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"373000611_0": "勇と成した過日の響き",
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"373000611_1": "(…………)",
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"373000611_2": "「いたかッ!?」",
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"373000611_3": "「いや、こっちじゃないッ!」",
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"373000611_4": "「お前は向こうを見てこい。\\n 俺はあっちに行ってみるッ!」",
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"373000611_5": "「分かったッ!」",
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"373000611_6": "「ふ~~~」",
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"373000611_7": "(……代理のおじちゃんの仲間に追いかけられて、\\n どうなっちゃうかと思ったけど)",
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"373000611_8": "(森の近くに隠れる場所があってよかったぁ……)",
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"373000611_9": "「これからどうしよう……」",
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"373000611_10": "(代理のおじちゃんの言うことは信じちゃダメって、\\n 影護のお姉ちゃんたちや二課の人に伝えないと――)",
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"373000611_11": "(まだ捜してる……)",
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"373000611_12": "(待機命令が出てるし、こっそり出て来ちゃったから\\n 二課のみんなは、わたしがいない事にも気付かないかも)",
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"373000611_13": "(通信機も落としちゃったし、\\n 絶体絶命だ……)",
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"373000611_14": "「響、お姉ちゃん……」",
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"373000611_15": "「――ッ!?」",
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"373000611_16": "「だ、大丈夫だよ、シャロンちゃん……」",
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"373000611_17": "「こんなの……へいき、へっちゃら、だからッ!」",
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"373000611_18": "(そうだッ! わたしは響お姉ちゃんに\\n いろんなことを教えてもらった)",
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"373000611_19": "(勉強だけじゃない。\\n 勇気を出すこと、諦めないこと――)",
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"373000611_20": "「わたしにも力があるんだ……。\\n できる限りは、自分でやってみなくちゃ」",
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"373000611_21": "(足音が聞こえなくなった、今のうちにッ!)",
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"373000611_22": "「見つけたぞッ!\\n こんなところに居やがったかッ!」",
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"373000611_23": "「――ッ!?」",
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"373000611_24": "「手間取らせやがって。\\n 少し痛い目に合わせて、とっ捕まえるか」",
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"373000611_25": "「ああ、それは面白いな。\\n さて、もう逃げられな――」",
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"373000611_26": "「はあ、ああああッ!」",
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"373000611_27": "「これは……ッ!?\\n 二課のオートマシンかッ!?」",
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"373000611_28": "「どこから現れたッ!?」",
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"373000611_29": "「……あ、あのッ! もう、追いかけてこないでッ!\\n これ以上追いかけて来るなら……、攻撃、しますッ!」",
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"373000611_30": "「面白いッ!\\n やってみればいいさッ!」",
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"373000611_31": "「実力行使だッ! ガキを確保するぞッ!」",
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"373000611_32": "「おうッ!」",
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"373000611_33": "「こないで……ッ!」",
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"373000611_34": "「なんだこいつ、銃器は装備していないのか?」",
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"373000611_35": "「動きもぎこちないな」",
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"373000611_36": "「ああ……ッ!」",
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"373000611_37": "「ふん、外観だけ似せたハリボテか。\\n このガキが作ったのか?」",
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"373000611_38": "「こいつはヤントラ・サルヴァスパの融合症例だ。\\n 工場の機械を寄せ集めて作ったのだろう」",
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"373000611_39": "「なるほど、さすがは聖遺物というわけか。\\n だが、肝心の機械の方がボロボロでは、これが限界のようだな」",
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"373000611_40": "「こないで……ッ!\\n こないでくださいッ!」",
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"373000611_41": "「これほどの能力を持つ聖遺物との融合症例……。\\n なかなかに利用価値が高そうだ」",
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"373000611_42": "「マーナガルムの強化も可能かもしれんぞッ!\\n さあこっちへ来いッ! お前は我々が使わせてもらうッ!」",
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"373000611_43": "(この視線、昔いた研究所の大人たちと、同じ……)",
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"373000611_44": "「いやあああッ!!」",
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"373000611_45": "「その手を、離せえええええええッ!!」",
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"373000611_46": "「ヒビキ……お姉ちゃん?」",
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"373000611_47": "「シャロン、大丈夫ッ!?」",
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"373000611_48": "「く……ッ! 影護のイレギュラーかッ!!」",
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"373000611_49": "「なぜこんな所に……」",
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"373000611_50": "「……お前たち」",
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"373000611_51": "「利用価値だの、使うだのと……」",
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"373000611_52": "「人の命を、なんだと思っているんだ……ッ!!」",
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"373000611_53": "「…………」",
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"373000611_54": "「その綺麗ごとをわざわざ言いに来たのか?」",
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"373000611_55": "「そこまで言うなら答えてやるが、なんとも思ってなどいないさ。\\n その子には、人として生きるより価値のある使い方があるッ!」",
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"373000611_56": "「誰にだって想いや大切なものがあるのに、どうしてそれを\\n 踏みにじれるんだ……」",
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"373000611_57": "「絶対に、許さないッ!!」"
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