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"346000222_0": "「……なるほど」",
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"346000222_1": "「まだ上手く合いませんね……」",
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"346000222_2": "(改めて見ると、我流故に独特の動きが見られる。\\n まるで野生の獣のような不規則な動き……)",
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"346000222_3": "(誰にも頼らず、\\n たった1人で戦っていくうちに身につけたものなのだろう)",
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"346000222_4": "「わたしの動きなんですけど、\\n 直したほうがいいところとかありますか?」",
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"346000222_5": "「そうだな……いや、それには及ばない。\\n わたしのほうで合わせるようにしよう」",
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"346000222_6": "「え……?」",
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"346000222_7": "(立花の動きは独特だ。しかし、それこそが立花の武器でもある。\\n 考えるよりも早く、本能のままに敵を狩る牙獣の動き――)",
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"346000222_8": "(下手に鎖に繋いでしまえば、その武器が失われてしまう。\\n むざむざ戦力を下げるような愚を犯すわけにはいかない)",
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"346000222_9": "「立花、もう一度頼む。こちらに合わせようとしなくていい。\\n だが、わたしのほうを少しだけ意識してみてくれ」",
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"346000222_10": "「……意識するだけですか?」",
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"346000222_11": "「ああ。それだけでいい。\\n それが恐らく、わたしたちには1番やりやすいはずだ」",
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"346000222_12": "「……わかりました」",
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"346000222_13": "「今、なんだかすごく上手く戦えた感じが……」",
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"346000222_14": "「ああ、わたしもだ」",
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"346000222_15": "(立花の動きは、近距離での敏捷性を最大限に生かし、\\n 拳の届く距離の敵へ致命の一撃を叩きつけるもの)",
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"346000222_16": "(その距離に下手に手を出せば、立花の動きの阻害になる\\n どころか、攻撃の誤爆を招く恐れもある)",
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"346000222_17": "(立花の間合いは、立花に。わたしはこの剣の先、\\n 立花よりもほんの少し広い間合いの敵を最優先に狙うこと……)",
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"346000222_18": "「少し、意識を変えてみただけだったんだが、\\n 思いの外上手くいったようだ」",
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"346000222_19": "「はい……やっぱりすごいですね、翼さんは……」",
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"346000222_20": "「そんなことはない。立花こそ、素晴らしい動きだった」",
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"346000222_21": "(そう……わたしの刃のさらに内、立花の得意とする距離。\\n そこでの立花の力は、驚異的なものがある……)",
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"346000222_22": "(ごく近距離に限るとはいえ、全方位の攻撃に反応し、\\n 的確に致命の拳を返す、生きるために身に付けた力……)",
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"346000222_23": "(末恐ろしい……いや、頼もしいな)",
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"346000222_24": "(先ほど聞いた、立花の歌。\\n 以前とは、どこか違うように聴こえたが……)",
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"346000222_25": "(同じ立花が唄う歌だが、\\n こんなにも違って聴こえる理由は――)",
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"346000222_26": "「シンフォギアの力、歌の力……。\\n 立花はそれをどう思っている?」",
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"346000222_27": "「歌の力、ですか……?」",
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"346000222_28": "「ああ。唄うこと、そのものでもいい。\\n 立花の考えが聞きたいんだ」",
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"346000222_29": "「……初めはあんまり好きではなかったです。\\n 唄うことも、歌を聴くことも」",
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"346000222_30": "「歌は……ただただ相手に憎しみをぶつける手段だったから……」",
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"346000222_31": "「初めは、ということは今は違うのだろう?」",
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"346000222_32": "「はい、前とは違う気持ちで唄っている気がします。\\n わたしの歌でも、誰かを護れるってわかったから」",
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"346000222_33": "(それに、この胸の歌を、好きと言ってくれる人がいたから。\\n 今は、わたしも自分の歌を好きだと言える)",
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"346000222_34": "「……フフ、そうか」",
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"346000222_35": "(本当に、以前の立花とは変わった。\\n 変わることができたんだな)",
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"346000222_36": "「翼さん?」",
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"346000222_37": "「改めてこれからもよろしく頼む。\\n 仲間として、わたしと共に戦ってほしい」",
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"346000222_38": "「仲間……。\\n はい、よろしくお願いします」"
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