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JSON
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{
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"302001021_0": "「はあああああッ!」",
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"302001021_1": "「とりぁぁぁぁぁッ!」",
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"302001021_2": "「思った通りだ。いい拳を持ってるじゃないかッ!」",
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"302001021_3": "「はいッ、ありがとうございますッ!」",
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"302001021_4": "「弦十郎のダンナの弟子なんだっけ。よく鍛えてるなッ!」",
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"302001021_5": "「師匠はわたしなんかよりものすごく強いですよッ!」",
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"302001021_6": "「こりゃ、そっちのダンナともぜひ手合わせして\\n みたいもんだねッ!」",
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"302001021_7": "「師匠、喜ぶと思いますッ!」",
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"302001021_8": "「……いい汗かいたね、これくらいにしとこうか」",
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"302001021_9": "「はいッ」",
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"302001021_10": "「……この前は悪かった。\\n それに、ありがとうな……」",
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"302001021_11": "「ふえ? あの、何のことでしょう……?」",
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"302001021_12": "「……ギアを盗った時の事と、生きるのを諦めるなって\\n 言ってくれた時の事だよ」",
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"302001021_13": "「そ、そんなッ!\\n 奏さんに謝られたり感謝されるような事じゃ無いですッ!」",
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"302001021_14": "「そもそも、生きるのを諦めるなってわたしに教えてくれたのは\\n 奏さんですからッ!」",
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"302001021_15": "「あたしが……?」",
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"302001021_16": "「はいッ!」",
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"302001021_17": "「それじゃ、そっちのあたしは、かなり出来た人間\\n みたいだね……」",
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"302001021_18": "「あんたにそれを言われて、気づいたんだ。\\n あたしはずっと、生きるのを諦めたがってた、ってね……」",
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"302001021_19": "「奏さん……」",
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"302001021_20": "「翼が死んで、あたしは1人になった。\\n それから、仇討ちなんてのを口実に翼の後を追おうと……」",
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"302001021_21": "「翼に助けてもらった命を、翼の思いを踏みにじってたんだ。\\n 誰よりも諦めちゃいけないはずのあたしが……」",
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"302001021_22": "「戦いも、歌も、何もかもを諦めてた。\\n そんな時、あんたたちとそっちの翼がやってきたんだ」",
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"302001021_23": "「眩しかった。あんたたちが。\\n あたしが無くしたものを全部持っているように見えてさ」",
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"302001021_24": "「奏さんは何も無くしてなんて無いです」",
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"302001021_25": "「……この前、同じようなことを言われたよ。\\n あたしは無くしたつもりになってただけだった」",
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"302001021_26": "「あたしもやり直したい、\\n 翼と一緒に戦って、唄っていたあの頃のように」",
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"302001021_27": "「奏さんなら出来ますッ!」",
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"302001021_28": "「ああ、ありがとう……。あたしが言うのもなんだけど、\\n あんたみたいなのがガングニールを継いでくれてよかった」",
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"302001021_29": "「……多分だけど、逝っちまったそっちのあたしも、きっと\\n そう思っているんじゃないかな」",
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"302001021_30": "「奏さん……ありがとうございますッ!」",
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"302001021_31": "「さて、休憩はこれくらいにして、もう少し本格的な\\n 訓練をしようか。……今度はギアありで」",
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"302001021_32": "「ええええッ!? でも、ここでギアなんて\\n 使って大丈夫なんですか……?」",
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"302001021_33": "「大丈夫さ。ここは二課が管理している国有地だからね。\\n 多少何かあっても弦十郎のダンナが何とかしてくれる」",
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"302001021_34": "「それに、シミュレータが出来る前はこの辺りで訓練してた\\n 事もあったんだよ。翼と一緒にね」",
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"302001021_35": "「そういうことなら……はいッ! 宜しくお願いします」",
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"302001021_36": "「いい返事だ。\\n それじゃ、手加減抜きでいくぞッ!」"
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