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"368000641_0": "「あれは……、ガウマさん?」",
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"368000641_1": "「そのようだな」",
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"368000641_2": "「……落ち込んでいるように見えますが……」",
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"368000641_3": "「俺は知らん」",
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"368000641_4": "「少し話してみようと思います。\\n 新参ではありますが、わたしも仲間ですから」",
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"368000641_5": "「先に帰るぞ」",
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"368000641_6": "「…………」",
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"368000641_7": "「あの……少し話してもいいでしょうか?」",
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"368000641_8": "「……あん? ああ、お前か……。\\n そんな畏まらなくていいぞ」",
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"368000641_9": "「ずいぶんと元気がないようですが、訓練の途中で暁のことを\\n 呼び間違えていたことと関係があるのですか?」",
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"368000641_10": "「――! いや……」",
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"368000641_11": "「元のダイナストライカー搭乗者の名なのでしょう?」",
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"368000641_12": "「……まあな」",
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"368000641_13": "「……わたしが言うのもなんですが、仲間は無事だと思います。\\n わたしたちのように、並行世界に迷い込んでいるのでしょう」",
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"368000641_14": "「……そうだといいけどな」",
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"368000641_15": "「あなたはガウマ隊の隊長。今は、心配をするより\\n 目の前の敵に集中するべき時でしょう」",
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"368000641_16": "「ガウマ隊か……。\\n ……俺は隊長失格だってのに……」",
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"368000641_17": "「……どういうことですか?」",
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"368000641_18": "「その資格が俺にあるのか、分からねえ。\\n <ruby=よもぎ>蓬</ruby>たちが消えたのは、俺のミスが原因なんだ……」",
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"368000641_19": "「俺には、ずっと探し続けている人がいる。\\n その人の噂が耳に入って、調べようと思っていたんだ」",
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"368000641_20": "「ちょうどその時だった、あの怪獣が出てきたのは」",
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"368000641_21": "「…………」",
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"368000641_22": "「俺たちは、すぐに集結して戦いを挑んだ。\\n だけど、戦いの最中もその噂のことに気が逸っちまって……」",
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"368000641_23": "「怪獣の攻撃を躱し損ねちまった。\\n そんな俺を庇って、戦線が崩壊しちまったんだ……」",
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"368000641_24": "「ナイトの負傷も、俺たちの代わりに無理をさせたせいだ。\\n ……つまり、元をただせば、全部俺のミスなんだよ」",
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"368000641_25": "「自らのミスで仲間が、ですか……」",
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"368000641_26": "「合体も失敗し、どうしようもない状況で撤退を選んだ。\\n だけど、あの怪獣の光を食らって、気づいたら――」",
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"368000641_27": "「俺とナイト、それにゴルドバーン。\\n あとはダイナゼノンだけがそこに残ってた……」",
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"368000641_28": "「……俺は隊長失格だ。あいつらに合わせる顔がねぇ……」",
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"368000641_29": "「その噂の真相は、突き止めたのですか?」",
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"368000641_30": "「なんのことはねぇ、ただのデマだった。\\n そんなもののために、俺は失敗しちまったんだ」",
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"368000641_31": "「……分かっていたはずなんだ。\\n あの人がこの時代に生き返ってないだろうってのは……」",
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"368000641_32": "「……生き返る? それはどういう――」",
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"368000641_33": "「俺は5千年前に一度死んでる。最近生き返ったんだ。\\n あの人から渡された、このダイナゼノンと共にな……」",
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"368000641_34": "「5千年前……。\\n まさか、あなたは先史文明期からの転生者なのですか……?」",
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"368000641_35": "(こちらの世界がわたしたちの世界と同じとは限らない……。\\n だが、5千年も昔となると――)",
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"368000641_36": "(ダイナゼノンが、仮に聖遺物だとすると。\\n そんなものを用意できる者とは……フィーネではないのか?)",
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"368000641_37": "「先史文明期……?\\n お前、もしかして何か知ってるのか!」",
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"368000641_38": "「この並行世界と、わたしの世界の歴史が同じとは限りません。\\n しかし、5千年前と聞いてわたしが思い浮かべるのは――」",
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"368000641_39": "「――いや、やっぱりいい。それ以上は話さないでくれ。\\n 今、何を聞いたとしても意味はねぇしな……」",
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"368000641_40": "「本当に……いいのですか?」",
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"368000641_41": "「ああ。それに、こんな時にまで自分のことを優先してたら、\\n 俺は自分を許せなくなる!」",
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"368000641_42": "「だから、俺は必ずあいつらを取り戻す!\\n 今は、そのためだけに集中すりゃいい!」",
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"368000641_43": "「……それでこそ隊長です」",
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"368000641_44": "「全員無事に帰ってきたら、その時はわたしの知ることを\\n あなたに話すと、約束しましょう」",
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"368000641_45": "「――またあの怪獣がッ! 行きましょうッ!」",
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"368000641_46": "「おう!」"
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