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"389000212_0": "「ふぅ……」",
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"389000212_1": "「いくらシミュレータで暴れたところで、\\n この憂さを完全に晴らせるではない、か……」",
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"389000212_2": "「いかんな……司令からも、\\n 切り替えろと言われたばかりだというのに」",
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"389000212_3": "「幸か不幸か、『メフィストフェレスの薬』そのものは、\\n 現状、励起状態を示しているだけの代物だ」",
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"389000212_4": "「じゃあ、やっぱり密輸組織のリーダーが、契約者で……」",
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"389000212_5": "「聖遺物の……『メフィストフェレスの薬』の能力、\\n 対象物の時間を戻す力を、使える状態になっているということ」",
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"389000212_6": "「なんという……ことだ……」",
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"389000212_7": "「だが幸い、敵の狙いにも目処が立った」",
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"389000212_8": "「本当デスかッ!?」",
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"389000212_9": "「数日後、都内の美術館にて、\\n 『サモトラケのニケ』が展示されることは知っているか?」",
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"389000212_10": "「あッ、それってまさか、\\n さっき話題にしていた――」",
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"389000212_11": "「その展示に向け、現在、ニケ像は海路で輸送中なのだが……\\n 彫像が『光っている』という報告がこちらに回ってきた」",
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"389000212_12": "「当初、輸送会社内で報告を受けた人間は\\n 冗談として流したようだがな」",
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"389000212_13": "「度重なる報告に只事ではないと気付いた、\\n といったところですかね。ま、普通だとそうなるか」",
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"389000212_14": "「ですが司令。通常、美術品は長時間輸送の影響があるため、\\n 空輸が基本のはずですが……」",
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"389000212_15": "「ああ。その時点から、密輸組織が裏で暗躍していた、\\n と考えるべきだろうな」",
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"389000212_16": "「密輸組織が潜伏していたのが日本であることからしても、\\n 無関係とは思えません。つまり――」",
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"389000212_17": "「『サモトラケのニケ』が、\\n 『メフィストフェレスの薬』の対象物……」",
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"389000212_18": "「その可能性は極めて高いと思われます。\\n 密輸組織は恐らく、次に輸送船を狙うでしょう」",
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"389000212_19": "「念のため、現状他の任務に就いている装者たちに、\\n 戻り次第、美術館の警護にあたらせる」",
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"389000212_20": "「そしてお前たち3人には改めて、\\n 密輸組織の追撃に就いてもらう」",
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"389000212_21": "「情報の精査、手筈を整えるまではこちらがやる。\\n 以後、切り替えていけッ!」",
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"389000212_22": "「了解(デス)ッ!」",
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"389000212_23": "「……」",
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"389000212_24": "「次こそは、\\n 不覚を取るわけにはいかない……」"
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