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"367000331_0": "「私のミスね」",
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"367000331_1": "「配電盤を弄ってドアのロックを解除したみたい。\\n ただの子供と侮りすぎていたわ」",
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"367000331_2": "「間の悪いことに、ちょうど資材の搬出を行う\\n ワゴンが通っていてな……」",
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"367000331_3": "「彼はその中に紛れ、\\n 外に出ようとしているようだ」",
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"367000331_4": "「出入り口の封鎖を命じたが――」",
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"367000331_5": "「司令ッ! 少年がスプリンクラーを作動させ、その間に\\n 外に逃走を……大変申し訳ありませんッ!!」",
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"367000331_6": "「なにッ!?\\n 人員を動員し、直ちに追えッ!」",
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"367000331_7": "「思った以上にアグレッシブなやつだな……」",
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"367000331_8": "「まだ遠くへは行ってないはず、\\n わたしたちにも手伝わせてくださいッ!」",
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"367000331_9": "「助かるわ」",
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"367000331_10": "「通信機の類は持ってなかったから、\\n ブリル協会に連絡することもできないはずよ」",
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"367000331_11": "(もうすっかり日が昇っちまったか……)",
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"367000331_12": "(一晩中探しても見つからないとか、どんだけだよ……)",
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"367000331_13": "(気づけば、ずいぶん遠くまで来てたんだな……)",
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"367000331_14": "(こんなところにいるわけがないし、\\n 一旦、二課に戻って――)",
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"367000331_15": "「…………」",
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"367000331_16": "「って普通にいるしッ!」",
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"367000331_17": "「こちら雪音クリス。対象を見つけた。\\n 迎えをよこしてくれ」",
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"367000331_18": "「あとは、またとっ捕まえて――」",
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"367000331_19": "「おい見ろッ!\\n 海だぞ海ッ! 海を見つけたッ!」",
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"367000331_20": "「…………」",
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"367000331_21": "「――あのな。\\n そりゃ、ただの川だ」",
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"367000331_22": "「……え?」",
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"367000331_23": "「海ってのは、この川を下った先にある。\\n もっとずーっとずーっとデカいもんだ」",
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"367000331_24": "「そ、そんなことは知っているッ!」",
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"367000331_25": "「だが……、そうか。\\n 実物は、もっとすごいのか……」",
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"367000331_26": "「……本当、何も知らないんだな」",
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"367000331_27": "「オレの故郷には海がなかった。\\n しょうがないだろう……」",
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"367000331_28": "「そうだッ! 他にも気になるものをたくさん見つけたんだ。\\n ちょうどいいから教えてくれ」",
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"367000331_29": "「…………」",
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"367000331_30": "(知りたくてしょうがないって感じの、\\n キラキラした目をしやがって……)",
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"367000331_31": "(だけど、ここで無理やり拘束しても暴れられるだけだな。\\n 迎えが来るまで、付き合ってやるか……)",
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"367000331_32": "「あれはなんだ?」",
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"367000331_33": "「あれは学校だ。お前みたいな年齢の子供が集まって、\\n いろいろなことを学ぶんだ」",
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"367000331_34": "「なるほど、軍人育成施設というわけか」",
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"367000331_35": "「全然違うぞッ!」",
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"367000331_36": "「戦わなくてもいいように、勉強するんだッ!",
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"367000331_37": " それから……友達ができたりもする場所だ」",
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"367000331_38": "「じゃあ、あれはなんだ?」",
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"367000331_39": "「あれはライブ会場だ。\\n 誰かの歌を、たくさんの人で共有する場所だな」",
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"367000331_40": "「歌? そんなもの、わざわざあんな巨大施設を作ってまで\\n 共有する必要は無いだろう」",
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"367000331_41": "「そんなことない」",
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"367000331_42": "「これはうまく説明できないけど……。\\n ライブでしか感じられないものがあるんだよ」",
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"367000331_43": "「よくわからんが……」",
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"367000331_44": "「お前たちは学校で友達を作ったり、ライブで歌を聴いたり、\\n あんな風に、遊んだりしているのだな……」",
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"367000331_45": "「平和で、楽しそうで……。\\n 想定していた様子とだいぶ違うぞ……」",
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"367000331_46": "「なあ、ブリル協会は何をしようとしているんだ?」",
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"367000331_47": "「民は、より優れた人間によって統治、支配されるべきなのだ。\\n そうすることで、本当の幸せにたどり着くことができる」",
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"367000331_48": "「だから、ブリル協会が世界中を支配下に置くってのか?」",
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"367000331_49": "「フフン、つまりそういうことだ」",
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"367000331_50": "「現状でこんなに、『平和で楽しそう』なのにか?」",
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"367000331_51": "「――ッ!!」",
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"367000331_52": "「それは……、それでもだッ!」",
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"367000331_53": "「こんな状況は、統率が取れておらず\\n 脆弱だということではないかッ!」",
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"367000331_54": "「それに、日本だけの状況を見ただけでは\\n なんとも言えない」",
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"367000331_55": "「そりゃその通り、世界が完全に平和じゃないのは確かだが……」",
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"367000331_56": "「だからって、力づくで世界を支配するなんて\\n 方法がうまくいくわけが――」",
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"367000331_57": "「こいつは……ッ!」",
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"367000331_58": "「例のUFOが出現したと報告が入ったッ!」",
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"367000331_59": "「場所は国立考古学研究所――、\\n 聖遺物の解析を行う機関が入っている施設だッ!」",
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"367000331_60": "「今、あたしの目の前にもブリルロイドが現れたッ!\\n こいつを連れ戻しに来やがったんだ」",
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"367000331_61": "「2か所同時にッ!?\\n どう対応すれば……」",
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"367000331_62": "「心配すんなッ!\\n こっちはこっちでなんとかするッ!」",
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"367000331_63": "「だから、研究所は頼んだぞッ!」",
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"367000331_64": "「クリスちゃんも、\\n レオくんのことお願いねッ!」",
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"367000331_65": "「こちらのことは、任せておけ……ッ!」",
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"367000331_66": "「オレはまだ連れ戻されるわけにはいかない。\\n お前、ブリルロイドをなんとかしろッ!」",
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"367000331_67": "「命令すんなッ!」",
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"367000331_68": "(こいつを逃がさないようにしつつ、\\n ブリルロイドの相手をするのはなかなかキツい。それなら――)",
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"367000331_69": "「Killter Ichaival tron――」",
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"367000331_70": "「うわあッ!?\\n オレを捕まえてどうするつもり――」",
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"367000331_71": "「だああ――ッ!?\\n た、戦わないのかッ!」",
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"367000331_72": "「逃げるんだよッ!\\n この状況では、そうするしかねえだろッ!」",
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"367000331_73": "「だからって、\\n 襟を掴むのはやめろと言っているではないか――ッ!」"
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