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{
"312001011_0": "ウェディングドレスッ!",
"312001011_1": "「ねえ、この雑誌の表紙、あの時のモデルさんじゃない?」",
"312001011_2": "「どれどれッ?」",
"312001011_3": "「今掲載されているものとなると、\\n 実際の撮影は、月ほど前のものだろうか」",
"312001011_4": "「そうなんですかッ!? 時代を先取るファッション雑誌は、\\n そんなに前から先読みしてるんですね」",
"312001011_5": "「……あれから1週間かあ。\\n 今頃どうしてるんだろう」",
"312001011_6": "「ん、どれどれ?\\n ……写真を見る限り、元気でやってるみたいだな」",
"312001011_7": "「よかった。幸せそうに笑ってるよー」",
"312001011_8": "「相変わらず綺麗……。\\n オフなのに、雑誌と全然変わらないなんて」",
"312001011_9": "「なんたって、もうすぐ花嫁さんだもんね。\\n 結婚を前に、綺麗に磨きがかかっちゃうわけだ」",
"312001011_10": "「あら、楽しそうね」",
"312001011_11": "「何を見てたんデスか?」",
"312001011_12": "「この前のモデルさんの写真だって。\\n とっても元気そうで……、結婚式もそろそろかな」",
"312001011_13": "「け、結婚ッ!?\\n ……ううッ、しばらくその話は聞きたくないデス……」",
"312001011_14": "「未だに『結婚怖い』、ってやってるのか?」",
"312001011_15": "「精神的な負荷は、療養で癒えたはずですが……、\\n まさか、さらなる呪いの脅威が……」",
"312001011_16": "「それは平気。でも、マリッジブルーが\\n 切ちゃんの中で黒歴史認定されたみたいで……」",
"312001011_17": "「わたしたちも、敵の影響で『結婚』に怯えていたんだっけ」",
"312001011_18": "「酷く気が滅入っていて……、\\n 確かに、あまり思い出したくはないわね」",
"312001011_19": "「思い返すと、なんだかとっても恥ずかしいデス……」",
"312001011_20": "「そんなこともあるよ」",
"312001011_21": "「アハハッ。今思えば、結婚なんてするわけないのに、\\n なに言ってんだかー、って感じだよね」",
"312001011_22": "「バカッ! こっちがどれだけ心配して……」",
"312001011_23": "「うれしいなあッ!\\n そんなにいっぱい心配してくれたんだッ」",
"312001011_24": "「……ば、バカッ<speed=0.5></speed>\\n もう、嫁でもなんでもいっちまえーッ」",
"312001011_25": "「そ、そんなーッ!?」",
"312001011_26": "「……そういえば、\\n 今回の事件、つだけわからないことがあるの」",
"312001011_27": "「わからないこと?」",
"312001011_28": "「ええ。わたしたちがモデルさんと再会した時、\\n 彼女の頬に涙が伝うのを見たんだけれど」",
"312001011_29": "「あの涙の意味はなんだったのかしら?」",
"312001011_30": "「哲学兵装に捕らわれ薄れる意識の中、\\n 哲学兵装への拒絶反応、あるいは、それを纏う悲しみ――」",
"312001011_31": "「彼女の心情により、涙が頬を伝ったものと推察できます」",
"312001011_32": "「あるいは、哲学兵装の葛藤――」",
"312001011_33": "「叶わなかったウェディングへの未練や、不幸の悲しみが、\\n 肉体を得て、涙として発現したものかもしれません」",
"312001011_34": "「……そう。\\n どのみち、明るい話じゃないのは確かね」",
"312001011_35": "「でも、その悲しみは、\\n どっちもマリアが救った悲しみデス」",
"312001011_36": "「モデルさんも、呪いのウェディングドレスも、\\n マリアの手渡した幸せで救われた」",
"312001011_37": "「……」",
"312001011_38": "「そうねッ!」",
"312001011_39": "「ところで、\\n あの時、他に彼女の涙を目にした者は」",
"312001011_40": "「わたしは見てません。\\n ……響はどうだった」",
"312001011_41": "「わたしもその時近くにいたんだけど、\\n 涙を流すところは見てないんだよね……」",
"312001011_42": "「アタシもそんな風には見えなかったデス」",
"312001011_43": "「あたしたちの位置からは、よく見えなかったな」",
"312001011_44": "「ということは、だれも見ていない……?」",
"312001011_45": "「まさか。\\n だって、あんなにハッキリと大粒の涙を……」",
"312001011_46": "「……余計に謎を深めてしまったな」",
"312001011_47": "「強いて言うなら、マリアさんにだけ感知できる、\\n 特異な現象が起きていた可能性はありますね」",
"312001011_48": "「……そういえば、今回のマリアはとびきり強かったデスね」",
"312001011_49": "「言われてみるとそうだな」",
"312001011_50": "「敵と何度も戦って、打たれ強さがあった」",
"312001011_51": "「そうだったかしら?」",
"312001011_52": "「でも、向かい来る敵を前に、立ち上がるのは当然のことだわ」",
"312001011_53": "「さすがマリア」",
"312001011_54": "「かっこいいデスッ!」",
"312001011_55": "「その件については、マリアさんの場合……」",
"312001011_56": "「ウェディングへの憧れが人1倍強いことから、\\n 得られる幸福感がひときわ高かったのだと仮定しています」",
"312001011_57": "「……えッ?」",
"312001011_58": "「そんなに憧れてたんですか……」",
"312001011_59": "「今回の戦闘における耐久度からして、\\n 響さんのおよそ倍ほど……」",
"312001011_60": "「3倍結婚したかったんだ……ッ!?」",
"312001011_61": "「あ……、そういうことだったんデスね」",
"312001011_62": "「えっと、あの……」",
"312001011_63": "「急に気を使わなくていいわよッ!」",
"312001011_64": "(みんながブーケを通じて授けてくれた幸福を胸に、\\n わたしたちは不幸に打ち勝つことができた",
"312001011_65": "(モデルさんを無事に保護し、\\n 呪いのウェディングドレスも無傷で回収――",
"312001011_66": "(けれど、わたしはこれで終われない――)",
"312001011_67": "(一度は引きずり降ろされた、あの戦場に――)",
"312001011_68": "(わたしは帰ってきた――ッ!)",
"312001011_69": "「すごい……。\\n これがマリア・カデンツァヴナ・イヴッ」",
"312001011_70": "「本当に同じドレスなのか?\\n 彼女の中で何が変わったっていうんだ」",
"312001011_71": "「最高を超えてきたか……」",
"312001011_72": "「ブライダル専門でやってきた俺だが、\\n こんな姿は、そうそうお目にかかれない」",
"312001011_73": "「よーく、目に焼き付けた方がいい」",
"312001011_74": "「これが『花嫁』だ――ッ!」",
"312001011_75": "「今日のあなたは、あの時とはまるで別人……。\\n 何か掴めたようですね」",
"312001011_76": "「ええ」",
"312001011_77": "「……わたしは、\\n ウェディングドレスは幸せの象徴だと思っていた」",
"312001011_78": "「華やかなドレスを纏い、幸せを手にする花嫁さん――。\\n 女の子なら、だれだって度は憧れるでしょ」",
"312001011_79": "「……」",
"312001011_80": "「ウェディングドレスを着れば、幸せがやってきて、\\n 花嫁さんを幸せにしてくれる――」",
"312001011_81": "「でも、それは間違っていた」",
"312001011_82": "「……そう。気付いたのね」",
"312001011_83": "「ええ」",
"312001011_84": "「ウェディングドレスは、幸せを掴もうと戦う花嫁の戦闘服。\\n 花嫁さんに、幸せを掴む勇気を与えてくれるもの」",
"312001011_85": "(わたしの纏う白銀と同じ。\\n そうよね、セレナ……",
"312001011_86": "「素晴らしい着こなしでした……」",
"312001011_87": "「ただ可憐なだけではなく、\\n 美しさの中に、幸せを掴みに挑む力強さを感じた」",
"312001011_88": "「あのドレスは、愛される者の愛らしさを前面にあしらったもの。\\n だからこそ、身に纏う花嫁は、同等の強さを持たねばならない」",
"312001011_89": "「愛されるだけでは、幸せはすぐにそっぽを向いてしまう。\\n 自ら飛び込み幸せを引き寄せる、力強い腕が必要だった」",
"312001011_90": "「ありがとう。ドレスの魅力をこんなに引き出してくれて。\\n あのドレスはあなたこそふさわしいわ」",
"312001011_91": "「……こちらこそ。\\n その言葉をもらい損ねたら、プロ失格だわ」",
"312001011_92": "「それから……、\\n もうひとつ、分かったことがあるの」",
"312001011_93": "「分かったこと?」",
"312001011_94": "「『呪いのウェディングドレス』のことよ。\\n わたしはあなたを誤解していたわ」",
"312001011_95": "「あなたは純粋に……、\\n あの『呪いのウェディングドレス』を愛しているのね」",
"312001011_96": "「そう……。\\n もうそこまでお見通しなのね」",
"312001011_97": "「なぜあなたが、あの曰くつきの品を持っていたの?\\n あの人に着せようとしたのはなぜ」",
"312001011_98": "「今度は教えてもらえるわよね?\\n 今のわたしなら、あなたの想いも理解できる」",
"312001011_99": "「……」",
"312001011_100": "「私があのドレスと出会ったのは、米国のとある博物館でした。\\n とってもチャーミングで、私はすぐに虜になった」",
"312001011_101": "「けれど、あのドレスは人々に蔑まれ、泣いているように見えた。\\n 少し耳をすませば、すぐに理由がわかったわ」",
"312001011_102": "「『近寄るだけで不幸が訪れる』だなんて、\\n 非科学的な……、ただの噂――」",
"312001011_103": "「まわりはあのドレスを『呪いのウェディングドレス』と呼んだ。\\n 私はそれが、どうしても許せなかった」",
"312001011_104": "「……」",
"312001011_105": "「だって、悲しいじゃない。\\n 『人を幸せにできないウェディングドレス』だなんて」",
"312001011_106": "「……あなた、そんなにもあのドレスのことを……」",
"312001011_107": "「……私も、結婚を前に愛する人を失って、\\n 結婚式を挙げることができなかったの」",
"312001011_108": "「いつの間にかあのドレスの話に、自分を重ねていたのね」",
"312001011_109": "「もし、あの時着られなかった私のウェディングドレスが、\\n 『呪われてる』と言われたら――」",
"312001011_110": "「そう考えると、胸が苦しくて、悔しくて、\\n とてもいたたまれなかった……ッ」",
"312001011_111": "「じゃあ、あのモデルさんにモデルを依頼したのは……」",
"312001011_112": "「全ては私のワガママです。\\n あのドレスが、花嫁と幸せを掴む姿を見てみたかった……」",
"312001011_113": "「じゃあ、その姿ッ!\\n 私がお見せしちゃいますね」",
"312001011_114": "「愛子さん……ッ、あなた、そのドレスは……ッ!?」",
"312001011_115": "「あのウェディングドレス?\\n どうして……」",
"312001011_116": "「S.O.N.G.が研究対象として保管することになったが、\\n 移送については『なぜか、明日』となったそうだ」",
"312001011_117": "「翼……ッ!?」",
"312001011_118": "「ごめんなさい。私が無理を言ってしまったんです」",
"312001011_119": "「あなた、あんな目にあった後なのよ?\\n どうしてそんな……」",
"312001011_120": "「だって、絶対に幸せになるって、このドレスに誓いましたから」",
"312001011_121": "「……えッ?」",
"312001011_122": "「あなたが私に教えてくれたから」",
"312001011_123": "「結婚の不安を抱えていた私に、\\n ウェディングドレスの本当の意味をッ」",
"312001011_124": "「……わたしが?」",
"312001011_125": "「私は絶対に幸せを掴んでみせますから、\\n もう『呪いのウェディングドレス』なんて呼ばせませんよ」",
"312001011_126": "「今日からこのドレスは、\\n 『幸福のウェディングドレス』ですッ」",
"312001011_127": "「……幸福のウェディングドレス」",
"312001011_128": "「ありがとう……、愛子さん……。\\n 私の願いをかなえてくれて」",
"312001011_129": "「本当に……、ありがとう……」",
"312001011_130": "「……たくましいな。花嫁というものは」",
"312001011_131": "「……ええ」",
"312001011_132": "(嬉しい……。わたしがみんなと繋げたんだ。\\n この大きな幸せを……ッ",
"312001011_133": "『ありがとう――』",
"312001011_134": "「……今の声は……ッ?」",
"312001011_135": "『花嫁の幸せを後押しする――、\\n 私の役目が、これでようやく果たせる……』",
"312001011_136": "「そうか。あの時泣いていたのは……」",
"312001011_137": "「どうかしたか?」",
"312001011_138": "「……ううん。\\n ただ、幸せを感じただけよ」"
}