xdutranslations/Missions/2010258/201025811_translations_jpn.json
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{
"201025811_0": "キャロルは見習いメイド",
"201025811_1": "「おいッ! ガリィ、ミカ……ッ!\\n いないのか」",
"201025811_2": "「……おかしいな……」",
"201025811_3": "(ファラ……レイアの姿も見えない……。\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>が全員、いなくなっただと?)",
"201025811_4": "「おや、どうしたんだい?\\n 困っている様子だが」",
"201025811_5": "「実は、先刻よりオレの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちが\\n 見当たらないのだ」",
"201025811_6": "「そのあたりで、見かけなかったか?」",
"201025811_7": "「いや。しかし……ふむ……。\\n 主人が知らないとはね、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>の行方を」",
"201025811_8": "「……チッ。命じたいことが山のようにあるのだが……」",
"201025811_9": "「いつも彼らに何かを命じているのかい、キミは?」",
"201025811_10": "「ああ、当然だ」",
"201025811_11": "「知っているかな。パワハラという言葉を」",
"201025811_12": "「最近世間では、逃げるように組織を辞めてしまう者が\\n 増えているという。上司の無理難題に耐えかねてね」",
"201025811_13": "「まさかッ!? <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>だぞ?\\n 命じられるために生まれてきた者たちだぞッ」",
"201025811_14": "「あるということだよ、彼らにも感情がね……。\\n それゆえ、耐えられなくなったのだとしたら パワハラに」",
"201025811_15": "「オレは……パワハラなどしていないッ!」",
"201025811_16": "「自覚などないものさ。加害者の方には。\\n ハラスメントというものは、とりわけね」",
"201025811_17": "「そのような……」",
"201025811_18": "「常に仕事を命じられ、休むこともなく\\n 任務を遂行する<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たち……」",
"201025811_19": "「一度でも労ってやったことはあるのかい?\\n キミは彼らを」",
"201025811_20": "「う……」",
"201025811_21": "「出来るかどうかもわからない無茶なことを命じたり、\\n 些細なことで怒鳴ったりしたことは」",
"201025811_22": "「う……うう……」",
"201025811_23": "「オレが……パワハラ……だと?\\n そんな……まさか……」",
"201025811_24": "「……由々しき問題だね、これは。\\n 何とかしよう。この僕が」",
"201025811_25": "「さあ、持つんだ……これを」",
"201025811_26": "「こ、これは?」",
"201025811_27": "「掃除用具さ、見ての通り。\\n この建物内をピカピカにするんだ、これを使ってね」",
"201025811_28": "「なッ!\\n なぜオレがそんなことを……ッ」",
"201025811_29": "「学ぶためだよ、奉仕する心を」",
"201025811_30": "「連れ戻すことはできるだろう。<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちを。\\n しかし、同じ事が起こる。キミが変わらなければね」",
"201025811_31": "「同じ事? またいなくなるというのか?」",
"201025811_32": "「ああ、そうさ。\\n いいのかな それが永遠の別れとなっても」",
"201025811_33": "「…………」",
"201025811_34": "「そうなる前に、彼らの真の理解者となるんだ。\\n 他ならぬキミがね」",
"201025811_35": "「ば、馬鹿馬鹿しい……」",
"201025811_36": "「それに、父から託された命題なのだろう?\\n 他者と分かりあうことは」",
"201025811_37": "「――ッ!」",
"201025811_38": "「フフフ……そこで、用意させてもらったよ。\\n キミに、真の奉仕を教えてくれる教師を、ね」",
"201025811_39": "「きょ、教師だと……?」",
"201025811_40": "「こんにちはッ!\\n キャロルちゃんッ」",
"201025811_41": "「な、なぜお前がこんなところにッ!?」",
"201025811_42": "「アダムさんから頼まれちゃったんだ。\\n キャロルちゃんが困ってるから助けてほしいって」",
"201025811_43": "「オレは……困ってなんて……」",
"201025811_44": "「嘘は駄目だよ、キャロルちゃん……」",
"201025811_45": "「困っているようにしか見えないもん。",
"201025811_46": " だから、一緒にお掃除……しよッ?」",
"201025811_47": "「百歩譲って困っていたとして、なぜそうなるッ!?\\n オレに構うのは――」",
"201025811_48": "「いいからいいから。\\n さ、まずはあっちから始めようッ」",
"201025811_49": "「や、やめろッ!",
"201025811_50": " ひっぱるなーッ!」",
"201025811_51": "「ふぅ~、この建物って結構広いね。\\n 掃除のしがいがあるよ」",
"201025811_52": "「…………」",
"201025811_53": "「ほら、キャロルちゃんッ!\\n 手を止めちゃダメだよ」",
"201025811_54": "「はいはい。……まったく、\\n 何でオレがこんなことを……」",
"201025811_55": "「こんな仕事、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちにさせておけば、\\n すぐに終わるのに……」",
"201025811_56": "「あのさ、キャロルちゃんって、\\n 掃除とか苦手な方」",
"201025811_57": "「苦手というか……そういう些末な仕事は\\n すべて<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちにやらせていたからな」",
"201025811_58": "「だが……昔は……。そう、父と暮らしていた頃は、\\n 普通に自分でやっていたと思う」",
"201025811_59": "「お父さんと? ねえ、キャロルちゃん、\\n その頃の話、もっと聞かせてよッ」",
"201025811_60": "「あのな……。そんな話、おもしろくもなんともないぞ。\\n 第一、お前とはなんの関係もないはずだ」",
"201025811_61": "「えー、教えてくれないの?」",
"201025811_62": "「当然だッ! ……だいたい、\\n お前はなぜこんなところまでわざわざ来たのだ」",
"201025811_63": "「頼まれたとしても、断ればいいだろう。\\n 一体、何が狙いだ」",
"201025811_64": "「うーん……。狙いというかなんというか、\\n そういうのとはちょっと違くて……」",
"201025811_65": "「わたしは……」",
"201025811_66": "「この警報は……」",
"201025811_67": "「キャロルちゃん、行ってみようッ!」",
"201025811_68": "「う、うわぁぁぁッ!」",
"201025811_69": "「アルカ・ノイズだとッ!?」",
"201025811_70": "「なんでこんなところで……ッ!」",
"201025811_71": "「我らを裏切った錬金術師を捕縛していたのですが、\\n 奴め、脱走してアルカ・イズを解き放ったようです……ッ」",
"201025811_72": "「チッ、面倒なことをッ!」",
"201025811_73": "「怒ってる場合じゃないよッ!\\n とにかく急いで倒さなきゃッ」",
"201025811_74": "「いっくよぉぉぉッ!」",
"201025811_75": "「オレも、ファウストローブで……」",
"201025811_76": "「はッ、しまったッ!\\n ラピス・フィロソフィカスは調整中か……ッ」",
"201025811_77": "「まあいい、ファウストローブが無くとも、\\n オレなら――」",
"201025811_78": "「無いよ、その必要はね」",
"201025811_79": "「お前、いたのかッ!?」",
"201025811_80": "「持ってきたよ。キミのラピスを。\\n 戦うといい、これを使ってッ」",
"201025811_81": "「ちゃんと機能するのだろうな?」",
"201025811_82": "「当然だとも。\\n それに、盛り込んであるのさ、今のキミに必要な要素を」",
"201025811_83": "「要素? 何やら嫌な予感がしないでもないが……。",
"201025811_84": " まあいい、とにかく使わせてもらう」",
"201025811_85": "「いくぞッ!」",
"201025811_86": "「なッ! なんだ、この姿はッ!?」",
"201025811_87": "「……というか、またこの展開かッ!!」",
"201025811_88": "「奉仕の心を極大化させるよう、錬金術の粋を集めて\\n 調整したのだよ、そのメイド型ファウストローブはね」",
"201025811_89": "「うってつけだよ。今のキミにはッ!」",
"201025811_90": "「御託はいい。\\n もう二度とオレのラピスに触れないようにしてやる……」",
"201025811_91": "「キャロルちゃんッ!\\n このままだと協会員の人たちがッ」",
"201025811_92": "「クッ……仕方ない……」",
"201025811_93": "「今のオレは、とても機嫌が悪いッ!」",
"201025811_94": "「キャロルちゃん、すごい……」",
"201025811_95": "「よーし、それならわたしもッ!」",
"201025811_96": "「なんだそのギアはッ!?」",
"201025811_97": "「キャロルちゃん、今はそれより――」",
"201025811_98": "「――ああ。\\n 協会の連中は傷つけさせんぞッ」",
"201025811_99": "「協会に仇なすアルカ・ノイズども、\\n 速やかに滅ぶがいいッ」",
"201025811_100": "「ふう……。なんとかなったね、キャロルちゃんッ!」",
"201025811_101": "「それはいいが……」",
"201025811_102": "「貴様、オレのラピスを勝手に弄った\\n ことについて、何か言いたいことはあるか」",
"201025811_103": "「奉仕の精神を具現化した存在だよ、メイドとは」",
"201025811_104": "「まず形から入るべきと思ったのさ、\\n キミが奉仕の心を学ぶには」",
"201025811_105": "「だからと言って、こんなこと――」",
"201025811_106": "「それだッ! それだよ、キャロルちゃんッ!」",
"201025811_107": "「な、何のことだ?」",
"201025811_108": "「何かを学ぶなら、まずは形からッ!\\n アダムさんが言っていることは正しいよッ」",
"201025811_109": "「はあ?」",
"201025811_110": "「ご奉仕でお掃除をするなら、\\n ちゃんと身なりを整えないとねッ」",
"201025811_111": "「お、お前……まさか……」",
"201025811_112": "「アダムさん、メイド服はありますか?」",
"201025811_113": "「無いものは無いよ。\\n 僕の倉庫にはね」",
"201025811_114": "「ありがとうございますッ!\\n さあ、キャロルちゃんッ さっそく着がえようッ」",
"201025811_115": "「そんなもの、オレは絶対に着ないからなッ!」",
"201025811_116": "「そんなこと言わないで。……ね?\\n キャロルちゃんなら、絶対に似合うよッ」",
"201025811_117": "「似合うかどうかは今関係ないだろうッ!?」",
"201025811_118": "「関係あるよッ! それに、<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>のみんなの気持ち、\\n 分かるかもしれないよ」",
"201025811_119": "「クッ……ああッ!",
"201025811_120": " もう、分かったよッ!」",
"201025811_121": "「ホント? 着てくれる?\\n やったぁッ」",
"201025811_122": "「さっさとその服を貸せッ!!」",
"201025811_123": "「これで……これでいいんだなッ!?」",
"201025811_124": "「いいよッ! すっごくいいよぉッ!\\n キャロルちゃんッ」",
"201025811_125": "「分かったから、ジロジロ見るなッ!」",
"201025811_126": "「着心地もいいでしょ?」",
"201025811_127": "「そ、それは認めてやる……だが、これだけは言っておくぞッ!\\n こんな物を着ても、奉仕の心などまったく分からんッ」",
"201025811_128": "「うーん……。そうかな?」",
"201025811_129": "「何だと?」",
"201025811_130": "「奉仕の心って、相手のことを思う気持ちだと思うから」",
"201025811_131": "「キャロルちゃんは、協会の人たちを救うために戦ったり、\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>のみんなのために頑張ってるんだもん」",
"201025811_132": "「だからキャロルちゃんにはもう、\\n 奉仕の心ってやつがあると思うな」",
"201025811_133": "「既に……だと……」",
"201025811_134": "「……って、待てよ? ということは、\\n この服を着る必要はなかったのではないか」",
"201025811_135": "「それはそれ、これはこれだよッ!\\n さあ、そのままお掃除しよ」",
"201025811_136": "「馬鹿を言うなッ!\\n 脱ぐッ 絶対に脱いでやるッ」",
"201025811_137": "「ええーッ!? 着たままお掃除しようよーッ!」",
"201025811_138": "(ふぅ……ようやく終わった……。\\n まさか、本当にあのまま掃除をする羽目になるとは……",
"201025811_139": "(だがそのおかげで、掃除というものが、\\n 存外疲れるものだということはよく分かった",
"201025811_140": "<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちのことを、多少は労ってやっても良いかもな。\\n ……帰って来たら",
"201025811_141": "「あー、マスターッ! やっと見つけたゾッ!」",
"201025811_142": "「マスター、任務は完了しました。\\n 次のご命令は」",
"201025811_143": "「お、お前たち……ッ!\\n 今まで一体どこへ行っていたのだッ」",
"201025811_144": "「どこって……実験に使う素材を取りに行くようにと、\\n 昨夜マスターがお命じになられたのですわ」",
"201025811_145": "「そうですよぉ。昨夜はずいぶんお疲れだったようですけど、\\n まさかお忘れになったんじゃないですよねぇ」",
"201025811_146": "「昨夜……?」",
"201025811_147": "「ハッ! そういえば、なにか命じたような……」",
"201025811_148": "「あららぁ? 本当にお忘れになったご様子ですねぇ?\\n ガリィちゃんたち、頑張ってお使いに行ってきたのに」",
"201025811_149": "(オレとしたことが、自分で命じたことも忘れていたとは……\\n 連日の研究疲れのせいか……",
"201025811_150": "「ガリィ、マスターを困らせるな。私たちはただ、\\n 命じられたことを地味に、確実にこなせばいい」",
"201025811_151": "「そうね。それこそが私たちの存在意義ですわ」",
"201025811_152": "「お前たち……すまなかったな。\\n これからは、少しは労ってやることに……」",
"201025811_153": "「それはそうと……マスター、そのお姿は?」",
"201025811_154": "「それ、あたしも気になってたゾッ!\\n 確か、メイド服ってヤツだゾッ」",
"201025811_155": "「派手に似合っている。そして可愛い」",
"201025811_156": "「そうね……抱きしめてナデナデして\\n あげたくなっちゃいますわ」",
"201025811_157": "「一部の協会員に高く売れそうですねぇ……。\\n えーっとカメラカメラっと……」",
"201025811_158": "「いい考えだゾッ!\\n みんなに可愛いマスターを見せてあげるんだゾッ」",
"201025811_159": "「お前たち……」",
"201025811_160": "「マスター、どうかなさいましたか?」",
"201025811_161": "「何でもないッ!\\n ……少しでも心配したオレが馬鹿だった……」",
"201025811_162": "「騒いでないでさっさと休めッ!\\n 明日は、さらに過酷な任務がお前たちを待っているからなッ」",
"201025811_163": "「イエス、マスターッ!」"
}