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"342000621_0": "「……ここは、チフォージュ・シャトー?\\n いや、違う……?」",
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"342000621_1": "「ようやく目覚めましたか」",
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"342000621_2": "「ジャネット……お前は、何故こんな場所に?」",
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"342000621_3": "「こんな場所?\\n ここはわたしの拠点です。何故も何もありません」",
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"342000621_4": "(そうだった、目の前の者はジャンヌだ……。\\n 昔の夢を見たせいか……)",
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"342000621_5": "(たとえ記憶を取り戻したとしても、\\n もうあの時のように私を呼んではくれないだろうな……)",
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"342000621_6": "「……なんですか。人の顔を見て」",
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"342000621_7": "「……少し、感傷に浸っていただけだ。\\n それより、私をこんな場所に連れて来て、どうするつもりだ?」",
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"342000621_8": "(術式の無効化に拘束具。随分、念を入れているな。\\n すぐに殺すつもりはないということだろう……)",
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"342000621_9": "「あなたには、\\n わたしを死刑台へと送った報いを受けてもらいます」",
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"342000621_10": "「報い? そのために攫ったというのか?」",
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"342000621_11": "「ええ、そうです。あなたへの報いは絶望。\\n 全ての希望が失われる様を、そこで見届けるといいでしょう」",
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"342000621_12": "「そうしてあなたが絶望した時、過去のわたしと同じように、\\n 浄化の炎で焼き尽くしてあげます」",
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"342000621_13": "「全ての希望が失われる、か……。\\n なるほど、ということはまだ希望は残っているのだな」",
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"342000621_14": "「装者1名に錬金術師が2名、たったそれだけの\\n 儚い希望に縋るつもりですか?」",
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"342000621_15": "(やはりか。不覚にも気絶されられてしまったが、どうやら\\n 立花響、プレラーティ、キャロルの3名は無事なようだな)",
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"342000621_16": "「ああ、そのつもりだ」",
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"342000621_17": "「……愚かですね」",
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"342000621_18": "「そうだな。だが、私は彼女たちを信じている」",
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"342000621_19": "「悪魔の手先が……信じるなどと口にしないでください」",
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"342000621_20": "「……フフ。悪魔の手先、か」",
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"342000621_21": "「何がおかしいのです」",
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"342000621_22": "「いや、これでも昔は天使様と呼ばれたことも\\n あったのだがな……」",
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"342000621_23": "「あなたのような者を天使と呼ぶなど、\\n 見る目のない者もいたものですね」",
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"342000621_24": "「……お前は何を目的としてこんなことをしている」",
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"342000621_25": "「あなたの質問に答える義理はありません」",
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"342000621_26": "「そういうな。拘束されたこの状態では、話し相手もいない。\\n 退屈しのぎぐらいには付き合ってくれてもいいだろう?」",
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"342000621_27": "「いずれ死ぬとしても、\\n お前の目的くらいは知っておきたいのだ」",
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"342000621_28": "「……わたしの目的は、全ての人を苦しみから解放することです」",
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"342000621_29": "「苦しみからの解放……?」",
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"342000621_30": "「神に背く者、信仰を捨てた者を聖女の輝きによって排除し、\\n 正しき者だけの世界を作るのです」",
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"342000621_31": "「……異教徒や従わない者は殺す、ということか」",
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"342000621_32": "「ええ、そう思っていただいて差し支えありません」",
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"342000621_33": "「それで、正しき者などいなかったらどうする」",
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"342000621_34": "「その時は全て消えてもらうだけです。\\n 正しき者がわたしだけならば、それも仕方がありません」",
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"342000621_35": "「……お前は、本当にジャンヌ――いや、ジャネットなのか?」",
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"342000621_36": "「どういう意味ですか?\\n 過去のわたしがそう呼ばれていたのは認識しています」",
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"342000621_37": "「私の知るジャネットは、お前のように愚か者ではない」",
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"342000621_38": "「わたしを……愚か者だとッ!?」",
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"342000621_39": "「ああ。たまたま手に入れた力に酔い、気に入らない人間を\\n 消すなどと言い出す者を、愚かといわずになんと言う」",
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"342000621_40": "「正しい者だけの世界、といえば聞こえはいいが、\\n その実、お前が勝手に人を選んでいるだけの世界だ」",
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"342000621_41": "「……あなたにわたしの崇高な理想が\\n 理解できるとは思いません」",
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"342000621_42": "「わたしは多くの戦いに参加し、地獄を、絶望を見てきました。\\n 人は、断罪されるべきです」",
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"342000621_43": "「そうして、清らかな魂を持つ者だけを残すことこそが、\\n 真に人を苦しみから解放するのです」",
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"342000621_44": "「……お前の言うとおりだ。私には、何1つ理解できない。\\n 愚か者が大言壮語を吐いているようにしか聞こえない」",
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"342000621_45": "「――ッ!\\n ええ、あなたと話したわたしが愚かでした……ッ」",
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"342000621_46": "(ジャネット……。\\n 私の知るお前は、もうお前の中にはいないのだろうか……)"
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