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"345001011_0": "大好きなもう1人の切ちゃん",
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"345001011_1": "「本当にもう大丈夫なの?」",
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"345001011_2": "「いつまでも落ち込んでいられない。\\n やることはたくさんあるから」",
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"345001011_3": "「それで、目覚めた暁はどうなった?」",
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"345001011_4": "「数年間、生命維持装置に繋がれたままでしたからね。\\n まだしばらくは動けないでしょう」",
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"345001011_5": "「ですが、もう大丈夫です」",
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"345001011_6": "「早く元気になるといいデスねッ!」",
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"345001011_7": "「2人のサポートがあれば問題無いだろう。\\n ……アンドロイドの彼女がいなくなったのは残念だが」",
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"345001011_8": "「あ、アタシたちもう少しこっちに残れるデスよ。\\n 何か手伝えることあるデスか?」",
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"345001011_9": "「気を遣ってくれてるなら必要無い。\\n わたしは平気だから」",
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"345001011_10": "「そう、デスか……」",
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"345001011_11": "「あなたもいろいろとありがとう。\\n 切ちゃんと仲良くしてくれて……」",
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"345001011_12": "「…………」",
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"345001011_13": "「どういたしましてデスッ!」",
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"345001011_14": "「ユリウスさんも、ありがとうございました。\\n あなたの協力がなければ、彼女たちを護れませんでした」",
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"345001011_15": "「いや、俺はほんの少しサポートをしただけだ。\\n ここを護れたのは、装者とお前自身の力のおかげだ」",
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"345001011_16": "「そう言っていただけると嬉しいです。\\n ですが、このお礼は、いずれ必ずさせていただきます」",
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"345001011_17": "「これからどうするんだ。\\n ここはもうF.I.S.にバレてしまっているが」",
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"345001011_18": "「切ちゃんの身体がもう少しよくなったら、\\n ここを捨てて、別の場所へ行くつもり」",
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"345001011_19": "「そうか」",
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"345001011_20": "「いい場所が見つかるといいわね」",
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"345001011_21": "「問題ありませんよ、僕がついていますからッ!」",
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"345001011_22": "「え、ええ、そうね……」",
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"345001011_23": "「それに本当に危なくなったら、そちらの並行世界へ\\n お邪魔させていただくかもしれません」",
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"345001011_24": "「えー……」",
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"345001011_25": "「フフ、まあ、本当に危なくなったら頼ってくれて構わないわ」",
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"345001011_26": "「本当ですか。ありがとうございます」",
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"345001011_27": "「マリアがドクターに優しいデスとッ!?」",
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"345001011_28": "「意外だ……」",
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"345001011_29": "「あの最低男と彼は別ものよ。\\n それにこの世界の調と切歌も心配だしね」",
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"345001011_30": "「とりあえず、そろそろわたしたちも元の世界へ戻るわよ。\\n S.O.N.G.のみんなもきっと心配してるわ」",
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"345001011_31": "「おお、そうデス。\\n 調も起きてるに違いないから、早く顔を見せてあげるデスよ」",
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"345001011_32": "「…………」",
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"345001011_33": "「やはり、気になりますか?\\n 僕たちに技術を提供してくれた人物について」",
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"345001011_34": "「ああ、並行世界の存在や、\\n ましてやそれを移動する技術、放ってはおけない」",
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"345001011_35": "「ごめん、言えない。\\n これはわたしたちが情報や技術をもらったときの条件」",
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"345001011_36": "「あなたたちには感謝してるし、もちろん信頼もしてる。\\n でも、こればかりはどうしてもダメなの」",
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"345001011_37": "「……そうか、わかった。\\n 約束や信頼は裏切っていいものではないからな」",
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"345001011_38": "「いいんですか?」",
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"345001011_39": "「仕方がないだろう。\\n 力ずくで聞くということを彼女たちにはしたくはない」",
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"345001011_40": "「……じゃあ、1つだけヒントをあげる」",
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"345001011_41": "「わたしやダメ助手みたいに科学技術に通じる研究者なら、\\n 名前くらいは知ってるんじゃないかな?」",
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"345001011_42": "「なんだと、どういうことだ?」",
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"345001011_43": "「これ以上は言えない」",
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"345001011_44": "(口ぶりから相手は、おそらく研究者……、そして相当な知識の持ち主。\\n まさか、櫻井女史……?)",
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"345001011_45": "「あなたたちが並行世界への旅を続けるのなら、\\n きっと近いうちに会えると思うよ」",
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"345001011_46": "「……だといいんだがな」",
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"345001011_47": "「……力になれず、すみません」",
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"345001011_48": "「もういいさ、代わりに今度、\\n お前の『愛』についての研究記録を読ませてくれ」",
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"345001011_49": "「<size=40>なぜいまここで、愛ッ!?</size>」",
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"345001011_50": "「彼の永遠の研究テーマだそうだ」",
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"345001011_51": "「なんだか恥ずかしい研究テーマ……」",
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"345001011_52": "「……そんなことはありませんよ。愛の力は絶大ですから。\\n 研究する価値は、十分にあります」",
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"345001011_53": "(愛の力は絶大、確かにそうかもしれない。\\n ……だがもし、その絶大な力を、敵が使ってきたら……)",
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"345001011_54": "「なんだかよくわかりませんが、頑張ってください」",
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"345001011_55": "「アタシも、愛について知りたいデースッ!」",
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"345001011_56": "「期待していてくださいね」",
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"345001011_57": "「じゃあ、そろそろ帰るわね。\\n 本当は目が覚めた切歌とも話がしたかったんだけど」",
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"345001011_58": "「またいつか会えるときが来るだろう」",
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"345001011_59": "「それじゃあ、バイバイデースッ!」",
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"345001011_60": "「バイバイ、またね」",
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"345001011_61": "「身体の調子はどう、切ちゃん」",
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"345001011_62": "「今日はとってもいいデスよ。\\n ほら、ご飯も完食――ごほごほッ!」",
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"345001011_63": "「大丈夫ッ!? ほら、お水飲んで」",
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"345001011_64": "「んん……、ふぅ……。\\n アハハハ、ちょっとはしゃいじゃったデス……」",
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"345001011_65": "「気をつけて、まだ本調子じゃないんだから。\\n はいこれ、暇だと思うから本持ってきたよ」",
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"345001011_66": "「わーい、ありがとうデース」",
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"345001011_67": "「えーと、ロボット工学、情報処理、プログラミング。\\n あう、難しい本は苦手デース」",
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"345001011_68": "「やっぱり、そうだよね……」",
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"345001011_69": "「あ、これは、お料理のレシピブックデス?\\n ……おお、美味しそうな物がたくさん載っているデス」",
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"345001011_70": "「フフ、体調がよくなったらなんでも作ってあげるよ」",
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"345001011_71": "「本当デスッ!? それじゃアタシ、このハンバーグオムライスが\\n 食べたいデスッ!」",
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"345001011_72": "「随分とガッツリした物を……」",
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"345001011_73": "「なんだか、聞いただけで、胃がもたれそうですね」",
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"345001011_74": "「やはり、僕はガッツリ系より、\\n いつでもすぐ補給できるお菓子の方が好きですね」",
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"345001011_75": "「お菓子といえば、ダメ助手。\\n 今度、切ちゃんに内緒でお菓子あげたら斬り刻むから」",
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"345001011_76": "「病院食みたいなのばかりじゃ飽きると思いましてね。\\n 僕なりの親切で――」",
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"345001011_77": "「あいたあッ!?」",
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"345001011_78": "「栄養が偏るでしょう。それに弱った身体では消化にも悪い。\\n 余計なことしないで」",
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"345001011_79": "「身体のことはちゃんと考えて、\\n 優しい感じのお菓子をですね――」",
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"345001011_80": "「2人とも仲が良くて妬けちゃうデスよー」",
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"345001011_81": "「気持ち悪いこと言わないで」",
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"345001011_82": "「この男はわたしがF.I.S.を逃げ出すときに――」",
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"345001011_83": "「知ってるデスよ。博士からいろんな研究のことを\\n 教えてもらったんデスよね」",
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"345001011_84": "「……また勝手に」",
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"345001011_85": "「いえ、僕じゃありませんよ」",
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"345001011_86": "「じゃあ、なんで話してもいないことを知ってるの」",
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"345001011_87": "「聞いたデスよ、切歌から」",
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"345001011_88": "「切歌って……」",
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"345001011_89": "「アンドロイドの切歌デスよ。\\n よくアタシのところにきて話をしてくれてたデス」",
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"345001011_90": "「あの子が? いつの間にそんなことを」",
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"345001011_91": "「アンドロイドの切歌さんの日課だったんですよ。\\n その日のことを、本物の切歌さんに報告するのが」",
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"345001011_92": "「そういえば、\\n 何度か、話しかけているのを見たことが……」",
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"345001011_93": "「そうだったんだ。\\n わたし、あの子がそんなことしてたなんて知らなかった……」",
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"345001011_94": "「毎日、楽しそうに調のことを話していたデスよ」",
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"345001011_95": "「そう……」",
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"345001011_96": "「調、たくさん頑張ってきたんデスね。\\n ありがとうデス……」",
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"345001011_97": "「頑張ってこれたのは切ちゃんがいたから。\\n 切ちゃんがいてくれたから、ここまでこれたの……」",
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"345001011_98": "(ありがとう、絶対に忘れないよ)",
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"345001011_99": "(大好きな、もう1人の切ちゃん……)"
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