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{
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"364000121_0": "「あたしは弓美、板場弓美ッ!」",
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"364000121_1": "「と言っても、あなたたちがよく知っている\\n 板場弓美とあたしは別人よ」",
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"364000121_2": "「並行世界の同一人物――、\\n あの子たちからは、そんなふうに説明されたっけ……」",
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"364000121_3": "「それはともかく、この世界のあたしたち、\\n 板場弓美、安藤創世、寺島詩織の3人はなんと――」",
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"364000121_4": "「みんなの明日を護るため、邪竜の鱗より造られた、\\n 『メックヴァラヌス』を身に纏い日夜戦っているのよッ!」",
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"364000121_5": "「ただ、この装備はもともと、\\n 誰かを護るために造られたものではなく……」",
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"364000121_6": "「兵器を完成させるための呪われた道具でしかなかった。",
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"364000121_7": " もちろん、それを纏うあたしたちもまた……」",
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"364000121_8": "「そんなある日、突然現れた\\n 並行世界のシンフォギア装者たち」",
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"364000121_9": "「彼女たちは、押し寄せる運命に抗えず下を向きかけていた\\n あたしたちを救ってみせ、奮い立たせ、そして去って行った」",
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"364000121_10": "「胸の歌を力と変えて戦う彼女たちこそ、\\n 本物のヒーローだった」",
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"364000121_11": "「あたしたちは、いつか彼女たちと再会した時、\\n 肩を並べて戦うことができるよう――」",
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"364000121_12": "「まだヒーローになりきれないヒーロー未満として、\\n メックヴァラヌスを纏い続けている」",
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"364000121_13": "「あ、あの、生徒会長?\\n 一体何を言って……?」",
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"364000121_14": "「もちろん、『これまでのあらすじ』に決まっているじゃない」",
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"364000121_15": "「誰に向けてなんですかッ!?」",
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"364000121_16": "「深く考えたら駄目ですよ。板場さんのことですから」",
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"364000121_17": "「そうですか……。",
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"364000121_18": " あの、頼まれていた書類を持ってきたのですが……」",
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"364000121_19": "「ではわたしが……はい、問題ありません」",
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"364000121_20": "「よかったです。確認ありがとうございました」",
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"364000121_21": "「大儀であったッ!\\n キミは会長権限で二階級特進だ……ッ!」",
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"364000121_22": "「いやいや、そんなんないよッ!?」",
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"364000121_23": "「今まで以上にみんなに手伝ってもらっちゃって、\\n なんだか申し訳ないけど……」",
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"364000121_24": "「わたしたち、もっともっと\\n お手伝いできますよッ!」",
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"364000121_25": "「はいッ! 今まではただ、ノイズと戦う先輩たちを\\n かっこいいなって思っていたんですけど」",
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"364000121_26": "「前の校舎での事件があって、わたしたちも一緒に\\n 戦わなくちゃって思ったんですッ!」",
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"364000121_27": "「と言っても、やっぱりお手伝いくらいしか\\n できないですけど……」",
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"364000121_28": "「ううん、すっごく助かってるわッ!」",
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"364000121_29": "「生徒会としても、竜姫としても、\\n なんとかやっていけているのはみんなのおかげッ!」",
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"364000121_30": "「……あッ! そんなこと言いつつわたしたち、\\n そろそろ帰らないとなんでしたッ!」",
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"364000121_31": "「そっか。今日もありがとうね」",
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"364000121_32": "「残りはわたしたちでまとめますので、大丈夫ですよ」",
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"364000121_33": "「いえ、この後は奈々美ちゃんに\\n 引き継いでもらう約束になってるんです」",
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"364000121_34": "「はい、お兄さんのお見舞いで近所の病院に行くらしいですけど、\\n すぐに終えて戻ってくるって言っていました」",
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"364000121_35": "「ああ、最近できた『アプトン総合病院』だね」",
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"364000121_36": "「アプトン……?」",
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"364000121_37": "「知らないの?\\n アプトン社っていえば、国内で指折りの大企業だよ」",
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"364000121_38": "「慈善事業に力を入れていて、被災者や貧困に苦しむ人々の\\n 支援を行っていると聞いたことがあります」",
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"364000121_39": "「確か社長のモットーは、\\n 『弱きを助け、強さは持たない』だったっけ」",
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"364000121_40": "「何それ、なかなかかっこいいじゃない……ッ!」",
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"364000121_41": "「テレビでよく紹介されていますけど、知らないんですか?」",
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"364000121_42": "「うちのテレビには、アニメしか映らないのよ」",
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"364000121_43": "「なるほど……納得です」",
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"364000121_44": "「では、奈々美ちゃんもそろそろだと思うので、\\n わたしたちはこれで」",
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"364000121_45": "「うん、それじゃあまたねッ!」",
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"364000121_46": "「お疲れさまでしたー」",
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"364000121_47": "「…………」",
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"364000121_48": "「みんな帰っちゃうと\\n ちょっとだけ寂しいね」",
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"364000121_49": "「大丈夫ですよ。もうすぐ佐野さんが\\n 来てくれると言ってましたし」",
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"364000121_50": "「あ、噂をすれば――」",
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"364000121_51": "「うおっほん、<ruby=チミ>君</ruby>たち、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>を呼んだかね?」",
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"364000121_52": "「…………」",
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"364000121_53": "「そう、<ruby=ボキ>僕</ruby>こそは――」",
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"364000121_54": "「遅くなってすみません」",
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"364000121_55": "「待っていたわッ!」",
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"364000121_56": "「用事があったのに手伝いに来てくれたんだよね。\\n ありがとう」",
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"364000121_57": "「どうぞ、こちらの席に座って――」",
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"364000121_58": "「先に来た<ruby=ボキ>僕</ruby>をナチュラルに無視するのはやめたまえッ!」",
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"364000121_59": "「きゃッ、校長ッ!?\\n いらしたんですか……」",
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"364000121_60": "「校長……。\\n 放課後の今は、敢えてもう片方の肩書で呼んでほしいものだね」",
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"364000121_61": "「二課の司令代行さんですねッ!」",
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"364000121_62": "「ちっがーうッ!!」",
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"364000121_63": "「ッ!?」",
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"364000121_64": "「……えーと、込み入った事情は省きますが」",
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"364000121_65": "「あれから色々あって、代行ではなく正式な司令として\\n 就任しちゃったみたいなんだよね……」",
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"364000121_66": "「は、はぁ……」",
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"364000121_67": "「それが嬉しすぎてはしゃぎやまない時期だから、\\n 悪いけどつき合ってあげてくれる?」",
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"364000121_68": "「もう代行ではなかったのですね。\\n 失礼しました、正式さん」",
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"364000121_69": "「ナニのッ!?」",
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"364000121_70": "「間違えました。えーと、司令……さん?」",
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"364000121_71": "「そのッ、とーーーりッ!」",
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"364000121_72": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>こそ映えある特異災害対策機動部二課の司令官、\\n 凪景義であるッ!」",
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"364000121_73": "「で。なんの用があって来たのよ、司令」",
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"364000121_74": "「ムフッ☆」",
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"364000121_75": "(イラッ!)",
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"364000121_76": "(あ、用事とかないやつだこれ)",
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"364000121_77": "(司令って呼んでほしくて、わざわざここまで来たんですね)",
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"364000121_78": "「あたしたち、まだ生徒会の仕事が残ってるから、\\n とっとと帰ってもらえる?」",
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"364000121_79": "「生徒会がそんなに大切かね?\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>を司令官と讃えるよりもッ!」",
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"364000121_80": "「はい」",
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"364000121_81": "「なんなら、<ruby=チミ>君</ruby>たちが竜姫の職務に専念できるよう、\\n 普通の生徒にしてやってもよいのだがね?」",
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"364000121_82": "「生徒会は、イヤイヤやっているわけではありませんわ」",
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"364000121_83": "「そうだよ」",
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"364000121_84": "「あたしたちを救ってくれて、あたしたちが明日を救いたい\\n みんなの喜ぶ顔が見れる、最高の特権階級なんだから」",
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"364000121_85": "「だいたいさ、正式な司令さんが、\\n こんなところで油を売ってていいの?」",
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"364000121_86": "「これも尊い職務の一貫だということが分からぬのかね?」",
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"364000121_87": "「現場に出て、生徒たちの話を聞く……。\\n コミュニケーションロスは万病の元と言うではないかッ!」",
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"364000121_88": "「あのー。でしたら、1つお願いがあるのですが」",
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"364000121_89": "「おほぉッ!? ナニかね、ナニかね?\\n 何でも遠慮なく言いたまえ」",
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"364000121_90": "「特異災害対策機動部二課の司令たる<ruby=ボキ>僕</ruby>に\\n できないことはないのだからッ!」",
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"364000121_91": "「では……、最近各地で集団失踪事件が\\n 起きてますよね」",
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"364000121_92": "「あ、それ、わたしも聞いたよ」",
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"364000121_93": "「先日も、どこぞのカップルが、\\n デートに出たまま帰ってきてないとか……」",
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"364000121_94": "「司令さんのお力で、\\n 周辺の警備を強化するなど対策を……」",
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"364000121_95": "「ふむふむ、それは不安だろうな。\\n 未だに犯人も捕まっていないようだし」",
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"364000121_96": "「よーしッ、そんじゃあたしらで、\\n その危険人物を……」",
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"364000121_97": "「だが断るッ!」",
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"364000121_98": "「えッ、この流れでッ!?」",
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"364000121_99": "「さっき、できないことはない、って\\n 言ったばっかじゃんッ!」",
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"364000121_100": "「<ruby=チミ>君</ruby>たち、我々が特異災害対策機動部の二課だということを\\n 忘れていないかね?」",
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"364000121_101": "「あ……」",
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"364000121_102": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>たちが向き合うべきは特異災害であって、\\n そこらへんの人攫いなどではないのだよ」",
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"364000121_103": "「我々はもっと大きな敵と立ち向かわねばならん。\\n そんな瑣末事は、警察にでも任せておきたまえ」",
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"364000121_104": "「無関係な事件に首を突っ込んだところで、\\n <ruby=ボキ>僕</ruby>のお給金は1円も上がりはしないのだ」",
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"364000121_105": "「相変わらず、どっち向いて仕事してんのか\\n 分かりやすい人だわ」",
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"364000121_106": "「オトナの対応と呼んでくれたまえ」",
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"364000121_107": "「だからってッ!\\n 特異災害が原因かも――」",
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"364000121_108": "「ノイズ発生の警報――。\\n 言ったそばから新たなお仕事だ」",
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"364000121_109": "「納得したわけじゃないけど、分かったわ……」",
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"364000121_110": "「ノイズに困っている人の明日を救うことだって、\\n あたしたちの役目なんだからッ!」",
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"364000121_111": "「分かっているなら、\\n さっさとカタパルトデッキに急ぎたまえッ!」",
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"364000121_112": "「<ruby=ボキ>僕</ruby>は司令として、戦場を見渡し\\n 的確な指示を飛ばすとしよう」",
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"364000121_113": "「皆さん、おつとめ頑張ってくださいッ!」",
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"364000121_114": "「行くわよッ!」"
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