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"375000911_0": "希望は願う者に降りて",
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"375000911_1": "「実は、この世界からログアウトする方法が分かったの」",
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"375000911_2": "「ええッ! 本当デスかッ!?」",
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"375000911_3": "「うん。実はペンタスと話した時、\\n お願いして、管理権限の一部を譲ってもらったの」",
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"375000911_4": "「それは、調がずっと不可能だと言ってた、\\n ゲームの中からプログラムを書き換える方法デスか?」",
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"375000911_5": "「そう。全部は無理だけど、プログラムを見たり、\\n 許された箇所の編集ができるようになった」",
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"375000911_6": "「それで切ちゃんが眠っている間、丹念に解析をした結果、\\n セキュリティホール、つまり設計の綻びを発見できた」",
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"375000911_7": "「そこを突けば、多分ログアウトできると思う」",
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"375000911_8": "「なら、この世界に閉じ込められているプレイヤーは、\\n みんな助かるんデスね」",
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"375000911_9": "「……それは無理」",
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"375000911_10": "「へ?」",
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"375000911_11": "「カロンはきっと、この世界のアクセスを全て掌握してるはず。\\n 一度使えば、カロンにもバレて修復されてしまう」",
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"375000911_12": "「そんな……」",
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"375000911_13": "「切ちゃん、今ならわたしたちは確実に無事にここから出られる。\\n だから一足先に、現実に戻ろう?」",
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"375000911_14": "「残されたみんなのことは、戻ってから何か方法を\\n 考えればいい」",
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"375000911_15": "「わたしたちが何もしなくても、あの人ならカロンを倒して\\n 脱出するかもしれないし……」",
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"375000911_16": "「調、ちょっと落ち着くデスよ。\\n アタシたちだけ助かるだなんて、そんなの――」",
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"375000911_17": "「みなさん、ご無事ですかーッ!」",
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"375000911_18": "「偽助手ッ!? よくも平然と戻ってこれたね」",
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"375000911_19": "「違いますよッ! 僕は本物の――」",
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"375000911_20": "「調、助手さんを蹴るデスッ!」",
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"375000911_21": "「お安いご用」",
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"375000911_22": "「ギャンッ! ……ヒドイ」",
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"375000911_23": "「調、この助手さんは本物デスッ!」",
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"375000911_24": "「今のは、なんとなく分かった」",
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"375000911_25": "「どうやってログインしたの?」",
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"375000911_26": "「大変でしたよ。生体データを誤認させることで、\\n 別人としてなんとか入ってくることができました」",
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"375000911_27": "「お疲れ様デス」",
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"375000911_28": "「もっと労わってくださいッ!」",
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"375000911_29": "「そもそも、行き過ぎたチート行為で、\\n アカBANされていた自分のせいでしょ?」",
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"375000911_30": "「この……、ダメ助手ッ!」",
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"375000911_31": "「アウチッ! け、蹴らないで……」",
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"375000911_32": "「代わりにクリスさんを寄越したじゃないですか。\\n クリスさんを通して、こちらの様子も見ていたのですよ」",
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"375000911_33": "「それなのに、どうして今になって\\n 助手さん本人が入ってきたんデス?」",
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"375000911_34": "「クリスさんと、この世界の危機を伝えに来たんですよ。\\n クリスさんに同行している、偽者の僕の正体はカロンです」",
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"375000911_35": "「――ッ!」",
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"375000911_36": "「あれがラスボスだったデスかッ!?」",
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"375000911_37": "「じゃあ作戦も筒抜け……、\\n いや、もともと行動を誘導されていた……?」",
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"375000911_38": "「カロンは、クリスさんがモルペウスの花を見つけた瞬間に、\\n 横から掠め取るつもりなのでしょう」",
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"375000911_39": "「とにかくクリスさんが危険です。\\n 助けに行きましょうッ!」",
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"375000911_40": "「……必要ない」",
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"375000911_41": "「調……まだそんなことを……」",
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"375000911_42": "「わたしは……切ちゃんを危険に晒したくない。\\n この世界が危険なら、早くセキュリティホールから脱出しよう」",
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"375000911_43": "「…………」",
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"375000911_44": "「調、聞いてほしいデス」",
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"375000911_45": "「アタシはモーフワールドに閉じ込められても、ずっと調が\\n いてくれたから楽しかったし、寂しくもなかったデス」",
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"375000911_46": "「そんなの、わたしも同じ」",
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"375000911_47": "「だったら想像してほしいデス。\\n アタシがいない、調だけが閉じ込められた世界を……」",
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"375000911_48": "「――ッ!",
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"375000911_49": " そんなの耐えられないし、何がなんでも脱出する」",
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"375000911_50": "「ありがとうデスッ!",
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"375000911_51": " でも――」",
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"375000911_52": "「外の世界に家族や恋人さんたちを残してきた、\\n 大半のプレイヤーたちは、そんな気持ちだと思うデス」",
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"375000911_53": "「――ッ!」",
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"375000911_54": "「クリスさんは、そんな人たちを必死に助けようとして、\\n 今、すごくピンチに陥っているらしいデス」",
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"375000911_55": "「アタシは、そんなクリスさんを助けたいデス。そして、\\n 調とクリスさんと3人一緒に、この世界を脱出したいデス」",
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"375000911_56": "(……僕は……?)",
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"375000911_57": "「でも……それでもッ!」",
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"375000911_58": "「調が、アタシのことを心配して言ってくれているのは、\\n よく分かっているデス……」",
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"375000911_59": "「当然デスよね……。もしまた、前のようにアタシだけ\\n 目覚められなくなったら、調がどれだけ悲しむか……」",
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"375000911_60": "「当たり前だよ……」",
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"375000911_61": "「だけど、クリスさんはもともと、\\n アタシたちを助けるために来てくれたんデス……ッ!」",
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"375000911_62": "「調も分かってるデスよね。クリスさんはずっと、\\n アタシたちのことを考えてくれていたデス」",
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"375000911_63": "「…………」",
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"375000911_64": "「これだけ言ってもダメなら、\\n アタシ1人で助けに行くデス。調が来てくれなくても……」",
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"375000911_65": "「――そんなこと、させる訳ないッ!」",
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"375000911_66": "「……分かった。\\n 一緒に、あの人を助けに行こうッ!」",
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"375000911_67": "「それでッ!?\\n あの人はどこにいるの?」",
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"375000911_68": "「モルペウスの花を取りに行ったなら、\\n ペンタスさんにもらった座標で分からないデスか?」",
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"375000911_69": "「待ってくださーいッ!\\n お2人とも、どこに行くんですか……」",
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"375000911_70": "「クリスさんのいる場所へ行くなら、\\n 同エリアにワープできるアイテムを用意してますよ」",
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"375000911_71": "「もっと早く言ってッ! ダメ助手ッ!」",
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"375000911_72": "「ヒドイ……」"
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