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"313000412_0": "「……というわけで、帰り道、港を襲う魚人がいたんだ」",
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"313000412_1": "「また魚人か。アイツらは一体なんなんだ……?」",
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"313000412_2": "「なんなんだろう……」",
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"313000412_3": "「なんなんデスかね……」",
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"313000412_4": "「みんな、夕食が出来たみたいだよ」",
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"313000412_5": "「おーッ! 今夜のスペシャルなお夕食はなんデスかッ!?」",
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"313000412_6": "「スペシャルってわけじゃないけど、\\n あたしお手製のジャンボハンバーグだよ」",
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"313000412_7": "「うわー、美味しそうッ!」",
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"313000412_8": "「お皿からはみ出しそうになってるよッ!」",
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"313000412_9": "「若いんだから、沢山食べて栄養つけな。特にアンタたちは、\\n あんなのと戦っているんだから、たっぷり食べとかないと」",
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"313000412_10": "「せっかくだし、デザートも用意しようかね。\\n 楽しみにしてておくれ」",
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"313000412_11": "「おおッ!\\n おばちゃん、太っ腹ッ!」",
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"313000412_12": "「楽しみデースッ!」",
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"313000412_13": "「いやあ、いいよねー。美味しいお肉と白いご飯、\\n やっぱりこれが最高の組み合わせだよッ!」",
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"313000412_14": "「パン派になるんじゃなかったのか?」",
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"313000412_15": "「ご飯は殿堂入りだからッ!」",
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"313000412_16": "「それで、魚人を追い返した以外で何かありましたか?」",
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"313000412_17": "「うん……浦島伝説の話を聞いてきたよ。\\n もしかしたらあの魚人たちに関係あるかもしれないの」",
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"313000412_18": "「浦島伝説? 浦島太郎じゃないのか?」",
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"313000412_19": "「亀を助けた浦島太郎が老人にされる世知辛いお話デスよね」",
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"313000412_20": "「間違っちゃいねーけど、それだと亀が恩を仇で返したみたいに\\n なってるぞ……」",
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"313000412_21": "「ううん、そうじゃなくて。\\n なんかわたしたちの知ってる浦島太郎とは違うんだよね」",
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"313000412_22": "「それが、この世界の浦島太郎なんですね……」",
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"313000412_23": "「お姫様が宝を人間に渡してしまったことで、\\n 神の怒りに触れて封じられてしまった」",
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"313000412_24": "「なんつーか、堅苦しいおとぎ話だな」",
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"313000412_25": "「アタシはお姫様より、願いを叶える玉手箱に興味があるデスッ!\\n ジャンボハンバーグ100年分をお願いしたいデースッ!」",
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"313000412_26": "「どんだけ食べるつもりだ……」",
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"313000412_27": "「……ん?\\n そういえば、前に箱がどうとか言ってなかったか?」",
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"313000412_28": "「うん。昨日、わたしたちが地底湖に落ちた時、\\n おかしな箱があったの」",
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"313000412_29": "「箱に触れた直後、豪華絢爛なお城が現れたんですよね?」",
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"313000412_30": "「おおッ! その箱が玉手箱デスよッ! きっとッ!」",
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"313000412_31": "「早とちりするな。可能性は高いかもしれないけど、\\n まだわからないだろ」",
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"313000412_32": "「でも、そうだとしたらどうして魚人が……?」",
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"313000412_33": "「魚人に会いたいって願ったんじゃないデスか?」",
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"313000412_34": "「さすがにそんなことは思わないよ」",
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"313000412_35": "「なんの得があるかわからないし……」",
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"313000412_36": "「そういえば、心象訓練は上手くいった?\\n それと、何か変わったこととか――」",
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"313000412_37": "「……特におかしなことはない」",
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"313000412_38": "「嘘はダメデスよ」",
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"313000412_39": "「嘘なんてついてねーッ!」",
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"313000412_40": "「水着……」",
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"313000412_41": "「うッ!」",
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"313000412_42": "「水着……って何かあったの?」",
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"313000412_43": "「デスッ! 誰かを助けるという強い想いがあれば、\\n 心象変化を起こせるんじゃないかと考えてデスねッ!」",
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"313000412_44": "「うん」",
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"313000412_45": "「切ちゃんのアイデアに、クリス先輩がひと肌脱いでくれました」",
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"313000412_46": "「助けられる役をしてくれることなったんデスッ!」",
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"313000412_47": "「必要なのはリアリティ、そして臨場感デスッ!」",
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"313000412_48": "「ということで先輩はおっかなびっくり沖へ出て、\\n いざチャレンジと思ったら――」",
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"313000412_49": "「思ったら?」",
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"313000412_50": "「突然大きな波がざぶーんしたデスッ!\\n 自然の力は恐ろしいデス……」",
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"313000412_51": "「恐ろしい?」",
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"313000412_52": "「その時、クリス先輩の水着がさらわれていったんです」",
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"313000412_53": "「おお、さすが、クリスちゃんだね」",
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"313000412_54": "「何が、さすが、なんだよッ!」",
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"313000412_55": "「でも、さらわれたって……もしかして、上下両方ッ!?」",
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"313000412_56": "「ぽんぽんすーなわけないだろッ! 上だけだッ!」",
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"313000412_57": "「クリス、落ち着いて」",
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"313000412_58": "「お、おう……」",
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"313000412_59": "「あのアクシデントのせいで、\\n 助ける以前に驚いて訓練にならなかったデス」",
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"313000412_60": "「なので、明日こそは上手く溺れてほしいデス」",
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"313000412_61": "「今度はちゃんと2人で助けようね」",
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"313000412_62": "「上手く溺れるってなんだよッ!? もうごめんだからなッ!」",
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"313000412_63": "「おばちゃんのご飯が美味しすぎて、食べすぎちゃった。\\n もうお腹パンパンだよー」",
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"313000412_64": "「フフ、響のお腹、タヌキみたいになってる」",
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"313000412_65": "「ううー、未来、今はお腹押さえちゃダメ……」",
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"313000412_66": "「でも本当に美味しいご飯だから、食が進みすぎて困るよね。\\n ……油断しないようにしないと」",
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"313000412_67": "「そ・れ・よ・り・も……せっかくお泊まりで海に来たんデスッ!\\n ここは遊ばないとダメデスッ!」",
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"313000412_68": "「あ、わたしも賛成ッ!」",
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"313000412_69": "「響ったら。さっきまでうんうん唸ってたのにもう立ち上がって。\\n 現金なんだから……」",
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"313000412_70": "「切ちゃん、明日も訓練で朝早いんだよ」",
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"313000412_71": "「わかってるデースッ!\\n だから、ちょっとだけ」",
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"313000412_72": "「仕方がないなあ……」",
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"313000412_73": "「お前ら……その前に何か忘れてないか?」",
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"313000412_74": "「そうだね。響も忘れてること、あるよね?」",
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"313000412_75": "「み、未来……その手に持っているのは、まさか……」",
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"313000412_76": "「参考書だけど?」",
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"313000412_77": "「それは、つまり……」",
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"313000412_78": "「しゅ、宿題……」",
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"313000412_79": "「デデデデース。最強の敵が……とうとう現れたデス」",
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"313000412_80": "「逃げようったって、そうは問屋が卸すかッ!」",
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"313000412_81": "「ひいぃ、お願い、未来……どうかお慈悲をーッ!」",
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"313000412_82": "「響、ちゃんと宿題はやるって言ったよね」",
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"313000412_83": "「ああ、さようなら、楽しいお泊り旅行……」",
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"313000412_84": "「うん、短い間だったけど、いい思い出になった」",
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"313000412_85": "「うだうだ言ってないで、とっとと始めるぞ」"
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