150 lines
13 KiB
JSON
150 lines
13 KiB
JSON
{
|
||
"343000711_0": "海辺のアルケミックデュエル",
|
||
"343000711_1": "「――さぁ、始まりましたぁ~ッ!\\n 第1回、錬金術師大水泳大会~ッ!!」",
|
||
"343000711_2": "「出場者は総勢2名ッ!」",
|
||
"343000711_3": "「それって『大』水泳大会なの?」",
|
||
"343000711_4": "「野暮なことは言いっこ無しですよ?」",
|
||
"343000711_5": "「実況は可愛いガリィちゃん――」",
|
||
"343000711_6": "「解説はあーしと局長でお送りしまーす」",
|
||
"343000711_7": "「よろしく頼むよ。君たち」",
|
||
"343000711_8": "「……局長もガリィも、何をしているのでしょうか」",
|
||
"343000711_9": "「……ただの冷やかしだ。\\n まったく……カリオストロまで悪乗りを……」",
|
||
"343000711_10": "「おぉっとッ!\\n 今、選手たちが揃って……」",
|
||
"343000711_11": "「よーい……ドンっ!」",
|
||
"343000711_12": "「海に、飛び込みましたーッ!\\n 試合開始ですッ!」",
|
||
"343000711_13": "「ところでどうやって勝敗を決めるの?」",
|
||
"343000711_14": "「簡単さ。沖の折り返しポイントまで行って戻ってくる。\\n 競い合うんだよ、お互いの速さを」",
|
||
"343000711_15": "「今のところ、\\n 両者拮抗しているようですねー」",
|
||
"343000711_16": "「2人とも、水の抵抗が少なそうな身体だし\\n 条件はほぼ互角なんじゃなーい?」",
|
||
"343000711_17": "「……あら? ここで選手たちに\\n 何やら動きがあったみたいですね?」",
|
||
"343000711_18": "(チッ……、引き離せないか……ッ!\\n なら、こうするまで……ッ!)",
|
||
"343000711_19": "「んなッ!?\\n 海面を凍らせて、滑ってるワケダッ!?」",
|
||
"343000711_20": "「そ、そんなの反則なワケダッ!」",
|
||
"343000711_21": "「オレは自分が進みやすいように\\n 海面を凍らせているだけだ」",
|
||
"343000711_22": "「それに、錬金術を\\n 禁止するなどというルールはないからな」",
|
||
"343000711_23": "「……そっちがその気なら、こっちにも\\n 考えはあるワケダ……ッ!」",
|
||
"343000711_24": "「な、巨大ガエルが――ッ!」",
|
||
"343000711_25": "「氷など、叩き割ってくれるワケダッ!!」",
|
||
"343000711_26": "「くッ……何をするッ!\\n お前こそ、妨害だろうッ!」",
|
||
"343000711_27": "「わたしが泳ぐのに邪魔な氷を割っただけで、\\n 偶然、そこにお前が居たワケダ」",
|
||
"343000711_28": "「しらじらしいことを……ッ!」",
|
||
"343000711_29": "「オレに喧嘩を売ってきたのだ。\\n それなりの覚悟あってのことだろうなッ!」",
|
||
"343000711_30": "「――安い挑発なワケダッ!」",
|
||
"343000711_31": "「ちょこざいなッ! 水しぶき程度で\\n オレが怯むとでも――」",
|
||
"343000711_32": "「ぐ……ッ!?」",
|
||
"343000711_33": "「油断大敵なワケダッ!\\n 今日こそ白黒つけると言ったはずだッ!」",
|
||
"343000711_34": "「キサマ……この代償は高くつくぞッ!」",
|
||
"343000711_35": "「あちゃー、\\n 完全にバトル始まっちゃいましたね」",
|
||
"343000711_36": "「ねえ、局長。\\n これって止めなくていいのかしら?」",
|
||
"343000711_37": "「様子を見るとしようか。\\n 2人が満足するまでね」",
|
||
"343000711_38": "「ゼー……ハー……」",
|
||
"343000711_39": "「ハァ……ハァ……」",
|
||
"343000711_40": "「オレの方が……先にゴールへ、辿り着いた……」",
|
||
"343000711_41": "「いいや……こっちの方が先に……、\\n 着いた……ワケダ……」",
|
||
"343000711_42": "「ど、どっちが……」",
|
||
"343000711_43": "「勝ったワケダ……?」",
|
||
"343000711_44": "「勝敗はどうなって……いや、あれはッ!?」",
|
||
"343000711_45": "「派手なサーブ、くらうといいッ!」",
|
||
"343000711_46": "「おおっとッ! \\n レイア選手が飛び上がって強烈なサーブですッ!」",
|
||
"343000711_47": "「負けないわよーッ!」",
|
||
"343000711_48": "「しかし、カリオストロ選手がすかさずレシーブッ!\\n これは勝負の行方が分かりませんねぇ」",
|
||
"343000711_49": "「なぜ遊んでいる(ワケダ)ッ!!」",
|
||
"343000711_50": "「なかなか決着がつかなかったからね。\\n 君たちの泥仕合が」",
|
||
"343000711_51": "「だから、結果は僕から伝えよう。\\n 同着で引き分けだよ。君たちは」",
|
||
"343000711_52": "「……ふん。\\n 錬金術がなければわたしが勝っていたワケダ」",
|
||
"343000711_53": "「最初に直接攻撃を仕掛けてきて何を言う」",
|
||
"343000711_54": "「…………」",
|
||
"343000711_55": "「ヤメだヤメ、あまりに不毛だ」",
|
||
"343000711_56": "「だいたい何でわたしたちが、プロビデンス・パークの\\n 後始末をしなきゃいけないワケダ」",
|
||
"343000711_57": "「おい、帰るぞ」",
|
||
"343000711_58": "「もう帰るのカ?\\n まだ、遊び足りないゾ……」",
|
||
"343000711_59": "「サンジェルマン、今日はもう疲れたワケダ」",
|
||
"343000711_60": "「勝負はもういいのか?」",
|
||
"343000711_61": "「その通り、決着はまだついてないよ。\\n 君たちの勝負のね」",
|
||
"343000711_62": "「くだらん。\\n もう十分付き合ってやったはずだ」",
|
||
"343000711_63": "「後片付けは局長1人でやればいいワケダ」",
|
||
"343000711_64": "「……確かに、押し付けたかもしれないね。\\n 君たちばかりに面倒事を」",
|
||
"343000711_65": "「だから、引き下がろうじゃないか。\\n 君たちが僕に勝負で勝てたらね」",
|
||
"343000711_66": "「勝負だと……?\\n 断ると言ったら?」",
|
||
"343000711_67": "「敵前逃亡は感心しないね。だが、譲歩は必要だ。\\n 僕は右手だけで戦おう。ハンデとしてね。どうかな?」",
|
||
"343000711_68": "「片手で十分だというつもりか……? 舐められたものだな。\\n 勝負の内容を言ってみろ」",
|
||
"343000711_69": "「ビーチバレーだよ。勝負の方法は」",
|
||
"343000711_70": "「先に10点を取った方が勝ちだ。\\n 2対1での対決だよ。君たちと僕のね」",
|
||
"343000711_71": "「今、2対1って聞こえたワケダ」",
|
||
"343000711_72": "「ハンデに加えて、人数差もある。\\n こちらに気を使ってるつもりか?」",
|
||
"343000711_73": "「問題ないよ、1人でも。\\n まともに協力できないからね、君たち2人は」",
|
||
"343000711_74": "「……その台詞、\\n バカにしたと受け取っていいんだな?」",
|
||
"343000711_75": "「聞き捨てならないワケダ」",
|
||
"343000711_76": "「<ruby=オートスコアラー>自動人形</ruby>を率いるこのオレが、\\n 錬金術師ごときを指揮できないとでも?」",
|
||
"343000711_77": "「偉そうに……、指揮するのはこっちなワケダ」",
|
||
"343000711_78": "「諍いが絶えないね。君たちは――」",
|
||
"343000711_79": "「0-1ッ!」",
|
||
"343000711_80": "「……ッ!\\n なんだ今のは……ッ!」",
|
||
"343000711_81": "「砂が思いっきり抉れたワケダ……」",
|
||
"343000711_82": "(……腕を振り下ろす速度とボールの重量……、\\n 少なくとも、時速200キロは超えているぞッ!?)",
|
||
"343000711_83": "「どうしたんだい? さっきまでの威勢はッ!」",
|
||
"343000711_84": "「0-2ッ!」",
|
||
"343000711_85": "「くッ……! 反応できない……ッ!」",
|
||
"343000711_86": "「何をしているッ!\\n 後ろに立っているお前がトスをしなければならないワケダッ!」",
|
||
"343000711_87": "「うるさいッ!\\n ならば、お前があの球を受けてみるかッ!?」",
|
||
"343000711_88": "「やれやれ。\\n この状況でも喧嘩ばかりだね。君たちは――」",
|
||
"343000711_89": "「0-9ッ!\\n マッチポイントッ!」",
|
||
"343000711_90": "「どうやら、僕が勝ってしまいそうだね。\\n このまま一本も取られずに」",
|
||
"343000711_91": "(……チッ、ようやくサーブを受けられるようになったが……。\\n 受けられるだけだ)",
|
||
"343000711_92": "(このまま負けるくらいなら……、\\n 背に腹は代えられん……ッ!)",
|
||
"343000711_93": "「くッ……、\\n せめて、球さえ打ち返せれば話は変わるワケダが……」",
|
||
"343000711_94": "「おい、耳を貸せ。\\n あいつに一泡吹かせるぞ」",
|
||
"343000711_95": "「……シャクだが、あの局長に一泡吹かせるなら\\n 聞く価値はあるワケダ」",
|
||
"343000711_96": "「終わったかな? 作戦会議は。\\n 次を打つよ。手加減せずね」",
|
||
"343000711_97": "「フン、これでちょうどいいハンデなワケダ。\\n 調子に乗った局長の鼻っ面を叩き折ってやる」",
|
||
"343000711_98": "「それは楽しみだ。\\n 止めてみせてほしいものだね。この僕を」",
|
||
"343000711_99": "「せいぜい調子に乗っているといい。\\n ここから先は、一方的に点を入れ続けるだけだからな……ッ!」",
|
||
"343000711_100": "「いいことだね。威勢がいいのは――」",
|
||
"343000711_101": "「ぐぅぅぅ……ッ!\\n この程度、何度も見ればトスくらい……ッ!」",
|
||
"343000711_102": "「マスターが止めて……真っすぐに打ちあげましたッ!」",
|
||
"343000711_103": "「でも、威力を減衰しきれてないわ。\\n 打ち上げても、あのままだと外に……」",
|
||
"343000711_104": "「それも計算のうちだッ!\\n おいッ!」",
|
||
"343000711_105": "「分かっているワケダッ!」",
|
||
"343000711_106": "「な……ッ!?\\n マスターを――」",
|
||
"343000711_107": "「踏み台にしたのぉッ!?」",
|
||
"343000711_108": "「な――」",
|
||
"343000711_109": "「と、飛んだ――ッ!?」",
|
||
"343000711_110": "「<size=40>とりゃぁあぁぁぁぁぁぁあッ!!</size>」",
|
||
"343000711_111": "「1-9ッ!」",
|
||
"343000711_112": "「……見事なものだね。\\n 連携というのは」",
|
||
"343000711_113": "「踏み台の性能は悪くなかったワケダ」",
|
||
"343000711_114": "「チ……ッ!\\n もう少し加減しろ」",
|
||
"343000711_115": "「すごいんだゾッ!\\n あの一撃を打ち返したんだゾッ!!」",
|
||
"343000711_116": "「……あの喧嘩ばかりしている2人が、\\n ああも息を合わせられるとは」",
|
||
"343000711_117": "「あら、案外似た者同士なのかもよ?」",
|
||
"343000711_118": "「……フフ、そうね」",
|
||
"343000711_119": "「まだまだこんなものではないワケダ」",
|
||
"343000711_120": "「せーの――」",
|
||
"343000711_121": "「山なりのサーブ……ッ!\\n ライン際ギリギリね……失敗かしら?」",
|
||
"343000711_122": "「いいや、ちゃんと入っている\\n だが――」",
|
||
"343000711_123": "「どうやら、1回だけだったようだねッ!\\n 反撃というのはッ!」",
|
||
"343000711_124": "「おお、右手だけで局長が完ぺきに打ち返したゾッ!」",
|
||
"343000711_125": "「2-9ッ!」",
|
||
"343000711_126": "「おお、またしても、\\n マスターたちが点を……ッ!」",
|
||
"343000711_127": "「当然だ。\\n アダム、確かにお前は強いんだろうが……」",
|
||
"343000711_128": "「すでに局長の動きは見切っているワケダ。\\n ならば、負ける道理などないッ!」",
|
||
"343000711_129": "「驚いたよ、君たちの強さに。\\n だが、抵抗させてもらうよ。僕も負けたくはないからね」",
|
||
"343000711_130": "(とはいえ……ハンデありでは勝てるか怪しいね。\\n あの2人のコンビネーションには――)",
|
||
"343000711_131": "「10-9ッ! ゲームセットッ!\\n 勝者はキャロル、プレラーティチームッ!」",
|
||
"343000711_132": "「おめでとうございます、マスター」",
|
||
"343000711_133": "「マスターの勝利を、派手に祝いましょう」",
|
||
"343000711_134": "「やめろ。\\n この程度で喜ぶほど子供じゃない」",
|
||
"343000711_135": "「当然の結果なワケダ」",
|
||
"343000711_136": "「負けたよ。完全にね」",
|
||
"343000711_137": "「強大な相手なら、手を組むと思ったよ。\\n 何より、負けず嫌いだからね。君たちは」",
|
||
"343000711_138": "「ふん……、\\n 向こうが勝手に合わせてきただけだ」",
|
||
"343000711_139": "「それはこっちの台詞なワケダ」",
|
||
"343000711_140": "「すべて引き受けるよ。プロビデンス・パークの片付けは。\\n 約束通りに」",
|
||
"343000711_141": "「当然だ」",
|
||
"343000711_142": "「初めからそうすればよかったワケダ」",
|
||
"343000711_143": "「せっかくなんだ、海で遊んでくるといい。\\n 君たち2人でね」",
|
||
"343000711_144": "「……」",
|
||
"343000711_145": "「それだけは――」",
|
||
"343000711_146": "「絶対に嫌だッ!!」",
|
||
"343000711_147": "(阿吽だ……)"
|
||
} |