112 lines
9.1 KiB
JSON
112 lines
9.1 KiB
JSON
{
|
||
"329000922_0": "「まさか、こんな山奥に隠れているとはな」",
|
||
"329000922_1": "「人に見つかる心配も薄いから、都合がいいのだろう」",
|
||
"329000922_2": "「それで、チフォージュ・シャトーがあるのは\\n どの辺なんですか?」",
|
||
"329000922_3": "「この周辺ってだけじゃ、ちょっとざっくり過ぎるわよね?」",
|
||
"329000922_4": "「奴はレイライン上にメスを入れるつもりなワケダ。\\n ならば、その線が重なる地点――」",
|
||
"329000922_5": "「恐らく、あの頂の上空なワケダ」",
|
||
"329000922_6": "「まだ結構距離があるわねえ」",
|
||
"329000922_7": "「いつもだったらヘリでひとっ飛びなのに」",
|
||
"329000922_8": "「シャトーの対空兵装で蜂の巣になりたければ\\n 好きにするワケダ」",
|
||
"329000922_9": "「わたしたちはともかく、搭乗員を危険には晒せまい」",
|
||
"329000922_10": "「我々の気配は術式で消してはいるが、\\n どこまで気づかれずに近付けるか……」",
|
||
"329000922_11": "「敵もわたしたちの接近を予期し、全方位を固めているはずだ。\\n いつ接敵しても不思議ではない。油断するなッ!」",
|
||
"329000922_12": "「はいッ!!」",
|
||
"329000922_13": "「――ッ! 退がるワケダッ!」",
|
||
"329000922_14": "「はッ!? なんだ、藪から棒に――」",
|
||
"329000922_15": "「くうッ! 間一髪なワケダが……」",
|
||
"329000922_16": "「今のはッ!?」",
|
||
"329000922_17": "「呪力トラップの1種なワケダッ!」",
|
||
"329000922_18": "「地雷ってわけかッ!」",
|
||
"329000922_19": "「空間に設置でき呪力のみで構成されて実体が無い分、\\n 余計にタチが悪いワケダ」",
|
||
"329000922_20": "「嫌らしい性格をしてやがるッ!」",
|
||
"329000922_21": "「無事で何よりだが、\\n 今ので我々の所在が割れたな」",
|
||
"329000922_22": "「言ってる傍から\\n 歓迎パーティの始まりみたいよッ!」",
|
||
"329000922_23": "「だが、ここで足止めを食っている時間は無いッ!」",
|
||
"329000922_24": "「同感だッ! ブチ抜くぞッ!!」",
|
||
"329000922_25": "「今だ、駆け抜けろッ!」",
|
||
"329000922_26": "「はいッ!」",
|
||
"329000922_27": "「待って、この反応は――」",
|
||
"329000922_28": "「今度はなんだッ!?」",
|
||
"329000922_29": "「付近の魔力が急激に増大している――」",
|
||
"329000922_30": "「チフォージュ・シャトーが\\n 本格起動を開始したワケダッ!」",
|
||
"329000922_31": "「そんなッ! キャロルちゃんッ!」",
|
||
"329000922_32": "「時は満ちた」",
|
||
"329000922_33": "「レイラインのエネルギーを吸収し、\\n ダインスレイフとチフォージュ・シャトーは共鳴を開始した」",
|
||
"329000922_34": "「あとは譜面を構築し、その上に呪いの旋律を紡ぐだけ……」",
|
||
"329000922_35": "「何か言い残すことはありますか、キャロル?」",
|
||
"329000922_36": "「お前に残す言葉など無いッ!」",
|
||
"329000922_37": "「ファラ、レイア、ガリィ、ミカッ!」",
|
||
"329000922_38": "「むざむざ、こいつに破壊されるつもりかッ!」",
|
||
"329000922_39": "「命令だ、ここから逃げろッ!!」",
|
||
"329000922_40": "「……どうして、でしょうか?\\n もうすぐ、計画が達成されますのに……」",
|
||
"329000922_41": "「……何故、お前の命令を聞かねばならない?」",
|
||
"329000922_42": "「そうですよ~。\\n どうして、マスターでもないあなたなんかの……」",
|
||
"329000922_43": "「……そうだゾ、そうだゾ、\\n アタシに命令できるのはマスターだけなんだゾ」",
|
||
"329000922_44": "「マスター……だけ……」",
|
||
"329000922_45": "「見苦しい真似を……」",
|
||
"329000922_46": "「この期に及んで、そんな世迷言を最後の言葉に選ぶとは。\\n つくづく最後まで失望させてくれますね」",
|
||
"329000922_47": "「さあ……今こそパパの命題成就のために――」",
|
||
"329000922_48": "「その命を以て滅びの歌の譜面を書き上げなさいッ!」",
|
||
"329000922_49": "「くうッ!」",
|
||
"329000922_50": "「結界? まだそんな物を使う力が?」",
|
||
"329000922_51": "「ですが、その程度の出力ではッ!」",
|
||
"329000922_52": "「ぐああああ――ッ!」",
|
||
"329000922_53": "「ううッ……まだ、だ……」",
|
||
"329000922_54": "「まだ足掻くかッ!」",
|
||
"329000922_55": "「が――ッ!?」",
|
||
"329000922_56": "「なまじ結界など張らねば、ひと思いに死ねるものをッ!」",
|
||
"329000922_57": "「――ッ!!」",
|
||
"329000922_58": "「はははッ! もう声も出ないようですねッ!」",
|
||
"329000922_59": "「……マ……スター……、いえ、アレは偽物……」",
|
||
"329000922_60": "「……倒れているのは、偽のマスター……、\\n 何も、問題は無い……はず、だが……」",
|
||
"329000922_61": "「なのに……、\\n なんでこんなにクッソムカつくんだ……」",
|
||
"329000922_62": "「……身体が震えるゾ、腹も立ってくるんだゾッ!」",
|
||
"329000922_63": "「違う……これは……、アイツは――」",
|
||
"329000922_64": "「…………」",
|
||
"329000922_65": "「では、そろそろ終わりにするとしよう」",
|
||
"329000922_66": "「これで譜面が完成するッ!\\n さよなら、キャロルッ!」",
|
||
"329000922_67": "「真っ二つだッ!」",
|
||
"329000922_68": "「ハハハッ!\\n 脆い物ですね――ッ!」",
|
||
"329000922_69": "「な……これは、水煙だとッ?\\n どういうことだッ!?」",
|
||
"329000922_70": "「…………」",
|
||
"329000922_71": "「ガ……ガリィ?」",
|
||
"329000922_72": "「これはなんの真似だ、ガリィッ!」",
|
||
"329000922_73": "「木偶人形の分際で、よもやマスターに造反するかッ!?」",
|
||
"329000922_74": "「……こんなに可愛いお人形のガリィちゃんに、\\n 木偶なんて目が腐ってるんじゃないですか?」",
|
||
"329000922_75": "「全く、こんなクソみたいな奴をマスターだと\\n 思っていたなんて、一生の不覚ですねー」",
|
||
"329000922_76": "「なんだとッ!?」",
|
||
"329000922_77": "「ガリィ、お前、記憶が――」",
|
||
"329000922_78": "「ええ。わたしだけじゃないみたいですけど♪」",
|
||
"329000922_79": "「なッ!?」",
|
||
"329000922_80": "「時折、不自然さを感じていたのですけど。\\n まさかあなたのことをマスターと摺り込まれていただなんて」",
|
||
"329000922_81": "「派手に屈辱だ……」",
|
||
"329000922_82": "「なーんか変だと思ったのよね」",
|
||
"329000922_83": "「嘘だゾ。すっかり騙されてたんだゾ」",
|
||
"329000922_84": "「お前もだろうがッ!」",
|
||
"329000922_85": "「ええ……すっかり騙されてしまいましたわ」",
|
||
"329000922_86": "「けれど、私たちの前でマスターを傷つけたのが\\n 間違いでしたわね」",
|
||
"329000922_87": "「お腹の上がグラグラ煮えたぎったんだゾッ!」",
|
||
"329000922_88": "「助けねばならぬと、派手に心が騒いだのだ」",
|
||
"329000922_89": "「それでやっと記憶の矛盾に気づきましたのよ」",
|
||
"329000922_90": "「あの時くらった変な弾丸のおかげもあるみたいだけどね」",
|
||
"329000922_91": "「やっと頭のモヤモヤがスッキリしたんだゾッ!」",
|
||
"329000922_92": "「ああ、おかげで派手に全部思い出したッ!」",
|
||
"329000922_93": "「さて、マスターを返していただいたことですし」",
|
||
"329000922_94": "「ここは派手に退却といこうッ!」",
|
||
"329000922_95": "「フッ……まさか貴様らが\\n 正気に立ち返るとは思わなかったぞ」",
|
||
"329000922_96": "「だが、少しばかり助けに入るのが遅かったようだなッ!」",
|
||
"329000922_97": "「何をおっしゃるのッ!?」",
|
||
"329000922_98": "「うぐッ!」",
|
||
"329000922_99": "「ああああ――ッ!」",
|
||
"329000922_100": "「マスターッ!?」",
|
||
"329000922_101": "「何が起きてるんだゾッ!」",
|
||
"329000922_102": "「既に儀式は充分だったようだッ!」",
|
||
"329000922_103": "「ダインスレイフから流れ込んだ呪力は、キャロルの身体の中で\\n 錬成され、滅びの歌の譜面として今ここに具現化するッ!」",
|
||
"329000922_104": "「まずいッ……譜面が作られたッ!?」",
|
||
"329000922_105": "「お前らッ! この場から、早く逃げろッ!」",
|
||
"329000922_106": "「そうしたいのは山々ですけど。\\n アイツがそれを許してくれますかね?」",
|
||
"329000922_107": "「無論、お前たち木偶どもを逃がしたりはしない」",
|
||
"329000922_108": "「お前らには呪いの旋律を奏でて\\n もらわねばならぬのだからなッ!」",
|
||
"329000922_109": "「く――ッ!?」"
|
||
} |