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"320000311_0": "龍脈の乱れ",
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"320000311_1": "「よし、全員揃ったな。 ブリーフィングを始めるぞ」",
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"320000311_2": "「内容は今現在問題になっている、神社群に現れる、\\n 『災禍の魔物』についての話だ」",
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"320000311_3": "「災禍の魔物……ですか?」",
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"320000311_4": "「ああ。今まではただ敵と呼称していたが、マリアくんたち\\n から受け取った情報を元に、そう呼称することとした」",
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"320000311_5": "「マリアさんたちが調神社から借りてきてくれた古文書に、\\n 今回の異変と思われる内容の記述が見つかったんです」",
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"320000311_6": "「曰く、『龍の気、乱れし刻、穢れ出現す。穢れ鎮まらざれば、\\n 大きな凶となり、災禍の魔、大地を穢す』」",
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"320000311_7": "「なるほど……」",
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"320000311_8": "「……な、なるほど?」",
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"320000311_9": "「わからないなら、わからないって言った方がいいよ、響」",
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"320000311_10": "「えっと、全然わかりません……」",
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"320000311_11": "「龍の気、これはそのまま龍脈を\\n 表しています。それが乱れる、つまりは龍脈の乱れ」",
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"320000311_12": "「氷川神社群については、先のパヴァリア光明結社との戦いで、\\n 龍脈を操作され、地上のオリオン座として利用されました」",
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"320000311_13": "「それを防ぐために、要石による龍脈遮断を行ったのですが、\\n 龍脈とは大地を流れる大きな力です」",
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"320000311_14": "「これに干渉すること、それがそのまま龍脈の乱れになります」",
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"320000311_15": "「イメージとしては、溝を掘って川の流れを変えたり、\\n 川をせき止めたりしたようなものです」",
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"320000311_16": "「わかったような、わからないような……」",
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"320000311_17": "「お前、もう少し理解する努力をしろよな……」",
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"320000311_18": "「えっと、続けますね。次に穢れですが、これは恐らく、\\n 神社周辺での気の乱れによる不幸や病気だと思われます」",
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"320000311_19": "「実際に調神社でも、原因不明の体調不良に巫女さんが\\n 見舞われたりといったこともあったようです」",
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"320000311_20": "「これが進行すると、次に大きな凶である災禍の魔というものが\\n 発生します。これがあの敵ということでしょう」",
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"320000311_21": "「あ、だから災禍の魔物って呼び方になったんだ」",
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"320000311_22": "「おお、確かにそうデスね」",
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"320000311_23": "「もう、切ちゃん……」",
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"320000311_24": "「響……」",
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"320000311_25": "「そして最後の大地を穢す、についてですが、これは災禍の\\n 魔物が蓄積することで、何かが起きるということかと思います」",
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"320000311_26": "「何かって、なんだ?」",
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"320000311_27": "「それはわかりません。けれど、今までの状況を見る限りでは、\\n あまり良いことではないと思われます……」",
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"320000311_28": "「……そうでしょうね」",
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"320000311_29": "「でも、結局、魔物ってなんなんですか?\\n 穢れとか、気の乱れとか、なんだかふわふわしてるというか……」",
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"320000311_30": "「魔物に関しては、\\n 神社に祀られているモノが大きく影響していると考えている」",
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"320000311_31": "「祀られているモノ……?」",
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"320000311_32": "「神社では、多くの人々が参拝し、祈りをささげています。\\n 特に災厄が起きた場合にそれを収めるようになど」",
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"320000311_33": "「つまり、神社に祀られているモノには、\\n 多くの人の『想い』が込められているんです」",
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"320000311_34": "「人の強い想い……、それって――」",
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"320000311_35": "「え? なになに?」",
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"320000311_36": "「哲学兵装……」",
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"320000311_37": "「はい、\\n 今回の穢れというのは、哲学兵装の呪いと同じモノです」",
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"320000311_38": "「それが、パヴァリア光明結社の戦いの影響を受けて、\\n 気が乱れ、出現した」",
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"320000311_39": "「はい」",
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"320000311_40": "「なるほど……」",
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"320000311_41": "「これで、災禍の魔物については理解してくれたと思う。\\n 次に対策についてだが――」",
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"320000311_42": "「基本的に普通に倒したのでは、数は減らないようだ。\\n それどころか、浄化できずにより穢れとして蓄積する」",
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"320000311_43": "「実際に毎回魔物を迎撃していた、調神社周辺のみ、他とは\\n 比べ物にならない数の災禍の魔物が確認されています」",
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"320000311_44": "「逆に迎撃が間にあわず、被害のあった場所については、\\n 穢れが浄化されたのか、魔物の出現も落ち着いている」",
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"320000311_45": "「あの……。でもそれじゃ……」",
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"320000311_46": "「そうだ。被害を容認する、これがひとつめの解決法だ」",
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"320000311_47": "「そんなことしたら、被害がッ!」",
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"320000311_48": "「ああ、護るべき人々をむざむざ魔物の餌食にするなど、\\n 許されることではない」",
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"320000311_49": "「そうだ。だからこの解決法は選べない。\\n だが、古文書には他の解決法についても記載があった」",
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"320000311_50": "「それが、『巫女神楽』だ」",
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"320000311_51": "「巫女神楽デスか?」",
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"320000311_52": "「ああ、八乙女舞とも云うが、要は神に捧げる舞のことだ。\\n 古文書によれば、巫女神楽で災禍の魔物は鎮められるらしい」",
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"320000311_53": "「ですが、災禍の魔物の性質を考えると、普通の人が\\n 舞を行おうとしても、襲われる危険が高いです」",
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"320000311_54": "「そういうことだ。だから、この手についても実際は難しい」",
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"320000311_55": "「だが、巫女神楽で鎮まるということは、捧げ物や祓い串など、\\n 神社関連の道具や作法で鎮める方法が他にもあるかもしれん」",
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"320000311_56": "「状況的に見れば、古文書の内容は現状と一致しています。\\n なので、効果を見込める可能性は高いです」",
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"320000311_57": "「ああ。そこで俺たちは神社本庁とも協力して、\\n 『鎮める』ことを目的とした道具や作法を調べようと思う」",
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"320000311_58": "「その間、お前たちは引き続き神社のガードを続けてくれ。\\n やはり被害については容認できないからな」",
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"320000311_59": "「わかりましたッ!」"
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