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"370000622_0": "「わたしの成長ぶりも見てくださいねッ!」",
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"370000622_1": "「すごいッ!\\n マリアさん、以前より動きが軽やかになっていませんか?」",
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"370000622_2": "(マーナガルムとの決戦の時、この並行世界のセレナの言葉で\\n わたしは自信を取り戻せたのよね)",
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"370000622_3": "「そう言えば、おふたりに出会った頃からだよね?\\n 身体の小ささを活かした戦い方を意識しだしたのは」",
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"370000622_4": "「呪いで成長が止まったことを悲観してばかりじゃ仕方ないから、\\n どうにかメリットにできないか考えたのよ」",
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"370000622_5": "「いい判断だわ。あなたの立場だとそのプラス思考は、\\n 部隊全体の士気の向上にも繋がるでしょうしね」",
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"370000622_6": "「そう言えば隊員たちも、姉さんが以前より自分たちのことを、\\n 気にかけてくれてる様に感じると言ってたよ」",
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"370000622_7": "「……部下の悩みにも気付かない隊長なんて……」",
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"370000622_8": "「姉さんッ! トレーニング中に考え事は危険だよッ!」",
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"370000622_9": "「えッ!?」",
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"370000622_10": "「あ、あら……?」",
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"370000622_11": "「ええ……ッ!?」",
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"370000622_12": "「ね、姉さんッ!\\n そんなつもりじゃ――ッ!」",
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"370000622_13": "「らいじょうぶだから子ども扱いひないで……」",
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"370000622_14": "「すみませんッ!\\n メディカルルームに連れて行きますッ!」",
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"370000622_15": "「付いて行かないでよかったのかしら?」",
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"370000622_16": "「大勢で押しかけても、治療の邪魔になるし……、\\n あとで一緒にお見舞いに行こう」",
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"370000622_17": "「…………」",
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"370000622_18": "「セレナ?」",
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"370000622_19": "「……うん。\\n マリア姉さんに少し話したいことがあって……」",
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"370000622_20": "「どうしたの?」",
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"370000622_21": "「マリア姉さん、わたしに過保護……でしょ?\\n わたしが小さいからだと、さっきまでは思ってたんだけど」",
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"370000622_22": "「マリア姉さん、セレナという存在に対して\\n 過保護になってるよ」",
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"370000622_23": "「どういう意味?」",
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"370000622_24": "「うん、さっきのトレーニングを思い返してほしいんだけど、\\n わたしに攻撃が向かった時は……」",
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"370000622_25": "「前に出て庇ってくれたよね?\\n だけど、マリアさんの時は違った」",
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"370000622_26": "「え? たまたまじゃない?」",
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"370000622_27": "「……実はね、マリア姉さん。\\n わたし、並行世界のわたしに言われたの」",
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"370000622_28": "「『実の妹じゃないのに』っていちいち考えちゃってるから\\n マリア姉さんに遠慮して、距離ができてるって」",
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"370000622_29": "「そんなこと……」",
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"370000622_30": "「わたしとマリア姉さんは、実の姉妹じゃない。\\n そんなことはとっくに理解してるんだけど……」",
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"370000622_31": "「意識しすぎて遠慮してしまっている」",
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"370000622_32": "「それだと、いつまでも本当の仲間になれないから、\\n マリア姉さんも同じなら、遠慮なく本音で付き合ってほしい」",
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"370000622_33": "「そうしないと、本当の信頼の絆を結べないから……。\\n そのことを伝えたかったの」",
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"370000622_34": "(本当のセレナじゃないと意識しすぎている?\\n 確かにわたしも同じ……でも……)",
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"370000622_35": "(本当のセレナと同じ姿で……同じ声で唄うこの子を前に\\n それを意識しないことなんてできるの?)",
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"370000622_36": "「姉さん?」",
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"370000622_37": "「……そうね。無意識に出ているものだとすると\\n 時間がかかってしまうかも知れないけど、努力するわ」",
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"370000622_38": "「あの子たちのことも心配だし、\\n そろそろメディカルルームに様子を見に行きましょう」",
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"370000622_39": "「……うん」",
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"370000622_40": "「ん……ッ!」",
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"370000622_41": "「姉さん、目が覚めたッ!?」",
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"370000622_42": "「わたしにも、グレイスフルレディ講座\\n 受けさせなさいよッ!」",
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"370000622_43": "「姉さんッ!?」",
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"370000622_44": "「えッ!? ここは?」",
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"370000622_45": "「S.O.N.G.のメディカルルームです」",
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"370000622_46": "「姉さん、ごめんなさい。\\n わたしの渾身の一撃が入っちゃって……」",
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"370000622_47": "「いいのよ。\\n トレーニング中に上の空だったわたしが悪いんだし……」",
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"370000622_48": "「また、この世界のわたしに\\n かっこ悪いところを見せてしまったわ」",
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"370000622_49": "「気にすることないよ」",
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"370000622_50": "(気にしないわけにはいかない。\\n わたしは、あの人を目標にして、あの人のようになるのよ)",
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"370000622_51": "(呪いが解けても、解けなくても……。\\n 素敵なわたしになって、みんなを護っていかなきゃ……)",
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"370000622_52": "(さて、まずは<ruby=いばしょ>艦</ruby>と<ruby=かぞく>隊員</ruby>を取り返してからだわッ!)",
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"370000622_53": "「わたしが正しく成長した姿なんだし、\\n 多少気にするのは仕方がないでしょうッ!」",
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"370000622_54": "「わたしは可愛いマリア姉さんが大好きだよ」",
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"370000622_55": "「だから、なんで抱き上げるのよッ!",
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"370000622_56": " 降ろしてッ! 子ども扱いしないでッ!」",
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"370000622_57": "「あ、マリアさん目を覚ましてるッ!\\n 大丈夫ですか?」",
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"370000622_58": "「大丈夫?\\n 怪我はしてない?」",
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"370000622_59": "「だ、大丈夫よッ!\\n 訓練だからそんなこともあるわッ!」",
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"370000622_60": "「みんな、至急発令所に集まって。\\n 例の端末の解析が完了し、大変なことが分かったのッ!」"
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