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"302000311_0": "片翼の奏者",
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"302000311_1": "「……あの運命のライブの日をあたしは今でも夢に見る」",
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"302000311_2": "「翼はあの絶望を前にしても、折れず、負けず、\\n その命を燃やして唄い――そして、散って逝った」",
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"302000311_3": "「あの日からあたしは、両親の仇と共に翼の仇を取る事だけを\\n 胸に、戦い以外の歌を捨て、復讐の為だけに生きてきた……」",
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"302000311_4": "「……あれから後悔しなかった日は1日もない。\\n ただ狂おしい程の後悔と、奴らへの怒りだけが、際限なく増していく」",
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"302000311_5": "「落ちるところまで落ちたあたし。\\n もう、翼と唄い、夢を見ていたあたしなんてどこにもいない」",
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"302000311_6": "「心にあるのはただノイズへの怒りと憎しみ。\\n そう……奴らへの復讐心だけが、今のあたしを動かしている」",
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"302000311_7": "「……翼は、今のあたしを見たら何ていうのだろう。\\n 失望されるだろうか、拒絶されるだろうか……」",
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"302000311_8": "「でも、あたしは――片翼じゃ飛ぶことが出来ないんだよ。\\n だから、翼には今のあたし見て欲しくない……」",
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"302000311_9": "「翼が描いていたあたしは、もう……」",
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"302000311_10": "「奏……奏ぇ……」",
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"302000311_11": "「翼……」",
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"302000311_12": "(あれが、天羽奏……)",
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"302000311_13": "(そうか、これが並行世界の可能性……。\\n 『天羽奏が死ななかった世界』もあり得るという事ね……)",
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"302000311_14": "「奏さん……翼さん……よかったよぉ……うっ、うっ……」",
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"302000311_15": "「……ねぇ、そんなに翼にとって天羽奏は大きい存在だったの?」",
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"302000311_16": "「大きいなんてもんじゃないですッ! 奏さんは――」",
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"302000311_17": "「――離れろッ!」",
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"302000311_18": "「え……奏……?」",
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"302000311_19": "「うるせぇッ! 翼は死んだッ、お前が翼のはずがないッ!\\n 誰だ、てめぇらは……ッ!」",
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"302000311_20": "「わたしが死んだ……?」",
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"302000311_21": "「わたしはここにいるよ、奏……」",
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"302000311_22": "「黙れッ! それ以上言うのなら――ッ!」",
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"302000311_23": "「待て、奏」",
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"302000311_24": "「……なんだよッ!?」",
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"302000311_25": "「そこにいる者たちを、本部まで連れて来てくれ」",
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"302000311_26": "「はあ? なんでだよッ! こんな偽者なんて――ッ!」",
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"302000311_27": "「……ただの偽者に、ギアが纏えるとは思えない。\\n 詳しい話を聞きたい。頼む……」",
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"302000311_28": "「ちッ…………分かったよ」",
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"302000311_29": "「おい、お前ら。ついてこい。\\n 弦十郎のダンナが話したいんだと……」",
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"302000311_30": "「……やっぱり行き先はリディアンの地下なんですかね。\\n ねぇ、翼さん……翼さん?」",
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"302000311_31": "「奏……」",
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"302000311_32": "「……ほら、翼。いつまでも呆けてないで。\\n 行きましょう」",
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"302000311_33": "「あ、ああ……すまない」",
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"302000311_34": "「……つ、翼さん……?」",
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"302000311_35": "「本当に……どうして……?」",
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"302000311_36": "「……翼、なのか……?」",
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"302000311_37": "「……」",
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"302000311_38": "「……驚いた。こちらでも二課は二課なんですね……」",
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"302000311_39": "「こちらでも……? どういう事だ?\\n その……翼、でいいのか……?」",
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"302000311_40": "「……はい。おじさま。わたしは確かに風鳴翼ではありますが、\\n あなたたちの知る風鳴翼ではありません」",
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"302000311_41": "「……俺たちの知る翼ではない、だと?」",
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"302000311_42": "「ええ、そうよ。それは――」",
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"302000311_43": "「もしかして、パラレルワールド、かしらね?」",
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"302000311_44": "「りょ、りょりょりょ……了子さんッ!?」",
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"302000311_45": "「はあ~い。\\n あら、私ったら別の世界でも有名なのかしら」",
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"302000311_46": "「櫻井女史……」",
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"302000311_47": "「……すまないが情報を整理させてくれ。\\n 君たちは並行世界――パラレルワールドから来たと言うのか?」",
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"302000311_48": "「ええ、そうよ。そして、わたしたちが来た理由は――」",
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"302000311_49": "「高質量のエネルギー反応を検知ッ!」",
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"302000311_50": "「――ノイズですッ! 場所は――」",
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"302000311_51": "「く……こんな時に……」",
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"302000311_52": "「まったく、無粋よね~」",
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"302000311_53": "「――あたしが出るッ!」",
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"302000311_54": "「待って奏ちゃんッ!\\n 出るなら、もう一度LiNKERを打っていきなさい」",
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"302000311_55": "「わかってるよッ!」",
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"302000311_56": "「奏ッ! くッ――わたしも行くッ!」",
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"302000311_57": "「翼ッ! ああ、もう……」",
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"302000311_58": "「1つ聞かせてくれ。\\n ――君たちは、装者なのか?」",
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"302000311_59": "「ええ、そうよ。この子もわたしもね。\\n ガングニールとアガートラームの装者よ」",
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"302000311_60": "「アガートラーム……?」",
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"302000311_61": "(……この反応、こちらではアガートラームは\\n 見つかってない、というわけね……)",
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"302000311_62": "「翼さんはともかく、全員装者……?」",
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"302000311_63": "「そんな……装者がそんなにいるだなんて……」",
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"302000311_64": "「すまないが、君たちにも協力してもらえないだろうか?\\n ……我々には、奏以外の装者がいないんだ」",
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"302000311_65": "「もちろんですッ!\\n わたしたちに任せてくださいッ、師匠ッ!」",
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"302000311_66": "「師匠……?\\n ま、まあとにかく、よろしく頼む」",
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"302000311_67": "「ふふ、これは面白くなってきたわね~」"
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