140 lines
13 KiB
JSON
140 lines
13 KiB
JSON
{
|
||
"318000611_0": "共闘",
|
||
"318000611_1": "「カリ……オス、トロ……プレ……ラーティ……?」",
|
||
"318000611_2": "「サ……サンジェルマンッ?」",
|
||
"318000611_3": "「正気に戻ったワケダねッ!?」",
|
||
"318000611_4": "「私、は……」",
|
||
"318000611_5": "「う……うう……ああああ――ッ!?」",
|
||
"318000611_6": "「サンジェルマンッ!」",
|
||
"318000611_7": "「追跡するワケダッ!」",
|
||
"318000611_8": "「わかってるわよッ!!」",
|
||
"318000611_9": "「サンジェルマン、さん……」",
|
||
"318000611_10": "「助かった……デスか」",
|
||
"318000611_11": "「そうだね」",
|
||
"318000611_12": "「でも、あれはなんだったんデスか……?」",
|
||
"318000611_13": "「まさか、カルマノイズの力に囚われるだなんて……」",
|
||
"318000611_14": "「とにかく一度、戻るデスよ」",
|
||
"318000611_15": "「響さん?」",
|
||
"318000611_16": "「あ、うん……そうだね……」",
|
||
"318000611_17": "(わたし、また手が届かなかった……)",
|
||
"318000611_18": "「え?」",
|
||
"318000611_19": "「今の光は――」",
|
||
"318000611_20": "「確か、サンジェルマンさんの……?」",
|
||
"318000611_21": "(……そうだよ。\\n 確かに、今回は手が届かなかった……)",
|
||
"318000611_22": "(だとしても……まだ終わったわけじゃない)",
|
||
"318000611_23": "(カリオストロさんたちの声は、心は、\\n サンジェルマンさんに届いていた)",
|
||
"318000611_24": "(だったら、助けられるはずだよ、絶対に)",
|
||
"318000611_25": "「今度は、必ず助けるからね。\\n サンジェルマンさん……」",
|
||
"318000611_26": "「あーん、もう。\\n サンジェルマン、見失っちゃったじゃない……」",
|
||
"318000611_27": "「アダムスフィアの気配も消えたワケダ……」",
|
||
"318000611_28": "「カルマノイズの持つ力で異次元に移ったか、サンジェルマンが\\n 自分の術式で放射する魔力を隠蔽したかってトコかしらね……」",
|
||
"318000611_29": "「おそらくそんなところなワケダ」",
|
||
"318000611_30": "「ひッ!?」",
|
||
"318000611_31": "「こ、こんな時に局長からの連絡ッ!?」",
|
||
"318000611_32": "「出ないわけにはいかないワケダ」",
|
||
"318000611_33": "「わかったわよ。\\n 出ればいいんでしょ、出れば……」",
|
||
"318000611_34": "「もしもし? なんのご用かしら?」",
|
||
"318000611_35": "「おや、意外だね。\\n 君が出るとは、カリオストロ」",
|
||
"318000611_36": "「どうしたんだね、サンジェルマンは?」",
|
||
"318000611_37": "「サンジェルマンなら、今ちょっと、\\n 周囲の警戒に回っているだけよ」",
|
||
"318000611_38": "「なるほど。今尚続行中なのだね、例の作戦は」",
|
||
"318000611_39": "「まあね」",
|
||
"318000611_40": "「それでどうだね、その後の進捗は?」",
|
||
"318000611_41": "「万事順調よ。ご心配なく」",
|
||
"318000611_42": "(何ッ!?)",
|
||
"318000611_43": "「心強いね。\\n 期待してるよ、良い報告を」",
|
||
"318000611_44": "「わかってるわよ」",
|
||
"318000611_45": "「けど、作戦の邪魔になるからあまり頻繁にかけてこないで\\n ほしいんだけど。これから大事なところなんだから」",
|
||
"318000611_46": "「つれないね、なんとも。\\n まあ、いい。寝て待つとしよう、果報をね」",
|
||
"318000611_47": "「ふう……なんとかごまかせたかしらね……」",
|
||
"318000611_48": "「どうして嘘を報告したワケダ?」",
|
||
"318000611_49": "「サンジェルマンがカルマノイズに囚われた、\\n なんて言えるわけないでしょ?」",
|
||
"318000611_50": "「もし協会から討伐指令でも出たらどうするのよ?」",
|
||
"318000611_51": "「それは……。確かに言えないワケダが……」",
|
||
"318000611_52": "「それに、普段からあーしたちのことを煙たがってる連中もいるわ」",
|
||
"318000611_53": "「失態を演じたと聞いたら、喜び勇んでサンジェルマンの地位も\\n 何もかも奪おうとしてくる可能性だって……」",
|
||
"318000611_54": "「わたしたちでなんとかするしかないワケダね」",
|
||
"318000611_55": "「問題はどうやって、協会に頼らずラピスを修復するかだわ……」",
|
||
"318000611_56": "「そうだな。\\n 流石のわたしでも、相応の設備なしでは骨が折れるワケダ……」",
|
||
"318000611_57": "「あれ? そういえば――\\n あの時、サンジェルマン、ラピスを落としてなかった?」",
|
||
"318000611_58": "「損傷した時か? そういえば、確かに……」",
|
||
"318000611_59": "「ま、まさか。そのまま置いてきちゃった……?」",
|
||
"318000611_60": "「回収に戻るワケダッ!」",
|
||
"318000611_61": "「どこにも落ちてないわよッ!?」",
|
||
"318000611_62": "「まさか、そのまま二課に回収されたッ!?」",
|
||
"318000611_63": "「どうすんのよ、それってヤバくない?」",
|
||
"318000611_64": "「錬金術の秘奥たるラピス・フィロソフィカスを\\n 錬金術師以外の手に渡るなど……それこそ大失態なワケダ……」",
|
||
"318000611_65": "「あーん。\\n これじゃ、本気で協会に戻れなくなったじゃないッ!」",
|
||
"318000611_66": "「君たち、昨日は大変ご苦労だった」",
|
||
"318000611_67": "「こうして集まってもらったのは他でもない。\\n 錯綜著しい現在の状況を、いったん整理したいと思う」",
|
||
"318000611_68": "「お願いするデス。次から次に敵が現れて、\\n 何がなんだか、こんがらがってきたデスよ」",
|
||
"318000611_69": "「…………」",
|
||
"318000611_70": "「うむ。\\n だが、その前にいいニュースがひとつある」",
|
||
"318000611_71": "「いいニュース?」",
|
||
"318000611_72": "「なんデスかッ?」",
|
||
"318000611_73": "「奏の意識が無事回復し、復帰する目処がたった」",
|
||
"318000611_74": "「本当デスか?」",
|
||
"318000611_75": "「良かった……」",
|
||
"318000611_76": "「今日も呼んでいる。\\n 彼女が来次第、ブリーフィングを開始しよう」",
|
||
"318000611_77": "「噂をすれば、だな」",
|
||
"318000611_78": "「おう。待たせたみたいだな」",
|
||
"318000611_79": "「何、今集まったばかりだ」",
|
||
"318000611_80": "「奏さん、ご無事でよかったです」",
|
||
"318000611_81": "「ああ、サンキュー。\\n 寝てる間に随分と面倒かけたみたいだな」",
|
||
"318000611_82": "「元気そうでよかったデスッ!」",
|
||
"318000611_83": "「へッ、あれくらいどうってことないさ」",
|
||
"318000611_84": "「ん、なんだお前も来てくれてたのか」",
|
||
"318000611_85": "「あ、はい。お久しぶりです、奏さん」",
|
||
"318000611_86": "「……らしくもない顔してるな」",
|
||
"318000611_87": "「ええと、それは……」",
|
||
"318000611_88": "「敵の錬金術師のことで、少し問題が……」",
|
||
"318000611_89": "「ん?」",
|
||
"318000611_90": "「それは後でおいおい、話すデスよ」",
|
||
"318000611_91": "「さて、全員揃ったところでブリーフィングを始めよう」",
|
||
"318000611_92": "「ああ。あたしが寝てる間のこと、\\n ちゃんと教えてもらえるか?」",
|
||
"318000611_93": "「――というわけで」",
|
||
"318000611_94": "「アルカ・ノイズを駆使する錬金術師集団と、\\n 女錬金術師たちは、対立関係にあり――」",
|
||
"318000611_95": "「共にアダムスフィアと呼ばれる球体を狙って、争っている」",
|
||
"318000611_96": "「ここまでは理解できているな?」",
|
||
"318000611_97": "「ああ、それはあたしも知ってる。\\n なにしろ、目の前で争ってたからな」",
|
||
"318000611_98": "「2グループの錬金術師たちが、あのアダムスフィアを用いて\\n 何を行おうとしていたかは、目下のところ不明だ」",
|
||
"318000611_99": "「そのアダムスフィアってのは、あの後どこに?」",
|
||
"318000611_100": "「あれがカルマノイズに吸収されたところまでは覚えているか?」",
|
||
"318000611_101": "「ああ、おかげでカルマノイズが急に強くなりやがった」",
|
||
"318000611_102": "「その後、再びカルマノイズが出現した際に、\\n 響くんたちに出動してもらったのだが――」",
|
||
"318000611_103": "「その戦いの中で、サンジェルマンさんがカルマノイズの瘴気に\\n 囚われて、同化してしまったんです……」",
|
||
"318000611_104": "「なんだって?」",
|
||
"318000611_105": "「サンジェルマンってのは、あの上から目線の\\n 女錬金術師のリーダーだっけ? 銀髪の――」",
|
||
"318000611_106": "「はい、その人です」",
|
||
"318000611_107": "「真っ黒なカルマノイズと合体モードになって仲間の錬金術師も\\n 襲いはじめた上、最後には逃げてったデスよ」",
|
||
"318000611_108": "「残り2人の仲間の錬金術師も後を追って消えました。\\n けど、その後の情報はわたしたちも聞いていません」",
|
||
"318000611_109": "「残念ながら、そちらの行方も調査中だ」",
|
||
"318000611_110": "「なら、もう1グループの錬金術師たちは?」",
|
||
"318000611_111": "「アルカ・ノイズを駆使していた錬金術師グループで\\n あの場にいた者は、カルマノイズに殲滅されたようだ」",
|
||
"318000611_112": "「……はい。カルマノイズに、分解されて――」",
|
||
"318000611_113": "「その組織に他のメンバーがいる可能性は?」",
|
||
"318000611_114": "「それも目下、情報部が調査中だが……。\\n おそらくあれだけということはあるまい」",
|
||
"318000611_115": "「ま、だろうな……」",
|
||
"318000611_116": "「つまり、現状はカルマノイズと同化したサンジェルマンって\\n ヤツが、アダムスフィアを持っていて――」",
|
||
"318000611_117": "「サンジェルマンとアダムスフィアを取り戻そうと、\\n もう2人の女錬金術師が後を追っている」",
|
||
"318000611_118": "「そしておそらくは、別の錬金術師集団も、未だに狙ってると」",
|
||
"318000611_119": "「ああ、そういうことになるな」",
|
||
"318000611_120": "「そのサンジェルマンという錬金術師に関連して報告があるわ」",
|
||
"318000611_121": "「サンジェルマンさんについて……ですか?」",
|
||
"318000611_122": "「ええ。正確に言うと、響ちゃんが拾ってきた、\\n 彼女が落としたとみられる宝石についてね」",
|
||
"318000611_123": "「ああ、あの宝石――」",
|
||
"318000611_124": "「前回の事件で北極基地から回収した\\n 錬金術に関するデータから照合してみたんだけど――」",
|
||
"318000611_125": "「やはり、この宝石こそが、前に響ちゃんたちが言っていた\\n 賢者の石とみて間違いないわね」",
|
||
"318000611_126": "「やっぱり、あれが、賢者の石……」",
|
||
"318000611_127": "「えーと、ラピス・フィロソフィカス、デスね?」",
|
||
"318000611_128": "「うん」",
|
||
"318000611_129": "「あのなんとかローブを起動する鍵だっけか」",
|
||
"318000611_130": "「はい。ファウストローブ、と呼ぶらしいです」",
|
||
"318000611_131": "「錬金術師たちの秘奥中の秘奥……これを私たちの手元に\\n 残したまま、彼女たちが引き下がるとは思えないわ」",
|
||
"318000611_132": "「アダムスフィアとサンジェルマンの追跡とは別に、ここに対して\\n 奪還作戦を仕掛けてくる可能性も充分考えられる」",
|
||
"318000611_133": "「いずれにせよ、抜かりなく準備を進めておいてくれ」",
|
||
"318000611_134": "「おう、了解だ」",
|
||
"318000611_135": "「はい……」",
|
||
"318000611_136": "「それにしても、アダムスフィアって……」",
|
||
"318000611_137": "「なんだかとっても不吉な名前デスね」"
|
||
} |