54 lines
4.7 KiB
JSON
54 lines
4.7 KiB
JSON
{
|
||
"347000321_0": "「いろいろ聞かせてくれてありがとな。\\n 面白かったよ」",
|
||
"347000321_1": "「いえ……」",
|
||
"347000321_2": "「でも、ちびっこいのにすごい力だよな。\\n おかげで木材もかなり集まったぞッ!」",
|
||
"347000321_3": "「……」",
|
||
"347000321_4": "「ああ、悪い。小さくて可愛いやつだって意味で\\n 悪く言ったつもりはないんだ」",
|
||
"347000321_5": "「いえ、気にしていません」",
|
||
"347000321_6": "「なあ、悪いついでに1つ聞きたいんだけど、\\n お前みたいな子供がどうしてこんな旅をしてるんだ?」",
|
||
"347000321_7": "「……」",
|
||
"347000321_8": "「魔物との戦い慣れっぷりを見たらわかったよ。\\n 今まで相当、危険な旅をしてきたんじゃないか」",
|
||
"347000321_9": "「それは……」",
|
||
"347000321_10": "「……あー、やっぱり今のは無し。\\n 聞かなかったことにしてくれ」",
|
||
"347000321_11": "「昨日今日会ったばかりのやつに\\n そんなこと話すわけないよな」",
|
||
"347000321_12": "「代わりに、今度はあたしの話をするかな」",
|
||
"347000321_13": "「……あたしはこう見えて、それなりに有名な歌手なんだ」",
|
||
"347000321_14": "「歌手?」",
|
||
"347000321_15": "「歌って踊って、みんなを笑顔にする。\\n 翼とはツヴァイウィングってコンビだったんだよ」",
|
||
"347000321_16": "「そう……だったんですね」",
|
||
"347000321_17": "「でも、戦いの中で翼が死んじまったんだよな」",
|
||
"347000321_18": "「え!? でも、彼女は……」",
|
||
"347000321_19": "「ああ、違う違う。あたしの世界の翼だよ。\\n 今一緒にいる翼はまた別なんだ。ん~、並行世界ってやつさ」",
|
||
"347000321_20": "「並行世界……?」",
|
||
"347000321_21": "「まあ、理解できなくてもいいさ。\\n あたしも詳しいことはわかってないし」",
|
||
"347000321_22": "「とにかくあたしは、翼を奪った敵を憎んで、\\n そいつらを滅ぼすためだけに戦い続けていたんだよ」",
|
||
"347000321_23": "「戦っていつか翼のように死ぬために……。\\n あのときのあたしは、生きるのを諦めてたんだな」",
|
||
"347000321_24": "「生きるのを諦めて……」",
|
||
"347000321_25": "「ああ……でも、あいつが気づかせてくれたんだ」",
|
||
"347000321_26": "「生きることを諦めないこと、\\n あたしは歌が大好きなんだってことをな」",
|
||
"347000321_27": "「だから、あたしは言い続けるって決めたんだ。\\n 生きるのを諦めるな、って」",
|
||
"347000321_28": "「……」",
|
||
"347000321_29": "「って、こんな話を聞かされても反応に困るよな」",
|
||
"347000321_30": "「……私とあなたは似ているかもしれません」",
|
||
"347000321_31": "「え? 似てるか?」",
|
||
"347000321_32": "「私もロイドさんたちに救われましたから」",
|
||
"347000321_33": "「……」",
|
||
"347000321_34": "「私はある計画の実験体にされて……、\\n その影響で、斧を振るうこの力を得ました」",
|
||
"347000321_35": "「ですが、同時に喜怒哀楽の感情の全てを失いました」",
|
||
"347000321_36": "「感情を? でも、そうは見えないぞ?」",
|
||
"347000321_37": "「それはロイドさんたちが助けてくれたから……」",
|
||
"347000321_38": "「以前の私は……実験のせいで、\\n エクスフィアを正しく装着できていなかったんです」",
|
||
"347000321_39": "「あのとき、ロイドさんたちと出会っていなければ、\\n 私は感情や……いろいろなものを失ったままだったと思います」",
|
||
"347000321_40": "「だから救われた、か」",
|
||
"347000321_41": "「はい……」",
|
||
"347000321_42": "「ありがとうな、話してくれて」",
|
||
"347000321_43": "「でも、そのエクスフィアってやつはすごいな。\\n あたしもちょっと付けてみたいよ」",
|
||
"347000321_44": "「エクスフィアは……とても危険なものでもあるんです。\\n 簡単に付けるようなことはさせられません」",
|
||
"347000321_45": "「やっぱりダメか」",
|
||
"347000321_46": "「ですが、エクスフィアについて\\n お話をするくらいならできます」",
|
||
"347000321_47": "「おッ、それも聞いてみたいな」",
|
||
"347000321_48": "「その前に……、\\n 1つだけ言い忘れていたことがあります」",
|
||
"347000321_49": "「言い忘れたこと?」",
|
||
"347000321_50": "「私は28歳なので子供ではありません」",
|
||
"347000321_51": "「嘘だろ……」"
|
||
} |