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"382000121_0": "侵入者襲撃の少し前――",
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"382000121_1": "(数日前、響さんたちが訪れた未知の並行世界)",
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"382000121_2": "(ギャラルホルンも、デュプリケイターも使わずに並行世界を\\n 移動できたのは、いったいどうしてでしょうか……?)",
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"382000121_3": "(状況を聞く限りでは、イシムという存在が\\n 空間に穴を開けたようですが)",
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"382000121_4": "(それがイシム固有の力なのか、あるいはなんらかの\\n 聖遺物や哲学兵装を使ってのことなのか)",
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"382000121_5": "(……どの仮説も、推測の域を出ないですね)",
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"382000121_6": "「邪魔するぞ」",
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"382000121_7": "「あったかいものどうぞ。\\n 調子はどう?」",
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"382000121_8": "「あったかいものどうも」",
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"382000121_9": "「……でも、すみません。\\n 現状では、あまりにも情報が不足しています」",
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"382000121_10": "「仕方のないことだ。気にすることはない」",
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"382000121_11": "「イシム……何者なんでしょうか?」",
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"382000121_12": "「イシムという名前は、\\n シュメール神話で確認することができます」",
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"382000121_13": "「従神と言うことで、\\n それほど重要な神としては描かれていないのですが……」",
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"382000121_14": "「つまり、先史文明やアヌンナキが関係している可能性も\\n あるということか……」",
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"382000121_15": "「並行世界を渡る力を持っていることからも、\\n その可能性は高いと思います」",
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"382000121_16": "「はい。それに、響さんたちは向こうで数日を過ごしたという\\n ことですが、こちらで経過した時間はわずか1時間……」",
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"382000121_17": "「この時間のずれも気になります」",
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"382000121_18": "「ギャラルホルンやデュプリケイターとは性質が違うようね。\\n 空間の歪曲自体は検知できたけど、正体がつかめないわ」",
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"382000121_19": "「いずれにせよ、イシムが他の並行世界に\\n 害を及ぼさないとも限らん」",
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"382000121_20": "「各並行世界の協力機関にも情報を共有せねばな」",
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"382000121_21": "「そうですね。\\n イシムの目的が分かれば、対策も立てやすいのですが……」",
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"382000121_22": "「イシムが明日香さんを狙っていたのはなぜでしょう?\\n ……ううーん……」",
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"382000121_23": "「現状では、考えても分からないことよ。\\n 根を詰め過ぎると身体に毒だわ」",
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"382000121_24": "「ああ。確かに、不可解な事態ではあったが、\\n イシムはガーディアンギアによって撃退している」",
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"382000121_25": "「はっきりとその消滅を確認したわけではないため、\\n 油断は禁物だが、当面の危機は去ったものと判断している」",
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"382000121_26": "「調査と検証は続けつつも、様子見といこう」",
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"382000121_27": "「はい、分かりましたッ!」",
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"382000121_28": "「こんにちはッ! 検査、終わりましたッ!」",
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"382000121_29": "「すまない、君には面倒をかける」",
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"382000121_30": "「いえいえ、そんなことはないですッ!\\n それに……」",
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"382000121_31": "「ん?」",
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"382000121_32": "「ここは奏さんの働いていた正義の組織ですからッ!\\n 来れる理由があるのは嬉しいですッ!」",
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"382000121_33": "「正確には、奏がいた頃とは別の組織なのだが――」",
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"382000121_34": "「別の組織……ひょっとして、名前を変えて\\n 気持ちを新たにリニューアルされたとかッ!?」",
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"382000121_35": "「まあ、その認識でも問題ないか。\\n ――それより、検査の結果を確認しよう」",
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"382000121_36": "「そうでしたッ! どうだったでしょうかッ!?\\n あたし、なにか特殊な力に目覚めたりしてませんかッ!?」",
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"382000121_37": "「ちょっと待ってくださいね。\\n 今、結果のデータを詳しく確認してみます」",
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"382000121_38": "「……残念ですが、今回の検査で、\\n 新たに分かったことはありません」",
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"382000121_39": "「そうなんですか……」",
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"382000121_40": "「とはいえ、並行世界で怪物の位置を察知できたのには、\\n なにか理由があるはずです」",
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"382000121_41": "「あれから、なにか変わったことはありませんか?」",
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"382000121_42": "「う~ん……そうですね。最近ちょっと夢見が悪い気がしますが、\\n 特に変わったことはないですね」",
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"382000121_43": "「あ、でもちゃんと毎日9時間は寝てるし、\\n ごはんもしっかり食べてるので、大丈夫ですッ!」",
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"382000121_44": "「規則正しい生活は、健全な肉体作りに欠かせませんからッ!」",
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"382000121_45": "「フッ、それは結構。後は映画さえ見れば、鍛錬には十分だ」",
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"382000121_46": "「それで強くなるのは司令だけですから……」",
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"382000121_47": "「話を戻すが、まだ検査できていない項目もある。\\n また日を改め、調べさせてほしい」",
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"382000121_48": "「はいッ! もちろん、協力させていただきますッ!」",
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"382000121_49": "「苦労をかけてすまないな」",
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"382000121_50": "「いえ、そんなことないです」",
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"382000121_51": "「……この前は、シンフォギアを使えなくても、たくさん\\n 頑張って、なんとか装者の皆さんの力になることができました」",
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"382000121_52": "「それは響先輩の言う通りでしたけど、もしまたイシムが\\n 現れた時、同じことができるかは分かりません……」",
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"382000121_53": "「あたしには、装者の皆さんのような\\n 戦う力が無いから……」",
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"382000121_54": "「出来れば、今度は皆さんと一緒に戦えるような\\n 『がんばり』がしたいんですッ! 奏さんのように……ッ!」",
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"382000121_55": "「司令さん、あたしも歌の戦士に、\\n シンフォギア装者になることはできないでしょうかッ!?」",
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"382000121_56": "「…………」",
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"382000121_57": "「君が持つ正義感の強さは、並大抵のものではない。\\n それゆえに装者のように戦えない無力感も大きいのだろう」",
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"382000121_58": "「しかし……装者になれる者は限られている。\\n 覚悟だけでは届かないものも、世の中にはあるんだ」",
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"382000121_59": "「それに、もし装者になる方法があったとしても、\\n それは非常に危険なことだ。そう簡単には協力できん」",
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"382000121_60": "「…………」",
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"382000121_61": "「銃後の戦いも護りたいもののためにできる1つの方法だ。\\n だが、君はまだ学生……それも難しいだろう」",
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"382000121_62": "「君が大人になった時、また門をたたいてほしい。\\n それまで踏ん張り続けるのが、俺たち大人の仕事だ」",
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"382000121_63": "「……分かりました。\\n あたしは、今のあたしにできることを、がんばります……ッ!」"
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