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"385001111_0": "決着を見据えて",
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"385001111_1": "数日後――",
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"385001111_2": "「――それでは、当面の方針はそのように」",
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"385001111_3": "「ああ。\\n 我々も引き続きウロボロスの情報を集め、共有しよう」",
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"385001111_4": "「連絡手段だけど――」",
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"385001111_5": "「よッ。これからの相談か?\\n オレたちも混ぜてくれよ」",
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"385001111_6": "「翼さんッ!\\n もう動いても大丈夫なんですか?」",
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"385001111_7": "「ああ、むしろ寝すぎたくらいだよ。\\n 身体がなまって仕方ない」",
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"385001111_8": "「まだ安静にしてなきゃいけない怪我だったと思うけど?」",
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"385001111_9": "「放っておいたら病室でトレーニングを始めちゃうから、\\n むしろ止めない方が安心なの」",
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"385001111_10": "「病人の自覚が足りないわね……」",
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"385001111_11": "「調も似たようなものデス。\\n 気がついたら、何かデータをいじってるデスよ」",
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"385001111_12": "「古城に残されたデータから、分析することは山ほどある。\\n それに、切ちゃんの邪竜フォームの調整もしたいし」",
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"385001111_13": "「おかげで、僕も休む暇なしですよ。",
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"385001111_14": " エジソンの研究成果はなかなか興味深いですけどね」",
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"385001111_15": "「で、これからどうするんだ?\\n 方針を話し合ってたんだろ?」",
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"385001111_16": "「ええ、それなんですが――」",
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"385001111_17": "「――というわけで、\\n 石屋やウロボロスの所在は分からないのが現状です」",
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"385001111_18": "「スクルドでも各並行世界で奴らの活動を追っているが、\\n 残念ながら、目ぼしい手がかりは掴めていない」",
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"385001111_19": "「あっちが動き出さなければ、\\n 見つけるのは難しいってことか……」",
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"385001111_20": "「はい。ですので、今はそれぞれの世界に戻り、\\n ウロボロスの情報を集めながら対抗策を練るべきです」",
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"385001111_21": "「うー、じれったいデスね……。アイツらの本拠地が分かれば、\\n 真っ向から決戦を仕掛けられるんデスが……」",
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"385001111_22": "「落ち着きなさい。\\n そこまで容易い相手じゃないわ」",
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"385001111_23": "「石屋の言動から、ベアトリーチェの復活はそう遠くないと\\n 判断できる。でも、今はまだその気配はない……」",
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"385001111_24": "「まだ何かしらの準備が必要ということよ」",
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"385001111_25": "「逆に言えば、今はわたしたちにとっても決戦への猶予期間」",
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"385001111_26": "「嫌がらせみたいな待ち時間だけど……\\n 時間があることだけは、前向きに捉えるべき」",
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"385001111_27": "「どれだけ万全を重ねても足りないかもしれない。\\n ……だからこそ、できることはしておきたい」",
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"385001111_28": "「――みんな。これからわたしたちは、\\n 並行世界を巻き込んだ戦いに身を投じることになるわ」",
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"385001111_29": "「所属組織も、生まれた世界も違うわたしたちだけど、\\n 手を結べばウロボロスにだって、きっと勝てる」",
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"385001111_30": "「だから、みんな。今は別れることになるけれど、\\n 時が来たら、その時は必ずお互いを……」",
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"385001111_31": "「隊長ーッ! ああ、みなさんもいるっスねッ!\\n ドーナツいかがっスかッ!?」",
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"385001111_32": "「これは素晴らしい、\\n 疲労回復にぴったりな糖分ですねッ!」",
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"385001111_33": "「な、なんだ?\\n 急にどうしたってんだ?」",
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"385001111_34": "「ドーナツ……デス?」",
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"385001111_35": "「ナツミぃ……あんたねぇッ!\\n 今大事な会議中なのが見て分からないのッ!?」",
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"385001111_36": "「ダメ助手まで……」",
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"385001111_37": "「ドーナツだって大事っスよ。\\n 物資補給で立ち寄った街で、揚げたてだったんスッ!」",
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"385001111_38": "「揚げたて……ッ」",
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"385001111_39": "「これはドーナツ大好きっ子である隊長に、\\n 頑張ったご褒美として買って来ないと、って思ったっス」",
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"385001111_40": "「フ……ハハッ! ま、確かに張り詰めっぱなしじゃ\\n いざって時にポキッといっちまいそうだしなッ!」",
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"385001111_41": "「うん、そうかも。\\n ……ほんの少しだけ、息つく時間もあっていい」",
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"385001111_42": "「ドーナツは美味しいデスよねぇ。\\n マリアちゃんの大好物デスかぁ」",
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"385001111_43": "「だから、マリアちゃんって言うなと何度言ったら……ッ!」",
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"385001111_44": "「まあまあ、ドーナツでも食べて機嫌直せよ。\\n 好きなんだろ?」",
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"385001111_45": "「いや、だからぁ……ああ、もうッ!\\n ええそうよ、ドーナツが好きよッ、悪いッ!?」",
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"385001111_46": "「ナツミ、それをよこしなさいッ!",
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"385001111_47": " もぐもぐ……あんたたちの分も、全部食べてやるんだからッ!」",
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"385001111_48": "「えー、ちょっと分けてほしいデスよー」",
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"385001111_49": "「お菓子ばかりだと、偏る。\\n そこのダメ助手みたいに」",
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"385001111_50": "「フフ、あんまりいじわる言わないで。\\n みんなで食べよ、ね?」",
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"385001111_51": "「う……分かったわよ」",
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"385001111_52": "「おお、ほんとに美味しいデスッ!」",
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"385001111_53": "「……悪くない」",
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"385001111_54": "「そう言いつつ、調さんもそれ3つめ――",
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"385001111_55": " 痛ァッ!? け、蹴らないでッ!」",
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"385001111_56": "「このお店、わたしたちの世界にもあるかな?」",
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"385001111_57": "「今度調べてみようぜ。\\n 影護のみんなに差し入れで持ってったら、喜ばれるかもな」",
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"385001111_58": "「まったく、のんきな連中ね」",
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"385001111_59": "(だからこそ、こんなにのんきで――平和な日々を\\n 当たり前に続けるためにも、ウロボロスの野望は阻止しなきゃ)",
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"385001111_60": "(わたしから奪われた運命が奴らの計画に使われるなら、\\n なおさらだわ)",
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"385001111_61": "(石屋……今回は決着を預けておいてあげる。\\n でも、このままでは終わらせない)",
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"385001111_62": "「姉さん、怖い顔してどうしたの?\\n ドーナツ、もっと食べたかった?」",
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"385001111_63": "「違うわよ。\\n ……これからの戦いは、きっとさらに激しくなるわ」",
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"385001111_64": "「それを乗り切るには、セレナの力が、みんなの力が必要よ。\\n わたしと一緒に――」",
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"385001111_65": "「そんなの、聞くまでもないでしょ?\\n でも、姉さんが不安なら何度だって言う」",
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"385001111_66": "「わたしはどこまでも、姉さんと一緒に戦うよ。\\n それはAPPLEのみんなだって同じはず」",
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"385001111_67": "「だって、わたしたちは家族なんだから。\\n そうでしょ?」",
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"385001111_68": "「フ……不安だったわけじゃないんだけど。\\n そうね、野暮なことを聞いたわ」",
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"385001111_69": "「――必ず勝ちましょう。\\n 勝って、因縁とも世界蛇とも……決着をつけるわよッ!」",
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"385001111_70": "「うんッ!\\n 姉さんと一緒なら、どんな敵とだってッ!」"
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