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"373000211_0": "混沌の政局",
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"373000211_1": "「影護が逃げて行くのを目撃した職員がいるんだろう？」",
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"373000211_2": "「……」",
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"373000211_3": "「影護に所属する者が現場に居合わせ、\\n その後、立ち去ったことは確かです」",
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"373000211_4": "「だから、最初から影護が犯人だと言っているんだッ！\\n ヤツら、危ない怪物まで解き放ったらしいではないかッ！」",
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"373000211_5": "「確かに、その怪物によって、\\n 研究所は襲撃を受けました」",
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"373000211_6": "「しかし前回の保管基地とは違い、職員は生存。\\n 研究所から何かを奪われた形跡もない」",
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"373000211_7": "「むしろ影護は、レーベンガーから研究所を護ったのだと\\n 我々、二課は見ています」",
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"373000211_8": "「ガハハハッ！ 怪物が現れた所へ、都合よく影護が\\n 登場し解決かね？ まるで古臭いナンパの手口のようだね」",
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"373000211_9": "「いいから、早く影護を検挙したまえ。\\n 本当に真犯人がいたとしても、それではっきりするだろう」",
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"373000211_10": "「こっちは上からせっつかれて大変なんだ。\\n グズグズせずに、テュポーンを取り返してくれ」",
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"373000211_11": "「副長官補……副長官補？ 喚くだけだけ喚いて通信を切るか。",
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"373000211_12": " 国防について、もう少し真剣に取り組んでもらいたい所だが」",
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"373000211_13": "「……まったくッ！ 何故あんな男が切れ者だとか言われて\\n 大臣たちからの信望も厚いのかねッ！？」",
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"373000211_14": "「あれは思慮深いんじゃなくて、責任を取りたくないから\\n 結論を先延ばしにしてるだけだッ！」",
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"373000211_15": "「そうは思わんかね？ 石崎秘書」",
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"373000211_16": "「凡野先生のおっしゃる通りです。ご心痛お察しいたします。\\n ところで先生、先程話に出た怪物ですが……」",
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"373000211_17": "「以前にも出現した記録がございました。\\n その際には甚大な被害が出た模様と報告が」",
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"373000211_18": "「影護め、その時に鹵獲していたというわけか。\\n そんなものを引っ張り出すということは……」",
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"373000211_19": "「いつになく本気、ということかもしれませんね。\\n より過激な手段に出る可能性は、高いかと」",
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"373000211_20": "「まずい、まずいぞ……。これ以上の被害や失態は、\\n 国民感情を悪化させる。そうなれば次の選挙が……」",
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"373000211_21": "「石崎くんッ！ どうにかならないかね？\\n 風鳴くんはどうにも信用がならん」",
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"373000211_22": "「……承知いたしました。\\n なんとか先生の意向に沿えるよう、策を練ってみましょう」",
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"373000211_23": "「さすがは筆頭秘書の石崎くんだ。じゃ後は任せていいかね？\\n 私は、官房長官をゴルフ場に案内せねばいけなくてね」",
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"373000211_24": "「かしこまりました。\\n 一時、先生の威をお借りいたします」",
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"373000211_25": "（俗物めが……。\\n 面白いように踊ってくれる……）",
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"373000211_26": "（並行世界間の情報共有を警戒しましたが……、\\n 偽名を騙る必要すら無かったようですね）",
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"373000211_27": "（しかし、お膳立ては終わったも同然。\\n これで随分と動きやすくなりましたね）",
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"373000211_28": "（次は二課の掌握。\\n 流石に風鳴八紘は思い通りにはいかないでしょうし……）",
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"373000211_29": "（…………）",
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"373000211_30": "（ふむ。少し手荒な手段になりそうですが、\\n テュポーン覚醒の計画にも、相乗効果をもたらしそうですね）",
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"373000211_31": "「私です。情報収集の優先対象を風鳴八紘へ切り替え。\\n 二課施設から外出する際に――」",
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"373000211_32": "「あなたのお話は兼ねてから聞いてますよ。\\n エレクライトを使う立花響さん、影護艦へようこそ」",
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"373000211_33": "「ちょっと狭いけど……」",
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"373000211_34": "「まあ、ここがオレたちの『家』だ。\\n くつろいでくれ」",
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"373000211_35": "「ありがとう……。\\n 潜水艦に住んでいるなんて、びっくりした」",
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"373000211_36": "「影護は世を忍び聖遺物を封ずる組織。\\n テロリスト認定もされていますからね……」",
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"373000211_37": "「こういう場所じゃないと、捕まってしまうから」",
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"373000211_38": "「まさか宿を取ってる訳じゃないんだろ？\\n しばらくここにいりゃいい」",
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"373000211_39": "「それはすごく助かるけど……」",
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"373000211_40": "「我々は追われる身ですので、安心して……とは言えませんが\\n 好きなだけ、いてくださって構いません」",
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"373000211_41": "「じゃあ、レーベンガーのことを調べる間、\\n お世話になります」",
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"373000211_42": "「確かに。黒いレーベンガーの登場は無視できませんね。\\n 少なからず事情を持つ立花さんの滞在は、頼もしくもあります」",
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"373000211_43": "「ヒビキでいいです」",
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"373000211_44": "「分かりました。それでヒビキさん。\\n ニコラ・テスラは生存、もしくは蘇生したのでしょうか？」",
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"373000211_45": "「それはないッ！\\n テスラは間違いなく死んだ」",
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"373000211_46": "「もし生き返ったとしても、彼の最後の言葉から、\\n またこんな事をしでかすとは思えない……」",
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"373000211_47": "「そうだよ九皐さんッ！\\n それにちゃんと報告したよなッ！？」",
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"373000211_48": "「裏で糸を引いているのは、\\n おそらく、ウロボロス」",
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"373000211_49": "「ウロボロス……世界蛇で全ての並行世界を滅ぼそうとした\\n 組織。その残党……」",
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"373000211_50": "「ニコラ・テスラがそいつらと繋がっていた可能性も、\\n やっぱり低いと思う」",
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"373000211_51": "「……分かりました。ヒビキさんの言葉を信じましょう」",
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"373000211_52": "「また出てきたら、あいつらをとっ捕まえて聞けばいいさ」",
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"373000211_53": "「わたしも協力する」",
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"373000211_54": "「でも……本当にいいの？\\n せっかく、元の世界に戻ることができたのに……」",
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"373000211_55": "「うん……。旅をしている理由は話したでしょう？\\n これは、わたしがやらなくちゃいけないことなんだ」",
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"373000211_56": "「それに、レーベンガーを悪用するなんて、\\n 絶対に許せない……」",
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"373000211_57": "「分かったッ！\\n そういうことなら、喜んで協力してもらおうッ！」",
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"373000211_58": "「あいつらに着せられた濡れ衣も、晴らさないといけないしな。\\n どんな企みでも、絶対に阻止だッ！」",
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"373000211_59": "「一旦、話はまとまりましたね。ヒビキさん、艦内に個室を\\n 用意しました。食事まで、ひとまず休んでください」",
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"373000211_60": "「長々と悪かったな。部屋までオレが案内するよ。\\n ついてきてくれッ！」",
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"373000211_61": "「……うん。ありがとう」",
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"373000211_62": "「というわけで、ここがヒビキの部屋だッ！」",
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"373000211_63": "「オレとクリスは２人部屋なんだけど、\\n １人で我慢してくれ」",
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"373000211_64": "「可愛いクリスの寝顔を、\\n オレ以外のやつに見せるわけにはいかないからなッ！」",
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"373000211_65": "「へ？」",
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"373000211_66": "「翼、もう……言わなくていいから」",
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"373000211_67": "「大事なことだぞ。\\n えーっと、他になにか伝えておくべきこと、あったっけ？」",
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"373000211_68": "「トイレは向こう。食事の前に、行っトイレ」",
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"373000211_69": "「えッ！？ えっと……ダジャレ？」",
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"373000211_70": "「……思いついたから」",
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"373000211_71": "「アッハッハッハッ！\\n クリスは可愛い上に面白いなぁ」",
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"373000211_72": "「…………」",
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"373000211_73": "「ん？ どうしたんだ？」",
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"373000211_74": "「何でもない」",
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"373000211_75": "（ウォーデンクリフタワーに乗り込んだ時は慌ただしかったから\\n あんまり気づいてなかったけど……）",
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"373000211_76": "（なんというか、面白い人たちだな……）",
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"373000211_77": "「っと、悪い。\\n 誰だ――ッ！？」",
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"373000211_78": "「悪い、ちょっと重要な通信だ。オレは部屋に戻る。\\n ヒビキ、また後でな」",
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"373000211_79": "「うん、また後で」"
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