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"361000421_0": "「みんな、よく聞きな。\\n アポロン様からのお達しだよ」",
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"361000421_1": "「あたしたちの歌は、もっと広く届けなくちゃいけない。\\n みんなでここにいちゃダメなんだ」",
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"361000421_2": "「でも、わたし……アポロン様のお傍から離れたくない」",
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"361000421_3": "「もちろん、あたしだって同じ気持ちよ。\\n だから……決めなくちゃいけないの」",
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"361000421_4": "「アポロン様はおっしゃったわ、\\n 最も歌に優れた者を、お傍に残してくださるって」",
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"361000421_5": "「ふぅん、そしたら、歌で勝負ってことねぇ？」",
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"361000421_6": "「負けたら、遠くへ……どうしよう……」",
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"361000421_7": "「……ここまでが第２幕。\\n 選考の課題シーンだって」",
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"361000421_8": "「みんな、歌が好きで仲良しなのに\\n 歌で競うことになるなんて……」",
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"361000421_9": "「悲しい運命だな」",
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"361000421_10": "「この『女神の歌』に何が隠されているのかしら……？」",
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"361000421_11": "「うーん……」",
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"361000421_12": "「わたしたちで戯曲を読み込んだんだけど、\\n 見えてこなくって――」",
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"361000421_13": "「実際に参加した人に話を聞くのが１番じゃないかって、\\n 話になったの」",
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"361000421_14": "「ええ、近くの学校にいるらしいわ。\\n 名前は確か、井手碧菜さん」",
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"361000421_15": "「井手……碧菜……」",
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"361000421_16": "「去年の『女神の歌』のパンフレットは\\n 目を通したのだけれど、そんな名前は見なかったわ」",
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"361000421_17": "「だとしたら、落選した者なのだろうな」",
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"361000421_18": "「でも、それなら『今年こそ』って\\n 燃えてるかもッ！」",
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"361000421_19": "「彼女に接触してみる価値はありそうね」",
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"361000421_20": "「じゃあ、すぐに行きましょう。\\n 次のレヴューまでに何か手を打っておきたいし」",
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"361000421_21": "「ここが、えーと……井手、碧菜さんの学校？」",
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"361000421_22": "「ええ、そうよ。\\n でも、ここからが大変ね」",
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"361000421_23": "「これだけ多くの生徒がいる中で、わたしたちが知っているのは\\n 名前だけなんだから」",
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"361000421_24": "「それじゃ、片っ端から聞いてきますッ！」",
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"361000421_25": "「待って、そんなことしたら不審者扱いで\\n つまみ出されちゃうかもしれないわ」",
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"361000421_26": "「でも、そうしたらどうやって見つけ出すんですか？」",
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"361000421_27": "「ちょっと待ってッ！\\n あれって……」",
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"361000421_28": "「……………………」",
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"361000421_29": "「あの子だけ、まとっているオーラが違う……」",
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"361000421_30": "「この学校ではよほどの有名人みたいね。\\n ほら、他の生徒たちも進んで道を開けていくわ」",
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"361000421_31": "「ね、ねえ……声かけてみようよ」",
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"361000421_32": "「でも、なんて……？」",
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"361000421_33": "「あの、井手碧菜さんですか？」",
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"361000421_34": "「ひ、響ちゃんッ！？」",
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"361000421_35": "「さ、さすが一番槍ね……」",
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"361000421_36": "「……ええ、そうだけど」",
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"361000421_37": "「えっと……聞きたいことがあるんです」",
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"361000421_38": "「何？」",
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"361000421_39": "「去年の『女神の歌』の\\n 選考のことなんですけど」",
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"361000421_40": "「それは……」",
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"361000421_41": "「その話はやめてちょうだい。\\n もうたくさん」",
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"361000421_42": "「待って」",
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"361000421_43": "「佇まいだけで、あなたが只者ではないことはわかる。\\n そんなあなたが、なんの役も得られないとは考えられない」",
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"361000421_44": "「一体……去年の選考で、何があったの……？」",
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"361000421_45": "「知らないわ。あの芝居のことはもう、忘れたの」",
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"361000421_46": "「碧菜さん……？」",
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"361000421_47": "「これは、もっと調べないわけにはいかないわね」",
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"361000421_48": "「一度戻って、これからどうするか改めて考えましょう」",
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"361000421_49": "「賛成ッ！\\n ついでにレヴューに向けて特訓も――」",
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"361000421_50": "「これは……くッ、ろくに準備もできていない状態で、\\n 地下舞台に向かわなくてはいけないとは」",
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"361000421_51": "「仕方がないわ。不戦敗だなんてごめんだからね」",
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"361000421_52": "「行きましょう」",
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"361000421_53": "「ええ」"
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