70 lines
6.0 KiB
JSON
70 lines
6.0 KiB
JSON
{
|
||
"388000541_0": "「木の葉を巻き上げての目くらまし……ッ!\\n なかなかに厄介ね」",
|
||
"388000541_1": "「だけど……神経を研ぎ澄ませれば、\\n 見つけられないわけではないッ!」",
|
||
"388000541_2": "「……見えたッ!\\n そこッ!」",
|
||
"388000541_3": "「いい目をしていますね。\\n 見つかるとは思いませんでした」",
|
||
"388000541_4": "「目だけだと思わないでッ!」",
|
||
"388000541_5": "「一度捕らえた相手を放そうとしない、\\n その素早さと執念、さすがですね」",
|
||
"388000541_6": "「いつまでも逃げ切れると思わないことねッ!」",
|
||
"388000541_7": "「木を盾にしようというの?\\n その盾、一振りで切り倒して――」",
|
||
"388000541_8": "「ニャァ~~」",
|
||
"388000541_9": "「……ッ、猫……ッ!?」",
|
||
"388000541_10": "「猫を慮って攻撃を止めましたね。\\n 本物の猫だと思いましたか?」",
|
||
"388000541_11": "「まさか、鳴き真似……ッ!?",
|
||
"388000541_12": " ふざけた真似をッ!」",
|
||
"388000541_13": "「覚悟ッ!」",
|
||
"388000541_14": "「ニャァ~」",
|
||
"388000541_15": "「え……ッ!?\\n 本物ッ!?」",
|
||
"388000541_16": "「頭の上がお留守ですよ」",
|
||
"388000541_17": "「上かッ!」",
|
||
"388000541_18": "「おや、いいんですか?\\n 僕に注意を向けて」",
|
||
"388000541_19": "「え?」",
|
||
"388000541_20": "「シャーッ!」",
|
||
"388000541_21": "「あいたたたッ!?\\n ちょっと、やめなさ……、やめて~……ッ!」",
|
||
"388000541_22": "「何遊んでるんだッ!」",
|
||
"388000541_23": "「遊んでるわけじゃないわよッ!",
|
||
"388000541_24": " 猫ちゃんが……」",
|
||
"388000541_25": "「なら猫は任せたッ!\\n 緒川さんはあたしが捕まえるッ!」",
|
||
"388000541_26": "「体力には自信があるんだッ!\\n 簡単に逃げられると思わないでほしいねッ!」",
|
||
"388000541_27": "「そのようですね。\\n なら、これはどうですか? ――火遁ッ!」",
|
||
"388000541_28": "「――見切ったッ!」",
|
||
"388000541_29": "「槍で叩き落した……ッ!",
|
||
"388000541_30": " <ruby=そうこく>相剋</ruby>もせずに真っ向から迎撃するとは……さすがですね」",
|
||
"388000541_31": "「力押しもまた、研ぎ澄ませば立派な技ですね」",
|
||
"388000541_32": "「役割が重要って言うなら、\\n これが槍を携えたあたしの役割だッ!」",
|
||
"388000541_33": "「なるほど、これは一本取られました。",
|
||
"388000541_34": " では、もう一度……火遁ッ!」",
|
||
"388000541_35": "「何度だって撃ち落としてやるさッ!\\n うおおぉ――ッ!」",
|
||
"388000541_36": "「……って、水の塊ッ!?\\n 押し流され……うわぁぁぁ――ッ!」",
|
||
"388000541_37": "「水流が相手では、ギアをもってしても切り落とせは\\n しないでしょう」",
|
||
"388000541_38": "「卑怯だぞおおぉぉぉぉぉ……――ッ!」",
|
||
"388000541_39": "「ハッタリとて、立派な戦術ですよ。\\n 武術におけるフェイントと一緒です」",
|
||
"388000541_40": "「緒川さん」",
|
||
"388000541_41": "「これは……\\n 堂々とした登場ですね」",
|
||
"388000541_42": "「わたしたちはまだ、忍の本質というものがわかりません。\\n 少しでも、ヒントをいただけたらと……思いまして」",
|
||
"388000541_43": "「なるほど。\\n 構いませんよ」",
|
||
"388000541_44": "「この里が、緒川さんの育ったところなんですよね?」",
|
||
"388000541_45": "「ええ、そうなりますね。\\n 幼い頃から、修行修行の毎日でしたけど」",
|
||
"388000541_46": "「景色もすごく綺麗だし、落ち着きますよね。これだけ鮮明に\\n 思い出せるっていうことは、やっぱり大事な場所なんですか?」",
|
||
"388000541_47": "「はい。やはり、この景色は僕にとっての原点なので、\\n こうしていると、昔を思い出しますよ」",
|
||
"388000541_48": "「あの頃、僕は兄や弟と一緒に修行に励んでいました」",
|
||
"388000541_49": "「本当に想い出でいっぱいの場所なんですね……」",
|
||
"388000541_50": "「そうですね。\\n 懐かしいです」",
|
||
"388000541_51": "(……今だッ!)",
|
||
"388000541_52": "「ですが――」",
|
||
"388000541_53": "「きゃッ!? う、動けないッ!?\\n これは……ロープで縛られてるのッ!?」",
|
||
"388000541_54": "「僕の意識を逸らして生まれた隙に、\\n 術者自身の拘束を狙う――いい手段です」",
|
||
"388000541_55": "「ただ、やはり動きが正直すぎましたね。あなたは心根が\\n 素直なので、そもそも虚を突くのには向いていないのでしょう」",
|
||
"388000541_56": "「ですが、忍の技を盗もうとするその心意気は\\n とてもよいと思います」",
|
||
"388000541_57": "「……こうもあっさりやられちゃうと、\\n 褒められるのも複雑です……」",
|
||
"388000541_58": "「うー、ひどい目にあった……。\\n 服が濡れて気持ち悪い」",
|
||
"388000541_59": "「わたしなんて引っ掻き傷だらけよ。\\n ……で、あなたもやられたわけね」",
|
||
"388000541_60": "「面目次第もございません……」",
|
||
"388000541_61": "「では皆さん揃ったところで、\\n 仕切り直しと――」",
|
||
"388000541_62": "「……いえ、どうやらそうもいかないようですね」",
|
||
"388000541_63": "「どういうこと?」",
|
||
"388000541_64": "「外でフィーネさんたちがお呼びのようです」",
|
||
"388000541_65": "「何も聞こえないけど……?」",
|
||
"388000541_66": "「精神世界のホストになった人にしか\\n 聞こえないんでしょうか?」",
|
||
"388000541_67": "「恐らくそうでしょう。\\n 一度、現実世界に戻りましょう」"
|
||
} |