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"359000311_0": "星の想いを受け継いで",
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"359000311_1": "「そこを通してッ!」",
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"359000311_2": "「邪魔をするなッ!」",
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"359000311_3": "「先へ急ごう」",
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"359000311_4": "「うんッ!」",
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"359000311_5": "「このあたりは敵の数が少ないね。みんなが、\\n たくさんのレーベンガーを引き受けてくれているおかげかな?」",
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"359000311_6": "「みんな……」",
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"359000311_7": "「ここが片付いたら、必ず追いつきます」",
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"359000311_8": "「それまでにやられていたりしたら、\\n 承知しないんだからねッ!」",
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"359000311_9": "「この先には、フォルテとララっていう2人も待っているはず」",
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"359000311_10": "「そいつらの相手は……ヒビキ、お前の役目だ。\\n そうだろ?」",
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"359000311_11": "「きっと、頂上までもう少しデスよ」",
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"359000311_12": "「あなたたちだけじゃ頼りないから、後から追いついて加勢する。\\n だから、先に行って待っていて」",
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"359000311_13": "(みんなの<ruby=おもい>歌</ruby>が、背中を押してくれた。\\n それに、もう1人のわたしも……)",
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"359000311_14": "「みんなの分まで、\\n 先に進むんだあああッ!」",
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"359000311_15": "(だけどわたしは、憎しみに突き動かされてる。\\n 胸の歌なんて、もう聴こえない……)",
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"359000311_16": "「わたしなんかが、みんなの想いを受け取って\\n 先に進んでいいのかな……」",
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"359000311_17": "「大丈夫ッ!」",
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"359000311_18": "「――ッ!」",
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"359000311_19": "「わたしも一緒にいるよ。\\n だから今は、進むことにだけ集中しようッ!」",
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"359000311_20": "「一緒に……」",
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"359000311_21": "「それに、\\n スターリットさんに託された想いだってあるんでしょう?」",
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"359000311_22": "「……うん。ここに来る前に見た、\\n ズノートの新たな情報……」",
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"359000311_23": "「そこには、\\n スターリットの過去のことも記録されていたから――」",
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"359000311_24": "「一応、私の過去も記録に残しておこうかな」",
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"359000311_25": "「どうして、\\n 私がテスラと行動を共にするようになったのか……」",
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"359000311_26": "「……私の生まれ故郷。\\n その世界では、星命力の減少による異変が問題視されていた」",
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"359000311_27": "「そんな中、私は科学者として、櫻井了子女史の元で\\n シンフォギアの開発に携わっていたの」",
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"359000311_28": "「私の大好きな、歌の力の可能性……。\\n シンフォギアはそれを最大限に引き出す発明だった」",
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"359000311_29": "「根拠はないけど、それこそ星命力の減少という問題に立ち向かう\\n ことができる、人類最後の希望なんじゃないかって思ったの」",
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"359000311_30": "「歌の力で世界を救う――。\\n それが、その頃の私の夢だった」",
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"359000311_31": "「だけど、その夢はあっけなく潰えてしまった……」",
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"359000311_32": "「悪意ある者のリークによって、極秘だった\\n シンフォギアの情報は世間に知れ渡ってしまったの」",
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"359000311_33": "「そのスクープは、地球の異変に対して、\\n わかりやすい原因を求めていた人々にとって都合がよかった」",
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"359000311_34": "「すべての元凶はシンフォギアのせいだと判を押され、\\n 研究所は攻撃を受けたわ……」",
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"359000311_35": "「櫻井女史の行方はわからなくなり、私も人類に対する\\n 反逆者とみなされ、逃亡を余儀なくされた――」",
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"359000311_36": "「……はあ……はあ……」",
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"359000311_37": "(私は、歌の力で世界を救いたかった……。\\n シンフォギアは、人類の希望になるはずだった……)",
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"359000311_38": "(なのにどうして、誰もわかってくれないの……。\\n どうして、誰も味方になってくれないの……)",
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"359000311_39": "「――ッ!」",
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"359000311_40": "「この揺れは……ッ!?」",
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"359000311_41": "「星命力の減少が進んでいるんだわ……。\\n これは、地球の悲鳴……」",
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"359000311_42": "「もう、この星の最期の時が近づいている――」",
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"359000311_43": "「――ッ!?\\n 噴火……ッ!」",
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"359000311_44": "(近い……。\\n このままじゃ、巻き込まれて――)",
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"359000311_45": "「きゃああああッ!?」",
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"359000311_46": "「生きている……」",
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"359000311_47": "(でも、身体の感覚が……)",
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"359000311_48": "(ここまでの命……ならせめて最期に、\\n 大好きな歌を……)",
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"359000311_49": "「……――♪」",
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"359000311_50": "「…………」",
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"359000311_51": "「私は、並行世界の調査のために偶然通りかかった\\n テスラによって、滅びゆく地球から救い出された――」",
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"359000311_52": "「怪我が癒えると、テスラが当時取り組んでいた研究、\\n エレクライトの開発の助手をしたいと申し出たの」",
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"359000311_53": "「テスラの持つ高度な科学技術に惹かれたのはもちろんのこと、\\n シンフォギアの知識が役に立ちそうだったから――」",
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"359000311_54": "「だけど、テスラを手伝いたいと思った一番の理由は、\\n 彼の瞳の奥に、とても悲しい光が宿っていたから……」",
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"359000311_55": "「その光の正体を、私は知りたいと思ったんだわ……」",
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"359000311_56": "(ここに来てからずいぶん経ったけど……)",
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"359000311_57": "(こうやってひたすらエレクライトの開発に取り組むだけで、\\n テスラとの会話は必要最小限……)",
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"359000311_58": "(どうしてエレクライトを作ろうとしているのか――)",
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"359000311_59": "(そもそも、彼はどういう人なのか、\\n 未だに教えてもらえてないのよね……)",
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"359000311_60": "(奇人変人という逸話は聞いたことがあったけど、\\n ここまでとは……)",
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"359000311_61": "(まあ、こっちから聞き出す勇気を持てない\\n 私も私だけど……)",
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"359000311_62": "(というか、彼はわたしのことをどう思っているのかなッ!?\\n 助けてもらったままなんとなく居ついちゃったけど……)",
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"359000311_63": "(まあ……いいか。なんだかんだ彼の傍は居心地がいいし、\\n エレクライトを形にしていくのは楽しいし――)",
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"359000311_64": "「――♪」",
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"359000311_65": "「その歌……」",
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"359000311_66": "「うわあッ!?」",
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"359000311_67": "「いつから研究所にいたのッ!?\\n 今は徹夜明けで寝ていると――」",
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"359000311_68": "「死にかけていたあの時も、その歌を唄っていたな」",
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"359000311_69": "「私の故郷の歌なんだ。\\n ごめん、うるさかった?」",
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"359000311_70": "「いや――、いい歌だ」",
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"359000311_71": "「――ッ!」",
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"359000311_72": "「あの人が唄っていた歌に、似ているようだ……」",
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"359000311_73": "「――ッ!!」",
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"359000311_74": "「あの人ッ!? あの人って……ッ!?」",
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"359000311_75": "「いや、なんでも――」",
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"359000311_76": "「そこまで言って内緒はズルい……ッ! このままじゃ、\\n 気になって作業が手につかないわッ!」",
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"359000311_77": "「……仕方がない。\\n 話しても構わないが、君にとってはつまらない話だと思うぞ」",
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"359000311_78": "「構わない。\\n テスラのこと、聞いてみたい」",
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"359000311_79": "「そうか……」",
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"359000311_80": "「そうして、アメリアは逝ってしまった。\\n ……歌の持ち主の話は、以上だ」",
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"359000311_81": "「……ぐすっ」",
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"359000311_82": "「なぜ、君が泣く」",
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"359000311_83": "「だ、だって……」",
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"359000311_84": "「その時やっと、彼の瞳の奥にある悲しみの正体がわかった」",
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"359000311_85": "「そして、心からこの人のことを支えたいって思った……」",
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"359000311_86": "「決して、アメリアの代わりに\\n なりたいというわけじゃないの……ッ!」",
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"359000311_87": "「彼の心の中には今もアメリアがいる。\\n その代わりにはなれない……」",
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"359000311_88": "「だけど、彼に救ってもらったこの命を、\\n 彼の幸せのために使いたいって思ったんだ……」",
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"359000311_89": "「それからまた、しばらく時間が流れて、\\n エレクライトの完成が見えて来たころ」",
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"359000311_90": "「私はついに、知ってしまった――」",
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"359000311_91": "「テスラから、ワールドシステムの全容と、\\n その目的を聞かされたの……」",
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"359000311_92": "「この研究の完成は、並行世界の消滅を意味している。\\n そして私はもう、それに関わってしまっている……」",
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"359000311_93": "「テスラに悪意は無かった。そうすることが、\\n 人々を幸福に導くことだと信じていたわ」",
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"359000311_94": "「確かに、何もしなくても、いずれは私の故郷のように、\\n 並行世界は消えてしまう運命なのかもしれない」",
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"359000311_95": "「何より、テスラの悲しみ、想いの強さを\\n 知ってしまったから……」",
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"359000311_96": "「私には……テスラを否定することができなかった。\\n 真実を知った上で、彼を支えると決意したの」",
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"359000311_97": "「だけど、ずっと迷いがあった……」",
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"359000311_98": "「アメリアは、本当にそれを望んでいるのか。\\n テスラを止めることが、私に与えられた使命じゃないのか」",
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"359000311_99": "「だから、私は――」",
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"359000311_100": "「ここから先は、ロックされています。\\n 閲覧する場合は、ロックを解除してください」"
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