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{
"201020111_0": "遠い日の想い出",
"201020111_1": "「元気そうでよかった。安心したわ」",
"201020111_2": "「最近、任務も立て込んでいるようだし、\\n あなたが人で頑張りすぎていないか、心配だったのよ」",
"201020111_3": "「わたしは大丈夫だよ。大変なことは多いけど、\\n みんなで協力して乗り切っているから」",
"201020111_4": "「そう……よかった」",
"201020111_5": "「姉さんこそ頑張りすぎてない?」",
"201020111_6": "「心配いらないわ。\\n わたしにはこの人もいるし」",
"201020111_7": "「マリア……」",
"201020111_8": "「そうデスよッ! マリアのことはアタシたちに\\n ドーンと任せてほしいデスッ」",
"201020111_9": "「フフッ、そうだったね」",
"201020111_10": "「それにしても、マリアとセレナは\\n 本当に仲良しデスねー」",
"201020111_11": "「2人は出会ったとき、すぐ打ち解けられたの……?\\n ほら……戸惑いがあってもおかしくないと思うんだけど……」",
"201020111_12": "「お互いに、辛い経験もしたデスし……」",
"201020111_13": "「そうですね……、\\n 姉さんの存在が大きかったかもしれません」",
"201020111_14": "「マリア姉さんは、初めてこっちの世界に来たときから、\\n 本当の妹のように接してくれたんですよ」",
"201020111_15": "「姉さんがわたしに優しくしてくれたから、\\n 自然と仲よくなったんだと思います」",
"201020111_16": "「そんな……、\\n あなたがわたしに懐いてくれたからよ」",
"201020111_17": "「そうなのかな?」",
"201020111_18": "「とにかく、出会ってから一緒にいる時間はとても長かったわね」",
"201020111_19": "「だって、姉さんといると安心するんだもの」",
"201020111_20": "「……フフッ」",
"201020111_21": "「マリア、突然笑い出してどうしたの?」",
"201020111_22": "「あ、ああ、ごめんなさい。ちょっと昔のことを思い出してね」",
"201020111_23": "「昔のことデスか?」",
"201020111_24": "「ええ、まだわたしたちが小さかった頃なんだけど……」",
"201020111_25": "「フムフム」",
"201020111_26": "「セレナが森で迷子に――あッ!\\n う、ううん、なんでもないわ……」",
"201020111_27": "「ええ、やめちゃうんデスか?」",
"201020111_28": "(わたしが知っているセレナと、今ここにいるセレナは別人。\\n こんな想い出話をしてもこの子を困らせるだけ……",
"201020111_29": "「……」",
"201020111_30": "「そのこと、わたしも覚えてる」",
"201020111_31": "「――えッ!?」",
"201020111_32": "「実はね、昔、迷子になったことがあるの」",
"201020111_33": "「もしかして、それってF.I.S.の近くにあった……」",
"201020111_34": "「そう、昼間でもちょっと暗い森だよ。\\n あの頃は、中に入るのも怖かったんだよね」",
"201020111_35": "「ど、どういうこと……」",
"201020111_36": "「つまり、別々の並行世界に存在したセレナ2人ともが\\n 同じ体験をしてたってことデスか」",
"201020111_37": "「不思議なことだけど、そうみたい」",
"201020111_38": "「2人の想い出が同じなのか気になるデスッ!」",
"201020111_39": "「うん、話を聞きたい」",
"201020111_40": "「そうね、わたしも気になるわ。\\n 答え合わせではないけれど、このまま話を続けましょうか」",
"201020111_41": "「わたし、小さかった頃はドジで\\n いつもマリア姉さんに助けられてばかりで……」",
"201020111_42": "「優しくしてくれる姉さんを喜ばせたくって、\\n 何かできないかなって思ったんです」",
"201020111_43": "「そんなとき、近くの森に綺麗な花が咲いてるって、\\n F.I.S.の人が話しているのを聞いて……」",
"201020111_44": "「綺麗な花を姉さんにプレゼントしたくて……、\\n わたし、こっそり施設を抜け出して森に行ったの」",
"201020111_45": "「……やっぱり。\\n 同じ話を聞いた記憶がわたしにもあるわ……」",
"201020111_46": "「おお、抜け出すなんて大胆デスねッ!」",
"201020111_47": "「わたしも今考えるとすごいことしちゃったな、って思います」",
"201020111_48": "「本当よ。こっちの世界でも\\n 大変な騒ぎになったんだから」",
"201020111_49": "「アハハ……。\\n ええっと、とにかくそれで森に入ることにしたんです……」",
"201020111_50": "「暗い森の中を歩くのは、すごく怖かった……。\\n でも、花を手に入れたくて頑張ったんです」",
"201020111_51": "「そして、やっとの思いで見つけた花を摘むことはできました。\\n ただ、帰り道がわからなくなって……」",
"201020111_52": "「なるほど、それで迷子になったんデスね」",
"201020111_53": "「はい。辺りは似たような景色ばかりで、\\n 自分がどこを歩いているのかもわからなくなりました」",
"201020111_54": "「……」",
"201020111_55": "「マリア姉さんの名前をずっと呼び続けてたんですけど、\\n 返事は返ってこなくて……」",
"201020111_56": "「このまま二度と会えないんじゃないかと思ったら、\\n 我慢できなくて……」",
"201020111_57": "「その場にしゃがみ込んで泣くことしかできなくなってた……」",
"201020111_58": "「迷子になったら誰だって心細いデス。\\n そうなっちゃうのも当然デスよ」",
"201020111_59": "「まだ小さかった頃の話だもんね。\\n 助けてくれる人もいなかったわけだし……」",
"201020111_60": "「でも、そのとき声が聞こえてきたんです」",
"201020111_61": "「いつもわたしの名前を呼んでくれる優しい声じゃなくて、\\n すごく必死な声で……」",
"201020111_62": "「……わたしは周りに止められるのも聞かず、\\n 勝手に探しに行ってたわ……」",
"201020111_63": "「あのときはセレナが怪我をして動けなくなってるんじゃないかと思って\\n 気が気じゃなかったわ」",
"201020111_64": "「うずくまってるセレナをやっと見つけて、\\n 駆け寄ったのよね」",
"201020111_65": "「うん。顔を上げたらそこにマリア姉さんがいたの」",
"201020111_66": "「それでまた大泣きしちゃったんですよ」",
"201020111_67": "「マリア姉さんが見つけてくれて嬉しかったのもあるけど、\\n それ以上にまた会えたことに安心して……」",
"201020111_68": "「あのとき抱きしめてもらった温もりは今でも覚えてるよ」",
"201020111_69": "「わたしはどうして森に入ったのか聞こうとしたのに、\\n あなたはずっと謝ってばかりだったわね」",
"201020111_70": "「抱きつくあなたをなだめながら、\\n その手に持っていた花が目に入ってきて……」",
"201020111_71": "「わたしのために頑張ってくれてたんだってわかって、\\n 嬉しかったのを覚えているわ」",
"201020111_72": "「わたし……いつもありがとうって伝えたかったんだけど、\\n 泣きながらで上手く言えてなかったよね」",
"201020111_73": "「大丈夫、ちゃんと伝わってたから」",
"201020111_74": "「……それじゃあのとき、\\n マリア姉さんが言ってくれたことは覚えてる」",
"201020111_75": "「ええ。こちらのわたしと同じことを言ったかはわからないけれど……」",
"201020111_76": "「セレナのことはわたしが絶対に護る。\\n ……そう言ったのよね」",
"201020111_77": "「うんッ! あのときは幼すぎて意味はよくわかってなかったけど、\\n 温かさで胸がいっぱいになったことは覚えてるよ」",
"201020111_78": "「そう……」",
"201020111_79": "(わたし自身も、こちらの世界のわたしも、\\n その言葉を守り切ることができなかった",
"201020111_80": "(そのことをセレナはどう思っているのかしら……)",
"201020111_81": "「そんなことがあったんデスか……。\\n すごくいい話デス」",
"201020111_82": "「同じ想い出を持っているなら、\\n すぐに仲良くなれるのも納得できるね」",
"201020111_83": "「実はあのときの花は栞にして、今でも大切にしてるのよ」",
"201020111_84": "「えッ、そうなの?\\n 見たいから、今度持ってきてッ」",
"201020111_85": "「ええ、もちろん」",
"201020111_86": "(マリア姉さんも花も違う並行世界の存在だけど、\\n 今でも大切にしてくれてるってわかって嬉しいな……",
"201020111_87": "「マリア姉さん、ちょっとだけ……」",
"201020111_88": "「きゃッ!? ど、どうしたのよ、急に抱きついてきて」",
"201020111_89": "「あのときは、来てくれてありがとう……」",
"201020111_90": "「……もう、仕方がない子ね。少しだけよ」",
"201020111_91": "「うん……ッ!」",
"201020111_92": "(今度こそ、わたしが絶対に護るからね……)"
}