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"370000411_0": "怪盗姉妹再始動",
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"370000411_1": "「ここは?」",
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"370000411_2": "「エアーキャリアーの艦底にあるカタパルトデッキです」",
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"370000411_3": "「誰か来ますよ」",
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"370000411_4": "「みんな、隠れてッ!」",
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"370000411_5": "「マリア隊長、捕縛されたらしいね。\\n セレナ副隊長は、隊長を見捨てて逃げたとか……」",
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"370000411_6": "「くッ!」",
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"370000411_7": "「落ち着いて。\\n 潜入した意味がなくなるわ」",
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"370000411_8": "「でも……あの隊員たちが姉の居場所を知っているかもッ!」",
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"370000411_9": "「お姉さんの安全のためです。\\n 今は我慢して、様子を伺いましょう」",
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"370000411_10": "「マリア隊長に会ったのか?」",
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"370000411_11": "「まさか。話を聞きたいのは山々だけど、\\n あたしみたいな下っ端が、この状況で会える訳ないよ」",
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"370000411_12": "「いや、階級は関係なく囚われたマリア隊長に会ったという\\n 隊員が1人も見つからないんだよ」",
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"370000411_13": "「裏切りを働いた隊長に簡単に会わせてもらえないのは、\\n 普通のことじゃない?」",
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"370000411_14": "「じゃあ一体、誰が捕まえたんだ?」",
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"370000411_15": "「そりゃあ、あの<ruby=ろかく>鹵獲</ruby>機たちでしょう?\\n そのために再プログラムされたって聞いたし」",
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"370000411_16": "「じゃあ、なんでまだ動いてんだよ?\\n 隊長たちを捕まえるために起動したんなら――」",
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"370000411_17": "「普通、捕まえたり逃げられたりしたら\\n 止めるんじゃないのか?」",
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"370000411_18": "「それは……」",
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"370000411_19": "「そもそも、隊長が裏切ったって話も、捕まったって話も\\n 俺は怪しいと思うぜ」",
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"370000411_20": "「実際にこの目で見たわけじゃないからな……」",
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"370000411_21": "「よかったですね。\\n まだおふたりのこと、信じてる隊員さんもいるみたいですよ」",
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"370000411_22": "「そうですね。\\n ……あの、先ほどはすみませんでした」",
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"370000411_23": "「彼らも姉の居場所を知らないみたいですし、\\n もし飛び出していたら、完全に作戦が失敗していました」",
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"370000411_24": "「気持ちは痛いほど分かるから、気にしなくていいわ」",
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"370000411_25": "「だけど、マリアさんの居場所を誰も知らないなら\\n どうやって捜せばいいんだろう?」",
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"370000411_26": "「あなた、心当たりはないの?」",
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"370000411_27": "「ええ。この艦には牢や営倉のような施設はありませんので、\\n 捕まっているとすれば、隊員部屋の空室か倉庫……」",
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"370000411_28": "「ナツミさんの目の届く範囲に置いている可能性も\\n ありますよね?」",
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"370000411_29": "「だとすると、研究室か艦橋……」",
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"370000411_30": "「でも、いきなり首謀者の所へ乗り込んで、\\n 外れてた場合は完全に詰むわよ」",
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"370000411_31": "「もう少し範囲を絞り込みたいところね」",
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"370000411_32": "「あッ! <ruby=ろかく>鹵獲</ruby>機に捕まったのなら、\\n <ruby=ろかく>鹵獲</ruby>機が見張っているんじゃないですか?」",
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"370000411_33": "「確かにその可能性は高いですッ!\\n とすると、まずはわたしの私室へ向かいましょう」",
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"370000411_34": "「管理端末から<ruby=ろかく>鹵獲</ruby>機たちの配備や、\\n 巡回ルートが分かるかもしれません」",
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"370000411_35": "「やはり隔壁がロックされていますね。\\n マリアさん、怪盗型ギアに電子錠を外すような機能は?」",
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"370000411_36": "「残念だけど、そんな便利機能は知らないわ。\\n 静音性、隠密性、俊敏性は高くなっているみたいだけど……」",
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"370000411_37": "「この隔壁の両サイドに付いてる機材は、虹彩センサーかしら?」",
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"370000411_38": "「それぞれのセンサーに、わたしと姉の網膜を読み込ませると\\n 解除される設定だったんですが……」",
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"370000411_39": "「現在は、片方がわたしの右目、もう片方がわたしの左目の設定に\\n なっているみたいなんです」",
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"370000411_40": "「2メートルは離れていますよ……」",
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"370000411_41": "「清々しいほど理不尽な設定に変えたのね。\\n もう二度と開かなくなったようなものじゃない」",
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"370000411_42": "「…………。",
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"370000411_43": " ……あッ!」",
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"370000411_44": "「わたしの右目と……」",
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"370000411_45": "「わたしの左目……」",
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"370000411_46": "「ナツミさんも、わたしが並行世界の自分を連れて\\n 戻ってくるなんて、想像できなかったんでしょうね……」",
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"370000411_47": "「なんだか酷く疲れた気分だわ。\\n こんなおバカな仕掛け、もう勘弁してほしいわね」",
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"370000411_48": "「それが……実はこの先にもう1つありまして……」",
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"370000411_49": "「小さなトンネルが付いているみたいですけど、\\n これは?」",
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"370000411_50": "「はい。トンネルの先には、姉のDNAを読み取って\\n 扉を開くための装置があります」",
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"370000411_51": "「姉以外にこのサイズの穴を通り抜けられる隊員がいないので、\\n 姉と一緒じゃないと入れなかったんですが……」",
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"370000411_52": "「結局DNAを読み取るなら、トンネルはいらないんじゃない?」",
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"370000411_53": "「それだと眠った姉を連れてくれば、\\n 誰でも通れるようになるからと、ナツミさんが……」",
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"370000411_54": "「なるほど。それで、読み取るDNAが\\n セレナのものに変更されていると……?」",
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"370000411_55": "「……はい」",
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"370000411_56": "「……わたしなら入れますね。\\n 行ってきます」",
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"370000411_57": "「デュプリケイターの模造品を作れるような人の発想って\\n 底知れないわ……」",
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"370000411_58": "「これでもヒメジマ・パーフェクト・セキュリティ・システム。\\n 略してHPSSなんて呼ばれてたんですが……アハハ……」",
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"370000411_59": "「パープリン・セキュリティ・システムに改名することを\\n おすすめするわ」"
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