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"325000621_0": "「こいつで一通りパーツは揃ったみたいだな。\\n 案外、早く終わって拍子抜けだ」",
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"325000621_1": "「どれも入手しやすいモノばかりだったからな。\\n これでパソコンを修理することができる」",
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"325000621_2": "「……なあ、全部持たなくてもいいんだぞ?」",
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"325000621_3": "「パーツのついでにおばちゃんのお使いもあるから、\\n かなりの量だろ」",
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"325000621_4": "「この程度の量なら問題ない」",
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"325000621_5": "「だからって、あたしもいるんだから、\\n 全部持つ必要はないんだけどな……」",
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"325000621_6": "(やっぱ、ただ持ってもらうってのは気が引けるな。\\n ……前に、おっさんに仏壇を運ばせたことあったけど)",
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"325000621_7": "「…………」",
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"325000621_8": "「なあ、早く終わったし、ちょっと寄り道していかないか?」",
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"325000621_9": "「……どうしてファミレスに?」",
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"325000621_10": "「少しくらい休憩してもバチはあたらないだろ。\\n 時間的にもランチタイムだしな」",
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"325000621_11": "「あんたも荷物持ちで少しは疲れただろう?\\n ここはあたしがおごるからなんでも好きなモノを食べてくれ」",
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"325000621_12": "「いや、しかし……」",
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"325000621_13": "「あたしはナポリタンと……、\\n あんたはどうするんだ?」",
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"325000621_14": "「……では、君と同じものを」",
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"325000621_15": "「そっか。すいませーん、注文いいですかッ!」",
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"325000621_16": "「ナポリタンおふたつ、お待たせしました。\\n では、ごゆっくりどうぞ」",
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"325000621_17": "「これがあたしのおすすめだ。\\n なかなかうまいから、食ってみてくれよ」",
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"325000621_18": "「とはいってもあたしの世界とは違うから、\\n もしかしたら味付けが違うかもしれないけど」",
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"325000621_19": "「いただこう」",
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"325000621_20": "「んー、やっぱナポリタンはうまいよな。\\n あたしの世界と同じで安心したよ」",
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"325000621_21": "「ああ、君の言う通りだ」",
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"325000621_22": "「だろ? この気取らない感じがいいよなッ!」",
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"325000621_23": "「……」",
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"325000621_24": "「な、なんだよ、人の顔をジロジロ見て」",
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"325000621_25": "「君は随分と楽しそうに食事をするのだなと思ってな」",
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"325000621_26": "「なッ!? ま、真顔で何言ってんだよ……」",
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"325000621_27": "「私は思ったことを言っただけだが、何か気に障ったか?」",
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"325000621_28": "「いや、そんなこと……」",
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"325000621_29": "「顔が赤いようだが、どうかしたか?」",
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"325000621_30": "「頼むからあまり見ないでくれ、\\n 食べにくくてしょうがないだろ」",
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"325000621_31": "「すまない、失礼だったな」",
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"325000621_32": "「…………」",
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"325000621_33": "「……どうした?」",
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"325000621_34": "「いやー、なんつーか、食事の時はそのマスク取ったほうが\\n いいんじゃないかと思ってだな」",
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"325000621_35": "「てか、それどうやって食べてるんだ?」",
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"325000621_36": "「些細な問題だ。気にすることはない」",
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"325000621_37": "「あ、ああ……」",
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"325000621_38": "(なんか、聞いちゃいけないやつなのか?\\n 会った時も風邪とか明らかに誤魔化してたし……)",
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"325000621_39": "(これ以上、踏み込むのは悪いかな、\\n だけど、めちゃめちゃ気になる……)",
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"325000621_40": "「ほら、見てボラーちゃん。わたしたちの世界で、\\n このお店のケーキおいしいんだよッ!」",
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"325000621_41": "「みんなのお土産に買って帰ろうか」",
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"325000621_42": "「そのボラーちゃんっての、やめろって!」",
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"325000621_43": "「…………」",
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"325000621_44": "「……あの、この前は助けてくれてありがとうッ!」",
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"325000621_45": "「な、なんだよ、急に」",
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"325000621_46": "「あの男の子に襲われそうになったとき、助けてくれたよね」",
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"325000621_47": "「ちゃんとお礼を言ってなかったなって。\\n 言おうと思ってたんだけど、ほら、バタバタしてたから」",
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"325000621_48": "「お、おう……別に礼なんていらねえよ。\\n 大したことしてねえし」",
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"325000621_49": "「でも、ありがとうッ!」",
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"325000621_50": "「わかったから、もういいって」",
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"325000621_51": "「そんなことより! お前、どこに向かってんだ?」",
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"325000621_52": "「実はね、このさきにおいしいたい焼きのお店があるはずなんだ。\\n いつも行列ができてて1回しか食べたことないんだよね」",
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"325000621_53": "「……」",
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"325000621_54": "「わたしたちの世界ではなかなか食べられないんだけど、\\n こっちの世界なら、もしかしたら食べられるかもって」",
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"325000621_55": "「すっごくおいしいから、きっとみんなも気に入ると思うよ」",
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"325000621_56": "「お前、マジか……」",
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"325000621_57": "「あれ、何かおかしい……」",
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"325000621_58": "「ん? 何がだよ?」",
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"325000621_59": "「さっきから同じところを歩いている。\\n ほら、あのケーキ屋、さっき通ったよね?」",
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"325000621_60": "「……言われてみりゃ、見覚えがある店があるな」",
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"325000621_61": "(あの妙なガキを警戒してたとはいえ、俺が気づかねえなんてな)",
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"325000621_62": "「実は巨大化して戦ってるとき、街に違和感があったんだ。\\n 街の向こうがぼやけてる感じで先が見えなくて」",
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"325000621_63": "「気のせいかな、と思ってたんだけど、\\n 実際に行けないとなると、やっぱり何かあるのかも」",
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"325000621_64": "「お前、それを確かめるために」",
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"325000621_65": "「ああ――ッ!?」",
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"325000621_66": "「どうした!? 怪獣か?\\n またあのガキか?」",
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"325000621_67": "「あのお店、わたしたちの世界には無いお店だよッ!\\n ボラーちゃん、行ってみようよッ!」",
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"325000621_68": "「はー……ホント、わかんねえやつだなー。\\n てか、またボラーちゃんって……」"
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