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{
"103500531_0": "「果たして、こんなことをしていていいのだろうか……」",
"103500531_1": "「なにが?」",
"103500531_2": "「このウィンドウショッピング――というやつだが」",
"103500531_3": "「いいのよ、たまには息抜きも大事でしょ?」",
"103500531_4": "「いや、しかし緒川さんたちが調べてくれている時に、\\n わたしたちだけこんな――」",
"103500531_5": "「そんなに固く考えず、わたしたちは結果が出るのを待てば\\n いいのよ」",
"103500531_6": "「調査の後、実際に斬ったはったするのはわたしたちなんだし。\\n 少しくらい骨休めしておきましょう」",
"103500531_7": "「それはそうだけど……どちらかと言えばマリアの方が\\n 焦っていなかったか」",
"103500531_8": "「まあ、そうだけど、ね……。でも、餅は餅屋って言葉もあるじゃ\\n ない わたしたちが直接動くより、緒川さんの方が適任よ」",
"103500531_9": "「……確かに」",
"103500531_10": "「次こそは、必ず尻尾を掴んでみせる……。\\n でも、そのためには万全な準備を整えて挑まないとね」",
"103500531_11": "「……まあ納得しておこう」",
"103500531_12": "「なら今日は夕方までオフってことでいいわね?」",
"103500531_13": "「え? あ、ああ……」",
"103500531_14": "「フフ。さて、どうしようかしら。\\n いい機会だから、新しい服でも見立ててあげましょうか」",
"103500531_15": "「べ、別に、普段着なら間に合ってるぞ?」",
"103500531_16": "「あなたねえ……仮にもアーティストなんだから、\\n もっと私生活でもファンの視線を意識しなさいな」",
"103500531_17": "「気づいてる? さっきからチラチラ見られてるの」",
"103500531_18": "「わ、わたしだって歌い手の端くれだ。\\n そのくらい日本でも、だな――」",
"103500531_19": "「欧米のセレブを見慣れてる人々の審美眼は厳しいわよ?」",
"103500531_20": "「うう……そ、そうなのか?\\n ……いや、やはり今回は遠慮しておく」",
"103500531_21": "「わたしよりも、マリアの服を買おう」",
"103500531_22": "「わたしの?」",
"103500531_23": "「ああ、ちょうどいいタイミングだと思ってだな。\\n もうすぐだろう マリアの誕生日」",
"103500531_24": "「仕事柄、いつこうしてまた会えるかわからない。\\n 少し早いがお祝いをさせてくれ」",
"103500531_25": "「翼……わたしの誕生日覚えてたの?」",
"103500531_26": "「ああ、当然だろう?\\n これでも、マリアのことは大切に思ってるからな」",
"103500531_27": "「――――ッ!?」",
"103500531_28": "「ん、どうしたマリア? \\n ……もしかして迷惑だったか」",
"103500531_29": "「そ、そんなわけないでしょッ!\\n ただ、ちょっと……驚いただけよ」",
"103500531_30": "(この剣はどうして急に、そんなことを平然と言えるのッ!?)",
"103500531_31": "「ん?」",
"103500531_32": "「……それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかしら」",
"103500531_33": "「ああ、なんでも言ってくれ」",
"103500531_34": "「なかなかいい買い物が出来たわね。\\n さあそれじゃ次は――」",
"103500531_35": "「ま、まってくれ……。\\n まだ買う気なのか」",
"103500531_36": "「もちろんよ。\\n 次は、翼。あなたの服を選んであげるッ」",
"103500531_37": "「い、いや、わたしのは――」",
"103500531_38": "「いいのよ。わたしが選んであげたいのッ!」",
"103500531_39": "「さっきなんでもわたしの言うことを聞くって言ったでしょ?\\n 今日は素直にわたしに従いなさい」",
"103500531_40": "「……ああ、わかった。それじゃあ、よろしく頼む」",
"103500531_41": "「よろしい」",
"103500531_42": "「こんなもんかしらね?」",
"103500531_43": "「もう勘弁してくれ……。\\n 疲れた。主に精神が……」",
"103500531_44": "「だらしないわね……。\\n じゃあ、そこのカフェでお茶でもしましょうか」",
"103500531_45": "「ふう……タフすぎるぞ、マリア……」",
"103500531_46": "「もう。息抜きで疲れてどうするのよ?\\n 荷物だってデリバリーなんだし、楽なもんでしょ」",
"103500531_47": "「まあ、途中からわたしがいろいろ連れまわしたってのも\\n あるけど」",
"103500531_48": "「いらっしゃいませ。ご注文はいかがなさいましょう?」",
"103500531_49": "「そうだな……グリーンティーはあるかな? ホットの」",
"103500531_50": "「ございます」",
"103500531_51": "「わたしはアイス・カフェオレを」",
"103500531_52": "「かしこまりました。少々お待ちを」",
"103500531_53": "「フフ……緑茶なんて。日本が恋しくなった?」",
"103500531_54": "「そんなことは――」",
"103500531_55": "「……いや、多少、里心がついているのかも知れんな」",
"103500531_56": "「あら。嫌に素直じゃない」",
"103500531_57": "「だが、きっと贅沢、なのだろうな……」",
"103500531_58": "「贅沢? どういうこと?」",
"103500531_59": "「お父様に許して頂いて、こうしてまたロンドンに来られて……」",
"103500531_60": "「トニー・グレイザーさんのプロデュースのお陰で、\\n アーティスト活動も順調だ」",
"103500531_61": "「こうして再び夢を追うことが出来ること自体が、\\n わたしにとって、この上ない僥倖だというのに……」",
"103500531_62": "「それでも。日本での暮らしが、仲間との繋がりが。\\n ふと、恋しくなることがある……」",
"103500531_63": "「あれもこれもと望むのは、強欲に過ぎるというものだろうに」",
"103500531_64": "「はあ……なにを馬鹿なことを言ってるのかしらね、\\n この石頭は」",
"103500531_65": "「なっ、何が馬鹿だというのだ?」",
"103500531_66": "「そんなの、ごく当たり前の感情じゃない。\\n 何で後ろめたさや引け目を感じなきゃいけないわけ」",
"103500531_67": "「いい? あなたがここにいられるのは、\\n あなたが今まで絶えず努力して来たからに他ならないわ」",
"103500531_68": "「もちろん、あなたがここに来るまで手助けしてくれた人も\\n 背中を押してくれた人も、大勢いたでしょう」",
"103500531_69": "「でも、そもそもあなたが何もしなければ、\\n そんな手助けは、何の意味も成さないのよ」",
"103500531_70": "「何も神様からポンとプレゼントしてもらった訳じゃない。\\n 代価はとうに支払い済みなのよ。引け目を感じる必要ないわ」",
"103500531_71": "「昔のことはともかく、少なくとも最近のあなたの努力は、\\n このわたしが一番よく知ってるもの……」",
"103500531_72": "「マ、マリア……?」",
"103500531_73": "「夢を追うのに……\\n 何かを諦めたり捨てたりする必要なんて、ないのよ」",
"103500531_74": "「そう、なのかな……」",
"103500531_75": "「ま、わたしなんかが、偉そうに言えた義理じゃないけどね」",
"103500531_76": "「……お待たせいたしました。\\n ご注文のグリーンティーとアイス・カフェオレでございます」",
"103500531_77": "「あ、ありがとう。これ、チップを」",
"103500531_78": "「ありがとうございます。どうぞごゆっくり」",
"103500531_79": "「あーあ。慣れないお説教なんかしたから肩が凝っちゃったわ」",
"103500531_80": "「すまん……だが、ありがとう。\\n 少し、気が楽になった」",
"103500531_81": "「いいけどね……。で、どうなの、その後。\\n パパさんとは連絡取ってるの」",
"103500531_82": "「ああ……この間、手紙をいただいた。\\n 短いが……でも、何よりの励みになった」",
"103500531_83": "「そう……よかったじゃない」",
"103500531_84": "「マリアも、月読と暁には連絡はしてるのか?」",
"103500531_85": "「わたしの方はほぼ毎日よ。\\n こっちからかけなくても向こうからかかってくるけどね」",
"103500531_86": "「慕われているのだな」",
"103500531_87": "「わたしたちは、お互い最後の家族だから、ね」",
"103500531_88": "「そう、だな……」",
"103500531_89": "「こんな時間になっちゃったわね。\\n 暗くなる前に帰りましょうか」",
"103500531_90": "「ああ、そうだな」",
"103500531_91": "「――ッ!」",
"103500531_92": "「……翼、先に出るわ。\\n それじゃまたね」",
"103500531_93": "「……わかってる。またな、マリア。\\n わたしはもう一杯いただいてから出よう」",
"103500531_94": "「ああ、そうそう、今日は本当に楽しかったわ。\\n ありがとう、翼」",
"103500531_95": "「今度の翼の誕生日に思いっきりお返しさせてもらうから、\\n 覚悟しておいてね」",
"103500531_96": "「フフ、楽しみにしておこう」",
"103500531_97": "「…………」",
"103500531_98": "「Seilien coffin airget-lamh tron」",
"103500531_99": "「――そろそろ、出てきたらどう?」",
"103500531_100": "「……気づいていた、ということか?」",
"103500531_101": "「商売柄、視線には敏感なの。\\n ファンなのかそうじゃないのかの区別くらいつくわ」",
"103500531_102": "「まして。殺気がこもってれば尚更、ね」",
"103500531_103": "「待っててくれたらご挨拶に伺うつもりだったんだけど。\\n まさか、そちらから出向いてくれるとは思わなかったわ」",
"103500531_104": "「これ以上、嗅ぎ回られては面倒なのでな……」",
"103500531_105": "「だが、気づいた上で1人で相手しようとはな。\\n この俺も随分となめられたものだ」",
"103500531_106": "「小娘1人捻るなど――たやすいことよッ!!」",
"103500531_107": "「その程度の衝撃波で――ッ!!」",
"103500531_108": "「この銀の腕を打ち砕けるなんて思わないことねッ!!」",
"103500531_109": "「ぐッ!! どこまでも小癪な娘よッ!!」",
"103500531_110": "「なあに? あれだけ大口叩いておいて、\\n 結局はアルカ・イズ頼みなの」",
"103500531_111": "「なんとでも言うが良いわッ!!\\n どうせ貴様はここで死ぬのだからなあッ」",
"103500531_112": "「セレナとマムにもらったこの命――\\n そう易々とくれてやる訳にはいかないわッ」"
}