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"327000211_0": "真夏の楽園 プロビデンス・パーク",
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"327000211_1": "「よし、みんな着替え終わったみたいだね。\\n どこから回っていこっか?」",
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"327000211_2": "「うーん、行きたいエリアがありすぎて迷うデスよ。\\n 調はどうデスか?」",
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"327000211_3": "「わたしは切ちゃんが行きたいところでいいよ」",
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"327000211_4": "「待て待て、相談するのは構わないけど、\\n さっきの話を聞いてなかったのか?」",
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"327000211_5": "「サンジェルマンさんたちもあとから来るって言ってたし、\\n ここで待ってた方がいいんじゃないかな」",
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"327000211_6": "「そういえば、そうでした。\\n ……だけど、ちょっと来るのが遅い気がするデス」",
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"327000211_7": "「待たせてしまったな」",
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"327000211_8": "「あッ、サンジェルマンさ――ええッ!?」",
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"327000211_9": "「急に変な声を上げて、どうした?」",
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"327000211_10": "「あ、いや、とても意外だったので、驚いて。\\n みなさんも水着を持ってきてたんですね」",
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"327000211_11": "「あったりまえじゃないッ!\\n ここは水のテーマパークなんだから」",
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"327000211_12": "「わたしは必要ないと言ったワケダが……」",
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"327000211_13": "「マジか……、\\n 本当にあたしたちが戦ってきたやつらとは違うんだな……」",
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"327000211_14": "「局長から客人に楽しんでもらうには、\\n まず自分たちも楽しむ必要があると言われたのだ」",
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"327000211_15": "「だから、あーしたちも水着で、\\n 一緒に楽しみなさいってことらしいわ」",
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"327000211_16": "「そうだったんですね」",
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"327000211_17": "「思い付きでこんな物まで作って、\\n 本当に局長には困ったものだ……」",
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"327000211_18": "(水着、とっても似合ってるけど、言っちゃまずいかな。\\n ノリ気じゃなさそうだし、無理に着てる感じもするし……)",
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"327000211_19": "(でもやっぱり、こんな機会、滅多にないんだから3人にも\\n 楽しんでもらいたいッ!)",
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"327000211_20": "「今日は暑いですし、案内してもらいたい場所もあるので、\\n 水着のほうが絶対に快適ですッ!」",
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"327000211_21": "「それに楽しむなら人数が多い方が絶対楽しいですよッ!」",
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"327000211_22": "「そういうものなのか?」",
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"327000211_23": "「はい、そういうものですッ!\\n 今日はたくさん遊びましょうッ!」",
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"327000211_24": "「ああ、私は構わない」",
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"327000211_25": "「……誰が相手でもぐいっと行けるのは流石の響さんデス」",
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"327000211_26": "「うん、すごい」",
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"327000211_27": "「ああいう図々しさがあのバカの取り柄みたいなもんだからな」",
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"327000211_28": "「うーん、それはそうなんだけど……」",
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"327000211_29": "「ていうか、あいつ完全に本来の目的を忘れてるよな」",
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"327000211_30": "「まあ……、アダムさんが着くまでの間は、\\n 少しくらい遊んでいてもいいんじゃないかな」",
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"327000211_31": "「サンジェルマンさんッ!」",
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"327000211_32": "「ちょうど今、どこから回ろうか話してたんですよ。\\n それで、パークのおすすめとかありますか?」",
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"327000211_33": "「実は私たちも今日初めて来たため、おすすめ等はわからない」",
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"327000211_34": "「そうなんですね……」",
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"327000211_35": "(こ、困らせちゃったかな、え、ええっと……ッ!?)",
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"327000211_36": "「それじゃ、みんなで片っ端から全部回ればいいんデスよッ!」",
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"327000211_37": "「残念だが、このパークは呆れるほどに広い。\\n それをやると1日で回りきれないワケダ」",
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"327000211_38": "「確かにかなり広いですね」",
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"327000211_39": "「色んな施設を詰め込んじゃったせいで広くなったのよ。\\n あの人のやることは規模がいちいち大きいから困っちゃうわ」",
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"327000211_40": "「響、迷子にならないように気をつけてね」",
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"327000211_41": "「案内役がついてるんだから、早々迷うこともないだろ。\\n 1人でどっかに突っ走らない限りな」",
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"327000211_42": "「いや、案内役は私たちではなく、別のものが配置されている。\\n これが正式な案内役兼マスコットたちの――」",
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"327000211_43": "「『ペリカンさん』と『ライオンさん』だ」",
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"327000211_44": "「なんだって……?」",
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"327000211_45": "「おおッ! ペリカンさんとライオンさんデースッ!」",
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"327000211_46": "「かわいい……」",
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"327000211_47": "「ところどころにこの子たちのイラストがあったけど、\\n ここのマスコットだったんだッ!」",
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"327000211_48": "「プロビデンス・パークへようこそッ!\\n ガオーッ!」",
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"327000211_49": "「へー、喋るようにできてるんですね」",
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"327000211_50": "「これらは案内役として作られたもののため、\\n 別段、不思議なことではない」",
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"327000211_51": "「ボクたちがみんなを案内するペリーッ!\\n どーんと任せてほしいペリー」",
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"327000211_52": "「マスコットの語尾、安直すぎるだろ」",
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"327000211_53": "「そうだ、マスコットと一緒に写真撮ろうよッ!\\n 切歌ちゃん、カメラ持ってきてたよね」",
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"327000211_54": "「こんなこともあろうかと用意してきたデスよッ!」",
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"327000211_55": "「はいはい、撮ってあげるからちょっと待っててね」",
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"327000211_56": "「……」",
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"327000211_57": "「どうしたんだ? マスコットをじーっと見つめて」",
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"327000211_58": "「別に見とれてたわけじゃないわ。\\n 単純にどうやって動いてるのかなー、と思っただけ」",
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"327000211_59": "「そっちで用意したんじゃないのか?」",
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"327000211_60": "「ここのものはほとんど局長が用意したもので\\n マスコットたちもまだ調整中だと聞かされていたワケダ」",
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"327000211_61": "「恐らく自動人形の類だろう。あの人のことだから、\\n こういったサプライズを面白おかしく楽しんでいるんだろうな」",
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"327000211_62": "「まあ、それは否定できないわね」",
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"327000211_63": "「次はクリスちゃんの番だよ。ほら、並んで並んでッ!」",
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"327000211_64": "「あたしは別に撮らなくていいって。\\n それより、写真ばっかり撮ってたら遊ぶ時間がなくなるぞ」",
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"327000211_65": "「そうでしたッ! 早く遊びに行くデスッ!」",
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"327000211_66": "「オススメは超巨大ウォータースライダーッ!\\n 全長300メートルを一気に滑り落ちる爽快感が売りガオッ!」",
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"327000211_67": "「おお、それは楽しそうデスッ!\\n さっそく行ってみるデスよ、調ッ!」",
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"327000211_68": "「うん、行ってみよう」",
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"327000211_69": "「みんなで一緒に回ろうって話はどうしたんだよ……。\\n ったく、仕方ない、追いかけるか」",
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"327000211_70": "「いや、好きなように回ってくれて構わない。\\n プレラーティ、あの子たちを頼めるか?」",
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"327000211_71": "「わかった、わたしが行くしかないワケダね」",
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"327000211_72": "「……さてと、こっちはこっちで楽しみましょ」",
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"327000211_73": "「あっちに身体を動かせるいい場所があるのよ。\\n よかったら、行ってみない?」",
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"327000211_74": "「え、ええっと、わたしは――」",
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"327000211_75": "「そしたら、わたしとクリスの3人で行きましょうか。\\n 身体を動かすのも夏らしくていいですからねッ!」",
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"327000211_76": "「ちょ、ちょっと待て。なんであたしなんだッ!」",
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"327000211_77": "「それじゃあ、サンジェルマンさん。\\n 響のことをよろしくお願いします」",
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"327000211_78": "「ああ」",
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"327000211_79": "(響、なんだかサンジェルマンさんのことを気にしてたみたいだし、\\n これでいいんだよね?)",
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"327000211_80": "「じゃあ、案内はあーしがしてあげるわ。\\n こっちよ、ちゃんとついてきなさい」",
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"327000211_81": "「だから、あたしはのんびりと――って、話を聞けよ。\\n 人を引きずりながら連れてくなッ!」",
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"327000211_82": "(なんだか未来に気を遣わせちゃったみたい……)",
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"327000211_83": "「……」",
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"327000211_84": "「……」",
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"327000211_85": "(ど、どうしよう。みんながいたときは普通に話せてたのに、\\n 2人きりになったら緊張して何を言えばいいのかわからない)",
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"327000211_86": "「アハハ、はしゃぎすぎてお腹空いちゃいました……」",
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"327000211_87": "(そうだ、ご飯でコミュニケーションを取る方法があるって\\n 前に聞いたことがあるッ!)",
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"327000211_88": "「ここって何か目玉のフードメニューとかありますか?」",
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"327000211_89": "「そういうことは私に聞かなくても\\n ライオンさんたちに聞けば教えてくれるはずだ」",
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"327000211_90": "「そうですか……、\\n それじゃ、よかったら、一緒に行きませんか?」",
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"327000211_91": "(……局長にも言われているし、\\n 流石に1人にするわけにはいかないわね)",
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"327000211_92": "「そうだな」",
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"327000211_93": "「ありがとうございますッ!\\n ライオンさん、案内、お願いねッ!」",
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"327000211_94": "「はーい、フードコートまでご案内ガオー」"
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