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"388000211_0": "ニンジュツクラベ",
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"388000211_1": "数分前――",
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"388000211_2": "「急ぐぞッ!\\n 聖遺物を賊の手に渡すわけにはいかんッ!」",
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"388000211_3": "「本部内にまでは、\\n アルカ・ノイズはバラまかれていないようね」",
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"388000211_4": "「はぁ、はぁ……ッ! この僕をあちこち引きずり回すとは、\\n 人使いが、荒いですね……ッ!」",
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"388000211_5": "「これくらいで情けないわね」",
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"388000211_6": "「……ッ!",
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"388000211_7": " 待て、誰かいるぞッ!」",
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"388000211_8": "「待ちくたびれたでゴザルよ」",
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"388000211_9": "「何、あのふざけた恰好……?」",
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"388000211_10": "「何者だッ!」",
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"388000211_11": "「ククク……聞かれたからには、\\n 名乗らぬも無作法というものでゴザルな……よかろうッ!」",
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"388000211_12": "「遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よッ!\\n <ruby=それがし>某</ruby>こそは、文明が生んだ闇を駆けしスーパーニンジャッ!」",
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"388000211_13": "「人呼んで――",
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"388000211_14": " アカオニッ!」",
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"388000211_15": "「あか……おに?」",
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"388000211_16": "「左様にゴザル。闇夜に映えし赤は、熟練のニンジャの証。\\n ニンジャマスターを目指す<ruby=それがし>某</ruby>にこそ相応しい色でゴザル」",
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"388000211_17": "「忍を名乗る割には、\\n 身を隠そうという気はないのだな……」",
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"388000211_18": "「フハハハハッ! おかしなことをいう男でゴザルッ!\\n 一流のニンジャは、人目を引きながら任務を完遂するものッ!」",
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"388000211_19": "「<ruby=それがし>某</ruby>はそこらへんのコソ泥とはわけが違うのでゴザルッ!」",
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"388000211_20": "「同類か……」",
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"388000211_21": "「……僕を見ながら言うの、やめてもらえます?\\n いささか以上に不愉快です」",
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"388000211_22": "「どんななりをしていようと、二課に襲撃をかけた相手を\\n 逃がすつもりはない。悪いが、ここでお縄についてもらうッ!」",
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"388000211_23": "「なかなか素早いでゴザルな。",
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"388000211_24": " ……なれどッ!」",
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"388000211_25": "「何ッ!?」",
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"388000211_26": "「――いかな剛拳とて、\\n 殺意がなければナマクラも同じ」",
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"388000211_27": "「一瞬で後ろをとられた……ッ!?」",
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"388000211_28": "「御命、頂戴するでゴザ――」",
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"388000211_29": "「させるものかよッ!\\n おおぉ――ッ!」",
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"388000211_30": "「何……ッ!?」",
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"388000211_31": "「アカオニが吹き飛んだッ!?\\n 手も触れていないのに……ッ!?」",
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"388000211_32": "「震脚で衝撃波を発生させた」",
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"388000211_33": "「相変わらず、無茶をするわね……」",
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"388000211_34": "「フッ、なかなかおもしろい真似をするでゴザルな」",
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"388000211_35": "「あの様子……ダメージを受けてないの?」",
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"388000211_36": "「いや、ダメージを受ける前に、\\n 自ら跳んで衝撃を受け流していた」",
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"388000211_37": "「気を引き締めろ。どうやらこいつは、\\n 手加減していい手合いではないようだ」",
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"388000211_38": "「……こっちの忍者も呼んだ方がいいかもしれないわね。\\n 外はまだ片付かないのかしら」",
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"388000211_39": "「確認の暇をくれる相手ではないだろうよ」",
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"388000211_40": "「ん? 構わないでゴザルよ?\\n 憂いを残しては、戦いにも身が入らないでゴザろう」",
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"388000211_41": "「……では、お言葉に甘えるとしよう。",
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"388000211_42": " ――友里。外の戦況はどうだ? 様子を知りたい」",
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"388000211_43": "「外の音声、回しますッ!」",
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"388000211_44": "「あたしの世界の錬金術師も癖は強いけど、\\n ここのは数段悪趣味だな」",
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"388000211_45": "「これを忍者と呼ぶのは、僕としては複雑ですね……。\\n 明らかに、忍びのなんたるかを理解していない……」",
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"388000211_46": "「……向こうも交戦中みたいね。\\n こっちに来てもらう余裕はないか」",
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"388000211_47": "「そのようだな。\\n やはりこの男は、俺が相手を……ん?」",
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"388000211_48": "「悪趣味……?\\n シノビを理解していない……だと?」",
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"388000211_49": "「……?\\n おい、何をぶつぶつと――」",
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"388000211_50": "「……拳法使いよ。\\n この場は預けるでゴザル」",
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"388000211_51": "「何……?」",
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"388000211_52": "「アルカ・ノイズ……ッ!\\n まだ手持ちが残っていたかッ!」",
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"388000211_53": "「御免ッ!」",
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"388000211_54": "「待てッ!",
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"388000211_55": " ……逃したか」",
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"388000211_56": "「追いかけるより、こいつらの処理が優先ね」",
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"388000211_57": "「仕方ありませんね。二課を荒らされるのは僕としても\\n 困りますから、文字通り腕を振るわせてもらいますよ」",
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"388000211_58": "「その恰好って……」",
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"388000211_59": "「もしかして……」",
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"388000211_60": "「忍、者……?」",
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"388000211_61": "「いかにも。<ruby=それがし>某</ruby>の名は、アカオニ。\\n 遠くの海の向こうよりこの地を訪れた、ニンジャでゴザルッ!」",
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"388000211_62": "「忍者って……どういうことだよ?\\n ていうかその衣装、忍ぶ気全然ないだろ」",
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"388000211_63": "「気を付けてください。身なりはふざけていますが、\\n 先程の身のこなし……只者ではありません」",
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"388000211_64": "「聞こえるか?\\n どうやら、既に交戦状態にあるようだな」",
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"388000211_65": "「ええ。本部内に侵入していたのは、この……",
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"388000211_66": " ふざけた恰好の男でしょうか?」",
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"388000211_67": "「ああ。どういうつもりかはわからんが、\\n 堂々と姿を晒したうえ、こちらを無視してそちらに向かった」",
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"388000211_68": "「こちらはこちらで手が離せん。\\n しばらく、そいつの相手は任せた」",
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"388000211_69": "「……承知しました。\\n こちらでなんとかしましょう」",
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"388000211_70": "「その声……貴様らでゴザルな?\\n <ruby=それがし>某</ruby>のニンジャ・アルカ・ノイズにケチをつけたのは」",
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"388000211_71": "「ニンジャ・アルカ・ノイズ……?」",
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"388000211_72": "「そのままのネーミングね……」",
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"388000211_73": "「名を名乗るでゴザルッ!」",
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"388000211_74": "「敵を相手に名乗る必要があるとは思えませんが……」",
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"388000211_75": "「ええい、名乗らないとはニンジャの風上にもおけぬヤカラッ!\\n 恥を知るでゴザルッ!」",
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"388000211_76": "「そ……それはどっちかっていうと、\\n 侍の作法じゃないのか?」",
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"388000211_77": "(……ここは会話に応じて、\\n 司令たちの合流まで時間を稼ぐのが得策ですね)",
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"388000211_78": "「……緒川慎次です」",
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"388000211_79": "「オガワ……?",
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"388000211_80": " なるほど。では、貴様がクサナギニングンの頭領でゴザルな」",
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"388000211_81": "「……ッ!?\\n なぜそれを……ッ!?」",
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"388000211_82": "「これはいいッ、手間が省けたでゴザルッ!」",
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"388000211_83": "「クサナギニングンの頭領よ。ニンジャとしての誇りをかけて、\\n <ruby=それがし>某</ruby>とニンジュツ比べで勝負するでゴザルッ!」"
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