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JSON
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{
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"372000812_0": "「……ん――、ぅ……ここ、は……」",
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"372000812_1": "「よかった、目が覚めたみたい」",
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"372000812_2": "「おい……こんなところで……\\n 何してる……敵はどうなって……う……ッ！」",
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"372000812_3": "「安静に。熱暴走したグラウスヴァインスーツを、\\n 長時間着用したことによる、火傷と脱水症状……」",
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"372000812_4": "「更に高速移動中に強制パージされた影響で\\n 地面に投げ出され、全身に打撲や骨折が見られます」",
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"372000812_5": "「……残念ながら、巨大レーベンガーはいまだ健在。\\n 移動こそしていないものの、ほぼ無傷の状態です」",
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"372000812_6": "「わたしたちもやっとの思いで、\\n 生存者をここまで運んできたのです」",
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"372000812_7": "「……仕方ない。\\n もういっちょ……暴れないと……だね」",
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"372000812_8": "「その身体では無理です。\\n それにグラウスヴァインスーツも……」",
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"372000812_9": "「そう言って……敵が待ってくれりゃ、\\n いいんだけどよ……」",
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"372000812_10": "「――巨大レーベンガーの再活性化を確認ッ！\\n 市街地へ向け、進行を再開する模様ッ！！」",
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"372000812_11": "「ほらな……ガキどもは逃げな。\\n アタシらは負けたんだ……受け入れ難い事実だがね」",
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"372000812_12": "「だが、敗因はすべてアタシにある」",
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"372000812_13": "「なにせ現在グラウスヴァインスーツの責任者たるアタシが\\n 知らない機能の発動で離脱したんだから、とんだ笑い種だよ」",
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"372000812_14": "「環さんの知らなかった機能ですか？」",
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"372000812_15": "「アタシが巨大レーベンガーに特攻を仕掛けた時、\\n 付けた覚えもないセーフティ機能で強制パージされた」",
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"372000812_16": "「ありゃ、きっと仁の仕込みだろうさ。\\n アタシは何かを間違えたから、仁はあの世で怒ってるのかもね」",
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"372000812_17": "「環さん……わたしの言葉など聞くに堪えないでしょうが……\\n わたしは、仁さんが環さんを護ったのだと考えます」",
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"372000812_18": "「――ッ！」",
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"372000812_19": "「仁さんたちと出会った頃、\\n わたしは確かに未熟でした」",
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"372000812_20": "「あなた方夫妻に恨まれるのは、当然だと思います。\\n わたしが戦う姿を目にしたくもないことでしょう」",
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"372000812_21": "「しかし、この場だけはわたしに任せてください」",
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"372000812_22": "「仁さんが護りたかったであろう、環さん自身や\\n スーツの研究者を、わたしの手で護らせてくださいッ！」",
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"372000812_23": "「……がう……お前は、何も……分かっちゃいないッ！」",
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"372000812_24": "「何を……？」",
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"372000812_25": "「仁が護りたかったのは、スーツじゃないッ！\\n お前や奏を護りたかったんだよッ！」",
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"372000812_26": "「――ッ！」",
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"372000812_27": "「当時のお前は完全に子供だったッ！\\n ５年経った今も、まだまだ世間的にはひよっこだ」",
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"372000812_28": "「未熟で当たり前じゃないかッ！\\n それを……達観して……全部背負って……」",
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"372000812_29": "「そんなガキが、人類の脅威が現れる度に真っ先に身体を張り、\\n 未熟であることに自分を責め、何万もの命に責任を感じる」",
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"372000812_30": "「アタシには、それが歪に思えて仕方がないッ！」",
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"372000812_31": "「あんたたちが、普通の女の子に戻りたいと思った時に\\n 背中を押してやれるように、スーツの開発を続けたのさ」",
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"372000812_32": "「アタシも仁も、あんたたちに恨みを抱いたことなどないッ！\\n 仁のことを不憫に思うなら、その命を大切にしておくれッ！」",
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"372000812_33": "「……」",
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"372000812_34": "（そうか……そうだったのだな……\\n わたしはこんなに優しい想いに護られ、包まれていたのか……）",
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"372000812_35": "（それを、この優しい大人たちの心情を量ろうともせず、\\n 独り相撲を取っていたとは……）"
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