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{
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"319000211_0": "引き裂かれた羽",
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"319000211_1": "「う……ん……」",
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"319000211_2": "「意識が戻ったみたいね」",
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"319000211_3": "「ここ、は……?」",
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"319000211_4": "「安心なさい。二課のメディカルルームよ」",
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"319000211_5": "「気分はどう? 眩暈とか、吐き気はしない?」",
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"319000211_6": "「ああ……大丈夫……」",
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"319000211_7": "「良かった。脳波やCTに異常はなかったけど、\\n 万が一ということもあるものね」",
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"319000211_8": "「翼……そうだ、翼は、どうなったんだッ!?」",
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"319000211_9": "「駄目よ、そんな急に動いちゃッ!」",
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"319000211_10": "「状況は俺から説明しよう」",
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"319000211_11": "「弦十郎のダンナ……」",
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"319000211_12": "「……」",
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"319000211_13": "「翼は、敵に連れ去られ、行方不明だ」",
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"319000211_14": "「やっぱり、夢なんかじゃなかったんだな……」",
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"319000211_15": "「残念ながら、な」",
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"319000211_16": "「目下総力を挙げて捜索中だが、\\n 現段階では、何も手がかりは掴めていない」",
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"319000211_17": "「途中で翼ちゃんの反応も途絶えちゃったしね……」",
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"319000211_18": "「あたしのせいで翼が……」",
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"319000211_19": "「奏ちゃんのせいじゃないわ。自分を責めないで」",
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"319000211_20": "「了子くんの言う通りだ。\\n この状況をもたらした責任は、我々全員にある」",
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"319000211_21": "「悔やむより、大事なのはこれからどうするかだろう」",
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"319000211_22": "「ダンナ……」",
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"319000211_23": "「怪我がまだ治りきってないところ悪いが、\\n 急ぎやってもらわないといけないことがある」",
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"319000211_24": "「……ああ、わかってる」",
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"319000211_25": "「…………」",
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"319000211_26": "「あ、奏さん」",
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"319000211_27": "「本当だわ。いらっしゃい」",
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"319000211_28": "「やあ、よく来たね。\\n あれ、でも翼さんがそっちに行ってなかったっけ?」",
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"319000211_29": "「それが……」",
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"319000211_30": "「……何かあったんだな」",
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"319000211_31": "「大事な話があるんだ。みんなを集めてくれないか」",
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"319000211_32": "「……わかった。\\n 装者全員に緊急招集をかけてくれ」",
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"319000211_33": "「りょ、了解しましたッ!」",
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"319000211_34": "「すみません、遅くなりましたッ!」",
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"319000211_35": "「ご苦労。これで全員集まったな」",
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"319000211_36": "「あれ、奏さん?」",
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"319000211_37": "「で、一体何があったんだ?」",
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"319000211_38": "「奏の世界に向かった翼が、何者かに攫われた」",
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"319000211_39": "「な……翼さんがッ!?」",
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"319000211_40": "「あの翼が攫われるなんて……一体誰に?」",
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"319000211_41": "「敵は錬金術師らしい。\\n それ以外はまだなにも……」",
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"319000211_42": "「安否の確認は? その後、相手からは要求や接触はあったの?」",
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"319000211_43": "「何もない……。あたしがこっちに来る前までは、だけど」",
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"319000211_44": "「それって……。\\n 無事かどうかもわからないってことデスかッ!?」",
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"319000211_45": "「切ちゃん、そういうこと言っちゃ駄目」",
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"319000211_46": "「大丈夫だよ。翼さんなら、絶対に」",
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"319000211_47": "「あったりまえだッ! 先輩なら大丈夫に決まってるッ!」",
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"319000211_48": "「わたしも無事だと思うわ」",
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"319000211_49": "「わざわざあの子を攫ったということは、\\n 敵には何か、目的があるってこと」",
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"319000211_50": "「その目的が果たされるまでは、\\n 危害を加える可能性は低いと思うわ」",
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"319000211_51": "「そ……そうですよね、マリアさんッ!\\n わたしもそう思いますッ!」",
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"319000211_52": "「奏さんッ! 翼さんはきっと無事ですよッ!」",
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"319000211_53": "「ああ、ありがとな……」",
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"319000211_54": "「危害を加える目的ならその場でするだろうしな」",
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"319000211_55": "「はあ……良かったデス……」",
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"319000211_56": "「でも、逆に言えば、目的が果たされたら……」",
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"319000211_57": "「ああ。今後の状況は時間との戦いになるだろう」",
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"319000211_58": "「早速、響くんとマリアくんは、\\n 向こうの世界に行って翼救出のサポートをしてくれ」",
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"319000211_59": "「はい、師匠ッ!」",
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"319000211_60": "「了解よ」",
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"319000211_61": "「先輩の危機だ、あたしも行くぞッ!」",
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"319000211_62": "「モチのロンデスッ! ね、調?」",
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"319000211_63": "「うん。黙って待ってられないもの」",
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"319000211_64": "「いや、それは許可できない」",
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"319000211_65": "「な、なんでだよッ!?\\n 今、時間との勝負って言ったばかりだろッ!?」 ",
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"319000211_66": "「今回の件は敵が何者でどのくらいの規模なのかも、\\n どこにいるのかも全く把握できていない異常事態だ」",
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"319000211_67": "「この状況下で装者全員が並行世界に渡り、なんらかの理由で\\n 戦闘不能に陥った場合、誰も支援することができなくなる」",
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"319000211_68": "「ある程度事態を把握するまでは、\\n 並行世界へと向かう者は絞らせてもらわざるを得ん」",
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"319000211_69": "「ボクも、それに賛成です」",
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"319000211_70": "「並行世界を行き来できるのは、装者であるみなさんだけです」",
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"319000211_71": "「万一、装者が全員不在となってしまった場合、ボクたちでは\\n 救助はおろか、状況の確認すらできなくなってしまいます」",
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"319000211_72": "「あ、そっか……そうデスよね……」",
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"319000211_73": "「すまない、みんな……。\\n あたしのせいで……」",
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"319000211_74": "「いえ、奏さんのせいではないです」",
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"319000211_75": "「……仕方ないか」",
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"319000211_76": "「わかってくれたか」",
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"319000211_77": "「ああ。でも、もし何かあったら、おっさんが止めたとしても\\n あたしは先輩を助けに行くからなッ!」",
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"319000211_78": "「……その時は、やむを得まい」",
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"319000211_79": "「先輩のこと、頼んだからなッ!」",
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"319000211_80": "「ああ、必ず助けるッ!」",
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"319000211_81": "「うんッ! どーんと任せてッ!」",
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"319000211_82": "「すぐに連れて帰ってくるわ」"
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