113 lines
12 KiB
JSON
113 lines
12 KiB
JSON
{
|
||
"302000112_0": "「さあ、説明してもらおうかッ!\\n 何でノイズがまた出て来てるんだよッ!?」",
|
||
"302000112_1": "「ああ、もちろんだ……エルフナインくん」",
|
||
"302000112_2": "「はい……」",
|
||
"302000112_3": "「まず、あのノイズはこの世界のモノではありません」",
|
||
"302000112_4": "「この世界のモノじゃない……?」",
|
||
"302000112_5": "「……この世界のバビロニアの宝物庫は閉じています」",
|
||
"302000112_6": "「しかし、それでもノイズが現れたのは、あのノイズがこの\\n 世界のモノではなく、並行世界のノイズだからです」",
|
||
"302000112_7": "「一体、どういうこと……?」",
|
||
"302000112_8": "「へ、へいこう……せかい……?」",
|
||
"302000112_9": "「パラレルワールドって聞いたことが無い?\\n この世界とすごく似てる別の世界の事だよ」",
|
||
"302000112_10": "「……うう、わかったような、わからないような……」",
|
||
"302000112_11": "「でも……、そんな世界が本当に……」",
|
||
"302000112_12": "「ああッ!? へーこー世界だか何だか知らねーが、\\n 結局何でノイズが出てきたんだよッ! 簡潔に言えッ!」",
|
||
"302000112_13": "「……この事態を引き起こしているのは聖遺物ギャラルホルン。\\n 異なる世界同士を繋ぐ、完全聖遺物だ」",
|
||
"302000112_14": "「異なる世界同士を……」",
|
||
"302000112_15": "「繋ぐ……デスかッ!?」",
|
||
"302000112_16": "「待ってください。\\n そんなもの……一体いつ発見されたんですか?」",
|
||
"302000112_17": "「ギャラルホルンを発見したのは、当時発掘チームを率いていた\\n 了子くんだ。この聖遺物は、発見当初から既に起動状態だった」",
|
||
"302000112_18": "「了子さんがッ!?」",
|
||
"302000112_19": "「ギャラルホルンについてはずっと機密扱いで、一部の人物に\\n しか知らされていなかったようです」",
|
||
"302000112_20": "「ボクも今朝、レポートを見せてもらって初めて知りました」",
|
||
"302000112_21": "「ギャラルホルンはあまりにも特殊で、危険な聖遺物だ。\\n その為、一部の者のみで極秘に実験と解析を進めていた」",
|
||
"302000112_22": "「その結果分かった事は、並行世界に異変が起こった際に、\\n こちらの世界と並行世界を繋げる特性があるということだ」",
|
||
"302000112_23": "「並行世界……それはこの世界と同じような世界が広がり、\\n 同じような歴史をたどっています」",
|
||
"302000112_24": "「しかし、それでありながら、必ずこちらの世界とは違う所も\\n 同時に発生します」",
|
||
"302000112_25": "「この世界の歴史とは川の流れのように、遥か昔の上流から\\n 現代という下流まで流れ続けています」",
|
||
"302000112_26": "「しかし、歴史とは大きな転換点において、必ず支流が発生する\\n ものなのです」",
|
||
"302000112_27": "「その支流が並行世界ということね」",
|
||
"302000112_28": "「はい。こちらの世界からこぼれた可能性が生んだ、\\n 異なる世界が並行世界になります」",
|
||
"302000112_29": "「こちらではこぼれた可能性を内包した世界……」",
|
||
"302000112_30": "「……とにかく、今回の件はギャラルホルンがまたどこかの\\n 並行世界と、この世界を繋いだ為に起きた異変で間違いない」",
|
||
"302000112_31": "「……また、と言いましたね。\\n では以前にも同じような事が?」",
|
||
"302000112_32": "「……ああ。ギャラルホルンが並行世界を繋げると、異なる世界\\n 同士が混じり合う影響か、大量のノイズの出現が観測される」",
|
||
"302000112_33": "「前回は、バビロニアの宝物庫が閉じられていなかった為、\\n 推測の域だったが、今回のことではっきりした」",
|
||
"302000112_34": "「そして、この発生した異変は、\\n 並行世界側の異常を解決する事で解消される」",
|
||
"302000112_35": "「記録には2度、並行世界と繋がったことがあると\\n 記されています」",
|
||
"302000112_36": "「最初の発生では、天羽奏さんが解決してくれたようです」",
|
||
"302000112_37": "「か、奏さんがッ!?」",
|
||
"302000112_38": "「……奏が……? 一体、いつだッ!\\n そんな事、わたしは知らないッ!」",
|
||
"302000112_39": "「……落ち着け、翼」",
|
||
"302000112_40": "「ギャラルホルンは完全聖遺物でありながら、一切の制御も\\n 干渉も受け付けない、まさにパンドラの箱だ」",
|
||
"302000112_41": "「そんな怪しげなものに、唯一の完全適合者であるお前を\\n 使う事は、許可が下りなかった」",
|
||
"302000112_42": "「だから……奏を人柱にしたって事ですかッ!」",
|
||
"302000112_43": "「だから落ち着け。過去の事件では、奏くんは無事に並行世界へと\\n 渡り、異変の元凶を解決している」",
|
||
"302000112_44": "「結果論で済まないが、事故や怪我もなかった。\\n そして、おかげでギャラルホルンについて知る事も出来た」",
|
||
"302000112_45": "「ですが……ッ」",
|
||
"302000112_46": "「繋がったのは2度と言ったわね」",
|
||
"302000112_47": "「はい、2度目は、3年前のツヴァイウィングライブ、\\n ネフシュタンの起動実験の時です」",
|
||
"302000112_48": "「なッ!?」",
|
||
"302000112_49": "「ネフシュタンの暴走と重なり、とても対処できる状況では\\n 無かった為、収まるのを待つ他無かった……」",
|
||
"302000112_50": "「なんだ、だったら別に並行世界に行かなくても\\n 収まるのを待てばいいじゃねーか」",
|
||
"302000112_51": "「ですが、その代償として被害が甚大な物に……」",
|
||
"302000112_52": "「それから……この聖遺物は、装者にしか反応しないんだ」",
|
||
"302000112_53": "「装者にしか……?」",
|
||
"302000112_54": "「詳しい理由については、まだわかっていませんが……」",
|
||
"302000112_55": "「ギャラルホルンが並行世界側の異変を治める為、\\n 必要な能力を持った人物だけを選別しているとも考えられます」",
|
||
"302000112_56": "「なんだかよく分からないデスけど、並行世界に行けるのは\\n アタシたちだけって事デスか?」",
|
||
"302000112_57": "「ああ、そう言う事だ。\\n だから、今回は君たちに異変の調査へと向かって欲しい」",
|
||
"302000112_58": "「並行世界側はどうなっているかわかりません。\\n 危険は伴いますが……」",
|
||
"302000112_59": "「……わたしが行きます」",
|
||
"302000112_60": "「翼……」",
|
||
"302000112_61": "「奏の役割を引き継ぐなら、わたししかいない」",
|
||
"302000112_62": "「それに、今はこれだけの装者がいる。\\n わたしにもしもの事があっても――」",
|
||
"302000112_63": "「そ、そんなのダメですッ!」",
|
||
"302000112_64": "「翼……あなた自分が何を言っているのか分かっているのッ!?」",
|
||
"302000112_65": "「……すまない。だが、この役割は絶対に譲れない。\\n これは、奏の片翼としてのわたしの責務なんだ……」",
|
||
"302000112_66": "「……翼。お前の気持ちは分かった。\\n だが、早とちりするな。お前1人を行かせるつもりはない」",
|
||
"302000112_67": "「はい。こちらにもノイズが現れている事もあるので、\\n 戦力を2つに分けるのが最善だと思います」",
|
||
"302000112_68": "「ここにいる装者は6人だから、3人ずつってことですか?」",
|
||
"302000112_69": "「そうです。ですので、翼さんとあと2人……」",
|
||
"302000112_70": "「そういうことなら、わたしも行くわ。\\n 翼が無茶しない様に見ておかないとね」",
|
||
"302000112_71": "「マリア……」",
|
||
"302000112_72": "「なら、残り1人はあたしが――」",
|
||
"302000112_73": "「待って。\\n ……あなたには調と切歌の事を頼みたいの」",
|
||
"302000112_74": "「デスッ!?」",
|
||
"302000112_75": "「マリア……?」",
|
||
"302000112_76": "「こいつらの事を……?」",
|
||
"302000112_77": "「ええ。だから出来れば残りの1人は――」",
|
||
"302000112_78": "「…………」",
|
||
"302000112_79": "「……あの、並行世界って結局よくわからないんですけど、\\n 向こうで困っている人がいるのは確かなんですよね?」",
|
||
"302000112_80": "「さっきも言ったようにギャラルホルンは、まさにパンドラの箱。\\n 解明されていない部分が大半だ」",
|
||
"302000112_81": "「だが、過去の結果を見るに、その可能性は非常に高い」",
|
||
"302000112_82": "「だったらわたし、行きますッ!」",
|
||
"302000112_83": "「……もう、やっぱり」",
|
||
"302000112_84": "「えへへ、ごめんね、未来」",
|
||
"302000112_85": "「いいよ。人助けだもんね?」",
|
||
"302000112_86": "「うんッ!」",
|
||
"302000112_87": "「……決まったな。では今回の調査は翼、マリアくん、響くんの\\n 3名に頼む。決して無理はしないでくれ」",
|
||
"302000112_88": "「これが聖遺物ギャラルホルン、そして並行世界への\\n 扉(ゲート)だ」",
|
||
"302000112_89": "「ギャラルホルンは、並行世界の異常を特殊な振動波で\\n 知らせるようです」",
|
||
"302000112_90": "「……振動波、では、この聖遺物の輝きが……」",
|
||
"302000112_91": "「はい、並行世界の異常を感知している状態です」",
|
||
"302000112_92": "「みなさん、準備はいいですか?」",
|
||
"302000112_93": "「……ああ、出来ている」",
|
||
"302000112_94": "「問題ないわ」",
|
||
"302000112_95": "「ばっちりですッ!」",
|
||
"302000112_96": "「向こうに渡ったら、その場所を確認してください」",
|
||
"302000112_97": "「最初に転送された場所の付近に、戻る為のゲートがあるはずです」",
|
||
"302000112_98": "「……そうなると、いつでも帰還できるのか?」",
|
||
"302000112_99": "「はい。レポートにはそう記載されています」",
|
||
"302000112_100": "「なるほど……ならば、先に行くぞ」",
|
||
"302000112_101": "「……流石だが、思い切りよすぎじゃねぇか……?」",
|
||
"302000112_102": "「それが風鳴翼よ。わたしも行ってくるわ」",
|
||
"302000112_103": "「マリア、気を付けて」",
|
||
"302000112_104": "「寂しかったらすぐ戻ってくるデスよッ!」",
|
||
"302000112_105": "「さ、寂しかったらって……そんなことないわよッ!\\n あなたたちこそ、しっかりねッ!」",
|
||
"302000112_106": "「それじゃわたしも……って、未来?」",
|
||
"302000112_107": "「響……大丈夫だよね?」",
|
||
"302000112_108": "「もう、心配性だなぁ、未来は。大丈夫。\\n ちょーっと人助けしてくるだけだから。待ってて?」",
|
||
"302000112_109": "「うん……待ってる」",
|
||
"302000112_110": "「それじゃ、行ってきま~すッ!」"
|
||
} |