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"361000831_0": "(……あの時、わたしは『キラめき』を失ってしまった。\\n だからもう、二度とステージに立つことはできない)",
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"361000831_1": "(『キラめき』を失ったわたしに、ファンの皆も\\n 失望して去っていくだろう)",
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"361000831_2": "(わたしはもう、唄えない……。\\n 唄えないわたしなど、存在する意味があるのだろうか?)",
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"361000831_3": "「……これは」",
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"361000831_4": "「髪飾り……。\\n これは神楽が大切にしていたものではなかったか?」",
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"361000831_5": "「わたしには『約束』があったから、\\n もう一度舞台と向き合えたのかもしれない」",
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"361000831_6": "「ええ、この髪飾りはその証。\\n 華恋とわたしは同じ舞台に立つと昔、誓い合ったの」",
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"361000831_7": "「華恋との約束はわたしの舞台少女としての原点。\\n それと同時に、わたしが舞台に立ち続ける理由でもある」",
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"361000831_8": "「神楽が大切にしている髪飾りをわたしに握らせた意味。\\n 神楽はわたしに何を伝えようとしたのか……」",
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"361000831_9": "「彼女はわたしに『原点』を思い出せと、\\n 何度も語りかけてくれた……」",
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"361000831_10": "「その原点こそが、すべてを失ったわたしに残された\\n 最後の『ひかり』なのかもしれない……ッ!」",
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"361000831_11": "「…………」",
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"361000831_12": "「行かないと」",
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"361000831_13": "「皆と、そして、わたしの『原点』を\\n 裏切らぬために……ッ!」",
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"361000831_14": "「緒川さん、\\n 今日わたしはこのステージで唄うことはできません」",
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"361000831_15": "「そんな……」",
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"361000831_16": "「ですが、ファンの皆に伝えたいことがあります。\\n 行かせてください」",
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"361000831_17": "「この気持ちをきちんと伝えなければ、\\n 仲間たちの元には戻れない……」",
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"361000831_18": "「マイクをわたしにくださいッ!」",
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"361000831_19": "「集まってくれた皆に、\\n お詫びしなくてはいけないことがあります」",
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"361000831_20": "「今からここで、唄うことができないのです。\\n ごめんなさい……本当にごめんなさい」",
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"361000831_21": "「多くは語れません。しかし、わたしが唄う理由を\\n 見失いかけた時――」",
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"361000831_22": "「必死に語りかけてくれた、支えてくれた仲間が\\n 今わたしを待っている」",
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"361000831_23": "「その仲間たちに、わたしがステージに立つ理由を\\n 再確認できたことが伝えられなかったら――」",
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"361000831_24": "「わたしはずっと後悔し続ける。",
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"361000831_25": " ……だからッ!」",
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"361000831_26": "「すべてに打ち勝って、必ずステージに帰ってきます。\\n それまで、わたしの歌を……」",
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"361000831_27": "「風鳴翼を、待っていてくれますか……?」",
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"361000831_28": "「当たり前だろーッ!」",
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"361000831_29": "「だって、俺たちはファンなんだからッ!」",
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"361000831_30": "「行ってきてッ!\\n そして、最高の風鳴翼をわたしたちに見せてッ!」",
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"361000831_31": "「皆……ありがとうッ!」",
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"361000831_32": "「闇に心を落とした舞台少女、井手碧菜……。\\n もうわたしは迷わない」",
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"361000831_33": "「さあ……防人の生き様、\\n 覚悟を見せてあげる……ッ!」",
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"361000831_34": "「フ、フフフ……わたしが……わたしこそが、\\n このオーディションの勝者」",
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"361000831_35": "「これで、舞台少女たちの『キラめき』は\\n わたしのもの」",
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"361000831_36": "「炉に燃料が焚べられ、火が灯った」",
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"361000831_37": "「わたしが望む、運命の舞台は……ッ!」",
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"361000831_38": "「誰ッ!?\\n わたしの邪魔をするのは……ッ!?」",
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"361000831_39": "「悪いが……今一度、飛び入りさせてもらおうッ!」",
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"361000831_40": "「あなたは……ッ!」",
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"361000831_41": "「驚きました……が、しかし面白い。\\n 最後の最後まで目が離せませんね、この展開は」",
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"361000831_42": "「喜んでいる観客には申し訳ないけれど……、\\n もう決着はついているわ」",
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"361000831_43": "「敗者1人がのこのこ戻ってきたところで、\\n 一体何ができるというの」",
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"361000831_44": "「わたし1人では、『キラめき』を失って\\n この世界に戻ってくることさえ叶わなかった」",
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"361000831_45": "「しかし、愛城に大場、そして神楽が思い出させてくれたのだ」",
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"361000831_46": "「わたしはいつの間にか、すっかり己を見失ってしまっていた」",
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"361000831_47": "「プロのアーティストである、風鳴翼として\\n ファンの期待に応え続けなければいけないと」",
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"361000831_48": "「しかし、神楽は……愛城と大場もわたしを\\n アーティストではなく、いち舞台少女として接してくれた」",
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"361000831_49": "「プロのアーティストとしてではなく……、\\n 歌が大好きな、風鳴翼として」",
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"361000831_50": "「……いや、立花やマリアとて、ずっとそうだったのだろう。\\n わたしが気づこうとしなかっただけで」",
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"361000831_51": "「2人が一緒に舞台に立ってくれたことで、\\n わたしは『原点』に気づくことができたのだ」",
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"361000831_52": "「大好きな皆のために……」",
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"361000831_53": "「大好きな皆が支えてくれた、わたしのために……」",
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"361000831_54": "「わたしは、もう一度この舞台に……立つッ!」",
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"361000831_55": "「そして、もう二度と忘れまい。\\n わたしは……」",
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"361000831_56": "「唄うことが、大好きなのだと……ッ!」",
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"361000831_57": "「こ……これは……再演? いや……ッ!?」",
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"361000831_58": "宿願のレヴュー",
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"361000831_59": "「素晴らしいッ! 一度倒れた戦士が、\\n 生まれ変わってかつての宿敵に挑むッ!」",
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"361000831_60": "「これは、再演ではない。第2幕だ。\\n そして……」",
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"361000831_61": "「<size=40>終幕としてみせようッ!</size>」"
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