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{
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"325000121_0": "「到着っと。それじゃ、えーと……、\\n カルマノイズ探し……でいいのかな?」",
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"325000121_1": "「それも大事だけど、その前に街の調査だ。\\n ここがどういう世界なのかまったくわからないんだからな」",
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"325000121_2": "「今回はアラートが途中で止まったことも気になるわ。\\n 普段以上に周囲に気を配るべきね」",
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"325000121_3": "「では、まずは街を見たあとに――」",
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"325000121_4": "「……」",
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"325000121_5": "「……」",
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"325000121_6": "「今のは……ッ!」",
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"325000121_7": "「翼ッ!? 待ちなさい、どこに行くのッ!」",
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"325000121_8": "「……いない」",
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"325000121_9": "「急に血相変えて、どうかしたのか?」",
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"325000121_10": "「男が、いたんだが……」",
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"325000121_11": "「男の人? \\n ……どこにもいないですけど、見間違いじゃないんですか?」",
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"325000121_12": "「わたしの見間違いなのか……」",
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"325000121_13": "「どんな男だったの?」",
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"325000121_14": "「あれは只者ではなかった。\\n 立ち居振る舞い、そして腰のあれは……いや、まさか……」",
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"325000121_15": "「気になるなら、その人たちを探してみてもいいけど」",
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"325000121_16": "「いや、本当に見間違いだったのかもしれないな。\\n 今はこの世界の調査を優先すべきか」",
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"325000121_17": "「じゃあ、2人1組で調査ってことでいいか。\\n そいつのお目付け役は先輩に任せる」",
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"325000121_18": "「酷いよクリスちゃんッ!\\n わたしだってやるときはちゃんとやるんだからねッ!」",
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"325000121_19": "「……じゃあ、あたしらはこっちに行くから、\\n そっちは頼んだ、先輩」",
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"325000121_20": "「ええッ、ノーリアクションッ!?」",
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"325000121_21": "「街まで来たけど、何から調べる?」",
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"325000121_22": "「見たところ、\\n わたしたちの世界と大差はないみたいね」",
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"325000121_23": "「なら、怪しい所がないか散策しつつ、\\n 地道に聞き込みでいいんじゃないかしら」",
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"325000121_24": "「事件を追う刑事みたいだな。……いや、間違ってないか。\\n んじゃ、さっそく――」",
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"325000121_25": "「うわッ!?」",
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"325000121_26": "「な、何よ、急に変な声あげて」",
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"325000121_27": "「あいつらを見てみろ、どう見ても怪しいだろ」",
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"325000121_28": "「あのね、見た目で人を怪しいなんて言うのはどうかと――」",
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"325000121_29": "「……」",
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"325000121_30": "「……」",
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"325000121_31": "「怪しいわね……」",
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"325000121_32": "「1人は普通の男性に見えるけど、\\n もう1人のマスクの男性は気になる……」",
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"325000121_33": "「普段なら気にすべきことではないかもしれないけど、\\n さっきの翼のこともあるし……」",
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"325000121_34": "「先輩が言ってた怪しいやつってあいつらじゃないか?」",
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"325000121_35": "「……ん?」",
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"325000121_36": "「お、おい、こっちに来るぞ。どうすんだよ」",
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"325000121_37": "「どうするも何も、見てたのはあなたのほうじゃない。\\n 下手に慌てるとこっちが怪しく思われるわよ」",
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"325000121_38": "「こんにちは。こちらを見ていたようだけど、何か用かな?」",
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"325000121_39": "「あー、いや、ええっと……。\\n その……変わったマスクしてんなー、と思って見てたんだ」",
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"325000121_40": "「私のこれか?」",
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"325000121_41": "「あー……」",
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"325000121_42": "「……少々風邪気味でな」",
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"325000121_43": "「お、おう、風邪ならしょうがないよな。\\n なんつーか、すげー予防できそうなマスクだ」",
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"325000121_44": "「ごほんッ! ごめんなさい、わたしたち行くところがあって\\n そろそろいいかしら」",
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"325000121_45": "「ああ、ナンパと思われちゃったかな、ごめんね。\\n オレたちも人を探してるから、この辺で」",
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"325000121_46": "「……」",
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"325000121_47": "「ふー、急に話しかけてくるから焦った……。\\n しかし、変な連中だったな。なんだよ、風邪予防って」",
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"325000121_48": "「向こうからすれば、あなたのほうがよっぽど変だったわよ」",
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"325000121_49": "「しょ、しょうがないだろ……」",
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"325000121_50": "「……まあいいわ。調査を続けるとしましょう」",
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"325000121_51": "「うーん、おかしなところ、おかしなところ……。\\n 特に変わったモノは見つかりませんね」",
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"325000121_52": "「ああ、この商店街も平和そのものだ。\\n ギャラルホルンのアラートは誤作動だったのか……?」",
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"325000121_53": "「強いて挙げるなら、やけに人通りが少ないというところか」",
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"325000121_54": "「そうですね……。あッ!\\n さっき翼さんが見たっていう怪しい人を探してみますか?」",
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"325000121_55": "「それは追々でいいだろう。\\n もう一度、この辺りを重点的に――」",
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"325000121_56": "「……」",
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"325000121_57": "「あの男はッ!? 立花、先程見た男だ。追いかけるぞッ!」",
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"325000121_58": "「ええッ!? ちょっと待ってくださいッ!」",
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"325000121_59": "(力を貸してほしい……)",
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"325000121_60": "「はいッ!\\n わたしでよければお手伝いしますッ!」",
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"325000121_61": "「……あれ? 声が聞こえた気がしたけど誰もいない――って、\\n 翼さんもいなくなってるッ!?」",
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"325000121_62": "(君の力を貸してほしい……)",
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"325000121_63": "「この声は……気のせいじゃないッ!\\n 何処にいるんですかッ!?」",
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"325000121_64": "(私の声が聞こえるのか?\\n ならば、こちらへ……)",
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"325000121_65": "「今の声は、こっちの方?」",
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"325000121_66": "「声が聞こえてくるほうに来てみたけど……、\\n ここって――」",
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"325000121_67": "「ふらわー?」",
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"325000121_68": "「いらっしゃい。お好きな席へどうぞ」",
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"325000121_69": "「あッ、はい……」",
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"325000121_70": "(さっき聞こえた声は、男の人の声だったし、\\n ふらわーのおばちゃんじゃないよね?)",
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"325000121_71": "(わたしの知ってるふらわーとは少し違うかな……?\\n それに、あんなパソコン置いてなかったよね)",
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"325000121_72": "(いやいや、そもそも、わたしの世界のふらわーとは違うし……)",
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"325000121_73": "「ん、そのパソコンがどうかしたのかい?」",
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"325000121_74": "「あ、いえッ! やっぱり今の時代パソコンは必要ですよねー、\\n なんて、ハハハ……」",
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"325000121_75": "「少し前までは、売り上げの管理とかに使ってたんだけど、\\n 最近面倒になって、結局使わなくなったんだよ」",
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"325000121_76": "「へー、そうなんですね」",
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"325000121_77": "(声も聞こえなくなったし、やっぱりここじゃないのかな?)",
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"325000121_78": "「ん? パソコンが起動したみたいだけど、\\n おばちゃん、これって――」",
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"325000121_79": "「待っていたぞ!」",
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"325000121_80": "「うわッ!? びっくりしたッ!」",
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"325000121_81": "「え、誰か映ってる?」",
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"325000121_82": "「ん? 別に何も映ってないじゃない」",
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"325000121_83": "(おばちゃんには見えてない?\\n そういえば、今の声、さっきまで聞こえてたのと一緒だッ!)",
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"325000121_84": "「力を貸してほしいって言ったのはあなたですか?」",
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"325000121_85": "「ああ、その通りだ。来てくれたことに感謝する」",
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"325000121_86": "「私はハイパーエージェント、グリッドマン」",
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"325000121_87": "「グリッドマン?」",
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"325000121_88": "「どうしたの、ずっと1人で喋ってるけど」",
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"325000121_89": "(おばちゃんには映像だけじゃなくて声も聞こえてない。\\n これってもしかして幻覚?)",
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"325000121_90": "(翼さんたち、呼びに行った方がいいかな……)",
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"325000121_91": "「どうしたの?」",
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"325000121_92": "「あッ、ええっと、気にしないでくださいッ!\\n ちょっと考え事が口に出ちゃっただけで……」",
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"325000121_93": "「そうだ、少しだけパソコンを使わせてもらっていいですか?\\n 調べたいことがあって」",
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"325000121_94": "「ええ、いいわよ。好きに使ってちょうだい」",
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||
"325000121_95": "「ありがとうございますッ!」",
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"325000121_96": "「……えーと、グリッドマン、わたしの名前は立花響ですッ!」",
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"325000121_97": "「力を貸してほしいって言ってましたけど、\\n それってどういうことですか?」",
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"325000121_98": "「今、この世界は危機に瀕している」",
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"325000121_99": "「えッ!?」",
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"325000121_100": "(世界の危機……、\\n もしかして、ギャラルホルンのアラートに関係があるんじゃ……)",
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"325000121_101": "「その危機から世界を救うために君の――」",
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"325000121_102": "「響の力を貸してほしい」",
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"325000121_103": "「どうして、わたしの力なんですか?\\n それに危機って一体、どういう――」",
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"325000121_104": "「うわあッ!? な、何ッ!? 今の音ッ!」"
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