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"388000531_0": "「ふー、忍者の修行ってのは、\\n なかなかハードだな」",
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"388000531_1": "「厳しい修行を乗り越えなければ、\\n 命懸けの任務には送り出せませんからね」",
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"388000531_2": "「逆に言えば、修行に耐えられる者を選別しているというわけね」",
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"388000531_3": "「ええ。術の才能があっても、\\n 心が折れてしまっては忍としての適正があるとは言えません」",
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"388000531_4": "「厳しいけど、それも1つの優しさなんですね……」",
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"388000531_5": "「術の才能か……。",
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"388000531_6": " 緒川さんは、他にはどんな術を使えるんだ?」",
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"388000531_7": "「そうですね。\\n 口寄せなどはどうでしょう?」",
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"388000531_8": "「確か、動物とかを呼び出すことができるんですよね」",
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"388000531_9": "「ええ、呼び出せますよ。\\n ガマなどは基本的な口寄せの1つですから」",
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"388000531_10": "「など……ということは、他にも?」",
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"388000531_11": "「そうですね……興味がおありのようですし、\\n 見ていただくのが早いかもしれません」",
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"388000531_12": "「かわいいッ!」",
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"388000531_13": "「おー、ほんとにでてきた」",
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"388000531_14": "「ふわふわのふかふか……ッ!\\n な、撫でさせてくれるかしら……ッ!?」",
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"388000531_15": "「…………」",
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"388000531_16": "「……ハッ!」",
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"388000531_17": "「こほん……。\\n なるほど、忍術というのは奥が深いわね」",
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"388000531_18": "「何も無かったことにした……」",
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"388000531_19": "「いいんだぞ、マリア。無理しないで、\\n かわいいでちゅね~、ってしてても」",
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"388000531_20": "「そんな言葉遣いはしていないわよッ!」",
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"388000531_21": "「照れるなって。",
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"388000531_22": " なあ、こいつって、緒川さんの命令を聞いてくれるのか?」",
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"388000531_23": "「ええ。概ね、僕の意志に従った行動を\\n 取ってくれますよ」",
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"388000531_24": "「へぇ。\\n それじゃあ、朝起こしてもらったりできるのか?」",
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"388000531_25": "「起こしてもらう……ッ!",
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"388000531_26": " それは……いいわね」",
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"388000531_27": "「残念ながら、口寄せは術者が気を失ったりすれば、\\n 消えてしまうんです。だから、その使い方はできませんね」",
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"388000531_28": "「そう……」",
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"388000531_29": "「でもさ、緒川さん。\\n こいつ、戦えるとは思えないけど……なんの役に立つんだ?」",
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"388000531_30": "「そうですね……せっかくですから、\\n ここで忍の心の在り方についてレクチャーするとしましょう」",
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"388000531_31": "「忍の技の冴えに必要なのは、\\n 何も技術だけではありません」",
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"388000531_32": "「己が何を成したいのか、成すべきなのか――\\n それを明確にすることが重要です」",
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"388000531_33": "「術に、そして己自身にどんな『役割』を与えられるか、\\n これを強く意識することで、忍の術は冴えるものなのです」",
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"388000531_34": "「精神論で術が強くなったり弱くなったりするっていうことか?」",
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"388000531_35": "「近いですが、単純な強さ弱さだけで測れることでも\\n ないのですよ、忍の技は」",
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"388000531_36": "「確かに、この子に戦闘能力はありません。\\n しかし、忍の任務は探索、索敵、妨害と多岐に渡ります」",
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"388000531_37": "「そして今、『皆さんに巻物を奪われないこと』が、\\n 僕自身に、そして術に込めた最大の『役割』です」",
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"388000531_38": "「……ちょっと待って。",
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"388000531_39": " 緒川さん……巻物を持っていないわッ!」",
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"388000531_40": "「なんだって……ッ!?\\n いつの間に……?」",
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"388000531_41": "「術に役割を与える……\\n ひょっとして、この子が?」",
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"388000531_42": "「お気付きになられたようですね。\\n しかし、奪うことができますか? ――<em=・>この子たち</em>から」",
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"388000531_43": "「たち……?」",
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"388000531_44": "「うわッ!?\\n いつの間にこんなに……?」",
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"388000531_45": "「くッ、かわいさで惑わそうというの?\\n これが忍の技……、なんて凶悪な……ッ!」",
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"388000531_46": "「マ、マリアさん……\\n それはちょっと違うと思うんですけど……」",
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"388000531_47": "「この子たちに与えた役割は、皆さんから巻物を護ることです。\\n ただの猫と侮っていては、苦戦しますよ」",
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"388000531_48": "「ニャ~」",
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"388000531_49": "「挑発してるのか、こいつら?\\n ……やってやろうじゃないかッ!」"
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