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"345000941_0": "「やっぱり、電力問題の解決はできないのッ!\\n でも、そんな急に……」",
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"345000941_1": "「僕の計算ミスです。アスクレピオスの杖の装置が\\n 想定よりも多く電力を使ってしまっていました」",
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"345000941_2": "「反省するのは後だ。\\n 今は彼女を救う手段を探すべきだろう」",
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"345000941_3": "「でも、どうするデスか?」",
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"345000941_4": "「くッ! せっかく敵を退けたというのに……」",
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"345000941_5": "「切ちゃん……」",
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"345000941_6": "「調……」",
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"345000941_7": "「切歌を救う方法ならあるデスッ!」",
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"345000941_8": "「えッ!?」",
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"345000941_9": "「本当にッ!?」",
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"345000941_10": "「その前に、調に謝らなくちゃいけないデスよ。\\n ごめんなさいデス……」",
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"345000941_11": "「なんで……」",
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"345000941_12": "「実は戦ってるときに助ける方法を思いついたんデスけど、\\n なかなか言い出せなかったデスよ」",
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"345000941_13": "「本当はもっと早く言えばよかったデスのに……」",
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"345000941_14": "「いやいや、思いついただけでもすごいデス。\\n 助ける方法があるなら、早く試すデスよッ!」",
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"345000941_15": "「ああ、時間も無い、早速――」",
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"345000941_16": "「<size=40>ダメッ!!!</size>」",
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"345000941_17": "「――ッ!?」",
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"345000941_18": "「<size=40>絶対にダメッ!</size>」",
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"345000941_19": "「……調?」",
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"345000941_20": "「他の方法、わたしが絶対に見つけるから、\\n あなたは何もしなくていい」",
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"345000941_21": "「待って、時間が無いんだから他の方法を探す前に\\n 試してみてあげてもいいじゃない?」",
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"345000941_22": "「ダメなものはダメなの。\\n そんなこと、絶対に……」",
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"345000941_23": "「もしかして、アタシのことを心配してくれてるデスか?」",
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"345000941_24": "「……」",
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"345000941_25": "「え、ええっと、どういうことデス?」",
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"345000941_26": "「調さんもとっくに気づいていたんですよ。\\n 切歌さんを救う方法を」",
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"345000941_27": "「じゃあ、どうしてそれを言わなかったの」",
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"345000941_28": "「その方法はアンドロイドの切歌さんのエネルギーコアを\\n 生命維持装置の動力源にするというものです」",
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"345000941_29": "「…………ッ!?」",
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"345000941_30": "「……」",
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"345000941_31": "「あのエネルギーコアは特別ですからね。\\n 十二分に生命維持装置を稼働する力はあるでしょう」",
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"345000941_32": "「エネルギーコアは、命みたいなものって言ってたデス。\\n そんなことをして、大丈夫なんデスか?」",
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"345000941_33": "「…………」",
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"345000941_34": "「大丈夫ではない、のだな……」",
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"345000941_35": "「で、でも必要なのはエネルギーなんでしょう?」",
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"345000941_36": "「コアだけを取り外して、使用したあと元に戻せば……、\\n 一時的にエネルギーが尽きたとしても再充電とかすれば……」",
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"345000941_37": "「アンドロイドの切歌さんからコアを取り外すことはできません。\\n ですので、直接、生命維持装置と繋げる必要があります」",
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"345000941_38": "「しかし今、生命維持装置には、聖遺物も繋がっています。\\n そんな接続状態の中――」",
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"345000941_39": "「培養槽内の切歌さんを傷つけないように複雑な計算と\\n エネルギーコントロールを同時にしなければいけません」",
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"345000941_40": "「そんなことをすれば、アンドロイドの切歌さんの回路は\\n オーバーヒート……全て焼き切れてしまいます」",
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"345000941_41": "「メモリーも全て……」",
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"345000941_42": "「だけど、それで切歌を救える、だから……。\\n アタシはみんなとは、これでお別れってことデス」",
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"345000941_43": "「そんな……」",
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"345000941_44": "「そんなの絶対ダメデスッ!\\n お別れだなんて、絶対にさせないデスよッ!」",
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"345000941_45": "「探せばきっと、他の方法があるはずデス。\\n そうデスよね、調?」",
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"345000941_46": "「……」",
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"345000941_47": "「他の方法を探している時間なんて無いんデス。\\n それに、同じ切歌なら、あなたもわかるはずデスよ」",
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"345000941_48": "「調のためなら、自分が犠牲になっても構わないって」",
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"345000941_49": "「そ、それは……。\\n アタシも同じことをしようとしたから……」",
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"345000941_50": "「でも、それ以上にわかることがあるデス。\\n 調とお別れすることが、どれだけ辛いかってこともッ!」",
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"345000941_51": "「確かに調には切歌が必要デス。\\n でも、キミだって、その大切な切歌じゃないデスかッ!」",
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"345000941_52": "「……ッ!」",
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"345000941_53": "(そう、わたしはこの子のことが……)",
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"345000941_54": "「君にとっては辛い選択かもしれないが、\\n 時間がなくなるぞ、月読調」",
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"345000941_55": "「わたしには、選ぶことなんて……」",
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"345000941_56": "「……」",
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"345000941_57": "「……もう、しょうがないデスね、調は。\\n あとはアタシに任せてくださいデス」",
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"345000941_58": "「だ、ダメ、行かないでッ!\\n わたしなら絶対に別の方法を考えられるからッ!」",
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"345000941_59": "「ダメデスよ、調」",
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"345000941_60": "「何、を……ッ!?」",
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"345000941_61": "「大丈夫デス。\\n ちょっと電気ショックを与えて動けなくしただけデスから」",
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"345000941_62": "「調――」",
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"345000941_63": "「やめろ、暁ッ!」",
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"345000941_64": "「で、でも……」",
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"345000941_65": "「これは……彼女たちの問題よ。\\n わたしたちが口を出していいことじゃない……」",
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"345000941_66": "「……悔しいわね、\\n こんな時に、何もできないなんて……」",
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"345000941_67": "「行っちゃ、ダメ……」",
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"345000941_68": "「調、最後にお願いがあるデスよ」",
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"345000941_69": "「お願い……?」",
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"345000941_70": "「朝、昼、晩。\\n ちゃんとご飯を食べるデスよ」",
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"345000941_71": "「え……」",
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"345000941_72": "「細かなレシピは、調のパソコンに入れてあるデスから、\\n きっと調なら簡単に作れるデスよ」",
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"345000941_73": "「それと、3日に1回は、部屋の掃除もするデス」",
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"345000941_74": "「何を、言って……」",
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"345000941_75": "「それと……最後に、\\n ずっと、元気で笑っていてほしいデス」",
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"345000941_76": "「…………」",
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"345000941_77": "「それじゃ、調……。\\n さよならデス……」",
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"345000941_78": "「――ッ!\\n ダメえええッ! 行かないでッ!」",
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"345000941_79": "「――ッ!」",
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"345000941_80": "「胸に輝く……あれが、エネルギーコアッ!?\\n でも、これはッ!」",
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"345000941_81": "「強すぎるエネルギーが溢れているんだ。\\n 早く制御しなければ、暴走して破裂するぞッ!」",
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"345000941_82": "「でも、調は動けないデスよッ!」",
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"345000941_83": "「おい、何をぼさっとしているんだッ!」",
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"345000941_84": "「……」",
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"345000941_85": "「こいつ――ッ!」",
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"345000941_86": "「今、装置を扱えるのはお前しかいないんだぞ。\\n あいつの想いを無駄にするつもりかッ!」",
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"345000941_87": "「――ッ!?」",
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"345000941_88": "「……エネルギーの制御は僕がやります。\\n あなたは生命維持装置の操作をお願いしますッ!」",
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"345000941_89": "「ああ、わかった。操作の指示はお前がしろッ!」",
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"345000941_90": "「さすがじゃないですか、ダメ助手。\\n これからも、調のサポートお願い……するデスよ……」",
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"345000941_91": "「……ええ、任せてください」",
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"345000941_92": "「お願い、やめてッ! 切ちゃんッ!」",
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"345000941_93": "「調がこんなに頑張ってるのに、\\n いくらなんでも寝すぎデスッ!」",
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"345000941_94": "「<size=40>切歌ッ! いい加減目を覚ますデスッ!</size>」",
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||
"345000941_95": "「<size=40>切ちゃん――ッ!</size>」",
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"345000941_96": "「ごめんね、切ちゃん、ごめんね……」",
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"345000941_97": "「嬉しいデス……調。\\n 初めてアタシのこと、切ちゃんって呼んでくれたデス……」",
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"345000941_98": "「わたしはバカだ……ッ! どうして今まで……」",
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"345000941_99": "「アタシのために泣いてくれるのは嬉しいデス……。\\n でも、そろそろ泣きやむデスよ」",
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"345000941_100": "「泣いてたら、起きた切歌が心配しちゃうデス。\\n それに……切歌なら……」",
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"345000941_101": "「目が覚めたときは大好きな人の笑顔で\\n 迎えてほしいものデスよ……」",
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"345000941_102": "「切ちゃん……」",
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"345000941_103": "「調、大好きデス……」",
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"345000941_104": "「わたしも、大好きだよ……切ちゃん」",
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"345000941_105": "「切歌……調のこと、お願いするデス……」"
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