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"328000722_0": "「死ね――ッ！」",
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"328000722_1": "「くうッ！！」",
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"328000722_2": "「はッ！」",
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"328000722_3": "（人間の限界を越えた関節可動域と超反応）",
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"328000722_4": "（やはりこの忍びも傀儡ッ！）",
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"328000722_5": "「ならば全力で倒すまでですッ！」",
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"328000722_6": "「はああ――ッ！！」",
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"328000722_7": "「ふう……なんとか自爆させずに倒し切れました……」",
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"328000722_8": "「ですが、遂にこの場所も安全ではなくなりましたか」",
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"328000722_9": "（あの森でもすぐに痕跡を嗅ぎつけてきた……）",
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"328000722_10": "（我々忍びの能力を超える索敵能力を\\n 持っているということでしょうか？）",
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"328000722_11": "（このままでは、じきに弟の潜伏先も割れてしまいますね）",
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"328000722_12": "（旧知の医師に預かってもらえたのはよかったのですが、\\n そろそろ別の場所へ身柄を移さないと）",
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"328000722_13": "（弟はまだ目を覚まさない……。\\n 二課と協力できれば、弟の安全や治療も――）",
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"328000722_14": "（――いや、駄目です。草薙を腐らせた政府の犬と組めばなどと、\\n どうかしていました）",
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"328000722_15": "「自分の手でどうにかしなければ……」",
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"328000722_16": "「おお、君か」",
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"328000722_17": "「ご面倒をおかけします。容態はどうですか？」",
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"328000722_18": "「毒の効力も消え、傷口も合併症も起きずに済んだ。\\n 安静にしておれば、これ以上悪化することはなかろう」",
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"328000722_19": "「そうですか……よかった」",
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"328000722_20": "「先生を思い出し、つい駆け込んでしまいましたが……。\\n ご迷惑をおかけしました」",
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"328000722_21": "「なに。かつて君らの父君に仕えた身。構わんよ」",
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"328000722_22": "「……ありがとうございます、先生」",
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"328000722_23": "「ところで、弟は意識を？」",
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"328000722_24": "「いや、まだ戻っていない」",
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"328000722_25": "「いつ目を覚ますかは、本人の体力次第だろう」",
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"328000722_26": "「そうですか……」",
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"328000722_27": "「随分と状況は悪いようだな？」",
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"328000722_28": "「……はい。追手がこの近くまで現れました。\\n ここに辿り着くのも時間の問題でしょう」",
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"328000722_29": "「弟を引き取り、別の隠れ家を探します。\\n お世話になりました、先生」",
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"328000722_30": "「当てはあるのか？」",
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"328000722_31": "「……いえ。残念ながら」",
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"328000722_32": "「ならば、儂にまかせておけ」",
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"328000722_33": "「先生？」",
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"328000722_34": "「先々代が用意した、古い隠れ家がいくつかある」",
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"328000722_35": "「ですが、オロチにも知られているのでは？」",
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"328000722_36": "「恐らくそれはなかろう。緒川の直系のみが利用するために\\n 用意された隠れ家じゃからな」",
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"328000722_37": "「儂も先々代の治療に趣かねば知らぬはずの場所じゃ」",
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"328000722_38": "「そこを転々とすれば、暫くは時間が稼げよう。\\n その間にお前は打開策を考えるのだ」",
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"328000722_39": "「わかりました。\\n その場所をお教えください。後は僕が――」",
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"328000722_40": "「なに、毒を食らわば皿まで。\\n 捨犬の面倒は儂がみていよう」",
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"328000722_41": "「しかし、それでは先生にご迷惑が……」",
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"328000722_42": "「とうに草薙を引退し身寄りもおらぬ老骨、今更惜しむ程でもない。\\n むしろ、ぼちぼち己の墓穴を定めるべき歳よ」",
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"328000722_43": "「先生……」",
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"328000722_44": "「だが、隠れ家なぞ、所詮は時間稼ぎ。\\n なんとしてもお前さんがケリをつけねばならんぞ？」",
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"328000722_45": "「病も原因を取り除かなければ、根治には至らんのだからな」",
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"328000722_46": "「……はい」",
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"328000722_47": "「…………」",
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"328000722_48": "「う……うう……」",
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"328000722_49": "「すてくんッ！？」",
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"328000722_50": "「あに……じゃ？」",
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"328000722_51": "「気づきましたか？」",
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"328000722_52": "「俺は……そうか、兄者と合流して、すぐに……」",
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"328000722_53": "「ええ。吹き矢で毒を盛られて、気を失ったんです。\\n 身体は、大丈夫ですか？」",
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"328000722_54": "「だいじょ――痛ッ！」",
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"328000722_55": "「起きられそうにもありませんね。無理をせず寝ていてください」",
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"328000722_56": "「そんなことよりも、大変なんだッ！」",
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"328000722_57": "「大変？」",
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"328000722_58": "「話を聞いてくれ、兄者ッ！」",
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"328000722_59": "（この取り乱し様。一体何が――？）",
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"328000722_60": "「どうすんだ、先輩？ 話すのか、話さないのか？」",
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"328000722_61": "「司令に言った通り、今の段階では安易な結論は出せない」",
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"328000722_62": "「もう一度、緒川さんと話し合った上で判断するとしよう」",
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"328000722_63": "「そうか」",
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"328000722_64": "「それはいいけど、どうやって彼の居場所を突き止めるの？」",
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"328000722_65": "「いや、基本は新たなRN式の反応待ちだな」",
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"328000722_66": "「オロチの拠点脱出後、何回か反応を拾っているようだけど、\\n かなり短時間だったみたいよ」",
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"328000722_67": "「短時間……つまり小競り合い程度ってことか」",
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"328000722_68": "「ええ。オロチを倒しきれなかったことで、\\n 恐らくは彼も決め手を欠いているはず」",
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"328000722_69": "「つまり、今は草薙の追手を撃退してるだけというわけか……」",
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"328000722_70": "「それじゃ、ケリがついたら、すぐその場からいなくなるだろうな」",
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"328000722_71": "「そういうこと。\\n 反応を見てから向かっても、無駄足になる可能性は高いわ」",
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"328000722_72": "「現れそうな場所を片っ端から探すしかないか？」",
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"328000722_73": "「ああ……だが、無策に探し、\\n 無駄に時間を浪費するのもどうかと思う」",
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"328000722_74": "「何か、手がかりとなる情報があればいいのだが……」",
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"328000722_75": "「手がかりったって、そんな都合のいいモン……」",
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"328000722_76": "「いや、そういえばッ！」",
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"328000722_77": "「ええ、あったわね」",
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"328000722_78": "「ん？」",
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"328000722_79": "「わたしたちの世界の緒川さんに色々と教えてもらったのよ。\\n 彼の一族が使ってる符丁とか、隠れ家とか」",
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"328000722_80": "「もちろん、こっちの世界でも使ってるか、わからないけど」",
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"328000722_81": "「いや、それだけでもありがたい。\\n 今までの雲を掴む様な状況よりは、格段の進歩だ」",
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"328000722_82": "「ええ。世界は違っても、並行世界はあくまで可能性の世界――」",
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"328000722_83": "「ああ、もしかしたら……」"
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