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"201025411_0": "オートスコアラー料理対決ッ!",
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"201025411_1": "「お前たち、今帰ったぞ」",
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"201025411_2": "「お帰りなさいまし、マスター♪」",
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"201025411_3": "「ああ。\\n お前たちも変わりないようで何よりだ」",
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"201025411_4": "「オレは少し休む。\\n お前たちも今日は好きにしていていいからな」",
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"201025411_5": "「――ッ!?」",
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"201025411_6": "「……あれはどういうことですかね?」",
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"201025411_7": "「えらくご機嫌でしたわね……」",
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"201025411_8": "「普段ならば私たちに、仕事の3つや4つは言いつけるはず……」",
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"201025411_9": "「今日はお休みでいいだなんて、びっくりだゾッ!」",
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"201025411_10": "「先の任務で何かあったんでしょうか?」",
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"201025411_11": "「……これは調べる必要がありますねェ」",
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"201025411_12": "「……ん? お前たちは――」",
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"201025411_13": "「キャロルの<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>なワケダ」",
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"201025411_14": "「あら、あーしたちに何か用?」",
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"201025411_15": "「地味に質問させてほしい……」",
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"201025411_16": "「――シチューッ!?」",
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"201025411_17": "「任務先で食べたシチューでご機嫌になるなんて、\\n マスターったら、おこちゃまね♪」",
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"201025411_18": "「なるほど。それがマスターの機嫌を\\n 派手に良くしたということか」",
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"201025411_19": "「それなら、あたしたちでそれを作るんだゾッ!\\n マスターにはいつもニコニコしててほしいんだゾッ!」",
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"201025411_20": "「えー、そういうのはプロに任せた方がよくない?」",
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"201025411_21": "「人間などが作ったものよりも、\\n 更にマスターのお気に召すものを用意しますわよ」",
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"201025411_22": "「……基本的な材料は今、説明した通りだ。\\n それで、誰が何を担当するつもりなんだ?」",
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"201025411_23": "「そうねぇ……。\\n そこの役立たずは見学として――」",
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"201025411_24": "「あたしだって頑張りたいんだゾッ!」",
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"201025411_25": "「私に地味は似合わない……。\\n 一番派手な役割なら検討しよう」",
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"201025411_26": "「あら、私だってメインを譲りたくはありませんわ」",
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"201025411_27": "「メインはガリィにお任せですッ!」",
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"201025411_28": "「作る前からモメまくってるしー」",
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"201025411_29": "「それなら、1つずつ作って\\n それぞれ食べ比べてもらえばいいんじゃない?」",
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"201025411_30": "「それなら公平なワケダ」",
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"201025411_31": "「……その手がありましたわね」",
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"201025411_32": "「地味に名案だな」",
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"201025411_33": "「よーしッ! やってやるんだゾッ!」",
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"201025411_34": "「完膚なきまでに叩きのめしてあ・げ・る♪」",
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"201025411_35": "「……あーし、余計なことをいっちゃったかしら?」",
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"201025411_36": "「後でするから後悔なワケダ……」",
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"201025411_37": "「もはや何も言うまい。\\n ……さあ、それぞれ調理開始だ」",
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"201025411_38": "「完全にレシピ通りに作り上げれば、\\n 完璧な料理になるに違いありませんわ」",
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"201025411_39": "「これだ……。これこそが私の求める派手さ……」",
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"201025411_40": "「ここは普通に作るのが、むしろ一番個性的……。",
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"201025411_41": " と見せた希望をここでバッサリ摘み取るのよねー」",
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"201025411_42": "「うう……、食材が掴めないんだゾ……。\\n まな板もテーブルも全部バラバラに……」",
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"201025411_43": "「……流石にその手で料理は難しいな。\\n 公平を期すために、私が手を貸そう」",
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"201025411_44": "「本当かッ!? 恩に着るんだゾッ!」",
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"201025411_45": "「……呼ばれてきてみれば、なんだこれは?\\n お前たち、一体何を錬成した……?」",
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"201025411_46": "「やーね、錬成じゃなくて料理ですよ、りょ・う・り」",
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"201025411_47": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちのお手製なワケダ」",
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"201025411_48": "「……ああ、シチューだ」",
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"201025411_49": "「な……ッ!?\\n こ、これがシチューだとッ!?」",
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"201025411_50": "「そうですよ、マスター。\\n ガリィちゃんたちの特製シチューです♪」",
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"201025411_51": "「私のシチューは刺激たっぷりで、病みつきになりますよ」",
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"201025411_52": "(刺激……、このあからさまに赤くて激辛に見えるのが\\n ガリィの皿のようだな……)",
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"201025411_53": "「思うがままに派手にお召し上がりください、マスター。\\n 誰よりも派手な私のシチューを」",
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"201025411_54": "(誰よりも派手……、この金色の何かがレイアの皿かッ!?)",
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"201025411_55": "「それから、誰が一番が判定してもらえますか?\\n まあ、結果は見えてますけど」",
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"201025411_56": "(ふむ、一番まともな白いシチューがファラの皿か……)",
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"201025411_57": "「ミカも一生懸命作ったんだゾ……。\\n でも、ちょっと火力が出過ぎたんだゾ……」",
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"201025411_58": "(……このおぞましい色の塊がミカか)",
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"201025411_59": "(な、なぜ同じレシピで、こんなにも色彩豊かな\\n シチューたちができあがる……ッ!)",
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"201025411_60": "「……心の準備はできたか?」",
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"201025411_61": "「一生懸命作ったから、\\n ちゃんと食べてほしいんだゾッ!」",
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"201025411_62": "「……くッ、いいだろう。オレのために作ったというのなら、\\n 無駄にするわけにもいくまい……」",
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"201025411_63": "「まずは……、ミカの紫シチューを貰うか……\\n しかし……大丈夫なのだろうか……」",
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"201025411_64": "「――ぶっはッ!\\n 舌が痺れる……ぺっぺッ!」",
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"201025411_65": "「これは毒だぞッ!\\n しかも錬成で作る毒より致死効能が高いッ!」",
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"201025411_66": "「マスター、ごめんなさいだゾ……」",
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"201025411_67": "「すまない、サポートはしたんだが……」",
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"201025411_68": "「つ、次だ……。\\n ではレイアの金シチューを――」",
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"201025411_69": "「マスター、その前にその皿の底をスプーンで\\n 叩いてみてください」",
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"201025411_70": "「叩く? ……こうか?」",
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"201025411_71": "「シチューが光っただとッ!?\\n なんだこれはッ!?」",
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"201025411_72": "「マスターの食事に地味は似合わない……。\\n 黄金色に自ら光り輝く、シチューです」",
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"201025411_73": "「皿に発光する細工でも仕込んであるのか……?」",
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"201025411_74": "(しかし……、食べられるのか、これは……?)",
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"201025411_75": "「確かに見た目は派手だが、\\n 味が……全くないぞッ!」",
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"201025411_76": "「見た目だけにこだわりすぎていたようだな……」",
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"201025411_77": "「で、では次は――、\\n ガリィの赤シチューか……」",
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"201025411_78": "「刺激たっぷりと言っていたが……」",
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"201025411_79": "(もはや刺激物をペースト状にしただけの汁にしか……\\n 約束は約束ッ!)",
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"201025411_80": "「ガ…………ッ!」",
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"201025411_81": "「あれぇ? マスター、目と鼻と顔中の毛穴から涙がッ!?\\n そんなに感動的な味だったんですね♪」",
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"201025411_82": "(コイツは……ッ!)",
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"201025411_83": "「……さ、最後はこのファラのシチューだ」",
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"201025411_84": "「あら、やっと真打ち登場ですわね」",
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"201025411_85": "(頼む、せめてファラのだけは\\n 普通のシチューであってくれ……)",
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"201025411_86": "「うッ!? こ、これは――ッ!?」",
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"201025411_87": "(よかった……、\\n 至って普通の味だ)",
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"201025411_88": "「はあッ、はあッ……。\\n 一応、終わったぞ」",
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"201025411_89": "「マスター、それで一番は?\\n もちろんガリィちゃんですよね?」",
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"201025411_90": "「あら、私に決まってますわ」",
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"201025411_91": "「私が一番派手だった」",
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"201025411_92": "「気持ちだけはちゃんと込めてたんだゾッ!」",
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"201025411_93": "「優劣はともかく……お前たちに聞きたい。\\n なぜ突然、料理をしようなどと思ったんだ?」",
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"201025411_94": "「任務から戻ったマスターの機嫌がよかったようなので」",
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"201025411_95": "「どうしてなのかサンジェルマンたちに聞いたのですわ」",
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"201025411_96": "「そうしたら、シチューがきっかけだと聞いたのでー」",
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"201025411_97": "「マスターにいつもニコニコしててほしくて、作ったんだゾ」",
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"201025411_98": "「つまり、そのシチューを再現しようとした、ということか?」",
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"201025411_99": "「そうなりますねー」",
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"201025411_100": "「分かった……。ならば、まずそれを正しておこう。\\n 確かに任務で食べたシチューは美味かった」",
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"201025411_101": "「だが、機嫌が良くなったのは味に付随する想い出、\\n 遠い昔、パパと食べたシチューを思い出したからだ」",
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"201025411_102": "「昔を思い出せたからこその特別な味であり、例え同じ\\n ものをもう一度食べても、同じ気持ちにはなれないだろう」",
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"201025411_103": "「では、再現するのは不可能だったということですか?」",
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"201025411_104": "「ああ、そうだ」",
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"201025411_105": "「だが、お前たちの気持ちそのものは十分に嬉しい。\\n 礼を言う」",
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"201025411_106": "「もったいないお言葉です」",
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"201025411_107": "「マスターの役に立てたなら、あたしも嬉しいんだゾ」",
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"201025411_108": "「……なんかいい感じじゃない?\\n ちょっともらい泣きしそうになっちゃった」",
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"201025411_109": "「あれがキャロルと<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>の絆なワケダ」",
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"201025411_110": "「……さて、私たちは、そろそろお暇した方がよさそうだ」",
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"201025411_111": "「待て、サンジェルマン……。\\n 話はまだ終わっていない」",
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"201025411_112": "「……もう1つ疑問があるのだが、\\n どうして協力して1品を作らず、対決する形になったんだ?」",
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"201025411_113": "「再現が目的なら、互いに協力して1品を作ればよかっただろう」",
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"201025411_114": "「カリオストロの名案があったからだゾッ!」",
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"201025411_115": "「なるほど……。",
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"201025411_116": " ならばカリオストロたちにも振舞うべきだな」",
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"201025411_117": "「や、やーね。\\n あーし、あなたたち主従の水入らずの邪魔なんて――」",
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"201025411_118": "「ちょっと待つワケダッ!\\n 今、『たち』って言ったワケダッ!?」",
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"201025411_119": "「……逃がすつもりはないということか」",
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"201025411_120": "「――逃がさんッ! レイア、ファラ、ガリィ、ミカッ!\\n どんな手を使ってもいいッ! 3人をテーブルにつかせろッ!」",
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"201025411_121": "「了解しましたわ」",
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"201025411_122": "「腕が鳴るんだゾッ!」",
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"201025411_123": "「分かってますともッ!」",
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"201025411_124": "「派手に着席させてみせましょう」",
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"201025411_125": "「くッ……、数ではこちらが不利か」",
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"201025411_126": "「ラピスはどうしたのよッ! ラピスはッ!」",
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"201025411_127": "「任務が終わったばかりで、調整中なワケダ……ッ!」",
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"201025411_128": "「絶対に逃がさん……。\\n <ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>たちの心遣いを……貴様らも堪能するがいいッ!」",
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"201025411_129": "「もう、やっぱり止めるべきだったのよーッ!」",
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"201025411_130": "「覆水は盆には返らないワケダ……」",
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"201025411_131": "「相手は協会幹部。地味な技では通用しない……」",
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"201025411_132": "「ええ。ですがマスターの望みをかなえるため、\\n 力づくでも、席についていただきますわ」",
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"201025411_133": "「捕まえて、椅子にドーンするんだゾッ!」",
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"201025411_134": "「くッ……、まさか本部内でここまでの窮地に陥るとは……」",
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"201025411_135": "「やれやれ、騒がしいから見に来てみれば……、\\n 案外、仲良くやっているようだね」",
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"201025411_136": "「心置きなく、大いに楽しむといい。\\n 仲間同士のじゃれ合いをね」"
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