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JSON
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{
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"382000921_0": "「え……?」",
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"382000921_1": "「何を……何を言ってるの、明日香ちゃん……?」",
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"382000921_2": "「……あたしが、イシムを抑えておけるのは、きっと……、\\n これが最後のチャンスです……ッ、だから……ッ!」",
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"382000921_3": "「あたしがあたしでいられるうちに……ッ、\\n あたしがこれ以上、誰かを傷つける前に……ッ!」",
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"382000921_4": "「あたしを……殺してくださいッ!」",
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"382000921_5": "「そん、な……」",
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"382000921_6": "「そんなこと……できないよ。\\n できるわけないよッ!」",
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"382000921_7": "「響先輩は……正義の味方です。\\n だから、悪い怪物は、倒されるべきなんです……」",
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"382000921_8": "「明日香ちゃんは怪物なんかじゃ――ッ!」",
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"382000921_9": "「怪物ですッ!」",
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"382000921_10": "「……ッ!」",
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"382000921_11": "「分かったんです……」",
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"382000921_12": "「<ruby=みらい>未来</ruby>の世界から戻ってきてから、\\n 悪夢にうなされるようになった……」",
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"382000921_13": "「あれは、あたしの中のイシムが目覚め始めてたから……」",
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"382000921_14": "「あたしが眠っている間に……少しずつ眷属を生み出して、\\n 完全に復活する機会を、ずっと窺ってた……」",
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"382000921_15": "「だから、眷属を使って皆さんを傷つけたのも……ッ、\\n 師範を傷つけたのもッ! 全部、あたしなんです――ッ!」",
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"382000921_16": "「だって……、\\n それはイシムがやったことでしょッ!?」",
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"382000921_17": "「同じです……このままイシムを……あたしを放置すれば、\\n 同じ悲劇が起こる……もっと多くの人が傷つく……ッ」",
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"382000921_18": "「だから……ッ、\\n 怪物は殺されなければいけないんです……ッ!」",
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"382000921_19": "「明日香、ちゃん……」",
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"382000921_20": "「……あたしが、なにかの力を宿してるって知った時、\\n その力には、きっと意味があるって思った……」",
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"382000921_21": "「でも……あたしの力に、意味なんてなかった……」",
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"382000921_22": "「あたしは……ヒーローなんかじゃなかった……」",
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"382000921_23": "「人を護るどころか……たくさんの人を困らせて、\\n 傷つける元凶……怪物のゆりかごだった……」",
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"382000921_24": "「強くなりたいって……誰かを護りたいって、\\n そう思ったことが間違いだった……ッ!」",
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"382000921_25": "「でも……それでもッ!」",
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"382000921_26": "「奏さんから受け継いだ、誰かを救いたいっていう意志まで、\\n 間違いにはしたくない……だからッ!」",
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"382000921_27": "「お願い……、\\n あたしを…………殺して」",
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"382000921_28": "「そんな……だって、わたしの拳は……」",
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"382000921_29": "「今が最後のチャンスなんです……ッ!\\n あんな悲惨な<ruby=みらい>未来</ruby>を向かえないためのッ!」",
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"382000921_30": "「だから……、その拳でッ!\\n 間違った運命を打ち砕いてくださいッ!」",
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"382000921_31": "「<ruby=みらい>未来</ruby>が、絶望に染まる前に……ッ!」",
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"382000921_32": "「…………ッ!」",
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"382000921_33": "「…………」",
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"382000921_34": "「響、先輩……?」",
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"382000921_35": "「……できないよ」",
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"382000921_36": "「ううん。そんな方法で作る<ruby=みらい>未来</ruby>なんて、\\n 受け入れちゃいけないんだ」",
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"382000921_37": "「明日香ちゃんを救えない<ruby=みらい>未来</ruby>に、意味なんてない」",
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"382000921_38": "「誰かの犠牲で成り立つ<ruby=みらい>未来</ruby>に希望が溢れてるなんて、\\n わたしには絶対に思えないよ。だから……」",
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"382000921_39": "「わたしはイシムを倒して、明日香ちゃんも救うッ!\\n どっちも諦めたりなんかしないッ!」",
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"382000921_40": "「響……先輩……」",
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"382000921_41": "「……ああ。やっぱり、響先輩は、正義のヒーローそのものです。\\n あたしがなれなかった、正義の味方……」",
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"382000921_42": "「でも、その正義が、あたしを絶望に突き落とす……」",
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"382000921_43": "「心だけは正義のままで死にたかったのに……、\\n その正しさが、あたしの正義を殺すんだ……」",
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"382000921_44": "「明日香ちゃんッ!\\n 戻ってきて、明日香ちゃん……ッ!」",
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"382000921_45": "「――無駄ですわ。もうあの子に、\\n わたくしの精神に抗うだけの余力は残っていない」",
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"382000921_46": "「もっとも、最後にあの子の心を折ったのは、\\n あなた自身のようですけど」",
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"382000921_47": "「勝手なことを言うなッ! 明日香ちゃんは強いんだッ!\\n お前なんかに負けるもんかッ!」",
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"382000921_48": "「いい加減、あなたの戯言も聞き飽きましたわ。\\n ――ここで幕を下ろすとしましょう」",
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"382000921_49": "「来いッ! わたしは逃げも隠れもしないッ!」",
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"382000921_50": "「困ってる友達がいる……だったら、最後まで戦い続けるッ!\\n 絶対に、諦めたりしないッ!」"
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