\n 戦いは数、物量こそが正義。それをすぐにわからせてあげます」"
}

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@ -0,0 +1,38 @@
{
"342000931_0": "「ジャネットッ!\\n 約束通り、お前を救いに来たッ」",
"342000931_1": "「戯言をッ! そんな話をした覚えはありませんッ!」",
"342000931_2": "(やはり、ジャネットは再び洗脳を施されている……だがッ!)",
"342000931_3": "「思い出せ、お前自身をッ! 故郷の光景をッ!\\n お前はなんのために戦っているッ」",
"342000931_4": "「知れたことですッ!\\n 全ての人を苦しみから解放するためッ」",
"342000931_5": "「人の世は苦しみに満ちている……。\\n だからわたしが変えるのですッ」",
"342000931_6": "「苦しみに満ちてなどいないッ!\\n それをお前は知っているはずだッ」",
"342000931_7": "「知ったかぶりを……ッ!\\n あなたが何を知っているというのですッ」",
"342000931_8": "「ぐッ……。全て、知っているさ。\\n 私は、ずっとお前を見てきたんだ……あの火刑の瞬間も」",
"342000931_9": "「何故、避けずに……なんなのです……。\\n どうして、わたしをそんな目で――ッ」",
"342000931_10": "「――ッ!? どうした、太刀筋が鈍っているぞ……」",
"342000931_11": "「その目をやめなさいッ! あなたにそのような――、\\n 大切な者を見るような目を向けられる筋合いはありませんッ」",
"342000931_12": "「あるッ!\\n 私はお前を、ジャネットを大切に思っていた……」",
"342000931_13": "「あなたがわたしを処刑場に送ったはずッ!\\n そう言ったッ ならば、どうしてッ」",
"342000931_14": "「ああ。お前が処刑場へ進むことになったのは、\\n 確かに私の責任だ……」",
"342000931_15": "「ならば、あなたはわたしの敵でしょうッ!」",
"342000931_16": "「だから、思い出してくれ。あのときを。\\n 火刑に処される時、お前が何を思っていたのかを……」",
"342000931_17": "「あの日の、炎の……?」",
"342000931_18": "「あの日、最後の瞬間にお前が思ったことが私への恨みなら、\\n その刃を私は受け入れよう。ジャネットにはその権利がある」",
"342000931_19": "「――考えるまでもありませんッ!\\n あの炎の熱さを、わたしは覚えているッ」",
"342000931_20": "「だから、わたしは、わたしを死へと追いやった\\n あなたを許さないッ」",
"342000931_21": "「だから復讐をしたいのか?」",
"342000931_22": "「復讐ではありませんッ! これは神罰ですッ!\\n 受けなさい――ッ」",
"342000931_23": "「――ならば私は、お前に倒されるわけにはいかない」",
"342000931_24": "「私に刃を突き立てていいのは、ジャネットだけの権利だ。\\n お前に渡すわけにはいかない」",
"342000931_25": "「ジャネットはわたしの名前ですッ!\\n そのわたしの刃を受け入れないと言うのですかッ」",
"342000931_26": "「お前はジル・ド・レェに都合のいいことだけを吹き込まれた、\\n ジャンヌ・ダルクの紛い物だッ」",
"342000931_27": "「黙れッ! わたしこそがジャンヌ・ダルクッ!\\n 世界を救う聖女なのですッ」",
"342000931_28": "「ちいッ、厄介な……。\\n これほどまでの力を隠していましたかッ」",
"342000931_29": "「どうしたッ! 戦いは数ではなかったのかッ!?\\n この程度の力では、オレは倒せんぞッ」",
"342000931_30": "「みんなを返してもらいますッ!」",
"342000931_31": "「薄汚いネズミから聖女の輝きの情報を得ましたかッ!\\n 全く、さっさと駆除しておくべきでしたよッ」",
"342000931_32": "「ですが、この場さえ乗り切れば私たちの勝利ですッ!\\n 取り込んでいる存在を全てエネルギーにしてしまえばッ」",
"342000931_33": "「そんなこと、絶対にさせるもんかああああッ!」",
"342000931_34": "「うぐッ……馬鹿力めッ!」",
"342000931_35": "「オレのものを取り返すついでに、何もかも奪い取ってやるッ!」"
}

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@ -0,0 +1,59 @@
{
"342000932_0": "「思い出せ。ジャネットだった自分を。\\n 紛い物ではない、ジャンヌとしての記憶を」",
"342000932_1": "「まだそんなことを――ッ!」",
"342000932_2": "「でなければ、私はお前の刃を受け入れられない。\\n お前は、あの火刑の時、一体何を思っていた……」",
"342000932_3": "「そこまで知りたいなら、教えてあげますッ!\\n ――全てに絶望し、苦痛と苦悶の中で命を失ったのですッ」",
"342000932_4": "「……それは、本当にお前の記憶なのか?\\n 私の見た、あの日のお前はそうではなかった」",
"342000932_5": "「絶望ではない。お前は穏やかな表情を浮かべ、ただ静かに、\\n 度も苦悶の声など上げず、炎に呑まれていった……」",
"342000932_6": "「……違うッ! 違うはずですッ!\\n わたしは、死の運命を、受け入れてなど……」",
"342000932_7": "「私はお前が最後につぶやいた言葉がなんなのかを知りたい。\\n 何を思い、なんの言葉を残したのか……それを思い出してくれ」",
"342000932_8": "「最後の……言葉……そんなものッ!\\n 恨み言に決まっていますッ だってジルがそうだと――ッ」",
"342000932_9": "「あの処刑の日、ジルはその場にはいなかった」",
"342000932_10": "「…………え?\\n だってジルは、わたしの従者――」",
"342000932_11": "「お前には従者などいなかった。\\n 戦功を立てた後も、専属の従者などは持たなかった……」",
"342000932_12": "「従者が……いない……? では、ジルは……?\\n ジルは、子供のわたしを救い、それから従者に――」",
"342000932_13": "「……救われた時のことは覚えているのか。お前が12歳の時、\\n ドンレミ村が襲われ、村人たちが数多く死んだ日のことを」",
"342000932_14": "「あの日、イングランド王国兵が夜盗を装い、\\n ドンレミ村に現れた。そして、村を焼いた……」",
"342000932_15": "「……どうして、そのことを……。\\n それは村の者か、わたしを助けたジルしか――」",
"342000932_16": "「奴らは家へ押し入り、幼いお前を斬りつけ、火を放った。\\n お前は、怪我で動くことができなかった……」",
"342000932_17": "「その時、偶然近くにいた私は、お前の声を聞いた。\\n 助けて、という声を」",
"342000932_18": "「…………」",
"342000932_19": "「――自分ではなく、みんなを、大切な人たちを助けてと願う、\\n 小さな祈りを」",
"342000932_20": "「――ッ!?」",
"342000932_21": "「だから私はお前を助けた。死の淵にあるその瞬間でも、\\n 他人を思いやれる優しい心根の持ち主を、死なせたくなかった」",
"342000932_22": "(わたしの――祈り……。\\n それは、誰も――。知っている者、は……",
"342000932_23": "「それが、本当のお前だ。誰よりも優しく、\\n 宝石のような美しい心を持った、私の知るジャネットだ……」",
"342000932_24": "「……わたし、は……ジャネット……なの……?\\n ジャンヌじゃない……わからない……。あなたは……」",
"342000932_25": "「ジャネットは、お前がまだあの村で暮らしていた頃の呼び名だ。\\n 剣を取りジャンヌ・ダルクと呼ばれるようになったが……」",
"342000932_26": "「私だけはジャネットと呼び続けた」",
"342000932_27": "「そんな……わからない……何も……、\\n 思い出せない……ッ」",
"342000932_28": "「……約束を、覚えているか?」",
"342000932_29": "「約、束……?」",
"342000932_30": "(大事な、約束……。\\n そうだ、わたしは、誰かと――",
"342000932_31": "「私は、覚えている。\\n だから、お前にも思い出して欲しい」",
"342000932_32": "「……この手を、取ってくれないか。\\n 今度こそ、私はお前を救うと決めてきたんだ」",
"342000932_33": "(この、手……そうだ。\\n 幼いわたしを、救ってくれた――",
"342000932_34": "「天、使さ――」",
"342000932_35": "「――殺せッ!」",
"342000932_36": "「――ッ!? あ……」",
"342000932_37": "「……手を……取ってくれたな。\\n よかっ、た……」",
"342000932_38": "「サンジェルマンさんッ! 剣が刺さって――ッ!?」",
"342000932_39": "「わたし……が、刺し、た……?\\n 天使、様を……」",
"342000932_40": "「……ようやく、会えたな。ジャネット……。\\n 約束、思い出してくれ……たんだ、な……」",
"342000932_41": "「あ……ああああああ――ッ!!」",
"342000932_42": "「私の従者に……?」",
"342000932_43": "「……私は人の世から外れた者だ。\\n もう、普通の暮らしをすることもできなくなるぞ」",
"342000932_44": "「……そうだな。それも悪くないかもしれない」",
"342000932_45": "「ああ、わかった。約束だ」",
"342000932_46": "「ただ、私についてくるのならば、\\n お前にも色々と覚えて貰わなければならないな」",
"342000932_47": "「――時間なら、いくらでもある。\\n だから、必ず生きて帰ってこい」",
"342000932_48": "「天使様……天使様ああああああッ!!」",
"342000932_49": "(そうだ、わたしはあの火刑の日――)",
"342000932_50": "「それでは刑を執行するッ!\\n ――火を放てッ」",
"342000932_51": "(……わたしは多くの敵を殺してきました。\\n 戦いの最中とはいえ、その罪は償わねばなりません",
"342000932_52": "(だから、こうして終わりを迎えることは当然のことでしょう。\\n 最後に、天使様に心からの感謝とお詫びを――",
"342000932_53": "「天使様……あなたからお受けしたご恩を返せず、\\n 申し訳ございません……」",
"342000932_54": "「あなたと交わした約束を果たせず、\\n 申し訳ございません……」",
"342000932_55": "「ですが、あなたのおかげで、わたしは幸せのうちに、\\n こうして天へと向かうことができます……」",
"342000932_56": "「天の世界にて、もし再びお会いすることができたなら、\\n 今度こそ、わたしを天使様のお傍に――」"
}

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@ -0,0 +1,46 @@
{
"342000941_0": "「天使様……わたしはあなたを恨んでなどおりませんッ!\\n どうして恨むことなどできましょうッ」",
"342000941_1": "「あなたはわたしに全てを与えてくださいましたッ!\\n あなたのおかげで、わたしは幸せだったのですッ」",
"342000941_2": "「あの火刑の場でわたしが口にしたのは、ただあなたへの\\n 限りない感謝と敬愛の言葉ですッ」",
"342000941_3": "「なのにわたしは……わたしはなんということを――ッ!」",
"342000941_4": "「気にする、な……。\\n 思い……出して、くれて……ありが、とう……」",
"342000941_5": "「サンジェルマンさんッ! しっかりしてくださいッ!」",
"342000941_6": "「洗脳が完全に解けてしまったかッ!?\\n くそッ 聖女を回収しなければ――」",
"342000941_7": "「――貴様あああああッ!」",
"342000941_8": "「くッ!? 今はお前に構っている場合では――」",
"342000941_9": "「貴様に無くても、オレにはあるッ!\\n サンジェルマンの痛み……万倍にして返してやるッ」",
"342000941_10": "「天使様ッ! お願いですッ!\\n ――死なないでくださいッ」",
"342000941_11": "「サンジェルマンさんッ!\\n 気をしっかり持ってくださいッ」",
"342000941_12": "「……これは、私が望んだ、終わりでも……ある……。\\n ジャネットには、私を討つ、権利がある、んだ……」",
"342000941_13": "「そんなものはありませんッ!\\n わたしに天使様を傷つける権利など――ッ」",
"342000941_14": "「いや……私が、お前をジャンヌに、した……。\\n ジャンヌに、ならなければ……あの村で、幸せに……」",
"342000941_15": "「わたしは幸せでしたッ! 天使様がいてくださってッ!\\n 故郷も護れましたッ 全部あなたのおかげなんですッ」",
"342000941_16": "「……すまな、かった……。\\n 今度は、私が……約束を、守れ……――」",
"342000941_17": "「天使、様……目を……目を開けてくださいッ!\\n 天使様ッ」",
"342000941_18": "「そんな……サンジェルマンさん……」",
"342000941_19": "「……サンジェルマンが逝きましたか」",
"342000941_20": "「うるさいッ! 黙れッ!\\n 元凶の貴様だけは――ッ」",
"342000941_21": "「サンジェルマンさん……ッ」",
"342000941_22": "「…………」",
"342000941_23": "「絶対に、あなたを死なせは致しません。\\n 誤り無き正義を司る天主よ――」",
"342000941_24": "「この光ッ!? まさか、また聖女の輝きを――ッ!?」",
"342000941_25": "「そうですッ! 聖女よッ!\\n 全てを消し去ってしまえばいいのですッ」",
"342000941_26": "「――くッ、もろとも自決するつもりかッ!」",
"342000941_27": "「其の右の手には、主の敵を討つ剣。\\n 其の左の手には、忠実なる人の魂を図る秤――」",
"342000941_28": "「……違うよ、この光は――」",
"342000941_29": "「彼の者、忠実なる神の僕なれば、\\n その罪に赦しを、その魂に祝福を――」",
"342000941_30": "「すごく、優しい……」",
"342000941_31": "「――敬虔なるこの祈りを、聞き届けたまえ――」",
"342000941_32": "「これは……? サンジェルマンの傷が、無くなって――」",
"342000941_33": "「う……」",
"342000941_34": "「サンジェルマンさんッ!」",
"342000941_35": "「私は……何故……?\\n 助かったのか……」",
"342000941_36": "「この剣の、ミカエルの剣の力を使いました……。\\n 天使様の魂を呼び戻すために……」",
"342000941_37": "「ジャネット……お前ッ!? 姿が――ッ!?」",
"342000941_38": "「はい。少々、無理をしすぎてしまったようです。\\n でも、天使様を助けられてよかった……」",
"342000941_39": "「今度こそお傍に御仕えしたかったのですが、\\n それはまた、次の機会になってしまいそうです」",
"342000941_40": "「くッ……」",
"342000941_41": "「ジャネット……私は忘れない。\\n お前のことを、お前との約束を……」",
"342000941_42": "「ありがとうございます。\\n わたしも、今度は決して忘れたり致しません……」",
"342000941_43": "「……心だけでも、天使様のお傍に……」"
}

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@ -0,0 +1,65 @@
{
"342000951_0": "「どうやら失敗作でしたか。まあ構いません。\\n 再びアカシックレコードから蘇らせればいいのです」",
"342000951_1": "「……貴様は、死者の尊厳をなんだと思っている……」",
"342000951_2": "「なんとも思っていませんよ。死人は死人です。\\n 蘇った者は生者で、墓の下にいるのが死者、それだけです」",
"342000951_3": "「……もう二度と、貴様にジャネットの尊厳は穢させない」",
"342000951_4": "「威勢だけはいいですね。ですが、あなたはもう限界のはず。\\n お仲間の状況もどうでしょうかね」",
"342000951_5": "「……貴様……ッ!」",
"342000951_6": "「言ったでしょう。戦いは物量だと。\\n 結局のところ、あなたたちが倒したのは一部に過ぎません」",
"342000951_7": "「聖女がいなくなった今、あなたたちと遊ぶ意味も薄い。\\n あとは騎士人形たちに、なぶり殺しにされればいい」",
"342000951_8": "「私は城に戻って、\\n その様をゆっくり見学でもさせて貰います」",
"342000951_9": "「ここまで来て……ッ!」",
"342000951_10": "「逃がしてなるものかッ!」",
"342000951_11": "「無駄です。ジャンヌ様がいなくなったことで、\\n 騎士人形の制御は全て私に移りました」",
"342000951_12": "「さて、それではお別れです。\\n せいぜい足掻いて私を楽しませて――」",
"342000951_13": "「なッ!? 一体誰が――ッ!?」",
"342000951_14": "「がっつぽー♪」",
"342000951_15": "「ようやく戻って来れたワケダ」",
"342000951_16": "「カリオストロ、プレラーティッ!」",
"342000951_17": "「……面倒かけたわね。ごめんなさい」",
"342000951_18": "「やられた分は、キッチリやり返してやる」",
"342000951_19": "「ごめんな。ここからはあたしたちにもやらせてくれ」",
"342000951_20": "「マリアさんッ! クリスちゃんッ! 奏さんッ!」",
"342000951_21": "「ガリィちゃん、ただいま帰還しましたー♪」",
"342000951_22": "「不思議な体験でしたわね」",
"342000951_23": "「ピカッとしたら、シュインって消えたんだゾ」",
"342000951_24": "「派手な光で、地味に消されてしまった……」",
"342000951_25": "「お前たちッ!」",
"342000951_26": "「戻れたね、どうやら。\\n よくやってくれた、君たち」",
"342000951_27": "「引き受けよう、雑魚はこちらで。\\n 任せるよ、その男との決着は」",
"342000951_28": "「ありがとうございます。局長……」",
"342000951_29": "「なんだと……何故、お前たちがッ!?\\n まさかジャンヌ様が――ッ」",
"342000951_30": "「……そうだ。ジャネットは私だけではなく、全員を……。\\n 彼女は誰よりも優しいからな……」",
"342000951_31": "(……ありがとう、ジャネット……)",
"342000951_32": "(ジャネットの剣……)",
"342000951_33": "「それを拾ってどうするつもりですか。\\n その剣はジャンヌ様だけのもの。あなたなんかが手にしても――」",
"342000951_34": "「――私と共に行こう。ジャネット――」",
"342000951_35": "「聖女の、輝き……だとッ!?」",
"342000951_36": "(――天使様たちに、神の祝福があらんことを――)",
"342000951_37": "「これは――」",
"342000951_38": "「暖かい力が、溢れて――」",
"342000951_39": "「……ジャネット、力を貸してくれたのか」",
"342000951_40": "「聖女の力……祝福……ふざけるなあああッ!!\\n それは私にこそ相応しいものおおおッ」",
"342000951_41": "「聖女は私の、私だけのものッ!\\n その力もその想いもその祝福もおおおッ」",
"342000951_42": "「殺す殺す殺すッ! 皆殺しだッ!\\n 貴様ら全員、殺して殺して殺しつくしてやるうううッ」",
"342000951_43": "「まるで人間の皮を破るように……」",
"342000951_44": "「中から怪物が出てきやがった……」",
"342000951_45": "「なんか赤黒い煙を吐き出してますよ……ッ!」",
"342000951_46": "「散々、人を悪魔呼ばわりしていたが、\\n どうやらお前こそ悪魔だったようだな……」",
"342000951_47": "「その醜悪な欲望、ここで断ち斬ってやろうッ」",
"342000951_48": "「本当、醜いったらありゃしないわねー」",
"342000951_49": "「見苦しい嫉妬なワケダ」",
"342000951_50": "「ジャンヌさんの想い、確かに感じますッ!\\n 温かいこの力があれば、絶対に負けませんッ」",
"342000951_51": "「悪魔は天使に倒されるって、昔から決まってんだよッ!」",
"342000951_52": "「そんな姿で聖女の祝福を受けようだなんて、\\n 浅ましいにも程があるわね」",
"342000951_53": "「外見と中身がやっと一致したね。お似合いだよッ!」",
"342000951_54": "「――さあ、化物退治だッ! 行くぞ、お前たちッ!」",
"342000951_55": "「1番、ガリィちゃん、いっきまーすッ!」",
"342000951_56": "「派手に散るがいいッ!」",
"342000951_57": "「その醜いお顔を、整形してあげますわッ!」",
"342000951_58": "「トリはあたしなんだゾッ!」",
"342000951_59": "「見るに耐えないな、その姿は。\\n 美しくあってほしいね、せめて散り際くらいは」",
"342000951_60": "「ぐううううッ!? 黙れ黙れ黙れ黙れえええええッ!」",
"342000951_61": "「ジャネット……見ているか。",
"342000951_62": " ――これがお前から貰った力、祝福の輝きだッ!」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"342000952_0": "「……私は、聖女、を……」",
"342000952_1": "「ジャネットはお前のものにはならない。\\n 彼女は、私の大切な友なのだからな……」",
"342000952_2": "「サン、ジェル……マンめえええ……――」",
"342000952_3": "「ジャネット……ありがとう」",
"342000952_4": "「温かくて、すごい力でしたね……」",
"342000952_5": "「ああ、力が溢れていた。疲労も何もかも無くなって……」",
"342000952_6": "「ジャネットが私たちに力を貸してくれたんだろう」",
"342000952_7": "「でも、あーしたちも絶好調じゃなかった?」",
"342000952_8": "「それは感じたワケダ」",
"342000952_9": "「聖女の力が、わたしたちにも影響していたのかしら……?」",
"342000952_10": "「でもギアに変化はなかっただろ?」",
"342000952_11": "「それはそうだね」",
"342000952_12": "「高揚したんだよ、戦意が。\\n 効果があるのさ、聖女の指揮にはね」",
"342000952_13": "「ジャンヌ・ダルクのものだよ、その剣は。間違いなく。\\n だから付与された、戦意が。哲学兵装として」",
"342000952_14": "「そうかも知れません。ですが、私は哲学兵装よりも、\\n ジャネット自身の想いが、力をくれたと思っています」",
"342000952_15": "「……そうだな」",
"342000952_16": "「わたしも、同じです。\\n あの温かさは、哲学兵装だけじゃ説明できないって思います」",
"342000952_17": "「面白いね。いいんじゃないかな、それで。\\n そう思うならね、君たちが」"
}

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@ -0,0 +1,61 @@
{
"342001011_0": "新たな友と共に",
"342001011_1": "「よかった、よかったよー。\\n 消えたままだったら、どうしようかと思って……」",
"342001011_2": "「もう、いきなりどうしたの?\\n 緊張の糸が切れちゃったのかしら」",
"342001011_3": "「ま、まあ……心配かけたな……」",
"342001011_4": "「終わりよければ全てよしって言うだろ?\\n ほら、鼻水出てるぞ」",
"342001011_5": "「うわッ!?\\n おいッ あたしに鼻水つけるなよッ」",
"342001011_6": "「うう、ごべん……」",
"342001011_7": "「いいからまずは鼻をかめッ!」",
"342001011_8": "「全く、お前たちが消えたせいで、\\n オレ手ずから動く羽目になってしまった……」",
"342001011_9": "「そんなこと言って……寂しかったんじゃないですか?」",
"342001011_10": "「マスターを1人にはしないんだゾッ!」",
"342001011_11": "「そうね。マスターの寂しさを紛らわせるのが\\n 私たちの役目ですものね」",
"342001011_12": "「地味に1人が苦手だからな。マスターは」",
"342001011_13": "「――勝手にオレを寂しがり屋にするなッ!」",
"342001011_14": "「あーし、今回はほとんどいいところナシだったわ……」",
"342001011_15": "「最初の襲撃で消されてそのままだったワケダ」",
"342001011_16": "「それもそうなんだけど、消された先の世界で、\\n 次に来たのが局長よッ なんなのよ、もうッ」",
"342001011_17": "「あー、局長と2人は同情するワケダ……」",
"342001011_18": "「大変だったわね……」",
"342001011_19": "「いいんじゃないかな、もう少し僕に優しくても。\\n あるんだよ、僕にも繊細なところが」",
"342001011_20": "「……ここは……」",
"342001011_21": "「――ッ!? あなたはッ!?」",
"342001011_22": "「倒れていたんだよ、僕たちの傍にね。\\n 戻ってきたんだろう、あの光によって」",
"342001011_23": "(この子、もしかして、並行世界の――)",
"342001011_24": "「あなた、もしかしてジャンヌ・ダルクの子孫?」",
"342001011_25": "「え……あ、はい。\\n 正確には、家系の、ですが……」",
"342001011_26": "「まさか、こんな偶然が……?」",
"342001011_27": "「あの……何か?」",
"342001011_28": "「……妹さんは元気?」",
"342001011_29": "「はい……元気ですけど……?\\n あの、妹の知り合いですか……」",
"342001011_30": "「フフ、少し縁があっただけよ。\\n こんな偶然もあるのね」",
"342001011_31": "「2人とも、ありがとう。\\n 改めて礼を言わせて欲しい」",
"342001011_32": "「そんなッ!?\\n わたしの方こそ、たくさん助けてもらいましたッ」",
"342001011_33": "「言葉だけの礼などいらん。\\n どうせならあの城をオレによこすとか、形で示せ」",
"342001011_34": "「流石に私の一存でそれはできない。\\n 局長にでも頼んでみたらどうだ」",
"342001011_35": "「……あいつがそれを許可するわけないだろう」",
"342001011_36": "「スライディング土下座で頼んだら、\\n 思わずいいって言っちゃうかも知れないよッ」",
"342001011_37": "「ふざけるなッ! 誰がそんなことをするかッ!」",
"342001011_38": "「キャロルのスライディング土下座……。\\n 度は見てみたいものだ」",
"342001011_39": "「貴様……感謝しているのか、ケンカを売っているのか、\\n どっちなんだッ」",
"342001011_40": "「感謝に決まってるでしょう。\\n あなたたちのおかげで、私は前に進めたのだから……」",
"342001011_41": "「一緒に戦えて、よかったですッ!」",
"342001011_42": "「オレはこんな面倒ごとは二度とごめんだッ!」",
"342001011_43": "「そうか? 悪くないチームだったと思うが。\\n いつかまたこの人で組もう」",
"342001011_44": "「だから、ごめんだと言っているッ!」",
"342001011_45": "「えー、キャロルちゃん、そんなこと言わないで、\\n また一緒に組もうよー」",
"342001011_46": "「オレに馴れ馴れしくするなッ!」",
"342001011_47": "(……ジャネットもそうだったが、\\n 自分は良い友との出会いに恵まれているな……本当に",
"342001011_48": "「なんか、さっき3人で組むとか聞こえたわよね……?\\n あーし、ちょっとジェラっちゃうかも……」",
"342001011_49": "「わたしも気持ちは同じなワケダ……」",
"342001011_50": "「あの子、とうとうキャロルとも仲良くなっちゃったわね」",
"342001011_51": "「あのバカは誰とでも仲良くなるからな」",
"342001011_52": "「それがあいつのすごいところだろ?」",
"342001011_53": "「今日は記念日ですねー。\\n マスターにお友達ができた記念ー♪」",
"342001011_54": "「ケーキを切るならあたしの出番だゾッ!」",
"342001011_55": "「感動で派手に涙が出そうだ……」",
"342001011_56": "「さっきの拒否は、きっと照れ隠しですわよ」",
"342001011_57": "「思わないかい? 美しいと。\\n 人と人との友情はね」",
"342001011_58": "「はあ……。その、はい……」"
}

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@ -0,0 +1,32 @@
{
"342001111_0": "約束の旅立ち",
"342001111_1": "「暑ーいッ!\\n もう、お肌が焼けちゃうじゃないッ」",
"342001111_2": "「赤道直下の島だから、当たり前なワケダ」",
"342001111_3": "「もう少し進めば、集落があるはずよ。\\n そこで少し休憩させてもらいましょう」",
"342001111_4": "「もう、相変わらず局長ったら、\\n なんでもかんでもあーしたちに押し付けて……」",
"342001111_5": "「だけど、いつものことでしょう?\\n こうしている時が、番落ち着く気がするわ」",
"342001111_6": "「確かにいつものことなワケダ」",
"342001111_7": "「ふーん、そんなこと言って、\\n キャロルとあの装者の子の人がよかったんじゃないのー」",
"342001111_8": "「いつまでふてくされてるワケダ」",
"342001111_9": "「サンジェルマンが、『私には、カリオストロと\\n プレラーティしかいないわッ』って泣いて謝るまで」",
"342001111_10": "「そんなことがあったら逆に心配するワケダ……」",
"342001111_11": "「泣いて謝るのは無理だけど、\\n 戻ったら何かで埋め合わせでもするわ」",
"342001111_12": "「本当ッ!?\\n あーし最近、欲しいバッグがあってー」",
"342001111_13": "「現金なワケダ……」",
"342001111_14": "「……あれ? サンジェルマン、そのコートの中――」",
"342001111_15": "「ああ、これのことか」",
"342001111_16": "「……ミカエルの剣なワケダッ!?」",
"342001111_17": "「ええ、そうよ」",
"342001111_18": "「それ、この前の事件の重要参考物だからって、\\n 厳重に保管されてなかった……」",
"342001111_19": "「しかも局長が直接管理していたワケダ……」",
"342001111_20": "「まあ、細かいことはいいでしょう」",
"342001111_21": "「優等生のサンジェルマンが……」",
"342001111_22": "「まさかそんな発言をするだなんて驚きなワケダ……」",
"342001111_23": "「……たまには、そんな気分の時もあるのよ」",
"342001111_24": "(約束……こんな形になってしまって、すまないな。\\n だが、これでも喜んでくれるだろうか……",
"342001111_25": "「天使様ッ!\\n 約束、守ってくれてありがとうございますッ」",
"342001111_26": "「ジャネット……」",
"342001111_27": "(幻影か、幻聴か……あるいは、ただの願望か……。\\n ……だけど、そんなことはどうでもいいことね",
"342001111_28": "「共に行こうか、ジャネット」",
"342001111_29": "「はいッ! 天使様ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,58 @@
{
"343000111_0": "ようこそ、プロビデンス・パークへ",
"343000111_1": "「おーッ! プロビデンス・パークって、\\n すっごく広いゾッ」",
"343000111_2": "「プールくらいではしゃぎ過ぎだっつーの」",
"343000111_3": "「あんまり走り回るなよ」",
"343000111_4": "「随分と着替えに時間がかかったな」",
"343000111_5": "「水着は初めてで地味に手こずりました」",
"343000111_6": "「ミカが水着を着られるように手伝っていたのですわ」",
"343000111_7": "「ところで、マスターはお着替えにならないのですか?」",
"343000111_8": "「誰が、『あの男』が用意した水着など着るものか」",
"343000111_9": "「これ、着ちゃダメなのか、マスター?」",
"343000111_10": "「オレは着たくないだけだ。\\n お前らは好きにすればいい」",
"343000111_11": "「しかし、なぜオレたちがこんなところに……」",
"343000111_12": "「地味な頼まれごと」",
"343000111_13": "「というか、あたしたちに仕事を押し付けた\\n あの人の姿も見えませんねー」",
"343000111_14": "「……はあ、こんな面倒ごとを押し付けて、\\n サンジェルマンども、後で覚えていろよ」",
"343000111_15": "「それにしてもなんでこんなに\\n 人がたくさんいるんだゾ」",
"343000111_16": "「錬金術師の英気を養うため、って言ってたでしょうが。\\n まあ、あたしたちは見回りだけど」",
"343000111_17": "「あのお三方からの依頼ですよね。\\n 今年は私たちがトラブル防止の警備役だと」",
"343000111_18": "「二課の方々も招待したとのことでしたが、\\n 断られてしまったようですよ」",
"343000111_19": "「断られるって前回はどんだけだったんですか」",
"343000111_20": "「つまるところ、私たちは代わりになる抑止力のようなもの。\\n あの人が何かやらかしたとき、止められるものが必要だと」",
"343000111_21": "「人聞きが悪いじゃないか。何もしやしないよ、僕はね」",
"343000111_22": "「ようこそ、プロビデンス・パークへ。\\n 歓迎するよ、心からね」",
"343000111_23": "「テーマパークなんぞ、とても必要とは思えないが\\n なんでこんなものを造った」",
"343000111_24": "「必要だと思ったからさ。\\n 癒すためにね、君たちの心と身体を」",
"343000111_25": "「完成後とんでもなく面倒な事件が起きて、\\n 半壊したと、サンジェルマンたちから聞いたぞ」",
"343000111_26": "「二課もその事件に巻き込まれたらしいですわね」",
"343000111_27": "「だから断られたんだナ」",
"343000111_28": "「あったね、そんなことも」",
"343000111_29": "「だけど、安心するといい。\\n もう起きることはないからね、あのような事件は」",
"343000111_30": "「はあ……、とても信用はできないが……」",
"343000111_31": "「そんなことより――」",
"343000111_32": "「……うんうん。似合っているじゃないか、とても。\\n 用意したかいがあったよ、水着を」",
"343000111_33": "「水着、ありがとうだゾッ!」",
"343000111_34": "「まあ、確かにいいものだとは思いますけど」",
"343000111_35": "「うれしいね、気に入ってくれて」",
"343000111_36": "「警備をお願いしているとはいえ、せっかくの機会だ。\\n 息抜きもしていってくれ、存分にね」",
"343000111_37": "「ところで……」",
"343000111_38": "「なんだ?」",
"343000111_39": "「キミは着替えていないんだね、水着に。\\n 用意していたはずだよ、特注を」",
"343000111_40": "「オレは、遊ぶつもりで来たわけじゃないからな。\\n あの人の代役で来てやっただけだ」",
"343000111_41": "「残念だね、それは」",
"343000111_42": "「ふん……。オレは敷地内を見回る。\\n お前たちは、適当にしていろ」",
"343000111_43": "「せっかくですから、一緒に回ってみませんか?」",
"343000111_44": "「オレのことは気にせず行ってこい。\\n 飽きたら戻ってくればいい、それまでは自由だ」",
"343000111_45": "「そっか、マスターは一緒に来ないのカ……」",
"343000111_46": "「……」",
"343000111_47": "「それじゃあ、ガリィちゃんはのんびりとあちらで\\n 時間を潰し――」",
"343000111_48": "「ガリィ、あっちに洞窟みたいなの見つけたんだゾッ!\\n 行ってみるゾッ」",
"343000111_49": "「なんであたしが付き合わなきゃいけねーんだよッ!」",
"343000111_50": "「私たちも行ってみるか」",
"343000111_51": "「ミカが迷惑をかけないように見てないといけませんね」",
"343000111_52": "「ちょっと、早く来てくださいよー」",
"343000111_53": "「よーし、行くゾッ!」",
"343000111_54": "「あーッ!\\n プールサイドで猛ダッシュするんじゃねーッ」",
"343000111_55": "「頼むから騒ぎだけは起こしてくれるなよ……」"
}

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@ -0,0 +1,47 @@
{
"343000121_0": "――数時間後――",
"343000121_1": "「うーん、たくさん遊んだゾッ!」",
"343000121_2": "「振り回されるこっちの身にもなれよ」",
"343000121_3": "「ミカの派手な遊びっぷりはさすがだな」",
"343000121_4": "「私たちもなんだかんだ楽しんでしまいましたわね」",
"343000121_5": "「マスターッ! \\n マスターはどうだった」",
"343000121_6": "「目新しい……と言えばいいのか、\\n 変なものばかり見かけたな」",
"343000121_7": "「ライオンだのペリカンだの……。\\n こんなんじゃ、何か紛れ込んでもわからんだろう」",
"343000121_8": "「次はミカも見回りを手伝うんだゾッ!」",
"343000121_9": "「いらん。\\n 見回りくらいオレだけで事足りる」",
"343000121_10": "「それじゃ、あたしたちは何をしていましょう?\\n 見回るマスターの応援とか」",
"343000121_11": "「黙ってその辺にいればいいと言ったはずだ」",
"343000121_12": "「申し訳ございません、マスター」",
"343000121_13": "「仕方がない。\\n 地味に過ごすことにするか」",
"343000121_14": "「…………」",
"343000121_15": "「邪魔をするよ、お楽しみのところ。\\n 起きてしまったんだ、困ったことが」",
"343000121_16": "「チッ……」",
"343000121_17": "「なんだ? 厄介事はごめんだぞ」",
"343000121_18": "「パーク内に紛れ込んでしまったようなんだ、\\n はぐれ錬金術師がね」",
"343000121_19": "「しかも、いないときている。\\n 頼みの綱のサンジェルマンたちが」",
"343000121_20": "「見つけ出して対処してほしいんだ、\\n その錬金術師を」",
"343000121_21": "「……どんな奴だ?」",
"343000121_22": "「まだわからないんだ、なかなかしっぽが掴めなくてね」",
"343000121_23": "「……紛れ込んだと知っているのだから、\\n 少しは情報があるんだろう」",
"343000121_24": "「これでもここは厳重に管理された場所だよ。\\n 一般の者の目に留まったら大変だからね」",
"343000121_25": "「それを、掻い潜れるだけの力を持った者ということくらいかな」",
"343000121_26": "「可能性があるんだよ。\\n 君くらいの力を持っているかもしれないというね」",
"343000121_27": "「ふん、そんなのありえないな」",
"343000121_28": "「そう思うよ、僕もね。\\n だけど、すべきだろう。警戒は」",
"343000121_29": "「脅威になりえるからね、未知の者は」",
"343000121_30": "「……はあ」",
"343000121_31": "「頼みたかったんだけどね、サンジェルマンたちに。\\n でもよかったよ、代役がいて」",
"343000121_32": "「…………」",
"343000121_33": "「やってくれるだろう?」",
"343000121_34": "「……ああ、面倒だが仕方ない」",
"343000121_35": "「頼んだよ、僕はまだ仕事があるからね」",
"343000121_36": "「はあ、頭痛がしてきたぞ……」",
"343000121_37": "「いかがなさいますか、マスター?」",
"343000121_38": "「あいつが下手に動けば更に面倒が増えるのは目に見える。\\n オレがやるしかないだろう」",
"343000121_39": "「では、問題の錬金術師を探しましょう」",
"343000121_40": "「簡単に言いますけど、情報が何もないのに\\n どうやって探すんですかー」",
"343000121_41": "「この施設は広い。\\n 手分けして探してみるのはどうだ」",
"343000121_42": "「それがいいだろうな。\\n オレは人で十分だ、お前たちは組で――」",
"343000121_43": "「貴様がキャロル・マールス・ディーンハイムだな」",
"343000121_44": "「なんだ、お前は……?」"
}

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@ -0,0 +1,35 @@
{
"343000131_0": "「どこの誰か知らないが、オレは――」",
"343000131_1": "「貴様が持つ知識を寄越せッ!」",
"343000131_2": "「ぬかせ。誰に向かってそんな戯言を」",
"343000131_3": "「くッ、なんだこの網は……?」",
"343000131_4": "「私の研究で造り出した錬金術師対策の網だ。\\n たとえ貴様でも、この網からは簡単に逃れることはできまいッ」",
"343000131_5": "「ほう、こんなものでオレを捕らえようとはいい度胸だな」",
"343000131_6": "「そんな奴、マスターが手を出すまでもないゾッ!\\n あたしがぶっ飛ばしてやるんだゾッ」",
"343000131_7": "「ま、待て、ミカッ!?\\n お前の攻撃は――」",
"343000131_8": "「これでぶっ飛ばすゾッ!」",
"343000131_9": "「うわあああッ!? 目の前が真っ白になったゾッ!」",
"343000131_10": "「派手な水蒸気で前が見えないッ!」",
"343000131_11": "「このおバカッ! プールに向かってお前が攻撃したら\\n こうなることはわかるだろうがッ」",
"343000131_12": "「マスター、すぐに助けますッ!」",
"343000131_13": "「いや、オレは大丈夫だ。自力で――」",
"343000131_14": "「ハッハッハッ、私を助けてくれるとはな。\\n 馬鹿な自動人形だ」",
"343000131_15": "「言わせておけばッ!\\n ――そこかッ」",
"343000131_16": "「ぐはッ!?」",
"343000131_17": "「きゅう……」",
"343000131_18": "「なんという好機ッ!\\n 名高い錬金術師も、気を失ってしまえばこちらのもの」",
"343000131_19": "「……今の声はマスターのッ!?\\n あの錬金術師、マスターに何をッ」",
"343000131_20": "「いや、あなたの攻撃が当たったんじゃないですか?」",
"343000131_21": "「まさか、そんなはずは……」",
"343000131_22": "「このまま踊っていろ、間抜けどもめ……」",
"343000131_23": "「マスターが連れて行かれそうになってるんだゾッ!\\n すぐ助けるゾッ」",
"343000131_24": "「ちょっと、どこ触ってんですかッ!」",
"343000131_25": "「手探りで見つけようと」",
"343000131_26": "「あたしもやってみるんだゾッ!」",
"343000131_27": "「あんたがやったらケガ人が出るっつーのッ!」",
"343000131_28": "「全員、そこから動かないで。\\n 私が霧を払いますわッ」",
"343000131_29": "「マスターッ!」",
"343000131_30": "「どこにもいませんねー。\\n まさか、連れ去られるとは思いませんでしたよ」",
"343000131_31": "「代わりにアルカ・ノイズがいるゾッ!」",
"343000131_32": "「あの錬金術師が放ったものでしょう。\\n マスターを追いかける前にこれを排除しますよッ」"
}

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@ -0,0 +1,12 @@
{
"343000132_0": "「邪魔するんじゃないゾッ!」",
"343000132_1": "「ミカ、あまり近づきすぎるな。\\n 解剖器官に接触したら、派手に分解されてしまうッ」",
"343000132_2": "「真正面からぶつかってはダメですわ」",
"343000132_3": "「うーん、それはわかってるんだゾ……。\\n でも戦いにくいゾッ」",
"343000132_4": "「それなら離れて攻撃しろッ!」",
"343000132_5": "「それがいいですわ。\\n 避けながら剣を振るうのは神経を使いますからね」",
"343000132_6": "「ったく、手こずらせんじゃねえですよ」",
"343000132_7": "「今のが最後でしたから、\\n これでお片付けは終わりですね」",
"343000132_8": "「早く行かないと、\\n マスターが心配なんだゾ」",
"343000132_9": "「痕跡が必ずあるはずだ。\\n 見逃さずに戦おう」"
}

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@ -0,0 +1,19 @@
{
"343000141_0": "「見つけましたッ!\\n これはあの錬金術師の足跡ですわね」",
"343000141_1": "「でも、これ水際で途切れちゃってるゾ?」",
"343000141_2": "「たぶん、海の中を進んでるんじゃないですかね」",
"343000141_3": "「海の中にマスターを……」",
"343000141_4": "「困りましたわね」",
"343000141_5": "「ガリィはいいですけど、\\n 私たちは水辺での戦いが得意ではありませんし」",
"343000141_6": "「海の中なんて、\\n もってのほかなんだゾ」",
"343000141_7": "「かといって、あたしだけで戦うのは\\n 現実的じゃないですしね」",
"343000141_8": "「うーん、困ったんだゾ」",
"343000141_9": "「その前に、こいつらの相手をしないといけないな」",
"343000141_10": "「ですわね。考えるのは後にしましょう」",
"343000141_11": "「さっさと倒して、マスターの元へ」",
"343000141_12": "「水辺なんで、ガリィちゃんにお任せくださーい」",
"343000141_13": "「さすがガリィなんだゾッ!」",
"343000141_14": "「うっせーッ!\\n 海を沸騰させるような戦いだけはするなよッ」",
"343000141_15": "「がんばるゾ!」",
"343000141_16": "(でも、コイツ動きはいいんだよな。\\n 水かぶってむしろ強くなってるような……"
}

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@ -0,0 +1,16 @@
{
"343000142_0": "「先を急いでいるので消えてくださる?」",
"343000142_1": "「意外と早く片付きましたねー」",
"343000142_2": "「というか、ガリィちゃんのフォロー\\n あんまりいらなかった気がするんですけど」",
"343000142_3": "「今度は上手く戦えたんだゾッ!\\n でもなぜかはわからないんだゾッ」",
"343000142_4": "「確かに、水を纏うような攻撃ができたのは\\n 初めてでしたわ」",
"343000142_5": "「この水着のおかげで派手に動くことができた」",
"343000142_6": "「水着を作ったあの方が\\n 何かを施したのかもしれませんね」",
"343000142_7": "「アダムはすごいゾッ!」",
"343000142_8": "「あれでも錬金術師たちのトップですからね。\\n そういうことを片手間にちゃちゃっと」",
"343000142_9": "「さすが、というべきでしょうね。\\n 戻ったら、改めてお礼を言わなければいけませんわ」",
"343000142_10": "「あそこッ! 変な洞窟があるゾッ!」",
"343000142_11": "「ちょっと待って、あれって……。\\n はぐれ錬金術師とマスターじゃないですかッ」",
"343000142_12": "「この距離なら追いつけるかもしれませんわ。\\n 急ぎましょうッ」",
"343000142_13": "「私たちのマスターを攫った落とし前、\\n 派手につけさせてもらわないとな」"
}

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@ -0,0 +1,40 @@
{
"343000211_0": "水底の猛追",
"343000211_1": "「貴様ほどの錬金術師であれ、私の網を抜けられないか。\\n どうやら研究の成果はあったようだな」",
"343000211_2": "「…………」",
"343000211_3": "「これで、新たな知識をもって私は錬金術師として昇華される。\\n さらなる叡智をもたらし、世界はオレムの名を識るだろう」",
"343000211_4": "「結構なことだ。\\n オレの知識を手に入れたところでどうする」",
"343000211_5": "「長き時の中で錬金術師の矜持を忘れたか。\\n 哀れな娘よ」",
"343000211_6": "「ほう、なら教えてもらおうか。\\n その矜持とやらをな」",
"343000211_7": "「錬金術師とは真理の探究者。叡智を求め、頂を目指す。\\n ありとあらゆる知識を得ること、それは本能とさえいえる」",
"343000211_8": "「貴様の中にある知識は素晴らしい。\\n それがあれば、私は更なる高みを目指すことができる」",
"343000211_9": "「フッ、知識を得たところで、\\n お前に使いこなせる代物だと思っているのか」",
"343000211_10": "「そんなものは手に入れてからどうとでもなる。\\n この状況で何を言おうが無駄だ」",
"343000211_11": "「ふん、この程度の拘束でか?」",
"343000211_12": "「強がりはよせ。それとも、あの人形どもが\\n 助けに来るとでも思っているのか」",
"343000211_13": "「……人形どもだと?」",
"343000211_14": "「ありもしない希望にすがるとは情けないな」",
"343000211_15": "「……なんだと?」",
"343000211_16": "「あの人形どもは4体もいて、貴様を護れなかった。\\n それが事実だ」",
"343000211_17": "「あんなもの、所詮、機械仕掛けの道具に過ぎない。\\n 自動人形に希望を抱くのは無意味だ」",
"343000211_18": "「なんだ、えらく自動人形のことを嫌っているようだな。\\n 親でも殺されたか」",
"343000211_19": "「……私も一度、生み出したことがある。\\n アレは最初にして、最高の失敗作だが」",
"343000211_20": "「ふん、最高なのに失敗作?\\n なんとも愉快な話だな」",
"343000211_21": "「あの研究に先は無かった。故に最高の成果にして失敗作。\\n 本当に忌々しい……しかしだ」",
"343000211_22": "「…………」",
"343000211_23": "「アレは私の役に立っている」",
"343000211_24": "「若い私の顔を模したあの人形を殴るのは気持ちがいい。\\n 過去の自分を戒めているようでな、とても気分がいいんだ」",
"343000211_25": "「自分の失敗を自動人形相手に八つ当たりか。\\n 随分とできた錬金術師だな」",
"343000211_26": "「道具としてマスターの役に立てることは人形の本望だろう。\\n アレもひどく喜んでくれる」",
"343000211_27": "「要らぬなら、破壊すればいいものを」",
"343000211_28": "「私はアレを否定しない。失敗もまた、知識の昇華である。\\n 私はッ 私を決して否定などしないッ」",
"343000211_29": "「だが、成功しなければ先は無い。\\n 成果を示さなければ、誰に認められることもないッ」",
"343000211_30": "「結局は他者に認めてもらうための力か。\\n 錬金術師のくせに、俗物めいた考え方だな」",
"343000211_31": "「貴様も同じだろう。\\n あんな失敗作を身近に置いているのだから」",
"343000211_32": "「オレの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>をお前のものと一緒にするな。\\n オレはあいつらが必要だから造ったんだ」",
"343000211_33": "「アハハハッ! 面白い、ならばいつまでも待ち続けるがいい。\\n 間に合うかはわからないがな」",
"343000211_34": "「今のうちに逃げる準備をしておけ。\\n そう時間はかからないだろうからな」",
"343000211_35": "「貴様こそ、頭の中をかき回される覚悟をしておけ」",
"343000211_36": "(……さっさとこいつを倒して帰るのが\\n 一番手っ取り早いが……",
"343000211_37": "(……まあ、このまましばらく捕まっておいてやるか。\\n あいつらに頼ってみるのも面白そうだからな"
}

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@ -0,0 +1,21 @@
{
"343000221_0": "「あの錬金術師はこの洞窟に入っていったはずだゾ」",
"343000221_1": "「かなり入り組んでいるみたいですねー。\\n 見失わないように気をつけないと」",
"343000221_2": "「どうした、先程から黙っているようだが」",
"343000221_3": "「……マスターはなぜ捕まったまま、\\n 何も抵抗をしないのかしら」",
"343000221_4": "「マスターがへましちゃったんだゾ」",
"343000221_5": "「お前じゃねーんだから、\\n そんなのありえないだろッ」",
"343000221_6": "「マスターが手こずるなんて、\\n 相当な錬金術の使い手なのか……」",
"343000221_7": "「小物のはぐれ錬金術師だと思って高を括りましたが、\\n 厄介な力を持っているのかもしれませんわね」",
"343000221_8": "「ただの婆さんかと思いきや、\\n 困りましたねー」",
"343000221_9": "「マスターを確実に助けるなら、\\n 錬金術師協会の局長に手を借りるか」",
"343000221_10": "「いけませんわ。その間に、\\n マスターにもしものことがあったら……」",
"343000221_11": "「そんなの嫌だゾッ!\\n 海底でもなんでも突っ込むんだゾッ」",
"343000221_12": "「まあこの水着があれば4人で戦えますしね。\\n それに、ガリィちゃんの得意なフィールドだし」",
"343000221_13": "「ええ、戻るという選択肢はありえませんわ。\\n 警戒は怠らず、今は追いつくことに専念しましょう」",
"343000221_14": "「クッ、どうも派手に出てきたがる奴らだな」",
"343000221_15": "「まあ、湧いてくれれば\\n 道順のヒントになるからいーですけど」",
"343000221_16": "「でも邪魔なんだゾーッ!」",
"343000221_17": "「おいッ!\\n 戦い方に気をつけろって、何度も言わせんじゃねーッ」",
"343000221_18": "「あの錬金術師も見失わないように。\\n いきますよッ」"
}

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@ -0,0 +1,32 @@
{
"343000222_0": "「派手に散れッ!\\n ――ラストショットッ」",
"343000222_1": "「終わりだ、マスターを追いかけるぞ」",
"343000222_2": "「追いかけるって、どっちにですか?」",
"343000222_3": "「……待て、あの錬金術師はどこに行ったッ!?」",
"343000222_4": "「あたしはわかんないですよー。\\n 誰か見ててくれたんじゃないですか」",
"343000222_5": "「安心していいゾ。\\n あたしがちゃんと見ておいたんだゾッ」",
"343000222_6": "「どこへ向かった?」",
"343000222_7": "「右の通路を進んでいったはずだゾッ!」",
"343000222_8": "「え? 私には左側の通路を進んでいったように\\n 見えましたが……」",
"343000222_9": "「ちゃんと見ていたんだゾ。\\n ここを右に向かったんだゾッ」",
"343000222_10": "「あれだけ前で暴れてて、\\n 本当に見えてたのかよ」",
"343000222_11": "「私はやはり左だと思いますわ」",
"343000222_12": "「これは地味に混乱してきたな」",
"343000222_13": "「だから、右だって言っているんだゾーッ!」",
"343000222_14": "「とにかく、このまま真っ直ぐ進んでダメだったら、\\n 引き返せばいいと思うんですけど」",
"343000222_15": "「寄り道をしている余裕はありませんわ。\\n 相手の技量がわからない以上、分かれるのも危険ですし……」",
"343000222_16": "「早く決めないともうマスターに会えなくなっちゃうゾッ!」",
"343000222_17": "「マスターにもう……」",
"343000222_18": "「そうですね。私たちがこんなことをしている間に\\n マスターが何かされていたら……」",
"343000222_19": "「マスターだから大丈夫だとは思いますけど、\\n 状況が状況ですからね」",
"343000222_20": "「マスター……」",
"343000222_21": "「……足踏みしているくらいなら、\\n ここは危険だけど、手分けして探したほうがいいかしら」",
"343000222_22": "「だが、それでは、\\n 錬金術師を見つけたときに――」",
"343000222_23": "「ガリィ――ッ!?」",
"343000222_24": "「こいつら、いつの間にッ!?」",
"343000222_25": "「ふぅ……、危なかったですよー。\\n ミカ、よく倒しましたねー」",
"343000222_26": "「あたしじゃないゾ?」",
"343000222_27": "「は? じゃあ、今のは……」",
"343000222_28": "「怪我、無イ?」",
"343000222_29": "「あなたは……自動人形?」"
}

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@ -0,0 +1,41 @@
{
"343000231_0": "「怪我、無イ?」",
"343000231_1": "「怪我はありませんけど、\\n えっと、あなたはどこのどちらさまですか」",
"343000231_2": "「メロウッ!」",
"343000231_3": "「あたしはミカッ!\\n お前、人魚みたいな自動人形だゾッ」",
"343000231_4": "「水中、泳ゲル、人形」",
"343000231_5": "「あまり多くは喋れないようだな」",
"343000231_6": "「自動人形ということは\\n おそらく、あの錬金術師の……」",
"343000231_7": "「そう考えるのが自然だろうな」",
"343000231_8": "「でも、あたしたちを襲ってこないですね。\\n むしろさっき助けてもらっちゃいましたけど」",
"343000231_9": "「メロウはどこから来たんだゾ?」",
"343000231_10": "「海底、研究所」",
"343000231_11": "「なるほど。この先に研究所があるんですね。\\n となると、マスターはそこへ連れ去られたのでは」",
"343000231_12": "「メロウ、案内」",
"343000231_13": "「もういっそ罠でもいいんじゃないですかー。\\n ここで足踏みしているよりは」",
"343000231_14": "「虎穴に入らずんば、ということか」",
"343000231_15": "「メロウ、あたしたちを案内してほしいゾッ!」",
"343000231_16": "「任セテ」",
"343000231_17": "「なるほど、洞窟の中はこのように入り組んでいたのね。\\n これでは、侵入者がたどり着くのは不可能ですわ」",
"343000231_18": "「道案内が無ければ、派手に迷っていたな」",
"343000231_19": "「コレ、オススメ」",
"343000231_20": "「ん? 気になるんだゾッ!」",
"343000231_21": "「海苔。キズヨク治ル」",
"343000231_22": "「これは薬草みたいですねー。\\n まあ、あくまでキズが治るのは人間だけですけど」",
"343000231_23": "「自動人形には関係ないのに、\\n メロウは物知りなんだゾッ」",
"343000231_24": "「コレ、美味」",
"343000231_25": "「これも料理に使う海藻のようですねー……」",
"343000231_26": "「って、案内役が道を逸れちゃダメじゃないですかー」",
"343000231_27": "「見た目からして幼くはないですが、\\n 好奇心が旺盛な子のようですね」",
"343000231_28": "「メロウ、これも食べられるのかッ!」",
"343000231_29": "「ソレ、不味イ。マスター、嫌イ」",
"343000231_30": "「どこかの誰かさんとは気が合いそうで何よりですよ」",
"343000231_31": "「メロウが海藻とか詳しいのは、\\n 自分で勉強したのカ」",
"343000231_32": "「違ウ。マスター、教エタ」",
"343000231_33": "「あなたのマスターって、\\n 銀髪で高齢のお婆様ではないかしら」",
"343000231_34": "「ソウ。マスター、オレム。\\n メロウ、造ッタ」",
"343000231_35": "「やはり、あの老婆の自動人形でしたか」",
"343000231_36": "「マスター、知リタイ?」",
"343000231_37": "「そうですね、できる限り情報を教えてくれると、\\n こちらとしては助かりますよ」",
"343000231_38": "「我ガマスター、オレム……。\\n 錬金術師、高ミ、目指ス。メロウ手伝ッテキタ」"
}

Zobrazit soubor

@ -0,0 +1,66 @@
{
"343000311_0": "道具として在ること",
"343000311_1": "「メロウ、マスター、最初ノ自動人形」",
"343000311_2": "「あたしたちと同じなんだゾッ!」",
"343000311_3": "「同ジ……? マスター、オレムッ!?」",
"343000311_4": "「違いますよー。\\n うちのマスターは荒っぽいけど最強のマスターですから」",
"343000311_5": "「ヨカッタ。オレム、メロウダケ、マスター」",
"343000311_6": "「マスターのことが好きなんだな」",
"343000311_7": "「マスター、メロウ、似セタ。マスター、海スキ。\\n メロウ、マーメイドッ」",
"343000311_8": "「海が好きだから人魚ということはわかりましたが、\\n 似せたというのは」",
"343000311_9": "「メロウ、マスター、若イ時」",
"343000311_10": "「ははーん、なるほど。\\n あの錬金術師の若い頃に似せたってことでは」",
"343000311_11": "「正解」",
"343000311_12": "「どこのマスターも似たようなことを考えるものですね」",
"343000311_13": "「ミンナ、一緒?」",
"343000311_14": "「ガリィたちはマスターの精神構造の一部をベースに\\n デザインされてますからねー」",
"343000311_15": "「広い意味では、マスターを\\n もとに造られたと言ってもいいかもしれない」",
"343000311_16": "「メロウ、1人ダッタ。\\n 友達、嬉シイ」",
"343000311_17": "「私たちが……」",
"343000311_18": "「友達か?」",
"343000311_19": "「いや、敵じゃないですか」",
"343000311_20": "「ミンナ、人形。メロウ、同ジ。\\n 似テル、友達ッ」",
"343000311_21": "「いいゾ、友達だゾッ!」",
"343000311_22": "「自動人形同士だからって、\\n 友達ってのはどうなんですかね」",
"343000311_23": "「友達、ダメ?」",
"343000311_24": "「ダメとは言いませんけど。\\n なんといいますか、変な感じがして」",
"343000311_25": "「フフッ、友達になりたいと言われて\\n 恥ずかしがっているのかしら」",
"343000311_26": "「何を見当違いなこと言ってるんですか。\\n ガリィちゃんがそんなこと思うわけないじゃないですかー」",
"343000311_27": "「……」",
"343000311_28": "「はいはい、友達でいいんじゃないですか。\\n 別に困ることもないですしねー」",
"343000311_29": "「ミンナ、メロウ、友達。\\n 沢山、オ客様、マスター、歓迎スル」",
"343000311_30": "「人が来るとあなたのマスターは喜ぶのですか?」",
"343000311_31": "「ワカラナイ。マスター、1人。\\n 人、沢山来ル、楽シイ」",
"343000311_32": "「派手な出迎えが待っているのか?」",
"343000311_33": "「となるとこちらは、\\n より警戒しないといけませんわね」",
"343000311_34": "「なあ、そのオレムとかいう錬金術師は\\n 自動人形ばっかり造ってたのカ」",
"343000311_35": "「メロウ、ダケ。\\n 今、色ンナ錬金術」",
"343000311_36": "「アルカ・ノイズ、沢山」",
"343000311_37": "「どおりでぽんぽん湧いてきたわけですね」",
"343000311_38": "「多岐にわたっての研究をしてきたんだな」",
"343000311_39": "「正直見くびっていましたけど、\\n 力のある錬金術師ということかしら」",
"343000311_40": "「どうせどっかでレシピ見つけたんでしょう」",
"343000311_41": "「デモ、オレム、失敗、多イ。\\n メロウ、イツモ片付ケル」",
"343000311_42": "「マスター、作ッタゴ飯、失敗。\\n メロウ、投ゲル」",
"343000311_43": "「投げるって、メロウにカッ!?」",
"343000311_44": "「自動人形、片付ケル。メロウノ役目」",
"343000311_45": "「私たちのマスターは\\n 何かを投げつけるなんてことしませんわ」",
"343000311_46": "「冷たいのは日常茶飯事ですけど、\\n さすがにそんなことはないですね」",
"343000311_47": "「メロウ、マスター、ダケ、自動人形。\\n 役ニ立テル、嬉シイ」",
"343000311_48": "「嬉しい、ね……。\\n そういうものなんですかね、自動人形は」",
"343000311_49": "「ソレガ自動人形、使命。\\n マスター、イツモ言ウ」",
"343000311_50": "「使命……」",
"343000311_51": "「ちょっと待て。\\n よく見れば体中が傷だらけではないか」",
"343000311_52": "「これは、何かをぶつけられてできる傷ではありませんわ。\\n どう考えても……」",
"343000311_53": "「マスターの役に立てたら嬉しいけど、\\n 何されてもイイってわけじゃないんだゾッ」",
"343000311_54": "「自動人形、痛ミ、大丈夫。\\n 少シ、体動キニククナル、ダケ」",
"343000311_55": "「話を聞く限り、あの錬金術師の自動人形のようですが、\\n あまり大切にされていないようですわ」",
"343000311_56": "「何故だか、地味に腹が立つな……」",
"343000311_57": "「マスター、メロウ、必要ダカラ。\\n 殴ル、ソレモ必要。メロウ、役ニ立ツ」",
"343000311_58": "「それ、ただの八つ当たりじゃないですか。\\n そんなことされてよく我慢ができますね」",
"343000311_59": "「メロウ、役ニ立ツ、嬉シイ。\\n 痛イ、平気。マスター、落チ着ク」",
"343000311_60": "「マスターが違うだけで、こうも待遇が違うのか。\\n お互いにそれで問題無いならいいのだが」",
"343000311_61": "「ミンナ、マスター、違ウ?」",
"343000311_62": "「そうだゾッ!\\n あたしたちのマスターは優しいんだゾッ」",
"343000311_63": "「マスター、優シイ?」"
}

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@ -0,0 +1,24 @@
{
"343000321_0": "「私たちのマスターは確かに、\\n 素っ気ないところもありますが……」",
"343000321_1": "「だが、それは私たちを信頼してくれているからこそ、\\n こちらに判断を委ねてくれているということだ」",
"343000321_2": "「うちのマスターは身内に甘いですからねー。\\n なんだかんだと言いながらガリィちゃんたちのことを――」",
"343000321_3": "「あ、でも……、\\n プールで一緒に遊んでくれなかったゾ」",
"343000321_4": "「遊ンデクレナイ?」",
"343000321_5": "「おいッ、マスターが優しいって言い始めた\\n お前がそれを言うのかよッ」",
"343000321_6": "「最初に思い出したのがそれだったから仕方ないゾ。\\n で、でも、マスターが優しいのは本当だゾッ」",
"343000321_7": "「ホント? マスター、優シイ?」",
"343000321_8": "「改めて聞かれると、\\n 答えに迷ってしまいますわね」",
"343000321_9": "「私たちがそう思い込んでいるだけで、\\n 地味に放って置かれた、とも受け取れるな」",
"343000321_10": "「うーん、意外と粗雑に扱われていたのかもしれませんね」",
"343000321_11": "「あたしたちはマスターしか、マスターを知らないゾ。\\n 他のマスターも同じ……」",
"343000321_12": "「同じ境遇、同じ自動人形。\\n マスターは違うと思っていましたけど……」",
"343000321_13": "「でも、マスターを助けたいって想いは変わらないゾッ!」",
"343000321_14": "「そりゃあ、あたしたちのマスターなんだし、\\n 助けたいと思うのは当たり前でしょうよ」",
"343000321_15": "「道具は道具らしく使命を果たせ、ということか」",
"343000321_16": "「メロウ、マスター、必要、ナンデモスル」",
"343000321_17": "「ふむ、似ているのかもしれないな。\\n 私たちもマスターのためなら、なんでもする」",
"343000321_18": "「どれだけ汚いことをしようが、世界を敵に回そうが……。\\n 確かに、使命って感じですねー」",
"343000321_19": "「まあ、それで何も問題ないですけど」",
"343000321_20": "「アルカ・ノイズッ!」",
"343000321_21": "「マスター、アルカ・ノイズ、失敗。\\n メロウ、片付ケル」"
}

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@ -0,0 +1,27 @@
{
"343000322_0": "「はいはい、お邪魔ですからどいてくださいねー」",
"343000322_1": "「この水着も慣れてきたもんですね。\\n とはいえ、メロウのフォローで助かりましたけど」",
"343000322_2": "「しかし、あれは錬金術師が用意したアルカ・ノイズのはず。\\n なぜ、派手にメロウが攻撃していた」",
"343000322_3": "「ミンナ、マスター、オ客様。\\n メロウ、護ル、案内」",
"343000322_4": "「お客様?」",
"343000322_5": "「そういえば、さっきの会話でもお客様と言っていたな」",
"343000322_6": "「あー、ガリィたちが錬金術師のことを聞いたから、\\n 客人だと思いこんでるんじゃないですかねー」",
"343000322_7": "「騙しているようで気が引けますけど、\\n マスターのもとへ向かうためには仕方ないですわね」",
"343000322_8": "「それにしても……」",
"343000322_9": "「やけにアルカ・ノイズと戦い慣れているな。\\n それも教えてもらったのか」",
"343000322_10": "「メロウ、失敗、片付ケル」",
"343000322_11": "「まさか、自分の自動人形と\\n 造ったアルカ・イズを戦わせていたということ」",
"343000322_12": "「メロウ、戦ウ。メロウ、勝ツ。\\n アルカ・イズ、失敗」",
"343000322_13": "「自分の自動人形に勝てないなら必要ないと。\\n なかなか面白いことをしますね」",
"343000322_14": "「研究所、スグソコ。\\n 間モ無ク、到着」",
"343000322_15": "「マスターのためと客人を案内する。\\n 自動人形として尽くそうという気持ちはわかります」",
"343000322_16": "「だが、メロウはその尽くそうとしているマスターに\\n 傷つけられている……」",
"343000322_17": "「同じ自動人形なんですけどねー」",
"343000322_18": "「あたしたちもマスターにとって\\n 道具と変わらないのカ」",
"343000322_19": "「それで問題無いんじゃないですかね。\\n だって、ガリィたちはマスターに造られたんですから」",
"343000322_20": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>ってそういうものだゾ?」",
"343000322_21": "「ええ、マスターのために尽くすのが私たち。\\n 道具と思われようが関係ありません」",
"343000322_22": "「ですが……」",
"343000322_23": "「地味に何か引っかかる……」",
"343000322_24": "「……ええ」"
}

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@ -0,0 +1,20 @@
{
"343000411_0": "マスターと自動人形",
"343000411_1": "「ここが錬金術師の研究所か」",
"343000411_2": "「あそこにいるのは……マスターッ!?」",
"343000411_3": "「よかった、マスター無事だゾッ!\\n すぐに助けるゾッ」",
"343000411_4": "「ああ、早くしてくれ。\\n いい加減、ここにいるのも飽きたところだ」",
"343000411_5": "「ほう、どんな方法を使って、ここへたどり着けた。\\n あの洞窟は容易く抜けられるものではないはずだが」",
"343000411_6": "「マスター、オ客様、連レテキタ。\\n メロウ、無事、案内」",
"343000411_7": "「お前がこいつらを連れてきたのか?」",
"343000411_8": "「……この無能がッ!」",
"343000411_9": "「無断で研究所を抜け出し、侵入者をここへ案内するなど\\n 愚行の極みだな」",
"343000411_10": "「メロウ、マスター、ゴ飯、ツクル。\\n オ客様、沢山、材料、沢山イル、思ッタ」",
"343000411_11": "「ふざけるなッ!\\n こいつらは客人ではない」",
"343000411_12": "「ゴメンナサイ……。\\n メロウ、オ客様、マスター、喜ブ……」",
"343000411_13": "「その口を閉じろ。所詮は出来損ないの人形めが……、\\n 邪魔だ、下がっていろ」",
"343000411_14": "「来てしまったのであれば、処分すればいいだけのこと」",
"343000411_15": "「人形どもを分解してしまえ」",
"343000411_16": "「マスター、すぐに助けてあげますから、\\n もう少し縛られていてくださいねー」",
"343000411_17": "「いいから早く終わらせろ」"
}

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@ -0,0 +1,15 @@
{
"343000412_0": "「派手に散れッ!」",
"343000412_1": "「警戒するだけ無駄だったんじゃないですか?\\n この錬金術師、大したことないですよ」",
"343000412_2": "「では、どうしてマスターは……」",
"343000412_3": "「メロウ、お前も戦え。処分は得意だろう?」",
"343000412_4": "「来テクレタ、オ客様、戦ウ?」",
"343000412_5": "「ガラクタのくせに、いちいち聞き返すなッ!\\n これは命令だ、壊れるまであの人形共と戦い続けろ」",
"343000412_6": "「メロウ、戦ウ。",
"343000412_7": " 対象、敵対、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>ッ!」",
"343000412_8": "「メロウッ!?」",
"343000412_9": "「目つきが変わっただと……」",
"343000412_10": "「敵意の行き先は――私たち……」",
"343000412_11": "「ちょっと、勘弁してくださいよー。\\n こんな展開は聞いてない……ですって」",
"343000412_12": "(……なんだ? こいつらの反応は?)"
}

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@ -0,0 +1,14 @@
{
"343000421_0": "「どうやら、彼女を抑えなければ、\\n マスターを助けることはできないようです」",
"343000421_1": "「ならば、派手に戦うしか」",
"343000421_2": "「まあ……マスターを助け出すために\\n ここまで来たわけですからね」",
"343000421_3": "「メロウと戦うんだゾ?」",
"343000421_4": "「そうだよッ!\\n それしかねーって言ってんだろーが」",
"343000421_5": "「……とはいえ、彼女の助けが無ければ、\\n ここまでたどり着くことはできなかったでしょうね」",
"343000421_6": "「だが、戦わなければ、\\n マスターを救うことができない」",
"343000421_7": "「恩を仇で返すことになりますけど、\\n マスターのためだと思えば、あちらも納得でしょう」",
"343000421_8": "「とにかく、動けなくすればいいだけですわ。\\n 完全に破壊しなければ、なんとでもなります」",
"343000421_9": "「わかったゾッ!」",
"343000421_10": "「目標、排除、開始ッ!」",
"343000421_11": "(ったく、なんでこんな\\n やりづらいんですか……"
}

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@ -0,0 +1,10 @@
{
"343000422_0": "「敵、排除ッ!」",
"343000422_1": "「味方だったものが敵になると、\\n ここまで厄介だとは思いませんでしたわ」",
"343000422_2": "「攻撃が地味に読まれている。\\n 私たちを近くで見ていただけのことはあるということか」",
"343000422_3": "「このバカ、何やってんだッ!\\n 攻撃が全然、通ってねーじゃねーかよッ」",
"343000422_4": "「だって、上手く当たらないんだゾッ!」",
"343000422_5": "「どれほどの力かと警戒していたが、アレ1体で十分とは。\\n 所詮、貴様の人形も失敗作か」",
"343000422_6": "(あのメロウとかいう自動人形が弱いというわけではない。\\n だが、それにしてもあいつらがあそこまで押されるものか",
"343000422_7": "(全員、十分に力を発揮しているとは思えない。\\n ここに来るまでに何があった……"
}

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@ -0,0 +1,39 @@
{
"343000431_0": "「マスター、命令、敵、壊レルマデ」",
"343000431_1": "「くッ! 躊躇がないなッ!」",
"343000431_2": "「メロウはマスターの命令に一切抗うことなく、\\n 違和感も持たず、私たちを攻撃してきています」",
"343000431_3": "「迷いが無いだけ強いとでも言いたいんですか。\\n でもあれじゃあ、ただ命令を聞くだけの道具じゃないですか」",
"343000431_4": "「だが、あれが正しい形ではないのか。\\n 自動人形として――」",
"343000431_5": "「そんなことはわかってますよ。\\n 道具である自分たちが、この戦いに私情を持ち込むなんて」",
"343000431_6": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>、倒スッ!」",
"343000431_7": "「メロウッ! あのマスターの命令を聞くの、\\n 嫌じゃないのカ」",
"343000431_8": "「マスター、命令。\\n 敵、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>、破壊」",
"343000431_9": "「無駄なんだよッ!\\n そんなこと聞いたってッ」",
"343000431_10": "「なんだか、変な感じがするゾ……。胸がモヤモヤする……。\\n 本当にメロウを倒さなきゃいけないのカ」",
"343000431_11": "「……ええ。マスターを護るために、目の前の敵と対峙するのは\\n 私たちの役目ですから」",
"343000431_12": "「躊躇う時間は地味に無い」",
"343000431_13": "「何をしている?\\n 手段を選ばず壊せッ 早くしろッ」",
"343000431_14": "「了解、マスター」",
"343000431_15": "「うッ!?」",
"343000431_16": "「……防ぐだけならなんとでもなりますが、\\n これではジリ貧ですわ」",
"343000431_17": "「あちらのマスターが止めない限りは、命令通りに動くでしょうね。\\n 例え、メロウ自身が壊れるようなダメージを受けても……」",
"343000431_18": "「じゃあ、大人しくさせても無駄なのカ?」",
"343000431_19": "「そんなことはわからない。\\n だが、彼女をただ破壊するだけなど……」",
"343000431_20": "「……そうか、そういうことだったのか」",
"343000431_21": "「何を理解した。\\n 自分の人形では勝てないと悟ったかッ」",
"343000431_22": "「ああ、勝てないだろうな。\\n あいつらは勝つつもりがそもそも無いのだから」",
"343000431_23": "「なんだと?」",
"343000431_24": "「お前たち、よく聞けッ!」",
"343000431_25": "「マスターッ!?」",
"343000431_26": "「責任はオレが取る。",
"343000431_27": " これは命令だ、全力で戦えッ!」",
"343000431_28": "「マスター……」",
"343000431_29": "「私たちのマスターが全力で戦えと言うのであれば」",
"343000431_30": "「もう迷いませんわ」",
"343000431_31": "「相手が誰であろうとッ!」",
"343000431_32": "「全力で戦ってやるゾッ!」",
"343000431_33": "「命令1つで人形の性能が上がるとでも思ったのか。\\n 何も変わりはしない、何もな」",
"343000431_34": "(お前たちがどんなことで迷っているのかは知らん。\\n あいつを助けようとする理由も",
"343000431_35": "(だが、それが枷になっているのであれば、\\n そんなものはオレが断ち切ってやる",
"343000431_36": "(それは他の誰にもできはしない。\\n お前たちのマスターであるオレにしかできないことだ"
}

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@ -0,0 +1,42 @@
{
"343000432_0": "「ごめんなさいね、こちらもあなたの動きは見切らせてもらったわ。\\n もう私に攻撃は届きません」",
"343000432_1": "「攻撃、届カナイ?」",
"343000432_2": "「地味に接近しようとしても無駄だ。\\n 私がそれを許さないからな」",
"343000432_3": "「ドウシテ、近ヅケナイ?」",
"343000432_4": "「動けないようにガリィちゃんが凍らせましたからね。\\n 悪いですけど、もう避けることすらできませんよ」",
"343000432_5": "「攻撃、避ケラレナイ?」",
"343000432_6": "「ごめん、あたしが動けなくなるように\\n ちゃんと解剖してやるゾッ」",
"343000432_7": "「アアアアア――ッ!」",
"343000432_8": "「ば、バカな、戦いは互角だったはずだ。\\n それがなぜこうも一方的に……」",
"343000432_9": "「命令通り、全力で戦いましたわ。マスター」",
"343000432_10": "「よくやった。\\n さて、オレもそろそろこいつを捕まえて帰るとするか」",
"343000432_11": "「なッ……」",
"343000432_12": "「私の網を……いとも簡単に……」",
"343000432_13": "「相手の力量すら測れないお前に、\\n 最初から勝ち目なんてものは無かったんだ」",
"343000432_14": "「さあ、覚悟はできているな。\\n 一体、誰にケンカを売ったのかわからせてやる」",
"343000432_15": "「くッ……」",
"343000432_16": "「おいッ、駄目人形ッ!\\n いつまで寝ているッ 命令だ、私を護れッ」",
"343000432_17": "「あいつらの攻撃をまともに受けたんだ。\\n 動けるわけがない」",
"343000432_18": "「マ、マスター……マスター、護ル……」",
"343000432_19": "「あれだけの攻撃を受けてまだ動くのかッ!?」",
"343000432_20": "「あんな状態でもまだマスターの命令を……」",
"343000432_21": "「何年も、何十年も錬金術師として研究を重ねてきた。\\n この私がここで終わるはずがない、終わっていいはずがないッ」",
"343000432_22": "「マスター、護、ル……敵、排除……」",
"343000432_23": "「そうだ、全力で蹴散らせッ!」",
"343000432_24": "「お前は私の人形だ。四肢を失おうと命令を実行しろッ!\\n 道具として最期まで働くのだッ」",
"343000432_25": "「フル、パワー……壊レ……」",
"343000432_26": "「もういい、見ていられん。\\n お前たちはその自動人形を押さえつけ――」",
"343000432_27": "「マス、ター……メロウ、最期……、命令……」",
"343000432_28": "「こいつ、どこを攻撃しているんだッ!?」",
"343000432_29": "「攻撃の出力を上げているのに\\n 踏ん張りが効いていませんわ」",
"343000432_30": "「これでは軌道が読めないぞッ!」",
"343000432_31": "「アハハハッ! そうだ、それでいいッ!\\n 躰体が砕けようと殲滅するまで撃ち続けろッ」",
"343000432_32": "「こいつらさえ始末できればいいッ!\\n そうすれば、私は錬金術師として――」",
"343000432_33": "「えッ……?」",
"343000432_34": "「うあああああッ!!」",
"343000432_35": "「マ、スター……」",
"343000432_36": "「ふん、ここは海底にある研究所だぞ。\\n 手当たり次第に攻撃をしていれば、いずれ亀裂が入り崩壊する」",
"343000432_37": "「そんなことも予測できなかったか」",
"343000432_38": "「……いや、瓦礫の下ではもう声すら届かないだろうな。\\n 哀れな錬金術師には妥当な最期だ」",
"343000432_39": "「マ<size=28>ス、</size><size=26>ター……</size><size=24>ド、</size><size=23>コ……マス――</size>」"
}

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@ -0,0 +1,37 @@
{
"343000441_0": "「事件の犯人が死亡してしまっては、もうここに用はない。\\n 完全に崩れる前に戻るぞ」",
"343000441_1": "「はい、マスター」",
"343000441_2": "「……」",
"343000441_3": "「その自動人形は完全に機能停止した。\\n あれだけ無茶をしたんだ、当然といえば当然だがな」",
"343000441_4": "「ええ、まあそうなんですけどね……」",
"343000441_5": "(やはり、あの自動人形が気になっているようだな。\\n こいつらがこんな顔をするとは",
"343000441_6": "「…………」",
"343000441_7": "「……お前たち、その自動人形を運べるか?」",
"343000441_8": "「運べるかとは、どういうことでしょう?」",
"343000441_9": "「あの錬金術師は死んでしまったからな。\\n ただ、何も得られずに帰るのも気に食わん」",
"343000441_10": "「あれの自動人形なら、何か有益な情報を持っているだろう。\\n 連れて行くだけの価値はある」",
"343000441_11": "「いいんですかね。\\n 彼女はガリィたちを攻撃してきた敵ですけど」",
"343000441_12": "「命令をされたから攻撃してきただけだ。\\n だって、自動人形なのだからな――」",
"343000441_13": "「命令だ、地上に戻るまで落とさずに連れてこい」",
"343000441_14": "「わかったゾ、マスターッ!」",
"343000441_15": "「メロウ、メロウッ! 一緒に行くゾッ!」",
"343000441_16": "「……」",
"343000441_17": "「機能は停止してんだから、答えらんないだろ」",
"343000441_18": "「ったく、あんたの手で持つと、\\n 余計に壊れるんだから、触るな」",
"343000441_19": "「うぅ、動けないようにやったけど、やりすぎちゃったゾ……」",
"343000441_20": "「マスターを救うために必要なことでしたわ。\\n それに命令でもありましたから」",
"343000441_21": "「そして今は彼女を救えという命令を受けている。\\n ならば、全力でその意に応えてみせよう」",
"343000441_22": "「まあ、うちのマスターは優秀ですからねー。\\n これくらいならちゃちゃっと直しちゃうんじゃないですか」",
"343000441_23": "「だと嬉しいゾッ!\\n また、メロウと話したいんだゾッ」",
"343000441_24": "「連れ出すのにどれだけ時間がかかっているんだ。\\n さっさとここを出るぞ」",
"343000441_25": "「了解です、マスター」",
"343000441_26": "「降ってくる邪魔な瓦礫はオレが蹴散らす。\\n お前たちは後ろからついて来い」",
"343000441_27": "「まったく、変な事件に巻き込まれてしまったな……」",
"343000441_28": "「なあ、ガリィ……」",
"343000441_29": "「なんですか、彼女を持ちたいってお願いなら\\n 却下ですからねー」",
"343000441_30": "「やっぱり、自動人形はマスターの道具なのカ?」",
"343000441_31": "「……まあ、少なくともあの錬金術師とメロウの関係は\\n それ以上のものじゃなかったんじゃねーの」",
"343000441_32": "「それでいいんですよ。マスターのお役に立てるなら……」",
"343000441_33": "「ああ、私たちはマスターのために\\n 存在している人形だからな」",
"343000441_34": "「そっか……」"
}

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@ -0,0 +1,90 @@
{
"343000511_0": "特別なマスター",
"343000511_1": "「やっと外に出られたか。\\n お前たちも大丈夫だな」",
"343000511_2": "「はい、問題無く」",
"343000511_3": "「まずはあの男に報告しに行かないとなんだが」",
"343000511_4": "「来る必要はないよ、僕が来たのだから」",
"343000511_5": "「随分と遅い到着だな、今までどこで何をしていた」",
"343000511_6": "「待っていたんだよ、\\n キミたちがはぐれ錬金術師を捕らえるのを」",
"343000511_7": "「待っていただと?\\n それはどういうことだ」",
"343000511_8": "「キミを狙うと思っていたからね、知識を求めて。\\n そういう錬金術師だからさ、あのオレムは」",
"343000511_9": "「全部知っていたのかッ!」",
"343000511_10": "「全部は知らなかったよ、残念ながらね。\\n ただ、僕かキミだろうね、あの場で狙うのなら」",
"343000511_11": "「オレのことを餌にしたのか?」",
"343000511_12": "「逃したくなかったからね、この機会を」",
"343000511_13": "「やってくれたな」",
"343000511_14": "「簡単に返り討ちにできると思ったんだよ、キミならね」",
"343000511_15": "「その期待通り、返り討ちにしてやったぞ。\\n ……まあ、奴は死んだがな」",
"343000511_16": "「そうか……」",
"343000511_17": "「とにかくよかったよ、キミたちが無事で。\\n しないといけないね、礼を」",
"343000511_18": "「ふん、礼ならこいつらにしてやってくれ。\\n 今回働いたのはオレじゃないからな」",
"343000511_19": "「なるほど。\\n それじゃ言ってくれ、なんでも、遠慮なくね」",
"343000511_20": "「無いゾ」",
"343000511_21": "「ガリィちゃんも遠慮しときます」",
"343000511_22": "「別に必要なものは足りていますので」",
"343000511_23": "「地味に辞退する」",
"343000511_24": "「いかないよ、そういうわけには。\\n 大事だからね、対価は」",
"343000511_25": "「むしろお礼を言うのはこっちだゾッ!」",
"343000511_26": "「僕に? 覚えがないね、礼を言われるようなことなんて。\\n 何かあったかな」",
"343000511_27": "「この水着のことですわ。\\n 水辺での戦いがしやすくて助かりました」",
"343000511_28": "「何かしらの錬金術を施してあったんでしょうね、\\n いつもよりパワーアップしたガリィちゃんでしたから」",
"343000511_29": "「おかげで慣れない水辺でもアルカ・ノイズに\\n 派手に遅れを取らなかった」",
"343000511_30": "「何より、見た目もめちゃくちゃいいゾッ!\\n あたし、この水着大好きだゾッ」",
"343000511_31": "「ミカちゃんははしゃぎすぎですけどー。\\n 確かに素敵なデザインですよ」",
"343000511_32": "「うれしいよ、喜んでくれて」",
"343000511_33": "「でも残念ながら、僕じゃないんだよね。\\n その水着を作ったのは」",
"343000511_34": "「え?」",
"343000511_35": "「おいッ! ちょっと待て、何を――」",
"343000511_36": "「嘘だったんだよ、僕からの贈り物というのは。\\n 本当は彼女が作ったものなのさ、その水着はね」",
"343000511_37": "「ええッ!?」",
"343000511_38": "「それは言うなと言っておいたはずだぞッ!」",
"343000511_39": "「それ相応の礼が必要だからね、彼女たちには。\\n 見合ったものだと思うよ、僕はね」",
"343000511_40": "「ふざけるなッ!」",
"343000511_41": "「その話は本当なのですか、マスター?」",
"343000511_42": "「くッ……」",
"343000511_43": "「……こいつのデザインは壊滅的に悪かったからな」",
"343000511_44": "「マスターが水着を作ってくれたのカッ!\\n 嬉しいゾ、ありがとうだゾッ」",
"343000511_45": "「私たち個々に合うようデザインもしてくれたのですね。\\n 感謝しますわ、マスター」",
"343000511_46": "「衣類のことはわかりませんが、大変だったはずです。\\n それを私たちのために……」",
"343000511_47": "「オレはお前たちのマスターだ。\\n 着るものの面倒くらい、別に手間でもなんでもない」",
"343000511_48": "「おやおや、照れているんですかー。\\n まあ、自分で作ったことを隠しちゃうくらいですからねー」",
"343000511_49": "「相変わらず性悪だなお前は。\\n だから言いたくなかったんだ……」",
"343000511_50": "「やっぱり、あたしたちのマスターは優しいゾッ!」",
"343000511_51": "「マスターの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>であることを\\n 誇りに思います」",
"343000511_52": "「私たちのマスターは他のマスターとは違う。\\n 命を賭けるに値するマスターだ」",
"343000511_53": "「なんだ、急に。\\n たかが水着つで大げさだな」",
"343000511_54": "「あれです、マスター。\\n ガリィちゃんたちもマスターが大好きだってことですよ」",
"343000511_55": "「ふん、お前はまたそうやって……、まあいい。\\n 今日は疲れた、もう休むぞ」",
"343000511_56": "「明日で構わないよ、報告は」",
"343000511_57": "「ところで、それは何かな?\\n ずっと気になっていたけど」",
"343000511_58": "「……」",
"343000511_59": "「壊れた自動人形かな?\\n どうして、ここに」",
"343000511_60": "「彼女は……」",
"343000511_61": "「こいつらの恩人だ」",
"343000511_62": "「えッ!?」",
"343000511_63": "「恩人か、なるほど。\\n ひどく損傷しているようだけど、見たところ」",
"343000511_64": "「……修理すれば動きそうだね、これなら」",
"343000511_65": "「メロウは直るんだゾッ!?」",
"343000511_66": "「ああ、直せると思うよ。\\n キミたちのマスターなら」",
"343000511_67": "「おおッ! マスター、メロウ直せるカ?」",
"343000511_68": "「……すぐは無理だ。\\n 失った部品を探すだけでもかなりの時間がかかる」",
"343000511_69": "「こちらで用意するよ、必要な部品を。\\n 用意しようか、なんなら助手も」",
"343000511_70": "「……だが、直したところで、誰が管理する?」",
"343000511_71": "「キミでもいいよ、管理したいのなら。\\n 不要なら、協会が受け持つよ」",
"343000511_72": "「欲しかったんだよ、パークの管理者がね。\\n ビジュアルもピッタリじゃないか、マーメイドだから」",
"343000511_73": "「まあ、見た目はそうだろうが」",
"343000511_74": "「頼めるかな?\\n 全て僕に請求していいから、かかった費用は」",
"343000511_75": "「随分と気前がいいな」",
"343000511_76": "「願いなんだろう? <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちの。\\n その自動人形の修理が」",
"343000511_77": "「ならば惜しまないさ」",
"343000511_78": "「……わかった」",
"343000511_79": "「よかったですわ、彼女は直るのですね」",
"343000511_80": "「マスター、あたしに手伝えることがあるなら言ってほしいゾ。\\n 早くメロウに直ってほしいんだゾッ」",
"343000511_81": "「私たちにも手伝わせてください」",
"343000511_82": "「ガリィちゃんも応援してあげますよー」",
"343000511_83": "(ふっ、確かに。これ以上の礼は無いか。\\n 早々に直してやるべきだな",
"343000511_84": "「そうだ、忘れていたよ、水着の話が途中だったね」",
"343000511_85": "「……は?」",
"343000511_86": "「言ったんだよ、僕がデザインした水着を見たときに。\\n あいつらにこのデザインは似合わないと――」",
"343000511_87": "「<size=40>お前はもう黙っていろッ!</size>」"
}

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@ -0,0 +1,18 @@
{
"344000111_0": "セレナとヴェイグ",
"344000111_1": "「ここから先には、進ませませんッ!」",
"344000111_2": "「大丈夫ですか?」",
"344000111_3": "「あ、ああ……ッ!」",
"344000111_4": "「今のうちに早くッ!\\n ここはわたしに任せて避難してくださいッ」",
"344000111_5": "「わかった、ありがとうッ!」",
"344000111_6": "「これでほとんどの人は避難できたはず。\\n あとは――」",
"344000111_7": "「くッ……」",
"344000111_8": "(大丈夫か?)",
"344000111_9": "(はい、大丈夫です。\\n ここで負けるわけにはいきません……ッ",
"344000111_10": "「クソッ F.I.S.の装者かッ!\\n 俺の仕事を邪魔しやがってッ」",
"344000111_11": "「大人しく投降してください。\\n これ以上、被害を広げないでッ」",
"344000111_12": "「うるさい、お前みたいな小娘に降参するかッ!」",
"344000111_13": "「こっちにはまだこれがあるッ!」",
"344000111_14": "「フフ……、\\n さすがに人でこの数相手はどうしようもないだろう」",
"344000111_15": "「わたしは1人じゃありませんッ!\\n 言うことを聞いていただけないなら、手加減しませんよッ」"
}

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@ -0,0 +1,17 @@
{
"344000121_0": "「全部倒されただと……ッ!?」",
"344000121_1": "「これ以上やるつもりですか?」",
"344000121_2": "「ひい……ッ!?」",
"344000121_3": "「と、投降するッ! もうアルカ・ノイズも無いッ!\\n 大人しくするから、命だけは助けてくれ……ッ」",
"344000121_4": "「……」",
"344000121_5": "「俺だって本当はこんなことしたくなかったんだ。\\n ボスに脅されて、仕方なく……」",
"344000121_6": "「そうですか……。諦めてくれたのならいいんです。\\n わたしと一緒に……」",
"344000121_7": "(ダメだセレナッ!\\n こいつ、悪意の匂いが消えてない……ッ",
"344000121_8": "(え……)",
"344000121_9": "「バカめッ! 騙されたな小娘ッ!\\n 死ねええッ」",
"344000121_10": "「きゃあああ――ッ!」",
"344000121_11": "「不意を打てば、装者だって――」",
"344000121_12": "「そうはさせませんッ!」",
"344000121_13": "「何いッ!?」",
"344000121_14": "「もう怒りました……ッ!」"
}

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@ -0,0 +1,42 @@
{
"344000122_0": "「錬金術師の確保、完了しました」",
"344000122_1": "「ご苦労様です。\\n 怪我はありませんか」",
"344000122_2": "「大丈夫です。大きな怪我はしていません。",
"344000122_3": " でも、街の被害は……」",
"344000122_4": "「幸いにして市民に犠牲者はいませんが、\\n 建物にはかなりの被害が出てしまいました」",
"344000122_5": "「……あなたが油断せず、迅速に錬金術師を確保していれば、\\n ここまで被害は大きくならなかったはずです」",
"344000122_6": "「はい……」",
"344000122_7": "「セレナ、あなたは優しすぎます。\\n 時には非情にならなければ、敵に付け入られてしまいますよ」",
"344000122_8": "「結果として傷つくのは、あなただけでなく、\\n 護るべき誰かかもしれないのです」",
"344000122_9": "「ごめんなさい……」",
"344000122_10": "「あなたはもっと……、いえ、ここで話すことではありませんね。\\n ご苦労様でした、帰投しなさい」",
"344000122_11": "「は、はいッ!」",
"344000122_12": "「優しすぎる、か……」",
"344000122_13": "(まあ、そう落ち込むなって。\\n 被害者が出なかったのはセレナが戦ったおかげだろ",
"344000122_14": "(はい……。でも、マムはきっと、\\n わたしを想って言ってくれてるんだと思うんです",
"344000122_15": "(それから、さっきは危ないって教えてくれてありがとう\\n ございます。言ってくれなかったら、危なかったかも……",
"344000122_16": "(それくらいは、お安い御用だ)",
"344000122_17": "「この声の主は、ヴェイグさん。多くの聖遺物を作った\\n 精霊ドヴェルグ族の最後の生き残りです」",
"344000122_18": "「彼とは、すべての並行世界を飲み込みかけた大災厄、\\n 世界蛇と戦っている最中に出会いました」",
"344000122_19": "「過去に人間の争いに巻き込まれて、\\n 人間が信用できなくなってしまったヴェイグさんは」",
"344000122_20": "「聖遺物グレイプニルで作り出した超空間、\\n ミレニアムパズルにずっと人で暮らしていました」",
"344000122_21": "「だけど、わたしたちを信用して、力を貸してくれたんです」",
"344000122_22": "「その後は、わたしの中に作った小さな\\n ミレニアムパズルに住んでいて、行動を共にしています」",
"344000122_23": "「人間には協力しないと言いながらも、\\n いろいろと気になるようで……」",
"344000122_24": "「今は、わたしの先生というか、友達というか、\\n 相棒というか……そんな感じです」",
"344000122_25": "(ホントお前は優しいというか、お人好しというか……。\\n あんな見え見えの猿芝居に騙されるなよ",
"344000122_26": "(ご、ごめんなさい……。でも、自分の意思ではなく\\n 命令に従っただけって言ってたから……",
"344000122_27": "(つまりは、敵に同情してしまったってことか……)",
"344000122_28": "(…………)",
"344000122_29": "(……――)",
"344000122_30": "(まあ、そんなお前だから一緒にいようと思ったんだけどさ……)",
"344000122_31": "(でも、こういうときに1人で戦ってると大変だよな。\\n 誰かがサポートしてくれるわけでもないし",
"344000122_32": "(わたしは1人じゃないですよ。\\n 住む世界は違うけど、大切な仲間と心で繋がってる……",
"344000122_33": "(大切な仲間、か)",
"344000122_34": "(それに、ヴェイグさんだってそのうちの1人ですよ)",
"344000122_35": "(今のわたしたちがあるのは、\\n ヴェイグさんが力を貸してくれたおかげです",
"344000122_36": "(べ、別に、大したことはしてないだろ)",
"344000122_37": "(そういや、今度向こうの世界に行くとかなんとかって\\n 話をしてなかったか",
"344000122_38": "(はい、そろそろ定期報告の日なんです)",
"344000122_39": "(またみんなに会えるのが楽しみです。\\n 姉さんたちは、元気にしてるかな……ッ"
}

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@ -0,0 +1,18 @@
{
"344000211_0": "デモンストレーション",
"344000211_1": "――数日後",
"344000211_2": "「装者、現着しましたッ!」",
"344000211_3": "「アタシたちが相手デスよッ!」",
"344000211_4": "「間に合ったか」",
"344000211_5": "「はい。\\n 何者かから襲撃予告のあった、イギリス北部の都市です」",
"344000211_6": "「市民の避難は完了していますが、逃げ遅れた人がいるかも\\n しれません。気を付けてください」",
"344000211_7": "「了解ッ!」",
"344000211_8": "「それにしても、どこから湧いて出てくるのッ!?\\n このアルカ・イズたちはッ」",
"344000211_9": "「そんなこと、あたしに聞くなってのッ!」",
"344000211_10": "「アルカ・ノイズが出現した以上、\\n どこかにそれを操る人物がいるはずだ」",
"344000211_11": "「解決するためには、その人物を見つけて\\n 叩けばいいってことね」",
"344000211_12": "「だけど、アルカ・ノイズも止めないと……ッ!」",
"344000211_13": "「そのための仲間だろう」",
"344000211_14": "「アルカ・ノイズの殲滅、そして要救助者及び犯人の捜索、\\n 班に分かれ対応に当たってくれッ」",
"344000211_15": "「了解ですッ!」"
}

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@ -0,0 +1,36 @@
{
"344000212_0": "「今だ、クリスちゃんッ!」",
"344000212_1": "「言われなくても、わかってるッ!」",
"344000212_2": "「よし、順調に数が減っているな」",
"344000212_3": "「しかし、妙だな……」",
"344000212_4": "「妙とは?」",
"344000212_5": "「少なすぎる……」",
"344000212_6": "「この程度の敵を繰り出すとは、犯人は何が目的なんだ?」",
"344000212_7": "「確かに、骨のある敵とは言えないわね」",
"344000212_8": "「このあたりは大企業のオフィスも建ち並んでいます。\\n あるいは、それが目的という可能性も……」",
"344000212_9": "「しかし、それならばわざわざ襲撃予告を出す意味が無いだろう」",
"344000212_10": "「そうでしたね……」",
"344000212_11": "「ならば、襲撃はブラフ……?」",
"344000212_12": "「もしくは別の目的があっての襲撃だということだ。\\n いずれにしても注意が必要だな」",
"344000212_13": "「捜索班の方はどうだ?」",
"344000212_14": "「今のところ、誰も見つかっていません」",
"344000212_15": "「ひょっとして、もう逃げちゃったデスかね……?」",
"344000212_16": "「待って、あそこ……ッ!」",
"344000212_17": "「ひ……ッ!」",
"344000212_18": "「あ、あなたたちは……?」",
"344000212_19": "「救助の者です。あなたは……」",
"344000212_20": "「この建物の、ビルデラント社の社員です。\\n 逃げ遅れてしまって、ここに隠れていて……」",
"344000212_21": "(社員証もつけてるし、本当に逃げ遅れた人みたいだね)",
"344000212_22": "(そうデスね。アルカ・ノイズを繰り出した\\n 錬金術師ではなさそうデス",
"344000212_23": "「見つけられてよかったです。\\n 避難場所まで誘導しますね」",
"344000212_24": "「あ、ありがとうございます……ッ!」",
"344000212_25": "「女性の引き渡し、完了しました」",
"344000212_26": "「ああ、よくやってくれた。\\n 安全の確保は任せてくれ」",
"344000212_27": "「しかし、犯人は見つけられぬままか……。\\n 一体、どこに潜んでいるのか……」",
"344000212_28": "「ハッハッハッハッハ……ッ!\\n アルカ・イズは一蹴されたかッ」",
"344000212_29": "「はッ、シンフォギア装者は健在です」",
"344000212_30": "「そうでなければ意味が無いッ!\\n シンフォギア……欲しくなってきたぞ」",
"344000212_31": "「いかがいたしましょう?」",
"344000212_32": "「いや、計画に変更はない。\\n 所詮、私の力には及ばないのだからな」",
"344000212_33": "「余興はもう十分、例のものを出せッ!」"
}

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