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"389000731_0": "「ど、どうなってるデスかッ!?」",
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"389000731_1": "「『完全』となったニケの姿が……\\n 人によって、別のものに見えている……?」",
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"389000731_2": "「だとすれば、これは幻なのか……?」",
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"389000731_3": "「……この雄々しさが、ぬくもりが\\n ――幻?」",
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"389000731_4": "「いや、違う……」",
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"389000731_5": "「翼さん……ッ?」",
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"389000731_6": "「そうだ……\\n ゲオルク自身が言っていたではないか」",
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"389000731_7": "「何をもって『完全』と成すかは、\\n その者の魂の拠りどころ次第だと……ッ!」",
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"389000731_8": "「あ……ッ!」",
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"389000731_9": "「そうか……だからわたしや切ちゃんにとっての女神様は、\\n マムやマリアのような厳しさと優しさが……」",
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"389000731_10": "「わたしにとっては……\\n 奏のような雄々しき輝きがッ!」",
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"389000731_11": "「でも、人によってイメージが違うなら、\\n それはきっと、『完全』なんかじゃない……」",
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"389000731_12": "「そうだ……人間が不完全である限り、\\n 完全なる世界など存在しうるはずがないッ!」",
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"389000731_13": "「どれだけ追い求めようと……『完全』の概念そのものが、\\n 『不完全なヒト』が持つ願望に過ぎないのだから……ッ!」",
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"389000731_14": "「じゃあ、あのニケさんの姿は……ッ!」",
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"389000731_15": "「不完全なヒトであるが故に持つ、\\n 完全への哀しき羨望を具現化する力……」",
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"389000731_16": "「メフィストフェレスの名に相応しき、\\n 心の隙間に取り憑く悪魔の所業だッ!」",
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"389000731_17": "「悪魔……悪魔だと?\\n このカンビなチカラを悪魔の所業と<ruby=のたま>宣</ruby>ったか……ッ?」",
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"389000731_18": "「愚かな……ッ! このチカラこそがこの世に完全を<ruby=もたら>齎</ruby>すッ!\\n 貴様らには、美しく成ろうとするこの世界が何故視えぬッッ!」",
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"389000731_19": "「内包するのだッ! 完全が、全てをッ!\\n 調和もッ! 理解もッ!」",
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"389000731_20": "「私が不全故に苦悶した全ても……今、このときのため……ッ!\\n 何も解さぬ貴様らに邪魔立てされる筋合いはないッ!!」",
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"389000731_21": "「ゲオルクの、身体が……ッ!\\n 聖遺物の力に呑まれはじめている……ッ!?」",
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"389000731_22": "「わからないデス……ちっともわからないデスよッ!\\n でも――ッ!」",
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"389000731_23": "「おまえが……ッ! アナタがッ!\\n アタシたちと同じ間違いをしてるってことだけはわかるデスッ!」",
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"389000731_24": "「あなたの苦しみなんて知らないッ、わからないッ!」",
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"389000731_25": "「けど、その力に呑まれても――<ruby=すが>縋</ruby>ってもッ!\\n あなたも世界も、救われたりしないッ!」",
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"389000731_26": "「その通りだ、ゲオルクッ!\\n その力は、ヒトが扱いきれるものではないッ!」",
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"389000731_27": "「扱いきれぬ力は、ヒトを<ruby=たぶら>誑</ruby>かすだけのものだッ!!\\n その力を……契約を解除しろッ! それ以上は戻れなくなるッ!」",
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"389000731_28": "「ハァ……ハ、はぁ……ッ!!\\n 貴様らの救いなぞ、不全の手など要るものかァッ!!」",
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"389000731_29": "「『成ろう』としているニケを前にすれば、\\n 貴様らも……理解に至るかと、最後の期待をした……」",
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"389000731_30": "「だが、今、この様が全てだッ!! 貴様らには至れない。\\n 貴様らには――私の<ruby=こいねが>希</ruby>う完全なる世界は、解らないッ!!」",
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"389000731_31": "「ゲオルク……ッ!!」",
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"389000731_32": "「私は成すッ! 完全なる世界を。\\n 美しき戦女神の手に因って――ッ!」",
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"389000731_33": "「その為にッ!\\n 今一度、私に応えよ、『メフィストフェレスの薬』ィッ!!」",
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"389000731_34": "「はあアあぁァァァ……ッ」",
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"389000731_35": "「……ッ!\\n ヒトじゃ、なくなってるデス……ッ!」",
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"389000731_36": "「これが……\\n 力に呑まれた人の、末路……」",
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"389000731_37": "「クク……フフフ……フハハハハッ! 得た……至ったッ!\\n ヒトの身で『完全』を受肉した私が、ついに解き放たれたッ!」",
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"389000731_38": "「不全からの解放……。\\n 完全なる、神の領域へとッ!」",
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"389000731_39": "「ふざけるな……ッ!\\n そのように醜悪な姿のどこに、神が宿るというのだッ!」",
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"389000731_40": "「不全なるそなたたちには解せまい。\\n 哀れにも、未だに抗う戦女神にも、然りか……」",
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"389000731_41": "「え……?」",
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"389000731_42": "「だが、喜ぶが良いッ! この<ruby=完全なる>リプリート</ruby>・ゲオルクこそが、\\n そなたたちもまた、至上なる完全へと導いてやろうぞッ!」",
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"389000731_43": "「ゲオルク……哀れなり」",
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"389000731_44": "「悪魔に魂を売り渡した者の行きつく先は――\\n いつの世も、地獄の底と知るがいいッ!!」"
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