92 lines
9.0 KiB
JSON
92 lines
9.0 KiB
JSON
{
|
||
"349000431_0": "「エアーキャリアーの中って\\n こんな風になってるんですね」",
|
||
"349000431_1": "「はい。わたしたちの大切な家であり、\\n 並行世界を渡るための艦でもあるんですよ」",
|
||
"349000431_2": "「これで並行世界を移動しているんですか……。\\n どうやって?」",
|
||
"349000431_3": "「ウロボロスに対抗する組織から接触があったんです。\\n それで並行世界を渡る装置を――」",
|
||
"349000431_4": "「なるほどッ!\\n スクルドからデュプリケイターをもらったんですねッ!」",
|
||
"349000431_5": "「やっぱりご存じでしたか」",
|
||
"349000431_6": "「だけど、こんなに大きい艦にデュプリケイターを組み込む\\n なんてすごい技術デス」",
|
||
"349000431_7": "「専門の隊員がいるからね」",
|
||
"349000431_8": "「APPLEって意外と大きな部隊だったんですね」",
|
||
"349000431_9": "「いろいろな世界を旅している間に人が増えていったんですよ。\\n 姉さんが放っておけないって艦に乗せて」",
|
||
"349000431_10": "「仕方ないでしょ。滅びていく故郷を目の当たりにする\\n 苦しみは誰よりもわかってるし……」",
|
||
"349000431_11": "「故郷を……」",
|
||
"349000431_12": "「そっか。話してなかったわね」",
|
||
"349000431_13": "「わたしたちの世界はかつて、世界蛇に滅ぼされかけたの。\\n あなたたちが世界蛇と戦うよりずっと前の話よ」",
|
||
"349000431_14": "「世界蛇に――ッ!?」",
|
||
"349000431_15": "「はい。わたしたちはもともとF.I.S.という組織に\\n 所属していたんですが、そんなことが起きて――」",
|
||
"349000431_16": "「生き残った人々の希望を背負って、世界再生の方法を\\n 探す任務を遂行するのが、わたしたちAPPLEというわけなんです」",
|
||
"349000431_17": "「そんなことが、あったんデスか……」",
|
||
"349000431_18": "「マリア隊長、セレナ副隊長。お疲れ様ですッ!\\n そちらは、この世界の装者の方々ですか?」",
|
||
"349000431_19": "「ええ、エアーキャリアーの中を案内してるのよ。\\n ああ、そういえば、懸念されていた食料の確保は?」",
|
||
"349000431_20": "「S.O.N.G.の方がいろいろと融通してくれたのでバッチリですよ」",
|
||
"349000431_21": "「そう、後でお礼を言っておかないとね」",
|
||
"349000431_22": "「それでは失礼しますッ!\\n 装者の方々もごゆっくりッ!」",
|
||
"349000431_23": "「あ、ありがとうございます」",
|
||
"349000431_24": "「あなたはあんまり根を詰めないようにね」",
|
||
"349000431_25": "「了解ですッ!」",
|
||
"349000431_26": "「隊長、少しいいですか?」",
|
||
"349000431_27": "「はいはい、なーに?」",
|
||
"349000431_28": "「みんな次から次へとマリアに話しかけてくるデスね」",
|
||
"349000431_29": "「それだけみなさんにとって姉さんが頼れる\\n 隊長だってことですよ」",
|
||
"349000431_30": "「あれ、副隊長じゃないっスか。\\n 戻ってきてたんっスね」",
|
||
"349000431_31": "「はい、今戻ってきたところです」",
|
||
"349000431_32": "「あれ、この前会ったお姉さんだ」",
|
||
"349000431_33": "「おや、ちゃんと覚えててくれたっスか。あたしは\\n ナツミ ヒメジマっス、よろしくっスね、装者のみなさん」",
|
||
"349000431_34": "「ナツミ、ここにいたのね」",
|
||
"349000431_35": "「おかえりなさいっス、隊長。\\n 今日もちっちゃくて可愛いっスねーッ!」",
|
||
"349000431_36": "「ちっちゃい言うなって何度言えばわかるのよッ!」",
|
||
"349000431_37": "「彼女もAPPLEの隊員だったんですね」",
|
||
"349000431_38": "「はい、彼女は技術屋なんですよ」",
|
||
"349000431_39": "「エアーキャリアーで並行世界を渡れるように\\n デュプリケイターを組み込んだのは彼女なんです」",
|
||
"349000431_40": "「データを改ざんしてわたしが教師になれたのも\\n 彼女の技術があってこそなんですよ」",
|
||
"349000431_41": "「褒められると照れちゃうじゃないっスか。\\n あれはなかなか楽しいお仕事だったっスね」",
|
||
"349000431_42": "「ダーククリスタルの反応を探る機械も\\n 彼女が作ったものなんだけれど……」",
|
||
"349000431_43": "「正確性に難ありなのよね」",
|
||
"349000431_44": "「えー、ひどいじゃないっスか。\\n こんなに可愛いのに毒舌なんスから」",
|
||
"349000431_45": "「わたしは隊長なんだから、\\n もうちょっと敬いなさいよ、もうッ!」",
|
||
"349000431_46": "「みんな、仲がいいんですね」",
|
||
"349000431_47": "「そりゃ、エアーキャリアーっていう1つ屋根の下で暮らす\\n 家族みたいなもんスから」",
|
||
"349000431_48": "「大家族デスッ!」",
|
||
"349000431_49": "「その通りよ。……壊滅したわたしたちの世界を救うために\\n 一緒に飛び立ったんだからね」",
|
||
"349000431_50": "「あんな絶望的な状況でも姉さんが\\n 引っ張っていってくれたから今があるんだと思う」",
|
||
"349000431_51": "「だから、姉さんはみんなの隊長なんだよ」",
|
||
"349000431_52": "「そうっスよ。副隊長がみんなのお姉さんで、\\n 隊長は癒やしのマスコットっスッ!」",
|
||
"349000431_53": "「だーかーらーッ! セレナは妹で、姉はわたしッ!\\n 勝手にマスコットにしないでッ!」",
|
||
"349000431_54": "「部隊って聞いてたから、軍隊みたいなものかと思ったけど\\n イメージと違いました」",
|
||
"349000431_55": "「うん、そうだね」",
|
||
"349000431_56": "「やっと帰ったか……。\\n 今日は随分と賑やかだったわ……」",
|
||
"349000431_57": "「そういえば、保護したあの女子生徒。\\n まだ目を覚ましていないのかしら」",
|
||
"349000431_58": "「少しだけ様子を見に行きましょう」",
|
||
"349000431_59": "「隊長、お疲れ様です」",
|
||
"349000431_60": "「彼女の様子はどう?」",
|
||
"349000431_61": "「まだ昏睡したままですね。\\n 状態は安定しているのですが……」",
|
||
"349000431_62": "「…………」",
|
||
"349000431_63": "「う、ううん……。\\n あ、あれ?」",
|
||
"349000431_64": "「この子、意識を取り戻したわッ!\\n 今すぐ医療班に連絡して」",
|
||
"349000431_65": "「了解しましたッ!」",
|
||
"349000431_66": "「ここ……どこ……?」",
|
||
"349000431_67": "「こんにちは。鴫野ゆかりさん」",
|
||
"349000431_68": "「ええっと、あなたは?」",
|
||
"349000431_69": "「落ち着いて。ちゃんと説明するから。\\n あなたはね……」",
|
||
"349000431_70": "「そういうことだったんですね」",
|
||
"349000431_71": "「……意外ね、すぐにこの状況を受け入れるなんて」",
|
||
"349000431_72": "「隊長さんが嘘をついてるようには見えません。\\n それに、心当たりならありますから……」",
|
||
"349000431_73": "「あのとき拾った綺麗な石が\\n ダーククリスタルだったんですね……」",
|
||
"349000431_74": "「わたし、人と話したりするのが苦手で\\n いつも1人だったんです……」",
|
||
"349000431_75": "「だけど、不思議と拾ったその石にならなんでも悩みが\\n 打ち明けられて、話したら気分がよくて……」",
|
||
"349000431_76": "「恐らくダーククリスタルの力に\\n 惹きつけられたのね」",
|
||
"349000431_77": "「じゃあ、あの石と1つになっていくような\\n 不思議な感覚は……」",
|
||
"349000431_78": "「侵食の兆候ね。\\n なるほど、そういうことだったの」",
|
||
"349000431_79": "(彼女の負の感情を糧にして、\\n ダーククリスタルが成長したのね)",
|
||
"349000431_80": "「あの、わたしはどうなるんですか?」",
|
||
"349000431_81": "「そんなに怖がらないで。\\n あなたのことはわたしたちに任せて、なんとかするから」",
|
||
"349000431_82": "「本当ですか……?」",
|
||
"349000431_83": "「ええ、約束するわ。\\n 絶対に助けるから安心して」",
|
||
"349000431_84": "「ありがとうございます、隊長さん。\\n あ、あの、わたし……」",
|
||
"349000431_85": "「しばらくはここにいてもらうから、\\n 必要なものがあったら、遠慮なく言いなさい」",
|
||
"349000431_86": "「は、はい……」",
|
||
"349000431_87": "「いい? 遠慮なく、よ?」",
|
||
"349000431_88": "「わ、わかりました……」",
|
||
"349000431_89": "(わたしの見た目も疑問に思わないようだし、不思議な子ね。\\n まあ、だからこそ浮いてしまったのかもしれないわね……)"
|
||
} |