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"312000611_0": "マリッジブルー",
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"312000611_1": "「戻りました」",
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"312000611_2": "「……」",
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"312000611_3": "「マリア……ッ!」",
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"312000611_4": "「大丈夫なのか?」",
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"312000611_5": "「……ごめんなさい、少し疲れていて」",
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"312000611_6": "「……あんなものを纏っていたせいかしら……」",
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"312000611_7": "「えッ?」",
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"312000611_8": "「わたしにはわからない……。\\n 結婚だなんて、考えられないわ……」",
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"312000611_9": "「戦いが終わってから、ずっとこんな調子なんだ。\\n すまないが、今は休ませてやってくれ」",
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"312000611_10": "「はい……」",
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"312000611_11": "「やはり、マリアさんも……。\\n 急いでメディカルルームへッ!」",
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"312000611_12": "「……」",
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"312000611_13": "「……お待たせしました」",
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"312000611_14": "「マリアは……?」",
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"312000611_15": "「今は検査も終わり、ベッドで安静にしてもらっています」",
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"312000611_16": "「マリアさんも他の3人と同様、不安定な精神状態にあります。\\n やはりあれは……、『マリッジブルー』ッ!」",
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"312000611_17": "「マリッジブルーって……、\\n ウェディングドレス型のギアを纏っただけなのにか?」",
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"312000611_18": "「多少語弊はありますが、みなさんが『結婚』について\\n 不安を訴えていることから、こう呼ばせていただきます」",
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"312000611_19": "「結婚や結婚式、ウェディングドレス……。\\n 抱える不安が結婚に関連するものばかりなのは?」",
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"312000611_20": "「症状が現れた状況から、心に思い描いていた事柄が、\\n 大きな不安となって現れるものと推察できます」",
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"312000611_21": "「言われてみれば、様子がおかしくなる直前、\\n みんなで結婚式の話をしてた……」",
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"312000611_22": "「みんな揃っているな」",
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"312000611_23": "「司令……」",
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"312000611_24": "「……場所を変えよう。\\n みんな、ひとまず発令所に来てくれ」",
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"312000611_25": "「……とりあえず、4人とも今は安静にしてもらっている」",
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"312000611_26": "「安静にしているだけで、よくなるものなんですか?」",
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"312000611_27": "「そう心配するな。\\n 心的影響は、療養することで回復が見込めるものだ」",
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"312000611_28": "「サポートとはいえ、\\n 戦闘に参加したあたしたちも、こうしてピンピンしてるしな」",
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"312000611_29": "「よかった……」",
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"312000611_30": "「しかし、あの様子だ。\\n 時間はそれなりに必要だろう」",
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"312000611_31": "「それを待っててくれるほど、\\n 話の分かる哲学兵装じゃないだろうな……」",
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"312000611_32": "「あいつらに、一体なにが起こってるんだ?」",
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"312000611_33": "「『結婚』について不安を訴える、\\n この極めて特異な症状、マリッジブルー」",
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"312000611_34": "「原因は、膨大な不幸のオーラに晒されたこと。\\n そしてそれは、ウェディングギアが起因となっています」",
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"312000611_35": "「不幸への対抗手段として手に入れた、\\n ウェディングギアが、あだになったというのか?」",
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"312000611_36": "「そんな……。\\n だって、あのギアは幸せをくれるって……」",
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"312000611_37": "「そうだ。実際、戦闘中はテンションが上がって、\\n 幸福が不幸を相殺するんじゃなかったのか?」",
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"312000611_38": "「ああ。あのギアを纏っている最中はな……」",
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"312000611_39": "「……ッ!?」",
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"312000611_40": "「じゃあ、戦闘後に突然影響が出たのは……」",
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"312000611_41": "「ウェディングギアを解除したことで、幸福の恩恵を失い、\\n 蓄積していた不幸が、急激に装者を襲ったためです」",
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"312000611_42": "「不幸は、完全に相殺されていたわけではなく、\\n ギアのもたらす幸福により、感じ取れなくなっていた――」",
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"312000611_43": "「いわば、鎮痛剤のようなものだ。\\n ギア解除後には超過したダメージに蝕まれることとなる」",
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"312000611_44": "「確かに。\\n マリアに変化があったのも、ギアを解除した直後でした」",
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"312000611_45": "「みんな、痛みに気付かなかっただけ……。\\n 後方で戦うわたしたちより、ずっと傷ついていたんですね」",
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"312000611_46": "「皆が信じた希望だというのに、\\n 現実は両刃の剣だったということか……」",
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"312000611_47": "「どうしてなんだよ……。\\n あのギアは、あたしたちの可能性じゃなかったのかッ!?」",
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"312000611_48": "「何があったッ!?」",
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"312000611_49": "「同座標にて、2つの高エネルギー反応を検知ッ!」",
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"312000611_50": "「2つだとッ!? こんな時にか……」",
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"312000611_51": "「この反応、1つは被害者女性の纏う哲学兵装、\\n もう1つは……、さっきの青いやつかッ!」",
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"312000611_52": "「いくら急を要するとて、\\n 今の4人を戦場へ立たせるわけにはッ!」",
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"312000611_53": "「くッ……、わかっているッ!」",
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"312000611_54": "「4人はマリッジブルーの症状が癒えるまで、絶対安静ですッ!」",
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"312000611_55": "「だったら、わたしたちだけでッ!」",
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"312000611_56": "「いけません。ウェディングギアもなしに、\\n 不幸のオーラによる影響に耐えられるはずが……」",
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"312000611_57": "「だから、今度はわたしたちの番。\\n 切ちゃんたちが安心して休んでいられるように……」",
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"312000611_58": "「接近できずとも、機動性に優れた天羽々斬とシュルシャガナ、\\n 射程の長いイチイバルなら、十分立ち回れます」",
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"312000611_59": "「ああ。コンビネーション次第では、\\n まだまだギアの強みが生かせる状況だッ!」",
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"312000611_60": "「まさか、おっさんがウェディングドレスでいくとは\\n 言わないよな?」",
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"312000611_61": "「んん……ッ!?」",
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"312000611_62": "「ヘヘッ。これで文句はなしだな」",
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"312000611_63": "「……分かった。だが、くれぐれも無茶はするな。\\n 敵をけん制し、退けるだけで十分だ」",
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"312000611_64": "「ああ、わかってる」",
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"312000611_65": "「ありがとうございますッ!」",
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"312000611_66": "「いくぞ、雪音、月読ッ!」",
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"312000611_67": "「ああッ!」\\n「はいッ!」"
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